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  • 特許-二重抽出フラッシュのためのプロセス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】二重抽出フラッシュのためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   B01D 15/00 20060101AFI20230221BHJP
   C07C 7/10 20060101ALI20230221BHJP
   C07C 15/08 20060101ALI20230221BHJP
   C07C 7/12 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
B01D15/00 101A
C07C7/10
C07C15/08
C07C7/12
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021520582
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019056699
(87)【国際公開番号】W WO2020081787
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】62/747,900
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598055242
【氏名又は名称】ユーオーピー エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】ミルナー、アントン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】アーネスト、グレゴリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ノイ、アール.ジェイソン エル.
【審査官】谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-512946(JP,A)
【文献】特表2013-523436(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 15/00-15/42
C07C 7/10
C07C 7/12
C07C 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重抽出フラッシュのためのプロセスであって、
供給物(20)及び脱着剤(22)をユニット(12)に通すことであって、前記ユニット(12)は脱着ゾーン(14)、精製ゾーン(16)、及び吸着ゾーン(18)を含み、
前記脱着ゾーン(14)は前記脱着剤(22)と前記精製ゾーン(16)の頂部において前記ユニット(12)を出る抽出物(26)との間に位置し、
前記精製ゾーン(16)は前記抽出物(26)と前記吸着ゾーン(18)の頂部で前記ユニット(12)に入る供給物(20)との間に位置し、
前記吸着ゾーン(18)は前記供給物(20)と前記吸着ゾーン(18)の底部において前記ユニット(12)を出るラフィネート(24)との間に位置する、
ユニット(12)に通すことと、
前記ユニット(12)から前記抽出物(26)を取り出すことと、前記抽出物流の一部を第1のフラッシュ(40)と第2のフラッシュ(42)とに分割することと、
前記第1のフラッシュ(40)及び前記第2のフラッシュ(42)を前記精製ゾーン(16)で前記ユニット(12)に戻すことと、を含む、プロセス。
【請求項2】
前記ユニット(12)が、パラキシレン抽出ユニット又はメタキシレン抽出ユニットである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記供給物(20)が、前記精製ゾーン(16)と前記吸着ゾーン(18)との合流点で前記ユニット(12)に入り、又は前記抽出物(26)が、前記脱着ゾーン(14)と前記精製ゾーン(16)との合流点で、又はその両方で、前記ユニット(12)から取り出される、請求項1又は2に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キシレン抽出プロセスのための供給物の二重抽出フラッシュに関する。より具体的には、本発明は、模擬移動床を使用することによるパラキシレン抽出又はメタキシレン抽出などのキシレン抽出プロセスのための供給物の二重抽出フラッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
パラキシレンとメタキシレンの模擬床分離プロセス、及び他の模擬移動床分離プロセスでは、床ラインを使用して、抽出流と未抽出流の両方を運ぶ。これは、抽出流が回収され得る前に、これらの床ラインは、未抽出成分をフラッシュ洗浄する必要があることを意味している。これを行わないと、製品の純度に影響が出る。現在の実施では、供給物を運ぶために使用されてきた床ラインは2回フラッシュされる。最初に、供給物が2つの床ラインを下って進んだ後、残留している供給物はチャンバー中へとフラッシュされ、吸着サイクルの反対端からの抽出材料で置き換えられる。第2のフラッシュでは、床ラインに現に存在する抽出物材料は、最初にフラッシュされなかったあらゆる残留汚染物質と一緒に、抽出物が回収されている真下の床に押し出される。
【0003】
現在の実施にはいくつかの問題がある。第一に、ラインフラッシュアウトと最初のラインフラッシュインの要件を組み合わせるが、これら2つは最適設定が同じではない場合がある(すなわち、ラインフラッシュアウトは100%で最適であり得るのに対して、ラインフラッシュインは>100%で最適であり得る)。第二に、その実施では、抽出カラムに送られる材料に相当する第1の床ライン体積であろう脱着剤で満たされている床ラインが残る。そのことは、この材料を分離するために熱が使用されるが、材料はすでに分離されていることから、分離のには非効率である。第三に、供給物床ラインに残留しているあらゆる供給物は、供給物が入った後に、供給物が導入されてから2~3分後、すでにある程度の分離が起こった時点で、チャンバーに2つのフル床(full bed)を追加するため、それにより供給物の分離は非効率となる。最後に、第1のフラッシュ後に床ラインに残っている供給物由来の残留汚染物質は、抽出物の真下にある床に送られるため、抽出物からこれらの汚染物質を除去するための分離床は1つのみである。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、いくつかの利点を包含する。ラインフラッシュイン及びラインフラッシュアウトを分離し、各フラッシュを独立に最適化するための手段を提供する。このスキームは、各床ラインを最小化し、それ自体の床ライン体積に従って各々をフラッシュすることを可能にし、それにより、チャンバー又は下流の分別に添加される追加の非理想の組成物が最小化される。また、第1のフラッシュ及び第2のフラッシュの両方に抽出物材料を使用するという点でも特有である。これは、抽出カラムに送られる直前に床ラインである残りの床ライン材料が抽出物を有するため重要であり、これは、余分な脱着剤を処理するための追加の作業を必要とせずに、抽出カラムによって通常処理されることになるためである。
【0005】
別の利益は、床ラインがクリーンであることを保証し、かつこの材料を第1のフラッシュと、組成が床ラインにあるものと最も密接に適合する抽出との間の位置に送る第2のフラッシュを提供する点にある。第2のフラッシュを使用する現在の設計では、これは、ロータリー弁のステッピングによってロータリー弁で汚染が発生するため、必要である。最近の発明はこの汚染を防止するため、この目的のための第2のフラッシュは必要ない。この設計の第2のフラッシュは、抽出物を運ぶために使用される前に、残留しているフラッシュされていない汚染物質(第1のフラッシュ後に残っている)を床ラインから除くために必要なものを追加するのみである。
【0006】
本発明はまた、カラム中の供給点で吸着剤の吸着能力に悪影響を及ぼさないように、第1のフラッシュによって過剰にフラッシュされた成分の再配置も取り入れる。現在の実施では、第1のフラッシュでは、床ライン体積を20%超オーバーフラッシュしている。この過剰なフラッシングにより、脱着剤と、すでに抽出されたパラキシレンが供給点に導入され、これは容量の欠点(debit)をもたらす。純度のためにこの20%のオーバーフラッシュが必要な場合は、床中の材料は、フラッシュされる床ライン中に存在する材料により近いため、抽出点により近いチャンバーに送られるべきである。このようにして、容量に対する影響は、低減され、又は全ての実用上の目的のために排除される。これが、第2の抽出物フラッシュの目的となる。
【0007】
上記では、全ての温度は、摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない限り、体積基準である。本発明の他の目的、利点、及び用途は、以下の詳細な説明及び図面から当業者には明らかとなろう。実施例の追加の目的、利点、及び新規の特徴は、以下の説明において部分的に記載され、一部は、以下の説明及び添付の図面を検討すると当業者には明らかとなり、又は実施例の製造若しくは操作によって習得され得る。本概念の目的及び利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘される方法論、手段、及び組み合わせによって実現及び達成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】図面は、模擬移動床抽出プロセスのための供給物の二重抽出フラッシュを示している。 定義
【0009】
本明細書で使用するとき、「流れ」という用語は、様々な炭化水素分子及び他の物質を含むことができる。
【0010】
本明細書で使用するとき、「流れ」、「供給物」、「生成物」、「部」又は「部分」は、直鎖及び分岐鎖アルカン、ナフタレン、アルケン、アルカジエン、及びアルキンなどの様々な炭化水素分子、並びに、任意選択的に、他の物質、例えば、気体、例えば、水素、又は不純物、例えば、重金属、並びに、硫黄及び窒素化合物を含むことができる。上記のそれぞれは、芳香族及び非芳香族炭化水素も含み得る。
【0011】
本明細書で使用するとき、「オーバーヘッド流」という用語は、カラムなどの容器の頂部又はその付近で回収された流れを意味することができる。
【0012】
本明細書で使用するとき、「塔底流」という用語は、カラムなどの容器の底部又はその付近で回収された流れを意味することができる。
【0013】
炭化水素分子は、C1、C2、C3、Cnと略してもよく、「n」は、1つ以上の炭化水素分子中の炭素原子の数を表し、又は略語は、例えば、非芳香族若しくは化合物に関する形容詞として使用してもよい。同様に、芳香族化合物は、A6、A7、A8、Anと略してもよく、「n」は、1つ以上の芳香族分子中の炭素原子の数を表す。更に、添え字「+」又は「-」は省略された1つ以上の炭化水素の表記と共に使用することができ、例えば、C3+又はC3-は、省略された1つ以上の炭化水素を含む。例として、略語「C3+」は、3個以上の炭素原子の1つ以上の炭化水素分子を意味している。
【0014】
本明細書で使用するとき、「ユニット」という用語は、1つ以上の設備機器及び/又は1つ以上のサブゾーンを含む領域を指すことができる。設備機器として、1つ以上の反応器又は反応容器、分離容器、吸着剤チャンバー(単数又は複数)、蒸留塔、加熱器、交換器、パイプ、ポンプ、圧縮機、及びコントローラを挙げることができるが、それらに限定されない。加えて、反応器、乾燥機、吸着剤チャンバー又は容器などの設備機器は、1つ以上のゾーン又はサブゾーンを更に含むことができる。
【0015】
「カラム」という用語は、異なる揮発性の1つ以上の成分を分離するための蒸留カラム(単数又は複数)を意味している。別途記載のない限り、各カラムは、カラムの頂部に戻るオーバーヘッド流の一部を凝縮かつ還流させるためにカラムのオーバーヘッドに凝縮器と、底部流の一部を、気化させ、カラムの底部へと返送するためにカラムの底部にリボイラーと、を含む。カラムへの供給物は、予熱され得る。頂部又はオーバーヘッドの圧力は、カラムの蒸気出口におけるオーバーヘッド蒸気の圧力である。底部温度は、液体底部出口温度である。オーバーヘッドライン及び底部ラインは、特に示されない限り、カラムへの任意の還流又は再沸騰の下流にあるカラムからの正味のラインを指す。ストリッピングカラムは、カラムの底部でリボイラーを省略し、代わりに、加熱要件、及び蒸気などの流動化不活性媒体からの剥離を提供する。
【0016】
図示されているように、図中のプロセスフローラインは、例えば、ライン、パイプ、供給物、ガス、製品、排出物、部品、部分、又は流れと称することができる。
【0017】
「通過する」という用語は、材料が導管又は容器から対象物へと通過することを意味している。
【0018】
「アプリケーション」及び「プログラム」という用語は、1つ以上のコンピュータプログラム、ソフトウェアコンポーネント、命令のセット、プロシージャ、関数、オブジェクト、クラス、インスタンス、関連データ、又は(ソースコード、オブジェクトコード、又は実行可能コードなど)好適なコンピュータコードにおいて実施するために適合された、これらの一部を指す。「通信する」という用語並びにその派生語は、直接通信及び間接通信の両方を包含している。
【0019】
「制御システム」は、吸着セクションの制御要素の設定値を決定するハードウェア及びソフトウェアのコンピューティングコンポーネントとして定義される。
【0020】
「ゾーン1」という用語は、供給点より下かつラフィネート点より上の吸着剤チャンバー中のゾーンとして定義され、「吸着ゾーン」とも称され得る。
【0021】
「ゾーン2」という用語は、抽出点より下かつ供給点より上の吸着剤チャンバー中のゾーンとして定義され、「精製ゾーン」とも称され得る。
【0022】
「ゾーン3」という用語は、脱着剤点より下かつ抽出点より上の吸着剤チャンバー中のゾーンとして定義され、「脱着ゾーン」とも称され得る。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、記載の実施形態の用途及び使用を限定することを意図していない。更に、前述の背景技術又は以下の詳細な説明で提示される、いずれの理論によっても拘束されることは意図していない。
【0024】
本発明の装置の説明を、添付の図面を参照して提示する。図は、本発明の好ましい実施形態の簡略図であり、本明細書に提供される説明及び添付の特許請求の範囲の一般的に広い範囲に関する過度の限定として意図されていない。バルブ、ポンプ、圧縮機、熱交換器、機器、及び制御装置などのある特定のハードウェアは、本発明の明確な理解に必須ではないために省略されている。このハードウェアの使用及び適用は、当業者には周知である。
【0025】
本明細書に記載される様々な実施形態は、二重抽出フラッシュ10のためのプロセスに関する。図に示したように、プロセス10は、吸着ゾーン18と、精製ゾーン16と、脱着ゾーン14と、を含むユニット12を含む。限定するものではないが、パラキシレン分離のためのものなどの模擬移動床技術では、各ゾーンと、チャンバーから添加又は回収される各流れの位置とは、ユニット12を通って下に連続して移動し、それがユニット12の底部に到達すると、ユニット12の頂部に送り返される。各ゾーン及び各流れの相対位置は、全ての他のゾーン及び流れに対して同じままである。図に示した例では、吸着ゾーン18は、供給物20とラフィネート24との間のユニット12に位置し、精製ゾーン16は、抽出物26と供給物20との間のユニット12に位置し、脱着ゾーン14は、脱着剤22と抽出物26との間のユニット12に位置する。吸着ゾーンは、供給物20及びラフィネート24を含む。ラフィネートは、吸着ゾーン18の底部においてユニット12を出る。供給物20は、吸着ゾーン18の頂部でユニット12に入る。精製ゾーン16は、精製ゾーン16の頂部においてユニット12を出る抽出物26と、第1のフラッシュ40と、第2のフラッシュ42と、を含む。第1のフラッシュ40は、第2のフラッシュ42の下に位置する。ここで、抽出物26は、ユニット12を出て、ライン38によって抽出カラムに送られる。ライン38は、ラインフラッシュアウト28によって接合され、一部は、ポンプ44へライン36として取られる。
【0026】
抽出物流26は、抽出カラムに送られる部分37を含み、残りの流れ36はポンプ44に送られる。抽出カラムに送られる流れ38はまた、脱着剤22の下の脱着ゾーン14においてユニット12を出るラインフラッシュ28も含む。
【0027】
抽出物流36がポンプ44を通過すると、2つのフラッシュラインに分割される。第1のフラッシュ40は、ライン36から汲み上げられ、チャンバー中へと供給物をもたらすために使用された直後に、ユニット12中の床ラインに送られる。床ラインは依然として供給物を含有し、これらの残留供給物成分は、チャンバー中へとフラッシュされ、供給物がチャンバーに入る位置に可能な限り接近するようにチャンバー中に送る。このフラッシュは、1つのステップ中に床ライン体積の80~100%をフラッシュするように設定され、この位置での過剰フラッシュは容量の欠点をもたらすため、過剰フラッシュはほとんど又はまったく許容されない。フラッシング流量は、制御システムによって制御される。
【0028】
製品純度のために、追加のフラッシングが必要である。この追加のフラッシュは、その点付近の床の組成物は、脱着剤及び所望の成分の両方がより濃縮されるため、抽出点により近い精製ゾーンに送られるべきである。現在の実施は、この材料1を抽出物の下の床に送ることである。しかしながら、本発明では、過剰フラッシュされた量は、抽出生成物の汚染を引き起こし得る、より高濃度の供給汚染物質を有する。このフラッシュの速度は、残留供給成分を取り除くのにちょうど十分なだけ低い速度であるべきである。これは、床ライン体積の20~50%であり得ることが企図される。この推定値は、床ライン全体の供給汚染物質を除去するために、床ラインの体積の120~130%がフラッシング材料でフラッシュされる必要があることを示唆するモデリング作業から得られたものである。したがって、床ラインフラッシュの最初の80~100%が第1のフラッシュ40で行われた後、残りの必要なフラッシュは、精製ゾーン16において後に第2のフラッシュ42によって達成される。
【0029】
第1のフラッシュ40は、精製ゾーン16においてユニット12にも入る第2のフラッシュライン42の下の精製ゾーン16においてユニット12に入る。1つの企図される実施例では、第1のフラッシュ40は、必要とされる総フラッシング量の60~80%を構成することができ、第2のフラッシュ42は、必要とされる総フラッシング量の40~20%を構成することができる。別の企図される実施例では、第1のフラッシュ40は、必要とされる総フラッシング量の70%を構成することができ、第2のフラッシュ42は、必要とされる総フラッシング量の30%を構成することができる。別の企図される実施例では、第1のフラッシュ40は、必要とされる総フラッシング量の60%を構成することができ、第2のフラッシュ42は、必要とされる総フラッシング量の40%を構成することができる。更に別の企図される実施例では、第1のフラッシュ40は、必要とされる総フラッシング量の50%を構成することができ、第2のフラッシュ42は、必要とされる総フラッシング量の50%を構成することができる。しかしながら、ラインフラッシュの他の組み合わせが使用されることも企図される。
【0030】
第1のフラッシュ40は、供給物20の上に2つの床ラインを精製ゾーン16に配置することが企図される。第2のフラッシュ42は、供給物20の上に2~4つの床を精製ゾーン16に配置することが企図される。
【0031】
本発明を実施することは、大きな経済的利益を意味するであろう。それにより、抽出カラム中で分離される必要がある抽出物流38中の脱着剤成分の量が低減される。また、ユニット12中の吸着剤の吸着能力が増す。
【0032】
本発明を、現在好ましい実施形態と考えられているものと共に説明してきたが、本発明は、開示される実施形態に限定されるものではないが、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することが意図されることを理解すべきである。
特定の実施形態
【0033】
以下を特定の実施形態と併せて説明するが、この説明は、前述の説明及び添付の特許請求の範囲を例示するものであり、限定するものではないことが理解されるであろう。
【0034】
本発明の第1の実施形態は、二重抽出フラッシュのためのプロセスであって、供給物及び脱着剤をユニットに通すことであって、そのユニットは脱着ゾーン、精製ゾーン、及び吸着ゾーンを含み、その脱着ゾーンは脱着剤と抽出物との間に位置し、その精製ゾーンは抽出物と供給物との間に位置し、その吸着ゾーンは供給物とラフィネートとの間に位置する、ユニットに通すことと、ユニットから抽出物を取り出すことと、その抽出物流の一部を第1のフラッシュと第2のフラッシュとに分割することと、第1のフラッシュ及び第2のフラッシュをユニットに戻すことと、を含む、二重抽出フラッシュのためのプロセスである。発明の実施形態は、この段落における第1の実施形態までのこの段落における先行実施形態の1つ、いずれか、又は全てであり、そのユニットはパラキシレン抽出ユニットである。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、そのユニットはメタキシレン抽出ユニットである。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、その供給物は、精製ゾーンと吸着ゾーンとの合流点でユニットに入る。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、その抽出物は、脱着ゾーンと精製ゾーンとの合流点でユニットから取り出される。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1のフラッシュは、第2のフラッシュの下にあるユニットに入る。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1のフラッシュ及び第2のフラッシュは、供給物の上ではあるが抽出物の下で、ユニットに入る。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1のフラッシュはフラッシュの70%を構成することができ、第2のフラッシュはフラッシュの30%を構成することができる。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1のフラッシュはフラッシュの60%を構成することができ、第2のフラッシュはフラッシュの40%を構成することができる。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1のフラッシュはフラッシュの80%を構成することができ、第2のフラッシュはフラッシュの20%を構成することができる。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1のフラッシュと第2のフラッシュは制御システムによって制御される。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、第1のフラッシュと第2のフラッシュは独立して制御され得る。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、更に、ユニットからの抽出生成物流をラインフラッシュアウトと組み合わせ、その組み合わされた流れを抽出カラムに送ることを含む。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、そのユニットは複数の床を含み、第2のフラッシュは、供給物の上にあるユニットの2~4つの床に入る。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、そのユニットは複数の床を含み、第1のフラッシュは、供給物の上にあるユニットの2つの床に入る。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、更に、そのユニットからの抽出生成物流から分割され、精製ゾーン中のユニットに送り返され得る第3のフラッシュを含む。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、または全てであり、第3のフラッシュは、第2のフラッシュと抽出物の間においてユニットに入り得る。
【0035】
本発明の第2の実施形態は、二重抽出フラッシュのためのプロセスであって、供給物及び脱着剤を複数の床を含むユニットに通すことであって、そのユニットは脱着ゾーン、精製ゾーン、及び吸着ゾーンを含み、その脱着ゾーンは脱着剤と抽出物との間に位置し、その精製ゾーンは抽出物と供給物との間に位置し、その吸着ゾーンは供給物とラフィネートとの間に位置する、ユニットに通すことと、そのユニットから抽出物を取り出すことと、その抽出物流を第1のフラッシュ及び第2のフラッシュに分割することと、その第1のフラッシュ及び第2のフラッシュをユニットに戻すことと、を含み、その第1のフラッシュはフラッシュの70%を構成することができ、その第2のフラッシュはフラッシュの30%を構成することができる。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、そのユニットは複数の床を含み、その第2のフラッシュは、抽出物の下のユニット、そして供給物の上にある2~4つの床に入る。本発明の実施形態は、本段落における先行実施形態から本段落における第1の実施形態までのうちの1つ、いずれか、又は全てであり、そのユニットは複数の床を含み、その第1のフラッシュは、抽出物の下のユニット、そして供給物の上にある2つの床に入る。
【0036】
更に説明することなく、前述の説明を用いて、当業者が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明を最大限に利用し、本発明の本質的な特性を容易に確認でき、本発明の様々な変更及び修正を行い、様々な使用及び条件に適合させることができると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の実施形態は、単なる例示として解釈されるべきであり、いかなるようにも本開示の残りを限定するものではなく、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正及び同等の構成を網羅することを意図するものである。
【0037】
上記では、全ての温度は摂氏度で記載され、全ての部及び百分率は、別途記載のない限り、重量基準である。
図1