(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】スズランノートを有する賦香成分
(51)【国際特許分類】
C11B 9/00 20060101AFI20230221BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20230221BHJP
A61K 8/33 20060101ALI20230221BHJP
C07C 47/105 20060101ALI20230221BHJP
C07C 47/225 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
C11B9/00 K
A61Q13/00 101
A61K8/33
C07C47/105 CSP
C07C47/225
(21)【出願番号】P 2021525189
(86)(22)【出願日】2018-11-13
(86)【国際出願番号】 EP2018081104
(87)【国際公開番号】W WO2020098923
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2021-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100215670
【氏名又は名称】山崎 直毅
(72)【発明者】
【氏名】ヘルシャー ベルント
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラセカラン ヴィジェイアナンド
(72)【発明者】
【氏名】キールマッシュ エーファ
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/167200(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0117046(US,A1)
【文献】特表2010-508335(JP,A)
【文献】特開平04-021649(JP,A)
【文献】特表2016-523827(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0090390(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 9/00- 9/02
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C07C47/00
C11D 1/00-19/00
A61L 9/00- 9/22
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
FSTA(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール、および3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールからなる群から選ばれた化合物の、賦香成分としての使用。
【請求項2】
前記賦香成分は、i)フローラルな、および/またはii)グリーンな、および/またはiii)スズランの香り特性を有する、請求項1記載の使用。
【請求項3】
前記賦香成分は、さらにスイートな香り特性またはクリーミーな香り特性を有する、請求項2記載の使用。
【請求項4】
3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール。
【請求項5】
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール。
【請求項6】
3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール。
【請求項7】
請求項1において定義される化合物を含む香料組成物。
【請求項8】
1種類以上の追加のフレグランス成分を含む、請求項7記載の香料組成物。
【請求項9】
請求項1において定義される化合物あるいは請求項7または8記載の香料組成物を含む着香製品。
【請求項10】
前記製品は、香料エキス、オードパルファム、オードトワレ、アフターシェーブ、オーデコロン、プリシェーブ製品、スプラッシュコロン、着香リフレッシュティッシュ、酸性、アルカリ性および中性洗剤、布地フレッシュナー、アイロン補助剤、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処理剤、織物柔軟剤、洗濯石鹸、洗濯錠剤、殺菌剤、表面殺菌剤、エアーインプルーバー、エアロゾルスプレー、ワックスおよび光沢剤、パーソナルケア剤、ハンドクリームおよびローション、フットクリームおよびローション、脱毛クリームおよびローション、アフターシェーブクリームおよびローション、日やけ用クリームおよびローション、ヘアケア製品、デオドラントおよび発汗抑制剤、装飾化粧用製品、ロウソク、ランプ油、香料スティック、殺虫剤、防虫剤および燃料からなる群から選ばれる、請求項9記載の着香製品。
【請求項11】
以下のステップ、
i)請求項1において定義される化合物あるいは請求項7または8記載の香料組成物を提供するステップと、
ii)製造されるべき着香製品の1種類またはいくつかの種類のさらなる構成要素を提供するステップと、
iii)ステップii)において提供されたさらなる構成要素を感覚的に有効な量のステップi)において提供された構成要素と接触させるかまたは混合するステップと、
を含む、着香製品、特に請求項9または10記載の着香製品を製造するための方法。
【請求項12】
着香製品に、i)フローラルな、および/またはii)グリーンな、および/またはiii)スズランの香り特性を付与および/または増加する方法であって、それに、請求項1において定義される化合物あるいは請求項7または8において定義される香料組成物を加えるステップを含む方法。
【請求項13】
以下の反応ステップ
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
のうち少なくとも1、2、3、4、5または6ステップを含む、請求項1において定義された化合物の調製のためのプロセスであって、
R’は、アルキル
であり、R’’およびR’’’は、独立に、アルキル
であるか、あるいはアルキル基を介して
結合して環を形成していてもよい、プロセス。
【請求項14】
R’は、エチルである、請求項13記載のプロセス。
【請求項15】
R’’およびR’’’は、独立に、メチルまたはエチルであるか、あるいはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルに結合して環を形成していてもよい、請求項13または14記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、賦香成分としての3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、または3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールの使用に関する。さらに、本発明は、前述の賦香成分を含む香料組成物および着香製品に関する。さらにより詳しくは、本発明は、前記着香製品を製造するための方法ならびにi)フローラルな、および/またはii)グリーンな、および/またはiii)スズランの香り特性を着香製品に付与する方法および/または増加させる方法に関する。本発明は、3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、または3-(4-イソブチル-6メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールならびに前記化合物の調製のためのプロセスにも関する。
【背景技術】
【0002】
フローラルな香りを有する化合物は、香料産業においても化粧品、ボディーケア製品および洗濯洗浄製品の製造においても不可欠な構成要素である。これらのフローラルなフレグランスのうちで特に価値が高いクラスは、スズランの香りノートを有する化合物である。
【0003】
このクラスの賦香成分のいくつかの代表的なものは、骨格構造として4-アルキル-フェニルプロパナールを含む構造、例えば3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール(別名:リリアール)、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール(別名:ブルジョナール)、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール(シクラマール)、3-(3-イソプロピルフェニル)-ブタナール(別名:フロルヒドラール)、および3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナールを有する。
【0004】
香料成分としての3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナールの使用は、例えば特許文献1において開示されている。
【0005】
3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナールは、長い間、スズランの香りノートを有するフローラルなフレグランス組成物のための、産業的に用いられる最も重要なフレグランスの1つであり、化粧品および石鹸産業において大量に用いられた。ところが、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナールは、生殖毒性であり得ることを動物実験の結果が示した。さらに、この化合物は、おそらくアレルゲンであり、敏感な人に接触性皮膚炎を生じさせ得ることが見いだされた。
【0006】
3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナールは、ラットおよび犬では酵素反応によって分解し、グルコース合成および脂肪酸合成をインビトロで阻害することが知られているtert-ブチル安息香酸(t-BBA)になることが示された(非特許文献1)。tert-ブチル安息香酸は、オスラットで精巣への影響を引き起こすことも知られている(非特許文献2;非特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2014/180945(A1)号
【非特許文献】
【0008】
【文献】マッキューン(McCune)ら、Archives of Biochemistry and Biophysics、1982年、214巻、1号、p.124~133
【文献】ハンター(Hunter)ら、Food and Cosmetics Toxicology、1965年、3巻、p.289~298
【文献】ケージェン(Cagen)ら、Journal of the American College of Toxicology、1989年、8巻、5号、p.1027~1038
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
既に入手可能な多数の賦香成分にもかかわらず、香料業界においては依然としてフローラルな、特にスズランの香りノートを有する新規な賦香成分が一般的に求められている。
【0010】
本発明によって解決されるべき主要な課題は、フローラルな、特にスズランの香りノートを有する賦香成分を提供することであった。この賦香成分は、スズランの花の天然の香りの複雑さに大いに対応する香りの印象を付与しなければならない。
【0011】
これらの賦香成分は、それによって、好ましくは、以下の要件の1つ、いくつかまたは好ましくはすべてを満たすのが当然である。
-入手しやすさ、
-低濃度で高い効力、好ましくは低濃度では検知されないかまたはほとんど検知されない固有の香りを有する、
-完全な無色またはほとんど無色、
-特に変色および/または分離および/または濁りが発生しない、様々な混合物または調製物中での高い安定性
-不活性な挙動、
-ヒトに対して毒性および/またはアレルゲン効果がない。
【0012】
さらに、本発明によって、そのような賦香成分を含有する特に新規、有利な香料組成物が提供されなければならない。そのような香料組成物は、好ましくは、フレグランスまたは香料の特定の製品に適さなければならない。
【0013】
さらに、相応して、着香製品ならびにそのような製品を製造するための方法が提供されなければならない。
【0014】
本発明の第一の目的は、3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールおよび3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールからなる群から選ばれた化合物の賦香成分としての使用によって解決される。
【0015】
驚くべきことに、3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、および3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、スズランの花の天然の香りの複雑さに非常に近い香りの印象を付与することが見いだされた。すなわち、これらの化合物によって付与される香りの印象は、特にスズランの香りノートに関して傑出した自然さおよび複雑さを特徴とする。先行技術から知られているスズランの香りノートを有するフレグランスによってスズランの花の天然の香りに高度に対応するそのような複雑な香りの印象が達成されたことはこれまでない。
【0016】
本発明に至った、スズランの香りノートを有する適当な物質の探索は、以下の状況によって妨げられた。
-香りの感知の機構が十分に知られていない。
-一方における特別な香りの感知と他方における関連するフレグランスの化学構造との間の関係が十分に検討されておらず、分子の香り特性を予測する能力が具わっていない。
-既知のフレグランスの構造的な作りにおけるわずかな変化でさえ多くの場合に知覚特性の大きな変化をもたらし、その化合物の人体に対する適合性を弱める。
【0017】
従って、適当なフレグランスを求める探索の成功は、探索を行う個人の直観に高度に依存する。
【0018】
さらに、3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、または3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールがヒトに有毒である、および/またはアレルゲン効果を有するという証拠は、見いだされなかった。この化合物は、芳香族ではない(有機化学の観点から)ため、tert-ブチル安息香酸(t-BBA)または他の安息香酸類への酵素的分解は、可能でない。
【0019】
本発明のさらに別の側面は、以下の記載、実施例、図および添付の特許請求の範囲から分かる。
【0020】
本明細書の文脈において、賦香成分とは、匂いの印象をもたらすための、すなわち匂いの印象を付与するための、または別の物質の匂いの知覚を変える(修飾または強化する)ための使用に適するあらゆる物質である。
【0021】
3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、および3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、一般式(I)の化合物である。
【0022】
【0023】
式中、
a)すべての破線付き結合は、単結合を表し、Rは、CH3である(3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール)か、
b)C1とC6との間およびC2とC3との間の破線付き結合は、二重結合であり、残余の破線付き結合は、単結合を表し、Rは、CH3である(3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール)か、
c)C1とC6との間およびC2とRとの間の破線付き結合は、二重結合であり、残余の破線付き結合は、単結合を表し、Rは、CH2である(3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール)か、または
d)C1とC2との間の破線付き結合は、二重結合であり、残余の破線付き結合は、単結合を表し、Rは、CH3である(3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール)。一般式(I)から分かるように、すべてのこれらの化合物は、重要な構造要素を共有し、同じクラスの化合物に属する。
【0024】
3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナールは、次式(A)の化合物である。
【0025】
【0026】
3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナールは、本発明の別の側面である。3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナールは、それに下記に示す8種の可能な立体異性体(A1~A9)を与える3個の立体中心を有する。3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナールは、すべてのまたはいくつかの立体異性体(A1~A9)の混合物として用いることができ、あるいは立体異性体A1からA9を独立に用いることができる。
【0027】
【0028】
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナールは、次式(B)の化合物である。
【0029】
【0030】
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナールは、本発明の別の側面である。3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナールは、それに下記に示す2種の可能なエナンチオマ(B1~B2)を与える1個の立体中心を有する。3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナールは、ラセミ混合物としてまたは両方のエナンチオマーの混合物として用いることができる。
【0031】
【0032】
3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、次式(C)の化合物である。
【0033】
【0034】
3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、本発明の別の側面である。3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、それに下記に示す2種類の可能なエナンチオマー(C1およびC2)を与える1個の立体中心を有する。3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、ラセミ混合物としてまたは両方のエナンチオマーの混合物として用いることができる。
【0035】
【0036】
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、次式(D)の化合物である。
【0037】
【0038】
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、本発明の別の側面である。3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、それに下記に示す4つの可能な立体異性体(D1~D4)(ジアステレオマー)を与える2個の立体中心を有する。3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、すべてのまたはいくつかの立体異性体(D1~D4)の混合物として用いることができる。
【0039】
【0040】
本発明は、3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1、5-ジエン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、および3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールからなる群から選ばれた化合物にも関する。
【0041】
賦香成分がi)フローラルな、および/またはii)グリーンな、および/またはiii)スズランの香り特性を有する、本発明による使用が好ましい。本発明による使用は、賦香成分がさらに別のスイートなまたはクリーミーな香り特性を有する場合である。
【0042】
上記に従って、本発明の別の側面は、特に、3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、および3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールからなる群から選ばれた少なくとも1種類の化合物を含む香料組成物に関する。
【0043】
本発明による香料組成物は、通常は25℃、1013hPaにおいて液体であり、通常は均一な溶液である。
【0044】
香料組成物は、多くの場合、合成または天然の(好ましくは)香味および匂いが中性のキャリア油を含み、キャリア油は、香り物質またはフレグランス物質(人工物質または天然物質として)(ならびに適用可能なら香料用溶媒および/または補助材料)を高度に濃縮された形で収容する。同じことが本明細書に記載される本発明による香料組成物に相応にあてはまる。
【0045】
好ましくは、本発明による香料組成物は、1種類以上の追加のフレグランス成分を含む。
【0046】
本発明による香料組成物の構成要素として一般的に好ましく用いることができるフレグランス成分の例は、例えば、S.アークタンダー(Arctander)、香料およびフレーバー化学品(Perfume and Flavor Chemicals)IおよびII巻、モンクレア(Monclair)、ニュージャージー(N.J.),1969年、著者版またはH.サーバーグ(Surburg)、J.パンテン(Panten)、共通フレーバー材料(Common Flavor Materials)、第5版、ワイリー(Wiley)-VCH、バインハイム2006年において見いだすことができる。
【0047】
本発明による香料組成物のフレグランス成分とすることができる好ましい芳香油、濃厚花精油、アブソリュート、レジン、レジノイド、バルサムおよび/またはチンキは、好ましくは、
アンバーグリスチンキ;アミリス油;アンゲリカ種子油;アンゲリカ根油;アニス油;吉草油;バジル油;ツリーモスアブソリュート;ベイ油;ヨモギ油;ベンゾインレジン;ベルガモット油;蜜蝋アブソリュート;カバティー油;苦扁桃油;セイバリー油;朴葉油;カブリューバ油;カデ油;カルマス油;樟脳油;カナンガ油;カルダモン油;カスカリラ油;カッシア油;アカシアアブソリュート;ビーバー香アブソリュート;ニオイヒバ油;セダー油;システ油;シトロネラ油;シトラス油;コパイババルサム;コパイババルサム油;コリアンダー油;コスタス根油;クメン油;サイプレス油;ダバナ油;イノンド葉油;イノンド種子油;オーデブルーアブソリュート;ツノマタゴケアブソリュート;エレミ油;エストラゴン油;ユーカリレモン油;ユーカリ油;ウイキョウ油;トウヒ針葉油;ガルバヌム油;ガルバヌムレジン;ゼラニウム油;グレープフルーツ油;グアヤクウッド油;グルユンバルサム;グルユンバルサム油;ムギワラギクアブソリュート;ムギワラギク油;ジンジャー油;イリス根アブソリュート;イリス根油;ジャスミンアブソリュート;カラムス油;カモミール油ブルー;カモミール油ローマン;ニンジン種子油;カスカリラ油;松葉油;スペアミント油;カラウェー油;ラダナム油;ラブダナムアブソリュート;ラブダナムレジン;ラバンディンアブソリュート;ラバンディン油;ラベンダーアブソリュート;ラベンダー油;レモングラス油;ラビッジ油;蒸留ライム油;圧搾ライム油;リナロエ油;アオモジ油;ベイリーフ油;メシ油;マヨラナ油;マンダリン油;マソイア樹皮油;ミモザアブソリュート;ムスク種子油;ムスクチンキ;マスカテルセージ油;ニクズク油;ミルラアブソリュート;ミルラ油;ミルテ油;カーネーション葉油;カーネーション花油;ネロリ油;オリバナムアブソリュート;オリバナム油;オポパナックス油;オレンジブラッサムアブソリュート;オレンジ油;オリガヌム油;パルマローザ油;パッチュリ油;エノ油;ペルーバルサム油;パセリ葉油;パセリ種子油;プチグレン油;ハッカ油;胡椒油;オールスパイス油;パイン油;ポレイ油;ローズアブソリュート;ローズウッド油;ローズ油;ローズマリー油;セージ油ダルメシアン;セージ油スパニッシュ;ビャクダン油;セロリ種子油;スパイクラベンダー油;スターアニス油;エゴノキ油;マンジュギク油;ファーニードル油;チャノキ油;テレビン油;タイム油;トルーバルサム;トンカアブソリュート;ゲッカコウアブソリュート;バニラエキス;スミレ葉アブソリュート;バーベナ油;ベチバー油;ジュニパーベリー油;ワイン酵母油;ベルモット油;ウインターグリーン油;イラン油;イソップ(ysop)油;シベットアブソリュート;シナモン葉油;ケイ皮油
からなる群から選ばれる。
【0048】
本発明による香料組成物のフレグランス成分として好ましく用いることができる単一フレグランス物質は、
炭化水素、それによって、好ましくは、3-カレン;a-ピネン;b-ピネン;a-テルピネン;g-テルピネン;p-シメン;ビサボレン;カンフェン;カリオフィレン;セドレン;ファルネセン;リモネン;ロンギフォレン;ミルセン;オシメン;バレンセン;(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン;スチレン;ジフェニルメタン;
脂肪族アルコール、それによって、好ましくは、ヘキサノール;オクタノール;3-オクタノール;2,6-ジメチルヘプタノール;2-メチル-2-ヘプタノール;2-メチル-2-オクタノール;(E)-2-ヘキセノール;(E)-および(Z)-3-ヘキセノール;1-オクテン-3-オール;3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールとの混合物;(E,Z)-2,6-ノナジエノール;3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール;9-デセノール;10-ウンデセノール;4-メチル-3-デセン-5-オール;
脂肪族アルデヒドおよびそのアセタール、それによって、好ましくは、ヘキサナール;ヘプタナール;オクタナール;ノナナール;デカナール;ウンデカナール;ドデカナール;トリデカナール;2-メチルオクタナール;2-メチルノナナール;(E)-2-ヘキセナール;(Z)-4-ヘプテナール;2,6-ジメチル-5-ヘプテナール;10-ウンデセナール;(E)-4-デセナール;2-ドデセナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール;2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエンナール;ヘプタナールジエチルアセタール;1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン;シトロネリルオキシアセトアルデヒド;1-(1-メトキシ-プロポキシ)-(E/Z)-3-ヘキセン;
脂肪族ケトンおよびそのオキシム、それによって、好ましくは、2-ヘプタノン;2-オクタノン;3-オクタノン;3-ノナノン;5-メチル-3-ヘプタノン;5-メチル-3-ヘプタノンオキシム;2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン;6-メチル-5-ヘプテン-2-オン;
脂肪族硫黄含有化合物、それによって、好ましくは、3-メチルチオ-ヘキサノール;3-メチルチオヘキシルアセテート;3-メルカプトヘキサノール;3-メルカプトヘキシルアセテート;3-メルカプトヘキシルブチレート;3-アセチルチオヘキシルアセテート;1-メンテン-8-チオール;
脂肪族ニトリル、それによって、好ましくは、2-ノネン酸ニトリル;2-ウンデセン酸ニトリル;2-トリデセン酸ニトリル;3,13-トリデカジエン酸ニトリル;3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸ニトリル;3,7-ジメチル-6-オクテン酸ニトリル;
脂肪族カルボン酸のエステル、それによって、好ましくは、ギ酸(E)-および(Z)-3-ヘキセニル;アセト酢酸エチル;酢酸イソアミル;酢酸ヘキシル;酢酸3,5,5-トリメチルヘキシル;酢酸3-メチル-2-ブテニル;酢酸(E)-2-ヘキセニル;酢酸(E)-および(Z)-3-ヘキセニル;酢酸オクチル;酢酸3-オクチル;酢酸1-オクテン-3-イル;酪酸エチル;酪酸ブチル;酪酸イソアミル;酪酸ヘキシル;イソ酪酸(E)-および(Z)-3-ヘキセニル;クロトン酸ヘキシル;イソ吉草酸エチル;エチル-2-メチルペンタノエート;ヘキサン酸エチル;ヘキサン酸アリル;ヘプタン酸エチル;ヘプタン酸アリル;オクタン酸エチル;エチル-(E,Z)-2,4-デカジエネート;メチル-2-オクチネート;メチル-2-ノニネート;アリル-2-イソアミルオキシアセテート;メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート;4-メチル-2-ペンチル-クロトネート;
非環状テルペンアルコール、それによって、好ましくは、シトロネロール;ゲラニオール;ネロール;リナロール;ラバジュロール;ネロリドール;ファルネソール;テトラヒドロリナロオール;テトラヒドロゲラニオール;2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチルオクタン-2-オール;2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール;2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール;2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール;3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール;3,7-ジメチル-1,5-7-オクタトリエン-3-オール2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール;ならびにそれらのギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、イソ酪酸エステル、酪酸エステル、イソ吉草酸エステル、ペンタン酸エステル、ヘキサン酸エステル、クロトン酸エステル、チグリン酸エステルおよび3-メチル-2-ブテン酸エステル;
非環状テルペンアルデヒドおよび-ケトン、それによって、好ましくは、ゲラニアール;ネラール;シトロネラール;7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール;7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール;ゲラニルアセトン;ならびにゲラニアール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル-およびジエチルアセタール;
環状テルペンアルコール、それによって、好ましくは、イソプレゴール;α-テルピネオール;テルピネノール-4;メンタン-8-オール;メンタン-1-オール;メンタン-7-オール;ボルネオール;イソボルネオール;リナロールオキシド;ノポール;セドロール;アンブリノール;ベチベロール;グアイオール;ならびにそれらのギ酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、イソ酪酸エステル、酪酸エステル、イソ吉草酸エステル、ペンタン酸エステル、ヘキサン酸エステル、クロトン酸エステル、チグリン酸エステルおよび3-メチル-2-ブテン酸エステル;ギ酸メンチル;プロピオン酸メンチル;酪酸メンチル;イソ酪酸メンチル;イソ吉草酸メンチル;ヘキサン酸メンチル;クロトン酸メンチル;チグリン酸メンチル;
環状テルペンアルデヒド、-ケトン、それによって、好ましくは、メントン;イソメントン;8-メルカプトメンタン-3-オン;カルボン;カンファー;フェンコン;α-イオノン;β-イオノン;β-n-メチルイオノン;β-イソメチルイオノン;α-イロン;α-ダマスコン;β-ダマスコン;β-ダマセノン;δ-ダマスコン;γ-ダマスコン;1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン;1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン;2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール;ノートカトン;ジヒドロノートカトン;4,6,8-メガスチグマトリエン-3-オン;α-シネンサール;β-シネンサール;アセチル化セダー油(メチルセドリルケトン);
環状アルコール、それによって、好ましくは、4-tert.-ブチルシクロヘキサノール;3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール;3-イソカンフィルシクロヘキサノール;2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール;2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール;
脂環式アルコール類、それによって、好ましくは、α,3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール;1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール;2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール;2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-ペンタン-2-オール;3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール;1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール;
環状および脂環式エーテル、それによって、好ましくは、シネオール;セドリルメチルエーテル;シクロドデシルメチルエーテル;1,1-ジメトキシシクロドデカン;(エトキシメトキシ)シクロドデカン;α-セドレンエポキシド;3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン;3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン;1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン;ローズオキシド;2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン;
環状および大環状ケトン、それによって、好ましくは、4-tert.-ブチルシクロヘキサノン;2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン;2-ヘプチルシクロペンタノン;2-ペンチルシクロペンタノン;2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン;3-メチル-4-シクロペンタデセノン;3-メチル-5-シクロペンタデセノン;3-メチルシクロペンタデカノン;4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン;4-tert.-ペンチルシクロヘキサノン;5-シクロヘキサデセン-1-オン;6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン;8-シクロヘキサデセン-1-オン;9-シクロヘプタデセン-1-オン;シクロペンタデカノン;シクロヘキサデカノン;
脂環式アルデヒド、それによって、好ましくは、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒド;2-メチル4-(2,2,6-トリメチル-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール;4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド;4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド;
脂環式ケトン、それによって、好ましくは、1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン;2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン;1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン;メチル-2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン;tert.-ブチル-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトン;
環状アルコールのエステル、それによって、好ましくは、酢酸2-tert-ブチルシクロヘキシル;酢酸4-tert-ブチルシクロヘキシル;酢酸2-tert-ペンチルシクロヘキシル;酢酸4-tert-ペンチルシクロヘキシル;酢酸3,3,5-トリメチルシクロヘキシル;酢酸デカヒドロ-2-ナフチル;クロトン酸2-シクロペンチルシクロペンチル;酢酸3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル;酢酸デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチル;酢酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、または6-インデニル;プロピオン酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、または6-インデニル;イソ酪酸4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、または6-インデニル;酢酸4,7-メタノオクタヒドロ-5、または6-インデニル;
脂環式アルコールのエステル、好ましくは、クロトン酸1-シクロヘキシルエチル;
脂環式カルボン酸のエステル、それによって、好ましくは、プロピオン酸アリル-3-シクロヘキシル;シクロヘキシルオキシ酢酸アリル;cis-およびtrans-メチルジヒドロジャスモネート;cis-およびtrans-メチルジャスモネート;メチル-2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート;エチル-2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート;エチル-2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート;エチル-2-1,3-メチルジオキソラン-2-アセテート;
芳香脂肪族アルコール、それによって、好ましくは、ベンジルアルコール;1-フェニルエチルアルコール;2-フェニルエチルアルコール;3-フェニルプロパノール;2-フェニルプロパノール;2-フェノキシエタノール;2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール;2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール;1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール;1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール;1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール;2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール;3-メチル-5-フェニルペンタノール;3-フェニル-2-プロペン-1-オール;4-メトキシベンジルアルコール;1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール;
芳香脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステル、それによって、好ましくは、酢酸ベンジル;プロピオン酸ベンジル;イソ酪酸ベンジル;イソ吉草酸ベンジル;酢酸2-フェニルエチル;プロピオン酸2-フェニルエチル;イソ酪酸2-フェニルエチル;イソ吉草酸2-フェニルエチル;酢酸1-フェニルエチル;酢酸α-トリクロロメチルベンジル;酢酸α,α-ジメチルフェニルエチル;酪酸α,α-ジメチルフェニルエチル;酢酸シンナミル;イソ酪酸2-フェノキシエチル;酢酸4-メトキシベンジル;
芳香脂肪族エーテル、それによって、好ましくは、2-フェニルエチルメチルエーテル;2-フェニルエチルイソアミルエーテル;2-フェニルエチル-1-エトキシエチルエーテル;フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール;ヒドロトロピックアルデヒドジメチルアセタール;フェニルアセトアルデヒドグリセリルアセタール;2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン;4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ダイオキシン;4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ダイオキシン;
芳香族および芳香脂肪族アルデヒド、それによって、好ましくは、ベンズアルデヒド;フェニルアセトアルデヒド;3-フェニルプロパナール;ヒドロトロピックアルデヒド;4-メチルベンズアルデヒド;4-メチルフェニルアセトアルデヒド;3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール;2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール;3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール;シンナミックアルデヒド;α-ブチルシンナミックアルデヒド;α-アミルシンナミックアルデヒド;α-ヘキシルシンナミックアルデヒド;3-メチル-5-フェニルペンタナール;4-メトキシベンズアルデヒド;4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド;3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド;3,4-ジメトキシベンズアルデヒド;2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール;2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール;
芳香族および芳香脂肪族ケトン、それによって、好ましくは、アセトフェノン;4-メチルアセトフェノン;4-メトキシアセトフェノン;4-tert.-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン;4-フェニル-2-ブタノン;4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン;1-(2-ナフタレニル)エタノン;2-ベンゾフラニルエタノン;(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン;ベンゾフェノン;1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン;6-tert.-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン;1-[2.3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン;5’,6’,7’,8’,テトラヒドロ-3’,5’,5’,6’,8’,8’-ヘキサメチル-2-アセトナフトン;
芳香族および芳香脂肪族カルボン酸ならびにそれらのエステル、それによって、好ましくは、安息香酸;フェニル酢酸;安息香酸メチル;安息香酸エチル;安息香酸ヘキシル;フェニル酢酸メチル;フェニル酢酸エチル;フェニル酢酸ゲラニル;フェニル酢酸フェニルエチル;ケイ皮酸メチル;ケイ皮酸エチル;ケイ皮酸ベンジル;ケイ皮酸フェニルエチル;ケイ皮酸シンナミル;アリルフェノキシアセテート;サリチル酸メチル;サリチル酸イソアミル;サリチル酸ヘキシル;サリチル酸シクロヘキシル;サリチル酸シス-3-ヘキセニル;サリチル酸ベンジル;サリチル酸フェニルエチル;メチル-2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート;エチル-3-フェニルグリシデート;エチル-3-メチル-3-フェニルグリシデート;
窒素含有芳香族化合物、それによって、好ましくは、2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert.-ブチルベンゼン;3,5-ジニトロー2,6-ジメチル-4-tert.-ブチルアセトフェノン;ケイ皮酸ニトリル;3-メチル-5-フェニル-2-ペンテン酸ニトリル;3-メチル-5-フェニルペンタン酸ニトリル;アンスラニル酸メチル;メチル-N-メチルアンスラニレート;アンスラニル酸メチルと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナールまたは2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒドとのシッフ塩基;6-イソプロピルヒノリン;6-イソブチルヒノリン;6-sec.-ブチルシノリン;2-(3-フェニルプロピル)ピリジン;インドール;スカトール;2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン;2-イソブチル-3-メトキシピラジン;
フェノール、フェニルエーテルおよびフェニルエステル、それによって、好ましくは、エストラゴール;アネトール;オイゲノール;オイゲニルメチルエーテル;イソオイゲノール;イソオイゲニルメチルエーテル;チモール;カルバクロール;ジフェニルエーテル;β-ナフチルメチルエーテル;β-ナフチルエチルエーテル;β-ナフチルイソブチルエーテル;1,4-ジメトキシベンゼン;酢酸オイゲニル;2-メトキシ-4-メチルフェノール;2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール;フェニル酢酸p-クレシル;
複素環化合物、それによって、好ましくは、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン;2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン;3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン;2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン;
ラクトン、それによって、好ましくは、1,4-オクタノリド;3-メチル-1,4-オクタノリド;1,4-ノナノリド;1,4-デカノリド;8-デセン-1,4-オリド;1,4-ウンデカノリド;1,4-ドデカノリド;1,5-デカノリド;1,5-ドデカノリド;4-メチル-1,4-デカノリド;1,15-ペンタデカノリド;cis-およびtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド;cis-およびtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド;1,16-ヘキサデカノリド;9-ヘキサデセン-1,16-オリド;10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド;エチレン-1,13-トリデカノリジオエート;クマリン;2,3-ジヒドロクマリン;オクタヒドロクマリン
の群から選ぶことができる。
【0049】
よって、本発明の別の側面は、着香製品に関する。本発明による着香製品は、3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール、3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールおよび3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールからなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を、好ましくは感覚的に効果のある量で含む。
【0050】
好ましい本発明による着香製品は、洗剤および洗浄製品、衛生またはケア製品、特にボディーケアおよびヘアケアの分野からの製品、化粧品および家庭用品である。
【0051】
好ましい製品は、例えば香料エキス、オードパルファム、オードトワレ、アフターシェーブ、オーデコロン、プリシェーブ製品、スプラッシュコロンおよび着香リフレッシングティッシュならびに着香されているかまたは着香されることになる酸性、アルカリ性および中性洗剤、例えば床クリーナー、窓ガラスクリーナー、食器洗浄洗剤、バスルームおよび衛生クリーナー、精練剤、固体または液体トイレットクリーナー、トイレットスティック、トイレットストーン(液体または固体)、粉末または泡状カーペットクリーナー、液体洗剤、粉末洗剤など、さらし粉、下浸け剤およびしみ抜き剤などの洗濯前処理剤、布地柔軟剤、洗濯石鹸、洗濯錠剤、殺菌剤、表面殺菌剤ならびに液体もしくはゲル状の形のまたは固体キャリアに塗布された、特に空気調節および産業プロセスからの排気の脱臭のための空気清浄剤、ならびにエアロゾルまたはポンプスプレーの形の空気清浄剤、家具艶出し剤、フロアワックス、靴クリーム、強化用、含浸用または脱臭用織物加工剤などのワックスおよび光沢剤、おむつ、生理用ナプキン、パンティーライナー、絆創膏、ならびにパーソナルケア剤、例えば固体および液体石鹸、シャワー・ゲル類、シャンプー、ひげそり石鹸、シェービングフォーム、入浴用オイル、湿潤クリーニングクロスなど、水中油、油中水および水中油中水タイプの化粧用エマルジョン、例えばスキンクリームおよびローション、フェイスクリームおよびローション、日焼け止めクリームおよびローション、アフターサンクリームおよびローション、ハンドクリームおよびローション、フットクリームおよびローション、脱毛クリームおよびローション、アフターシェーブクリームおよびローション、日やけ用クリームおよびローションなど、ヘアケア製品、例えばヘアスプレー、ヘアジェル、強化用ヘアローション、ヘアコンディショナー、パーマネントまたはセミパーマネントヘアダイ、ヘアフォーミング剤、例えばコールドウェーブおよびヘアスムージング剤、ヘアトニック、ヘアクリームおよびローション、デオドラントおよび発汗抑制剤、例えば腋の下スプレー、ロールオン、デオスティック、デオクリームなど、装飾化粧用製品、例えばアイシャドー、メークアップ、口紅、マスカラなど、ならびにロウソク、ランプ油、香料スティック、動物用の砂、猫用の砂、殺虫剤、防虫剤、液体および気体燃料、暖房用オイルおよび暖房用ガスである。
【0052】
本発明による特に好ましい着香製品は、香料エキス、オードパルファム、オードトワレ、アフターシェーブ、オーデコロン、プリシェーブ製品、スプラッシュコロン、着香リフレッシングティッシュ、酸性、アルカリ性および中性洗剤、布地フレッシュナー、アイロン補助剤、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯前処理剤、織物柔軟剤、洗濯石鹸、洗濯錠剤、殺菌剤、表面殺菌剤、空気向上剤、エアロゾルスプレー、ワックスおよび光沢剤、パーソナルケア剤、ハンドクリームおよびローション、フットクリームおよびローション、脱毛クリームおよびローション、アフターシェーブクリームおよびローション、日やけ用クリームおよびローション、ヘアケア製品、デオドラントおよび発汗抑制剤、装飾化粧用製品、ロウソク、ランプ油、香料スティック、殺虫剤、防虫剤および燃料からなる群から選ばれる。
【0053】
はっきりさせるために、本明細書の範囲内での本発明による(着香)製品は、例えば植物系原料から抽出によって得ることができるものなどの天然に発生する物質混合物ではなく、目的があって生み出されたかまたは製造された製品であると理解されるべき点に言及しなければならない。
【0054】
本発明による化合物は、好ましくは、本発明による香料組成物の構成成分である。従って、好ましい実施形態において、着香製品は、本発明による香料組成物とキャリアまたは基材とを含み、キャリアまたは基材は、前記香料組成物と直接接触している。基材は、例えば固体基材であり、またはキャリアは、例えば固体キャリアである。キャリアまたは基材は、製品の内部の香料組成物の微細な分布ならびに施用時の徐放を確実にする。そのようなキャリアは、シリカゲル、ゼオライト、石膏、粘土、粘土顆粒、発泡コンクリート等などの多孔質無機材料または木材およびセルロース系物質などの有機物質の場合がある。
【0055】
本発明によって使用される本発明による化合物または本発明による香料組成物は、マイクロカプセル化された形またはスプレードライされた形で、包接錯体または押し出し製品として存在する場合があり、この形で製品に加えることができる。
【0056】
適用可能な場合、本発明によって使用される本発明による化合物または本発明による香料組成物の特性は、目標をより絞った放出に関して適当な材料を用いるいわゆる「コーティング」によってさらに最適化することができ、好ましくは、例えばポリビニルアルコールなどのワックス状プラスチック材料が用いられる。
【0057】
本発明によって使用される本発明による化合物または本発明による香料組成物のマイクロカプセル化は、例えば、カプセル材料、例えばポリウレタン状物質またはソフトゼラチンの助けを借りるいわゆるコアセルベーションプロセスを用いて行うことができる。本発明によるスプレードライされた化合物は、例えば、本発明による化合物、すなわち本発明による化合物または本発明による香料組成物を含有するエマルジョンまたは分散物、のスプレードライ法を用いて製造することができ、化工デンプン、タンパク質、デキストリンおよび/または植物系ガムをキャリア物質として用いることができる。包接錯体は、例えば、本発明による化合物または本発明による香料組成物であるかまたは本発明による香料組成物を含む分散物とシクロデキストリンまたは尿素誘導体との適当な溶媒、例えば水の中への添加によって製造することができる。押し出し製品は、本発明による化合物または本発明による香料組成物と適当なワックス状物質との融解と、押し出しおよびその後の適当な溶媒、例えば適用可能な場合はイソプロパノール中の固化とによって生じさせることができる。
【0058】
本発明による化合物または本発明による香料組成物は、多数の調製物または製品であって、好ましくはそれらが以下の賦形剤または活性成分、
防腐剤、研磨材、ニキビ防止剤、皮膚老化に対する剤、抗菌剤、抗脂肪剤、フケ防止剤、抗炎症剤、刺激防止剤、刺激抑制剤、抗微生物剤、酸化防止剤、収斂剤、汗抑制剤、消毒剤、帯電防止剤、バインダー、緩衝材、キャリア材料、キレートビルダー、細胞刺激剤、清浄剤、養生剤、脱毛剤、界面活性剤、脱臭剤、発汗抑制剤、可塑剤、乳化剤、酵素、芳香油、繊維、固定剤、発泡剤、泡安定剤、発泡を防ぐ物質、発泡促進剤、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア製品、発髪剤、平滑剤、保湿剤、湿潤物質、保湿物質、漂白剤、織物補強剤、汚れ抜き剤、蛍光増白剤、含浸剤、防塵剤、摩擦低下剤、潤滑剤、モイスチャライジングクリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、光沢剤、艶出し剤、ポリマー、粉体、タンパク質、再グリース化物質、研磨剤、シリコーン、皮膚宥和剤、皮膚清浄剤、皮膚養生剤、皮膚治癒剤、美白剤、皮膚保護剤、皮膚柔軟剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤、皮膚加温剤、安定剤、紫外線吸収剤、紫外線フィルター、洗剤、織物柔軟剤、懸濁剤、皮膚日やけ用剤、増粘剤、ビタミン、油、ワックス、油脂、リン脂質、飽和脂肪酸、一価または多価不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、色保護剤、顔料、防蝕剤、芳香物質、フレーバー物質、芳香族物質、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒またはケイ素誘導体
のうちの1種または数種と組み合わせた調製物または製品中で用いることができる。
【0059】
本発明の一実施形態によれば、本発明による好ましい製品、特にデオドラントまたは類似物は、さらに(所望の作用モードに応じて)以下の活性物質のうち1種または数種を含有する。
(1)発汗の匂いの原因となる微生物の増殖を阻害する抗微生物的に活性な物質;例えばトリクロサナ(5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール)、トリクロカルバン、クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン二酢酸塩、クロルヘキシジン二グルコン酸塩、2-フェノキシエタノール、ファルネソール、グリセリンエステルおよびグリセリンエーテル、例えばモノラウリン酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、ヘキソキシグリセリン、オクトキシグリセリン(=エチルヘキシルグリセリン、3-(2-エチルヘキシルオキシ-1,2-プロパンジオール)またはセンシバ(Sensiva)(登録商標)SC50(シュルケウントメア(Schuelke & Mayr)による)、例えば1,2-デカンジオール(欧州特許第1 269 983号)などの脂肪族1,2-ジオール、例えば欧州特許第799 174に記載されているものなどの芳香脂肪族アルコール、好ましくは4-メチル-4-フェニル-2-ペンタノール)(ベチコール(Vetikol);国際公開第03/024907号)または2-メチル-4-フェニル-2-ブタノール(1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、α,α-ジメチルフェネチルカルビノール)、国際公開第02/41861号に記載されているl-メンチルジメチルエーテル、2-ベンジルヘプタン-1-オール(ジャスモール;2-n-ペンチル-3-フェニルプロパン-1-オール)、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール(スズランアルコール;米国特許第4,091,090号参照)、抗微生物的に活性な2級アルコール、例えば国際公開第2005/004601号に記載されているもの、特に3-メチル-6-フェニル-2-ヘキサノール、4-(2,4-ジメチルフェニル)-2-ブタノール、6-(4-イソプロピルフェニル)-3-メチル-2-ヘキサノール、4-(2,4,5-トリメチルフェニル)-2-ブタノール、3,3-ジメチル-4-フェニル-2-ブタノール、3-メチル-4-(2-メチルフェニル)-2-ブタノール、6-(3,4-ジメチルフェニル)-2-ヘキサノールなど、脂肪族カルボン酸、例えば2-ヘキシルオクタン酸、2-ヘキシルデカン酸、2-ブチルオクタン酸または2-ブチルデカン酸;
(2)発汗の匂いの形成に参加する酵素の効果を阻害する酵素阻害物質;例えば、クエン酸塩ならびにEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA[エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)-四酢酸]およびDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸、ペンテト酸)などの金属キレート化物質;
(3)発汗の匂いの原因である物質を吸収する香り吸収物質;例えば、リジノール酸亜鉛、シクロデキストリン;
(4)汗分泌を阻害し、従って体臭の原因となる細菌の増殖基盤を取り除く発汗抑制剤。一般に、収斂剤金属塩、特に元素アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、スズおよびジルコンの無機および有機金属塩ならびにそれらの混合物は、好ましくは発汗抑制剤として用いられ、特に塩化アルミニウム、アルカリアルミニウムヒドロキシクロリド、ジルコニルオキシクロリドおよびジルコニルヒドロキシクロリドならびにそれらの混合物などのハロゲン化物が用いられる。多くの場合に、これらのアルミニウム塩およびジルコニウム塩ならびにそれらの混合物は、複合化された形でも用いられ、複合体構築剤として好ましくはプロピレングリコール、ポリエチレングリコールまたはグリシンが用いられる。
【0060】
本発明は、着香製品、特に本発明による着香製品を製造するための方法であって、以下のステップ、
i)本発明による化合物または本発明による香料組成物を準備するステップと、
ii)製造される着香製品の1種類またはいくつかの種類のさらなる構成要素を準備するステップと、
iii)ステップii)において準備されたさらなる構成要素を、感覚的に有効な量のステップi)において準備された構成要素と接触させるかまたは混合するステップと、
を含む方法に関する。
【0061】
本発明は、着香製品に、i)フローラルな、および/またはii)グリーンな、および/またはiii)スズランの香り特性を付与し、および/または増加させる方法であって、それに、本発明による化合物または本発明による香料組成物を加えるステップを含む方法にも関する。
【0062】
本発明によって解決されるべき別の課題は、本発明による化合物の製造のための新規な方法を提供することであった。
【0063】
本発明による化合物を製造するための本発明による方法は、以下のステップを含む。
【0064】
【0065】
式中、基R’は、アルキル、好ましくはエチルであり、反応は、塩基(i)、好ましくは塩基(i)としてのピペリジンの存在下で起こる。
【0066】
【0067】
式中、基R’は、アルキル、好ましくはエチルであり、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合があり、Halは、クロリド、ブロミドまたはヨージド、好ましくはブロミドである。この反応ステップ(II)の好ましい実施形態において、3-ブロモ-1,1-ジメトキシプロパンが反応体として用いられる。反応ステップ(I)からの生成物を反応ステップ(II)のための試薬として用いることができる。
【0068】
【0069】
式中、基R’は、アルキル、好ましくはエチルであり、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合がある。この反応ステップのステップii)は、鹸化反応であり、この反応ステップのステップiii)は、脱炭酸ステップである。この反応ステップ(III)は、塩基、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在下で行われる。反応ステップ(II)からの生成物を反応ステップ(III)のための試薬として用いることができる。
【0070】
【0071】
式中、基R’’と’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合があり、反応は、還元剤(iv)、好ましくは水素化アルミニウムリチウム(LAH)の存在下で行われる。反応ステップ(III)からの生成物を反応ステップ(IV)のための試薬として用いることができる。
【0072】
【0073】
式中、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合がある。この反応ステップのステップv)は、メシル化反応であり、この反応ステップのステップvi)は、脱離ステップである。この反応ステップ(V)は、塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下で行われる。反応ステップ(IV)からの生成物を反応ステップ(V)のための試薬として用いることができる。
【0074】
【0075】
式中、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合がある。この反応ステップ(VI)は、酸、好ましくはカルボン酸、特にギ酸の存在下で行われる。反応ステップ(V)からの生成物を反応ステップ(VI)のための試薬として用いることができる。
【0076】
【0077】
式中、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合がある。この反応ステップのステップv)は、メシル化反応であり、この反応ステップのステップvi)は、脱離ステップである。この反応ステップ(VII)は、塩基、好ましくはトリエチルアミンの存在下で行われる。反応ステップ(IV)からの生成物を反応ステップ(VII)のための試薬として用いることができる。
【0078】
【0079】
式中、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合がある。この反応ステップ(VIII)は、酸、好ましくはカルボン酸、特にギ酸の存在下で行われる。反応ステップ(VII)からの生成物を反応ステップ(VIII)のための試薬として用いることができる。
【0080】
【0081】
式中、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合がある。この反応ステップ(VIII)は、好ましくは水素(vii)および触媒としての活性炭上パラジウムの存在下、高い温度および圧力で行われる。反応ステップ(V)からの生成物、反応ステップ(VII)からの生成物、または反応ステップ(V)および(VII)からの生成物の混合物を反応ステップ(IX)のための試薬(粗製)として用いることができる。
【0082】
【0083】
式中、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合がある。この反応ステップ(X)は、酸、好ましくはカルボン酸、特にギ酸の存在下で行われる。反応ステップ(IX)からの生成物を反応ステップ(X)のための試薬として用いることができる。
【0084】
【0085】
式中、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合がある。この反応ステップ(VIII)は、好ましくは水素(vii)および触媒としての活性炭上パラジウムの存在下で行われる。反応ステップ(V)からの生成物、反応ステップ(VII)からの生成物、または反応ステップ(V)および(VII)からの生成物の混合物を反応ステップ(IX)のための試薬(粗製)として用いることができる。
【0086】
【0087】
式中、基R’’とR’’’とは、独立してアルキル、好ましくはメチルまたはエチルであるかあるいはアルキル基、好ましくはエタン-1,2-ジイルまたはプロパン-1,2-ジイルを介して繋がって環を形成する場合がある。この反応ステップ(XII)は、酸、好ましくはカルボン酸、特にギ酸の存在下で行われる。反応ステップ(XI)からの生成物を反応ステップ(XII)のための試薬として用いることができる。
【0088】
本発明による化合物の調製のためのプロセスは、上述の反応ステップ(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)および(XII)のうち少なくとも1、2、3、4、5または6ステップを含む。
【0089】
3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナールの調製のための本発明によるプロセスは、上述の反応ステップ(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)、(IX)および(X)のうち少なくとも1、2、3、4、5、6、7または8ステップを含む。
【0090】
3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナールの調製のための本発明によるプロセスは、好ましくは少なくとも上述の反応ステップ(X)を含む。
【0091】
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナールの調製のための本発明によるプロセスは、上述の反応ステップ(I)、(II)、(III)、(IV)、(VII)および(VIII)のうち少なくとも1、2、3、4、5または6ステップを含む。
【0092】
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナールの調製のための本発明によるプロセスは、好ましくは少なくとも上述の反応ステップ(VIII)を含む。
【0093】
3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールの調製のための本発明によるプロセスは、上述の反応ステップ(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)および(VI)のうち少なくとも1、2、3、4、5、6、7または8ステップを含む。
【0094】
3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールの調製のための本発明によるプロセスは、好ましくは少なくとも上述の反応ステップ(VI)を含む。
【0095】
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールの調製のための本発明によるプロセスは、上述の反応ステップ(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)、(XI)および(XII)のうち少なくとも1、2、3、4、5、6、7または8ステップを含む。
【0096】
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールの調製のための本発明によるプロセスは、好ましくは少なくとも上述の反応ステップ(XII)を含む。
【0097】
以下において、選ばれた実施例によって本発明がより詳細に例示される。特に断らない限り、すべての指定値は、それによって、重量に関する。
【実施例】
【0098】
実施例1:香料組成物A:
【0099】
【0100】
香料組成物A2の中に5重量%の化合物A、B、CまたはD、あるいは化合物A、B、CまたはDの混合物を加えることによって、フローラルなノートは、(化合物A、B、CもしくはDのない)香油A1と比べて強められる。さらに、化合物A、B、CまたはDは、香油A2を有する組成物に香油A1を有する組成物より多くの力とふくよかさとを授ける。全体として、添加化合物A、B、CまたはD、あるいは化合物A、B、CまたはDの混合物の添加は、スズランを思い出させる香りの印象を生む結果となる。
【0101】
実施例2:香料組成物B:
【0102】
【0103】
香料組成物B2の中に1.5重量%の化合物A、B、CまたはD、あるいは化合物A、B、CまたはDの混合物を加えることによってフローラルな、およびナチュラルなノートは、(化合物A、B、CまたはDのない)香油B1と比べて強められる。さらに、化合物A、B、CまたはDは、香油B2を有する組成物に香油A1を有する組成物より多くの力とふくよかさとを与える。全体として、添加化合物A、B、CまたはD、あるいは化合物A、B、CまたはDの混合物の添加は、スズランを思い出させる香りの印象を生む結果となる。
【0104】
実施例3:香料組成物C:
【0105】
【0106】
香料組成物C2の中に6.5重量%の化合物A、B、CまたはD、あるいは化合物A、B、CまたはDの混合物を加えることによって、フローラルな、およびナチュラルなノートは、(化合物A、B、CまたはDのない)香油C1と比べて強められる。さらに、化合物A、B、CまたはDは、香油C2を有する組成物に香油C1を有する組成物より多くの力とふくよかさとを与える。全体として、化合物A、B、CもしくはDの添加は、スズランを思い出させる香りの印象を生む結果となる。
【0107】
実施例4:エチル-6-イソブチル-2-メチル-4-オキソ-シクロヘキサ-2-エン-1-カルボキシレートの合成:
3つ首丸底フラスコに201.4g(1.54モル)のアセト酢酸エチル(CAS番号:141-97-9)と53.0g(0.62モル)のイソバレルアルデヒド(CAS番号:590-86-3)を加えた。この反応混合物に35mLのエタノール中5.2gのピペリジンを室温で加えた。次に、反応混合物を還流下で5時間撹拌した。続いて反応混合物を室温に冷却し、メチルtert-ブチルエーテルを加えた。層を分離させ、水相をメチルtert-ブチルエーテルで洗浄した。有機相を集め、水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム(30g)上で脱水した。減圧下で溶媒を除去した。続いて蒸留によって粗生成物を精製した。エチル-6-イソブチル-2-メチル-4-オキソ-シクロヘキサ-2-エン-1-カルボキシレートを液体(138.5g、93.8%)として得る。
MS:m/z(%)=238、165、154、126、121、109、98、79、57、41、29。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ5.97(d、J=2.6Hz、1H)、5.97~5.94(m、1H)、4.24(dtd、J=10.7、7.3、3.6Hz、2H)、4.20(dd、J=14.3、7.2Hz、2H)、3.19(d、J=5.0Hz、1H)、3.06(d、J=6.4Hz、1H)、2.66(dd、J=16.2、4.6Hz、1H)、2.59(d、J=3.0Hz、1H)、2.59~2.48(m、1H)、2.43~2.31(m、1H)、2.33~2.25(m、1H)、2.09(dd、J=16.5、8.2Hz、1H)、1.98(d、J=1.3Hz、3H)、1.97~1.95(m、3H)、1.75(dp、J=13.5、6.7Hz、1H)、1.69~1.53(m、1H)、1.37~1.23(m、2H)、1.30(t、J=7.1Hz、3H)、1.28(t、J=7.2Hz、3H)、1.24~1.13(m、2H)、0.90(d、J=6.6Hz、3H)、0.90(d、J=6.6Hz、3H)、0.88(d、J=6.6Hz、3H)、0.86(d、J=6.5Hz、3H)。
13C NMR(101MHz、CDCl3)δ=199.39、198.12、171.86、170.26、156.69、155.72、128.45、128.11、61.31、61.18、53.07、51.01、42.98、42.37、40.37、39.09、35.35、34.79、24.98、24.46、23.38、23.20、23.09、22.61、22.49、21.70、14.31、14.22。
【0108】
実施例5:エチル-3-(3,3-ジメトキシプロピル)-6-イソブチル-2-メチル-4-オキソシクロヘキサ-2-エン-1-カルボキシレートの合成:
5.5g(49.0mmol)のカリウムtert-ブトキシドを100mlのt-ブチルアルコールに加えた。この混合物に0.2gのテトラアンモニウムヨージド(TBAI)および10.0gのエチル-6-イソブチル-2-メチル-4-オキソシクロヘキサ-2-エン-1-カルボキシレート(40.8mmol)を室温で加えた。混合物を65℃で4時間撹拌した。続いて、混合物を室温に冷却し、9.0g(49.0mmol)の3-ブロモ-1,1-ジメトキシプロパンを滴下して加えた。続いて、減圧下でtert-ブトキシドを除去した。残渣にメチルtert-ブチルエーテルおよび水を加えた。層を分離させ、水相をメチルtert-ブチルエーテルで洗浄した。有機相を集め、水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム(30g)上で脱水した。減圧下で溶媒を除去した。続いて、蒸留によって粗生成物を精製した。エチル-3-(3,3-ジメトキシプロピル)-6-イソブチル-2-メチル-4-オキソ-シクロヘキサ-2-エン-1-カルボキシレートを97%の純度を有する液体(7.5g、51.5%%)として得る。
MS:m/z(%)=325、308、277、203、147、109、82、67、41。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ4.35(tt、J=5.7、1.6Hz、2H)、4.26~4.16(m、4H)、3.31(d、J=1.0Hz、12H)、3.20(dd、J=5.5Hz、1H)、3.07(dd、J=11.8、6.3Hz、1H)、2.71~2.60(m、1H)、2.49~2.40(m、1H)、2.40~2.32(m、6H)、2.32(s、2H)、2.16~2.07(m、2H)、1.97(s、3H)、1.94(d、J=0.8Hz、3H)、1.82~1.70(m、1H)、1.68~1.56(m、5H)、1.31~1.27(m、6H)、1.25(dd、J=7.1、3.3Hz、2H)、1.23~1.10(m、2H)、0.95~0.82(m、12H)。
13C NMR(101MHz、CDCl3)δ198.32、197.16、172.46、170.86、150.10、148.62、136.72、136.50、104.14、104.12、61.17、60.99、54.49、52.72、52.65、52.59、42.93、42.54、40.71、39.54、34.62、33.88、31.17、24.99、24.37、23.14、22.67、22.51、21.82、20.74、20.69、20.24、19.77、14.33。
【0109】
実施例6:2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-2-エン-1-オンの合成:
20g(3.4mmol)のエチル-3-(3,3-ジメトキシプロピル)-6-イソブチル-2-メチル-4-オキソ-シクロヘキサ-2-エン-1-カルボキシレートを24mLのメタノールと混合した。室温で4g(50mmol)の水酸化ナトリウムおよび30gの水を加えた。混合物を還流下57時間撹拌した。続いて、減圧下でメタノールを除去した。残渣にメチルtert-ブチルを加えた。層を分離させ、水相をメチルtert-ブチルエーテルで洗浄した。有機相を集め、水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム(30g)上で脱水した。減圧下で溶媒を除去した。続いて、蒸留によって粗生成物を精製した。2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-2-エン-1-オンを98%の純度を有する液体(13.2g、72.4%)として得る。
MS:m/z(%)=253、236、221、205、191、75、71、41。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ4.35(t、J=5.7Hz、1H)、3.32(s、6H)、2.51~2.44(m、1H)、2.32(dt、J=13.9、7.2Hz、3H)、1.96(s、3H)、1.95(s、3H)、1.72~1.58(m、1H)、1.66~1.58(m、2H)、1.20(t、J=6.7Hz、2H)、0.88(d、J=2.5Hz、3H)、0.87(d、J=2.3Hz、3H)。
13C NMR(101MHz、CDCl3)δ198.97、154.80、134.65、104.21、52.61、52.56、45.29、44.34、39.79、31.99、31.47、24.62、22.74、22.63、21.16、20.46。
【0110】
実施例7:2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-2-エン-1-オールの合成:
0.38g(10.0mmol)の水素化アルミニウムリチウムを60mLのTHFに加え、5℃に冷却した。この温度で8.04g(30mmol)の2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-2-エン-1-オンを注意して加えた。この混合物を室温で3時間撹拌した。続いて、混合物を水でクエンチした。残渣にメチルtert-ブチルを加えた。層を分離させ、水相をメチルtert-ブチルエーテルで洗浄した。有機相を集め、水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム(30g)上で脱水した。減圧下で溶媒を除去した。続いて、蒸留によって粗生成物を精製した。2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-2-エン-1-オールを98%の純度を有する液体(8.0g、98.8%)として得る。
MS:m/z(%)=238、223、206、167、149、123、105、75、41。
1H NMR(600MHz、ベンゼン-d6)δ4.44(t、J=5.7Hz、1H)、4.11(q、J=6.5Hz、1H)、3.20(s、3H)、3.19(s、3H)、2.51(ddd、J=14.8、9.6、6.3Hz、1H)、2.34(ddd、J=13.5、9.4、6.8Hz、1H)、1.98~1.88(m、3H)、1.78(q、J=11.1、10.5Hz、1H)、1.60(d、J=1.7Hz、3H)、1.59~1.51(m、3H)、1.26(d、J=6.5Hz、1H)、1.09~1.00(m、3H)、0.85(d、J=6.6Hz、3H)、0.84(d、J=6.5Hz、3H)。
13C NMR(151MHz、C6D6)δ133.86、129.07、104.57、70.08、52.28、51.87、46.49、40.94、39.79、31.89、30.48、24.94、23.55、23.16、22.80、19.34。
【0111】
実施例8:1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-6メチレン-シクロヘキセンおよび2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-1,3-ジエンの合成:
6.0g(22.2mmol)の2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-2-エン-1-オールを60mLのトルエンに溶解し、室温で360mgの4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)および18g(0.18モル)のトリエチルアミンを加えた。この混合物を0~5℃に冷却し、この温度で4.8g(44.4mmol)のメタンスルホニルクロリドを滴下して加えた。この混合物を室温で少なくとも12時間、続いて還流下で2時間撹拌した。続いて、混合物を0~5℃に冷却し、混合物に50mLの水を加え、混合物を1時間撹拌した。相を分離させ、水相をトルエンで2回抽出した。有機相を集め、水で洗浄し、硫酸ナトリウム(30g)上で脱水した。減圧下で溶媒を除去した。続いて、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。4.8gの1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセンおよび2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-1,3-ジエンを混合物として得た。
1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン:
MS:m/z(%)=252、220、175、131、119、105、88、75、58、41。
1H NMR(600MHz、ベンゼン-d6)δ5.65~5.60(m、1H)、5.13~5.09(m、1H)、4.87~4.84(m、1H)、4.39(t、J=5.6Hz、1H)、3.17(s、3H)、3.16(s、3H)、2.46~2.39(m、2H)、2.39(ddd、J=14.9、3.0、1.3Hz、1H)、2.08(dt、J=17.7、4.8Hz、1H)、2.00(ddt、J=13.6、11.3、2.0Hz、1H)、1.94(ddt、J=9.6、6.6、5.6Hz、2H)、1.80~1.72(m、1H)、1.65(ddhept、J=17.8、9.5、1.4Hz、1H)、1.61~1.53(m、J=6.7Hz、1H)、1.08(dt、J=14.1、7.1Hz、1H)、1.03(dt、J=13.5、7.2Hz、1H)、0.83(d、J=6.8Hz、3H)、0.82(d、J=6.8Hz、3H)。
13C NMR(151MHz、ベンゼン-d6) δ 143.66、136.75、127.22、108.32、104.49、52.23、52.65、45.72、39.83、33.39、32.34、32.21、28.26、25.07、23.11、22.81。
2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチルシクロヘキサ-1,3-ジエン
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ5.56(t、J=4.7Hz、1H)、5.52~5.48(m、1H)、3.17(s、3H)、3.16(s、3H)、2.29~2.21(m、3H)、2.04~1.97(m、1H)、1.87~1.80(m、3H)、1.78(t、J=1.8Hz、3H)、1.77~1.68(m、1H)、1.60~1.53(m、1H)、1.40~1.17(m、2H)、0.85(d、J=6.6Hz、3H)、0.84(d、J=6.5Hz、3H)。
13C NMR(101MHz、ベンゼン-d6)δ137.67、132.83、128.98、121.20、104.27、52.25、52.20、44.12、32.44、31.59、30.04、28.18、25.31、22.97、22.84、19.72。
【0112】
実施例9:3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナールおよび3-(4-イソブチル-6-メチレンシクロヘキセン-1-イル)プロパナール(B+C)の合成:
1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-6メチレン-シクロヘキセンと2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-1,3-ジエンとの混合物1gを1.2gのギ酸と混合し、室温で1.5時間撹拌した。続いて、混合物を炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)に加えた。有機相を分離し、水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で脱水し、減圧下で溶媒を除去した。続いて、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。0.7gの3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナールおよび3-(4-イソブチル-6-メチレンシクロヘキセン-1-イル)プロパナールを93%の純度を有する混合物として得た。調製規模GCによって両方のアルデヒドを分離することができる。
3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキサ-1,5-ジエン-1-イル)プロパナール(B):
香り:フローラル、グリーン、スズラン。
MS:m/z(%)=206、131、119、105、91、79、41。
1H NMR(600MHz、ベンゼン-d6)δ9.32(t、J=1.6Hz、1H)、5.46(p、J=3.6、1.8Hz、1H)、5.33(t、J=4.7Hz、1H)、2.21(ddddd、J=9.7、7.6、5.8、4.1、2.1Hz、1H)、2.17(tq、J=7.7、1.7Hz、2H)、2.08~2.02(m、1H)、2.01~1.97(m、2H)、1.80~1.72(m、1H)、1.62(t、J=1.9Hz、3H)、1.64~1.56(m、J=6.7Hz、1H)、1.26(dt、J=13.3、7.4Hz、1H)、1.12(dt、J=13.3、7.4Hz、1H)、0.85(d、J=6.6Hz、3H)、0.83(d、J=6.6Hz、3H)。
13C NMR(151MHz、ベンゼン-d6)δ200.29、136.39、132.25、129.23、121.40、43.98、42.66、31.41、29.85、25.29、25.15、22.92、22.82、19.56。
3-(4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール(C):
香り:フローラル、グリーン、スズラン。
MS:m/z(%)=206、188、164、149、131、121、105、91、79、41。
13C NMR(151MHz、ベンゼン-d6)δ200.41、143.27、135.44、127.74、108.27、45.59、42.76、39.60、33.21、32.17、25.21、25.05、23.07、22.79。
1H NMR(600MHz、ベンゼン-d6)δ9.33(t、J=1.6Hz、1H)、5.45~5.40(m、1H)、4.85~4.80(m、1H)、4.78~4.73(m、2H)、2.41~2.33(m、1H)、2.35~2.29(m、1H)、2.14~2.09(m、2H)、2.01(dt、J=17.9、5.0Hz、1H)、1.92(ddt、J=13.5、11.2、2.0Hz、1H)、1.73~1.64(m、1H)、1.63~1.55(m、1H)、1.60~1.49(m、J=6.9Hz、1H)、1.04(dt、J=14.1、7.1Hz、1H)、0.99(dt、J=13.5、7.2Hz、1H)、0.81(d、J=7.0Hz、6H)。
【0113】
実施例10:3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール(A)の合成:
1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセンと2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-1,3-ジエンとの混合物1,1g(2.15mmol)を2mLのシクロヘキサンと混合した。80mgの活性炭上パラジウムを加えた。水素を用いて20~25バールの圧力、100~190℃でこの混合物を8時間水素化した。触媒を濾別した。95%の純度を有する1.0gの1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-2-メチルシクロヘキサンを得た。
1gの1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-2-メチルシクロヘキサンを1.2gのギ酸と混合し、室温で1.5時間撹拌した。続いて、混合物を炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)に加えた。有機相を分離し、水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で脱水し、減圧下で溶媒を除去した。続いて、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。94%の純度を有する0.7gの3-(4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキシル)プロパナール(A)を得た。
香り:フローラル、グリーン、スズラン、スイート。
MS:m/z(%)=210、192、166、151、135、109、95、81、67、55、41、29。
1H NMR(400MHz、ベンゼン-d6)δ9.38(t、J=1.7Hz、1H)、1.96~1.75(m、3H)、1.70~1.58(m、2H)、1.52~1.43(m、2H)、1.40~1.18(m、5H)、1.06~0.97(m、3H)、0.89(d、J=6.6Hz、6H)、0.80(d、J=7.0Hz、3H)、0.69~0.56(m、1H)。
13C NMR(101MHz、C6D6)δ200.94、47.34、42.62、38.36、36.48、35.77、35.71、29.22、27.03、24.95、23.11、23.08、20.10、17.00。
【0114】
実施例11:1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキセンの合成:
1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-6-メチレン-シクロヘキセンと2-(3,3-ジメトキシプロピル)-5-イソブチル-3-メチル-シクロヘキサ-1,3-ジエンとの混合物1.1g(4.36mmol)を2mLのシクロヘキサンと混合した。20mgの活性炭上パラジウムを加えた。水素を用いて2バールの圧力、50℃でこの混合物を5時間水素化した。触媒を濾別した。95%の純度を有する1.0gの1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキセンを得た。
MS:m/z(%)=222、207、190、133、107、93、79、75、67、55、41。
1H NMR(400MHz、CDCl3)δ4.32(t、J=5.7Hz、1H)、3.32(s、6H)、2.03(ddt、J=12.0、7.2、3.9Hz、2H)、1.99~1.89(m、2H)、1.76~1.63(m、5H)、1.60(s、3H)、1.60~1.47(m、2H)、1.17~1.06(m、3H)、0.87(d、J=6.6Hz、6H)。
13C NMR(101MHz、CDCl3)δ128.82(C-4)、126.20(C-5)、104.25(C-10)、52.49(C-12)、52.47(C-14)、46.27(C-15)、39.02(C-6)、31.73(C-1)、30.80(C-9)、29.98(C-2)、29.60(C-8)、28.09(C-3)、24.88(C-16)、23.10(C-17)、22.75(C-18)、18.96(C-7)。
【0115】
実施例12:3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール(D)の合成:
1gの1-(3,3-ジメトキシプロピル)-4-イソブチル-2-メチル-シクロヘキセンを1.2gのギ酸と混合し、室温で1.5時間撹拌した。続いて、この混合物を炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)に加えた。有機相を分離し、水で2回洗浄し、硫酸ナトリウム上で脱水し、減圧下で溶媒を除去した。続いて、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。93%の純度を有する0.7gの3-(4-イソブチル-6-メチル-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール(D)を得た。
香り:フローラル、スイート、スズラン、クリーミー。
MS:m/z(%)=208、190、165、151、133、107、81、67、55、41、29。
1H NMR(600MHz、ベンゼン-d6)δ9.37(t、J=1.8Hz、1H)、2.12(dd、J=7.4、2.8Hz、2H)、2.00~1.96(m、2H)、1.84~1.79(m、1H)、1.75~1.70(m、1H)、1.65~1.58(m、2H)、1.54~1.49(m、2H)、1.48(t、J=1.9Hz、3H)、1.41~1.33(m、1H)、1.07~1.02(m、3H)、0.88(d、J=2.5Hz、3H)、0.87(d、J=2.6Hz、3H)。
13C NMR(151MHz、ベンゼン-d6) δ 200.66、128.32、126.84、46.52、42.52、39.22、31.92、30.16、29.60、25.85、25.15、23.26、22.89、19.06。