IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤフー株式会社の特許一覧

特許7231776補正装置、補正方法、および補正プログラム
<>
  • 特許-補正装置、補正方法、および補正プログラム 図1
  • 特許-補正装置、補正方法、および補正プログラム 図2
  • 特許-補正装置、補正方法、および補正プログラム 図3
  • 特許-補正装置、補正方法、および補正プログラム 図4A
  • 特許-補正装置、補正方法、および補正プログラム 図4B
  • 特許-補正装置、補正方法、および補正プログラム 図4C
  • 特許-補正装置、補正方法、および補正プログラム 図4D
  • 特許-補正装置、補正方法、および補正プログラム 図5
  • 特許-補正装置、補正方法、および補正プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-20
(45)【発行日】2023-03-01
(54)【発明の名称】補正装置、補正方法、および補正プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20230221BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20230221BHJP
   G08G 1/005 20060101ALI20230221BHJP
【FI】
G01C21/28
G01C21/26 P
G08G1/005
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022072686
(22)【出願日】2022-04-26
(62)【分割の表示】P 2018230397の分割
【原出願日】2018-12-07
(65)【公開番号】P2022090141
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-191710(JP,A)
【文献】特開2012-215393(JP,A)
【文献】特開2008-209346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の対象物の位置を示す位置情報を記憶する記憶部と、
ユーザが携帯する端末装置に搭載されたモーションセンサによって検知されるセンサ情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得される前記センサ情報に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定された場合に、前記ユーザの位置を前記位置情報に基づいて補正する補正部と
を備え
前記判定部は、
前記取得部によって取得される前記センサ情報から前記ユーザが前記対象物を見ながら発話したことを検出した場合に、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定する
ことを特徴とする補正装置。
【請求項2】
所定の対象物の位置を示す位置情報を記憶する記憶部と、
ユーザが携帯する端末装置に搭載されたモーションセンサによって検知されるセンサ情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得される前記センサ情報に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定された場合に、前記ユーザの位置を前記位置情報に基づいて補正する補正部と
を備え
前記取得部は、
前記端末装置によって測位された前記ユーザの位置を取得し、
前記判定部は、
前記取得部によって取得される前記ユーザの位置に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物の前を通過する毎に前記所定の対象物の近傍における前記ユーザの位置が正確か否かの判定を行い、所定回数連続して正確でないとの確認結果を得た場合に、前記ユーザの位置が正確でないと判定し、
前記補正部は、
前記判定部によって前記ユーザの位置が正確でないと判定された場合に、前記ユーザの位置を補正する
ことを特徴とする補正装置。
【請求項3】
前記判定部は、
前記取得部によって取得される前記センサ情報から前記ユーザが前記対象物の方向に振り向いたことを検出した場合に、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の補正装置。
【請求項4】
前記判定部は、
前記取得部によって取得される前記センサ情報から前記ユーザが前記対象物の前で立ち止ったことを検出した場合に、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の補正装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記所定の対象物の近傍でGPS(Global Positioning System)によって位置を測位している他の端末装置から当該他の端末装置の位置を取得し、
前記補正部は、
前記取得部によって取得される前記他の端末装置の位置に基づいて前記ユーザの位置を補正する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の補正装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する補正方法であって、
所定の対象物の位置を示す位置情報を記憶する記憶工程と、
ユーザが携帯する端末装置に搭載されたモーションセンサによって検知されるセンサ情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得される前記センサ情報に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定された場合に、前記ユーザの位置を前記位置情報に基づいて補正する補正工程と
を含み、
前記判定工程は、
前記取得工程によって取得される前記センサ情報から前記ユーザが前記対象物を見ながら発話したことを検出した場合に、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定する
ことを特徴とする補正方法。
【請求項7】
コンピュータが実行する補正方法であって、
所定の対象物の位置を示す位置情報を記憶する記憶工程と、
ユーザが携帯する端末装置に搭載されたモーションセンサによって検知されるセンサ情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得される前記センサ情報に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定された場合に、前記ユーザの位置を前記位置情報に基づいて補正する補正工程と
を含み、
前記取得工程は、
前記端末装置によって測位された前記ユーザの位置を取得し、
前記判定工程は、
前記取得工程によって取得される前記ユーザの位置に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物の前を通過する毎に前記所定の対象物の近傍における前記ユーザの位置が正確か否かの判定を行い、所定回数連続して正確でないとの確認結果を得た場合に、前記ユーザの位置が正確でないと判定し、
前記補正工程は、
前記判定工程によって前記ユーザの位置が正確でないと判定された場合に、前記ユーザの位置を補正する
ことを特徴とする補正方法。
【請求項8】
所定の対象物の位置を示す位置情報を記憶する記憶手順と、
ユーザが携帯する端末装置に搭載されたモーションセンサによって検知されるセンサ情報を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得される前記センサ情報に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順によって前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定された場合に、前記ユーザの位置を前記位置情報に基づいて補正する補正手順と
をコンピュータに実行させ
前記判定手順は、
前記取得手順によって取得される前記センサ情報から前記ユーザが前記対象物を見ながら発話したことを検出した場合に、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定する
ことを特徴とする補正プログラム。
【請求項9】
所定の対象物の位置を示す位置情報を記憶する記憶手順と、
ユーザが携帯する端末装置に搭載されたモーションセンサによって検知されるセンサ情報を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得される前記センサ情報に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順によって前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定された場合に、前記ユーザの位置を前記位置情報に基づいて補正する補正手順と
をコンピュータに実行させ
前記取得手順は、
前記端末装置によって測位された前記ユーザの位置を取得し、
前記判定手順は、
前記取得手順によって取得される前記ユーザの位置に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物の前を通過する毎に前記所定の対象物の近傍における前記ユーザの位置が正確か否かの判定を行い、所定回数連続して正確でないとの確認結果を得た場合に、前記ユーザの位置が正確でないと判定し、
前記補正手順は、
前記判定手順によって前記ユーザの位置が正確でないと判定された場合に、前記ユーザの位置を補正する
ことを特徴とする補正プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、補正装置、補正方法、および補正プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)によって測位する自己位置と地図情報とに基づいて、ユーザに目的地までの歩行経路を案内するナビゲーションシステムがある。
【0003】
また、GPSが利用不可能となった場合に、歩数センサから取得するユーザの進行距離情報と、地磁気センサから取得する方位情報と、地図情報とに基づいてユーザに目的地までの歩行経路を案内するナビゲーションシステムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-230092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、GPSを使用することなく、歩数センサや地磁気センサ等を使用して自己位置の移動距離や移動方向を推定する装置は、移動距離が長くなるにつれて推定する自己位置と実際の位置との誤差が徐々に大きくなる。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、GPSを使用せずに自己位置を測位する装置の位置を補正することができる補正装置、補正方法、および補正プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る補正装置は、記憶部と、取得部と、判定部と、補正部とを備える。記憶部は、所定の対象物の位置を示す位置情報を記憶する。取得部は、ユーザが携帯する端末装置に搭載されたモーションセンサによって検知されるセンサ情報を取得する。判定部は、前記取得部によって取得される前記センサ情報に基づいて、前記ユーザが前記所定の対象物に注目したか否かを判定する。補正部は、前記判定部によって前記ユーザが前記所定の対象物に注目したと判定された場合に、前記ユーザの位置を前記位置情報に基づいて補正する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様に係る補正装置、補正方法、および補正プログラムによれば、GPSを使用せずに自己位置を測位する装置の位置を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る補正方法の概要を示す説明図である。
図2図2は、実施形態に係る補正装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る位置情報の一例を示す説明図である。
図4A図4Aは、実施形態に係る学習モデルの作成手順の説明図である。
図4B図4Bは、実施形態に係る学習モデルの作成手順の説明図である。
図4C図4Cは、実施形態に係る学習モデルの作成手順の説明図である。
図4D図4Dは、実施形態に係る学習モデルの作成手順の説明図である。
図5図5は、実施形態に係る補正装置の制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、実施形態に係る補正装置を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る補正装置、補正方法、および補正プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る補正装置、補正方法、および補正プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.補正方法の概要〕
図1は、実施形態に係る補正方法の概要を示す説明図である。ここでは、ユーザUが携帯する端末装置10のナビゲーション機能を使用して徒歩移動している場合に、端末装置10によって測位される自己位置(以下、ユーザの位置と記載する場合がある)の誤差を補正する場合を例に挙げて説明する。
【0012】
近年の端末装置10には、GPS(Global Positioning System)センサおよびモーションセンサが搭載されている。GPSセンサは、GPS衛星から受信する電波に基づいてユーザUの位置を測位する。
【0013】
このため、端末装置10は、GPS衛星からの電波を受信可能な環境では、GPSセンサによって測位する自己位置と地図情報とに基づいて、ユーザUへ目的地までの経路を案内することができる。
【0014】
ただし、端末装置10は、GPS衛星からの電波を受信できない環境では、GPSセンサによる自己位置の測位を行うことができない。また、端末装置10は、例えば、GPS衛星からの電波を継続的に受信することによる電池の消耗を懸念するユーザUによってGPS機能がOFFにされた場合にも、GPSセンサによる自己位置の測位を行うことができない。
【0015】
かかる場合、端末装置10は、モーションセンサによって検知されるセンサ情報を利用したPDR(Pedestrian Dead Reckoning:歩行者自立航法)によって、自己位置の測位を行って目的地までの経路を案内することができる。
【0016】
具体的には、モーションセンサは、加速度センサやジャイロセンサ等を含んでいる。このため、端末装置10は、モーションセンサによって検知されるセンサ情報に基づいて、ユーザUの移動方向や歩数を検知することができる。
【0017】
これにより、端末装置10は、GPSを使用しない場合、GPSセンサによって最後に測位されたユーザUの位置を基準位置とし、基準位置からユーザUが移動した方向およびユーザUの歩数等に基づいて、ユーザUの位置を測位(推定)することができる。
【0018】
したがって、端末装置10は、GPSを使用しない場合であっても、モーションセンサによって検知されるセンサ情報に基づいて測位する自己位置と地図情報とに基づくPDRによって、ユーザUへ目的地までの経路を案内することができる。
【0019】
しかしながら、PDRによる経路案内では、モーションセンサによる検知精度の個体差やユーザU毎に異なる歩幅の違い等に起因して、移動距離が長くなるにつれて推定される自己位置と実際の位置との誤差が大きくなる。
【0020】
そこで、実施形態に係る補正装置1は、端末装置10によって測位される自己位置の誤差を補正する。具体的には、図1に示すように、補正装置1は、歩行中のユーザUが携帯する端末装置10からモーションセンサによって検知されるセンサ情報(以下、単に、センサ情報と記載する)を取得する(ステップS1)。
【0021】
その後、ユーザUは、例えば、街頭に設置されているデジタルサイネージ11等の所定の対象物の前で立ち止り、デジタルサイネージ11に表示されている広告に注目することがある。
【0022】
このとき、モーションセンサは、加速度センサおよび角速度センサを含むため、ユーザUが立ち止ったことを示すセンサ情報、およびユーザUがデジタルサイネージ11の方向に振り向いたことを示すセンサ情報を検出する。このため、補正装置1は、かかるセンサ情報に基づき注目(以下、アテンションと称する)の発生を検知する(ステップS2)。
【0023】
このとき、実際のユーザUは、デジタルサイネージ11の正面に立ってデジタルサイネージ11の方を向いている。しかし、端末装置10によって測位されたユーザUの位置Uaは、デジタルサイネージ11を通り過ぎた位置である。
【0024】
ここで、補正装置1は、例えば、デジタルサイネージ11等のように、ユーザUが移動中に興味を示して注目する可能性が高い、つまり、アテンションが発生する可能性の高い対象物の位置を示す位置情報31を事前に記憶している。
【0025】
そこで、補正装置1は、位置情報31に基づき、ユーザUの位置Uaをデジタルサイネージ11と対峙する位置に補正する(ステップS3)。そして、補正装置1は、補正したユーザUの位置Uaを示す位置情報を端末装置10へ送信してユーザUへ提供する(ステップS4)。
【0026】
このように、補正装置1は、所定の対象物の位置を示す位置情報31を記憶し、ユーザUが携帯する端末装置10によって測位されたユーザUの位置Uaおよび端末装置10に搭載されたモーションセンサによって検知されるセンサ情報を取得する。
【0027】
そして、補正装置1は、センサ情報に基づいてアテンションの発生を検知した場合に、ユーザUの位置Uaを位置情報31に基づいて補正する。これにより、補正装置1は、GPSを使用せずに自己位置を測位する端末装置10の位置を補正することができる。
【0028】
〔2.補正装置1の構成〕
次に、図2を参照し、実施形態に係る補正装置1の構成の一例について説明する。図2は、実施形態に係る補正装置1の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、補正装置1は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを備える。
【0029】
(通信部2について)
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、例えば、インターネット等の通信ネットワークNと無線で接続され、通信ネットワークNを介して、端末装置10との間で情報の送受信を行う。端末装置10は、例えば、ユーザが携帯するスマートフォンやタブレット型端末である。
【0030】
端末装置10は、GPSセンサ101とモーションセンサ102とを備える。モーションセンサ102は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、歩数センサ、および生体センサ等を含む。
【0031】
加速度センサは、端末装置10の加速度を検知するセンサである。ジャイロセンサは、端末装置10の姿勢および角速度等を検知するセンサである。歩数センサは、端末装置10のユーザが歩行した歩数を計数するセンサである。
【0032】
生体センサは、端末装置10のユーザの心拍数や体温等を検知するセンサである。なお、図2では、端末装置10が備えるGPSセンサ101およびモーションセンサ102以外の構成要素の図示を省略している。
【0033】
(記憶部3について)
記憶部3は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部3は、位置情報31と、学習モデル32とを有する。
【0034】
ここで、図3を参照し、位置情報31の一例について説明する。図3は、実施形態に係る位置情報31の一例を示す説明図である。図3に示すように、位置情報31は、複数の対象物と、各対象物の位置とが対応付けられた情報である。
【0035】
対象物は、ユーザUが歩行による移動中に興味を示して注目する可能性が高い、つまり、アテンションが発生する可能性が高い設置物である。例えば、対象物は、デジタルサイネージ11、電光掲示板、街頭ビジョン、およびモニュメント等である。
【0036】
図3に示す位置情報31では、デジタルサイネージ11に対して、デジタルサイネージ11の位置を示す位置情報#1が対応付けられ、電光掲示板に対して、電光掲示板の位置を示す位置情報#2が対応付けられている。
【0037】
また、街頭ビジョンには、街頭ビジョンの位置を示す位置情報#3が対応付けられ、モニュメントには、モニュメントの位置を示す位置情報#4が対応付けられている。位置情報#1~#4等は、各対象物が存在する位置の緯度および経度を示す情報である。なお、位置情報#1~#4等は、各対象物が存在する位置の地図上における座標であってもよい。
【0038】
図2の説明に戻り、学習モデル32は、端末装置10から取得されるユーザの位置およびモーションセンサ102によって検知されるセンサ情報が入力された場合に、そのユーザが所定の対象物に興味を持ったか否かの判別結果を出力する。
【0039】
かかる学習モデル32は、興味を持った対象物の近傍で他のユーザがとる特徴的な挙動に対応するセンサ情報を予め収取して機械学習することで作成される。ここで、図4A図4Dを参照し、学習モデル32の作成手順の一例について説明する。
【0040】
(学習モデル32の作成手順の一例)
図4A図4Dは、実施形態に係る学習モデルの作成手順の説明図である。図4Aに示すように、学習モデル32を作成する場合には、正解付センサ情報Dを事前に用意する。このとき、正解付センサ情報Dとして、対象物の前でアテンションが発生したユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報と、対象物の前でアテンションが発生しなかったユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報とを多数用意する。
【0041】
例えば、学習モデル32を作成する場合、所定の対象物の周辺を通行する歩行者(端末装置10のユーザ)を事前にカメラによって撮影する。そして、カメラによって撮影された映像から、所定の対象物に興味を持ったユーザと、興味を持たなかったユーザとをそれぞれ特定し、各ユーザの端末装置10からユーザの位置およびモーションセンサ102によって検知されたセンサ情報を収集する。
【0042】
図4Aに示すセンサ情報#1~#5は、対象物の前でアテンションが発生したユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報である。また、センサ情報#6は、対象物の前でアテンションが発生しなかったユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報である。
【0043】
センサ情報#1は、例えば、所定の対象物の方向に振り向いたユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報である。センサ情報#2は、例えば、所定の対象物の前で立ち止ったユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報である。
【0044】
センサ情報#3は、所定の対象物を見ながら発話したユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報である。センサ情報#4は、例えば、所定の対象物を見てしゃがんだユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報である。センサ情報#5は、例えば、所定の対象物の前を一度通過した後、直に所定の対象物の前に戻ったユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報である。
【0045】
なお、上記した対象物の前でアテンションが発生したユーザの挙動は一例であり、これに限定されるものではない。例えば、所定の対象物が広告である場合、広告から目を逸らすユーザの挙動、広告から逃げるユーザの挙動、広告の前で歩く速度が遅くなるユーザの挙動を、広告に対するアテンションが発生したユーザの挙動としてもよい。
【0046】
また、表示に加えて音声を出力する広告の場合、広告を見ないが広告の近傍でビクッとするユーザの挙動や、広告の近傍で付けていたイヤホンやヘッドホンを外すユーザの挙動を、広告に対するアテンションが発生したユーザの挙動としてもよい。
【0047】
このように、所定の対象物に対するアテンションが発生したユーザの挙動は、ユーザが対象物に対して興味を持ったり、対象物を意識したりした際に行う些細な任意の挙動であってもよい。
【0048】
センサ情報#6は、例えば、所定の対象物を見ずに素通りしたユーザの端末装置10から取得されたセンサ情報である。なお、センサ情報#1~センサ情報#6には、それぞれが取得された位置を示す情報が含まれている。
【0049】
その後、収集した各センサ情報#1~#6等に正解として、アテンションが発生した、または、アテンションが発生しなかったといういずれか一方の情報を付与し、学習モデル32の作成機能を備えるコンピュータPCへ入力する。コンピュータPCは、例えば、FM(Factorization Machines)による機械学習によって学習モデル32を作成する。
【0050】
例えば、図4Bに示すように、コンピュータPCは、入力されるセンサ情報#1~#6等のセンサ情報を所定の座標平面M上にプロットする。図4Bには、アテンションが発生したという正解が付与されたセンサ情報を白点で示しており、アテンションが発生しなかったという正解が付与されたセンサ情報を黒点で示している。
【0051】
続いて、コンピュータPCは、図4Cに示すように、アテンションが発生したという正解が付与された白点で示すセンサ情報群と、アテンションが発生しなかったという正解が付与された黒点で示すセンサ情報群とを分類する境界線Lを座標平面Mに設定する。
【0052】
そして、図4Dに示すように、コンピュータPCは、座標平面M内の境界線Lを挟んで白点で示したセンサ情報群が分布していた側の領域をアテンション発生領域とし、黒点で示したセンサ情報群が分布していた側の領域をアテンション非発生領域とする学習モデル32を作成する。
【0053】
かかる学習モデル32は、例えば、あるユーザの端末装置10から取得されたユーザの位置およびセンサ情報が入力された場合、ユーザの位置を含むセンサ情報D1を座標平面M上にプロットする。
【0054】
このとき、図4Dに示すように、センサ情報D1をプロットした領域がアテンション発生領域である場合、学習モデル32は、センサ情報D1を取得した端末装置10のユーザにアテンションが発生したという判別結果を出力する。また、例えば、センサ情報D1をプロットした領域がアテンション非発生領域であった場合、学習モデル32は、センサ情報D1を取得した端末装置10のユーザにアテンションが発生しなかったという判別結果を出力する。
【0055】
(制御部4について)
図2へ戻り、制御部4について説明する。制御部4は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、補正装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(補正プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部4は、例えば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0056】
図2に示すように、制御部4は、取得部41と、判定部42と、補正部43とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部4の内部構成は、図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0057】
(取得部41について)
取得部41は、端末装置10からユーザの位置と、モーションセンサ102によって検知されるセンサ情報とを取得する。このとき、取得部41は、端末装置10のGPSセンサ101によってユーザの位置が測位されている場合には、GPSセンサ101からユーザの位置を取得する。
【0058】
ただし、端末装置10では、GPSセンサ101によってユーザの位置を測位できない場合がある。例えば、端末装置10は、ユーザが地下街、地下鉄の駅構内、および店舗施設等の中にいる場合、GPS衛星からの電波を受信することができないため、GPSセンサ101による測位ができない。
【0059】
また、端末装置10は、例えば、GPS衛星からの電波を継続的に受信するによる電池の消耗を懸念するユーザによってGPS機能がOFFにされた場合にも、GPSセンサ101による測位ができない。
【0060】
かかる場合、端末装置10は、例えば、PDRによってユーザの位置を測位することができる。端末装置10は、GPS衛星からの電波を受信できない場合、GPSセンサ101によって最後に測位されたユーザの位置と、その後、モーションセンサ102によって検知された加速度、角速度、およびユーザの歩数等とに基づき推定したユーザの位置を推定する。
【0061】
取得部41は、端末装置10がGPSを使用していない場合、上記したPDRによって測位されたユーザの位置を端末装置10から取得する。さらに、取得部41は、ユーザにアテンションが発生したか否かを判定するために、端末装置10からモーションセンサ102によって検出されるセンサ情報を取得する。
【0062】
また、取得部41は、端末装置10のGPSセンサ101によって最後に測位されたユーザの位置(基準位置)を取得し、その後に取得するモーションセンサのセンサ情報に基づいて、基準位置からのユーザの移動方向および移動距離を推定してユーザの位置を取得することもできる。そして、取得部41は、取得したユーザの位置およびセンサ情報を順次判定部42へ出力する。
【0063】
(判定部42について)
判定部42は、取得部41から入力されるセンサ情報に基づいてユーザが所定の対象物に注目したか否か、つまり、アテンションが発生したか否かを判定し、判定結果を補正部43へ出力する。
【0064】
具体的には、判定部42は、取得部41から入力されるセンサ情報を学習モデル32へ入力し、学習モデル32から出力される判定結果をアテンションが発生したか否かの判定結果として補正部43へ出力する。
【0065】
このとき、学習モデル32は、例えば、ユーザが所定の対象物の方向を振り向いたときに検出される特有のセンサ情報が入力される場合に、アテンションが発生したという判定結果を出力する。
【0066】
また、学習モデル32は、例えば、ユーザが所定の対象物の前で立ち止ったときに検出される特有のセンサ情報が入力される場合に、アテンションが発生したという判定結果を出力する。また、学習モデル32は、例えば、ユーザが所定の対象物を見ながら発話したときに検出される特有のセンサ情報が入力される場合に、アテンションが発生したという判定結果を出力する。
【0067】
また、学習モデル32は、例えば、ユーザが所定の対象物を見ずに素通りしたときに検出されるセンサ情報が入力される場合に、アテンションが発生しなかったという判定結果を出力する。判定部42は、学習モデル32から出力されるアテンションが発生したか否かの判定結果と合わせて、端末装置10から取得されたユーザの位置を補正部43へ出力する。
【0068】
なお、ここでは、判定部42が学習モデル32を使用して、アテンションが発生したか否かを判定する場合について説明したが、判定部42は、学習モデル32を使用せずに、アテンションが発生したか否かを判定する構成であってもよい。
【0069】
かかる構成の場合、補正装置1は、多数のユーザの端末装置からアテンションが発生したときのセンサ情報を取得し、取得したセンサ情報にテンションが発生した状態でのセンサ情報であることを示すラベルを付したアテンション情報を事前に記憶部3に記憶する。
【0070】
例えば、補正装置1は、ユーザが所定の対象物の方向に振り向いたとき、所定の対象物の前で立ち止ったとき、または、所定の対象物を見ながら発話したときの端末装置から取得されたセンサ情報をアテンション情報として記憶しておく。
【0071】
また、補正装置1は、例えば、ユーザが所定の対象物を見てしゃがんだとき、または、所定の対象物の前を一度通過した後、直に所定の対象物の前に戻ったときの端末装置から取得されたセンサ情報をアテンション情報として記憶しておく。
【0072】
また、補正装置1は、例えば、所定の対象物が広告である場合、ユーザが広告から目を逸らしたとき、広告から逃げたとき、広告の前で歩く速度が遅くなったときの端末装置から取得されたセンサ情報をアテンション情報として記憶しておく。
【0073】
また、補正装置1は、例えば、表示に加えて音声を出力する広告の場合、広告の近傍でユーザが広告を見ないがビクッとしたとき、または、広告の近傍で付けていたイヤホンやヘッドホンを外したときの端末装置から取得されたセンサ情報をアテンション情報として記憶しておく。
【0074】
このように、補正装置1は、ユーザが対象物に対して興味を持ったり、対象物を意識したりした際に行う些細な任意の挙動を検知したモーションセンサのセンサ情報を端末装置から取得し、アテンション情報として記憶しておく。
【0075】
そして、判定部42は、位置補正対象の端末装置のセンサ状態がアテンションの状態になった場合、つまり、端末装置から取得されるセンサ情報がアテンション情報として記憶したセンサ情報と一致または類似している場合に、アテンションが発生したと判定する。これにより、判定部42は、学習モデル32を使用しなくても、アテンションが発生したか否かを判定することができる。
【0076】
(補正部43について)
補正部43は、判定部42からアテンションが発生したとの判定結果が入力された場合、ユーザが注目した所定の対象物の位置情報31に基づいて、ユーザの位置を補正する。そして、補正部43は、補正後のユーザの位置情報を端末装置10へ送信して提供する。これにより、端末装置10は、補正装置1によって補正された正確なユーザの位置に基づいて、目的地までの正確な歩行経路をユーザに案内することができる。
【0077】
〔3.処理手順〕
次に、図5を参照し、実施形態に係る補正装置1の制御部4が実行する処理の一例について説明する。図5は、実施形態に係る補正装置1の制御部4が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0078】
制御部4は、GPSを使用せずに自己位置を測位中の端末装置10と通信可能に接続されている間、図5に示す処理を繰り返し実行する。具体的には、図5に示すように、制御部4は、まず、端末装置10からユーザの位置およびセンサ情報を取得する(ステップS101)。
【0079】
続いて、制御部4は、所定の対象物に対するアテンションが発生したか否かをセンサ情報に基づいて判定する(ステップS102)。そして、制御部4は、アテンションが発生していないと判定した場合(ステップS102,No)、処理を終了し、再度ステップS101から処理を開始する。
【0080】
また、制御部4は、アテンションが発生したと判定した場合(ステップS102,Yes)、位置情報31に基づいてユーザの位置を補正し(ステップS103)、処理を終了して、再度ステップS101から処理を開始する。
【0081】
〔4.変形例〕
上述した補正装置1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、補正装置1の変形例について説明する。
【0082】
上述した実施形態では、補正装置1は、記憶部3に記憶された位置情報31に基づいてユーザの位置を補正したが、他の端末装置によって測位された位置に基づいて端末装置10の位置を補正してもよい。
【0083】
例えば、補正装置1は、あるユーザが所定の対象物に注目してアテンションが発生した場合に、その対象物の近傍でGPSによって位置を測位している他の端末装置を検索し、他の端末装置から他の端末装置の位置を取得する。
【0084】
そして、補正装置1は、他の端末装置の位置に基づいて、アテンションが発生したユーザの位置を補正する。これにより、補正装置1は、位置情報31が記憶されていない対象物の近傍でアテンションが発生した場合であっても、そのユーザの位置を他の端末装置の位置に基づいて補正することができる。
【0085】
また、補正装置1は、他の端末装置の位置と、他の端末装置の近傍に存在する対象物に関する情報とを収集し、記憶部3に記憶されている位置情報31に追加することによって、ユーザの位置の補正に使用可能な対象物に関する情報量を増大させることができる。これにより、補正装置1は、より正確にユーザの位置を補正することができる。
【0086】
また、上述した実施形態では、アテンションが発生する毎にユーザの位置を補正する場合について説明したが、補正装置1は、アテンションが発生したユーザの位置が不正確な場合に限ってユーザの位置を補正する構成であってもよい。
【0087】
かかる構成の場合、取得部41は、端末装置10からPDRによって推定されたユーザの位置を取得する。判定部42は、取得部41によって取得されたユーザの位置に基づいて所定の対象物の近傍におけるユーザの位置が正確か否かを判定する。
【0088】
そして、補正部43は、アテンションが発生した場合に、そのユーザの位置が正確でないと判定部42によって判定された場合に、所定の対象物の位置情報31に基づいてユーザの位置を補正する。これにより、補正装置1は、端末装置10によって推定されたユーザの位置が不正確である場合に限って、ユーザの位置を補正するので、処理負荷を低減することができる。
【0089】
また、補正装置1は、ユーザが所定の対象物の前を通過する毎にユーザの位置が正確か否かの確認を行い、所定回数(例えば、3回)連続して不正確との確認結果を得た場合に、ユーザの位置が不正確であると判定する構成であってもよい。これにより、補正装置1は、端末装置10によって測位されたユーザの位置が確実に間違っている場合に、ユーザの位置を的確に補正することができる。
【0090】
また、補正装置1は、例えば、ユーザが第1の対象物に注目することなく第1の対象物の前を通過した後、第2の対象物に注目した場合にも、ユーザの位置を適切に補正することができる。
【0091】
かかる場合、補正装置1は、端末装置10からGPSセンサ101によって最後に測位した基準位置を取得し、その後に計測してセンサ情報を取得することで、基準位置からどちらの方向へどれくらいユーザが歩いて時間がたったのか、何歩くらい歩いたのかに基づき、ユーザの現在位置を取得することができる。
【0092】
これにより、補正装置1は、ユーザが第1の対象物の近くにいるのか、それとも第2の対象物の近くにいるのかを判別することができる。したがって、補正装置1は、ユーザが第1の対象物の前をスルーし、第2の対象物に注目してアテンションが発生した場合に、第2の対象物の位置情報31に基づいて、ユーザの位置を適切に補正することができる。
【0093】
また、上述した実施形態では、補正装置1は、アテンションが発生した場合に、ユーザの位置が正確か否かを判定してユーザの位置を補正したが、アテンションが発生してない場合に、ユーザの位置が正確か否かを判定してユーザの位置を補正してもよい。
【0094】
かかる構成とする場合、補正装置1は、例えば、階段や悪路等といったユーザが歩行した場合に端末装置10に加速度(G)や振動が生じる地点の位置情報をさらに記憶する。そして、補正装置1は、ユーザが階段や悪路等を歩行した場合にモーションセンサによって検出される特徴的なセンサ情報を端末装置10から取得した場合に、ユーザが階段や悪路を歩行していると判定する。
【0095】
このとき、補正装置1は、端末装置10から取得した位置と、記憶している階段や悪路の位置との間に誤差がある場合、記憶している階段や悪路の位置に基づいてユーザの位置を補正する。これにより、補正装置1は、アテンションが発生しない場合にも、ユーザの位置を補正することができる。
【0096】
また、上述した実施形態では、補正装置1は、端末装置10から取得するセンサ情報のうち、主に加速度センサ、ジャイロセンサ、および歩数センサのセンサ情報を使用して、アテンションが発生したが否かを判定したが、さらに生体センサを使用してもよい。
【0097】
この場合、補正装置1は、例えば、所定の対象物に注目しているユーザの心拍数や血圧の変動等に基づいて、ユーザにアテンションが発生したか否かを判定することによって、より正確にアテンションが発生したか否かを判定することが可能になる。
【0098】
また、上述した実施形態では、補正装置1が端末装置10から取得するセンサ情報に基づいて端末装置10を携帯するユーザの位置を補正し、補正後のユーザの位置を端末装置10へ提供したが、補正装置1の機能を端末装置10に搭載してもよい。
【0099】
かかる場合、端末装置10の記憶部に位置情報31および学習モデル32を記憶させ、端末装置10に補正装置1の制御部4と同様の処理を実行させるアプリケーションプログラムをインストールさせる。
【0100】
これにより、端末装置10は、GPSセンサ101を使用せずに自己位置を測位する場合に、モーションセンサ102のセンサ情報、位置情報31、および学習モデル32に基づいて、自己位置を自装置によって適切に補正することができる。
【0101】
〔5.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る補正装置1は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、補正装置1の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0102】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0103】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信I/F(インターフェイス)1500は、通信ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0104】
CPU1100は、入出力I/F1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力I/F1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。なお、図6では、入力装置および出力装置を合わせて入出力装置として記載している。
【0105】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0106】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る補正装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部4の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部3内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0107】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0108】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、図2に示した取得部41、判定部42、および補正部43は統合されてもよい。また、例えば、記憶部3に記憶される情報は、通信ネットワークNを介して、外部に備えられた所定の記憶装置に記憶されてもよい。
【0109】
また、上記実施形態では、補正装置1が、例えば、ユーザが携帯する端末装置に搭載されたモーションセンサによって検知されるセンサ情報を取得する取得処理と、取得部によって取得されるセンサ情報に基づいてユーザが所定の対象物に注目したか否かを判定する判定処理と、判定部によってユーザが所定の対象物に注目したと判定された場合に、ユーザの位置を位置情報に基づいて補正する補正処理とを行う例を示した。
【0110】
しかし、上述した補正装置1は、取得処理を行う取得装置と、判定処理を行う判定装置と、補正処理を行う補正装置とに分離されてもよい。この場合、取得装置は、少なくとも取得部41を有する。判定装置は、少なくとも判定部42を備える。補正装置は、少なくとも補正部43を有する。そして、上記の補正装置1による処理は、取得装置と、判定装置と、補正装置との各装置を有する補正システムによって実現される。
【0111】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0112】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る補正装置1は、記憶部3と、取得部41と、判定部42と、補正部43とを備える。記憶部3は、所定の対象物の位置を示す位置情報31を記憶する。取得部41は、ユーザが携帯する端末装置10に搭載されたモーションセンサ102によって検知されるセンサ情報を取得する。判定部42は、取得部41によって取得されるセンサ情報に基づいて、ユーザが所定の対象物に注目したか否かを判定する。補正部43は、判定部42によってユーザが所定の対象物に注目したと判定された場合に、ユーザの位置を位置情報に基づいて補正する。これにより、補正装置1は、GPSを使用せずに自己位置を測位する端末装置の位置を補正することができる。
【0113】
また、判定部42は、取得部41によって取得されるセンサ情報からユーザが対象物の方向に振り向いたことを検出した場合に、ユーザが所定の対象物に注目したと判定する。これにより、補正装置1は、ユーザが所定の対象物の近傍にいることを高精度に推定することができる。
【0114】
また、判定部42は、取得部41によって取得されるセンサ情報からユーザが対象物の前で立ち止ったことを検出した場合に、ユーザが所定の対象物に注目したと判定する。これにより、補正装置1は、ユーザが所定の対象物の近傍にいることを高精度に推定することができる。
【0115】
また、判定部42は、取得部41によって取得されるセンサ情報からユーザが対象物の前で会話を開始したことを検出した場合に、ユーザが所定の対象物に注目したと判定する。これにより、補正装置1は、ユーザが所定の対象物の近傍にいることを高精度に推定することができる。
【0116】
また、取得部41は、端末装置10によって測位されたユーザの位置を取得し、判定部42は、取得部41によって取得されるユーザの位置に基づいて所定の対象物の近傍におけるユーザの位置が正確か否かを判定し、補正部43は、判定部42によってユーザの位置が正確でないと判定された場合に、ユーザの位置を補正する。これにより、補正装置1は、端末装置10によって測位されたユーザの位置が不正確である場合に限って、ユーザの位置を補正するので、処理負荷を低減することができる。
【0117】
また、判定部42は、ユーザが所定の対象物の前を通過する毎にユーザの位置が正確か否かの確認を行い、所定回数連続して正確でないとの確認結果を得た場合に、ユーザの位置が正確でないと判定する。これにより、補正装置1は、端末装置10によって測位されたユーザの位置が確実に間違っている場合に、ユーザの位置を的確に補正することができる。
【0118】
また、取得部41は、所定の対象物の近傍でGPSによって位置を測位している他の端末装置から当該他の端末装置の位置を取得する。補正部43は、取得部41によって取得される他の端末装置の位置に基づいてユーザの位置を補正する。これにより、補正装置1は、位置情報31が記憶されていない対象物の近傍でアテンションが発生した場合であっても、そのユーザの位置を他の端末装置の位置に基づいて補正することができる。
【0119】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0120】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0121】
1 補正装置
2 通信部
3 記憶部
31 位置情報
32 学習モデル
4 制御部
41 取得部
42 判定部
43 補正部
10 端末装置
101 GPSセンサ
102 モーションセンサ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6