(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】施工状況確認装置及び施工状況確認プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20230222BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20230222BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q10/06
(21)【出願番号】P 2020035933
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2021-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】久木田 知美
(72)【発明者】
【氏名】庄司 達弥
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-055341(JP,A)
【文献】特開2015-090540(JP,A)
【文献】特開2017-033278(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0095119(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の取り付け位置と該機器の機種を特定する情報とを含む施工情報を取得する第1の取得部と、
前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の個体を識別する識別情報を取得し、取得した前記識別情報に対応する前記機種を照会することで、機種を識別する機種情報と、取り付け位置とを対応付けて取得する第2の取得部と、
所定の取り付け位置に対応する前記第1の取得部が取得した機器の機種を特定する情報と、前記所定の取り付け位置に対応する前記第2の取得部が取得した機種情報とを照合して、照合結果を出力する出力部と
を有する施工状況確認装置。
【請求項2】
前記第2の取得部は、個体情報に関するコードまたは銘板の撮影画像に基づいて特定した識別情報を取得することで、前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の個体を識別する識別情報を取得する、請求項1に記載の施工状況確認装置。
【請求項3】
機器の取り付け位置と該機器の個体または機種を識別する情報とを含む施工情報を取得する第1の取得部と、
前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の個体または機種ごとの外形に基づく特徴を、機器の撮影画像から特定
し、各機器の外形に基づく特徴と各機器の個体または機種を識別する識別情報とが対応付けられた情報を参照することで、前記機器の取り付け位置に取り付け
られた機器の個体または機種を識別する識別情報を取得する第2の取得部と、
所定の取り付け位置に対応する前記第1の取得部が取得した機器の個体または機種を識別する情報と、前記所定の取り付け位置に対応する前記第2の取得部が取得した識別情報とを照合して、照合結果を出力する出力部と
を有する施工状況確認装置。
【請求項4】
機器の取り付け位置と該機器の機種を特定する情報とを含む施工情報を取得する第1の取得工程と、
前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の個体を識別する識別情報を取得し、取得した前記識別情報に対応する前記機種を照会することで、機種を識別する機種情報と、取り付け位置とを対応付けて取得する第2の取得工程と、
所定の取り付け位置に対応する、前記第1の取得工程において取得された機器の機種を特定する情報と、前記所定の取り付け位置に対応する、前記第2の取得工程において取得された機種情報とを照合して、照合結果を出力する出力工程と
をコンピュータに実行させるための施工状況確認プログラム。
【請求項5】
機器の取り付け位置と該機器の個体または機種を識別する情報とを含む施工情報を取得する第1の取得工程と、
前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の個体または機種ごとの外形に基づく特徴を、機器の撮影画像から特定
し、各機器の外形に基づく特徴と各機器の個体または機種を識別する識別情報とが対応付けられた情報を参照することで、前記機器の取り付け位置に取り付け
られた機器の個体または機種を識別する識別情報を取得する第2の取得工程と、
所定の取り付け位置に対応する、前記第1の取得工程において取得された機器の個体または機種を識別する情報と、前記所定の取り付け位置に対応する、前記第2の取得工程において取得された識別情報とを照合して、照合結果を出力する出力工程と
をコンピュータに実行させるための施工状況確認プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施工状況確認装置及び施工状況確認プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空調システム等の各種機器システムを施工する場合、エンジニアリング事業者(以下、単に「事業者」と称す)によって設備設計が行われ、施工業者によって各種機器の取り付け工事、試運転が行われる。
【0003】
また、施工業者によって行われた取り付け工事等の様子は施工写真として収められ、事業者に送信される。これにより、事業者は、施工写真を介して、取り付け工事等が適切に行われたことを確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、施工写真の場合、事業者は、所定の日時及び位置において、取り付け工事等が行われたことまでは確認できるが、例えば、実際に取り付けられた機器の機種が、設備設計通りであるかといった詳細な施工状況までは確認することができない。
【0006】
本開示は、施工状況を確認可能な施工状況確認装置及び施工状況確認プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、施工状況確認装置であって、
機器の取り付け位置と該機器の機種を特定する情報とを含む施工情報を取得する第1の取得部と、
前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の機種を識別する第1の識別情報と、取り付け位置とを対応付けて取得する第2の取得部と、
所定の取り付け位置に対応する前記第1の取得部が取得した機器の機種を特定する情報と、前記所定の取り付け位置に対応する前記第2の取得部が取得した第1の識別情報とを照合して、照合結果を出力する出力部とを有する。
【0008】
本開示の第1の態様によれば、施工状況を確認可能な施工状況確認装置を提供することができる。
【0009】
また、本開示の第2の態様は、第1の態様に記載の施工状況確認装置であって、
前記第2の取得部は、
前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の個体を識別する第2の識別情報を取得し、
前記第2の識別情報に対応する前記機種を照会することで、前記第1の識別情報と取り付け位置とを対応付けて取得する。
【0010】
また、本開示の第3の態様は、第2の態様に記載の施工状況確認装置であって、
前記第2の取得部は、個体情報に関するコードまたは銘板の撮影画像に基づいて特定した第2の識別情報を取得することで、前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の個体を識別する第2の識別情報を取得する。
【0011】
また、本開示の第4の態様は、第2の態様に記載の施工状況確認装置であって、
前記第2の取得部は、前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の個体ごとの外形に基づく特徴を、機器の撮影画像から特定することで、前記機器の取り付け位置に取り付けされた機器の個体を識別する第2の識別情報を取得する。
【0012】
また、本開示の第5の態様は、施工状況確認プログラムであって、
機器の取り付け位置と該機器の機種を特定する情報とを含む施工情報を取得する第1の取得工程と、
前記機器の取り付け位置に取り付けられた機器の機種を識別する第1の識別情報と、取り付け位置とを対応付けて取得する第2の取得工程と、
所定の取り付け位置に対応する、前記第1の取得工程において取得された機器の機種を特定する情報と、前記所定の取り付け位置に対応する、前記第2の取得工程において取得された第1の識別情報とを照合して、照合結果を出力する出力工程とをコンピュータに実行させる。
【0013】
本開示の第5の態様によれば、施工状況を確認可能な施工状況確認プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】施工状況確認システムのシステム構成の一例を示す第1の図である。
【
図2】完成図書及び設備管理台帳の構成例を示す図である。
【
図3】施工状況確認システムによる施工状況確認処理の流れを示す第1のシーケンス図である。
【
図4】サーバ装置及び端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】端末装置による位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の具体例を示す第1の図である。
【
図7】サーバ装置による施工結果情報取得処理及び照合処理の具体例を示す図である。
【
図8】サーバ装置による照合処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】情報入力装置による表示処理の具体例を示す図である。
【
図10】施工状況確認システムのシステム構成の一例を示す第2の図である。
【
図11】施工状況確認システムによる施工状況確認処理の流れを示す第2のシーケンス図である。
【
図12】端末装置による位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の具体例を示す第2の図である。
【
図13】サーバ装置による施工結果情報取得処理、照会処理及び照合処理の具体例を示す図である。
【
図14】施工状況確認システムのシステム構成の一例を示す第3の図である。
【
図15】施工状況確認システムによる施工状況確認処理の流れを示す第3のシーケンス図である。
【
図16】端末装置による位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の具体例を示す第3の図である。
【
図17】サーバ装置による施工結果情報取得処理、外形特徴抽出及び機種情報取得処理、照合処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0016】
[第1の実施形態]
<施工状況確認システムのシステム構成>
はじめに、第1の実施形態に係る施工状況確認システムのシステム構成について説明する。
図1は、施工状況確認システムのシステム構成の一例を示す第1の図である。
図1に示すように、施工状況確認システム100は、情報入力装置110、サーバ装置120、端末装置130を有する。施工状況確認システム100において、情報入力装置110、端末装置130は、それぞれ、サーバ装置120と通信可能に接続される。
【0017】
情報入力装置110は、事業者160が用いる装置である。事業者160は、顧客からの依頼を受けて、機器システムの設備設計を行う。また、事業者160は、設備設計に応じた施工を施工業者150が行うのに必要な情報("施工情報"と称す)を、情報入力装置110を介してサーバ装置120に登録する。
【0018】
また、情報入力装置110は、事業者160がサーバ装置120に施工情報を登録したことに応じて、サーバ装置120より、設備設計通りに施工が行われたか否か(施工状況)を示す情報を受信する。これにより、事業者160は、施工状況を確認することができる。更に、事業者160は、情報入力装置110を介して、施工状況を報告するための書類(本実施形態では「完成図書」と称す)を生成し、顧客に納品する。
【0019】
サーバ装置120は施工状況確認装置の一例であり、施工状況を示す情報を事業者160に提供する。
【0020】
具体的には、サーバ装置120には、施工状況確認プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、サーバ装置120は、
・施工情報取得部121、
・位置情報提供部122、
・施工結果情報取得部123、
・照合部124、
として機能する。
【0021】
施工情報取得部121は第1の取得部の一例であり、情報入力装置110を介して事業者160により入力された施工情報を取得し、施工情報格納部131に格納する。
【0022】
位置情報提供部122は、施工情報格納部131に格納された施工情報から、各機器の取り付け位置に関する情報(位置情報)を抽出し、端末装置130に提供する。
【0023】
これにより、施工業者150は、施工現場において機器の取り付け工事を行った際、位置情報提供部122より提供された位置情報の中から、取り付け位置を選択することで、端末装置130に入力することができる。更に、施工業者150は、選択した取り付け位置と対応付けて、取り付けた機器の機種を入力することで、取り付け位置情報及び機種情報を含む施工結果情報を端末装置130に記録することできる。
【0024】
施工結果情報取得部123は第2の取得部の一例であり、施工業者150により端末装置130に記録された施工結果情報を、端末装置130より取得する。また、施工結果情報取得部123は、取得した施工結果情報に含まれる取り付け位置情報と機種情報とを対応付けて取得する。更に、施工結果情報取得部123は、取得した取り付け位置情報と機種情報とを、照合部124に通知する。
【0025】
照合部124は出力部の一例である。照合部124は、施工結果情報取得部123より通知された取り付け位置情報と機種情報とに基づいて、設備設計通りに施工が行われたか否かを判定する。具体的には、照合部124は、施工結果情報取得部123より通知された取り付け位置情報と機種情報とに基づいて、施工情報格納部131を参照し、施工情報格納部131に格納された施工情報と照合する。
【0026】
照合の結果、施工情報と一致している場合、照合部124では、施工業者150によって、設備設計通りに施工が行われたと判定する。一方、施工情報と一致していない場合、照合部124では、施工業者150によって、設備設計通りに施工が行われなかったと判定する。
【0027】
なお、照合部124は、施工状況を示す情報として、照合結果を情報入力装置110に送信し、表示する。これにより、事業者160は、施工状況を確認することができる。
【0028】
端末装置130は、施工業者150が施工現場において携行する装置である。施工業者150は、空調機器1(符号170_1)~空調機器n(符号170_n)を含む空調システムの施工を行う際に、端末装置130を携行する。
【0029】
なお、
図1に示すように、本実施形態では、施工対象の機器システムが空調システムであるとして説明するが、施工対象の機器システムは、空調システムに限定されず、他の機器システムであってもよい。
【0030】
施工業者150は、端末装置130を起動し、サーバ装置120にアクセスすることで、サーバ装置120より位置情報を取得する。また、施工業者150は、施工現場において機器の取り付け工事を行った際、取得した位置情報の中から、取り付け位置を選択するとともに、取り付けた機器の機種を入力することで、施工結果情報を記録する。更に、施工業者150は、端末装置130を介して施工結果情報をサーバ装置120に送信する。
【0031】
<完成図書及び設備管理台帳の構成例>
次に、顧客に納品される完成図書及び完成図書の一部である設備管理台帳の構成例について説明する。
図2は、完成図書及び設備管理台帳の構成例を示す図である。
図2(a)に示すように、完成図書200は、表紙、機器納入書、取扱説明書、竣工図、空調機試運転表、気密試験結果表、通水試験結果表、風量測定試験比較表、施工写真台帳、設備管理台帳、保証書、保守連絡先リスト等により構成される。
【0032】
本実施形態に係るサーバ装置120では、完成図書200を構成する各書類のうち、施工業者150による施工前に、事業者160により生成される設備管理台帳データを、施工情報(設備設計に応じた施工を施工業者が行うのに必要な情報)の一例として用いる。
【0033】
図2(b)は、施工情報として用いられる設備管理台帳データの構成例を示す図である。
図2(b)に示すように、設備管理台帳データ210は、情報の項目として"区分"、"系統"、"機器名"、"機種"、"製造番号"、"メーカ"、"取り付け位置"、"設置年月日"が含まれる。
【0034】
"区分"には、取り付けられる機器の区分(業務用空調機か家庭用空調機かを示す区分)が格納される。"系統"には、取り付けられる機器が接続される冷媒系統を示す情報が格納される。
【0035】
"機器名"には、取り付けられる機器のユニット名(室内機か室外機かを示す名称)が格納される。"機種"には、取り付けられる機器の機種を特定する機種情報(第1の識別情報)が格納される。"製造番号"には、取り付けられる機器の個体を識別する製造番号(第2の識別情報)が格納される。
【0036】
"メーカ"には、取り付けられる機器の製造メーカの名称が格納される。"取り付け位置"には、対応する機器の取り付け位置情報(例えば、フロア、部屋・ゾーン等)が格納される。"設置年月日"には、対応する機器が取り付けられた年月日が格納される。
【0037】
<施工状況確認システムの処理の流れ>
次に、施工状況確認システム100による施工状況確認処理の流れについて説明する。
図3は、施工状況確認システムによる施工状況確認処理の流れを示す第1のシーケンス図である。
【0038】
図3に示すように、ステップS301において、事業者160は、情報入力装置110を介して施工情報(ここでは、設備管理台帳データ210)を生成し、生成した施工情報を登録する作業を行う。
【0039】
ステップS302において、サーバ装置120は、情報入力装置110より送信された、施工情報を、施工情報格納部131に格納する。
【0040】
ステップS303において、サーバ装置120の位置情報提供部122は、施工情報格納部131に格納された施工情報から、位置情報を抽出し、端末装置130に提供する。
【0041】
ステップS304において、端末装置130は、提供された位置情報を取り付け位置の一覧として表示し、施工業者150は、表示された取り付け位置の一覧の中から、実際に機器を取り付けた位置を選択する。また、施工業者150は、実際に取り付けた機器の機種を端末装置130に入力する。更に、端末装置130は、取り付け位置情報及び機種情報を含む施工結果情報を、サーバ装置120に送信する。
【0042】
ステップS305において、サーバ装置120の施工結果情報取得部123は、端末装置130より施工結果情報として送信された、取り付け位置情報と機種情報とを対応付けて取得する。また、サーバ装置120の施工結果情報取得部123は、取得した取り付け位置情報と機種情報とを照合部124に通知する。
【0043】
ステップS306において、サーバ装置120の照合部124は、施工結果情報取得部123より通知された取り付け位置情報と機種情報とに基づいて、施工情報格納部131を参照し、設備管理台帳データ210と照合する。また、照合部124は、照合結果を設備管理台帳データ210と対応付けて情報入力装置110に送信する。
【0044】
ステップS307において、情報入力装置110は、サーバ装置120より送信された照合結果を表示する。これにより、事業者160は、施工状況を確認することができる。
【0045】
<サーバ装置及び端末装置のハードウェア構成>
次に、サーバ装置120及び端末装置130のハードウェア構成について説明する。
図4は、サーバ装置及び端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0046】
(1)サーバ装置のハードウェア構成
図4(a)に示すように、サーバ装置120は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403を有する。CPU401、ROM402、RAM403は、いわゆるコンピュータを形成する。
【0047】
また、サーバ装置120は、補助記憶装置404、表示装置405、操作装置406、通信装置407、ドライブ装置408を有する。なお、サーバ装置120の各ハードウェアは、バス409を介して相互に接続される。
【0048】
CPU401は、補助記憶装置404にインストールされている各種プログラム(例えば、施工状況確認プログラム等)を実行する演算デバイスである。
【0049】
ROM402は、不揮発性メモリである。ROM402は、補助記憶装置404にインストールされている各種プログラムをCPU401が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM402はBIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。
【0050】
RAM403は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM403は、補助記憶装置404にインストールされている各種プログラムがCPU401によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
【0051】
補助記憶装置404は、各種プログラムや、各種プログラムが実行される際に用いられる情報を格納する補助記憶デバイスである。施工情報格納部131は、補助記憶装置404において実現される。
【0052】
表示装置405は、サーバ装置120の内部状態を表示する表示デバイスである。操作装置406は、サーバ装置120の管理者(不図示)がサーバ装置120に対して各種指示を入力する際に用いる入力デバイスである。
【0053】
通信装置407は、ネットワーク140に接続し、情報入力装置110、端末装置130等と通信を行うための通信デバイスである。
【0054】
ドライブ装置408は記録媒体410をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体410には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体410には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0055】
なお、補助記憶装置404にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体410がドライブ装置408にセットされ、該記録媒体410に記録された各種プログラムがドライブ装置408により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置404にインストールされる各種プログラムは、通信装置407を介して、ネットワーク140よりダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0056】
(2)端末装置のハードウェア構成
図4(b)に示すように、端末装置130は、サーバ装置120と同様のハードウェア構成(CPU421~通信装置427)を有する。このため、ここでは、サーバ装置120との相違点について説明する。
【0057】
サーバ装置120との相違点は、端末装置130の場合、撮像部として機能する撮像装置428を有する点である。撮像装置428は、施工業者150の操作のもとで動作し、撮影画像データを生成する。
【0058】
<サーバ装置、端末装置、情報入力装置による処理の詳細>
次に、
図3に示したシーケンス図のうち、サーバ装置120、端末装置130、または、情報入力装置110によって実行される下記の処理の詳細について説明する。
・ステップS303(サーバ装置120によって実行される位置情報提供処理)、
・ステップS304(端末装置130によって実行される位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理)、
・ステップS305~S306(サーバ装置120によって実行される施工結果情報取得処理及び照合処理)、
・ステップS307(情報入力装置110によって実行される表示処理)。
【0059】
(1)位置情報提供処理の詳細
はじめに、ステップS303においてサーバ装置120によって実行される、位置情報提供処理の詳細について説明する。上述したように、位置情報提供部122は、施工情報格納部131に格納された施工情報(設備管理台帳データ210)から、位置情報を抽出し、端末装置130に提供する。
【0060】
図5は、位置情報の一例を示す図である。
図5に示すように、位置情報500には、情報の項目として、"取り付け位置区分"、"フロア"、"部屋・ゾーン"が含まれる。
【0061】
"取り付け位置区分"には、施工情報を取り付け位置ごとに区分した場合の各取り付け位置を特定するための識別子が格納される。
【0062】
"フロア"には、各機器が取り付けられる棟の名称、階数等が格納される。"部屋・ゾーン"には、各機器が取り付けられる、部屋またはゾーンの名称が格納される。
【0063】
(2)位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の詳細
次に、ステップS304において端末装置130によって実行される、位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の詳細について説明する。
図6は、端末装置による位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の具体例を示す第1の図である。
【0064】
図6に示すように、端末装置130は、サーバ装置120より位置情報500を取得し、取り付け位置の一覧として表示する(一覧表示画面610参照)。これにより、施工業者150は、一覧表示された取り付け位置の中から、実際に機器を取り付けた位置を選択する。
【0065】
続いて、施工業者150は、実際に取り付けた機器の機種を端末装置130に入力する。施工業者150は、機種入力画面620を介して、実際に取り付けた機器の機種を入力する。
【0066】
端末装置130では、取り付け位置情報及び機種情報を含む施工結果情報630_1をサーバ装置120に送信する。なお、
図6の例は、施工結果情報630_1として、取り付け位置情報="北棟1階1年1組"、機種情報="FFF001DD"がサーバ装置120に送信されたことを示している。
【0067】
また、
図6の例は、各取り付け位置で機器の取り付け工事が完了するごとに施工結果情報をサーバ装置120に送信する処理を、端末装置130が繰り返し実行し、最後に、施工結果情報630_nを送信した様子を示している。
【0068】
(3)施工結果情報取得処理及び照合処理の詳細
次に、ステップS305からステップS306において、サーバ装置120によって実行される、施工結果情報取得処理及び照合処理の詳細について説明する。
【0069】
(3-1)施工結果取得処理及び照合処理の具体例
図7は、サーバ装置による施工結果情報取得処理及び照合処理の具体例を示す図である。
【0070】
図7に示すように、サーバ装置120の施工結果情報取得部123は、端末装置130より、例えば、施工結果情報630_1を取得する。また、施工結果情報取得部123の抽出部701は、施工結果情報630_1より、取り付け位置情報と機種情報とを抽出する。また、抽出部701は、抽出した取り付け位置情報と機種情報とを照合部124に通知する。
【0071】
図7の例は、抽出部701により、取り付け位置情報="北棟1階1年1組"、機種情報="FFF001DD"が抽出されたことを示している。
【0072】
照合部124では、取り付け位置情報="北棟1階1年1組"を検索キーとして、施工情報である設備管理台帳データ210内を検索し、対応する機種情報="FFF001DD"を取得する。また、照合部124では、設備管理台帳データ210より取得した機種情報と、施工結果情報取得部123より通知された機種情報とを照合し、一致するか否かを判定する。
【0073】
図7の例は、一致すると判定し、照合部124が、"北棟1階1年1組"に取り付けられた機器の照合結果=OKと判定した様子を示している。
【0074】
(3-2)照合処理のフローチャート
図8は、サーバ装置による照合処理の流れを示すフローチャートである。ステップS801において、照合部124は、施工結果情報取得部123より、施工結果情報を取得する。
【0075】
ステップS802において、照合部124は、施工結果情報に含まれる取り付け位置情報を検索キーとして、設備管理台帳データ210を検索し、施工結果情報に含まれる機種情報と照合する。
【0076】
ステップS803において、照合部124は、照合の結果、機種情報が一致するか否かを判定する。
【0077】
ステップS803において機種情報が一致しないと判定した場合には(ステップS803においてNoの場合には)、ステップS804に進む。ステップS804において、照合部124は、照合結果=NGと判定する。
【0078】
一方、ステップS803において機種情報が一致すると判定した場合には(ステップS803においてYesの場合には)、ステップS805に進む。ステップS805において、照合部124は、照合結果=OKと判定する。
【0079】
ステップS806において、照合部124は、設備管理台帳データ210に照合結果を付加し、情報入力装置110に送信する。
【0080】
(4)表示処理の詳細
次に、ステップS309において情報入力装置110により実行される、表示処理の詳細について説明する。
図9は、情報入力装置による表示処理の具体例を示す図である。
図9に示すように、情報入力装置110では、サーバ装置120より送信された設備管理台帳データ210と、照合結果データ900とを対応付けて表示する。
【0081】
これにより、事業者160は、設備設計通りに施工が行われたか否か(施工状況)を確認することができる。この結果、設備設計とは異なる施工が行われる頻度を低減させ、施工精度を向上させることができる。
【0082】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第1の実施形態に係る施工状況確認システムは、
・施工情報取得部が、機器の取り付け位置情報と該機器の機種情報とを含む施工情報(設備管理台帳データ)を取得する。
・施工結果情報取得部が、機器の取り付け位置に取り付けられた機器の機種情報と、取り付け位置情報とを対応付けて取得する。
・照合部が、所定の取り付け位置情報に対応する施工情報取得部が取得した機種情報と、所定の取り付け位置情報に対応する施工結果情報取得部が取得した機種情報とを照合して、照合結果を出力する。
【0083】
これにより、事業者は、設備設計通りに施工が行われたか否か(施工状況)を確認することができる。つまり、第1の実施形態によれば、施工状況を確認可能な施工状況確認装置及び施工状況確認プログラムを提供することができる。
【0084】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、施工業者150が、実際に取り付けた機器の機種を直接入力することで、サーバ装置120が実際に取り付けられた機器の機種情報を取得するケースについて説明した。
【0085】
しかしながら、サーバ装置120による機種情報の取得方法はこれに限定されない。例えば、施工業者150が、取り付けられた機器の特定の領域(例えば、機器の個体を識別する製造番号(個体情報)が付された領域)を撮影し、撮影画像データにより特定される製造番号に基づき機種情報を照会することで、機種情報を取得してもよい。
【0086】
以下、第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第2の実施形態では、機器の個体を識別する製造番号(個体情報)が付された領域として、QRコード(登録商標)または銘板が付された領域を例に説明する。
【0087】
<施工状況確認システムのシステム構成>
はじめに、第2の実施形態に係る施工状況確認システムのシステム構成について説明する。
図10は、施工状況確認システムのシステム構成の一例を示す第2の図である。
図1に示したシステム構成との相違点は、
図10の場合、サーバ装置120の施工結果情報取得部1001の機能が、
図1の施工結果情報取得部123の機能とは異なる点である。また、
図10の施工状況確認システム1000の場合、照会装置1010を有する点である。更に、
図10の場合、空調機器1(符号170_1)~空調機器n(符号170_n)にQRコード(または銘板)が付されている点である。
【0088】
施工結果情報取得部1001は、施工業者150により記録された施工結果情報として、施工業者150が各空調機器のQRコード(または銘板)が付された領域を撮影した撮影画像データ(ヘッダ部に取り付け位置情報が記録された撮影画像データ)を取得する。
【0089】
また、施工結果情報取得部1001は、施工結果情報として取得した撮影画像データのヘッダ部に記録された取り付け位置情報を抽出する。
【0090】
また、施工結果情報取得部1001は、施工結果情報として取得した撮影画像データの本体部に含まれるQRコード(または銘板)の画像データに基づいて、機器の製造番号を特定する。また、施工結果情報取得部1001は、特定した製造番号を照会装置1010に送信することで、対応する機種情報を取得する。
【0091】
更に、施工結果情報取得部1001は、抽出した取り付け位置情報と取得した機種情報とを、照合部124に通知する。
【0092】
照会装置1010は、サーバ装置120より製造番号を受信し、受信した製造番号に対応する機種情報をサーバ装置120に送信する。なお、照会装置1010には、機器の個体を識別する製造番号と、機器の機種情報とが対応付けられたテーブルが格納されているものとする。
【0093】
<施工状況確認システムの処理の流れ>
次に、第2の実施形態に係る施工状況確認システム1000による施工状況確認処理の流れについて説明する。
図11は、施工状況確認システムによる施工状況確認処理の流れを示す第2のシーケンス図である。
図3に示した第1のシーケンス図との相違点は、ステップS1101からS1104である。
【0094】
ステップS1101において、端末装置130は、提供された位置情報を取り付け位置の一覧として表示し、施工業者150は、表示された取り付け位置の一覧の中から、実際に機器を取り付けた位置を選択する。また、施工業者150は、実際に取り付けた機器に付されたQRコード(または銘板)を撮影する。更に、端末装置130は、取り付け位置情報をヘッダ部に、撮影したQRコード(または銘板)の画像データを本体部に記録した撮影画像データを、施工結果情報としてサーバ装置120に送信する。
【0095】
ステップS1102において、サーバ装置120の施工結果情報取得部1001は、端末装置130より施工結果情報として送信された、撮影画像データを取得する。また、サーバ装置120の施工結果情報取得部1001は、取得した撮影画像データのヘッダ部より、取り付け位置情報を抽出し、本体部よりQRコード(または銘板)の画像データを抽出する。
【0096】
ステップS1103において、サーバ装置120の施工結果情報取得部1001は、抽出した画像データに基づいて、機器の製造番号を特定し、特定した製造番号を照会装置1010に送信することで、照会装置1010より機種情報を取得する。また、サーバ装置120の施工結果情報取得部1001は、抽出した取り付け位置情報と取得した機種情報とを、照合部124に通知する。
【0097】
ステップS1104において、照会装置1010は、サーバ装置120より製造番号を受信すると、製造番号に対応する機器の機種を特定し、機種情報をサーバ装置120に送信する。
【0098】
<サーバ装置及び端末装置による処理の詳細>
次に、
図11に示したシーケンス図のうち、サーバ装置120または端末装置130によって実行される下記の処理の詳細について説明する。
・ステップS1101(端末装置130によって実行される位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理)、
・ステップS1102~S1103、S306(サーバ装置120によって実行される施工結果情報取得処理、照会処理及び照合処理)。
【0099】
(1)位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の詳細
はじめに、ステップS1101において端末装置130によって実行される、位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の詳細について説明する。
図12は、端末装置による位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の具体例を示す第2の図である。
【0100】
図12に示すように、端末装置130は、サーバ装置120より位置情報500を取得し、取り付け位置の一覧として表示する(一覧表示画面610参照)。これにより、施工業者150は、一覧表示された取り付け位置の中から、実際に機器を取り付けた位置を選択する。
【0101】
続いて、施工業者150は、実際に取り付けた機器の各領域のうち、QRコード(または銘板)が付された領域を撮影する(撮影画面1210参照)。これにより、端末装置130は撮影画像データ1220_1を生成する。
【0102】
なお、
図12に示すように、撮影画像データ1220_1はヘッダ部1221と本体部1222とを有し、ヘッダ部1221には、取り付け位置情報が記録される。また、本体部1222には、QRコード(または銘板)の画像データが記録される。
【0103】
端末装置130では、撮影画像データ1220_1を施工結果情報としてサーバ装置120に送信する。なお、
図12の例は、各取り付け位置で機器の取り付け工事が完了するごとに撮影画像データをサーバ装置120に送信する処理を、端末装置130が繰り返し実行し、最後に、撮影画像データ1220_nを送信した様子を示している。
【0104】
(2)施工結果情報取得処理、照会処理及び照合処理の詳細
次に、ステップS1102、S1103、S306において、サーバ装置120により実行される、施工結果情報取得処理、照会処理及び照合処理の詳細について説明する。
【0105】
図13は、サーバ装置による施工結果情報取得処理、照会処理及び照合処理の具体例を示す図である。
【0106】
図13に示すように、サーバ装置120の施工結果情報取得部1001は、端末装置130より、施工結果情報として、例えば、撮影画像データ1220_1を取得する。また、施工結果情報取得部1001の抽出部1301は、撮影画像データ1220_1のヘッダ部1221より、取り付け位置情報を抽出し、照合部124に通知する。
図13の例は、取り付け位置情報="北棟1階1年1組"が通知されたことを示している。
【0107】
また、施工結果情報取得部1001の抽出部1301は、撮影画像データ1220_1の本体部1222より、QRコード(または銘板)の画像データを抽出し、照会部1302に通知する。
【0108】
照会部1302は、QRコード(または銘板)の画像データを解析することで、機器の製造番号を特定する。また、照会部1302は、特定した製造番号を照会装置1010に送信することで、当該機器の機種情報を照会装置1010より取得し、照合部124に通知する。
図13の例は、機種情報="FFF001DD"が通知されたことを示している。
【0109】
照合部124では、取り付け位置情報="北棟1階1年1組"を検索キーとして、施工情報である設備管理台帳データ210内を検索し、対応する機種情報="FFF001DD"を取得する。また、照合部124では、設備管理台帳データ210より取得した機種情報と、施工結果情報取得部1001より通知された機種情報とを照合し、一致するか否かを判定する。
【0110】
図13の例は、一致すると判定し、照合部124が、"北棟1階1年1組"に取り付けられた機器の照合結果=OKと判定した様子を示している。
【0111】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第2の実施形態に係る施工状況確認システムは、
・施工情報取得部が、機器の取り付け位置情報と該機器の機種情報とを含む施工情報(設備管理台帳データ)を取得する。
・施工結果情報取得部が、機器の取り付け位置に取り付けられた機器の個体を識別する製造番号(個体情報)が付された領域(QRコードまたは銘板が付された領域)の撮影画像データ(ヘッダ部に取り付け位置情報が記録された撮影画像データ)を取得する。
・施工結果情報取得部が、撮影画像データに基づいて特定される、機器の個体を識別する製造番号(個体情報)に対応する機種を照会することで、取り付け位置情報と機種情報とを対応付けて取得する。
・照合部が、所定の取り付け位置に対応する施工情報取得部が取得した機種情報と、所定の取り付け位置に対応する施工結果情報取得部が取得した機種情報とを照合して、照合結果を出力する。
【0112】
これにより、事業者は、設備設計通りに施工が行われたか否か(施工状況)を確認することができる。つまり、第2の実施形態によれば、施工状況を確認可能な施工状況確認装置及び施工状況確認プログラムを提供することができる。
【0113】
[第3の実施形態]
上記第2の実施形態では、施工業者150が、機器の個体を識別する製造番号が付された領域(QRコードまたは銘板が付された領域)を撮影するものとして説明した。しかしながら、施工業者150が撮影する対象は、QRコードまたは銘板が付された領域に限定されない。
【0114】
例えば、機器の外形がわかるように機器全体を撮影してもよい。この場合、サーバ装置120では、機器の外形に基づく特徴から機器の個体を識別する製造番号(個体情報)を特定する。以下、第3の実施形態について、上記第1または第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0115】
<施工状況確認システムのシステム構成>
はじめに、第3の実施形態に係る施工状況確認システムのシステム構成について説明する。
図14は、施工状況確認システムのシステム構成の一例を示す第3の図である。
図1に示したシステム構成との相違点は、
図14の施工状況確認システム1400の場合、サーバ装置120の施工結果情報取得部1401の機能が、
図1の施工結果情報取得部123の機能とは異なる点である。また、サーバ装置120が、外形特徴情報格納部1402を有する点である。
【0116】
施工結果情報取得部1401は、施工業者150により記録された施工結果情報として、施工業者150が各空調機器の外形を撮影した撮影画像データ(ヘッダ部に取り付け位置情報が記録された撮影画像データ)を取得する。
【0117】
また、施工結果情報取得部1401は、施工結果情報として取得した撮影画像データのヘッダ部に記録された取り付け位置情報を抽出する。
【0118】
また、施工結果情報取得部1401は、施工結果情報として取得した撮影画像データの本体部に含まれる、機器の外形を撮影した画像データに基づいて、機器の外形に基づく特徴量を算出する。また、施工結果情報取得部1401は、算出した特徴量に基づいて、外形特徴情報格納部1402を検索し、対応する製造番号(個体情報)を取得する。更に、施工結果情報取得部1401は、抽出した取り付け位置情報と取得した製造番号(個体情報)とを、照合部124に通知する。
【0119】
なお、外形特徴情報格納部1402には、各機器の外形に基づく特徴量と、各機器の個体を識別する製造番号(個体情報)とが対応付けて格納されているものとする。なお、ここでいう各機器の外形に基づく特徴量とは、例えば、各機器の製造段階で発生するバリの大きさやバリの位置、あるいは、各機器の製造段階で発生したキズ等、個体を識別可能な外形的特徴(各機器固有の外形的特徴)を指す。
【0120】
<施工状況確認システムの処理の流れ>
次に、第3の実施形態に係る施工状況確認システム1400による施工状況確認処理の流れについて説明する。
図15は、施工状況確認システムによる施工状況確認処理の流れを示す第3のシーケンス図である。
図11に示した第2のシーケンス図との相違点は、ステップS1501、S1502である。
【0121】
ステップS1501において、端末装置130は、提供された位置情報を取り付け位置の一覧として表示し、施工業者150は、表示された取り付け位置の一覧の中から、実際に機器を取り付けた位置を選択する。また、施工業者150は、実際に取り付けた機器の外形を撮影する。更に、端末装置130は、取り付け位置情報をヘッダ部に、撮影した機器の外形の画像データを本体部に記録した撮影画像データを、施工結果情報としてサーバ装置120に送信する。
【0122】
ステップS1502において、サーバ装置120の施工結果情報取得部1401は、抽出した画像データを解析し、機器の外形に基づく特徴量を算出する。また、サーバ装置120の施工結果情報取得部1401は、算出した特徴量に基づいて、外形特徴情報格納部1402を検索することで、機器の個体を識別する製造番号(個体情報)を取得する。また、サーバ装置120の施工結果情報取得部1401は、抽出した取り付け位置情報と取得した製造番号(個体情報)とを、照合部124に通知する。
【0123】
<サーバ装置、端末装置による処理の詳細>
次に、
図15に示したシーケンス図のうち、サーバ装置120または端末装置130によって実行される下記の処理の詳細について説明する。
・ステップS1501(端末装置130によって実行される位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理)、
・ステップS1102、S1502、S306(サーバ装置120によって実行される施工結果情報取得処理、外形特徴抽出及び個体情報取得処理、照合処理)。
【0124】
(1)位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の詳細
はじめに、ステップS1501において端末装置130によって実行される、位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の詳細について説明する。
図16は、端末装置による位置情報取得処理及び施工結果情報送信処理の具体例を示す第3の図である。
【0125】
図16に示すように、端末装置130は、サーバ装置120より位置情報500を取得し、取り付け位置の一覧として表示する(一覧表示画面610参照)。これにより、施工業者150は、一覧表示された取り付け位置の中から、実際に機器を取り付けた位置を選択する。
【0126】
続いて、施工業者150は、実際に取り付けた機器の外形を撮影する(撮影画面1610参照)。これにより、端末装置130は撮影画像データ1220_1を生成する。
【0127】
なお、
図16に示すように、撮影画像データ1220_1はヘッダ部1221と本体部1222とを有し、ヘッダ部1221には、取り付け位置情報が記録される。また、本体部1222には、機器の外形を撮影した画像データが記録される。
【0128】
端末装置130では、撮影画像データ1220_1を施工結果情報としてサーバ装置120に送信する。なお、
図16の例は、各取り付け位置で機器の取り付け工事が完了するごとに撮影画像データをサーバ装置120に送信する処理を、端末装置130が繰り返し実行し、最後に、撮影画像データ1220_nを送信した様子を示している。
【0129】
(2)施工結果情報取得処理、外形特徴抽出及び個体情報取得処理、照合処理の詳細
次に、ステップS1102、S1502、S306においてサーバ装置120によって実行される、施工結果情報取得処理、外形特徴抽出及び個体情報取得処理、照合処理の詳細について説明する。
図17は、サーバ装置による施工結果情報取得処理、外形特徴抽出及び個体情報取得処理、照合処理の具体例を示す図である。
【0130】
図17に示すように、サーバ装置120の施工結果情報取得部1001は、端末装置130より、施工結果情報として、例えば、撮影画像データ1220_1を取得する。また、施工結果情報取得部1001の抽出部1301は、撮影画像データ1220_1のヘッダ部1221より、取り付け位置情報を抽出し、照合部124に通知する。
図17の例は、取り付け位置情報="北棟1階1年1組"が通知されたことを示している。
【0131】
また、施工結果情報取得部1001の抽出部1301は、撮影画像データ1220_1の本体部1222より、機器の外形を撮影した画像データを抽出し、外形特徴抽出部1701に通知する。
【0132】
外形特徴抽出部1701は、機器の外形を撮影した画像データを解析することで、機器の外形に基づく特徴量を算出する。また、外形特徴抽出部1701は、算出した特徴量に基づいて、外形特徴情報格納部1402内を検索することで、対応する製造番号(個体情報)を取得し、照合部124に通知する。
図17の例は、製造番号="A1234"が通知されたことを示している。
【0133】
照合部124では、取り付け位置情報="北棟1階1年1組"を検索キーとして、施工情報である設備管理台帳データ210内を検索し、対応する製造番号="A1234"を取得する。また、照合部124では、設備管理台帳データ210より取得した製造番号(個体情報)と、施工結果情報取得部1001より通知された製造番号(個体情報)とを照合し、一致するか否かを判定する。
【0134】
図17の例は、一致すると判定し、照合部124が、"北棟1階1年1組"に取り付けられた機器の照合結果=OKと判定した様子を示している。
【0135】
<まとめ>
以上の説明から明らかなように、第3の実施形態に係る施工状況確認システムは、
・施工情報取得部が、機器の取り付け位置情報と該機器の個体を識別する製造番号(個体情報)とを含む施工情報(設備管理台帳データ)を取得する。
・施工結果情報取得部が、機器の取り付け位置に取り付けられた機器の外形を撮影した撮影画像データ(ヘッダ部に取り付け位置情報が記録された撮影画像データ)を取得する。
・施工結果情報取得部が、撮影画像データに基づいて算出される、機器の外形に基づく特徴量から機器の個体を識別する製造番号(個体情報)を特定することで、取り付け位置情報と製造番号(個体情報)とを対応付けて取得する。
・照合部が、所定の取り付け位置に対応する施工情報取得部が取得した製造番号(個体情報)と、所定の取り付け位置に対応する施工結果情報取得部が取得した製造番号(個体情報)とを照合して、照合結果を出力する。
【0136】
これにより、事業者は、設備設計通りに施工が行われたか否か(施工状況)を確認することができる。つまり、第3の実施形態によれば、施工状況を確認可能な施工状況確認装置及び施工状況確認プログラムを提供することができる。
【0137】
[その他の実施形態]
上記第2の実施形態では、QRコード(または銘板)の画像データを解析し、製造番号を特定したうえで、機種情報を取得するものとして説明した。しかしながら、機種情報の取得方法はこれに限定されず、例えば、QRコード(または銘板)の画像データを解析し、直接、機種情報を取得するように構成してもよい。
【0138】
また、上記第2の実施形態では、施工業者150が、QRコード(または銘板)が付された領域を撮影し、撮影画像データを送信するものとして説明した。しかしながら、施工結果情報の送信方法はこれに限定されず、例えば、施工業者150が、直接、製造番号を入力し、取り付け位置情報と対応付けて送信するように構成してもよい。
【0139】
また、上記第3の実施形態では、外形特徴情報格納部1402をサーバ装置120内に設けるものとして説明した。しかしながら、外形特徴情報格納部1402の配置はこれに限定されず、例えば、照会装置1010内に設けてもよい。この場合、外形特徴抽出部1701は、特徴量を照会装置1010に送信することで、製造番号(個体情報)を照会することになる。
【0140】
また、上記第3の実施形態では、機器ごとの外形に基づく特徴量から、機器の個体を識別する製造番号(個体情報)を特定するものとして説明した。しかしながら、機器の機種ごとの外形に基づく特徴量から、機種を識別するように構成してもよい(上記第3の実施形態に記載の"個体"を"機種"に読み替えることで、機種を識別する構成を実現することができる)。
【0141】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0142】
100 :施工状況確認システム
110 :情報入力装置
120 :サーバ装置
121 :施工情報取得部
122 :位置情報提供部
123 :施工結果情報取得部
124 :照合部
130 :端末装置
200 :完成図書
210 :設備管理台帳データ
500 :位置情報
701 :抽出部
900 :照合結果データ
1000 :施工状況確認システム
1001 :施工結果情報取得部
1010 :照会装置
1301 :抽出部
1302 :照会部
1401 :施工結果情報取得部
1701 :外形特徴抽出部