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特許7231840コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230222BHJP
【FI】
A63F13/69 510
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020070240
(22)【出願日】2020-04-09
(65)【公開番号】P2021166573
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-171473(JP,A)
【文献】特開2018-047100(JP,A)
【文献】特許第5335969(JP,B1)
【文献】[プロスピ2019]「開幕記念スカウト」は引くべき?当たり選手と評価,ゲーム乱舞 [online],2019年07月22日,URL:<https://gameranbu.jp/prospi2019/5785b4303aa39cdf3484>,[令和4年6月28日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体抽選が要求されたことを契機として、1つ以上のパラメータを備える複数種類のゲーム媒体のうちから前記ユーザの識別情報に関連づける当選媒体を決定する媒体抽選実行手段、
として機能させ、
前記複数種類のゲーム媒体が記憶されるとともに前記媒体抽選に用いられる抽選テーブルには、前記ゲーム媒体の種類および前記ゲーム媒体の当選確率の少なくともいずれかが互いに1つ以上異なる複数の抽選テーブルが用意されており、
前記媒体抽選実行手段は、前記複数の抽選テーブルのうちから2つ以上の前記抽選テーブルを選択して、選択された2つ以上の前記抽選テーブルに基づいて前記媒体抽選をそれぞれ実行するためのマルチ抽選処理を実行し、それぞれの前記媒体抽選に基づいて選択された複数の前記ゲーム媒体のうち1つ以上の前記ゲーム媒体を前記当選媒体として前記ユーザの識別情報に関連づけ、
前記マルチ抽選処理で実行される複数の前記媒体抽選のそれぞれにおいて、前記パラメータを備える1つ以上の前記ゲーム媒体が前記当選媒体として決定され
前記媒体抽選実行手段は、前記ユーザの操作に基づいて、所定の付与抽選の結果に基づいて、または、所定の規則に基づいて、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体のうちから前記当選媒体を決定する、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体抽選が要求されたことを契機として、1つ以上のパラメータを備える複数種類のゲーム媒体のうちから前記ユーザの識別情報に関連づける当選媒体を決定する媒体抽選実行手段、
として機能させ、
前記複数種類のゲーム媒体が記憶されるとともに前記媒体抽選に用いられる抽選テーブルには、前記ゲーム媒体の種類および前記ゲーム媒体の当選確率の少なくともいずれかが互いに1つ以上異なる複数の抽選テーブルが用意されており、
前記媒体抽選実行手段は、前記複数の抽選テーブルのうちから2つ以上の前記抽選テーブルを選択して、選択された2つ以上の前記抽選テーブルに基づいて前記媒体抽選をそれぞれ実行するためのマルチ抽選処理を実行し、それぞれの前記媒体抽選に基づいて選択された複数の前記ゲーム媒体のうち1つ以上の前記ゲーム媒体を前記当選媒体として前記ユーザの識別情報に関連づけ、
前記マルチ抽選処理で実行される複数の前記媒体抽選のそれぞれにおいて、前記パラメータを備える1つ以上の前記ゲーム媒体が前記当選媒体として決定され、
前記媒体抽選実行手段は、前記媒体抽選が実行される前に、所定のテーブル抽選の結果に基づいて、前記マルチ抽選処理を実行するための2つ以上の前記抽選テーブルを選択する、
コンピュータプログラム。
【請求項3】
前記媒体抽選実行手段は、
1つの前記抽選テーブルに基づいて前記媒体抽選を実行するためのシングル抽選処理、および前記マルチ抽選処理のいずれかを実行し、
前記シングル抽選処理および前記マルチ抽選処理を実行する際に、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザの識別情報と関連づけられている価値媒体と、の関連づけを解除し、
前記マルチ抽選処理が実行される場合において前記ユーザの識別情報と前記価値媒体との関連づけを解除する量を、前記シングル抽選処理が実行される場合において前記ユーザの識別情報と前記価値媒体との関連づけを解除する量よりも多くする、
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体抽選が要求されたことを契機として、1つ以上のパラメータを備える複数種類のゲーム媒体のうちから前記ユーザの識別情報に関連づける当選媒体を決定する媒体抽選実行手段、
として機能させ、
前記媒体抽選には、その抽選方法として複数の抽選方法が用意されており、
前記媒体抽選実行手段は、前記複数の抽選方法のうちから2つ以上の前記抽選方法を選択して、選択された2つ以上の前記抽選方法に基づいて前記媒体抽選をそれぞれ実行するためのマルチ抽選処理を実行し、それぞれの前記媒体抽選に基づいて選択された複数の前記ゲーム媒体のうち1つ以上の前記ゲーム媒体を前記当選媒体として前記ユーザの識別情報に関連づけ、
前記マルチ抽選処理で実行される複数の前記媒体抽選のそれぞれにおいて、前記パラメータを備える1つ以上の前記ゲーム媒体が前記当選媒体として決定され
前記媒体抽選実行手段は、前記ユーザの操作に基づいて、所定の付与抽選の結果に基づいて、または、所定の規則に基づいて、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体のうちから前記当選媒体を決定する、
コンピュータプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体抽選が要求されたことを契機として、1つ以上のパラメータを備える複数種類のゲーム媒体のうちから前記ユーザの識別情報に関連づける当選媒体を決定する媒体抽選実行手段、
として機能させ、
前記媒体抽選には、その抽選方法として複数の抽選方法が用意されており、
前記媒体抽選実行手段は、前記複数の抽選方法のうちから2つ以上の前記抽選方法を選択して、選択された2つ以上の前記抽選方法に基づいて前記媒体抽選をそれぞれ実行するためのマルチ抽選処理を実行し、それぞれの前記媒体抽選に基づいて選択された複数の前記ゲーム媒体のうち1つ以上の前記ゲーム媒体を前記当選媒体として前記ユーザの識別情報に関連づけ、
前記マルチ抽選処理で実行される複数の前記媒体抽選のそれぞれにおいて、前記パラメータを備える1つ以上の前記ゲーム媒体が前記当選媒体として決定され、
前記媒体抽選実行手段は、前記媒体抽選が実行される前に、所定の方法抽選の結果に基づいて、前記マルチ抽選処理を実行するための2つ以上の前記抽選方法を選択する、
コンピュータプログラム。
【請求項6】
前記媒体抽選実行手段は、
1つの前記抽選方法に基づいて前記媒体抽選を実行するためのシングル抽選処理、および前記マルチ抽選処理のいずれかを実行し、
前記シングル抽選処理および前記マルチ抽選処理を実行する際に、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザの識別情報と関連づけられている価値媒体と、の関連づけを解除し、
前記マルチ抽選処理が実行される場合において前記ユーザの識別情報と前記価値媒体との関連づけを解除する量を、前記シングル抽選処理が実行される場合において前記ユーザの識別情報と前記価値媒体との関連づけを解除する量よりも多くする、
請求項4または5に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記媒体抽選実行手段は、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体を前記ユーザに提示するための情報を生成する、
請求項1~のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記媒体抽選実行手段は、所定の条件が満たされた場合に、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体のすべてを前記当選媒体として前記ユーザの識別情報と関連づける、
請求項1~のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記媒体抽選実行手段は、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体の組み合わせが所定の組み合わせである場合に、特典を前記ユーザの識別情報と関連づける、
請求項1~のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記特典は、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体よりも前記ユーザにとって有利なゲーム媒体である、
請求項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記媒体抽選実行手段は、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体、または、前記ユーザの識別情報と関連づけられた前記当選媒体である前記ゲーム媒体について、それ以降、前記複数種類のゲーム媒体が記憶される抽選テーブルのすべてから削除する、
請求項1~10のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムおよびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによる1回の抽選要求(ガチャ要求)を受けつけたことを契機として、ユーザに付与するゲーム媒体を選択するガチャが実行されるゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ガチャによって選択されたゲーム媒体に関する情報は、ユーザの識別情報と関連づけられる。そして、ユーザの識別情報と関連づけられたゲーム媒体に関する情報は、ユーザのゲーム装置へ送信される。これにより、複数のゲーム媒体がユーザに付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-093165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のガチャは、抽選が実行されて当選したキャラクタがユーザに付与されるだけであった。そして、従来のガチャにおいては、ユーザが所望するキャラクタが当選することの期待値は低く、ガチャに対するユーザの興味が失われてしまうおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、ユーザの要望に近いキャラクタが付与されるガチャを提供することのできるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体抽選が要求されたことを契機として、複数種類のゲーム媒体のうちから前記ユーザの識別情報に関連づける当選媒体を決定する媒体抽選実行手段、
として機能させ、
前記複数種類のゲーム媒体が記憶されるとともに前記媒体抽選に用いられる抽選テーブルには、前記ゲーム媒体の種類および前記ゲーム媒体の当選確率の少なくともいずれかが互いに1つ以上異なる複数の抽選テーブルが用意されており、
前記媒体抽選実行手段は、前記複数の抽選テーブルのうちから2つ以上の前記抽選テーブルを選択して、選択された2つ以上の前記抽選テーブルに基づいて前記媒体抽選をそれぞれ実行するためのマルチ抽選処理を実行し、それぞれの前記媒体抽選に基づいて選択された複数の前記ゲーム媒体のうち1つ以上の前記ゲーム媒体を前記当選媒体として前記ユーザの識別情報に関連づける、
コンピュータプログラムである。
【0008】
また、第1の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、前記媒体抽選が実行される前に、前記ユーザの操作に基づいて、あるいは、所定のテーブル抽選の結果に基づいて、前記マルチ抽選処理を実行するための2つ以上の前記抽選テーブルを選択する、
ことができる。
【0009】
また、第1の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、
1つの前記抽選テーブルに基づいて前記媒体抽選を実行するためのシングル抽選処理、および前記マルチ抽選処理のいずれかを実行し、
前記シングル抽選処理および前記マルチ抽選処理を実行する際に、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザの識別情報と関連づけられている価値媒体と、の関連づけを解除し、
前記マルチ抽選処理が実行される場合において前記ユーザの識別情報と前記価値媒体との関連づけを解除する量を、前記シングル抽選処理が実行される場合において前記ユーザの識別情報と前記価値媒体との関連づけを解除する量よりも多くする、
ことができる。
【0010】
第2の発明は、
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体抽選が要求されたことを契機として、複数種類のゲーム媒体のうちから前記ユーザの識別情報に関連づける当選媒体を決定する媒体抽選実行手段、
として機能させ、
前記媒体抽選には、その抽選方法として複数の抽選方法が用意されており、
前記媒体抽選実行手段は、前記複数の抽選方法のうちから2つ以上の前記抽選方法を選択して、選択された2つ以上の前記抽選方法に基づいて前記媒体抽選をそれぞれ実行するためのマルチ抽選処理を実行し、それぞれの前記媒体抽選に基づいて選択された複数の前記ゲーム媒体のうち1つ以上の前記ゲーム媒体を前記当選媒体として前記ユーザの識別情報に関連づける、
コンピュータプログラムである。
【0011】
また、第2の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、前記媒体抽選が実行される前に、前記ユーザの操作に基づいて、あるいは、所定の方法抽選の結果に基づいて、前記マルチ抽選処理を実行するための2つ以上の前記抽選方法を選択する、
ことができる。
【0012】
また、第2の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、
1つの前記抽選方法に基づいて前記媒体抽選を実行するためのシングル抽選処理、および前記マルチ抽選処理のいずれかを実行し、
前記シングル抽選処理および前記マルチ抽選処理を実行する際に、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザの識別情報と関連づけられている価値媒体と、の関連づけを解除し、
前記マルチ抽選処理が実行される場合において前記ユーザの識別情報と前記価値媒体との関連づけを解除する量を、前記シングル抽選処理が実行される場合において前記ユーザの識別情報と前記価値媒体との関連づけを解除する量よりも多くする、
ことができる。
【0013】
また、第1および第2の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、前記ユーザの操作に基づいて、所定の付与抽選の結果に基づいて、または、所定の規則に基づいて、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体のうちから前記当選媒体を決定する、
ことができる。
【0014】
また、第1および第2の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体を前記ユーザに提示するための情報を生成する、
ことができる。
【0015】
また、第1および第2の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、所定の条件が満たされた場合に、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体のすべてを前記当選媒体として前記ユーザの識別情報と関連づける、
ことができる。
【0016】
また、第1および第2の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体の組み合わせが所定の組み合わせである場合に、特典を前記ユーザの識別情報と関連づける、
ことができる。
【0017】
また、第1および第2の発明において、
前記特典は、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体よりも前記ユーザにとって有利なゲーム媒体である、
ことができる。
【0018】
また、第1および第2の発明において、
前記媒体抽選実行手段は、前記マルチ抽選処理に基づく前記媒体抽選の結果選択された2つ以上の前記ゲーム媒体、または、前記ユーザの識別情報と関連づけられた前記当選媒体である前記ゲーム媒体について、それ以降、前記複数種類のゲーム媒体が記憶される抽選テーブルのすべてから削除する、
ことができる。
【0019】
第3の発明は、
第1および第2の発明のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザの要望に近いキャラクタが付与されるガチャを提供することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本実施形態における、ゲームシステムの構成を示す図である。
図2】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図3】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図4】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図5】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態における、複数のガチャテーブルの一例を示す図である。
図7】本実施形態における、マルチ抽選処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1について、図1図7を参照して説明する。ゲームシステム1は、図1のとおり、サーバ装置2とゲーム装置3とを備える。
【0023】
<ゲームの説明>
サーバ装置2により、ゲーム装置3で実行される下記のゲームが提供される。具体的には、ゲーム装置3では、ユーザがタッチパッド350を介して仮想ゲーム空間上のプレイヤキャラクタを操作して進行する複数のイベント(以下、「クエスト」という。)を備える所定のゲームが実行される。
【0024】
本実施形態において、ゲーム装置3にて実行されるゲームには、ユーザの操作に基づいて使用キャラクタとして設定されるとともにユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐するクエストパートがある。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。このクエストは、ユーザがタッチパッド350を操作することで進行する。
【0025】
クエストパートでは、ユーザは、ユーザが所有する(ユーザの識別情報に関連づけられた)キャラクタで構成されるデッキを構成してゲームを進行させる。具体的には、このデッキに組み込まれたキャラクタが、ユーザの操作に基づいて敵キャラクタと戦う。
【0026】
また、このゲームには、前記クエストパートのほか、媒体抽選(ガチャ)パートがある。このガチャパートでは、複数種類のゲーム媒体のうちからいずれかのゲーム媒体が選択される。具体的には、ガチャパートでは、ユーザがゲームを有利に進めることができるよう、より強力な装備、あるいは、より能力値の高いキャラクタなどのゲーム媒体に関する情報とユーザの識別情報とが関連づけられる。
【0027】
本実施形態のガチャパートにおいては、複数のガチャイベントが用意されている。ガチャイベントには、例えば、期間限定で実施されるガチャイベント、あるいは常時実施されるガチャイベントなどがある。ユーザは、いずれかのガチャイベントを選択したのち、そのガチャイベントのために用意された選択テーブル(ガチャテーブル)に基づいてガチャを実行することができる。
【0028】
また、それぞれのガチャイベントにおいては、1回の抽選要求(ガチャ要求)で1体のゲーム媒体が選択される通常ガチャと、1回のガチャ要求で10回のガチャが行われて10体のゲーム媒体が選択される10連ガチャとが用意されている。
【0029】
本実施形態においてガチャで選択されるゲーム媒体、あるいは、例えばクエストのクリア報酬で付与されるゲーム媒体はキャラクタである。また、ユーザに付与されるキャラクタには、それぞれパラメータの種類として体力値、攻撃力、防御力、スキル値のほか、属性、レアリティ(希少度)が設けられている。
【0030】
例えば、本実施形態では、キャラクタに設定される属性には、火属性、水属性、風属性などがパラメータとして設けられている。
【0031】
レアリティには、ノーマル、レア、激レア、超激レアがパラメータとして設けられている。レアリティは、超激レア、激レア、レア、ノーマルの順に希少度が高いことを示している。
【0032】
各キャラクタには、いずれか1つの属性およびレアリティが設定されている。
【0033】
以下では、キャラクタとユーザの識別情報とが関連づけられ、ユーザの識別情報が関連づけられたキャラクタに関する情報が当該ユーザのゲーム装置3へ送信されることを、「キャラクタがユーザに付与される」という場合がある。
【0034】
ユーザは、ガチャあるいはクエストのクリア報酬によって得られたキャラクタをデッキに組み込んで使用キャラクタとして設定することができる。
【0035】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記ゲームが実行されるゲーム装置3のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0036】
なお、ゲーム装置3には、そのゲーム装置3に対応づけてユーザアカウントが付与される。このユーザアカウントはユーザアカウント情報(ユーザの識別情報)として管理される。
【0037】
ゲーム装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、そのゲーム装置3からユーザの識別情報が送信される。送信されたユーザの識別情報は、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2とゲーム装置3との通信が可能となる。
【0038】
また、ユーザには、ゲームをプレイするにあたってゲームアカウントが付与される。ゲームアカウントは、ゲームアカウント情報として管理される。
【0039】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0040】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス29を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0041】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。
【0042】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0043】
記憶部21には、例えば、ゲーム装置3にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0044】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とゲーム装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。
【0045】
<サーバ装置2の制御部20の機能的構成>
サーバ装置2の制御部20は、図1のとおり、本発明のコンピュータプログラムを実行することにより、照合手段201、ゲーム進行管理手段202、媒体抽選実行手段203、および通信手段204として機能する。
【0046】
<照合手段201の説明>
照合手段201は、ゲーム装置3から送信されるユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0047】
<ゲーム進行管理手段202の説明>
ゲーム進行管理手段202は、時間ごとに発生する複数のクエスト(例えば、午後1時~午後3時に敵キャラクタが登場するクエスト)、期間ごとに発生するクエスト、あるいは常時発生しているクエストをユーザに提供する。
【0048】
各クエストには、クエストの難易度、クエストの内容、およびクエストのクリア報酬の設定がなされている。
【0049】
ゲーム進行管理手段202は、後述のクエスト開始要求情報を受信する。
【0050】
また、ゲーム進行管理手段202は、後述のパラメータ管理手段302からクエスト選択に必要なスタミナ量が消費された旨の情報を受信したのちに、選択されたクエストを開始する。
【0051】
また、ゲーム進行管理手段202は、ゲーム装置3のユーザからの操作信号を受信して、ユーザが設定したデッキの構成に基づいた、ゲームの本編(クエスト)の進行状況を管理する。
【0052】
具体的には、ゲーム進行管理手段202は、例えば、仮想ゲーム空間でキャラクタを動作させたり、キャラクタの体力値を管理したりする。
【0053】
また、ゲーム進行管理手段202は、後述の通信手段204を介してゲームの本編(クエスト)の進行状況をゲーム装置3へ送信する。
【0054】
<媒体抽選実行手段203の説明>
媒体抽選実行手段203は、通信手段204を介してゲーム装置3から後述のガチャ要求情報を受信したことを契機としてガチャを実行する。
【0055】
媒体抽選実行手段203は、常時開催されているガチャイベント、および、開催期間(例えば、一か月間)があらかじめ定められているガチャイベントを提供する。
【0056】
なお、ユーザは、例えば、図2における仮想ボタン341を押下することにより「ガチャイベント1」を選択することができ、図2における仮想ボタン342を押下することにより「ガチャイベント2」を選択することができる。
【0057】
ユーザがガチャイベントを選択したのち、「通常ガチャ」を要求した場合(図3における仮想ボタン343がタッチされた場合)には、媒体抽選実行手段203は、ユーザによる1回のガチャ要求で1回のガチャを実行し(後述のマルチ抽選処理では、3種類のガチャテーブルについてそれぞれ1回ずつのガチャが行われる)、1体の当選キャラクタを排出する。以下では、ユーザが通常ガチャを選択した例が記載されている。
【0058】
一方、ユーザがガチャイベントを選択したのち、「10連ガチャ」を要求した場合(図3における仮想ボタン344がタッチされた場合)には、媒体抽選実行手段203は、ユーザによる1回のガチャ要求で連続して10回のガチャを実行し(マルチ抽選処理では、3種類のガチャテーブルについてそれぞれ10回ずつのガチャが行われる)、10体のキャラクタを排出する。
【0059】
また、媒体抽選実行手段203は、後述のガチャ要求情報に従って、ゲーム内通貨である石とユーザの識別情報との関連づけを解除する。このように、ガチャ要求がなされることに伴い(ガチャの実行に伴い)、ユーザが所有する石が消費される。なお、石は、例えば、ログインボーナスとして、あるいは、ユーザによる課金によって、ユーザに付与される。
【0060】
また、本実施形態においては、通常ガチャについて、1つのガチャテーブルによる1回のガチャで1体のキャラクタを排出するシングル抽選、および、3つのガチャテーブルに基づいて実行される3回のガチャで計3体のキャラクタを選択し、そのうちから1体のキャラクタを排出するマルチ抽選がある。なお、10連ガチャについても、シングル抽選およびマルチ抽選が用意されているが、以下では、通常ガチャについての説明のみ記載されている。
【0061】
媒体抽選実行手段203は、ユーザの選択に基づいて、シングル抽選処理、およびマルチ抽選処理のいずれかを実行する。
【0062】
なお、ガチャの実行に伴って、ユーザが所有する石が消費されるにあたって、マルチ抽選処理が実行される場合において消費される石の量は、シングル抽選処理が実行される場合において消費される石の量よりも多い。例えば、シングル抽選に基づく通常ガチャが実行されるためには10個の石が必要であり、マルチ抽選に基づく通常ガチャが実行されるためには15個の石が必要である。
【0063】
マルチ抽選処理は、キャラクタの種類およびキャラクタの当選確率の少なくともいずれかが互いに1つ以上異なる複数種類のガチャテーブルに基づいて実行される。
【0064】
また、マルチ抽選処理において、ガチャテーブルは、ガチャイベントごとに複数用意されている。すなわち、複数のガチャイベントには、それぞれ4種類以上のガチャテーブルが用意されている。
【0065】
図4および図5は、マルチ抽選に基づくガチャが実行されたあとのゲーム画面を示す例である。
【0066】
図4において、ゲーム装置3の液晶画面340には、マルチ抽選に基づく3種類のガチャそれぞれに対応させて、ガチャの結果選択されたキャラクタが表示されている。
【0067】
また、図5において、液晶画面340には、ガチャの結果選択された当選キャラクが表示されている。すなわち、図5の液晶画面340には、当選キャラクタのキャラクタ名(例えば、「キャラクタ23」)、当選キャラクタの属性(例えば、「水属性」)、当選キャラクタのレアリティ(例えば、「激レア」)が表示されている。
【0068】
図6は、ガチャイベント1における複数種類のガチャテーブルの例である。本実施形態では、これらのガチャテーブルのそれぞれに基づいて、完全確率方式のガチャが実行される。
【0069】
例えば、図6(a)のガチャテーブルでは、キャラクタ29の当選確率は0.5%であり、キャラクタ30の当選確率は0.5%である。一方、図6(b)のガチャテーブルでは、キャラクタ29の当選確率は0.8%であり、キャラクタ30の当選確率は0.2%である。また、図6(c)のガチャテーブルでは、キャラクタ29の当選確率は0.5%であり、キャラクタ30の当選確率は0%(キャラクタ30が当選することはない)であり、その代わりにキャラクタ31の当選確率が0.5%である。
【0070】
なお、それぞれのガチャテーブルにはテーブル抽選に用いられる当選確率が設定されている。例えば、図6(a)のガチャテーブルの当選確率は10%であり、図6(b)のガチャテーブルの当選確率は15%である。
【0071】
そして、ユーザがマルチ抽選を選択した場合には、媒体抽選実行手段203は、複数のガチャテーブルのうちから3つのガチャテーブルを選択して、選択された3つのガチャテーブルに基づいてそれぞれのガチャを同時に実行する。
【0072】
具体的には、媒体抽選実行手段203は、ガチャが実行されるタイミングで行われるテーブル抽選の結果に基づいて、マルチ抽選処理を実行するための3種類のガチャテーブルを選択する。
【0073】
また、媒体抽選実行手段203は、ガチャテーブルがそれぞれ異なる3種類のガチャに基づいて選択された3体のキャラクタのうちから、さらに選択された1体のキャラクタを当選キャラクタとしてユーザに付与する。
【0074】
このとき、媒体抽選実行手段203は、所定の規則に基づいて、マルチ抽選に基づくガチャの結果選択された3体のキャラクタのうちから1体の当選キャラクタを決定する。
【0075】
本実施形態において、所定の規則は、キャラクタのレアリティが最も高いキャラクタが選択されることである。したがって、例えばマルチ抽選に基づく3種類のガチャによってレアリティが激レアのキャラクタが1体選択され、ノーマルのキャラクタが2体選択された場合には、媒体抽選実行手段203は、レアリティが激レアのキャラクタを当選キャラクタとして選択する。
【0076】
なお、最も高いレアリティを備えるキャラクタが複数選択された場合には、媒体抽選実行手段203はさらに抽選を実行し、そのうちの1体のキャラクタを選択する。
【0077】
媒体抽選実行手段203は、マルチ抽選に基づくガチャの結果選択された3体のキャラクタおよび当選キャラクタをユーザに提示するための情報を生成する。これにより、前述のとおり、ユーザは、図4に示すように3種類のガチャの結果どのキャラクタが選択されたかを判断することができ、さらに図5に示すように最終的にいずれのキャラクタが当選キャラクタとして選択されたかを判断することができる。
【0078】
<通信手段204の説明>
通信手段204は、ゲーム装置3との間で、ユーザの識別情報、ゲームプログラム、ゲームアカウント情報などのゲームデータなどを送受信する。
【0079】
また、通信手段204は、ユーザによる操作信号、クエスト開始要求情報、ガチャ要求情報などをゲーム装置3から受信する。
【0080】
また、通信手段204は、クエストの進行状況に関する情報、マルチ抽選に基づく3種類のガチャで選択された3体のキャラクタに関する情報、当選キャラクタに関する情報などをゲーム装置3へ送信する。
【0081】
<ゲーム装置3のハードウェア構成>
ゲーム装置3は、図1のとおり、スピーカ330、液晶画面340、およびタッチパッド350が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このゲーム装置3において、サーバ装置2から配信されたゲームに関するゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0082】
また、ゲーム装置3は、サーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク4を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0083】
ゲーム装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35を備える。
【0084】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35は、バス39を介して、制御部30に接続される。
【0085】
制御部30は、ゲーム装置3の動作を制御する。
【0086】
記憶部31は、主にHDD、RAM、ROM、SSDなどで構成される。記憶部31には、例えば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0087】
ネットワークインターフェース32は、ゲーム装置3とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。これにより、ゲーム装置3にゲームプログラムおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0088】
オーディオ処理部33は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部33には、スピーカ330が接続される。ゲーム音声は、スピーカ330から出力される。
【0089】
グラフィック処理部34は、制御部30の指示に従って仮想ゲーム空間およびプレイヤキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部34にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面340に表示される。
【0090】
操作部35には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部35には、入力位置検出装置であるタッチパッド350を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド350をタッチすることによって、キャラクタの編成(デッキの構成)、クエストの選択、あるいは、プレイヤキャラクタの操作等を行う。
【0091】
<ゲーム装置3の制御部30の機能的構成>
ゲーム装置3の制御部30は、サーバ装置2からダウンロードされたゲームプログラムを実行することで、図1のとおり、ゲーム実行手段301、媒体抽選要求手段302、および通信手段303として機能する。
【0092】
<ゲーム実行手段301の説明>
ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作に基づいて、クエストパートおよびガチャパートを備えるゲームをゲーム装置3に実行させる。
【0093】
ゲーム実行手段301は、ユーザの操作およびサーバ装置2のゲーム進行管理手段202から送信される情報などに基づいてゲームを進行させる。
【0094】
具体的には、ゲーム実行手段301は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部31から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0095】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタを配置する。そして、ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作、および、ゲーム進行管理手段202から送信されるゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0096】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間、プレイヤキャラクタ、および仮想操作ボタンをゲーム画面として液晶画面340に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部34が液晶画面340上にゲーム画像を描画する。
【0097】
例えば、液晶画面340には、図2のとおり、画面上部から「ユーザランク」、「石」(石の所有数)などが表示される。石は、ユーザが購入することにより、または、ログインボーナスなどにより、ユーザに付与される。
【0098】
また、ゲーム実行手段301は、ユーザの操作に基づいてクエストの開始を要求するためのクエスト開始要求情報を生成する。クエスト開始要求情報は、通信手段303を介してゲーム進行管理手段202へ送信される。
【0099】
<媒体抽選要求手段302の説明>
媒体抽選要求手段302は、ユーザの操作に基づいてガチャ要求が行われると、ガチャ要求情報を生成する。ガチャ要求情報には、ユーザが選択したガチャイベントの情報、ガチャの種類に関する情報のほか、消費される石の量に関する情報が含まれる。このガチャ要求情報は通信手段303を介してサーバ装置2へ送信される。
【0100】
具体的には、媒体抽選要求手段302は、ユーザが「通常ガチャ」のボタン343を押下した場合には、通常ガチャ用のガチャ要求情報を生成する。
【0101】
一方、媒体抽選要求手段302は、ユーザが「10連ガチャ」のボタン344を押下した場合には、10連ガチャ用のガチャ要求情報を生成する。
【0102】
その後、媒体抽選実行手段302は、ユーザが「シングル抽選を実行」のボタン(不図示)を操作した場合には、シングル抽選用のガチャ要求情報を生成する。
【0103】
また、媒体抽選実行手段302は、ユーザが「マルチ抽選を実行」のボタン(不図示)を操作した場合には、マルチ抽選用のガチャ要求情報を生成する。
【0104】
サーバ装置2が受信したガチャ要求情報の種類により、サーバ装置2にて、対応するガチャが実行される。
【0105】
<通信手段303の説明>
通信手段303は、例えば、サーバ装置2からゲームに関するゲームプログラム、当選キャラクタに関する情報などの情報を受信する。
【0106】
また、通信手段303は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザの識別情報、ゲームアカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、クエスト開始要求情報、およびガチャ要求情報などの情報をサーバ装置3へ送信する。
【0107】
<マルチ抽選処理の説明>
以下、図7を参照して、本発明のマルチ抽選処理について説明する。なお、後述の処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0108】
まず、サーバ装置2の媒体抽選実行手段203が、ユーザがマルチ抽選を選択したか否かを判定する(ステップS1)。
【0109】
ユーザがマルチ抽選を選択していない(ユーザがシングル抽選を選択した)と判定された場合(S1:NO)には、シングル抽選処理が実行されて、その後、本発明のマルチ抽選処理が終了する。
【0110】
一方、ユーザがマルチ抽選を選択したと判定された場合(S1:YES)には、ゲーム装置3の媒体抽選要求手段302が、ユーザの操作に基づいて、マルチ抽選に基づく通常ガチャに関するガチャ要求を実行する(ステップS2)。
【0111】
ついで、媒体抽選実行手段203が、マルチ抽選に基づく通常ガチャの要求に必要な量(15個)の石とユーザの識別情報との関連づけを解除する。これにより、マルチ抽選に基づく通常ガチャに必要な量の石が消費される(ステップS3)。
【0112】
ついで、媒体抽選実行手段203がテーブル抽選を実行して、ユーザが選択したガチャイベント用に用意された複数のガチャテーブルのうちから3つのガチャテーブルを選択する(ステップS4)。
【0113】
ついで、媒体抽選実行手段203が、マルチ抽選に基づく通常ガチャを実行する(ステップS5)。
【0114】
これにより、媒体抽選実行手段203が、選択されている3つのガチャテーブルによる3回のガチャに基づいてそれぞれ1体のキャラクタを選択することにより、計3体のキャラクタを選択する(ステップS6)。
【0115】
ついで、媒体抽選実行手段203が、3体のキャラクタのうち、最もレアリティの高いキャラクタを選択する(ステップS7)。なお、最も高いレアリティが重複している場合(例えば、超激レアのキャラクタが2体当選した場合)には、媒体抽選実行手段203はさらに抽選を実行し、そのうちの1体のキャラクタを選択する。この1体のキャラクタが当選キャラクタとなる。
【0116】
ついで、媒体抽選実行手段203が、当選キャラクタに関する情報をゲーム装置3へ送信する。これにより、当選キャラクタがユーザに付与される(ステップS8)。その後、本発明のマルチ抽選処理は終了する。
以上の手順により、本発明のマルチ抽選処理が実行される。
【0117】
以上をまとめると、本実施形態のコンピュータプログラムは、
サーバ装置2を、
ユーザの操作に基づいてガチャが要求されたことを契機として、複数種類のキャラクタのうちからユーザの識別情報に関連づける当選キャラクタを決定する媒体抽選実行手段203、
として機能させ、
複数種類のキャラクタが記憶されるとともにガチャに用いられるガチャテーブルには、キャラクタの種類およびキャラクタの当選確率の少なくともいずれかが互いに1つ以上異なる複数のガチャテーブルが用意されており、
媒体抽選実行手段203は、複数のガチャテーブルのうちから2つ以上のガチャテーブルを選択して、選択された2つ以上のガチャテーブルに基づくガチャを同時に実行するためのマルチ抽選処理を実行し、それぞれのガチャに基づいて選択された複数のキャラクタのうち1体以上のキャラクタを当選キャラクタとしてユーザの識別情報に関連づける。
【0118】
<発明の効果>
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、ユーザの要望に近いキャラクタが付与されるガチャを提供することができる。
【0119】
[他の実施形態]
【0120】
前記実施形態では、テーブル抽選に基づいて、マルチ抽選処理を実行するための3つのガチャテーブルが選択される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ユーザの選択操作に基づいて、3つのガチャテーブルが選択されてもよい。
【0121】
また、前記実施形態では、マルチ抽選処理において3つのガチャは同時に実行される例が記載されているが、3つのガチャテーブルについて、1つひとつ順番にガチャが実行されてもよい。
【0122】
また、前記実施形態では、所定の規則(レアリティが最も高いキャラクタであること)に基づいて、マルチ抽選処理に基づくガチャの結果選択された3体のキャラクタのうちから1体の当選キャラクタが決定される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、媒体抽選実行手段が実行する付与抽選の結果に基づいて、マルチ抽選処理に基づくガチャの結果選択された3体のキャラクタのうちから1体の当選キャラクタが決定されてもよい。
【0123】
なお、所定の規則は、ユーザの操作に基づいて設定されてもよい。例えば、ユーザがキャラクタのレアリティ、ランク、属性などのパラメータのいずれか1つを選択することに基づいて、ユーザが優先したいパラメータを設定することができてもよい。
【0124】
その他の実施形態として、
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体抽選が要求されたことを契機として、複数種類のゲーム媒体のうちからユーザの識別情報に関連づける当選媒体を決定する媒体抽選実行手段、
として機能させ、
媒体抽選には、その抽選方法として複数種類の抽選方法が用意されており、
媒体抽選実行手段は、複数種類の抽選方法のうちから2種類以上の抽選方法を選択して、選択された2種類以上の抽選方法に基づいて媒体抽選をそれぞれ実行するためのマルチ抽選処理を実行し、それぞれの媒体抽選に基づいて選択された複数のゲーム媒体のうち1つ以上のゲーム媒体を当選媒体としてユーザの識別情報に関連づける、
コンピュータプログラムがある。
【0125】
この場合において、抽選方法の種類には、前記実施形態のような完全確率方式のガチャのほか、例えば、当選キャラクタにかかるキャラクタを、その後、ガチャテーブルから削除する、いわゆるボックスガチャ、およびガチャが実行されると段階的にガチャの結果がユーザにとって有利な結果となるステップアップガチャが含まれていてもよい。
【0126】
また、前記実施形態とは異なり、媒体抽選実行手段は、所定の条件が満たされた場合(例えば、ユーザが課金を実行した場合など)に、マルチ抽選処理に基づくガチャの結果選択された3体のキャラクタのすべてを当選キャラクタとしてユーザに付与してもよい。
【0127】
また、前記実施形態とは異なり、媒体抽選実行手段は、マルチ抽選処理に基づく3つのガチャの結果選択されたキャラクタのうち2体のキャラクタの組み合わせが所定の組み合わせである場合(例えば、キャラクタ同士が合成可能な組み合わせである場合)に、所定の特典をユーザに付与してもよい。
【0128】
なお、前記所定の特典は、アイテム、ゲーム内通貨である石のほか、例えば、マルチ抽選処理に基づくガチャの結果選択された2体のキャラクタよりもユーザにとって有利なキャラクタであってもよい。
【0129】
その他、前記所定の特典は、マルチ抽選処理に基づくガチャの結果選択された2体のキャラクタの組み合わせが、キャラクタ同士が合成可能な組み合わせであった場合には、これらのキャラクタ同士が自動で合成されることであってもよい。
【0130】
媒体抽選実行手段は、マルチ抽選処理に基づくガチャの結果選択されたすべてのキャラクタ、または、ユーザに付与された当選キャラクタであるキャラクタについて、それ以降、ガチャテーブルのすべてから削除してもよい。この発明は、例えば、ボックスガチャに適用することができる。
【0131】
また、前記実施形態とは異なり、ユーザの選択により、いくつのガチャテーブルに基づいてマルチ抽選処理が実行されるかを決定することができてもよい。この場合には、使用されるガチャテーブルの種類が多くなるほど、消費される石の量が多くなってもよい。
【0132】
前記実施形態には、3つのガチャテーブルに基づくガチャによって選択された3体のキャラクタのうち、最もレアリティの高いキャラクタが選択される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ガチャの実行前に、ユーザの選択に基づいて、ユーザが欲するキャラクタが指定されている場合であって指定キャラクタが当選した場合には、その指定キャラクタが優先的にユーザに付与されてもよい。
【0133】
また、前記実施形態では、キャラクタの種類および当選確率のいずれかが異なる複数種類のガチャテーブルに基づいてマルチ抽選処理が実行される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。
【0134】
例えば、同一種類のガチャテーブルに基づいて複数回ガチャが実行されることにより複数種類のキャラクタが選択されて、そのうちの1体のキャラクタがユーザに付与されてもよい。また、同一種類の抽選方法(例えば、ボックスガチャ)に基づいて複数回ガチャが実行されることにより複数のキャラクタが選択されて、そのうちの1体のキャラクタがユーザに付与されてもよい。
【0135】
また、所定の条件が満たされた場合(例えば、ユーザが所定のクエストをクリアした場合、または、ユーザの連続ログイン回数が所定回数を超えた場合)に、ユーザにとって有利なガチャテーブルが選択されやすくなってもよい。
【0136】
また、前記実施形態では、当選キャラクタとして選択されたキャラクタ以外の他の2つのキャラクタがガチャの実行後に表示されるにすぎなかったが、本発明はこれには限られない。例えば、課金などのユーザの操作に基づいて、ユーザは選択されなかったキャラクタを当選キャラクタに指定することができてもよい。
【0137】
また、ガチャで選択されるゲーム媒体は、キャラクタに限らず、武器あるいは装備などのアイテムなど、ゲーム内で使用されるものであれば何であってもよい。
【0138】
また、前記実施形態では、通常ガチャに本発明が適用されている例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、1回のガチャ要求で10回のガチャ(マルチ抽選処理では30回のガチャ)が行われて10体のキャラクタが当選する10連ガチャに本発明が適用されてもよい。
【0139】
また、1回のガチャ要求で10回のガチャが行われて10体のキャラクタが当選する10連ガチャではなく、1回のガチャ要求で5回のガチャが行われて1回のガチャにつき2体ずつのキャラクタが当選する10連ガチャに本発明が適用されてもよい。
【0140】
また、1回のガチャ要求で1回のガチャが行われて10体のキャラクタが同時に当選する10連ガチャに前記発明が適用されてもよい。
【0141】
また、前記実施形態では、コンピュータがサーバ装置である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、一のユーザのゲーム装置がサーバ装置として機能してもよい。さらにこの場合には、BLUETOOTH(登録商標)で一方のゲーム装置と他方のゲーム装置とが接続されていてもよい。また、ゲーム装置単体で本発明が実行されてもよく、また、サーバ装置とゲーム装置との協働により、本発明が実行されてもよい。
【0142】
また、前記実施形態においては、ゲーム装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。ゲーム装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0143】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
201 照合手段
202 ゲーム進行管理手段
203 媒体抽選実行手段
204 通信手段
3 ゲーム装置
301 ゲーム実行手段
302 媒体抽選要求手段
303 通信手段
4 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7