(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】ケース、及び充電用コネクタ
(51)【国際特許分類】
B65D 25/10 20060101AFI20230222BHJP
B65D 85/68 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
B65D25/10
B65D85/68 Z
(21)【出願番号】P 2022026865
(22)【出願日】2022-02-24
(62)【分割の表示】P 2017006021の分割
【原出願日】2017-01-17
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 正泰
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-080897(JP,U)
【文献】特開2014-048438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/10
B65D 85/68
B65D 81/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電用の端子を備え、充電可能な製品を収納するケースであって、
前記製品が収納される凹部、及び、当該凹部に連通し、前記製品の充電用の端子まで充電用コネクタを案内するとともに、少なくともその上方が開放されている挿通路が形成されたケース本体と、
前記ケース本体の上側から重ねられ、前記挿通路の上方の開放を覆って、挿通路の上面を形成する上ケースと、を有しているケース。
【請求項2】
請求項1に記載のケースであって、
前記ケース本体と、上ケースとがブリスターパックで形成されているケース。
【請求項3】
請求項1または2に記載のケースであって、
前記上ケースは、前記ケース本体の側面を覆い、その側面のうち前記挿通路の端部の開口に対応する位置に、開口が形成されているケース。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のケースであって、
前記ケース本体の凹部の開口側外周に、凹部側に突出し、当該凹部に収納される製品の上方への移動を規制する製品押さえを少なくとも一ヶ所備えるケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電用端子を備え、充電可能な製品を収納するケース及び充電用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
充電可能な電子機器等の製品のうちには、メーカにてケースに収容され、販売店等において、当該ケースに収容されたままの状態で陳列されるものがある。メーカでは、ケース収容前に製品を充電しておき、利用者が購入して開梱後、すぐに使用可能な状態としておくのが通常である。
【0003】
なお、ケースに収容したままで製品をディスプレイしたり、デモ動作を行わせるべく、製品を収納する下ケースにACケーブルを通す開口を設ける例が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ケース収容前に充電を行うときには、個々の製品を一つ一つ採り上げて充電装置へ接続する作業が必要で、効率的でない場合がある。特に小型の製品の場合は、一つ一つ採り上げて充電装置へ接続する作業が負担となる。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、ケースへの収容後に充電作業を行うことを可能とするケース及び充電用コネクタを提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来例の問題点を解決する本発明は、充電用の端子を備え、充電可能な製品を収納するケースであって、前記製品が収納される凹部と、前記凹部に連通し、前記製品の充電用の端子まで充電用コネクタを案内する挿通路と、を有し、前記充電用コネクタが前記製品の充電用端子に挿入される力に抗し、製品が移動しないよう支持する製品押さえ部が形成されてなる。
【0008】
これにより、挿通路を通じて、充電用コネクタが、ケースに収容された製品の充電用端子まで案内され、充電用コネクタの圧入が可能となって、ケースに収容したまま、製品の充電ができるようになる。
【0009】
また前記凹部の開口側への前記製品の移動を規制する規制部をさらに備えてもよい。これによると、充電用コネクタ圧入時の製品の移動が規制され、充電用コネクタがスムーズに圧入可能となる。
【0010】
さらに、前記挿通路の、前記充電用コネクタの移動方向を法線とする面における断面形状が非対称となっていてもよい。これによると、充電用コネクタの挿入方向が規定され、充電用端子に対して意図しない向きで充電用コネクタが圧入されることが防止される。
【0011】
また本発明の一態様は充電用コネクタであって、移動方向に対する断面が非対称形状である充電用コネクタ本体と、前記充電用コネクタ本体の先端側に設けられ、充電の対象となる製品に電気的に接続されるコネクタ部と、前記コネクタ部と、電源との間を電気的に接続する導電線とを備えることとしたものである。
【0012】
このような充電用コネクタを用いると、充電用コネクタの挿入方向が規定され、充電用端子に対して意図しない向きで充電用コネクタが圧入されることが防止される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、製品のケースへの収容後であっても、製品に対する充電を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係るケースの一例を表す概略斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るケースの一例を表す平面図及び側面図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る充電用コネクタの一例を表す平面図及び正面図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るケースに形成される挿通路の例を表す断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係るケースに形成される蓋の例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係るケース10は、充電用端子を備えた製品1を収納するケースであり、
図1及び
図2に例示するように、下ケース11と、上ケース12とを含んで構成されている。
図1は、ケース10の概略斜視図であり、
図2は、下ケース11を上ケース12内に挿入してケース10を組み立てた状態の平面図及び側面図を示す。
【0016】
なお、以下の説明で、製品1やケース10、充電用コネクタ20等の各部の形状や、大きさ、大きさの比、配置等は一例であり、本実施の形態の例は、図示等した形状や大きさ、比率、配置に限られるものではなく、収容される製品1の形状等に応じて適宜変更されるべきものである。
【0017】
本実施の形態の例において、下ケース11と上ケース12とは、いずれもブリスターパック(真空ないし圧空成形された透明ケース)やPETボックス、透明プラスチック等、光透過性のある素材を用いて形成されてもよい。
【0018】
下ケース11は、
図1及び
図2の例では直方体状の形状を有し、平坦な底面部111と、底面部111の周縁から立設される側面部112と、製品1の外形に応じて形成され、製品1を収納する凹部113が形成されている上面部114とを有する。またこの上面部114には、凹部113から側面部112まで連通し、製品1を収容したときに、後に説明する製品1の充電用端子2に対応する位置に凹部113側の開口を有する挿通路115が形成されている。なお、
図1及び
図2の例では、挿通路115は直線状に形成されている。
【0019】
また、上ケース12は天板部121と、この天板部121の周縁から下方へ立設された側面部122とを有する。本実施の形態の例では、下ケース11が上ケース12内部に、その側面部112の外面側に、上ケース12の側面部122の内周側が接した状態で挿入される。ここで下ケース11に設けられた挿通路115の、側面部112側の開口に対応する、上ケース12の側面部122の位置(下ケース11を上ケース12に挿入したときに、側面部112側の開口が位置する部分)には、後に説明する充電用コネクタ20を挿通路115に挿入するための開口123が形成されている。
【0020】
さらに本実施の形態の例では、下ケース11の凹部113の、挿通路115に対して製品1の収納位置を挟んで対応する位置(製品1を挟んで反対側、以下、受圧面と呼ぶ)には、後に説明する充電用コネクタ20を、挿通路115を通じて挿入して製品1の充電用端子2に差し込む際に、充電用コネクタ20から製品1に伝達される力によって製品1が移動することのないよう、少なくとも製品1を支持して、製品が充電用コネクタ20の挿入方向へ移動することを規制する製品押さえ113Aが形成された状態となっている。この製品押さえ113Aは、例えば、凹部113の受圧面側の内壁そのものであってもよいし、凹部113の受圧面側内壁から凹部113内に収容される製品1側に突出した凸状体であってもよい。
【0021】
充電用コネクタ20は、
図3(a),(b)にその平面図及び正面図を例示するように、ヘッド部21と、延長部22と、USBコネクタ等の充電器側接続部23とを有する。またこのヘッド部21の先端部には、製品1の充電用端子2に接続されるコネクタ部25が突出して設けられる。このコネクタ部25には、電源端子(充電のために製品1へ給電するための電気的端子)が設けられており、また、充電用コネクタ20には、このコネクタ部25の電源端子と、充電器側接続部23に設けられる給電端子とを電気的に接続する導電線26が、延長部22に収容されている。なお、
図3(a)では、導電線26の外形を破線にて示しているが、実際には導電線26は外側から視認できない状態であってもよい。
【0022】
本実施の形態では、下ケース11の挿通路115の、充電用コネクタ20の移動方向に対する断面(破断面の法線方向が、充電用コネクタ20の移動方向であるような断面,
図2のA-A断面)の形状は、
図4に示すように、充電用コネクタ20のヘッド部21の、充電用コネクタ20移動方向に対する断面形状に一致する形状としておく。また、上ケース12の開口123の開口形状も、この充電用コネクタ20移動方向に対する断面形状に一致する形状としておく。
【0023】
さらに、本実施の形態のある例では、充電用コネクタ20の移動方向を法線とする面で破断したときの断面(以下、移動方向に沿った断面と呼ぶ)も非対称であってよい。例えば上ケース12の側面に挿通路115の開口123を形成するために、当該側面をU字状に切って起こし、開閉可能な状態とした場合、蓋の形成された側と、切り抜かれた側とで、充電用コネクタ20の移動方向に沿った断面内で非対称な形状となる。
【0024】
本実施の形態のような構成のケース10と、充電用コネクタ20とを用いることで、次のようにして、ケース収容後の製品1への充電作業が可能となる。なお、以下の例で製品1は、二次電池を内蔵する、比較的小型の製品であるものとし、充電用端子2を備えて、この充電用端子2から給電することで、上記内蔵する二次電池を充電可能となっているものとする。なお、この二次電池は、充電可能な容量が比較的小さいものであってもよい。
【0025】
製品1を下ケース11の凹部113に収納し、上ケース12に下ケース11を挿入する。その後、上ケース12と下ケース11とをテープ等で粘着して互いに移動しないように固定する。このようにしてケース10に製品1を収納する。
【0026】
充電の際には、作業者が、ケース10の上ケース12の開口123から、下ケース11の挿通路115に充電用コネクタ20を挿入する。作業者は充電用コネクタ20を挿通路115内へ押し込み、充電用コネクタ20のヘッド部21に設けられたコネクタ部25を、製品1の充電用端子2へ圧入する。
【0027】
このとき、製品1は挿通路115側から押圧されることとなるが、凹部113の製品押さえ113Aにより、挿通路115とは反対方向へ製品1が移動することが規制される。
【0028】
そして作業者は、充電用コネクタ20の充電器側接続部23に充電器を接続して、導電線26、及びコネクタ部25を通じて、製品1の充電用端子2へ、電力を供給し、製品1の充電を行う。
【0029】
[上方への移動規制]
また、上記下ケース11の凹部113の開口側外周には、
図2(c)に例示するように、凹部側に突出する、製品押さえ116が少なくとも一ヶ所設けられてもよい。この製品押さえ116により、作業者が充電用コネクタ20を挿通路115内へ押し込み、充電用コネクタ20のヘッド部21に設けられたコネクタ部25を、製品1の充電用端子2へ圧入したときに、製品1が凹部113の内壁に沿ってせり上がるなどして製品1が上方(開口側)へ移動することが規制される。なお、この製品押さえ116は、製品1を凹部113に収納可能なように、弾性を有してもよい。
【0030】
[充電用コネクタのヘッドの形状]
本実施の形態の一例において、充電用コネクタ20のヘッド部21は、延長部22よりも幅広に形成され、充電用コネクタ20全体としてT字状をなしてもよい。この例では、幅広のヘッド部21上に充電用の回路部が形成され、この充電用の回路部の制御により、ヘッド部21から突出するコネクタ部25に対して充電用の電流が供給される。
【0031】
またこの充電用コネクタ20のヘッド部21は、充電用コネクタ20の移動方向に対する断面(
図3(a)のコネクタ部25側から見た面)が、
図3(b)に例示するように、当該面内の少なくとも一つの軸方向(
図3(b)ではX軸)に対して非対称形状となっていてもよい。
図3(b)の例では充電用コネクタ20の移動方向に対する断面が台形状をなす例を示している。もっとも、この充電用コネクタ20の移動方向に対する断面の形状はここでの例に限られず、例えば充電用端子2の挿入口の形状(コネクタ部25の外形状)に合わせて、充電用端子2の挿入口の形状(コネクタ部25の外形状)に相似な形状としてもよい。
【0032】
この場合は、下ケース11の挿通路115の、充電用コネクタ20の移動方向に対する断面(破断面の法線方向が、充電用コネクタ20の移動方向であるような断面,
図2のA-A断面)は、
図4に示したように、充電用コネクタ20のヘッド部21の、充電用コネクタ20移動方向に対する断面形状に一致するよう、充電用コネクタ20のヘッド部21に相似し、ヘッド部21が通過できる大きさの台形状をなすようにしておく。また、上ケース12の開口123の開口形状も、この充電用コネクタ20移動方向に対する断面形状に一致させて、充電用コネクタ20のヘッド部21に相似し、ヘッド部21が通過できる大きさの台形状をなすようにしておく。
【0033】
[開口部の保護]
また、上ケース12の開口123には、
図5に例示するように蓋123bが設けられてもよい。この蓋123bは、上ケース12の側面に開口123を形成するために、当該側面をU字状に切って起こし、開閉可能な状態としたものでよい。また、この蓋123bは、開口123に係合する別体の部材であってもよい。さらに、この蓋123bは、開口123をふさぐように貼り付けたり剥がしたりできる、粘着性のシートであってもよい。
【0034】
[実施形態の効果]
本実施の形態によれば、充電器を接続した充電用コネクタ20を、ケース10の開口123から挿通路115内へ押し込むことで、充電用コネクタ20のヘッド部21に設けられたコネクタ部25が挿通路115に案内されて、ケース10内に収められた製品1の充電用端子2へ圧入できるようになり、これにより製品1への充電が、製品1をケース10内に収容した状態でも可能となる。
【0035】
[製品ソフトウエアのアップデート]
本実施の形態では、製品1は、コンピュータ制御機器であり、マイクロコンピュータ等の制御デバイスCD及び記憶デバイスMDを備え、記憶デバイスMD内に格納されたプログラム(ファームウェア等)に従って制御デバイスCDが製品1の各部を制御する動作を行ってもよい。
【0036】
また、充電用コネクタ20の充電器側接続部23は、パーソナルコンピュータ(PC)のUSB端子等、電力を供給可能な端子に接続されてもよい。
【0037】
このように製品1がコンピュータ制御機器であり、また充電用コネクタ20がパーソナルコンピュータPCに接続される場合は、充電用コネクタ20は、パーソナルコンピュータPCと充電の対象となる製品1との間でデータの送受信を行うこととしてもよい。
【0038】
一例として本実施の形態の充電用コネクタ20が接続されたパーソナルコンピュータPCは、充電用コネクタ20のコネクタ部25が充電の対象となる製品1に接続されると、当該製品1の記憶デバイスMD内に格納されているプログラムの更新処理を実行してもよい。
【0039】
この例に係るパーソナルコンピュータPCには、予め製品1の記憶デバイスMDに格納するべきソフトウエアの本体と、当該ソフトウエアのバージョン情報とが格納されているものとする。このソフトウエア本体及びバージョン情報は、適宜、利用者の操作により、あるいは所定の更新処理によって更新される。
【0040】
パーソナルコンピュータPCは、自己に接続されている充電用コネクタ20のコネクタ部25が充電の対象となる製品1に接続されると、製品1の充電を開始し、その後の所定のタイミング(充電開始直後でもよいし、充電開始から予め定めた時間だけ経過した後、あるいは、製品1の充電量が検出できるのであれば、充電量が予め定めた充電量を超えた時点などでもよい)に、製品1の記憶デバイスMDに格納するべきソフトウエアのバージョン情報を製品1に対して送出する。
【0041】
この例における製品1の制御デバイスCDは、充電用コネクタ20を介して、パーソナルコンピュータPCからバージョン情報を含む情報を受信すると、その時点で、製品1の記憶デバイスMDに格納されているソフトウエアのバージョン情報と、当該受信したバージョン情報とを比較する。
【0042】
制御デバイスCDは、製品1の記憶デバイスMDに格納されているソフトウエアのバージョン情報の示すバージョンよりも、パーソナルコンピュータPCから充電用コネクタ20を介して受信したバージョン情報の示すバージョンが新しいと判断すると、充電用コネクタ20を介して、パーソナルコンピュータPCに対してバージョンアップの開始指示を送出する。
【0043】
なお、この制御デバイスCDは、製品1の記憶デバイスMDに格納されているソフトウエアのバージョン情報の示すバージョンよりも、パーソナルコンピュータPCから充電用コネクタ20を介して受信したバージョン情報の示すバージョンが新しくない(古い、あるいは同じである)ときには、バージョンアップの開始指示を送出することなく、処理を終了する。
【0044】
パーソナルコンピュータPCは、充電用コネクタ20を介して、製品1からバージョンアップの開始指示を受け入れると、製品1の記憶デバイスMDに格納するべきソフトウエア本体を、製品1に対して送出する。
【0045】
製品1の制御デバイスCDは、パーソナルコンピュータPCから充電用コネクタ20を介して受信したソフトウエア本体を、記憶デバイスMDに格納する。なお、製品1の制御デバイスCDは、パーソナルコンピュータPCから充電用コネクタ20を介してソフトウエア本体の全体が受信されるまでは、それまでに記憶デバイスMDに格納されていた元のソフトウエア本体を削除しないこととしてもよい。また、製品1の制御デバイスCDは、パーソナルコンピュータPCから充電用コネクタ20を介してソフトウエア本体の全体が受信されると、それまでに記憶デバイスMDに格納されていた元のソフトウエア本体を削除する。これにより、記憶デバイスMDに格納されているソフトウエア本体のバージョンアップの処理を、製品1をケース10に収納した状態のまま行うことができる。
【0046】
また、ここでの説明では、パーソナルコンピュータPCが製品1の記憶デバイスMDに格納するべきソフトウエアのバージョン情報を、充電用コネクタ20を介して製品1に対して送出することで、バージョンアップの動作が開始される例としたが、本実施の形態はこれに限られない。
【0047】
例えば、製品1の制御デバイスCDは、充電用コネクタ20が接続され、充電を開始した後の所定のタイミング(充電開始直後でもよいし、充電開始から予め定めた時間だけ経過した後、あるいは、製品1の充電量が検出できるのであれば、充電量が予め定めた充電量を超えた時点などでもよい)に、製品1の記憶デバイスMDに格納されているソフトウエアのバージョン情報を、充電用コネクタ20を介して、パーソナルコンピュータPCへ送出する。
【0048】
この例におけるパーソナルコンピュータPCは、製品1から充電用コネクタ20を介してバージョン情報を含む情報を受信すると、パーソナルコンピュータPCに格納されている、製品1の記憶デバイスMDに格納するべきソフトウエアのバージョン情報と、製品1から受信したソフトウエアのバージョン情報とを比較する。
【0049】
パーソナルコンピュータPCは、製品1から充電用コネクタ20を介して受信した、製品1の記憶デバイスMDに格納されているソフトウエアのバージョン情報の示すバージョンよりも、パーソナルコンピュータPCが格納しているバージョン情報の示すバージョンが新しいと判断すると、充電用コネクタ20を介して、製品1の記憶デバイスMDに格納するべきソフトウエア本体を、製品1に対して送出する。
【0050】
なお、パーソナルコンピュータPCは、製品1から充電用コネクタ20を介して受信した、製品1の記憶デバイスMDに格納されているソフトウエアのバージョン情報の示すバージョンよりも、パーソナルコンピュータPCが格納しているバージョン情報の示すバージョンが新しくない(古い、あるいは同じである)ときには、ソフトウエア本体を送出することなく、バージョンアップに係る処理を終了する(充電は継続してよい)。
【0051】
製品1の制御デバイスCDは、パーソナルコンピュータPCから充電用コネクタ20を介して受信したソフトウエア本体を、記憶デバイスMDに格納する。なお、製品1の制御デバイスCDは、パーソナルコンピュータPCから充電用コネクタ20を介してソフトウエア本体の全体が受信されるまでは、それまでに記憶デバイスMDに格納されていた元のソフトウエア本体を削除しないこととしてもよい。また、製品1の制御デバイスCDは、パーソナルコンピュータPCから充電用コネクタ20を介してソフトウエア本体の全体が受信されると、それまでに記憶デバイスMDに格納されていた元のソフトウエア本体を削除する。この場合も、記憶デバイスMDに格納されているソフトウエア本体のバージョンアップの処理を、製品1をケース10に収納した状態のまま行うことができる。
【符号の説明】
【0052】
1 製品、2 充電用端子、10 ケース、11 下ケース、12 上ケース、、20 充電用コネクタ、21 ヘッド部、22 延長部、23 充電器側接続部、25 コネクタ部、26 導電線、111 底面部、112 側面部、113A 製品押さえ、113 凹部、114 上面部、115 挿通路、116 製品押さえ、121 天板部、122 側面部、123 開口、123b 蓋。