(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
G06F 1/16 20060101AFI20230222BHJP
H05K 5/02 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
G06F1/16 312V
G06F1/16 312E
H05K5/02 G
(21)【出願番号】P 2022192818
(22)【出願日】2022-12-01
【審査請求日】2022-12-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 剛樹
(72)【発明者】
【氏名】大西 益生
(72)【発明者】
【氏名】松下 真也
(72)【発明者】
【氏名】宮腰 直樹
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-302080(JP,A)
【文献】特開平7-248867(JP,A)
【文献】登録実用新案第3232072(JP,U)
【文献】米国特許第8989372(US,B2)
【文献】特開2021-51556(JP,A)
【文献】特開2018-13969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/16
H05K5/02
H04M1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一筐体と、前記第一筐体の第一の面に設けられた操作部と、前記第一の面に沿う方向における前記第一筐体の一端部において前記第一の面の反対側に位置する前記第一筐体の第二の面に開口する収容室と、を有する第一部分と、
前記第一の面に沿う方向において前記一端部の反対に位置する前記第一筐体の他端部に取り付けられ、前記第一筐体に対して回転可能な接続部と、
タッチパネルと、前記タッチパネルを通じて画像を表示可能な表示装置と、前記表示装置を収容して前記タッチパネルが取り付けられるとともに前記接続部に接続される第二筐体と、を有する第二部分と、
前記タッチパネルに入力を行い、側面の一部を露出させて前記収容室に収容可能なペンと、
前記収容室に収容された前記ペンの延在方向に沿って移動可能なレバーと、前記レバーに接続され前記レバーと共に固定位置と解除位置との間で移動し該固定位置において前記収容室に収容された前記ペンの側面に向かって突出する突出部と、前記収容室に収容された前記ペンの側面に対向し、前記固定位置に位置する前記突出部によって前記ペンの側面に向かって押し付けられる固定部と、を有し、前記突出部が前記固定位置に位置するときに前記収容室に収容された前記ペンを前記固定部によって固定し、前記突出部が前記解除位置に位置するときに前記収容室に収容された前記ペンを前記収容室から取り外し可能にするロック機構と、を備える電子機器。
【請求項2】
前記ロック機構は、前記収容室内に配設されたガレージ部を有し、前記ペンの側面に向かって押し付けられる前記固定部と前記ガレージ部との間で前記ペンの側面をホールドする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記ペンは、前記側面に使用者に操作される操作ボタンを有し、
前記固定部は、前記収容室に収容された前記ペンの側面のうち、前記ペンの延在方向において前記操作ボタンよりも前記ペンの端に近い領域に向かって押し付けられる請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記ペンは、ペン側磁石を有し、
前記ロック機構は、前記収容室に収容された前記ペンの前記ペン側磁石に磁着する室側磁石を有する請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記収容室は、前記ペンのペン先の向きが前記ペンの延在方向に沿う一方向及び逆方向のどちらであっても前記ペンを収容可能である請求項1に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第一部分は、前記第一筐体の第二の面に形成され、前記他端部から前記一端部に向かう方向で前記収容室につながるように傾斜する傾斜面と、前記傾斜面と前記収容室に収容された前記ペンの側面との間に形成され、前記ペンの前記収容室からの取り出しの際に使用者の指を進入させることが可能な取り出し隙間と、を有する請求項1に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に開示されているような、ノートパソコンとしても、タブレットとしても使える多機能な電子機器が知られている。このような電子機器は、2in1パソコン(2in1PC)等とも称されており、例えば、タッチパネルを有するタブレットと、該タブレットに着脱可能に接続、又は該タブレットに対して回転可能に接続できキーボード等が配設された筐体と、タッチパネルを操作するためのペン(タッチペン)と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の2in1PCでは、例えばキーボード等が配設された筐体の収容孔に、ペンをペンの延在方向に沿って差し込んで収容している。このようにタッチペンを収容することで、タッチペンを電子機器から脱落させることなく一体的に保持して持ち運び等できる。
【0005】
しかし、2in1PCの薄型化を図るために、収容孔も細長くし、合わせてタッチペンを細くしなければならない。細いタッチペンは、使用者が把持しづらい。また、筐体へのタッチペンの差し込み及び抜き取りを複数回繰り返すことで、タッチペンが筐体の収容孔と擦れ、粉を吹いたり、タッチペンのラベル等が剥がれたりする。また、タッチペンの収容孔として筐体内部の空間を大きくとる必要があり、筐体内部の構造によってはタッチペンの配置場所が限定されたり、使用者がタッチペンを使いづらくなったりする。
【0006】
よって、2in1PC等の電子機器においては、タッチペン及びタッチペンを収容する部分の劣化を抑制し、また、使用者がタッチペンを取り外したり取り付けたりする際の使い勝手を向上させるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本実施形態の電子機器は、第一筐体と、前記第一筐体の第一の面に設けられた操作部と、前記第一の面に沿う方向における前記第一筐体の一端部において前記第一の面の反対側に位置する前記第一筐体の第二の面に開口する収容室と、を有する第一部分と、前記第一の面に沿う方向において前記一端部の反対に位置する前記第一筐体の他端部に取り付けられ、前記第一筐体に対して回転可能な接続部と、タッチパネルと、前記タッチパネルを通じて画像を表示可能な表示装置と、前記表示装置を収容して前記タッチパネルが取り付けられるとともに前記接続部に接続される第二筐体と、を有する第二部分と、前記タッチパネルに入力を行い、側面の一部を露出させて前記収容室に収容可能なペンと、前記収容室に収容された前記ペンの延在方向に沿って移動可能なレバーと、前記レバーに接続され前記レバーと共に固定位置と解除位置との間で移動し該固定位置において前記収容室に収容された前記ペンの側面に向かって突出する突出部と、前記収容室に収容された前記ペンの側面に対向し、前記固定位置に位置する前記突出部によって前記ペンの側面に向かって押し付けられる固定部と、を有し、前記突出部が前記固定位置に位置するときに前記収容室に収容された前記ペンを前記固定部によって固定し、前記突出部が前記解除位置に位置するときに前記収容室に収容された前記ペンを前記収容室から取り外し可能にするロック機構と、を備える。
【0008】
例えば、前記ロック機構は、前記収容室内に配設されたガレージ部を有し、前記ペンの側面に向かって押し付けられる前記固定部と前記ガレージ部との間で、前記ペンの側面をホールドする。
【0009】
例えば、前記ペンは、前記側面に使用者に操作される操作ボタンを有し、前記固定部は、前記収容室に収容された前記ペンの側面のうち、前記ペンの延在方向において前記操作ボタンよりも前記ペンの端に近い領域に向かって押し付けられる。
【0010】
例えば、前記ペンは、ペン側磁石を有し、前記ロック機構は、前記収容室に収容された前記ペンの前記ペン側磁石に磁着する室側磁石を有する。
【0011】
例えば、前記収容室は、前記ペンのペン先の向きが前記ペンの延在方向に沿う一方向及び逆方向のどちらであっても前記ペンを収容可能である。
【0012】
例えば、前記第一部分は、前記第一筐体の第二の面に形成され、前記他端部から前記一端部に向かう方向で前記収容室につながるように傾斜する傾斜面と、前記傾斜面と前記収容室に収容された前記ペンの側面との間に形成され、前記ペンの前記収容室からの取り出しの際に使用者の指を進入させることが可能な取り出し隙間と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本実施形態の電子機器は、ペンをペンの延在方向に沿って収容室に差し込んで収容する必要が無く、ペンが収容室に対して摺動する距離(両部材の擦れが生じる距離)が少なくなるため、タッチペン及びタッチペンを収容する部分の劣化を抑制できる。さらに、使用者から見て使用する電子機器の手前側に収容室が開口していることで、使用者がタッチペンを取り外したり取り付けたりする際の使い勝手を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態の電子機器の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、電子機器の第一筐体の第二の面、及び第二の面に開口する収容室を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、電子機器が備えるペンの一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、収容室及びロック機構を説明する斜視図である。
【
図5】
図5は、収容室及びロック機構を説明する断面図である。
【
図6】
図6は、ペン先を+Y方向側に向けて収容室に収容されたペンがロック機構の固定部で固定される前の状態を説明する斜視図である。
【
図7】
図7は、ペン先を+Y方向側に向けて収容室に収容されたペンがロック機構の固定部で固定された状態を説明する斜視図である。
【
図8】
図8は、ペン先を+Y方向側に向けて収容室に収容されたペンがロック機構で固定された状態を説明する断面図である。
【
図9】
図9は、従来の電子機器の差し込み孔にペンを差し込んで収容した状態を説明する斜視図である。
【
図10】
図10は、収容室からペンを取り出す状態を説明する斜視図である。
【
図11】
図11は、収容室からペンを取り出す状態を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態の電子機器1を図面に基づいて説明する。以下に記載する本実施形態の電子機器1、並びに当該構成によってもたらされる作用及び結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。なお、本明細書では、序数は、部品や部材を区別するためだけに用いられており、順番や優先度を示すものではない。
【0016】
図1は、本実施形態の電子機器1の斜視図である。
図1に示すように、電子機器1は、例えば、第一部分2と、第二部分6と、接続部4と、を備える。電子機器1は、例えば、コンパーチブル型の2in1パソコン(2in1PC)であるが、2in1パソコンに限定されるものではない。第二部分6は、第一部分2に接続部4を介して接続されている。なお、第二部分6は、第一部分2に接続部4を介して取り外し可能に接続されていてもよい。即ち、電子機器1は、例えば、セパレート型の2in1パソコンであってもよい。この場合、第一部分2は、第二部分6から外れた状態で、例えば無線通信により第二部分6への入力が可能であってもよい。
【0017】
以下の各図では、便宜上、方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)が規定されている。X軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向は、互いに直交している。そしてX軸方向及びY軸方向で形成される平面を水平面とし、Z軸方向を鉛直方向とする。X軸方向は、第一部分2の短手方向に沿う方向であり、前後方向とも称され得る。Y軸方向は、第一部分2の長手方向に沿う方向であり、左右方向とも称され得る。Z軸方向は、第一部分2の厚さ方向に沿う方向であり、上下方向とも称され得る。X軸方向は、+X方向(手前側方向)と-X方向(奥側方向)とを含む。Y軸方向は、+Y方向と-Y方向とを含む。Z軸方向は、+Z方向(上方向)と-Z方向(下方向)とを含む。なお、本実施形態における前後左右上下のような方向を示す表現は、便宜上の呼称であり、電子機器1の位置、姿勢、及び使用態様を限定するものではない。
【0018】
図1に示す第一部分2は、第一筐体2Aを備えている。第一筐体2Aは、薄い箱状の基台20を備えている。基台20は、上面21と、上面21に設けられた複数のキー23と、基台20の前側面24と、基台20の横側面25と、下面203とを有する。基台20の上面21は、第一筐体2Aの上面である。また、キー23は、キーボードのような操作部を構成する一部である。そして、第一筐体2Aの上面21の一部は、本実施形態においてはキーボードを形成している。
図2に示す第一筐体2Aの下面26は、基台20の下面203と、基台20に取り付けられた室側基台50の下面500とで形成される。上面21及び下面26は、いずれも上下方向(Z軸方向)と略直交する方向(X軸Y軸平面)に延びている。なお、上面21は第一の面の一例であり、下面26は第二の面の一例である。
【0019】
上面21は、上方向(+Z方向)に向く略平坦な平坦面210と、キー23が配設されたへこみ面22とを備える。第一筐体2Aに、例えば、平坦面210から僅かに窪んだタッチパッド211の入力面が設けられる。タッチパッド211は、第一の面である上面21に設けられた操作部の一例である。また、タッチパッド211よりも手前側(+X方向側)には、タッチパッド211の操作ボタン211aが2つY軸方向に並べて配設されている。
【0020】
へこみ面22は、タッチパッド211よりも奥側(-X方向側)位置している。へこみ面22は、上面21から下方向(-Z方向)に向かって窪んでいる。へこみ面22には、複数のキー23が通過可能な複数の孔221が基台20内部の空間につながるように設けられている。複数のキー23は、へこみ面22の上に、押下可能に配置されている。言い換えると、複数のキー23は、へこみ面22に設けられている。
【0021】
図2に示す第一筐体2Aの下面26は、
図1に示す上面21及びへこみ面22の反対側に位置する。なお、
図2においては、第一筐体2Aの下面26を上側に向けた状態を示しており、電子機器1のY軸方向における左右の構成が
図1と反対に位置した状態を示している。また、
図2においては、
図1に示す第二部分6が接続部4から外れた状態を示している。例えば電子機器1が
図1の態様で使用されるとき、下面26、又は下面26から突出するリブ若しくはゴムのような足261が、電子機器1が設置されるテーブルの上面に支持される。
図2に示すように、下面26には、例えば、第一筐体2A内部に配設された発熱部品の発する熱を排出するための排熱口260が形成されている。
【0022】
例えば、第一筐体2Aの横側面25には、外部接続コネクタが複数配設されており、複数の図示しない外部接続コネクタには、それぞれ、電源ケーブル、USB(ユニバーサル シリアル バス)ケーブル、HDMI(登録商標)ケーブル、又はオーディオ端子等の外部接続部品254が接続可能となっている。
【0023】
図1に示す第二部分6は、例えば、情報処理、画像の表示、音声の入出力、通信、又はその他種々の機能を実現可能なデバイスである。
【0024】
第二部分6は、タッチパネル61と、タッチパネル61を通じて画像を表示可能な表示装置62と、表示装置62を収容するとともにタッチパネル61が取り付けられた第二筐体63と、を有する。第一部分2は、例えば、第一筐体2A内に収容される基板、CPU、メモリ等の記録媒体、GPU、マザーボード、および他の部品をさらに有する。なお、CPU、メモリ等の記録媒体、GPU、マザーボード、又は他の部品は、第二筐体63に内蔵されていてもよい。
【0025】
タッチパネル61は、例えば、光を透過可能なガラスと、透明導電膜と、フィルムと、を有している。ガラス、透明導電膜、およびフィルムは、積層されている。そのため、使用者は、タッチパネル61へのペン3を用いたタッチ操作により第二部分6を操作することができる。また、タッチパネル61は、光を透過可能である。タッチパネル61の表示面は、略平坦に形成され、第二部分6の外部に向く。例えば、タッチパネル61の表示面には、ガラスコーティングのような表面処理が施されており、表示面が傷付きにくくなっている。
【0026】
表示装置62は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイのような画像を表示可能な装置である。表示装置62は、タッチパネル61の表示面の反対側となる背面に取り付けられ、タッチパネル61を通じて画像を表示する。このため、使用者は、表示面を通じて表示装置62が表示した画像を視認できる。
【0027】
第二筐体63は、例えば、金属製であり、略矩形(四角形)の薄い箱状に形成されている。第二筐体63の内部の空間には、表示装置62および種々の部品が収容される。タッチパネル61は、第二筐体63に取り付けられることで、第二筐体63の内部の空間を塞ぐ。
図1に示すように、第二筐体63は、接続部4を介して第一筐体2Aに回転可能に取り付けられる。具体的には、第二筐体63の下方向(-Z方向)における端部631が、接続部4に接続される。なお、第二筐体63は接続部4を介して第一筐体2Aに取り外し可能に接続されていてもよく、この場合には、第二部分6は独立したタブレットにもなる。
【0028】
第二筐体63の前面は、開口している。すなわち、第二筐体63は、前面が開放された箱型に形成されている。タッチパネル61は、前面の開口を塞ぐように、第二筐体63に両面テープ又は接着剤などを用いて取り付けられる。
【0029】
第一部分2に対して回転可能な接続部4は、第一部分2に接続された第二部分6を開閉可能にする。接続部4は、第一筐体2Aの基台20の上面21に沿う方向(X軸方向)における奥側(-X方向側)の端部204に取り付けられる。端部204は、他端部の一例である。
【0030】
例えば、接続部4は、ブロック状の支持部41と、第一筐体2Aの端部204と支持部41とを互いに回動可能に接続する二軸ヒンジ42(
図2参照)と、を有している。なお、接続部4が備える二軸ヒンジ42によって、
図2に示す第一筐体2Aの下面26に
図1に示す第二部分6のタッチパネル61と反対側となる第二筐体63の背面が接触可能に360度折り曲げ可能となっていてもよい。なお、接続部4は、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)やハーネスのような図示しないフレキシブルな素材等を有していてもよい。第一部分2と第二部分6とは、FPCやハーネスを介して互いに電気的に接続される。
【0031】
支持部41は、第二部分6の第二筐体63の端部631の左右に設けられた溝633と嵌合し図示しない二軸ヒンジ等を介して第二筐体63を回転可能に支持する。
【0032】
例えば、第二部分6が第一部分2から取り外し可能なタブレットである場合、接続部4が、第一部分2に第二部分6を接続している際に、第一部分2を介して第二部分6への文字入力や第一部分2から第二部分6への給電が可能である。また、第二部分6が第一部分2から取り外し可能なタブレットである場合、第一部分2と第二部分6との信号の送受信は、無線接続で行われてもよい。
【0033】
接続部4に取り付けられた第二部分6は、
図1に示す開き位置と、タッチパネル61を第一筐体2Aの上面21に接触させて閉じた閉じ位置とに配置可能である。言い換えると、第二部分6は、開閉可能である。また、接続部4によって、第二部分6が例えば略平坦面に形成された第二筐体63の背面を第一筐体2Aの下面26に接触させた位置に配置可能であってもよい。即ち、第二部分6は、閉じ位置から360度近く回転させて第一部分2と重ねた状態として、使用者がタッチパネル61を使用しやすい状態にすることが可能であってもよい。また、例えば、第二部分6は、接続部4から取り外して独立させた状態とすることが可能であってもよい。
【0034】
電子機器1は、
図1~
図3に示すようなペン3を備えている。
図2、
図3に詳しく示すペン3は、例えば、把持部30と、ペン先31と、を備えるタッチペンである。このようなペン3は、ペン先31を例えば静電容量方式のタッチパネル61(
図1参照)に接触させて、タッチパネル61に入力するために使用される。ペン3は、例えば、把持部30のペン先31が接続されている一端部とは反対側となる他端部に、提げ紐を取り付け可能なストラップホール301を備えている。ストラップホール301は、環状で、内部に提げ紐を挿通可能である。なお、ペン3は、ストラップホール301を備えていなくてもよい。
【0035】
把持部30は、タッチパネル61への入力時に使用者に把持される部位である。把持部30は、例えば、筒状の部位である。具体的には、把持部30は、軸線方向の一端部から他端部に亘って外径及び内径が略一定の円筒形状である。把持部30は、例えば、ABS樹脂やポリアセタール樹脂等の非導電性材料で構成されているが、導電性材料で構成されていてもよい。ペン3の側面300とは、主に把持部30の外側面のことであり、例えば、略平滑面に形成されている。
【0036】
ペン先31は、導電性を含んで構成され、
図1に示すタッチパネル61と導通可能である。具体的には、ペン先31は、タッチパネル61に接触する先端接触部311と、基端側が把持部30に連結され、先端側に先端接触部311を固定するホルダーである先端固定部312と、を備える。
【0037】
先端接触部311は、導電性を有する。また、先端接触部311は、例えば、タッチパネル61に接触した際に、タッチパネル61を損傷させない程度の柔軟性を有している。先端接触部311は、例えば、樹脂製で細長い棒状に形成されている。
【0038】
先端固定部312は、例えば、先端接触部311を取り外し可能に挿通させた状態で保持する。例えば、先端固定部312は、略円錐状に成形されると共に、先端には先端接触部311が嵌め込まれる図示しない支持孔が形成されている。該支持孔には、先端接触部311が、圧入または接着されて取り付けられている。先端固定部312は、例えば、把持部30の一端部に一体的に接続されている、又は、把持部30の一端部の筒孔に取り外し可能に螺合して接続されている。そして、把持部30と先端接触部311とを電気的に接続させた状態で、先端固定部312は、先端接触部311が、把持部30の軸心(径方向における中央部分)に位置するように、把持部30と先端接触部311とを連結する。なお、先端固定部312は、例えば、先端接触部311と一体的に形成されていてもよい。
【0039】
ペン3は、入力方式が、例えば、静電容量方式となっているが、これに限定されず、導電式、感圧式、又は電磁誘導方式であってもよい。また、ペン3のペン先31の先端接触部311は、上記のように、例えば、導電性の樹脂材で細長く形成されているが、これに限定されず、例えば、シリコンゴム又は導電性の繊維を球体状に丸めたものであってもよいし、導電性の樹脂をディスク状に形成したものであってもよいし、導電性の転動可能なボール体であってもよい。
【0040】
ペン3は、例えば、充電式のものであるが、電池式であってもよい。例えば、
図2に示すように、把持部30の側面300には、使用者が押圧することで電気信号をペン3から先端接触部311が接触しているタッチパネル61に対して送信可能とする操作ボタン32、33が配設されている。
【0041】
図3に示すように、ペン3の把持部30の側面300には、例えば、
図2に示す第一部分2に取り付けられたペン3に、第一部分2側から充電を行うことを可能にするコネクタ305が形成されている。コネクタ305は、例えば、把持部30の側面300において、
図2に示す操作ボタン32、33からペン3の周方向に略180度離間した位置に配設されている。ペン3は、把持部30の側面300のコネクタ305の両脇に位置合わせ孔306を備えている。
【0042】
図3に示すように、ペン3の把持部30の側面300には、例えば、ペン3についての各種の情報を示すラベル307が貼り付けられ、または印刷されている。
【0043】
図3、
図4に示すように、ペン3は、例えば、把持部30の内部に、側面300を通じて磁束が延びるようにペン側磁石34を備えている。ペン側磁石34は、例えば、ペン3を使用者が把持した場合に、使用者の使用感を損なわせないように、側面300から飛び出ないように埋設されている。また、ペン3の側面300に埋設されたペン側磁石34の配設位置を示す印が、側面300に印刷等されていてもよい。本実施形態において、ペン側磁石34は、ペン3の側面300におけるコネクタ305の左右となる位置に1つずつ、計2つ配設されている。なお、ペン側磁石34の配設個数はこれに限定されるものではない。なお、ペン3は、ペン側磁石34を備えていなくてもよい。
【0044】
本実施形態においては、
図2、
図4に示すように、例えば、第一筐体2Aの基台20の手前側(+X方向側)の下面203の一領域には、バー状の室側基台50が嵌め込まれてボルト固定される態様で配設されている。即ち、基台20の手前側(+X方向側)の下面203の一領域は、例えば、その長手方向(Y軸方向)の一端から他端までをバー状の室側基台50を嵌め込み可能なように切り欠かれている。そして、該切り欠き部分に室側基台50が嵌め込まれて、
図2、
図4においては上側を向いた基台20の下面203と略面一につなげた状態でボルト固定されている。なお、
図2に示す室側基台50は、基台20の長手方向(Y軸方向)の一端から他端までをバー状に延び、さらにその両端部が基台20の下面203における奥側(-X方向側)の領域に所定距離延びた形状となっている。なお、室側基台50の形状は本例に限定されるものではない。
図2においては上側を向いている室側基台50の下面500も、基台20の下面203と共に第一筐体2Aの下面26(第二の面26)を形成する一部である。そして、第一筐体2Aは、基台20と室側基台50とを備え、基台20の奥側(-X方向側)の端部分が第一筐体2Aの端部204(他端部204)となり、室側基台50の手前側(+X方向側)の端部分が第一部分2の端部507となる。端部507は、第一筐体2Aの一端部の一例である。
【0045】
図2に示す本実施形態に係る第一部分2は、収容室5Aを備えている。収容室5Aは、第一筐体2Aの下面26に沿う方向(X軸方向)において奥側(-X方向側)に位置する端部204の反対(+X方向側)に位置する端部507における下面500に開口する。収容室5Aは、ペン3の側面300の一部を露出させて収容する。
【0046】
図2、
図4、
図5に示すように、例えば、室側基台50の延在方向(Y軸方向)における中央領域は、Y軸方向に延在する略円柱状に窪んでおり、該窪んだ空間がペン3の側面300の一部を露出させて収容する収容室5Aとなる。収容室5AのY軸方向における長さは、例えば、ペン3の長さよりも少しだけ大きく設定されている。また、収容室5AのX軸方向における最大幅は、ペン3の把持部30の太さよりも少しだけ大きく設定されている。
【0047】
収容室5Aに収容されたペン3の、Y軸方向におけるストラップホール301側の端面及びペン先31の先端接触部311が、収容室5AのY軸方向において対向する内側面501、内側面502にそれぞれ接触してもよいし、内側面501、及び内側面502との間に少しだけ隙間が設けられてもよい。内側面501及び内側面502は、平滑面に形成されており、例えば、先端接触部311との接触があった際に先端接触部311の摩耗をより防ぐために、テフロン(登録商標)加工等がされていてもよい。
【0048】
図2、
図4に示す収容室5Aに収容されたペン3の側面300は、収容室5AのZ軸方向における底面503、及び収容室5AのX軸方向における内側面504に接触した状態になる。
図5に示すように、収容室5Aの底面503から内側面504にかけては、ペン3の側面300の形状に沿うように、断面視で略円弧状に形成されている。
【0049】
電子機器1は、収容室5Aに収容されたペン3を固定するロック機構5Cを備える。ロック機構5Cは、収容室5Aに収容されたペン3の延在方向に沿って移動可能なレバー52と、レバー52に接続されレバー52と共に固定位置と解除位置との間で移動し該固定位置において収容室5Aに収容されたペン3の側面300に向かって突出する突出部53と、収容室5Aに収容されたペン3の側面300に対向し、固定位置に位置する突出部53によってペン3の側面300に向かって押し付けられる固定部54と、を有する。ロック機構5Cは、突出部53が固定位置に位置するときに収容室5Aに収容されたペン3を固定部54によって固定し、突出部53が解除位置に位置するときには収容室5Aに収容されたペン3を固定せずに収容室3Aから取り外し可能にする。なお、
図2においては、ペン3が収容室5A内で固定部54により固定された状態を示しており、
図4、
図5においては、ペン3が収容室5A内で固定部54により固定されていない状態を示している。
【0050】
図2、
図4に示すレバー52は、例えば、Y軸方向に延在する板状に形成されており、レバー52の中央部分にジグザグ形状の滑り止め521を備えている。レバー52は、本実施形態においては、収容室5Aのペン3より手前側(+X方向側)となる位置に配設されており、基台20の内面上を摺動可能となっている。該滑り止め521を使用者が指で押さえて、レバー52をY軸方向にスライドさせることができる。
【0051】
例えば、レバー52の延在方向(Y軸方向)における滑り止め521の両側で、所定距離滑り止め521から離れた位置に、突出部53は一体的に接続されている。例えば、突出部53は、レバー52に2つ一体的に接続されている。
図4に示す突出部53は、例えば、レバー52の延在方向において徐々に厚さが増すスロープ状に形成されており、解除位置から固定位置へ移動するに従ってZ軸方向における基台20と固定部54との間に入り込むことができる。そして、突出部53は、このように入り込むにつれて厚さが増すことで、収容室5Aに収容されたペン3の側面300に向かって突出していく。なお、突出部53の形状はスロープ状に限定されず、半球状等となっていてもよい。
図4、
図5に示すように、突出部53が解除位置に位置してロック機構5Cの固定部54で収容室5Aに収容されたペン3をロックしていない状態において、Z軸方向における基台20と固定部54との間にレバー52が位置している。レバー52は、突出部53よりも厚さが薄く、固定部54を押圧しない程度の厚さとなっている。
【0052】
図4、
図5に示す固定部54は、例えば、収容室5Aの底面503に切り欠かれて形成された固定部配設孔503bに配設された押圧板541と、押圧板541に一体的に形成され押圧板541よりも-X方向側に位置する被固定板542とを備えている。被固定板542は、ボルト545によって室側基台50に固定されている。固定部54は、例えば、弾性力を備える板バネであり、X軸方向における略中間部分を支点として押圧板541が上下に移動可能となっている。
図5に示すペン3の側面300に接触する押圧板541の当接面541aは、例えば、ペン3の側面300に合わせた曲面となっている。
【0053】
ロック機構5Cは、例えば、固定部54を収容室5Aの延在方向(Y軸方向)に所定距離離間させて2つ備えている。
図2、
図4に示すように、ペン3は、側面300に使用者により操作される操作ボタン32、33を有している。そのため、固定部54は、収容室5Aに収容されたペン3の側面300のうち、ペン3の延在方向(Y軸方向)において操作ボタン32、33よりもペン3の端に近い領域に向かって押し付けられるように配設されている。即ち、固定部54の片方は、ペン3の側面300のうち、操作ボタン32、33とストラップホール301との間の領域に押し付けられ、固定部54のもう片方は、ペン3の側面300のうち、操作ボタン32、33とペン先31との間の領域に押し付けられる。
【0054】
図4に示すように、例えば、室側基台50の中央の一部は、基台20側から収容室5A側に向かって略矩形状に切り欠かれて貫通孔505が形成されている。そして、該貫通孔505には、例えば、ガレージ部51が取り付けられている。収容室5A内に配設されたガレージ部51の+X方向側を向く前面は、ペン3の側面300の形状に沿う円弧状となる。また、ガレージ部51は、手前側にその上部がひさし状に張り出た形状となっている。そして、ガレージ部51は、ペン3の側面300の一部にかぶさるようになっている。また、ガレージ部51の上面は、室側基台50の上側を向いた下面500と略面一となっている。収容室5A内に配設されたガレージ部51は、ペン3の側面300に向かって押し付けられる固定部54と共に、ペン3の側面300にかぶるようにしてペン3の側面300をホールドする。即ち、ロック機構5Cは、固定部54とガレージ部51との間でペン3の側面300をホールドする。
【0055】
ガレージ部51からは、収容室5Aに収容されたペン3のコネクタ305(
図3参照)に電気的に接続されるピン状の端子208が、収容室5A内に露出するように突き出ている。端子208は、基台20内部に配設された図示しない給電部に電気的に接続されている。また、ペン3の把持部30の側面300の位置合わせ孔306に、端子208の両脇に配設された係合突起209が係合する。
【0056】
例えば、ガレージ部51のY軸方向における両側の2領域に、ロック機構5Cの室側磁石55が+X方向側に向かって磁束が延びるようそれぞれ配設されている。側面300に配設されたペン側磁石34を-X方向側に向けた状態でペン3を収容室5Aに収容することで、室側磁石55と対向するペン側磁石34が室側磁石55に磁着して、収容室5A内にペン3を磁力により固定した状態とすることができる。
【0057】
例えば、
図2、
図4、及び
図5に示すように、第一部分2は、傾斜面508及び取り出し隙間509を備えている。傾斜面508は、第一筐体2Aの下面26(第二の面26)に形成され、第一筐体2Aの端部204から端部507に向かう方向(+X方向)で収容室5Aにつながるように傾斜する。取り出し隙間509は、傾斜面508と収容室5Aに収容されたペン3の側面300との間に形成され、ペン3を収容室5Aから取り出す際に使用者の指を進入させることを可能とする。
【0058】
本実施形態において、傾斜面508は、例えば、室側基台50のガレージ部51が配設された貫通孔505のY軸方向における両側となる領域にそれぞれ形成されている。なお、傾斜面508は、室側基台50のガレージ部51が配設された貫通孔505のY軸方向における片側の領域のみに形成されていてもよい。また、傾斜面508と収容室5Aに収容されたペン3の側面300との間に形成された取り出し隙間509も、本実施形態においては2か所形成されているが、1か所のみでもよい。
【0059】
以下に、電子機器1におけるペン3の収容室5Aに対する取り付け(収容)について説明する。
図6に示すように、使用者がペン3を収容室5Aに対して、側面300側から入れ込む。例えば、ペン3は、ペン先31をY軸方向における+Y方向側に向けている。なお、ペン3の側面300に形成された操作ボタン32、33を手前側(+X方向側)に向けて、収容室5Aにペン3を収容させることで、先に説明したように、
図4に示すペン側磁石34と室側磁石55とが磁着して、ペン3が収容室5A内で磁力により固定された状態になる。また、ペン3の
図3に示す位置合わせ孔306に、
図4に示す係合突起209を係合させ、ペン3のコネクタ305に端子208を接続させることで、ペン3が電子機器1から電力供給され充電可能となる。
【0060】
さらに、
図6に示す状態から
図7に示す状態のように、ロック機構5Cのレバー52の滑り止め521を、例えば、-Y方向から+Y方向に使用者が指で移動させる。レバー52の該移動に伴って、突出部53が解除位置から固定位置へ移動することで、
図5に示すように固定部54を押圧しない厚さのレバー52がZ軸方向における基台20と固定部54との間に位置している状態から、
図7、
図8に示すように、レバー52に一体的に接続された各突出部53が、基台20と固定部54とのZ軸方向における間に入り込んでいく。そして、このように入り込んでいくに従い突出部53の厚さが厚くなっていくことによって、固定部54がペン3の側面300に向かって突出部53によって押し付けられる。その結果、固定部54と収容室5Aの内側面504とによってペン3が挟み込まれた状態となり、ロック機構5Cによりペン3が固定される。
【0061】
また、
図7に示すように、収容室5A内に配設されたガレージ部51は、ペン3の側面300に向かって押し付けられる固定部54と共に、ペン3の側面300にかぶるようにしてペン3の側面300をホールドする。即ち、固定部54とガレージ部51とによってもペン3が挟み込まれた状態となり、ロック機構5Cによりペン3が固定される。
【0062】
なお、収容室5Aは、例えば、
図2に示すように、第一部分2の長手方向(Y軸方向)におけるペン3のペン先31の向きを左側(-Y方向側)に向けて収容することもできる。この場合も、上記のようなペン3の収容室5Aの収容手順と略同様の手順を経る。即ち、収容室5Aは、ペン3のペン先31の向きが該ペン3の延在方向に沿う一方向及び逆方向のどちらであってもペン3を収容可能である。
【0063】
図9は、従来の2in1PC等の電子機器1Cにおける、ペン保持構造8を説明する斜視図である。電子機器1Cのペン保持構造8は、電子機器1Cの例えばキーボード等を有する筐体80の左右いずれかの側面800のコーナー部分に、筐体80の長手方向(Y軸方向)に延在するように筐体80の内部に向かって形成された細長い差し込み孔801を備えている。そして、ペン85を差し込み孔801に対して、例えば+Y方向に向かって差し込むことで、差し込み孔801にペン85を収容させる。このような構成においては、電子機器1Cの薄型化と共にペン85を細くしなければならない。また、差し込み孔801に対するペン85の差し込み及び抜き取りを複数回繰り返すことで、ペン85が差し込み孔801との間で擦れ、粉を吹いたり、ペン85のラベル等が剥がれたりする。また、差し込み孔801に差し込んだペン85を、差し込み孔801から抜き取り可能とするために、ペン85の後端部に取っ手854等を備えている必要ある。そのため、ペン85を取っ手854側から差し込み孔801に差し込むこと等はできない。即ち、ペン保持構造8は、ペン85の延在方向における向きを決めた向きでしかペン85を収容することができない。
【0064】
これに対して、本実施形態の電子機器1は、第一筐体2Aの下面26(第二の面26)に沿う方向(X軸方向)において端部204の反対に位置する端部507側における下面26に開口しペン3の側面300の一部を上記のように露出させて収容する収容室5Aと、収容室5Aに収容されたペン3を固定可能なロック機構5Cと、を備え、ロック機構5Cは、収容室5Aに収容されたペン3の延在方向に沿って移動可能なレバー52と、レバー52に接続されレバー52と共に固定位置と解除位置との間で移動し該固定位置において収容室5Aに収容されたペン3の側面300に向かって突出する突出部53と、収容室5Aに収容されたペン3の側面300に対向し、固定位置に位置する突出部53によってペン3の側面300に向かって押し付けられてペン3を収容室5A内に固定する固定部54と、を有する。そのため、ペン3をペン3の延在方向に沿って収容室5Aに差し込んで収容する必要が無く、ペン3が収容室5Aに対して摺動する距離(両部材の擦れが生じる距離)が少なくなるため、粉吹きやペン3のラベル307の剥がれ等の発生を抑制できる。また、収容室5Aがペン3の側面300の一部を露出させてペン3を収容できるため、ペン3を従来よりも太くして使用者が把持しやすくすることが可能となる。さらに、収容室5Aが、キー23等からなるキーボードやタッチパッド211等の操作部が上面21(第一の面21)に配設される第一筐体2Aの下面26に沿う方向(X軸方向)において、タッチパネル61が取り付けられる第二筐体63が接続される端部204の反対に位置する端部507の側の下面26に開口している。即ち、使用者から見て使用する電子機器1の手前側における下面26に収容室5Aが開口していることで、使用者がペン3を取り外したり取り付けたりする際の使い勝手を向上させることができる。
【0065】
また、例えば、ロック機構5Cは、収容室5A内に配設されたガレージ部51を有し、ペン3の側面300に向かって押し付けられる固定部54とガレージ部51との間でペン3の側面300をホールドすることで、収容室5A内においてペン3をより適切に固定できる。
【0066】
また、例えば、ペン3は、側面300に使用者に操作される操作ボタン32、33を有している。そして、固定部54の片方が、ペン3の側面300のうち、操作ボタン32、33とストラップホール301との間の領域に押し付けられ、固定部54のもう片方が、ペン3の側面300のうち、操作ボタン32、33とペン先31との間の領域に押し付けられるように設定されている。そのため、操作ボタン32、33と固定部54との接触が避けられて、操作ボタン32、33に不要な力が加わることが無くなる。また、収容室5A内においてペン3をより適切に固定できる。
【0067】
また、ペン3は、ペン側磁石34を有し、ロック機構5Cは、収容室5Aに収容されたペン3のペン側磁石34に磁着する室側磁石55を有することで、室側磁石55と対向するペン側磁石34が室側磁石55に磁着して、収容室5A内にペン3を磁力により固定した状態とすることができる。したがって、収容室5A内においてペン3をより適切に固定でき、ペン3の収容室5Aからの脱落をより確実に防ぐことができる。
【0068】
また、収容室5Aは、ペン3のペン先31がペン3の延在方向(Y軸方向)に沿う一方向及び逆方向のどちらであってもペン3を収容可能であることで、使用者がペン3を収容室5Aに収容させる際の使用感が向上する。
【0069】
次に、収容室5Aからペン3を取り外す場合について説明する。取り外しにおいては、まず、使用者が、
図10に示すように、ロック機構5Cのレバー52を、例えば、+Y方向から-Y方向に移動させる。レバー52の移動に伴って、レバー52の両側部分に一体的に接続された各突出部53が、固定位置から解除位置へ移動し、基台20と固定部54とのZ軸方向における間から抜け出てくる。これによって、固定部54によるペン3の側面300の押圧が解除され、固定部54と、収容室5Aの内側面504及びガレージ部51とによるペン3の固定も解除される。
【0070】
次いで、
図10、
図11に示すように、使用者が、指を傾斜面508側から傾斜面508と収容室5Aに収容されたペン3の側面300との間に形成された取り出し隙間509に矢印R1で示す方向に沿って挿入していく。なお、使用者は指を2か所の取り出し隙間509の両方に入れてもよいし、片方の取り出し隙間509のみに入れてもよい。
【0071】
そして、ペン3が、電子機器1の端部204から端部507に向かう方向(+X方向)に指で押圧されるとともに、ペン側磁石34と室側磁石55との磁着も解除され、ペン3を収容室5Aから手前側(+X方向側)に向かって押し出すようにして取り出すことができる。
【0072】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1:電子機器
2:第一部分 2A:第一筐体 20:基台 21:上面(第一の面) 23:キー 26:下面(第二の面) 204:第一筐体の他端部
3:ペン 30:把持部 31:ペン先 32、33:操作ボタン 34:ペン側磁石
4:接続部 41:支持部 42:二軸ヒンジ
5A:収容室 50:室側基台 507:第一筐体の一端部 508:傾斜面 509:取り出し隙間
5C:ロック機構
51:ガレージ部 52:レバー 53:突出部 54:固定部 55:室側磁石
6:第二部分 61:タッチパネル 62:表示装置 63:第二筐体
【要約】
【課題】電子機器のペンの劣化を抑制し、ペンの取り外しの際の使い勝手を向上する。
【解決手段】第一筐体の操作部が設けられた第一面に沿う方向における該第一筐体の一端部において該第一面の反対に位置する第二面に開口する収容室と、前記一端部の反対の他端部に取り付けられ前記第一筐体に対し回転可能な接続部と、表示装置を収容しタッチパネルが取り付けられ前記接続部に接続される第二筐体と、該タッチパネルに入力を行い側面を露出させ前記収容室に収容可能なペンと、該ペンの延在方向に沿って移動可能なレバーに接続され固定位置と解除位置との間で移動し該固定位置において前記収容室に収容された前記ペン側面に向かい突出する突出部と、収容された該ペン側面に対向し前記固定位置に位置する該突出部により該ペン側面に押し付けられる固定部と、を有し、該ペンを前記収容室から取り外し可能にするロック機構と、を備える電子機器。
【選択図】
図2