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  • 特許-コンピュータを用いた会話支援方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】コンピュータを用いた会話支援方法
(51)【国際特許分類】
   G10L 15/10 20060101AFI20230222BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
G10L15/10 500Z
G10L15/10 200W
G10L15/22 300Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022007571
(22)【出願日】2022-01-21
(62)【分割の表示】P 2021139434の分割
【原出願日】2021-08-27
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】511113970
【氏名又は名称】株式会社インタラクティブソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】関根 潔
【審査官】大野 弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/017462(WO,A1)
【文献】特開2009-151766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 15/10
G10L 15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを用いた会話支援方法であって,
前記コンピュータが,
会話に関する音声を解析し,前記会話に含まれる単語である音声単語を得るための音声解析工程と,
前記音声単語について,複数の用語群のいずれに該当するか分析するための単語群分析工程であって,前記用語群は,単語及びフレーズのいずれか又は両方が含まれる工程と,
前記単語群分析工程で分析された用語群に基づいて,前記発言を評価する発言評価工程と,を含み,
前記発言評価工程は,前記会話に関する発言が前記コンピュータに入力されるたびに,前記発言を評価するとともに,前記会話のうち前記発言がなされた時点までの評価点を得る工程である,
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって,
前記複数の用語群は,あいさつに関する用語群,反論に関する用語群,説明に関する用語群,疑問に関する用語群,弁解に関する用語群,同意に関する用語群,約束に関する用語群,及び確約に関する用語群のいずれか1つ又は2つ以上の用語群を含む,
方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって,
前記コンピュータが,
前記単語群分析工程で分析された用語群を用いて, 次に用いることが望ましい用語群である推奨用語群を表示するための推奨用語群表示工程をさらに含む,
方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって,
前記会話の予定時間を前記コンピュータに入力する工程をさらに含み,
前記推奨用語群表示工程は,前記会話の予定時間をさらに用いて,前記推奨用語群を表示する,
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって,
前記コンピュータが,
前記単語群分析工程で分析された用語群に関する画像を表示するための画像表示工程をさらに含む,
方法。
【請求項6】
会話支援装置1であって,
会話に関する音声を解析し,前記会話に含まれる単語である音声単語を得るための音声解析部3と,
前記音声単語について,複数の用語群のいずれに該当するか分析するための単語群分析部5であって,前記用語群は,単語及びフレーズのいずれか又は両方が含まれるものと,
前記単語群分析部5が分析した用語群に基づいて,前記発言を評価する発言評価部7と,を含み,
前記発言評価部7は,前記会話に関する発言が前記会話支援装置1に入力されるたびに,前記発言を評価するとともに,前記会話のうち前記発言がなされた時点までの評価点を得る,
装置。
【請求項7】
コンピュータに,
会話に関する音声を解析し,前記会話に含まれる単語である音声単語を得るための音声解析工程と,
前記音声単語について,複数の用語群のいずれに該当するか分析するための単語群分析工程であって,前記用語群は,単語及びフレーズのいずれか又は両方が含まれる工程と,
前記単語群分析工程で分析された用語群に基づいて,前記発言を評価する発言評価工程とを含み,
前記発言評価工程は,前記会話に関する発言が前記コンピュータに入力されるたびに,前記発言を評価するとともに,前記会話のうち前記発言がなされた時点までの評価点を得る工程である,
方法を実装させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶したコンピュータが読み取ることのできる情報記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,コンピュータを用いた会話支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許第6739811号公報には,発言禁止用語に対し注意を喚起するためのプレゼンテーション支援装置が記載されている。この装置は,NGワードと関連したキーワードとアラートを出力する装置である。また,この装置は,プレゼンテーションに含まれるキーワード,関連語,及びNGワードについての評価点を合算し,プレゼンテーション全体に関する評価点を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6739811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の装置は,プレゼンテーションを評価することについては優れている。しかし,上記の装置は,プレゼンテーション全体を評価するものであり,会話をリアルタイムに評価するものではない。このため,この発明は,会話をリアルタイムに評価できる会話支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この明細書の最初の発明は,コンピュータを用いた会話支援方法に関する。この方法は,音声解析工程と,単語群分析工程と,発言評価工程とを含む。音声解析工程は,コンピュータが,会話に関する音声を解析し,会話に含まれる単語である音声単語を得る工程である。単語群分析工程は,コンピュータが,音声単語について,複数の用語群のいずれに該当するか分析する工程である。そして,用語群は,単語及びフレーズのいずれか又は両方が含まれる。発言評価工程は,コンピュータが,単語群分析工程で分析された用語群に基づいて,会話に関する発言が入力されるたびに,発言を評価する工程である。この工程は,会話に関する発言がコンピュータに入力されるたびに,発言を評価するとともに,さらに会話のうち発言がなされた時点までの評価点を得るものであってもよい。
【0006】
複数の用語群は,例えば,あいさつに関する用語群,反論に関する用語群,説明に関する用語群,疑問に関する用語群,弁解に関する用語群,同意に関する用語群,約束に関する用語群,及び確約に関する用語群のいずれか1つ又は2つ以上の用語群を含む。
【0007】
上記の方法は,コンピュータが,単語群分析工程で分析された用語群を用いて,次に用いることが望ましい用語群である推奨用語群を表示するための推奨用語群表示工程をさらに含むことが好ましい。
【0008】
上記の方法は,会話の予定時間をコンピュータに入力する工程をさらに含み,
推奨用語群表示工程は,会話の予定時間をさらに用いて,推奨用語群を表示することが好ましい。
【0009】
上記の方法は,コンピュータが,単語群分析工程で分析された用語群に関する画像を表示するための画像表示工程をさらに含むことが好ましい。
【0010】
この明細書の次の発明は,プログラムやプログラムを記憶したコンピュータが読み取ることのできる情報記録媒体に関する。このプログラムは,コンピュータに,上記した各方法を実装させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば,会話をリアルタイムに評価できる会話支援方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は,コンピュータを用いた会話支援方法を説明するためのフローチャートである。
図2図2は,会話支援方法を実現するための会話支援装置のブロック図である。
図3図3は,音声解析を行った例を示す概念図である。
図4図4は,用語群の例を示す図面に代わる表である。
図5図5は,単語群を分析した例を示す概念図である。
図6図6は,発言の評価の例を示す概念図である。
図7図7は,発言や会話をリアルタイムに評価した例を示す概念図である。
図8図8は,推奨用語群の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
【0014】
コンピュータを用いた会話支援方法について説明する。図1は,コンピュータを用いた会話支援方法を説明するためのフローチャートである。この方法は,音声解析工程(S101)と,単語群分析工程(S102)と,発言評価工程(S103)とを含む。図1に示されるように,この方法は,推奨用語群表示工程(S104)及び画像表示工程(S105)のいずれか又は両方をさらに含んでもよい。
【0015】
図2は,会話支援方法を実現するための会話支援装置のブロック図である。図2に示されるように,この装置1は,音声解析部3と,単語群分析部5と,発言評価部7とを含む。図2に示されるように,推奨用語群表示部9及び画像表示部11のいずれか又は両方をさらに含んでもよい。会話支援装置は,コンピュータに基づくシステムであり,基本的に各部は上記した各工程を実装するための要素である。例えば,音声解析部3は,会話に関する音声を解析し,会話に含まれる単語である音声単語を得るための要素である。単語群分析部5は,音声単語について,複数の用語群のいずれに該当するか分析するための要素である。発言評価部7は,分析された用語群に基づいて,会話に関する発言が入力されるたびに,発言を評価するための要素である。推奨用語群表示部9は,単語群分析工程で分析された用語群を用いて,次に用いることが望ましい用語群である推奨用語群を表示するための要素である。画像表示部11は,用語群に関する画像を表示するための要素である。
【0016】
コンピュータは,入力部,出力部,制御部,演算部及び記憶部を有しており,各要素は,バスなどによって接続され,情報の授受を行うことができるようにされている。例えば,記憶部には,制御プログラムが記憶されていてもよいし,各種情報が記憶されていてもよい。入力部から所定の情報が入力された場合,制御部は,記憶部に記憶される制御プログラムを読み出す。そして,制御部は,適宜記憶部に記憶された情報を読み出し,演算部へ伝える。また,制御部は,適宜入力された情報を演算部へ伝える。演算部は,受け取った各種情報を用いて演算処理を行い,記憶部に記憶する。制御部は,記憶部に記憶された演算結果を読み出して,出力部から出力する。このようにして,各種処理や各工程が実行される。この各種処理を実行するものが,各部や各手段である。
【0017】
本発明の装置は,インターネット又はイントラネットなどのネットワークと接続された端末と,ネットワークに接続されたサーバとを含むものであってもよい。もちろん,単体のコンピュータや携帯端末が,本発明の装置として機能してもよいし,複数のサーバが存在してもよい。
【0018】
音声解析工程(S101)
音声解析工程は,コンピュータが,会話に関する音声を解析し,会話に含まれる単語である音声単語を得る工程である。会話は,お互いが話し合うものであってもよいし,演者が聴衆に対して説明をするものやプレゼンテーションであってもよいし,営業者と顧客であてもよいし,電話での質問や問い合わせと電話対応者との会話であってもよい。音声は,通常は,人の声である。もっとも,音声には,コンピュータによる疑似音声も含まれる。
図3は,音声解析を行った例を示す概念図である。図3に示す例では,MR及び医師(Dr.A)の会話が装置に入力される。この装置は,MRの端末と医師の端末と接続された装置であってもよいし,いずれか一つの端末であってもよい。MRの端末のマイク及び医師の端末のマイクを通して,各端末に,会話に関する音声が入力され,各端末を通して会話に関する音声が装置に入力されてもよい。また,装置のマイクが直接MR及び医師(Dr.A)の会話に関する音声を装置内に入力してもよい。装置の制御部は,記憶部から適宜音声を読み出して,演算部に入力された音声を解析させる。このようにして,装置は,会話に含まれる単語(音声単語)を得る。このような音声解析装置は,公知である。装置は,得られた音声単語を記憶部に記憶してもよい。
【0019】
図3に示される音声単語の解析例は,以下のとおりである。
MR:先生、いつもお世話になっております。
本日は、新発売となりましたDPP4阻害薬アイプロ錠のご紹介に伺いました。
医師:(でも、)沢山あるのに、また発売になったの?
もう新しいDPP4阻害薬は使うつもりないんだけど。
MR:先生、確かに既にいくつかのDPP4阻害薬が発売になっておりますが、
弊社のアイプロ錠は他剤に比べて優れている点がございます。
今、どのDPP4阻害薬をお使いですか?
医師:たくさんあるから、患者さんの生活スタイルに合わせて使い分けてるよ。
最近はプチン錠を出すことが多いかな。プチンは一回で効果が強いからね。
【0020】
単語群分析工程(S102)
単語群分析工程は,コンピュータが,音声単語について,複数の用語群のいずれに該当するか分析する工程である。そして,用語群は,単語及びフレーズのいずれか又は両方が含まれる。装置の記憶部は,各用語群に含まれる単語やフレーズを記憶している。そして,装置の制御部は,演算部に音声単語と各用語群に含まれる単語やフレーズとを照合する演算を行わせる。このようにして,音声単語が,いずれの用語群に含まれるかが分析される。分析された分析結果は,記憶部に記憶されてもよい。
【0021】
図4は,用語群の例を示す図面に代わる表である。用語群は,様々な要素にグループ分けを行った単語やフレーズの組合せであってもよい。また,用語群は,必ず話さなければならない用語,キーワード及びNG用語(話してはならない用語)のいずれか又は2つ以上であってもよい。複数の用語群は,ある用語群が存在するとよい方向となる用語群,及びよくない方向となる用語群に分けられていてもよい。また,複数の用語群は,例えば,あいさつに関する用語群,反論に関する用語群,説明に関する用語群,疑問に関する用語群,弁解に関する用語群,同意に関する用語群,約束に関する用語群,及び確約に関する用語群のいずれか1つ又は2つ以上の用語群を含む。なお,これらの用語群は,コンピュータに「あいさつに関する用語群」などとして記憶されている必要はない。
【0022】
図5は,単語群を分析した例を示す概念図である。図5に示されるように,例えば,「お世話になっております」というフレーズは,用語群である「挨拶」に含まれる。このため,MRが「先生、いつもお世話になっております。」と発言すると,この発言が「挨拶」であると分析される。そして,この会話について,「挨拶」がなされたことが記憶部に記憶される。
次に,医師が,「(でも、)沢山あるのに、また発売になったの?もう新しいDPP4阻害薬は使うつもりないんだけど」と発言する。すると,医師の発言に含まれる「でも」と「つもりないんだけど」という単語の組合せが,「反論」であると分析される。そして,この会話について,上記した「挨拶」の後に「反論」がなされたことが記憶部に記憶される。
【0023】
発言評価工程(S103)
発言評価工程は,コンピュータが,単語群分析工程で分析された用語群に基づいて,会話に関する発言が入力されるたびに,発言を評価する工程である。この工程は,会話に関する発言がコンピュータに入力されるたびに,発言を評価するとともに,さらに会話のうち発言がなされた時点までの評価点を得る工程であってもよい。例えば,記憶部には,各用語群について,評価点が割り当てられている。そして,装置の制御部は,記憶部から用語群と関連して記憶されている評価点を読み出し,その発言を評価すればよい。なお,装置は,発言の集合である会話全体の評価も同時に行ってもよい。また,一方の発言の用語群と,他方の発言の用語群との関係に関連して評価点が記憶部に記憶されていてもよい。
【0024】
例えば,記憶部には,用語群:「挨拶」について0点が記憶される。また,記憶部には,一方の発言の用語群:「挨拶」の次の他方の発言の用語群:「反論」について-1点が記憶される。記憶部は,一方の発言の用語群:「反論」の次の他方の発言の用語群:「反論」について+1点が記憶されていてもよい。この装置は,会話文に含まれる用語を解析して係数を求めるようにしてもよい。この場合,例えば,最初の「反論」後の会話に係数3に関する用語(DDP4阻害薬)が含まれていたときに,次の他方の発言の用語群:「反論」について,3×(+1)で3点を加点するように処理してもよい。この場合,装置には,加点用語と加点係数とを記憶しておき,会話文を解析して,加点用語が含まれていることを把握した場合に,加点係数を一時的に記憶しておき,発言評価の際にこの加点係数を評価点と乗算すればよい。例えば,この加点用語や加点係数は,資料(例えばプレゼンテーション資料)と関連して記憶部に記憶され,資料に関する会話がなされると,その資料に関する加点用語や加点係数が適宜読み出されるようにしてもよい。
【0025】
図6は,発言の評価の例を示す概念図である。
「MR:先生、いつもお世話になっております。
本日は、新発売となりましたDPP4阻害薬アイプロ錠のご紹介に伺いました。」と関連して装置に,用語群:「挨拶」が記憶されている。このため,装置の制御部は,記憶部から用語群:「挨拶」と関連した評価点である0点を読み出す。すると,この発言について,0点という評価がなされる。
【0026】
次に,医師が,
「医師:(でも、)沢山あるのに、また発売になったの?
もう新しいDPP4阻害薬は使うつもりないんだけど。」と発言する。
この発言に関連して,装置に,用語群:「反論」が記憶されている。すると,装置の制御部は,記憶部から,一方の発言の用語群:「挨拶」の次の他方の発言の用語群:「反論」と関連する評価点である-1点を読み出す。このようにして,発言がリアルタイムに評価される。
【0027】
また,装置は,この発言に至る会話に含まれるこれまでの評価値を記憶している。そして,この装置は,この発言における評価値を加算する演算を行う。このようにして,この装置は,会話のうちある発言がなされている時点までの評価点を得ることができる。そして,得られたある発言がなされている時点までの会話の評価点は適宜記憶部に記憶され,出力されてもよい。
【0028】
図7は,発言や会話をリアルタイムに評価した例を示す概念図である。図7に示されるように,この例では,発言のたびに,その発言やその発言に至る会話が評価され,説明者,演者,又はプレゼンテーターの端末の表示部に,↑↑↓↓といった評価内容がリアルタイムで表示されることとなる。
【0029】
上記の方法は,コンピュータが,単語群分析工程で分析された用語群を用いて,次に用いることが望ましい用語群である推奨用語群を表示するための推奨用語群表示工程をさらに含むことが好ましい。装置は,ある用語群の次に発言されることが好ましい用語群や,第1の用語群の次に第2の用語群が来た場合に,次に発言されることが好ましい第3の用語群を記憶する。そして,装置は,発言を解析し,その発言やその前の発言,さらにその前の発言の属する用語群に関する情報を用いて,記憶部から,次発言することが望ましい用語群を読み出す。そして,装置は,読み出した次発言することが望ましい用語群に含まれる用語を,出力する。すると,話者の端末の出力部(例えばモニタ)にその用語が表示されることとなる。このようにして,この装置は,話者が会話することを支援できる。
【0030】
図8は,推奨用語群の例を示す概念図である。例えば,ある用語群の次にA1という用語群が用いられた場合,推奨用語群として,用語群B1,用語群B2,及び用語群B3(又はこれらの用語群から選ばれた用語やこれらの用語群に含まれる用語)が話者の出力部に表示されてもよいし,ベストな推奨用語群として用語群B1及び用語群C1が表示されてもよい。
【0031】
上記の方法は,会話の予定時間をコンピュータに入力する工程をさらに含んでもよい。そして,推奨用語群表示工程は,会話の予定時間をさらに用いて,推奨用語群を表示することが好ましい。会話の予定時間は,会話の初めの時間と会話の終わりの時間であってもよいし,会話の継続時間(例えば1時間以内)である。この装置は,時刻や時間を図る時計部を有していることが好ましい。そして,記憶部は,会話を初期,中期,及び終期といった会話時間領域に分割する。そして,記憶部は,用語群に含まれる用語に対し,会話時間領域に応じた識別情報を付与し,記憶する。すると,装置は,用語群に含まれる用語を読み出す際に,会話の会話時間領域に応じた用語を読み出し,出力することができる。
例えば,会話の予定時間のうち所定時間前であるとか,会話終期になった場合に,記憶部に,会話を終わらせるための用語である会話終了用語を推奨用語群として記憶しておき,会話終了用語を読み出して,適宜表示すようにすればよい。このようにすれば,講演やプレゼンテーションなどを所定時間内に終えることができるようにすることができる。会話終了用語の例は,「まとめますと」,及び「残りを簡潔に説明しますと」である。
【0032】
上記の方法は,コンピュータが,単語群分析工程で分析された用語群に関する画像を表示するための画像表示工程をさらに含むことが好ましい。用語群に関する画像の例は,用語群に関する評価点又は評価点を表す矢印記号(例えば,↑↓)である。記憶部は,これら用語群に関する画像を記憶する。そして,装置が発現に関する用語群を把握する。すると,装置は,把握した用語群に関する情報を用いて,記憶部からその用語群に関する画像を読み出す。そして,装置は,読み出した画像を出力する。例えば画像が評価値に関連する画像の場合,自らの発言がプラスであったかマイナスであったか瞬時に把握できる。
【0033】
この明細書の次の発明は,プログラムやプログラムを記憶したコンピュータが読み取ることのできる情報記録媒体に関する。このプログラムは,コンピュータに,上記した各方法を実装させるためのプログラムである。このプログラムは,例えば,コンピュータを,会話に関する音声を解析し,会話に含まれる単語である音声単語を得て,音声単語について,複数の用語群のいずれに該当するか分析し,分析された用語群に基づいて,会話に関する発言が入力されるたびに,発言を評価するように機能させる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
この発明は,情報産業において利用されうる。
【符号の説明】
【0035】
1 会話支援装置
3 音声解析部
5 単語群分析部
7 発言評価部
9 推奨用語群表示部
11 画像表示部
【要約】      (修正有)
【課題】会話をリアルタイムに評価できる会話支援方法,装置,プログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】コンピュータを用いた会話支援方法は、コンピュータが,会話に関する音声を解析し,会話に含まれる単語である音声単語を得るための音声解析工程と,音声単語について,単語及びフレーズのいずれか又は両方が含まれる複数の用語群のいずれに該当するか分析するための単語群分析工程と,単語群分析工程で分析された用語群に基づいて,発言を評価する発言評価工程と,を含む。発言評価工程は,会話に関する発言がコンピュータに入力される度に,発言を評価するとともに,さらに会話のうち発言がなされた時点までの評価点を得ることができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8