(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】自転車のフレーム構造
(51)【国際特許分類】
B62K 19/02 20060101AFI20230222BHJP
B62K 19/22 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
B62K19/02
B62K19/22
(21)【出願番号】P 2019068705
(22)【出願日】2019-03-05
【審査請求日】2021-10-04
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502221905
【氏名又は名称】有限会社オオニシ・ヒートマジック
(74)【代理人】
【識別番号】100108280
【氏名又は名称】小林 洋平
(72)【発明者】
【氏名】大西 敬紀
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0050583(KR,A)
【文献】米国特許第05160682(US,A)
【文献】中国実用新案第203237361(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 19/02
B62K 19/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラグ式の自転車チタンフレームで構成されるトップチューブ
とダウンチューブ
の先端がヘッドアングルに溶着して一体化された溶着部とされ、この溶着部の近傍において、トップチューブ、ダウンチューブ
及びヘッドアングルの外周に所要幅で且つ薄い帯状カーボン材を
(内周を除き)外周に巻き付け
接着剤で一体化したことを特徴とする自転車フレーム構造。
【請求項2】
ラグ式の自転車チタンフレームで構成されるダウンチューブとシートチューブ
の先端がラグアングルに溶着して一体化された溶着部とされ、この溶着部の近傍において、ダウンチューブ、シートチューブ
及びラグアングルの外周に所要幅で且つ薄い帯状カーボン材を
(内周を除き)外周に巻き付け
接着剤で一体化したことを特徴とする自転車フレーム構造。
【請求項3】
ラグ式の自転車チタンフレームで構成されるトップチューブとシートチューブ
の先端がシートアングルに溶着して一体化された溶着部とされ、この溶着部の近傍において、トップチューブ、シートチューブ
及びシートアングルの外周に夫々所要幅で且つ薄い帯状カーボン材を
(内周を除き)外周に巻き付け
接着剤で一体化したことを特徴とする自転車フレーム構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自転車ロードレース用の自転車フレーム構造に関するものである
【背景技術】
【0002】
一般にロードレース用自転車でフレーム自体そのものをチタン材で構成し、軽量化、高剛性を図り、またカーボン材で高い弾性、耐熱性を有した構成ものも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-53090 チタン製自転車フレームの表面処理方法に関すもので、チタンそのものの表面を鏡面仕上げする内容のものである。
【特許文献2】特開2010-64508 ラグ式の自転車カーボンフレームであって、フレームを構成するチューブの内、どれか1本あるいは2本を新たに交換することにより、新たに特性の異なったフレームを作る内容のもので、カーボン材そのものの自転車である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自転車ロードレースでスピードを競う場合など、自転車そのものの重量が軽量且つ剛性があることが望ましいことは言うまでもないが、ペタルを踏み込む踏力が強く、そのペタルを踏み込んだ後、ペタルの返しが素早く戻ることで、ペタルの回転が早まりスピードアップに繋がっていくが、このペタルの返しの効率をアップすることが不可欠でその技術が今だ追及されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ラグ式の自転車チタンフレームで構成されるトップチューブ、ダウンチューブで交差されるヘッドアングル近傍に、トップチューブ、ダウンチューブの外周に所要幅で且つ薄い帯状カーボン材を巻き付け一体化したことで、ペタルを踏込みと車体(フレーム)全体が左右いずれかに傾き、その復元力にダウンチューブ等に巻き付けたチタンチューブと一体のカーボン材反発力作用で車体の傾きを素早く戻る方向に働かせ、ペタル等の回転効率が向上し、スピードアップに繋げようとするものである。。
【発明の効果】
【0006】
左右のペダルを夫々踏み込んだ際、車体も左右どちらかに傾き、傾きから立ちなろうとし、また踏み込んだペダルの返しが素早く戻り、ペダルの回転力が増し、スピードアップに繋がる効果をもたらす、またチタン材、カーボン材の一体化フレームとなっており、軽量、剛剛性であり、柔軟性、耐熱性等優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施の形態を
図1~
図5に基づいて説明する。
【実施例】
【0009】
図1は自転車の全体図で、車体(フレームに前輪、後輪が取り付けられ、ペダルが左右に180°位相をずらし
た位置で取り付けられ、その中心部に歯車を介して後輪の歯車とチェーンを介して連結し、トップチューブの上部にサドルが固定され、その先端にはハンドルが取り付けられている構成になっている。
図2においては、フレームの骨格状態図で、トップチューブ1とダウンチューブ2の先端がヘッドアングル4に溶着され一体化されている
。A、Bは溶着部であり、▲イ▼部拡大図の如く、その外周を薄い帯状カーボン材で覆っている。
ダウンチューブ2の他端とシートチューブ3の他端はラグアングル5に溶着されている
。C、D部は溶着部であり、17▲ハ▼部拡大図の如く、薄い帯状カーボン材で覆われている。シートチューブ3の先端とトップチューブ1との他端はシートアングル6に溶着されている。
E、F部は溶着部であり、16▲ロ▼部拡大図の如く薄い帯状カーボン材で覆われている。7はリヤーチューブアップRで、8はリヤーチューブダウンRである。18は、リヤーチューブアップLで、19はリヤーチューブダウンLである。リヤーチューブR、7、8、リヤーチューブL、18、19、は夫々、シートアングル
6、ラグアングル
5に溶着されている。15の薄いカーボン材Xは、ヘッドアングル4及びトップチューブ1、ダウンチューブ2の外周に巻き付けられ接着剤等でそれぞれのチューブと一体化されている。
16の薄いカーボン材Yは、トップチューブ1の他端及びシートチューブの先端、更にリヤーチューブアップR、リヤーチューブアップLがシートアングル6に溶着されている夫々の外周に16シートポットカーボンYが巻き付けられ接着剤等で一体化されている。17のラグカーボンZは、ダウンチューブ2の他端、シートチューブ3の他端、更に7のリヤーチューブアップR、8のリヤーチューブダウンRがラグアングル5に溶着されているその外周を覆っており、接着剤等で一体化されている。この15のヘッドカーボンX、16のシートポットカーボンY、ラグカーボンZの連結部はペダルを踏み込んだ際、車体が傾き歪みが生じる、この歪みを是正すべく作用し、その復元作用で、車体が正常位置に戻そうとする補助作用が働き、ペダルの回転力も増加し増速に繋がる。
図示部は薄い帯状カーボンが巻き付いている状態を表している。
帯状カーボンは、ヘッドアングル4、ラグアングル5、シートアングル6の夫々位置から、0.1ミリの厚さで、10mm~15mmの幅が望ましいことが実験で確認された。0.1ミリの厚さを数枚重ねて使用することも可能で、反発係数を強く求めたい場合等適宣条件に応じて使用する。
【符号の説明】
【0010】
1トップチューブ
2ダウンチューブ
3シートチューブ
4ヘッドアングル
5ラグアングル
6シートアングル
7リヤーチューブアップR
8リヤーチューブダウンR
9駆動チェーン
10前輪
11後輪
12ペダル
13ハンドル
14サドル
15ヘッドパイプ用ヘッドカーボンX
16シートポットアップカーボンY
17ラグカーボンZ
18リヤーチューブアップL
19リヤーチューブダウンL
20ギヤー