(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】保持具
(51)【国際特許分類】
A47D 9/02 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
A47D9/02
(21)【出願番号】P 2020040338
(22)【出願日】2020-03-09
【審査請求日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】P 2019225820
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511305117
【氏名又は名称】株式会社Ai-met NEO
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 友哉
(72)【発明者】
【氏名】石田 明彦
(72)【発明者】
【氏名】藍原 康雄
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1844733(KR,B1)
【文献】米国特許第10117523(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0277309(US,A1)
【文献】国際公開第2010/070156(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47D 1/00-15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部が上方に位置するように使用者を縦向きの姿勢で支持する縦抱き部と、
前記縦抱き部を、上下方向
の揺動動作と旋回方向
の揺動動作と
を同時に行い、上下方向及び旋回方向に対して斜めに上下動作させる揺動機構と、を備え、
前記縦抱き部は、前記揺動機構に着脱自在であり、
前記縦抱き部は、上下方向に延び、少なくとも前記使用者の腹部から胸部に至る間に渡って前記使用者を前方から支持する前当て部を有する
保持具。
【請求項2】
頭部が上方に位置するように使用者を縦向きの姿勢で支持する縦抱き部と、
前記縦抱き部を、上下方向と旋回方向との組み合わせで揺動させる揺動機構と、
前記縦抱き部の下方に
設けられ、前記使用者を載置可能な仮置き座面
と、
を備え、
前記縦抱き部は、前記揺動機構に着脱自在であり、
前記縦抱き部は、上下方向に延び、少なくとも前記使用者の腹部から胸部に至る間に渡って前記使用者を前方から支持する前当て部を有する
保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
揺動保持具としては、例えば乳児や幼児(以下、乳幼児という)を着座させた状態で乳幼児を振り子のように揺動させるものがある(例えば、特許文献1参照)。これにより、乳幼児は心地よい揺れを体感でき、乳幼児を落ち着かせたり楽しませたりすることができる。
また、従来から乳幼児の頭部が上方に位置するように縦向きの姿勢で抱きかかえた状態(以下、この状態を縦抱き状態という)で使用する子守帯がある(例えば、特許文献2参照)。子守帯によって、乳幼児を抱きかかえる親の労力を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-221269号公報
【文献】特開2019-76629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献2のような子守帯を用い、縦抱き状態で乳幼児を落ち着かせたところで親が家事等を行いたい場合、落ち着いた乳幼児を例えばベッドに横向きに寝かせようとすると乳幼児が再び起きだして親が乳幼児から手を離せなくなる場合がある。
特許文献1のような揺動保持具では、乳幼児が起きている場合には使用できるが乳幼児を寝かしつけようとした場合には乳幼児の姿勢が不安定になってしまう可能性があった。また、縦抱き状態で寝ている乳幼児に使用させるのは困難である可能性があった。乳幼児を横向きに寝かせた状態のまま揺動する保持具もあるが、乳幼児によっては縦抱き状態を好む場合もある。
【0005】
そこで、本発明は、乳幼児を縦抱き状態のまま落ち着かせることができる保持具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る保持具は、頭部が上方に位置するように使用者を縦向きの姿勢で支持する縦抱き部と、前記縦抱き部を、上下方向の揺動動作と旋回方向の揺動動作とを同時に行い、上下方向及び旋回方向に対して斜めに上下動作させる揺動機構と、を備え、前記縦抱き部は、前記揺動機構に着脱自在であり、前記縦抱き部は、上下方向に延び、少なくとも前記使用者の腹部から胸部に至る間に渡って前記使用者を前方から支持する前当て部を有する。
【0007】
このように構成することで、縦抱き部によって使用者(例えば乳幼児)の縦向きでの自然な姿勢を維持できる。このため、乳幼児を縦抱き状態のまま落ち着かせることができる。
縦抱き部のみを例えば持ち歩きできる。また、さまざまな取付体に縦抱き部を取り付けることができ、縦抱き部をさまざまな場面、用途で利用することが可能になる。よって、使い勝手のよい保持具を提供できる。
揺動機構によって使用者に心地よい揺れを体感させることができる。このため、このため、乳幼児を縦抱き状態のまま落ち着かせることができる。
【0012】
本発明に係る保持具は、頭部が上方に位置するように使用者を縦向きの姿勢で支持する縦抱き部と、前記縦抱き部を、上下方向と旋回方向との組み合わせで揺動させる揺動機構と、前記縦抱き部の下方に設けられ、前記使用者を載置可能な仮置き座面と、を備え、前記縦抱き部は、前記揺動機構に着脱自在であり、前記縦抱き部は、上下方向に延び、少なくとも前記使用者の腹部から胸部に至る間に渡って前記使用者を前方から支持する前当て部を有する。
【0013】
このように構成することで、一旦仮置き座面に使用者を載置した後、縦抱き部に支持させる姿勢を使用者にとらせることができる。このため、保持具を使用者に使用させる親等の負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の保持具によれば、乳幼児を縦抱き状態のまま落ち着かせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施形態における揺動保持具の斜視図。
【
図2】本発明の実施形態における乳幼児による揺動保持具の使用状態を示す説明図。
【
図3】本発明の実施形態における骨格部を使用者側からみた斜視図。
【
図4】本発明の実施形態における骨格部を反使用者側からみた斜視図。
【
図5】本発明の実施形態における骨格部を上からみた平面図。
【
図6】本発明の実施形態における骨格部を下からみた平面図。
【
図7】本発明の実施形態の変形例における揺動保持具の縦抱き部の使用パターンを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
<揺動保持具>
図1は、揺動保持具1の斜視図である。
図2は、乳幼児Yによる揺動保持具1の使用状態を示す説明図である。なお、
図1では、揺動保持具1のキャリア5を取り外した状態を示している。また、以下の説明では、フロアF上に揺動保持具1を使用可能な状態で置いた姿勢での上下方向を、単に上下方向という。
【0034】
図1、
図2に示すように、揺動保持具1は主に乳幼児Yに使用させるものである。揺動保持具1は、ベース部2と、ベース部2上に設けられた揺動機構3と、揺動機構3上に設けられた保持具90と、保持具90の上部から吊るされるように設けられたキャリア5と、を主構成としている。
【0035】
保持具90は、縦抱き部4を有している。乳幼児Yは、頭部Ytが上方に位置した縦向きの姿勢で、かつ縦抱き部4側を向いてこの縦抱き部4を正面から抱きかかええるようにして支持される。以下の説明では、縦抱き部4からこの縦抱き部4を抱きかかえる乳幼児Y側を使用者側といい、この使用者側とは反対側を反使用者側という。使用者側及び反使用者側方向を前後方向という。また、乳幼児Yが縦抱き部4を抱きかかえた向きで、乳幼児Yの左右方向を単に左右方向という。また、上下方向を法線方向とする面の面方向を水平方向という場合がある。使用者側、反使用者側の方向、及び左右方向は、水平方向と平行である。
【0036】
<ベース部>
ベース部2は、円板状のベース部本体6を有している。ベース部本体6の面方向は水平方向に沿っている。ベース部本体6の外周部のうち反使用者側には、ベース部本体6の一部を切除した形の平坦部6aが形成されている。平坦部6aは、揺動機構3の一部の位置決めを行うためのものである。
また、ベース部本体6の外周部には、このベース部本体6の径方向に沿って延びる4つのベースアーム7が周方向に等間隔で放射状に設けられている。各ベースアーム7は、ベース部本体6の平坦部6aを避けるように配置されている。各ベースアーム7の先端には、キャスター8が設けられている。キャスター8の車輪8aによって、揺動保持具1は、フロアF上を走行できる。
【0037】
<揺動機構>
揺動機構3は、ベース部本体6上に設けられた第1揺動機構部11と、第1揺動機構部9上に設けられた第2揺動機構部12と、を備えている。
第1揺動機構部11は、ベース部本体6上に設けられた円筒状の第1支持体13を有している。第1支持体13の中心軸線は上下方向に沿っている。第1支持体13の径方向内側には、第1支持体13と同心円上に配置された円筒状の揺動ガイド14が回転自在に支持されている。揺動ガイド14の上部は、第1支持体13から突出されている。
【0038】
この突出された揺動ガイド14の突出部14aのうち、揺動ガイド14の上端には、使用者側から反使用者側に向けて漸次上方に向かうように傾斜された傾斜面14bが形成されている。この傾斜面14bは、縦抱き部4の揺動方向を規制する(詳細は後述する)。
また、揺動ガイド14の突出部14aには、傾斜面14bよりも下方に第1外歯歯車15が設けられている。第1外歯歯車15は、揺動ガイド14と同心円上に配置され、かつ揺動ガイド14と一体となって回転する。
【0039】
第1外歯歯車15には、第2外歯歯車16が噛み合わされている。第2外歯歯車16は、第1外歯歯車15の反使用者側に配置されている。第2外歯歯車16には、第1モータ17のモータ軸17aが取り付けられている。第1モータ17によって第2外歯歯車16が回転される。第1モータ17は、ブラケット18を介して第1支持体13に固定されている。また、第1モータ17は、ベース部本体6の平坦部6aに側面が当接されている。これにより、ベース部本体6に対する第1モータ17の位置決めが行われている。
【0040】
第2揺動機構部12は、第1揺動機構部11における揺動ガイド14の径方向内側に配置された円筒状の支持ケース21を有している。支持ケース21は、揺動ガイド14と同心円上に配置されている。支持ケース21は、揺動ガイド14に対して回転自在、かつ上下方向に移動自在に設けられている。支持ケース21の上部は、揺動ガイド14の傾斜面14bを介して上方に突出されている。支持ケース21の上端には、円板状のベースプレート27が設けられている。ベースプレート27は、支持ケース21と同心円上に配置されている。ベースプレート27は、後述のターンテーブル23及び第2モータ25を支持する。
【0041】
支持ケース21内には、支持シャフト26が支持ケース21に対して回転自在、かつ上下方向に移動自在に設けられている。支持シャフト26も支持ケース21と同様に揺動ガイド14の傾斜面14bを介して上方に突出されている。
この突出された支持シャフト26の突出部26aには、使用者側に、ローラ20が設けられている。ローラ20は、支持ケース21を介してこの支持ケース21の外周面から突出されている。ローラ20は、揺動ガイド14の傾斜面14bに配置されている。支持シャフト26が回転すると、揺動ガイド14の傾斜面14bに沿ってローラ20が移動する。
【0042】
支持シャフト26における突出部26aの上端は、支持ケース21よりも突出されている。この突出部26aの上端には、アタッチ22を介して円板状のターンテーブル23が設けられている。ターンテーブル23は、支持シャフト26と同心円上に配置されており、支持シャフト26に対して回転自在に設けられている。
ターンテーブル23の外径は、ベースプレート27の外径とほぼ同一である。ターンテーブル23とベースプレート27との間には、複数のボールキャスター28が周方向に等間隔で配置されている。これらボールキャスター28によって、ベースプレート27に対してターンテーブル23が回転自在に支持される。
【0043】
ターンテーブル23の下面23aには、外周部の反使用者側に、リンク機構24を介して第2モータ25のモータ軸25aが取り付けられている。
リンク機構24は、複数(例えば本実施形態では2本)のリンクアーム24aを回転自在に連結したものである。リンク機構24の一端(一方のリンクアーム24aの端部)がターンテーブル23に連結されている。リンク機構24の他端(他方のリンクアーム24aの端部)は、第2モータ25のモータ軸25aに取り付けられている。
第2モータ25は、ブラケット29を介してベースプレート27に固定されている。ブラケット29は、ベースプレート27から反使用者側に向かって延びている。
このような構成のもと、第2モータ25のモータ軸25aを一方向に回転させると、リンク機構24を介してターンテーブル23が所定回転角の範囲で旋回揺動する。
【0044】
ここで、第1モータ17や第2モータ25は、支持シャフト26に対して反使用者側に位置しているので、揺動機構3の全体の重心は、支持シャフト26よりも反使用者側に位置している。
【0045】
ターンテーブル23の上面23bには、外周部の使用者側に、仮置き座面30が取り付けられている。仮置き座面30は、ターンテーブル23と一体となって旋回揺動する。仮置き座面30は、乳幼児Yに揺動保持具1を使用させる際、例えば親が一旦乳幼児Yを座らせておく場所である。
仮置き座面30は、面方向が水平面に沿う板状の部材である。仮置き座面30は、上下方向からみて左右方向の延びる座面本体31と、座面本体31の反使用者側から延出された取付部32と、が一体成形されたものである。座面本体31が乳幼児Yを座らせる場所である。
【0046】
取付部32は、座面本体31の左右方向中央に配置されている。この取付部32が、ターンテーブル23の上面23bに取り付けられる。
座面本体31の大部分には、開口部31aが形成されている。開口部31aによって座面本体31の通気性が確保されているとともに、座面本体31の軽量化が図られている。
座面本体31の反使用者側には、左右方向両側から取付部32に向かうに従って先細りとなるように傾斜された傾斜辺31bが形成されている。傾斜辺31bによって、座面本体31の反使用者側で、かつ取付部32を挟んで両側にスペースが確保される。このスペースは、座面本体31に乳幼児Yを座らせた際、乳幼児Yの脚を伸ばすスペースとして用いることができる。
【0047】
また、ターンテーブル23の上面23bには、支持プレート33を介して縦抱き部4が支持されている。支持プレート33は、ターンテーブル23の上面23bから上方に向かって延びる板状の部材である。支持プレート33の軸方向に対して傾倒可能(回動自在)に縦抱き部4が支持されている。つまり、縦抱き部4は、支持シャフト26のほぼ真上に位置している。縦抱き部4は、支持プレート33を介してターンテーブル23と一体化されている。
【0048】
<縦抱き部>
縦抱き部4は、縦抱き部4の外郭を形成する骨格部41と、骨格部41の外表面を被覆するクッション部42と、を備えている。クッション部42は、骨格部41の外郭形状に対応するように形成されている。骨格部41の外郭形状についての詳細は、後述する。クッション部42は、例えばウレタン樹脂等の柔らかい素材によって形成されている。しかしながら、これに限られるものではなく、クッション部42は、骨格部41と比較して柔らかい素材であればよい。またクッション部42は、通気性のよい素材により形成することが望ましい。
【0049】
図3は、骨格部41を使用者側からみた斜視図である。
図4は、骨格部41を反使用者側からみた斜視図である。
図5は、骨格部41を上からみた平面図である。
図6は、骨格部41を下からみた平面図である。
図2から
図6に示すように、骨格部41は、例えば硬質樹脂によって内部に空洞部41aを有する筒状に形成されている。骨格部41の上下方向の長さは、乳幼児Yの臀部Ydから頭部Ytに至る間の長さよりも長い。骨格部41は、下胴体43と、下胴体43の上端に一体成形された上胴体44と、を有している。
【0050】
下胴体43は、主に乳幼児Yの臀部Yd付近を支持する役割を有する。下胴体43は、全体的に上下方向からみて左右方向に若干長い長円形状に形成されている。下胴体43の空洞部41aには、前後方向の略中央に、左右方向及び上下方向に面する板状の横リブ45が形成されている。横リブ45は、縦抱き部4の機械的強度を高めるためのものである。下胴体43の横リブ45よりも反使用者側は、上下方向からみて左右方向に長い長方形状に形成されている。これにより、下胴体43の反使用者側には、左右方向及び上下方向に面する平坦部43aが形成されている。
【0051】
下胴体43の横リブ45よりも使用者側には、この使用者側に向かって凸となるように湾曲する凸部46が形成されている。凸部46は、乳幼児Yを前方から支持する前当て部55の一部を構成している。
凸部46について具体的に説明すると、凸部46は、左右方向両側よりも左右方向中央側が使用者側に向かって膨出するように湾曲形成されている。また、凸部46は、上端から下端に向かうに従って使用者側に向かって膨出するように湾曲形成されている。
【0052】
このような凸部46の使用者側の湾曲面46a、及び反使用者側の平坦部43aには、下胴体43の外部と空洞部41aとを連通する複数の通気孔48が形成されている。通気孔48は、下方に向かうに従って末広がりとなるように扇状に形成されている。しかしながら、通気孔48の形状はこれに限られるものではなく、円形、四角形等、さまざまな形状とすることができる。例えば、通気孔48を円形とすることにより、応力が通気孔48の一部に局所的にかかってしまうことを防止でき、骨格部41の機械的強度を高めることができる。複数の通気孔48のうち、左右方向中央には、他の通気孔48と比較して開口面積の大きい大通気孔48aが複数形成されている。大通気孔48aは、上下方向に並んでかつ左右方向に2列並んで配置されている。大通気孔48aは、例えば縦抱き部4を組み立てる際に使用される図示しない工具等を通す孔として利用される。これにより、縦抱き部4の組立性を向上できる。
【0053】
下胴体43の空洞部41aには、横リブ45と凸部46の湾曲面46aとの間に跨る縦リブ47が2つ形成されている。2つの縦リブ47は、左右方向に並んで配置されている。これら2つの縦リブ47に、支持プレート33の上部が回動自在に取り付けられている。これにより、縦抱き部4は、支持プレート33に対して使用者側及び反使用者側に傾倒された姿勢をとることができる。
【0054】
上胴体44は、主に乳幼児Yの頭部Yt付近を支持する役割を有する。上胴体44は、全体的に上下方向からみて左右方向に若干長い長円形状に形成されている。上胴体44の使用者側の面も、乳幼児Yを前方から支持する前当て部55として構成されている。つまり、前当て部55は、乳幼児Yの臀部Ydから頭部Ytに至る全体に渡って乳幼児Yを前方から支持する。上胴体44の前当て部55には、使用者側に向かって膨出する2つの膨出部49が形成されている。2つの膨出部49は、上胴体44の左右方向に2つ並んで配置されている。
【0055】
2つの膨出部49は、左右方向両側よりも左右方向中央寄りが膨出するように形成されている。また、2つの膨出部49は上胴体44の上下方向全体にわたって形成されている。したがって、2つの膨出部49の間、つまり、上胴体44の左右方向中央には、谷間52が形成される。2つの膨出部49は、上胴体44における上下方向中央よりもやや下側が最も膨出するように形成されている。
【0056】
上胴体44の反使用者側は、下胴体43の平坦部43aよりも若干反使用者側に膨出されている。上胴体44における反使用者側の下部には、下方に向かって突き出し部50が形成されている。突き出し部50は、上胴体44の下端から平坦部43aの上下方向略中央に至るまで延出されている。突き出し部50の表面は、上胴体44の表面と滑らかに接続されている。突き出し部50は、前後方向からみて下方に向かうに従って漸次先細りとなるように形成されている。突き出し部50によって、骨格部41の機械的強度を高めることができる。
【0057】
このような上胴体44には、前当て部55及び反使用者側の面に、上胴体44の外部と空洞部41aとを連通する複数の通気孔51が形成されている。通気孔51の形状は、下胴体43の通気孔48の形状と同一である。すなわち、通気孔51は、下方に向かうに従って末広がりとなるように扇状に形成されている。しかしながら、通気孔51の形状はこれに限られるものではなく、円形、四角形等、さまざまな形状とすることができる。複数の通気孔51のうち、左右方向中央(使用者側の面にあっては谷間52)には、他の通気孔51と比較して開口面積の大きい大通気孔51aが複数形成されている。大通気孔51aは、上下方向に並んでかつ左右方向に2列並んで配置されている。
【0058】
<帯支持部>
図1、
図2に戻り、縦抱き部4の上部には、帯支持部60が設けられている。帯支持部60は、キャリア5を支持するためのものである。帯支持部60は、縦抱き部4における骨格部41の空洞部41aに配置された2つのアーム61を有している。2つのアーム61は、骨格部41の空洞部41aに配置されている。2つのアーム61は、上下方向に長い板状で、厚さ方向が左右方向となるように配置されている。また、2つのアーム61は、左右方向に並んで配置されている。2つのアーム61は、骨格部41の内側面に固定されるとともにターンテーブル23の上面23bに設けられた支持プレート33に傾倒可能(回動自在)に連結されている。この支持プレート33を介し、支持プレート33の軸方向に対して傾倒可能(回動自在)に縦抱き部4が支持されている。
【0059】
2つのアーム61の上部は、骨格部41から上方に突出されている。この突出した部位には、ハンドル挿通孔61aが形成されている。ハンドル挿通孔61aには、円柱状の支持ハンドル62が挿通されている。この支持ハンドル62に、キャリア5が支持される。支持ハンドル62は、2つのハンドル挿通孔61aに挿通され、かつ2つのアーム61の周方向両側から突出する長さに形成されている。支持ハンドル62は、2つのアーム61に固定されている。
【0060】
<キャリア>
図2に示すように、キャリア5は、乳幼児Yを保持しながら縦抱き部4へと乳幼児Yを引き寄せる。キャリア5は、乳幼児Yの臀部Ydから背部Yhに至る間を保持するシート部71と、シート部71から延びる下帯部72及び上帯部73と、を有している。
下帯部72の両端部は、シート部71の座面71aにおける左右方向の両側に結合されて輪を形成している。上帯部73は、シート部71の背当て部71bにおける左右方向両側に設けられている。各上帯部73の両端部は、それぞれ対応する背当て部71bの側部に結合され輪を形成している。上帯部73の長さは調整可能である。
【0061】
このような構成のもと、キャリア5は、縦抱き部4の下部の周囲に下帯部72が巻き付くように取り付けられる。また、キャリア5は、支持ハンドル62の左右に上帯部73を引っ掛けるようにして取り付けられる。つまり、上帯部73は、支持ハンドル62に吊るされている。
【0062】
ここで、帯支持部60は、縦抱き部4の上部に設けられている。つまり、骨格部41の空洞部41aから上方に突出するアーム61に、支持ハンドル62が設けられている。このような支持ハンドル62に上帯部73が吊るされているので、乳幼児Yは自重により縦抱き部4の前当て部55側へと引き寄せられる。このため、キャリア5と縦抱き部4の前当て部55とにより、乳幼児Yを保持できる。
【0063】
また、縦抱き部4は、ターンテーブル23の上面23bに設けられた支持プレート33を介し、支持シャフト26の軸方向に対して縦抱き部4が傾倒可能に支持されている。このため、例えば縦抱き部4を反使用者側に僅かに傾けると(
図2における矢印Y1、及び2点鎖線参照)、縦抱き部4の前当て部55に乳幼児Yをさらに寄りかからせることができる。このため、縦抱き部4の角度を変更することにより、縦抱き部4に乳幼児Yを密着させることが可能である。また、縦抱き部4の前当て部55によって乳幼児Yを確実に支持できる。
【0064】
<揺動保持具を使用する際の準備>
次に、乳幼児Yに揺動保持具1を使用させる際の準備について説明する。
揺動保持具1にキャリア5を取り付けている場合、まず、縦抱き部4及び帯支持部60からキャリア5を取り外す。そして、このキャリア5のシート部71を、仮置き座面30上に載置する。仮置き座面30に載置されたシート部71に、乳幼児Yを乗せる。この後、縦抱き部4に下帯部72を取り付けるとともに帯支持部60に上帯部73を取り付ける。
【0065】
すると、帯支持部60の支持ハンドル62に上帯部73が吊るされて、乳幼児Yは自重により縦抱き部4の前当て部55側へと引き寄せられる。これにより、縦抱き部4の前当て部55に乳幼児Yが密着され、前当て部55が乳幼児Yを前方から支持する。キャリア5は、乳幼児Yを後方から支持する。つまり、キャリア5は、縦抱き部4による乳幼児Yの支持をサポートしている。
【0066】
また、乳幼児Yの臀部Yd付近は、縦抱き部4の下胴体43によって支持される。下胴体43には凸部46が形成されているので、乳幼児Yは脚で下胴体43を抱え込みやすい。さらに、乳幼児Yの頭部Yt付近は、縦抱き部4の上胴体44によって支持される。上胴体44には、2つの膨出部49が左右方向に並んで形成され、これら膨出部49の間に谷間52が形成される。この谷間52に乳幼児Yの頭部Ytが収まることにより、この頭部Ytが安定される。
【0067】
<揺動保持具の動作>
次に、揺動保持具1の動作について説明する。
揺動保持具1の縦抱き部4は、第1揺動機構部11、及び第2揺動機構部12を動作させることにより、上下揺動、旋回揺動、上下旋回揺動の3つのパターンで揺動動作する。上下旋回揺動とは、上下揺動と旋回揺動との組み合わせである。各揺動動作によって、揺動保持具1に保持されている乳幼児Yに心地よい揺れを体感させることができる。以下、各揺動動作について詳述する。
【0068】
<上下揺動動作>
まず、上下揺動動作について説明する。
上下揺動動作の場合、第1揺動機構部11の第1モータ17のみを駆動させる。第1モータ17を駆動させると、各外歯歯車15,16を介して揺動ガイド14が回転される。この際、第2揺動機構部12の支持シャフト26の回転は規制されている。このため、揺動ガイド14が回転されると、この揺動ガイド14の傾斜面14bに沿って支持シャフト26に設けられたローラ20が移動される。
すると、揺動ガイド14の回転に対応して支持シャフト26が上下揺動される。支持シャフト26の上下揺動に追随するようにターンテーブル23が上下揺動される。このターンテーブル23に支持プレート33を介して一体化されている縦抱き部4も上下揺動される(
図1における矢印Z参照)。
【0069】
<旋回揺動動作>
次に、旋回揺動動作について説明する。
旋回揺動動作の場合、第2揺動機構部12の第2モータ25のみを駆動させる。第2モータ25を駆動させると、リンク機構24を介してターンテーブル23が所定回転角の範囲で旋回揺動される。ターンテーブル23は、支持シャフト26に対して回転自在に設けられている。このため、ターンテーブル23が回転されても支持シャフト26が回転されることがない。
【0070】
つまり、支持シャフト26に設けられたローラ20と揺動ガイド14との相対位置が変化されることがなく、揺動ガイド14の傾斜面14bに沿ってローラ20が移動されない。この結果、支持シャフト26が上下揺動されることなく、ターンテーブル23のみが旋回揺動される。ターンテーブル23が旋回揺動されると、このターンテーブル23に支持プレート33を介して一体化されている縦抱き部4も旋回揺動される(
図1における矢印θ参照)。
【0071】
<上下旋回揺動動作>
次に、上下旋回揺動動作について説明する。
上下旋回揺動動作の場合、第1揺動機構部11の第1モータ17、及び第2揺動機構部12の第2モータ25の両方のモータ17,25を駆動させる。すると、第1揺動機構部11の第1モータ17によって揺動ガイド14が回転され、支持シャフト26が上下揺動される。この支持シャフト26の上下揺動に追随してターンテーブル23及び縦抱き部4が上下揺動される。また、第2揺動機構部12の第2モータ25によってターンテーブル23が旋回揺動される。このため、縦抱き部4も旋回揺動される。このように、縦抱き部4は、上下揺動動作と旋回揺動動作とが同時に行われる。
【0072】
ここで、例えば親が乳幼児Yを抱きかかえてあやす場合、上下に揺らしながら左右にも揺らす場合が多い。すなわち、揺動保持具1の上下旋回揺動動作は、親が乳幼児Yを抱きかかえてあやす場合の動きにできるかぎり類似させることができる。
【0073】
このように、上述の揺動保持具1は、乳幼児Yを前方から支持する前当て部55を有する縦抱き部4と、縦抱き部4を揺動動作させる2つの揺動機構部11,12と、を備えている。このため、縦抱き部4によって乳幼児Yの縦向きでの自然な姿勢を維持しつつ、各揺動機構部11,12によって乳幼児Yに心地よい揺れを体感させることができる。このため、乳幼児Yを縦抱き状態のまま落ち着かせることができる。
【0074】
揺動保持具1は、キャリア5を備えている。このため、キャリア5によって縦抱き部4による乳幼児Yの支持をサポートできる。このため、乳幼児Yの縦抱き状態をさらに安定させることができる。
キャリア5は、乳幼児Yの臀部Ydから背部Yhに至る間を保持するシート部71と、シート部71から延びる下帯部72及び上帯部73と、を有している。縦抱き部4の上部には、上帯部73を吊るす帯支持部60が設けられている。このため、キャリア5によって縦抱き部4の前当て部55に乳幼児Yを引き寄せることができる。この結果、縦抱き部4に乳幼児Yを密着させることができ、乳幼児Yが安心感を得ることができる。よって、乳幼児Yを縦抱き状態のまま、より確実に落ち着かせることができる。
【0075】
ターンテーブル23の上面23bには、外周部の使用者側に、仮置き座面30が取り付けられている。つまり、縦抱き部4の下方に、仮置き座面30が配置されている。この仮置き座面30に乳幼児Yを一旦載置した後、縦抱き部4に乳幼児Yを支持させる姿勢をとらせることができる。このため、揺動保持具1を乳幼児Yに使用させる親等の負担を軽減できる。
【0076】
縦抱き部4(骨格部41)の上胴体44には、使用者側に向かって膨出する2つの膨出部49が形成されている。このため、乳幼児Yに無理な姿勢をとらせることなく、縦抱き部4によって乳幼児Yを支持できる。また、上胴体44の前当て部55を平面とした場合と比較して、乳幼児Yに対する圧迫を低減できる。さらに、2つの膨出部49の間に乳幼児Yの頭部Ytを配置でき、頭部Ytを安定させることができる。
【0077】
縦抱き部4(骨格部41)の下胴体43には、使用者側に向かって凸となる凸部46が形成されている。凸部46によって、乳幼児Yが脚で下胴体43を抱え込みやすくすることができる。この凸部46の上部に、2つの膨出部49が左右方向に並べて配置されている。このため、これら膨出部49の間に形成される谷間52に乳幼児Yの頭部Ytが収まることにより、この頭部Ytを安定させることができる。換言すれば、縦抱き部4に支持されている乳幼児Yが疑似的に母体に抱きかかえられている安心感を得ることができる。
【0078】
縦抱き部4は、縦抱き部4の外郭を形成する骨格部41と、骨格部41の外表面を被覆し骨格部41よりも柔らかいクッション部42と、を備えている。クッション部42を設けることによって、縦抱き部4に支持された乳幼児Yの違和感を軽減できる。
骨格部41は、内部に空洞部41aを有する筒状に形成されている。骨格部41には、複数の通気孔48,48a,51,51aが形成されている。このため、縦抱き部4と乳幼児Yとの間の通気性を確保でき、乳幼児Yの身体が蒸れてしまうことを抑制できる。
【0079】
各揺動機構部11,12によって、縦抱き部4を上下揺動、旋回揺動、上下旋回揺動の3つのパターンで揺動動作させることができる。このため、使用する乳幼児Yの好みに応じて乳幼児Yごとに心地よい揺れを体感させることができる。
縦抱き部4は、支持シャフト26のほぼ真上に位置している。これに対し、揺動機構3の全体の重心は、支持シャフト26よりも反使用者側に位置している。つまり、揺動機構の3重心位置は、縦抱き部4を挟んで乳幼児Yの位置とは反対側である。このため、揺動保持具1を使用する際、乳幼児Yの自重によって揺動保持具1が傾き、揺動保持具1が倒れてしまうことを防止できる。
【0080】
[変形例]
次に、
図7に基づいて、揺動保持具1の変形例について説明する。
ここで、揺動保持具1のうち、縦抱き部4及び帯支持部60は、一体となって支持プレート33から脱着させることができる。換言すれば、縦抱き部4は、揺動機構3に対して着脱自在であり、単体で使用可能である。以下、縦抱き部4の使用パターンについて詳述する。
【0081】
図7は、揺動保持具1の縦抱き部4の使用パターンを示す説明図である。
図7に示すように、縦抱き部4は、帯支持部60の2つのアーム61の下端にアタッチ80を設けることにより、このアタッチ80を介してさまざまな取付体に着脱させることが容易にできる。取付体とは、縦抱き部4が取り付けられるものであって、例えば、揺動機構3の他に乳母車95や車両92のシート94が挙げられる。
すなわち、例えば、上述の揺動保持具1の揺動機構3に、アタッチ80を介して縦抱き部4を着脱できる。また、例えば、乳母車95の座面91に、アタッチ80を介して縦抱き部4を着脱できる。また、例えば、車両92のシート座面93に、アタッチ80を介して縦抱き部4を着脱できる。
【0082】
このように、上述の変形例では、縦抱き部4のみを持ち歩きできる。また、さまざまな取付体(例えば、揺動機構3、乳母車95、車両92のシート94等)に縦抱き部4を取り付けることができ、縦抱き部4をさまざまな場面、用途で利用することが可能になる。このため、使い勝手のよい揺動保持具1を提供できる。
【0083】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、揺動保持具1は、キャリア5を備えている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、キャリア5として揺動保持具1とは別の子守帯を使用する事も可能である。揺動保持具1の帯支持部60に支持させることが可能な子守帯であればよい。
【0084】
縦抱き部4には、左右方向に2つ並んで配置された膨出部49が形成されている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、縦抱き部4に少なくとも1つの膨出部49が形成されていればよい。膨出部49を1つ有していれば、乳幼児Yが縦抱き部4を抱きかかえやすくなる。
【0085】
縦抱き部4には、下胴体43の横リブ45よりも使用者側に、この使用者側に向かって凸となるように湾曲する凸部46が形成されている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、下胴体43に凸部46を形成せずに平坦としてもよい。
縦抱き部4において、骨格部41の上下方向の長さは、乳幼児Yの臀部Ydから頭部Ytに至る間の長さよりも長い場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、骨格部41の上下方向の長さは、少なくとも乳幼児Yの腹部Yfから胸部Yk(
図2参照)に至る間に渡って乳幼児Yを前方から支持できる長さであればよい。
【0086】
シート部71は、乳幼児Yの臀部Ydから背部Yhに至る間を保持するように座面71aと背当て部71bとを有している場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、シート部71は、少なくとも乳幼児Yの背部Yhを保持できればよい。この場合、乳幼児Yを例えば仮置き座面30に座らせる。また、仮置き座面30に代わって乳幼児Yを座らせる座面を用意してもよい。
【0087】
キャリア5は、乳幼児Yの臀部Ydから背部Yhに至る間を保持するシート部71と、シート部71から延びる下帯部72及び上帯部73と、を有している場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、乳幼児Yを下方及び背部Yhから支持可能な構造であればよい。帯支持部60に取り付ける帯部を有していなくてもよい。
また、キャリア5を用いずに縦抱き部4のみで乳幼児Yを支持させるようにしてもよい。この場合、縦抱き部4に乳幼児Yが寄りかかるように縦抱き部4を傾け(
図2における二点鎖線で示す縦抱き部4参照)、縦抱き部4の前当て部55で乳幼児Yを前方から確実に支持させることが好ましい。また、この場合、仮置き座面30に乳幼児Yを座らせる。
【0088】
揺動保持具1は、2つの揺動機構部11,12を有している場合について説明した。そして、縦抱き部4は、第1揺動機構部11、及び第2揺動機構部12を動作させることにより、上下揺動、旋回揺動、上下旋回揺動の3つのパターンで揺動動作する場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、揺動保持具1は、少なくとも1つの揺動機構部11,12を有していればよい。そして、縦抱き部4は、上下揺動、旋回揺動、上下旋回揺動の3つのパターンのうち、少なくともいずれか1つのパターンで揺動動作すればよい。
【0089】
揺動保持具1のターンテーブル23は、支持シャフト26に対して回転自在に設けられている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、ターンテーブル23と支持シャフト26とを一体化させてもよい。この場合、縦抱き部4の上下揺動動作については、前述の実施形態と同様に第1揺動機構部11のみ駆動させる。
【0090】
縦抱き部4の旋回揺動動作の場合、第1揺動機構部11と第2揺動機構部12とを同期駆動させる。これにより、支持シャフト26に設けられたローラ20と揺動ガイド14との相対位置が変化しない。このため、上下揺動することなく縦抱き部4の旋回揺動動作のみ行うことができる。
縦抱き部4の上下旋回揺動の場合、第2揺動機構部12のみ駆動させる。これにより、揺動ガイド14の傾斜面14bに沿ってローラ20が移動しながら支持シャフト26が旋回される。このため、縦抱き部4の上下旋回揺動動作が行われる。
【0091】
縦抱き部4は、空洞部41aを有する骨格部41を備えている場合について説明した。空洞部41a内に、帯支持部60のアーム61のみが配置されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、空洞部41aに例えばスピーカー等の音源を設け、縦抱き部4から音を出すようにしてもよい。また、空洞部41aに例えばヒーター等の熱源を設け、縦抱き部4を温度調整できるようにしてもよい。また、空洞部41aに、例えば芳香剤を設け、縦抱き部4から香りを出せるようにしてもよい。これらのように構成することで、乳幼児Yをさらにリラックスさせることができる。
【0092】
縦抱き部4は、帯支持部60の2つのアーム61の下端に設けられたアタッチ80により、このアタッチ80を介してさまざまな取付体に着脱させることが容易にできる場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、縦抱き部4とアタッチ80とが一体化されていればよい。例えば、支持プレート33にアタッチ80を設けてもよいし、骨格部41に直接アタッチ80を設けてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…揺動保持具、3…揺動機構、4…縦抱き部、5…キャリア、11…第1揺動機構部(揺動機構)、12…第2揺動機構部(揺動機構)、30…仮置き座面、41…骨格部、41a…空洞部、42…クッション部、46…凸部、48,51…通気孔、49…膨出部、55…前当て部、60…帯支持部、71…シート部、72…下帯部(帯部)、73…上帯部(帯部)、90…保持具、Y…幼児(使用者)、Yd…臀部、Yf…腹部、Yh…背部、Yk…胸部、Yt…頭部