(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】成形方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/00 20060101AFI20230222BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20230222BHJP
B29C 44/42 20060101ALI20230222BHJP
B29C 44/60 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
B29C45/00
B29C44/00 D
B29C44/42
B29C44/60
(21)【出願番号】P 2021132653
(22)【出願日】2021-08-17
【審査請求日】2021-08-17
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520365090
【氏名又は名称】キング スチール マシネリー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、イー-チュン
(72)【発明者】
【氏名】イェー、リャン-ホイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、チン-ハオ
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-090086(JP,A)
【文献】特開2020-026074(JP,A)
【文献】特開2004-082547(JP,A)
【文献】特開2010-201640(JP,A)
【文献】国際公開第2010/070857(WO,A1)
【文献】特開昭63-281810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00
B29C 44/00
B29C 44/42
B29C 44/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形方法であって、
第1金型と、前記第1金型に対応する第2金型と、前記第1金型及び前記第2金型により定義される金型キャビティと、前記金型キャビティと連通される供給ポートと、前記金型キャビティに接続される連接点と、を含む成形装置を提供する工程と、
注入装置の吐出口を前記供給ポートに係合させる工程と、
前記成形装置に型締力を加えて、前記第1金型と前記第2金型とを互いに係合させる工程と、
前記注入装置により、前記供給ポートから発泡剤を含む成形材料を前記金型キャビティ内に注入する工程と、
前記成形材料の注入が完了した後、前記連接点を介して前記金型キャビティ内に気体を注入し、前記金型キャビティ内部の圧力を所定の圧力まで高め、前記発泡剤を超臨界状態に維持する工程と、
を
含み、
前記型締力は、前記成形材料の注入と前記気体の注入の間、連続して加えられる、ことを特徴とする、成形方法。
【請求項2】
前記成形材料の注入中及び注入後、前記金型キャビティ内の圧力を検出する工程を含み、そのうち、前記所定の圧力が、前記気体を注入する前の前記金型キャビティ内の圧力よ
り高い、ことを特徴とする、請求項1に記載の成形方法。
【請求項3】
前記成形材料を前記金型キャビティ内に注入した後、前記金型キャビティ内の圧力が、前記所定の圧力よ
り低い第1圧力まで減少される、ことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の成形方法。
【請求項4】
成形方法であって、
第1金型と、前記第1金型に対応する第2金型と、前記第1金型及び前記第2金型により定義される金型キャビティと、前記金型キャビティと連通される供給ポートと、前記金型キャビティに接続される連接点と、を含む成形装置を提供する工程と、
前記成形装置の上方に配置され、吐出口を含む注入装置を提供する工程と、
前記吐出口を前記供給ポートに係合させる工程と、
前記成形装置を閉鎖構成に維持するために、前記第1金型又は前記第2金型に型締力を加える工程と、
高分子材料と発泡剤を含む成形材料を前記供給ポートから前記金型キャビティ内に供給する工程と、
前記成形材料
の供給
が完了した後、前記金型キャビティ内の第1圧力を検出する工程と、
前記成形材料の供給が完了した後、前記連接点を介して前記金型キャビティ内に気体を注入し、前記金型キャビティ内部の圧力を、前記第1圧力から、前記第1圧力よ
り高い第2圧力まで高める工程と、
を含み、
前記型締力は、前記高分子材料の供給と前記気体の注入の間、連続して加えられる、ことを特徴とする、成形方法。
【請求項5】
第1分量の前記気体を前記金型キャビティ内に注入して、前記金型キャビティ内の圧力を前記第1圧力から第3圧力まで高めた後、
第2分量の前記気体を前記金型キャビティ内に注入して、前記金型キャビティ内の圧力を前記第3圧力から前記第2圧力まで高める工程を
さらに含
み、前記気体の前記第1分量は、前記気体の前記第2分量以下である、ことを特徴とする、請求項4に記載の成形方法。
【請求項6】
前記第2圧力
が20kg/cm
2
以上である、ことを特徴とする、請求項5に記載の成形方法。
【請求項7】
前記成形装置はクランプユニットをさらに含み、前記型締力が前記クランプユニットにより前記成形装置に加えられる、ことを特徴とする、請求項5又は請求項6に記載の成形方法。
【請求項8】
前記金型キャビティ内部の圧力が、前記成形材料を前記金型キャビティ内に供給する前、5kg/cm
2
から20kg/cm
2
の間の範囲である、ことを特徴とする、請求項4~7のいずれか1項に記載の成形方法。
【請求項9】
前記気体を前記金型キャビティから放出し、前記金型キャビティ内の圧力を、前記第2圧力よ
り低い第4圧力まで減少する工程を含む、ことを特徴とする、請求項5に記載の成形方法。
【請求項10】
前記第4圧力が、前記第1圧力と前記第3圧力よ
り低い、ことを特徴とする、請求項9に記載の成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年9月25日出願の米国仮特許出願第63/083,509号と、2021年5月25日出願の米国特許出願第17/330,222号に対する優先権を主張するものであり、上記(仮)特許出願の開示を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、成形方法に関し、特に、射出成形または押出成形での使用に適した成形方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡ポリマー成形品は、高強度、軽量、耐衝撃性、良好な遮音性、断熱性等、多くの利点を有している。発泡ポリマー成形品は、射出成形または押出成形により所定の形状を有する成形品とすることができる。例えば、高分子材料と発泡剤を含む成形材料が用意され、成形装置の金型のキャビティ内に射出または押出され、所望の発泡ポリマー成形品が形成される。発泡ポリマー成形品の特性や用途は、成形方法を調整することで変えることができる。
【0004】
一般に、発泡ポリマー成形品の外観および物理的性質は、成形工程により直接影響を受けるため、成形工程の設計は、成形材料が金型キャビティ内に均一かつ迅速に分布するように成形材料の発泡剤の性質を考慮しなければならない。また、成形工程における成形材料中の気泡孔の分布密度が高く均一になるようにして、発泡ポリマー成形品の本来の物理的性質を保持する必要がある。成形装置を用いて成形された発泡ポリマー成形品には、多くの利点と用途があるが、その欠点がもたらし続けている限界と制限を減少する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、混合物の押出システムと押出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様によれば、成形方法が開示される。前記成形方法が、金型キャビティと、前記金型キャビティと連通される供給ポートと、前記金型キャビティに接続された連接点と、を含む成形装置を提供する工程と、注入装置の吐出口を前記供給ポートに係合させる工程と、前記注入装置により、前記供給ポートから発泡剤を含む成形材料を前記金型キャビティ内に注入する工程と、前記連接点を介して前記金型キャビティ内に気体を注入し、前記金型キャビティ内部の圧力を所定の圧力まで高め、前記発泡剤を超臨界状態に維持する工程と、を含む。
【0007】
本発明の一実施態様によれば、成形方法が開示される。前記成形方法が、金型キャビティと、前記金型キャビティと連通される供給ポートと、前記金型キャビティに接続される連接点と、を含む成形装置を提供する工程と、前記成形装置の上方に配置され、吐出口を含む注入装置を提供する工程と、前記吐出口を前記供給ポートに係合させる工程と、高分子材料と発泡剤を含む成形材料を前記供給ポートから前記金型キャビティ内に供給する工程と、前記成形材料を供給した後、前記金型キャビティ内の第1圧力を検出する工程と、前記連接点を介して前記金型キャビティ内に気体を注入し、前記金型キャビティ内部の圧力を、前記第1圧力から、前記第1圧力より実質的に高い第2圧力まで高める工程と、を含む。
【0008】
本発明の態様は添付の図面と以下の詳細な説明からより理解されるであろう。業界における標準的慣行に従い、多様な特徴が正確な縮尺率ではないことに注意すべきである。実際、多様な特徴の寸法は、説明を明確にするために、任意に増減されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施態様による成形方法を示すフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施態様による成形方法を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の一実施態様による射出成形方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図4】本発明の一実施態様による射出成形方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図5】本発明の一実施態様による射出成形方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【
図6】本発明の一実施態様による射出成形方法の例示的な工程を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で、本発明の異なる特徴を示すために異なる実施形態または実施例を開示する。本発明を簡易に示すために、部材と配置の具体例を以下で示す。当然、それらは例示的であり、限定する意図はない。例えば、以下の説明で、第2の要素上における第1の要素の形成には、第1の要素と第2の要素が直接接触した実施形態を含んだり、第1の要素と第2の要素間に別の要素が含まれ、第1の要素と第2の要素が必ずしも直接接触していない実施形態を含んだりすることがあり得る。さらに、本発明は異なる実施例で参照符号(数字及び(または)文字)を繰り返し使用することがある。この繰り返しは簡易性と明確性を目的としており、それ自体が論じられている異なる実施例及び(または)構成間の関係を決定付けることはない。
【0011】
また、「の真下(beneath)」、「の下(below)」、「の下方(lower)」、「の上(above)」、「の上方(upper)」空間的相対語(spatially relative term)は、図面に示されるような1つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書で使用されることがある。空間的相対語は、図面に描写された向きの他に使用または操作における装置の様々な向きを含むことを意図する。装置は異なる方向に向けられて(90度回転されている、または他の向きになっている)もよく、本明細書で使用される空間的相対記述はそれに応じて解釈されるべきである。
【0012】
本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。但し、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に包含する。本明細書で使用される「約」という用語は、通常与えられた値または範囲の10%、5%、1%または0.5%以内を指す。または、「約」という用語は、当業者により検討されたとき許容可能な標本平均の標準誤差内を指す。運用例/実施例を除き、またはその他明示的に記載がない限り、ここに開示されている材料の数量、時間の長さ、温度、動作条件、量の割合などについてのすべての数値的範囲、数量、値、割合は、すべての場合において「約」という用語によって修正されると理解されるべきである。したがって、特にそうではないことが示されない限り、本発明及び添付の特許請求の範囲に記述されている数値パラメータは、所望に応じて変動し得る。最後に、各数値的パラメータは、報告された有効な数字の数を考慮し、また通常の概算方法を適用することによって解釈されるべきである。本明細書において範囲は1つの終点からもう1つの終点まで、または2つの終点の間として表される。本明細書に開示されるすべての範囲は、別途そうではない旨の記載がない限り、終点を含む。
【0013】
本発明は、発泡剤を含む成形材料を金型キャビティ内に注入した後、上記金型キャビティ内部の圧力を調整または増加する工程を含む成形方法を開示する。
【0014】
図1は本発明の一部の実施態様に基づく成形方法100を示すフローチャートである。上記成形方法100はいくつかの工程を含む。上記成形方法100は、金型キャビティと、当該金型キャビティと連通された供給ポートと、上記金型キャビティに接続された連接点と、を含む成形装置を提供する工程101と、注入装置の吐出口を上記供給ポートに係合させる工程102と、上記注入装置により、上記供給ポートから発泡剤を含む成形材料を上記金型キャビティ内に注入する工程103と、上記連接点を介して上記金型キャビティ内に気体を注入し、上記金型キャビティ内部の圧力を所定の圧力まで高め、上記発泡剤を超臨界状態に維持する工程104と、を含む。
【0015】
図2は本発明の一部の実施態様に基づく成形方法200を示すフローチャートである。上記成形方法200はいくつかの工程を含む。上記成形方法200は、金型キャビティと、当該金型キャビティと連通された供給ポートと、上記金型キャビティに接続された連接点と、を含む成形装置を提供する工程201と、上記成形装置の上方に配置され、吐出口を含む注入装置を提供する工程202と、上記吐出口を上記供給ポートに係合させる工程203と、高分子材料と発泡剤を含む成形材料を上記供給ポートから上記金型キャビティ内に供給する工程204と、上記成形材料を供給した後、上記金型キャビティ内の第1圧力を検出する工程205と、上記連接点を介して上記金型キャビティ内に気体を注入し、上記金型キャビティ内部の圧力を、上記第1圧力から、上記第1圧力より実質的に高い第2圧力まで高める工程206と、を含む。
【0016】
本発明の概念および上記成形方法100、200を例示するために、様々な実施態様を以下に示す。しかしながら、本発明は特定の実施態様に限定されることを意図していない。さらに、異なる実施態様で例示された要素、条件、またはパラメータは、使用される要素、パラメータ、または条件が矛盾しない限り、組み合わせや変更を通じて異なる実施態様の組み合わせを形成することができる。図示を容易にするために、類似または同一の機能および特性を有する符号は、異なる実施態様および図において繰り返し用いられる。上記射出成形方法の様々な工程及びその結果形成される成形品は、
図3から
図6のいずれかに示すように、様々な構成であり得る。
図3から
図6に示す工程は、
図1と
図2に示す成形方法100と成形方法200のプロセスフローにもそれぞれ概要的に反映されている。
【0017】
図3は成形装置301を示す概略断面図である。一部の実施態様において、
図3に示すように、成形装置301が提供される、または受け入れられる。一部の実施態様において、上記成形装置301の上方に配置される注入装置302が提供される、または受け入れられる。それぞれの工程は、
図1に示すプロセスフローにおける上記成形方法100の工程101として、および
図2に示すプロセスフローにおける上記成形方法200の工程201と202として、示されている。
【0018】
一部の実施態様において、上記成形装置301は、金型キャビティ301c内において、発泡ポリマー成形品などの成形品を形成するように構成される。一部の実施態様において、成形材料を含む流体または液体が上記金型キャビティ301c内に注入された後、上記成形品が一定時間後に上記金型キャビティ301c内で形成される。一部の実施態様において、上記成形装置301が閉じられたとき、上記金型キャビティ301cが密封される。
【0019】
一部の実施態様において、上記成形装置301は、第1金型301aと、第2金型301bを含む。一部の実施態様において、上記第1金型301aは、寸法、形状などいくつかの性質において、上記第2金型301bに対応している。上記第1金型301aは、上記第2金型301b上に配置され、上記第2金型301bと係合することができる。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301cは、上記第1金型301aと、当該第1金型301aに対応し、その上方に配置された上記第2金型301bにより定義される。
【0020】
一部の実施態様において、上記成形装置301はさらに、上記金型キャビティ301cと連通される供給ポート301dと、上記金型キャビティ301cに接続される連接点301eを含む。
【0021】
一部の実施態様において、上記供給ポート301dは上記成形装置301を貫通して延伸される。一部の実施態様において、上記供給ポート301dは上記第1金型301aを貫通して延伸される。上記供給ポート301dは、上記流体または液体が通過できるように構成される。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301cは上記供給ポート301dを介してアクセスすることができる。一部の実施態様において、上記供給ポート301dは、上記第1金型301aまたは上記第2金型301bに配置される。一部の実施態様において、上記供給ポート301dは、上記注入装置302などと係合するように構成される。一部の実施態様において、上記注入装置302により収容される成形材料などは、上記注入装置302から上記供給ポート301dを介して上記金型キャビティ301c内へ流動することができる。
【0022】
一部の実施態様において、上記連接点301eは、上記成形装置301を貫通して延伸された通路を含む。一部の実施態様において、上記連接点301eは、上記第2金型301bを貫通して延伸された通路を含む。
【0023】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301cは上記連接点301eを介してアクセスすることができる。一部の実施態様において、上記連接点301eは、上記第1金型301aまたは上記第2金型301bに配置される。一部の実施態様において、上記連接点301eは、流体または液体が通過できるように構成される。一部の実施態様において、上記連接点301eは、気体が通過できるように構成される。簡易性と明確性のため、
図3には上記連接点301eが1つのみ図示されているが、上記第1金型301a及び(または)上記第2金型301bには任意の適切な数の上記連接点301eを構成できると理解してもよい。
【0024】
一部の実施態様において、上記供給ポート301dと上記連接点301eは互いに分離される。一部の実施態様において、上記供給ポート301dと上記連接点301eは、上記金型キャビティ301cの互いに反対側に向いている両面に配置される。一部の実施態様において、上記供給ポート301dは上面から見ると、上記連接点301eと重なり合う。一部の実施態様において、上記供給ポート301dは上面から見ると、上記連接点301eからずれている。
【0025】
上記注入装置302は、流体または液体を上記注入装置302の吐出口302aから吐出するように構成される。一部の実施態様において、上記注入装置302は上記供給ポート301dの上方に配置される。一部の実施態様において、上記注入装置302は上面から見ると、上記供給ポート301dと重なり合う。一部の実施態様において、上記吐出口302aは上面から見ると、上記供給ポート301dと重なり合う。一部の実施態様において、上記吐出口302aの寸法は、上記供給ポート301dの寸法に対応する。
【0026】
図4は成形装置401を示す概略断面図である。一部の実施態様において、
図4に示すように、上記成形装置401が提供される、または受け入れられる。それぞれの工程は、
図1に示すプロセスフローにおける上記成形方法100の工程101として、および
図2に示すプロセスフローにおける上記成形方法200の工程201として、示されている。
【0027】
一部の実施態様において、型締力が上記成形装置401に加えられる。一部の実施態様において、上記成形装置401は、第1金型301aと、第2金型301bと、金型キャビティ301cと、第1モールドベース301fと、第2モールドベース301gと、上記成形装置401をクランプするためのクランプユニット402と、を含む。
【0028】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301cは、上記第1モールドベース301fと、当該第1モールドベース301fに対応し、その下方に配置された上記第2モールドベース301gにより定義される。一部の実施態様において、上記第1金型301aは上記第1モールドベース301f内に配置され、上記第2金型301bは上記第2モールドベース301gに対応してその上方に配置される。一部の実施態様において、上記第2モールドベース301gは、寸法、形状などいくつかの性質において、上記第1モールドベース301fに対応している。上記第1モールドベース301fは上記第2モールドベース301g上方に配置することができる。
【0029】
一部の実施態様において、上記供給ポート301dは、上記第1金型301aと上記第1モールドベース301fを貫通して延伸される。一部の実施態様において、上記連接点301eは、上記第2金型301bと上記第2モールドベース301gを貫通して延伸される。一部の実施態様において、注入装置302が上記成形装置401の上方に配置される。一部の実施態様において、上記注入装置302は上記第1モールドベース301fの上方に配置される。
【0030】
一部の実施態様において、上記クランプユニット402は上記第1モールドベース301fと上記第2モールドベース301gとの間に配置される。一部の実施態様において、上記第2モールドベース301gは、上記クランプユニット402により上記第1モールドベース301fと結合される。一部の実施態様において、上記クランプユニット402は上記第1金型301aと上記第2金型301bに隣接する。一部の実施態様において、上記成形装置401は、複数のクランプユニット402を含む。一部の実施態様において、上記クランプユニット402は、上記第2金型301bと上記第1金型301aに型締力を加えるように構成される。上記型締力は、上記第1モールドベース301f上で上記第2モールドベース301gに向かって、またはその逆に、加えられる。
【0031】
一部の実施態様において、上記第1金型301aと上記第2金型301bは、上記クランプユニット402により提供される上記型締力によって、相互に係合を維持することができる。つまり、上記成形装置401は、
図4に示すように、上記クランプユニット402からの上記型締力によって、閉鎖構成を維持することができる。一部の実施態様において、上記型締力は射出成形工程中、連続して加えることができる。一部の実施態様において、上記保持力は約5ニュートン(N)から15Nの範囲である。一部の実施態様において、上記型締力は約10Nである。一部の実施態様において、上記成形装置401は射出成形工程中、上記クランプユニット402からの上記型締力によって、上記閉鎖構成に維持される。
【0032】
一部の実施態様において、上記成形方法100、200は、
図3に示す上記成形装置301によって、または
図4に示す上記成形装置401によって実行される。一部の実施態様において、
図3と
図4に示すように、上記金型キャビティ301c内の圧力が検出される。一部の実施態様において、各成形装置301、401はさらに、上記金型キャビティ301c内の圧力を検出するように構成される感圧ユニット303を含む。一部の実施態様において、上記発泡ポリマー成形品の性質は、上記成形材料における気孔の大きさと分布により影響を受け、そのうち、上記気孔の大きさと分布は温度、圧力、供給速度に関連している。上記感圧ユニット303は特定の種類に限定されず、圧力を感知することができ、かつ上記金型キャビティ301c内の圧力を感知した後、圧力に関する情報を提供できればよい。上記感圧ユニット303は、上記金型キャビティ301c内の条件を検出し、上記金型キャビティ301c内の圧力は上記圧力に関する情報に基づいて調整され、得られる上記発泡ポリマー成形品が所望する所定の形状と性質を有するようにすることができる。
【0033】
一部の実施態様において、上記感圧ユニット303は上記金型キャビティ301c内に配置される。一部の実施態様において、上記感圧ユニット303は上記第1金型301aまたは上記第2金型301b内に配置される。一部の実施態様において、上記感圧ユニット303は、上記金型キャビティ301cの内部側壁301hに、上記供給ポート301dから遠ざけて配置される。一部の実施態様において、上記成形装置301は複数の上記感圧ユニット303を有する。上記複数の感圧ユニット303の数量と位置は特に限定されず、例えば、上記感圧ユニットは、上記金型キャビティ301cの内部側壁301hに、相互に間隔をあけて配置する、及び(または)上記供給ポート301d内の任意の位置、及び(または)上記連接点301eの任意の位置とすることができる。ただし、本発明はそれらに限らない。
【0034】
一部の実施態様において、各成形装置301、401はさらに制御システム304を含む。上記制御システム304は、上記金型キャビティ301c内への気体の注入と、上記金型キャビティ301c内の上記圧力を制御するように構成される。一部の実施態様において、上記感圧ユニット303が上記圧力に関する情報を上記制御システム304に提供し、上記制御システム304が上記圧力に関する情報に基づいて、気体の供給条件を調整する。一部の実施態様において、上記制御システム304は、上記圧力に関する情報に基づいて、上記気体が上記金型キャビティ301cに出入する条件をリアルタイムで調整し、上記発泡ポリマー成形品を成形するプロセス中、上記金型キャビティ301c内の上記圧力が常に適切な圧力または所定の圧力範囲にあるようにする。一部の実施態様において、上記制御システム304はさらに、上記供給ポート301d、上記注入装置302、上記吐出口302aの供給条件を制御する。一部の実施態様において、上記制御システム304、上記連接点301e、上記注入装置302、上記吐出口302a、上記供給ポート301dは電気的に接続される。
【0035】
一部の実施態様において、
図3と
図4に示すように、上記金型キャビティ301c内の圧力が第1の所定の圧力まで高められる。一部の実施態様において、最初に第1気体が上記金型キャビティ301c内に注入される。一部の実施態様において、上記第1気体は上記連接点301eを介して注入される。一部の実施態様において、上記供給ポート301dは上記第1気体が上記連接点301eを介して注入される間、閉鎖構成の状態にある。一部の実施態様において、上記第1気体の例としては、不活性気体、窒素、二酸化炭素等が含まれる。一部の実施態様において、成形材料が上記金型キャビティ301c内に注入される前、上記金型キャビティ301cに上記第1気体が充填されることにより上記金型キャビティ301c内部の圧力が高められる。一部の実施態様において、上記型締力が上記クランプユニット402により上記成形装置401に加えられ、その後上記第1気体が上記金型キャビティ301c内に注入される。
【0036】
一部の実施態様において、上記成形方法100、200はさらに、上記感圧ユニット303によって検出された上記金型キャビティ301c内の圧力に基づき、上記制御システム304を使用して、上記金型キャビティ301c内への上記気体と上記成形材料の注入を制御する工程を含む。
【0037】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力は、上記第1気体を上記金型キャビティ301c内に注入することにより、1大気圧(atm)から上記第1の所定の圧力まで高められる。一部の実施態様において、上記第1気体は、上記金型キャビティ301cが上記第1の所定の圧力に到達するまで、上記金型キャビティ301c内に注入される。一部の実施態様において、上記第1の所定の圧力は約5kg/cm
2
~20kg/cm
2
の範囲である。一部の実施態様において、上記第1の所定の圧力は約10kg/cm
2
である。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301cが上記第1の所定の圧力に到達したとき、上記連接点301eは閉鎖状態にあり、上記第1気体が上記金型キャビティ301cに対して流入または流出できなくなる。
【0038】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301cが上記第1の所定の圧力を維持するため、上記型締力は上記クランプユニット402により継続して上記成形装置401に加えられる。
【0039】
一部の実施態様において、
図5に示すように、上記注入装置302の上記吐出口302aは上記供給ポート301dに係合される。それぞれの工程は、
図1に示すプロセスフローにおける上記成形方法100の工程102として、および
図2に示すプロセスフローにおける上記成形方法200の工程203として、示されている。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内の圧力が上記第1の所定の圧力まで高められた後、成形材料305を収容している上記注入装置302が上記成形装置301と係合される。一部の実施態様において、上記注入装置302の上記吐出口302aが上記供給ポート301dと係合され、上記成形材料305が上記吐出口302aと上記供給ポート301dを介して上記注入装置302から上記金型キャビティ301c内へ流入することができる。一部の実施態様において、上記注入装置302が上記供給ポート301dに係合された後、上記金型キャビティ301c内の上記圧力が上記第1の所定の圧力まで高められる。
【0040】
一部の実施態様において、上記成形材料305は、高分子材料と発泡剤を含む。一部の実施態様において、上記高分子材料は、エチレン酢酸ビニル(EVA)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)または類似のものを含む。一部の実施態様において、上記成形材料305は発泡性材料を含む。
【0041】
一部の実施態様において、上記発泡剤は物理添加剤または化学添加剤であり、加熱工程中に気体を放出し、それにより気泡を形成する。一部の実施態様において、上記発泡剤は、当業者の想到し得るところである任意の種類の物理発泡剤とすることができる。一部の実施態様において、上記発泡剤は超臨界流体である。上記超臨界流体は、二酸化炭素や窒素、炭化水素、クロロフルオロカーボン、またはそれらの混合物などの不活性ガスを含んでいてもよい。上記高分子材料と上記発泡剤の混合の技術的詳細は従来技術であるため、ここでは説明を省略する。上記発泡剤は、任意の流動可能な物理的状態、例えば、気体、液体または超臨界流体(SCF)で供給されてもよい。一部の実施態様において、上記発泡剤は超臨界状態である。
【0042】
上記注入装置302と上記成形装置301の係合後、一部の実施態様において、上記発泡剤を含む上記成形材料305が、上記注入装置302から上記金型キャビティ301c内へ流入する。それぞれの工程は、
図1に示すプロセスフローにおける上記成形方法100の工程103として、および
図2に示すプロセスフローにおける上記成形方法200の工程204として、示されている。
【0043】
その後、上記金型キャビティ301cに上記成形材料305が充填される。一部の実施態様において、上記成形材料305の供給時間は約0.5秒~約1秒間である。一部の実施態様において、上記成形材料305を上記注入装置302から上記金型キャビティ301c内へ注入するための圧力は、上記金型キャビティ301c内部の上記第1の所定の圧力よりも実質的に高い。一部の実施態様において、上記成形材料305を上記注入装置302から注入するための上記圧力は、約150kg/cm
2
~約250kg/cm
2
の範囲である。一部の実施態様において、上記成形材料305を上記注入装置302から注入するための上記圧力は、約200kg/cm
2
である。
【0044】
一部の実施態様において、上記成形材料305の上記金型キャビティ301c内への注入中または注入後、上記金型キャビティ301c内の上記圧力が減少することがあるが、これは圧力の低下によって高分子材料の早期発泡が起こるおそれがあるため、望ましくない。早期発泡によって、高分子材料から気泡が絞り出されたり、上記成形材料305中に形成される気泡の分布が不均一になったりするおそれがある。このため、早期発泡は、後に上記成形材料305から形成される成形品の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力は、上記第1の所定の圧力から上記第1の所定の圧力より実質的に低い第1圧力まで減少されてもよい。一部の実施態様において、上記金型キャビティ101c内部の上記圧力は、上記発泡剤を超臨界状態に維持するために必要な圧力より実質的に低い上記第1圧力まで減少される。
【0045】
一部の実施態様において、上記制御システム304が上記感圧ユニット303により提供される上記圧力に関する情報を受け取り、上記制御システム304が上記注入装置302と上記吐出口302aの注入条件(上記吐出口302aの注入時間、注入速度などを含むが、これらに限らない)を制御する。一部の実施態様において、上記制御システム304が上記感圧ユニット303により提供される上記圧力に関する情報を受け取り、かつ上記圧力に関する情報に基づいて、上記供給ポート301dの供給条件(上記供給ポート301dの供給時間、供給速度などを含むが、これらに限らない)を制御する。
【0046】
一部の実施態様において、上記成形材料305の注入後、上記金型キャビティ301c内の上記第1圧力が検出される。それぞれの工程は、
図2に示すプロセスフローにおける上記成形方法200の工程205として示される。一部の実施態様において、上記第1圧力は上記感圧ユニット303により検出される。
【0047】
上記成形材料305を上記金型キャビティ301c内に注入した後、一部の実施態様において、
図6に示すように、上記注入装置302は上記成形装置301との係合が解除され、上記成形装置301から引き離される。一部の実施態様において、上記注入装置302の上記吐出口302aと上記供給ポート301dの係合が解除される。一部の実施態様において、上記成形材料305の注入後、上記供給ポート301dは閉鎖される。一部の実施態様において、上記注入装置302と上記成形装置301の係合が解除された後、上記供給ポート301dは閉鎖構成となる。一部の実施態様において、上記供給ポート301dの閉鎖と上記注入装置302の引き離しは同時に実行される。
【0048】
上記成形材料305を上記金型キャビティ301cに注入した後、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力が高められる。一部の実施態様において、第2気体が上記連接点301eを介して上記金型キャビティ301c内部に注入され、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力が高められる。一部の実施態様において、気体が上記連接点301eを介して上記金型キャビティ301c内に注入され、上記発泡剤を超臨界状態に維持するために、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力が所定の圧力まで高められる。一部の実施態様において、上記発泡剤を超臨界状態に維持するために、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力が第2の所定の圧力まで高められる。一部の実施態様において、上記第2の所定の圧力は上記第1圧力より実質的に高い。それぞれの工程は、
図1に示すプロセスフローにおける上記成形方法100の工程104として、および
図2に示すプロセスフローにおける上記成形方法200の工程206として、示されている。
【0049】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力の増加は、上記注入装置302と上記成形装置301の係合を解除する前、解除中または解除後に実行される。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力の増加は、上記成形材料305を上記金型キャビティ301c内に注入した直後に実行される。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力の増加は、上記供給ポート301dが閉鎖された後に実行される。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力の増加は、上記第2気体を上記金型キャビティ301c内に注入することにより実行することができる。一部の実施態様において、上記型締力は上記第2気体の注入中に上記成形装置401に加えられる。
【0050】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力は、実質的に、上記発泡剤を超臨界状態に維持するために必要な圧力以上の圧力で維持することができる。したがって、上記金型キャビティ301c内に上記成形材料305を注入した後の上記金型キャビティ301c内部の上記圧力の増加は、上記成形材料305の早期発泡を減少、さらには防止することができる。一部の実施態様において、上記成形材料305の上記発泡剤を超臨界状態に維持するために、上記第2気体は、上記金型キャビティ301c内部の上記圧力を上記第1圧力から上記第2の所定の圧力に増加するように構成される。一部の実施態様において、上記第2の所定の圧力は、実質的に、上記発泡剤を超臨界状態に維持するために必要な圧力以上である。一部の実施態様において、上記第2気体の組成は、上記第1気体の組成に類似している、または異なる。一部の実施態様において、上記第1気体の組成と上記第2気体の組成が同じである。
【0051】
一部の実施態様において、上記発泡剤は上記第2の所定の圧力において超臨界状態である。一部の実施態様において、上記第2の所定の圧力は、上記第2気体の注入前の上記金型キャビティ301c内の圧力より実質的に高い。一部の実施態様において、上記第2の所定の圧力は、上記第1の所定の圧力より実質的に高い。一部の実施態様において、上記第2の所定の圧力は、上記第1気体の注入前の上記金型キャビティ301c内の圧力より実質的に高い。一部の実施態様において、上記第2の所定の圧力は、1大気圧より実質的に高い。一部の実施態様において、上記第2の所定の圧力は、実質的に、20kg/cm
2
以上である。一部の実施態様において、上記第2の所定の圧力は、実質的に、35kg/cm
2
以上である。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内の圧力は、上記成形材料305の注入中と注入後に検出される。
【0052】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の圧力は、上記第2の所定の圧力まで徐々に高められる。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の圧力は段階的に高められる。
【0053】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の圧力は、上記第1圧力(つまり、上記成形材料305を上記金型キャビティ301c内に注入した直後の圧力)から第3の所定の圧力まで高められた後、上記金型キャビティ301c内部の圧力は上記第3の所定の圧力から上記第2の所定の圧力まで高められる。上記第2の所定の圧力は、上記第3の所定の圧力より実質的に高い。一部の実施態様において、上記第2の所定の圧力と上記第3の所定の圧力は1大気圧より実質的に高い。一部の実施態様において、上記気体の注入は、第1分量の上記第2気体を上記金型キャビティ301c内に注入し、上記金型キャビティ301c内の圧力を上記第1圧力から上記第3の所定の圧力まで高める工程と、第2分量の上記第2気体を上記金型キャビティ301c内に注入し、上記金型キャビティ301c内の圧力を上記第3の所定の圧力から上記第2の所定の圧力まで高める工程と、を含む。一部の実施態様において、上記第2気体の上記第1分量は、実質的に、上記第2気体の上記第2分量以下である。
【0054】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の圧力が、上記第1圧力から第3の所定の圧力まで高められた後、上記第3の所定の圧力から、上記第3の所定の圧力より実質的に高い第4の所定の圧力まで高められ、そして最後に上記第4の所定の圧力から、上記第1圧力、上記第3の所定の圧力、上記第4の所定の圧力より実質的に高い上記第2の所定の圧力まで高められる。上記第2の所定の圧力は上記第4の所定の圧力より実質的に高い。一部の実施態様において、上記第4の所定の圧力は、1大気圧より実質的に高い。
【0055】
一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の圧力の調整が、上記成形方法100の工程104または上記成形方法200の工程206の後に実行される。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の圧力を上記第2の所定の圧力まで高めた後、上記金型キャビティ301c内部の圧力を増加するまたは減少することにより、上記金型キャビティ301c内部の圧力を調整することができる。一部の実施態様において、上記金型キャビティ301c内部の圧力の調整は、上記成形材料305の発泡の進行、上記金型キャビティ101c内部のリアルタイムの圧力、上記成形材料305から後に形成される上記発泡ポリマー成形品の弾性、及びその他要因に基づく。
【0056】
一部の実施態様において、上記成形方法100の工程104または上記成形方法200の工程206の後、上記金型キャビティ301c内の気体の少なくとも一部が、上記金型キャビティ301cから放出され、上記金型キャビティ301c内の圧力が、上記第2の所定の圧力より実質的に低い第5の所定の圧力まで減少される。一部の実施態様において、上記第5の所定の圧力は、上記第1圧力、上記第3の所定の圧力、上記第4の所定の圧力より実質的に低い。
【0057】
一部の実施態様において、上記発泡ポリマー成形品は上記成形材料305から形成される。一部の実施態様において、上記発泡ポリマー成形品は上記金型キャビティ301c内で形成される。上記発泡ポリマー成形品は、上記成形装置301、401が開放構成にあるとき、上記金型キャビティ301cから取り出すことができる。一部の実施態様において、上記型締力は上記発泡ポリマー成形品が上記金型キャビティ301cから取り出される前に取り除かれる。
【0058】
本発明の一側面は、成形方法に関し、上記成形方法は、金型キャビティと、当該金型キャビティと連通された供給ポートと、上記金型キャビティに接続された連接点と、を含む成形装置を提供する工程と、注入装置の吐出口を上記供給ポートに係合させる工程と、上記注入装置により、上記供給ポートから発泡剤を含む成形材料を上記金型キャビティ内に注入する工程と、上記連接点を介して上記金型キャビティ内に気体を注入し、上記金型キャビティ内部の圧力を所定の圧力まで高め、上記発泡剤を超臨界状態に維持する工程と、を含む。
【0059】
一部の実施態様において、上記方法はさらに、上記成形材料の注入中及び注入後、上記金型キャビティ内の圧力を検出する工程を含み、そのうち、上記所定の圧力は、上記気体を注入する前の上記金型キャビティ内の圧力より実質的に高い。一部の実施態様において、上記所定の圧力は、実質的に、20kg/cm
2
以上である。一部の実施態様において、上記方法はさらに、上記成形材料の注入後に上記注入装置を上記成形装置から引き離す工程と、上記成形材料の注入後及び上記気体の注入前に上記供給ポートを閉鎖する工程を含む。一部の実施態様において、上記気体の注入は、上記金型キャビティ内の圧力を第1圧力まで高めた後、上記金型キャビティ内の圧力を上記第1圧力から、上記第1圧力より実質的に高い第2圧力まで高める工程を含む。一部の実施態様において、上記成形材料を上記金型キャビティ内に注入した後、上記金型キャビティ内の圧力は、上記所定の圧力より実質的に低い第1圧力まで減少される。
【0060】
本発明の一側面は、成形方法に関する。上記方法は、金型キャビティと、当該金型キャビティと連通される供給ポートと、上記金型キャビティに接続される連接点と、を含む成形装置を提供する工程と、上記成形装置の上方に配置され、吐出口を含む注入装置を提供する工程と、上記吐出口を上記供給ポートに係合させる工程と、高分子材料と発泡剤を含む成形材料を上記供給ポートから上記金型キャビティ内に供給する工程と、上記成形材料を供給した後、上記金型キャビティ内の第1圧力を検出する工程と、上記連接点を介して上記金型キャビティ内に気体を注入し、上記金型キャビティ内部の圧力を、上記第1圧力から、上記第1圧力より実質的に高い第2圧力まで高める工程と、を含む。
【0061】
一部の実施態様において、上記発泡剤は上記第2圧力で超臨界状態にある。一部の実施態様において、上記第2圧力は実質的に35kg/cm
2
以上である。
【0062】
一部の実施態様において、上記方法はさらに、上記金型キャビティ内の圧力を上記第1圧力から第3圧力まで高めた後、上記金型キャビティ内の圧力を上記第3圧力から上記第2圧力まで高める工程を含む。
【0063】
一部の実施態様において、上記第2圧力は上記第3圧力より実質的に高い。一部の実施態様において、上記第2圧力と上記第3圧力は、1大気圧より実質的に高い。一部の実施態様において、上記気体の注入は、第1分量の上記気体を上記金型キャビティ内に注入し、上記金型キャビティ内部の圧力を上記第1圧力から上記第3圧力まで高め、第2分量の上記気体を上記金型キャビティ内に注入し、上記金型キャビティ内部の圧力を上記第3圧力から上記第2圧力まで高める工程を含む。一部の実施態様において、上記気体の上記第1分量は、実質的に、上記気体の上記第2分量以下である。一部の実施態様において、上記金型キャビティ内部の圧力は、上記成形材料を上記金型キャビティ内に供給する前、5kg/cm
2
から20kg/cm
2
の間の範囲である。
【0064】
一部の実施態様において、上記方法はさらに、上記気体を上記金型キャビティから放出し、上記金型キャビティ内の圧力を、上記第2圧力より実質的に低い第4圧力まで減少する工程を含む。一部の実施態様において、上記第4圧力は、上記第1圧力と上記第3圧力より実質的に低い。一部の実施態様において、上記方法はさらに、上記気体の注入中、上記成形装置に型締力を加える工程を含む。一部の実施態様において、上記成形材料の供給時間は、約0.5秒~約1秒間である。一部の実施態様において、上記方法はさらに、上記金型キャビティ内への上記気体の注入と上記金型キャビティ内部の圧力を制御するように構成される制御システムを提供する工程を含む。
【0065】
前述の説明は当業者が本発明の態様をより理解できるようにいくつかの実施態様の特徴を概説したものである。当業者は本発明を基礎として使用し、ここで説明した実施態様と同じ目的を実行する、及び(または)同じ利点を達成するために、他のプロセス及び構造の設計または変更を行うことができるであろう。また、当業者はそのような同等の構造が本発明の要旨と範囲を逸脱しておらず、また本発明の要旨と範囲から逸脱することなく、本発明の種々の変更、置換、および改変が可能であることを理解すべきであろう。
【0066】
さらに、本発明の範囲は、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、および本明細書に記載のステップの特定の実施態様に限定されるものではない。当業者であれば本発明の開示から容易に理解するように、プロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、またはステップは、現在既存のまたは後に開発される、実質的に同じ機能を果たすか、本発明に従って利用することができるような本明細書に記載の対応する実施態様のように、実質的に同じ結果を達成する。したがって、添付の特許請求の範囲は、その範囲内にそのようなプロセス、機械、製造、物質の組成、手段、方法、及びステップを含むことを意図している。
【符号の説明】
【0067】
100、200 成形方法
301 成形装置
301a 第1金型
301b 第2金型
301c 金型キャビティ
301d 供給ポート
301e 連接点
301f 第1モールドベース
301g 第2モールドベース
301h 内部側壁
302 注入装置
302a 吐出口
303 感圧ユニット
304 制御システム
305 成形材料
401 成形装置
402 クランプユニット