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特許7231961タッチローラ装置およびフィルム巻取装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】タッチローラ装置およびフィルム巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 18/26 20060101AFI20230222BHJP
【FI】
B65H18/26
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021186518
(22)【出願日】2021-11-16
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000154130
【氏名又は名称】株式会社不二鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠山 哲則
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-216445(JP,A)
【文献】特開2000-128404(JP,A)
【文献】特開2005-082317(JP,A)
【文献】特開2013-245105(JP,A)
【文献】特開平06-039413(JP,A)
【文献】特開2009-106960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 18/00-19/30
B65H 21/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム巻取装置の巻取ロールにフィルムを押圧するタッチローラ装置であって、
大径ローラと、
前記大径ローラの周囲に配置される第1小径ローラおよび第2小径ローラとを備え、
前記第1小径ローラおよび前記第2小径ローラは、前記大径ローラの外周面の周方向に間隔を隔てて配置され、
前記第1小径ローラおよび前記第2小径ローラの外周面が前記大径ローラの外周面と接触されることにより、前記第1小径ローラおよび前記第2小径ローラが前記大径ローラによって連れ回されるように構成され、
前記第1小径ローラは、巻取ロールに当接されるように構成され
前記第2小径ローラは、巻取ロールに向かうフィルムが前記大径ローラに接触されないようにするために設けられていることを特徴とするタッチローラ装置。
【請求項2】
請求項に記載のタッチローラ装置において、
前記大径ローラを回転可能に支持するとともに、回動可能に設けられたアームを備え、
前記第1小径ローラおよび前記第2小径ローラは、前記アームの回動に応じて前記大径ローラの周囲を旋回するように構成されていることを特徴とするタッチローラ装置。
【請求項3】
複数の巻取軸を着脱可能なターレット装置と、
フィルムが巻取軸に下巻取で巻き取られる際に用いられる下巻取用タッチローラ装置と、
フィルムが巻取軸に上巻取で巻き取られる際に用いられる上巻取用タッチローラ装置とを備えるフィルム巻取装置であって、
前記下巻取用タッチローラ装置および前記上巻取用タッチローラ装置は、請求項1または2に記載のタッチローラ装置であることを特徴とするフィルム巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチローラ装置およびフィルム巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、巻取ロールにフィルムを押圧するタッチローラを備えるフィルム巻取装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のフィルム巻取装置は、複数の巻取軸を着脱可能なターレット装置と、フィルムが巻取軸に下巻取で巻き取られる際に用いられる下巻取用タッチローラと、フィルムが巻取軸に上巻取で巻き取られる際に用いられる上巻取用タッチローラとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平3-216445号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、フィルム巻取装置によって巻き取られるフィルムの幅が広い場合には、タッチローラが撓むのを抑制するために、タッチローラの直径を大きくすることが考えられる。しかしながら、タッチローラの直径を大きくすると、フィルムの巻き取りが高速で行われる場合には、フィルムの巻き取りの際に空気が巻き込まれやすくなるので、巻取ロールのフィルム層間に混入する空気量が多くなるという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、フィルムが幅広で高速な巻き取りが行われる場合であっても、巻取ロールへの空気の混入を抑制することが可能なタッチローラ装置およびフィルム巻取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるタッチローラ装置は、フィルム巻取装置の巻取ロールにフィルムを押圧するものであり、大径ローラと、大径ローラの周囲に配置される第1小径ローラおよび第2小径ローラとを備える。第1小径ローラおよび第2小径ローラは、大径ローラの外周面の周方向に間隔を隔てて配置されている。第1小径ローラおよび第2小径ローラの外周面が大径ローラの外周面と接触されることにより、第1小径ローラおよび第2小径ローラが大径ローラによって連れ回されるように構成されている。第1小径ローラは、巻取ロールに当接されるように構成されている。第2小径ローラは、巻取ロールに向かうフィルムが大径ローラに接触されないようにするために設けられている。
【0008】
このように構成することによって、大径ローラにより第1小径ローラが支持されるので、第1小径ローラが撓むのを抑制することができる。また、第1小径ローラが巻取ロールに当接されることにより、フィルムが幅広で高速な巻き取りが行われる場合であっても、巻取ロールへの空気の混入を抑制することができる。
【0010】
この場合において、大径ローラを回転可能に支持するとともに、回動可能に設けられたアームを備え、第1小径ローラおよび第2小径ローラは、アームの回動に応じて大径ロー
ラの周囲を旋回するように構成されていてもよい。
【0011】
本発明によるフィルム巻取装置は、複数の巻取軸を着脱可能なターレット装置と、フィルムが巻取軸に下巻取で巻き取られる際に用いられる下巻取用タッチローラ装置と、フィルムが巻取軸に上巻取で巻き取られる際に用いられる上巻取用タッチローラ装置とを備える。下巻取用タッチローラ装置および上巻取用タッチローラ装置は、上記したタッチローラ装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のタッチローラ装置およびフィルム巻取装置によれば、フィルムが幅広で高速な巻き取りが行われる場合であっても、巻取ロールへの空気の混入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態によるフィルム巻取装置の概略を示した模式図である。
図2図1のフィルム巻取装置において下巻取時の状態を示した図である。
図3図2のフィルム巻取装置において巻取ロールの直径が大きくなった状態を示した図である。
図4図3のフィルム巻取装置において経路切替装置が上方に回動された状態を示した図である。
図5図4のフィルム巻取装置においてタッチローラ装置およびターレット装置が回動された状態を示した図である。
図6図5のフィルム巻取装置において経路切替装置が下方に回動された状態を示した図である。
図7図6のフィルム巻取装置においてタッチローラ装置および切断補助装置が回動された状態を示した図である。
図8図7のフィルム巻取装置においてガイドローラおよび押さえローラが回動された状態を示した図である。
図9図8のフィルム巻取装置において切断刃が回動された状態を示した図である。
図10図3のフィルム巻取装置においてターレット装置および切断補助装置が回動された状態を示した図である。
図11図10のフィルム巻取装置においてガイドローラおよび押さえローラが回動された状態を示した図である。
図12図11のフィルム巻取装置において切断刃が回動された状態を示した図である。
図13図1のフィルム巻取装置において上巻取時の状態を示した図である。
図14図13のフィルム巻取装置において巻取ロールの直径が大きくなった状態を示した図である。
図15図14のフィルム巻取装置において経路切替装置が下方に回動された状態を示した図である。
図16図15のフィルム巻取装置においてタッチローラ装置およびターレット装置が回動された状態を示した図である。
図17図16のフィルム巻取装置において経路切替装置が上方に回動された状態を示した図である。
図18図17のフィルム巻取装置においてタッチローラ装置および切断補助装置が回動された状態を示した図である。
図19図18のフィルム巻取装置においてガイドローラおよび押さえローラが回動された状態を示した図である。
図20図19のフィルム巻取装置において切断刃が回動された状態を示した図である。
図21図14のフィルム巻取装置においてターレット装置および切断補助装置が回動された状態を示した図である。
図22図21のフィルム巻取装置においてガイドローラおよび押さえローラが回動された状態を示した図である。
図23図22のフィルム巻取装置において切断刃が回動された状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0015】
-構成-
まず、図1図3図13および図14を参照して、本実施形態によるフィルム巻取装置100の構成について説明する。なお、図1などにおいて、X1方向側が上流側であり、X2方向側が下流側であり、Z1方向側が上側であり、Z2方向側が下側である。
【0016】
フィルム巻取装置100は、上流側から供給されるフィルム150を下巻取または上巻取で巻き取るように構成されている。下巻取とは、図2および図3に示すように、供給されるフィルム150の上面が巻取ロール151(図3参照)において内側に配置されるように巻き取る巻取方法である。上巻取とは、図13および図14に示すように、供給されるフィルム150の下面が巻取ロール151(図14参照)において内側に配置されるように巻き取る巻取方法である。巻取ロール151は、フィルム150が巻取軸50に巻き取られることによって形成される。フィルム巻取装置100は、フィルム150を巻き取る巻取軸50を切替可能であり、その際に巻取方法を変更することも可能なように構成されている。
【0017】
また、フィルム巻取装置100は、フィルム150を高速(たとえば、200m/min)で巻取可能に構成されている。フィルム150は、たとえば、樹脂製の帯状フィルムであり、広い幅(たとえば、1800mm)を有する。フィルム巻取装置100は、図1に示すように、ターレット装置1と、タッチローラ装置2aおよび2bと、経路切替装置3と、複数の搬送ローラ4と、切断装置5aおよび5bと、切断補助装置6aおよび6bと、スライド装置7とを備えている。
【0018】
[ターレット装置]
ターレット装置1は、2つの巻取軸50が着脱可能に装着され、装着された巻取軸50を回転可能に構成されている。また、ターレット装置1は、回動軸1aを中心にして回動(旋回)可能に構成されている。そして、ターレット装置1では、上流側に位置する巻取軸50でフィルム150の巻き取りが行われ、その巻取軸50を切り替える際に巻取ロール151が下流側に退避されるようになっている。
【0019】
[タッチローラ装置]
タッチローラ装置2aおよび2bは、巻取ロール151にフィルム150を押圧するために設けられている。タッチローラ装置2aは、下巻取用であり、フィルム搬送経路に対して下側に配置されている。タッチローラ装置2bは、上巻取用であり、フィルム搬送経路に対して上側に配置されている。
【0020】
タッチローラ装置2aは、大径ローラ21aと、小径ローラ22aおよび23aと、アーム24aと、キャリア25aとを含んでいる。大径ローラ21aは、小径ローラ22aおよび23aが撓むのを抑制するために、小径ローラ22aおよび23aを支持するように構成されている。小径ローラ22aは、下巻取時に巻取ロール151に当接されるよう
に構成されている。小径ローラ23aは、巻取ロール151に向かうフィルム150が大径ローラ21aに接触されないようにするために設けられている。小径ローラ22aおよび23aの寸法は同じであり、大径ローラ21aの直径は小径ローラ22aおよび23aの直径よりも大きくされている。
【0021】
大径ローラ21aは、アーム24aの先端に回転可能に設けられている。アーム24aの基端には回動軸が設けられ、アーム24aは回動軸を介してスライド装置7に連結されている。アーム24aにはたとえばエアシリンダ(図示省略)が連結され、そのエアシリンダによってタッチローラ装置2aの押圧力を調整可能になっている。アーム24aは、大径ローラ21aの両端部を支持するように左右一対で設けられている。また、大径ローラ21aは、フィルム150の巻取速度などに基づいて、駆動回転されるように構成されている。
【0022】
小径ローラ22aおよび23aは、キャリア25aに回転可能に設けられている。小径ローラ22aおよび23aは、大径ローラ21aの外周面の周方向に間隔を隔てて配置されている。小径ローラ22aが1つ配置され、小径ローラ23aが2つ配置されている。小径ローラ22aおよび23aの外周面が大径ローラ21aの外周面と接触されることにより、小径ローラ22aおよび23aが大径ローラ21aによって連れ回されるようになっている。
【0023】
キャリア25aはアーム24aの先端に回転可能に設けられ、そのキャリア25aの回転中心と大径ローラ21aの回転中心とが同じ位置に配置されている。キャリア25aは、小径ローラ22aおよび23aの両端部を支持するように左右一対で設けられている。そして、アーム24aが回動すると、キャリア25aが回転するように構成されている。たとえば、アーム24aが1度回動すると、キャリア25aが7.6度回転するようになっている。すなわち、小径ローラ22aおよび23aは、アーム24aの回動に応じて大径ローラ21aの周囲を旋回するように構成されている。つまり、小径ローラ22aおよび23aは、大径ローラ21aに対する所定の位置で自転可能であるとともに、アーム24aの回動によって大径ローラ21aの周囲を公転可能である。
【0024】
タッチローラ装置2bは、大径ローラ21bと、小径ローラ22bおよび23bと、アーム24bと、キャリア25bとを含んでいる。大径ローラ21bは、小径ローラ22bおよび23bが撓むのを抑制するために、小径ローラ22bおよび23bを支持するように構成されている。小径ローラ22bは、上巻取時に巻取ロール151に当接されるように構成されている。小径ローラ23bは、巻取ロール151に向かうフィルム150が大径ローラ21bに接触されないようにするために設けられている。小径ローラ22bおよび23bの寸法は同じであり、大径ローラ21bの直径は小径ローラ22bおよび23bの直径よりも大きくされている。
【0025】
大径ローラ21bは、アーム24bの先端に回転可能に設けられている。アーム24bの基端には回動軸が設けられ、アーム24bは回動軸を介してスライド装置7に連結されている。アーム24bにはたとえばエアシリンダ(図示省略)が連結され、そのエアシリンダによってタッチローラ装置2bの押圧力を調整可能になっている。アーム24bは、大径ローラ21bの両端部を支持するように左右一対で設けられている。また、大径ローラ21bは、フィルム150の巻取速度などに基づいて、駆動回転されるように構成されている。
【0026】
小径ローラ22bおよび23bは、キャリア25bに回転可能に設けられている。小径ローラ22bおよび23bは、大径ローラ21bの外周面の周方向に間隔を隔てて配置されている。小径ローラ22bが1つ配置され、小径ローラ23bが2つ配置されている。
小径ローラ22bおよび23bの外周面が大径ローラ21bの外周面と接触されることにより、小径ローラ22bおよび23bが大径ローラ21bによって連れ回されるようになっている。
【0027】
キャリア25bはアーム24bの先端に回転可能に設けられ、そのキャリア25bの回転中心と大径ローラ21bの回転中心とが同じ位置に配置されている。キャリア25bは、小径ローラ22bおよび23bの両端部を支持するように左右一対で設けられている。そして、アーム24bが回動すると、キャリア25bが回転するように構成されている。たとえば、アーム24bが1度回動すると、キャリア25bが7.6度回転するようになっている。すなわち、小径ローラ22bおよび23bは、アーム24bの回動に応じて大径ローラ21bの周囲を旋回するように構成されている。つまり、小径ローラ22bおよび23bは、大径ローラ21bに対する所定の位置で自転可能であるとともに、アーム24bの回動によって大径ローラ21bの周囲を公転可能である。
【0028】
たとえば、大径ローラ21aおよび21bは、長さが1900mmであり、直径が160mmである。また、小径ローラ22a、23a、22bおよび23bは、長さが1900mmであり、直径が30mmである。なお、タッチローラ装置2aは、本発明の「下巻取用タッチローラ装置」の一例であり、タッチローラ装置2bは、本発明の「上巻取用タッチローラ装置」の一例である。また、小径ローラ22aおよび22bは、本発明の「第1小径ローラ」の一例であり、小径ローラ23aおよび23bは、本発明の「第2小径ローラ」の一例である。
【0029】
-経路切替装置-
経路切替装置3は、ターレット装置1の上流側に配置され、フィルム150の搬送経路を切り替えるために設けられている。経路切替装置3は、上側ローラ31と、下側ローラ32と、V字状のアーム33とを含み、上側ローラ31および下側ローラ32の間にフィルム150が通されるようになっている。上側ローラ31は、アーム33の一方の先端(上側の先端)に回転可能に設けられている。下側ローラ32は、アーム33の他方の先端(下側の先端)に回転可能に設けられている。たとえば、上側ローラ31および下側ローラ32は、搬送されるフィルム150が巻き掛けられた場合に、そのフィルム150によって連れ回されるように構成されている。V字状のアーム33の基端には回動軸が設けられ、アーム33は回動軸を介してスライド装置7に連結されている。アーム33は、上側ローラ31および下側ローラ32の両端部を支持するように左右一対で設けられている。
【0030】
-搬送ローラ-
搬送ローラ4は、上流側から供給されるフィルム150をターレット装置1の巻取軸50に搬送するために設けられている。搬送ローラ4は、スライド装置7に回転可能に設けられている。
【0031】
-切断装置-
切断装置5aおよび5bは、巻取軸50の切替時にフィルム150を切断するために設けられている。切断装置5aは、下巻取用であり、フィルム搬送経路に対して下側に配置されている。切断装置5bは、上巻取用であり、フィルム搬送経路に対して上側に配置されている。
【0032】
切断装置5aは、ガイドローラ51aと、押さえローラ52aと、切断刃53aと、アーム54a~56aとを含んでいる。ガイドローラ51aは、巻取軸50の切替時に、新しい巻取軸50から巻取ロール151に向かうフィルム150の搬送経路を規定するために設けられている。押さえローラ52aは、巻取軸50の切替時にフィルム150を新しい巻取軸50に押さえ付けるように構成されている。切断刃53aは、たとえば、ギロチ
ンカッターであり、フィルム150の幅方向に延びるように形成されている。
【0033】
ガイドローラ51aは、アーム54aの先端に回転可能に設けられている。たとえば、ガイドローラ51aは、搬送されるフィルム150が巻き掛けられた場合に、そのフィルム150によって連れ回されるように構成されている。アーム54aの基端には回動軸が設けられ、アーム54aは回動軸を介してスライド装置7に連結されている。アーム54aは、ガイドローラ51aの両端部を支持するように左右一対で設けられている。押さえローラ52aはアーム55aの先端に回転可能に設けられ、アーム55aはアーム54aに回動可能に設けられている。たとえば、押さえローラ52aがフィルム150を介して新しい巻取軸50に押し付けられているときに、押さえローラ52aが新しい巻取軸50によって連れ回されるようになっている。アーム55aは、押さえローラ52aの両端部を支持するように左右一対で設けられている。切断刃53aはアーム56aの先端に設けられ、アーム56aはアーム54aに回動可能に設けられている。アーム56aは、切断刃53aの両端部を支持するように左右一対で設けられている。
【0034】
切断装置5bは、ガイドローラ51bと、押さえローラ52bと、切断刃53bと、アーム54b~56bとを含んでいる。ガイドローラ51bは、巻取軸50の切替時に、新しい巻取軸50から巻取ロール151に向かうフィルム150の搬送経路を規定するために設けられている。押さえローラ52bは、巻取軸50の切替時にフィルム150を新しい巻取軸50に押さえ付けるように構成されている。切断刃53bは、たとえば、ギロチンカッターであり、フィルム150の幅方向に延びるように形成されている。
【0035】
ガイドローラ51bは、アーム54bの先端に回転可能に設けられている。たとえば、ガイドローラ51bは、搬送されるフィルム150が巻き掛けられた場合に、そのフィルム150によって連れ回されるように構成されている。アーム54bの基端には回動軸が設けられ、アーム54bは回動軸を介してスライド装置7に連結されている。アーム54bは、ガイドローラ51bの両端部を支持するように左右一対で設けられている。押さえローラ52bはアーム55bの先端に回転可能に設けられ、アーム55bはアーム54bに回動可能に設けられている。たとえば、押さえローラ52bがフィルム150を介して新しい巻取軸50に押し付けられているときに、押さえローラ52bが新しい巻取軸50によって連れ回されるようになっている。アーム55bは、押さえローラ52bの両端部を支持するように左右一対で設けられている。切断刃53bはアーム56bの先端に設けられ、アーム56bはアーム54bに回動可能に設けられている。アーム56bは、切断刃53bの両端部を支持するように左右一対で設けられている。
【0036】
-切断補助装置-
切断補助装置6aおよび6bは、巻取軸50の切替時に、フィルム150の切断を補助するために設けられている。切断補助装置6aは、下巻取用であり、フィルム搬送経路に対して上側に配置されている。切断補助装置6bは、上巻取用であり、フィルム搬送経路に対して下側に配置されている。
【0037】
切断補助装置6aは、支持板61aと、アーム62aとを含んでいる。支持板61aは、フィルム150が切断される際に、新しい巻取軸50からガイドローラ51aに向かうフィルム150を支持するために設けられている。支持板61aは、フィルム150の幅方向に延びるように形成され、アーム62aの先端に取り付けられている。アーム62aの基端には回動軸が設けられ、アーム62aは回動軸を介してスライド装置7に連結されている。アーム62aは、支持板61aの両端部を支持するように左右一対で設けられている。
【0038】
切断補助装置6bは、支持板61bと、アーム62bとを含んでいる。支持板61bは
、フィルム150が切断される際に、新しい巻取軸50からガイドローラ51bに向かうフィルム150を支持するために設けられている。支持板61bは、フィルム150の幅方向に延びるように形成され、アーム62bの先端に取り付けられている。アーム62bの基端には回動軸が設けられ、アーム62bは回動軸を介してスライド装置7に連結されている。アーム62bは、支持板61bの両端部を支持するように左右一対で設けられている。
【0039】
-スライド装置-
スライド装置7には、タッチローラ装置2a、2b、経路切替装置3、搬送ローラ4、切断装置5a、5b、切断補助装置6aおよび6bなどが設けられている。スライド装置7は、フィルム150の幅方向においてフィルム150を挟んで対向するように左右一対で設けられている。このスライド装置7は、水平方向(X1およびX2方向)に移動可能であり、巻取ロール151の直径に応じてタッチローラ装置2aおよび2bなどを移動させるために設けられている。
【0040】
-動作-
次に、図2図23を参照して、本実施形態によるフィルム巻取装置100の動作について説明する。なお、図2図23では、見やすさを考慮してスライド装置7(図1参照)などの図示を省略している。
【0041】
[下巻取]
まず、上流側から供給されるフィルム150の下巻取が行われる場合には、図2に示すように、経路切替装置3が下側に回動されており、搬送ローラ4によって搬送されるフィルム150が上側ローラ31に巻き掛けられている。また、タッチローラ装置2aにより、フィルム150が上流側(X1方向側)の巻取軸50に押し付けられている。
【0042】
具体的には、上側ローラ31を通過したフィルム150は、小径ローラ23aを介して巻取軸50と小径ローラ22aとの間に搬送される。そして、上流側の巻取軸50が図2において反時計回りに回転されることにより、その巻取軸50にフィルム150が巻き取られる。このとき、大径ローラ21aが小径ローラ22aを巻取軸50側に押し付けており、巻取軸50に巻き取られるフィルム150が小径ローラ22aによって巻取軸50側に押圧されている。小径ローラ22aによる押圧力は、アーム24aに連結されたエアシリンダ(図示省略)によって調整される。また、大径ローラ21aが図2において反時計回りに回転されることにより、小径ローラ22aおよび23aが図2において時計回りに回転されるので、巻取軸50に向かうフィルム150が適切に搬送される。
【0043】
ここで、巻取軸50に向かうフィルム150が大径ローラ21aに接触されないように、小径ローラ23aが配置されている。また、上流側の巻取軸50は、回動軸1aと同じ高さ位置である巻取位置に配置されている。そして、巻取位置の巻取軸50の回転中心と、小径ローラ22aの回転中心と、大径ローラ21aの回転中心とが一直線上に配置されるように、スライド装置7によりアーム24aの角度が調整される。このとき、たとえば、アーム24aは、回動軸を通過する鉛直線に対して大径ローラ21aが下流側(X2方向側)に位置するように、鉛直方向に対して3~4度程度傾斜されている。また、小径ローラ22aの回転中心は、大径ローラ21aの回転中心とほぼ同じ高さ位置に配置されている。
【0044】
なお、タッチローラ装置2b、切断装置5bおよび切断補助装置6aは、上方に退避され、切断装置5aおよび切断補助装置6bは、下方に退避されている。
【0045】
そして、図3に示すように、フィルム150の巻き取りに起因して巻取ロール151の
直径が大きくなるにつれて、スライド装置7が上流側に移動される。
【0046】
[下巻取から上巻取への巻替]
そして、下巻取から上巻取への巻替が開始されると、まず、図3の状態からアーム33を上側に回動させることにより、図4に示すように、巻取軸50に向かうフィルム150が下側ローラ32に巻き掛けられる。
【0047】
次に、アーム24aを回動させるとともに、ターレット装置1をR1方向に回動させることにより、図5に示すように、タッチローラ装置2aが下方に退避されるとともに、巻取ロール151が下流側に退避される。このとき、ターレット装置1が回動軸1aを中心にして190度回動されており、巻取ロール151の巻取軸50が回動軸1aよりも下方に配置されるとともに、新しい巻取軸50が回動軸1aよりも上方に配置されている。この新しい巻取軸50が配置された位置は、上巻取にするための第1巻替位置である。また、下側ローラ32から巻取ロール151に向かうフィルム150には、第1巻替位置の新しい巻取軸50が巻き掛けられている。第1巻替位置の新しい巻取軸50は、フィルム150の下面と接触され、図5において時計回りに回転される。
【0048】
次に、アーム33を下側に回動させることにより、図6に示すように、新しい巻取軸50に向かうフィルム150が上側ローラ31に巻き掛けられる。次に、アーム24bを回動させるとともに、アーム62bを回動させることにより、図7に示すように、タッチローラ装置2bによりフィルム150が新しい巻取軸50に押し付けられるとともに、支持板61bが新しい巻取軸50の近傍に配置される。なお、アーム24bが回動されると、キャリア25bが回転されることにより、小径ローラ22bおよび23bが大径ローラ21bの周囲を旋回する。ここで、第1巻替位置の新しい巻取軸50の回転中心と、小径ローラ22bの回転中心と、大径ローラ21bの回転中心とが一直線上に配置されるように、スライド装置7によりアーム24bの角度が調整される。このとき、たとえば、アーム24bは鉛直方向(真下)を向いており、小径ローラ22bが大径ローラ21bに対して下流側の斜め上方に配置されている。
【0049】
次に、アーム54bおよび55bを回動させることにより、図8に示すように、新しい巻取軸50から巻取ロール151に向かうフィルム150の搬送経路がガイドローラ51bによって変更されるとともに、押さえローラ52bによってフィルム150が新しい巻取軸50に押さえ付けられる。このため、第1巻替位置の新しい巻取軸50の外周面におけるフィルム150が巻き掛けられる角度範囲(新しい巻取軸50にフィルム150が接触する角度範囲)が広くなり、第1巻替位置の新しい巻取軸50と押さえローラ52bとの間にフィルム150が挟み込まれる。なお、ガイドローラ51bは、新しい巻取軸50の下方に配置されるとともに、支持板61bの近傍に配置される。
【0050】
次に、アーム56bを回動させることにより、図9に示すように、新しい巻取軸50と支持板61bとの間に切断刃53bが進入されるため、その際にフィルム150が切断刃53bによって切断される。この切断刃53bによるフィルム150の切断時に、切断刃53bによって押し込まれるフィルム150を支持板61bが支えるようにされている。下流側の切断端は巻取ロール151に巻き取られ、上流側の切断端は新しい巻取軸50に巻き付けられる。
【0051】
その後、切断装置5bが元の位置に戻されるとともに、切断補助装置6bが元の位置に戻される。また、フィルム150が巻き付けられた新しい巻取軸50が巻取位置に移動され、経路切替装置3が上側に回動される。巻き終わった巻取ロール151はターレット装置1から取り外され、ターレット装置1に新しい巻取軸50が装着される。
【0052】
このようにして、下巻取から上巻取への巻替が行われる。なお、この巻替は、巻取ロール151にフィルム150を巻き取りながら行われる。すなわち、フィルム150の巻き取りを中断することなく、フィルム150を巻き取る巻取軸50が切り替えられる。
【0053】
[下巻取のままの巻替]
また、下巻取のままの巻替が開始されると、まず、図3の状態から、ターレット装置1をR2方向に回動させるとともに、アーム62aを回動させることにより、図10に示すように、巻取ロール151が下流側に退避されるとともに、支持板61aが新しい巻取軸50の近傍に配置される。ここで、ターレット装置1が回動軸1aを中心にして190度回動されており、巻取ロール151の巻取軸50が回動軸1aよりも上方に配置されるとともに、新しい巻取軸50が回動軸1aよりも下方に配置されている。この新しい巻取軸50が配置された位置は、下巻取にするための第2巻替位置である。第2巻替位置の新しい巻取軸50は、フィルム150の上面と接触され、図10において反時計回りに回転される。第2巻替位置の新しい巻取軸50には、タッチローラ装置2aによりフィルム150が押し付けられる。また、第2巻替位置の新しい巻取軸50の回転中心と、小径ローラ22aの回転中心と、大径ローラ21aの回転中心とが一直線上に配置されるように、スライド装置7によりアーム24aの角度が調整される。このとき、たとえば、アーム24aは鉛直方向(真上)を向いており、小径ローラ22aが大径ローラ21aに対して下流側の斜め下方に配置されている。
【0054】
次に、アーム54aおよび55aを回動させることにより、図11に示すように、新しい巻取軸50から巻取ロール151に向かうフィルム150の搬送経路がガイドローラ51aによって変更されるとともに、押さえローラ52aによってフィルム150が新しい巻取軸50に押さえ付けられる。このため、第2巻替位置の新しい巻取軸50の外周面におけるフィルム150が巻き掛けられる角度範囲(新しい巻取軸50にフィルム150が接触する角度範囲)が広くなり、第2巻替位置の新しい巻取軸50と押さえローラ52aとの間にフィルム150が挟み込まれる。なお、ガイドローラ51aは、新しい巻取軸50の上方に配置されるとともに、支持板61aの近傍に配置される。
【0055】
次に、アーム56aを回動させることにより、図12に示すように、新しい巻取軸50と支持板61aとの間に切断刃53aが進入されるため、その際にフィルム150が切断刃53aによって切断される。この切断刃53aによるフィルム150の切断時に、切断刃53aによって押し込まれるフィルム150を支持板61aが支えるようにされている。下流側の切断端は巻取ロール151に巻き取られ、上流側の切断端は新しい巻取軸50に巻き付けられる。
【0056】
その後、切断装置5aが元の位置に戻されるとともに、切断補助装置6aが元の位置に戻される。また、フィルム150が巻き付けられた新しい巻取軸50が巻取位置に移動される。巻き終わった巻取ロール151はターレット装置1から取り外され、ターレット装置1に新しい巻取軸50が装着される。
【0057】
このようにして、下巻取のままの巻替が行われる。なお、この巻替は、巻取ロール151にフィルム150を巻き取りながら行われる。すなわち、フィルム150の巻き取りを中断することなく、フィルム150を巻き取る巻取軸50が切り替えられる。
【0058】
[上巻取]
まず、上流側から供給されるフィルム150の上巻取が行われる場合には、図13に示すように、経路切替装置3が上側に回動されており、搬送ローラ4によって搬送されるフィルム150が下側ローラ32に巻き掛けられている。また、タッチローラ装置2bにより、フィルム150が上流側(X1方向側)の巻取軸50に押し付けられている。
【0059】
具体的には、下側ローラ32を通過したフィルム150は、小径ローラ23bを介して巻取軸50と小径ローラ22bとの間に搬送される。そして、上流側の巻取軸50が図13において時計回りに回転されることにより、その巻取軸50にフィルム150が巻き取られる。このとき、大径ローラ21bが小径ローラ22bを巻取軸50側に押し付けており、巻取軸50に巻き取られるフィルム150が小径ローラ22bによって巻取軸50側に押圧されている。小径ローラ22bによる押圧力は、アーム24bに連結されたエアシリンダ(図示省略)によって調整される。また、大径ローラ21bが図13において時計回りに回転されることにより、小径ローラ22bおよび23bが図13において反時計回りに回転されるので、巻取軸50に向かうフィルム150が適切に搬送される。
【0060】
ここで、巻取軸50に向かうフィルム150が大径ローラ21bに接触されないように、小径ローラ23bが配置されている。また、上流側の巻取軸50は、回動軸1aと同じ高さ位置である巻取位置に配置されている。そして、巻取位置の巻取軸50の回転中心と、小径ローラ22bの回転中心と、大径ローラ21bの回転中心とが一直線上に配置されるように、スライド装置7によりアーム24bの角度が調整される。このとき、たとえば、アーム24bは、回動軸を通過する鉛直線に対して大径ローラ21bが下流側(X2方向側)に位置するように、鉛直方向に対して3~4度程度傾斜されている。また、小径ローラ22bの回転中心は、大径ローラ21bの回転中心とほぼ同じ高さ位置に配置されている。
【0061】
なお、切断装置5bおよび切断補助装置6aは、上方に退避され、タッチローラ装置2a、切断装置5aおよび切断補助装置6bは、下方に退避されている。
【0062】
そして、図14に示すように、フィルム150の巻き取りに起因して巻取ロール151の直径が大きくなるにつれて、スライド装置7が上流側に移動される。
【0063】
[上巻取から下巻取への巻替]
そして、上巻取から下巻取への巻替が開始されると、まず、図14の状態からアーム33を下側に回動させることにより、図15に示すように、巻取軸50に向かうフィルム150が上側ローラ31に巻き掛けられる。
【0064】
次に、アーム24bを回動させるとともに、ターレット装置1をR2方向に回動させることにより、図16に示すように、タッチローラ装置2bが上方に退避されるとともに、巻取ロール151が下流側に退避される。このとき、ターレット装置1が回動軸1aを中心にして190度回動されており、巻取ロール151の巻取軸50が回動軸1aよりも上方に配置されるとともに、新しい巻取軸50が回動軸1aよりも下方に配置されている。この新しい巻取軸50が配置された位置は、下巻取にするための第2巻替位置である。また、上側ローラ31から巻取ロール151に向かうフィルム150には、第2巻替位置の新しい巻取軸50が巻き掛けられている。第2巻替位置の新しい巻取軸50は、フィルム150の上面と接触され、図16において反時計回りに回転される。
【0065】
次に、アーム33を上側に回動させることにより、図17に示すように、新しい巻取軸50に向かうフィルム150が下側ローラ32に巻き掛けられる。次に、アーム24aを回動させるとともに、アーム62aを回動させることにより、図18に示すように、タッチローラ装置2aによりフィルム150が新しい巻取軸50に押し付けられるとともに、支持板61aが新しい巻取軸50の近傍に配置される。なお、アーム24aが回動されると、キャリア25aが回転されることにより、小径ローラ22aおよび23aが大径ローラ21aの周囲を旋回する。ここで、第2巻替位置の新しい巻取軸50の回転中心と、小径ローラ22aの回転中心と、大径ローラ21aの回転中心とが一直線上に配置されるよ
うに、スライド装置7によりアーム24aの角度が調整される。このとき、たとえば、アーム24aは鉛直方向(真上)を向いており、小径ローラ22aが大径ローラ21aに対して下流側の斜め下方に配置されている。
【0066】
次に、アーム54aおよび55aを回動させることにより、図19に示すように、新しい巻取軸50から巻取ロール151に向かうフィルム150の搬送経路がガイドローラ51aによって変更されるとともに、押さえローラ52aによってフィルム150が新しい巻取軸50に押さえ付けられる。このため、第2巻替位置の新しい巻取軸50の外周面におけるフィルム150が巻き掛けられる角度範囲(新しい巻取軸50にフィルム150が接触する角度範囲)が広くなり、第2巻替位置の新しい巻取軸50と押さえローラ52aとの間にフィルム150が挟み込まれる。なお、ガイドローラ51aは、新しい巻取軸50の上方に配置されるとともに、支持板61aの近傍に配置される。
【0067】
次に、アーム56aを回動させることにより、図20に示すように、新しい巻取軸50と支持板61aとの間に切断刃53aが進入されるため、その際にフィルム150が切断刃53aによって切断される。この切断刃53aによるフィルム150の切断時に、切断刃53aによって押し込まれるフィルム150を支持板61aが支えるようにされている。下流側の切断端は巻取ロール151に巻き取られ、上流側の切断端は新しい巻取軸50に巻き付けられる。
【0068】
その後、切断装置5aが元の位置に戻されるとともに、切断補助装置6aが元の位置に戻される。また、フィルム150が巻き付けられた新しい巻取軸50が巻取位置に移動され、経路切替装置3が下側に回動される。巻き終わった巻取ロール151はターレット装置1から取り外され、ターレット装置1に新しい巻取軸50が装着される。
【0069】
このようにして、上巻取から下巻取への巻替が行われる。なお、この巻替は、巻取ロール151にフィルム150を巻き取りながら行われる。すなわち、フィルム150の巻き取りを中断することなく、フィルム150を巻き取る巻取軸50が切り替えられる。
【0070】
[上巻取のままの巻替]
また、上巻取のままの巻替が開始されると、まず、図14の状態から、ターレット装置1をR1方向に回動させるとともに、アーム62bを回動させることにより、図21に示すように、巻取ロール151が下流側に退避されるとともに、支持板61bが新しい巻取軸50の近傍に配置される。ここで、ターレット装置1が回動軸1aを中心にして190度回動されており、巻取ロール151の巻取軸50が回動軸1aよりも下方に配置されるとともに、新しい巻取軸50が回動軸1aよりも上方に配置されている。この新しい巻取軸50が配置された位置は、上巻取にするための第1巻替位置である。第1巻替位置の新しい巻取軸50は、フィルム150の下面と接触され、図21において時計回りに回転される。第1巻替位置の新しい巻取軸50には、タッチローラ装置2bによりフィルム150が押し付けられる。また、第1巻替位置の新しい巻取軸50の回転中心と、小径ローラ22bの回転中心と、大径ローラ21bの回転中心とが一直線上に配置されるように、スライド装置7によりアーム24bの角度が調整される。このとき、たとえば、アーム24bは鉛直方向(真下)を向いており、小径ローラ22bが大径ローラ21bに対して下流側の斜め上方に配置されている。
【0071】
次に、アーム54bおよび55bを回動させることにより、図22に示すように、新しい巻取軸50から巻取ロール151に向かうフィルム150の搬送経路がガイドローラ51bによって変更されるとともに、押さえローラ52bによってフィルム150が新しい巻取軸50に押さえ付けられる。このため、第1巻替位置の新しい巻取軸50の外周面におけるフィルム150が巻き掛けられる角度範囲(新しい巻取軸50にフィルム150が
接触する角度範囲)が広くなり、第1巻替位置の新しい巻取軸50と押さえローラ52bとの間にフィルム150が挟み込まれる。なお、ガイドローラ51bは、新しい巻取軸50の下方に配置されるとともに、支持板61bの近傍に配置される。
【0072】
次に、アーム56bを回動させることにより、図23に示すように、新しい巻取軸50と支持板61bとの間に切断刃53bが進入されるため、その際にフィルム150が切断刃53bによって切断される。この切断刃53bによるフィルム150の切断時に、切断刃53bによって押し込まれるフィルム150を支持板61bが支えるようにされている。下流側の切断端は巻取ロール151に巻き取られ、上流側の切断端は新しい巻取軸50に巻き付けられる。
【0073】
その後、切断装置5bが元の位置に戻されるとともに、切断補助装置6bが元の位置に戻される。また、フィルム150が巻き付けられた新しい巻取軸50が巻取位置に移動される。巻き終わった巻取ロール151はターレット装置1から取り外され、ターレット装置1に新しい巻取軸50が装着される。
【0074】
このようにして、上巻取のままの巻替が行われる。なお、この巻替は、巻取ロール151にフィルム150を巻き取りながら行われる。すなわち、フィルム150の巻き取りを中断することなく、フィルム150を巻き取る巻取軸50が切り替えられる。
【0075】
-効果-
本実施形態では、上記のように、巻取ロール151にフィルム150を押し付ける小径ローラ22a(22b)と、小径ローラ22a(22b)を支持する大径ローラ21a(21b)とが設けられることによって、小径ローラ22a(22b)が撓むのを抑制するとともに、フィルム150が幅広で高速な巻き取りが行われる場合であっても、巻取ロール151への空気の混入を抑制することができる。したがって、巻取ロール151の品質向上を図ることができる。
【0076】
また、本実施形態では、小径ローラ23a(23b)が設けられることによって、巻取軸50に向かうフィルム150が大径ローラ21a(21b)に接触されないようにすることができる。
【0077】
また、本実施形態では、アーム24a(24b)の回動に応じて、小径ローラ22aおよび23a(22bおよび23b)が大径ローラ21a(21b)の周囲を旋回するように構成されることによって、大径ローラ21a(21b)に対する小径ローラ22aおよび23a(22bおよび23b)の位置を容易に調整することができる。このため、巻取位置の巻取軸50および第2巻替位置(第1巻替位置)の巻取軸50に対して適切に小径ローラ22a(22b)を押し付けることができる。
【0078】
また、本実施形態では、タッチローラ装置2aおよび2bと、切断装置5aおよび5bと、切断補助装置6aおよび6bと、経路切替装置3とが設けられることによって、下巻取および上巻取の両方に対応することができる。また、巻取軸50を切り替える際に、下巻取から上巻取に変更したり、上巻取から下巻取に変更したりすることができる。
【0079】
-他の実施形態-
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0080】
たとえば、上記実施形態では、下巻取および上巻取の両方に対応可能なフィルム巻取装置100に本発明が適用される例を示したが、これに限らず、下巻取のみを行うフィルム巻取装置に本発明が適用されていてもよいし、上巻取のみを行うフィルム巻取装置に本発明が適用されていてもよい。
【0081】
また、上記実施形態では、巻替時にアーム24a(24b)が鉛直方向を向くとともに、巻取時にアーム24a(24b)が若干傾斜される例を示したが、これに限らず、巻取時にアームが鉛直方向を向くとともに、巻替時にアームが若干傾斜されるようにしてもよい。いずれの場合であっても、タッチローラ装置の押圧力がローラの自重によって影響を受けるのを抑制することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 ターレット装置
2a タッチローラ装置(下巻取用タッチローラ装置)
2b タッチローラ装置(上巻取用タッチローラ装置)
21a 大径ローラ
21b 大径ローラ
22a 小径ローラ(第1小径ローラ)
22b 小径ローラ(第1小径ローラ)
23a 小径ローラ(第2小径ローラ)
23b 小径ローラ(第2小径ローラ)
24a アーム
24b アーム
50 巻取軸
100 フィルム巻取装置
150 フィルム
151 巻取ロール
【要約】
【課題】フィルムが幅広で高速な巻き取りが行われる場合であっても、巻取ロールへの空気の混入を抑制することが可能なタッチローラ装置を提供する。
【解決手段】タッチローラ装置2aは、フィルム巻取装置の巻取ロール151にフィルム150を押圧するものであり、大径ローラ21aと、大径ローラ21aの周囲に配置される小径ローラ22aとを備える。小径ローラ22aは、大径ローラ21aと接触されて連れ回されるように構成され、かつ、巻取ロール151に当接されるように構成されている。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23