(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20230222BHJP
H04W 24/08 20090101ALI20230222BHJP
H04W 16/18 20090101ALI20230222BHJP
H04B 17/345 20150101ALI20230222BHJP
H04B 17/373 20150101ALI20230222BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W24/08
H04W16/18
H04B17/345
H04B17/373
(21)【出願番号】P 2019209573
(22)【出願日】2019-11-20
【審査請求日】2021-11-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、総務省、「異システム間の周波数共用技術の高度化に関する研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】599108264
【氏名又は名称】株式会社KDDI総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】伊神 皓生
(72)【発明者】
【氏名】天野 良晃
【審査官】三枝 保裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/061586(WO,A1)
【文献】特開2014-123885(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0245333(US,A1)
【文献】特開2010-028728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
H04B 17/345
H04B 17/373
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納部と、
前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断部と、
前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定部と、
を備え
、
前記保護マージン決定部は、前記保護マージンの決定が行われる決定時刻から前記共用周波数帯の予定利用時刻までの時間に応じた時間分だけ前記決定時刻よりも過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、
情報提供装置。
【請求項2】
共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納部と、
前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断部と、
前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定部と、
を備え、
前記保護マージン決定部は、前記共用周波数帯の予定利用時刻に対応する過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、
情報提供装置。
【請求項3】
前記保護マージン決定部は、
前記予測精度が一定の精度よりも良い場合に基本の前記保護マージンから一定量減少させ、
前記予測精度が一定の精度よりも悪い場合に基本の前記保護マージンから一定量増加させる、
請求項1
又は2のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記保護マージンと前記電波伝搬状況予測値とを使用して前記共用周波数帯の空きリソースの有無を判定し、前記共用周波数帯の空きリソースの有無の判定結果を示す空きリソース情報を生成する空きリソース情報生成部をさらに備える、
請求項1から
3のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
情報提供装置が、共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納ステップと、
前記情報提供装置が、前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断ステップと、
前記情報提供装置が、前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定ステップと、
を含
み、
前記保護マージン決定ステップは、前記保護マージンの決定が行われる決定時刻から前記共用周波数帯の予定利用時刻までの時間に応じた時間分だけ前記決定時刻よりも過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、
情報提供方法。
【請求項6】
情報提供装置が、共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納ステップと、
前記情報提供装置が、前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断ステップと、
前記情報提供装置が、前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定ステップと、
を含み、
前記保護マージン決定ステップは、前記共用周波数帯の予定利用時刻に対応する過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、
情報提供方法。
【請求項7】
コンピュータに、
共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納ステップと、
前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断ステップと、
前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム
であって、
前記保護マージン決定ステップは、前記保護マージンの決定が行われる決定時刻から前記共用周波数帯の予定利用時刻までの時間に応じた時間分だけ前記決定時刻よりも過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、
コンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納ステップと、
前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断ステップと、
前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定ステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラムであって、
前記保護マージン決定ステップは、前記共用周波数帯の予定利用時刻に対応する過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、異なる複数の無線通信システムが同じ周波数帯を共用することが検討されている。例えば、既存の無線通信システム(プライマリシステム)に割り当てられている周波数帯を他の無線通信システム(セカンダリシステム)が二次的に利用することができるようにすることが検討されている。複数の無線通信システムが共用する周波数帯(共用周波数帯)における電波干渉を回避するための干渉回避技術が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載される干渉回避技術では、プライマリシステムのために保護される周波数チャネルを二次利用する1つ以上のセカンダリシステムの、基準送信電力と干渉回避用のマージンとを含む割当てられるべき送信電力を計算する計算部に対して、セカンダリシステム数の変化分に基づいて干渉回避用のマージンを調整させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1に記載の干渉回避技術では、干渉回避用のマージンが過剰である場合が発生して共用周波数帯の利用効率が低下する可能性があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを適切に決定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様は、共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納部と、前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断部と、前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定部と、を備え、前記保護マージン決定部は、前記保護マージンの決定が行われる決定時刻から前記共用周波数帯の予定利用時刻までの時間に応じた時間分だけ前記決定時刻よりも過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、情報提供装置である。
(2)本発明の一態様は、共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納部と、前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断部と、前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定部と、を備え、前記保護マージン決定部は、前記共用周波数帯の予定利用時刻に対応する過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、情報提供装置である。
(3)本発明の一態様は、前記保護マージン決定部は、前記予測精度が一定の精度よりも良い場合に基本の前記保護マージンから一定量減少させ、前記予測精度が一定の精度よりも悪い場合に基本の前記保護マージンから一定量増加させる、上記(1)又は(2)のいずれかの情報提供装置である。
(4)本発明の一態様は、前記保護マージンと前記電波伝搬状況予測値とを使用して前記共用周波数帯の空きリソースの有無を判定し、前記共用周波数帯の空きリソースの有無の判定結果を示す空きリソース情報を生成する空きリソース情報生成部をさらに備える、上記(1)から(3)のいずれかの情報提供装置である。
【0007】
(5)本発明の一態様は、情報提供装置が、共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納ステップと、前記情報提供装置が、前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断ステップと、前記情報提供装置が、前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定ステップと、を含み、前記保護マージン決定ステップは、前記保護マージンの決定が行われる決定時刻から前記共用周波数帯の予定利用時刻までの時間に応じた時間分だけ前記決定時刻よりも過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、情報提供方法である。
(6)本発明の一態様は、情報提供装置が、共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納ステップと、前記情報提供装置が、前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断ステップと、前記情報提供装置が、前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定ステップと、を含み、前記保護マージン決定ステップは、前記共用周波数帯の予定利用時刻に対応する過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、情報提供方法である。
【0008】
(7)本発明の一態様は、コンピュータに、共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納ステップと、前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断ステップと、前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記保護マージン決定ステップは、前記保護マージンの決定が行われる決定時刻から前記共用周波数帯の予定利用時刻までの時間に応じた時間分だけ前記決定時刻よりも過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、コンピュータプログラムである。
(8)本発明の一態様は、コンピュータに、共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す電波伝搬状況予測値を格納する予測値格納ステップと、前記電波伝搬状況予測値と前記共用周波数帯について実測された電波伝搬状況測定値とに基づいて前記電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する予測精度判断ステップと、前記予測精度に基づいて、前記共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを決定する保護マージン決定ステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであって、前記保護マージン決定ステップは、前記共用周波数帯の予定利用時刻に対応する過去に予測された前記電波伝搬状況予測値に基づいた前記予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する前記保護マージンを決定する、コンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンを適切に決定することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係る予測値格納部の構成例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る空きリソース有無判定方法を説明するためのグラフ図である。
【
図4】一実施形態に係る情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。
【
図5】一実施形態に係る保護マージン決定方法の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
図1において、情報提供装置1は、予測値格納部11と、予測精度判断部12と、保護マージン決定部13と、空きリソース情報生成部14とを備える。
【0012】
情報提供装置1の各機能は、情報提供装置1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、情報提供装置1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、情報提供装置1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、情報提供装置1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、情報提供装置1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0013】
情報提供装置1は、無線通信システムが利用する共用周波数帯について、当該無線通信システムとは異なる他の無線通信システムが共用周波数帯を利用する場合に共用周波数帯における電波干渉を回避するための情報を提供する。本実施形態の一例として、情報提供装置1は、既存の無線通信システム(プライマリシステム)に割り当てられている周波数帯を他の無線通信システム(セカンダリシステム)が二次的に利用する場合に、当該周波数帯(共用周波数帯)における電波干渉を回避するための情報を提供する。
【0014】
予測値格納部11は、共用周波数帯について過去に予測された電波伝搬状況を示す値(電波伝搬状況予測値)を格納する。本実施形態の一例として、電波伝搬状況を示す値(電波伝搬状況値)は受信電力である。
【0015】
図2は、本実施形態に係る予測値格納部の構成例を示す図である。予測値格納部11は、電波伝搬状況を予測する対象の場所(予測対象場所)毎に、
図2に示される電波伝搬状況予測値情報を格納する。
図2において、予測値格納部11は、電波伝搬状況の予測が実施された時刻(予測実施時刻)毎に、電波伝搬状況を予測する先の各時刻(予測先時刻)の電波伝搬状況予測値を格納する。例えば、予測実施時刻「Tn-3」に予測された電波伝搬状況予測値として、予測先時刻「Tn-2」の電波伝搬状況予測値a1、予測先時刻「Tn-1」の電波伝搬状況予測値a2、予測先時刻「Tn」の電波伝搬状況予測値a3、・・・、予測先時刻「Tn+4」の電波伝搬状況予測値a7などが格納されている。なお、時間の流れは、時刻「Tn-3」から「Tn-2」、「Tn-1」、「Tn」、「Tn+1」、・・・、「Tn+4」、・・・の順に先の時刻である。したがって、予測実施時刻「Tn-3」では、予測実施時刻「Tn-3」よりも先の時刻「Tn-2」、「Tn-1」、「Tn」、「Tn+1」、・・・、「Tn+4」、・・・について、それぞれに電波伝搬状況予測値が予測される。
【0016】
電波伝搬状況予測値は、例えば、予測対象場所における各種の時系列情報を入力値として機械学習された時系列伝搬推定モデルを使用して求められる。当該時系列情報は、例えば、天候(雨量、気温、気圧等)、交通量、建物、樹木、通信トラフィック、イベント等の時系列の情報である。イベントの時系列情報は、例えば、SNS(Social Networking Service、ソーシャル・ネットワーキング・サービス)等から収集される。また、時系列伝搬推定モデルの機械学習に使用される正解値は、予測対象場所で実測された電波伝搬状況値である。なお、当該正解値は、予測対象場所で実測された測定値に基づいて、実測されていない場所や時間について補間された電波伝搬状況値を含んでもよい。
【0017】
説明を
図1に戻す。
予測精度判断部12は、電波伝搬状況測定値Aと予測値格納部11に格納される電波伝搬状況予測値とに基づいて電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する。電波伝搬状況測定値Aは、共用周波数帯について実測された電波伝搬状況値である。電波伝搬状況測定値Aは、予測対象場所毎に、各予測先時刻で実測された電波伝搬状況値を含む。なお、電波伝搬状況測定値Aは、共用周波数帯について実測された電波伝搬状況値に基づいて、実測されていない場所や時間について補間された電波伝搬状況値を含んでもよい。
【0018】
予測精度判断部12は、予測対象場所毎に、電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する。予測精度判断部12は、各予測先時刻について、予測先時刻の電波伝搬状況予測値と電波伝搬状況測定値Aとを比較し、比較結果に基づいて予測先時刻における電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する。本実施形態の一例として、電波伝搬状況予測値の予測精度の判断は、所定の基準精度に対する3段階評価「基準精度よりも良い」、「基準精度と同等」又は「基準精度よりも悪い」である。
【0019】
保護マージン決定部13は、電波伝搬状況予測値の予測精度に基づいて、共用周波数帯における電波干渉を回避するための保護マージンBを決定する。保護マージン決定部13は、予測対象場所毎に、予測精度判断部12による電波伝搬状況予測値の予測精度の判断結果に基づいて保護マージンBを決定する。情報提供装置1は、保護マージン決定部13が決定した保護マージンBを出力する。保護マージンBは、例えば、プライマリシステムに割り当てられている周波数帯をセカンダリシステムが二次的に利用する場合に、当該周波数帯(共用周波数帯)における電波干渉を回避するために利用される。
【0020】
空きリソース情報生成部14は、予測対象場所毎に、各予測先時刻について、保護マージン決定部13が決定した保護マージンBと、予測値格納部11に格納される予測先時刻の電波伝搬状況予測値とを使用して、共用周波数帯の空きリソースの有無を判定する。空きリソース情報生成部14は、予測対象場所毎に、各予測先時刻について、共用周波数帯の空きリソースの有無の判定結果を示す空きリソース情報Cを生成する。
【0021】
図3は、本実施形態に係る空きリソース有無判定方法を説明するためのグラフ図である。
図3のグラフ図において、横軸は時間を示し、縦軸は受信電力を示す。
図3の例では、受信電力Wは、時刻t2から時刻t3までの期間に、干渉電力閾値THaを超えている。干渉電力閾値THaは電波干渉が発生する受信電力を示す閾値である。したがって、時刻t2から時刻t3までの期間には、電波干渉が発生することが想定されるので、共用周波数帯は共用が禁止される。
【0022】
本実施形態に係る空きリソース有無判定方法では、干渉電力閾値THaに対して保護マージンBが加味された空きリソース判定閾値THbを使用する。受信電力Wが空きリソース判定閾値THbを超える期間は、共用周波数帯を共用することが許可されない共用不可の期間であると判定される。これにより、共用周波数帯における電波干渉を余裕をもって回避することが図られる。
【0023】
図3の例では、時刻t1から時刻t4までの期間は、受信電力Wが干渉電力閾値THa未満の期間「時刻t1から時刻t2まで」及び「時刻t3から時刻t4まで」を含むが、受信電力Wが空きリソース判定閾値THbを超えているので、共用周波数帯を共用不可の期間である。受信電力Wが空きリソース判定閾値THbを超えていない期間は、共用周波数帯を共用することが許可される共用可の期間である。
【0024】
空きリソース情報生成部14は、共用周波数帯を共用不可の期間を、共用周波数帯の空きリソースが無いと判定する。一方、空きリソース情報生成部14は、共用周波数帯を共用可の期間を、共用周波数帯の空きリソースが有ると判定する。
【0025】
情報提供装置1は、空きリソース情報生成部14が生成した空きリソース情報Cを出力する。空きリソース情報Cは、例えば、情報提供装置1の外部のデータベース(空きリソース情報データベース)に格納される。空きリソース情報データベースは、例えば、プライマリシステムに割り当てられている周波数帯をセカンダリシステムが二次的に利用する場合に、共用周波数帯の空きリソースの状況を確認するために利用される。これにより、セカンダリシステムは、共用周波数帯の利用計画や投資計画の立案をすることが容易になる。また、セカンダリシステムは、共用周波数帯の空きリソースの予約等の共用周波数帯の利用手続きを円滑に実施することができる。
【0026】
次に
図4を参照して本実施形態に係る情報提供方法について説明する。
図4は、本実施形態に係る情報提供方法の手順の例を示すフローチャートである。情報提供装置1には、予め、基本の保護マージンが設定される。
【0027】
(ステップS1) 情報提供装置1は、電波伝搬状況予測値を予測値格納部11に格納する。
【0028】
(ステップS2) 情報提供装置1は、電波伝搬状況予測値と電波伝搬状況測定値Aとに基づいて電波伝搬状況予測値の予測精度を判断する。ここでの一例として、電波伝搬状況予測値の予測精度の判断は、所定の基準精度に対する3段階評価「基準精度よりも良い」、「基準精度と同等」又は「基準精度よりも悪い」である。
【0029】
(ステップS3) 電波伝搬状況予測値の予測精度の判断結果が「基準精度と同等」である場合、
図4の処理を終了する。この場合、保護マージンBは、基本の保護マージンのままである。
【0030】
電波伝搬状況予測値の予測精度の判断結果が「基準精度よりも良い」である場合、ステップS4に進む。電波伝搬状況予測値の予測精度の判断結果が「基準精度よりも悪い」である場合、ステップS5に進む。
【0031】
(ステップS4) 電波伝搬状況予測値の予測精度の判断結果が「基準精度よりも良い」である場合、情報提供装置1は、基本の保護マージンから一定量減少させた値を保護マージンBに決定する。これにより、過剰に保護マージンが取られることを防止し、共用周波数帯の利用効率の向上に寄与することができる。
【0032】
(ステップS5) 電波伝搬状況予測値の予測精度の判断結果が「基準精度よりも悪い」である場合、情報提供装置1は、基本の保護マージンから一定量増加させた値を保護マージンBに決定する。これにより、保護マージンの不足を防止し、共用周波数帯における電波干渉をより確実に回避することに寄与することができる。
【0033】
次に
図5を参照して本実施形態に係る保護マージン決定方法について説明する。
図5は、本実施形態に係る保護マージン決定方法の例を説明するための説明図である。
図5に示される保護マージン決定方法では、保護マージン決定部13は、保護マージンBの決定が行われる決定時刻「Tn」から共用周波数帯の予定利用時刻までの時間に応じた時間分だけ当該決定時刻よりも過去に予測された電波伝搬状況予測値に基づいた予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する保護マージンBを決定する。
【0034】
図5において、ステップS101では、予測対象場所について、共用周波数帯の予定利用時刻「Tn+3」に対する共用周波数帯の空きリソースの判定に使用される保護マージンBを決定する。この予定利用時刻「Tn+3」に対する保護マージンBの決定では、保護マージンBの決定が行われる決定時刻「Tn」から共用周波数帯の予定利用時刻「Tn+3」までの時間に応じた時間分だけ当該決定時刻「Tn」よりも過去(予測実施時刻「Tn-3」)に予測された電波伝搬状況予測値に基づいた予測精度に基づいて、当該予定利用時刻「Tn+3」に対する保護マージンBを決定する。
【0035】
ステップS102では、予測対象場所について、共用周波数帯の予定利用時刻「Tn+2」に対する共用周波数帯の空きリソースの判定に使用される保護マージンBを決定する。この予定利用時刻「Tn+2」に対する保護マージンBの決定では、保護マージンBの決定が行われる決定時刻「Tn」から共用周波数帯の予定利用時刻「Tn+2」までの時間に応じた時間分だけ当該決定時刻「Tn」よりも過去(予測実施時刻「Tn-2」)に予測された電波伝搬状況予測値に基づいた予測精度に基づいて、当該予定利用時刻「Tn+2」に対する保護マージンBを決定する。
【0036】
ステップS103では、予測対象場所について、共用周波数帯の予定利用時刻「Tn+1」に対する共用周波数帯の空きリソースの判定に使用される保護マージンBを決定する。この予定利用時刻「Tn+1」に対する保護マージンBの決定では、保護マージンBの決定が行われる決定時刻「Tn」から共用周波数帯の予定利用時刻「Tn+1」までの時間に応じた時間分だけ当該決定時刻「Tn」よりも過去(予測実施時刻「Tn-1」)に予測された電波伝搬状況予測値に基づいた予測精度に基づいて、当該予定利用時刻「Tn+1」に対する保護マージンBを決定する。
【0037】
図5に示される保護マージン決定方法により決定された予定利用時刻に対する保護マージンBは、保護マージンBの決定時刻「Tn」から予定利用時刻までの時間に応じた時間分だけ過去の電波伝搬状況予測値に基づいた予測精度が反映されたものになる。
【0038】
なお、保護マージン決定部13は、共用周波数帯の空きリソースの予定利用時刻に対応する過去に予測された電波伝搬状況予測値に基づいた予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する保護マージンBを決定してもよい。例えば、予定利用時刻と同じ曜日や同じ時刻の過去に予測された電波伝搬状況予測値に基づいた予測精度に基づいて、当該予定利用時刻に対する共用周波数帯の空きリソースの判定に使用される保護マージンBを決定してもよい。
【0039】
上述した実施形態によれば、共用周波数帯の空きリソースの判定に使用される電波伝搬状況予測値についての予測精度が共用周波数帯の空きリソースの判定に使用される保護マージンBに反映されるので、保護マージンBを適切に決定することができる。例えば、予測精度が基準精度よりも良い場合に、基本の保護マージンから一定量減少させた値を保護マージンBに決定することにより、過剰に保護マージンが取られることを防止し、共用周波数帯の利用効率の向上に寄与することができる。また、予測精度が基準精度よりも悪い場合に、基本の保護マージンから一定量増加させた値を保護マージンBに決定することにより、保護マージンの不足を防止し、共用周波数帯における電波干渉をより確実に回避することに寄与することができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0041】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0042】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0043】
1…情報提供装置、11…予測値格納部、12…予測精度判断部、13…保護マージン決定部、14…空きリソース情報生成部