(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】場所判定システムにおける使用のための伝送デバイス
(51)【国際特許分類】
G01S 5/18 20060101AFI20230222BHJP
G01S 5/08 20060101ALI20230222BHJP
G01S 5/10 20060101ALI20230222BHJP
G01S 5/14 20060101ALI20230222BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20230222BHJP
H04W 48/10 20090101ALI20230222BHJP
【FI】
G01S5/18
G01S5/08
G01S5/10 Z
G01S5/14
H04W84/10 110
H04W48/10
(21)【出願番号】P 2019568402
(86)(22)【出願日】2018-06-11
(86)【国際出願番号】 IB2018054217
(87)【国際公開番号】W WO2018229636
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-10
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508170852
【氏名又は名称】ソニター テクノロジーズ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ボーイ, ウィルフレッド エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】オイエン, アルネ
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0356876(US,A1)
【文献】特開2016-156799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0003866(US,A1)
【文献】特開2009-288245(JP,A)
【文献】特表2018-513076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 1/72- 1/82
G01S 3/80- 3/86
G01S 5/00- 5/14
G01S 5/18- 5/30
G01S 7/52- 7/64
G01S 15/00-15/96
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアルタイム位置特定システムと関連付けられた伝送デバイスであって、前記伝送デバイスは、
第1の周波数を有する音響信号を伝送するように構成された第1の変換器であって、前記音響信号は、前記伝送デバイスの識別コードを含み、前記識別コードは、前記伝送デバイスの場所を表す、第1の変換器と、
短距離無線通信技法を介してビーコンデータを伝送するように構成されたビーコンデバイスであって、前記ビーコンデータは、前記伝送された音響信号をデコードする際に受信デバイスによって使用され得る情報を含み、前記情報は、前記ビーコンデバイスの近傍において使用する際の識別コードのサブセットを記述し、前記識別コードは、識別コードの前記サブセットの要素である、ビーコンデバイスと
を備える、伝送デバイス。
【請求項2】
前記ビーコンデータはさらに、前記受信デバイスのタイミング同期のためのタイミング情報を含む、請求項1に記載の伝送デバイス。
【請求項3】
第2の周波数を有する第2の音響信号を伝送するように構成された第2の変換器と、
少なくとも部分的に、前記リアルタイム位置特定システムと関連付けられた1つ以上のモバイルユニットの1つ以上の動作能力に基づいて前記第1または第2の音響信号を選択し、前記選択された音響信号および前記ビーコンデータの伝送を生じさせるように構成されている、1つ以上の制御デバイスと
をさらに備える、請求項2に記載の伝送デバイス。
【請求項4】
前記第1の周波数は、19.5kHz~20.5kHzの範囲内であり、前記第2の周波数は、38kHz~42kHzの範囲内である、請求項3に記載の伝送デバイス。
【請求項5】
IEEE802.15.4プロトコルを介して、制御データをサーバから受信するように構成されている、無線受信機をさらに備える、請求項1に記載の伝送デバイス。
【請求項6】
868MHzの帯域または902~928MHzの範囲内の帯域内で動作する長距離(LoRa)プロトコルを介して、制御データをサーバから受信するように構成されている、無線受信機をさらに備える、請求項1に記載の伝送デバイス。
【請求項7】
前記短距離無線通信技法は、Bluetooth(登録商標)低エネルギープロトコルである、請求項1に記載の伝送デバイス。
【請求項8】
リアルタイム位置特定システムと関連付けられた方法であって、前記方法は、
第1の変換器によって、第1の周波数を有する第1の音響信号を伝送すること
であって、前記第1の音響信号は、前記第1の変換器の第1の識別コードを含み、前記第1の識別コードは、前記第1の変換器の場所を表す、ことと、
第2の変換器によって、第2の周波数を有する第2の音響信号を伝送すること
であって、前記第2の音響信号は、前記第2の変換器の第2の識別コードを含み、前記第2の識別コードは、前記第2の変換器の場所を表す、ことと、
ビーコンデバイスによって、短距離無線通信技法を介して、ビーコンデータを伝送することと、
1つ以上の制御デバイスによって、少なくとも部分的に、前記リアルタイム位置特定システムと関連付けられた1つ以上のモバイルユニットの1つ以上の動作能力に基づいて前記第1または第2の音響信号を選択し、前記選択された音響信号および前記ビーコンデータの伝送を生じさせることと
を含み、
前記第1の変換器、前記第2の変換器、前記ビーコンデバイス、および前記1つ以上の制御デバイスは、前記リアルタイム位置特定システムの一部を形成する、方法。
【請求項9】
前記第1の周波数は、19.5kHz~20.5kHzの範囲内であり、前記第2の周波数は、38kHz~42kHzの範囲内である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
無線受信機によって、
IEEE802.15.4プロトコルを介して、制御データをサーバから受信することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
無線受信機によって、LoRaプロトコルを介して、制御データをサーバから受信することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記LoRaプロトコルは、868MHzの帯域または902~928MHzの範囲内の帯域内で動作する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の変換器の設置面積および前記ビーコンデバイスの設置面積は、サイズで合致される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記短距離無線通信技法は、Bluetooth(登録商標)低エネルギープロトコルである、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
リアルタイム位置特定システムと関連付けられた無線通信デバイスであって、前記無線通信デバイスは、
伝送デバイスから第1の音響信号を受信するように構成された第1の変換器であって、前記第1の音響信号は、第1の周波数を有し、前記第1の音響信号は、前記伝送デバイスの場所を表す識別コードを含む、第1の変換器と、
短距離無線通信技法を介して前記伝送デバイスからビーコンデータを受信するように構成された第1の無線受信機であって、前記ビーコンデータは、前記第1の音響信号をデコードする際に前記無線通信デバイスによって使用される情報を含み、前記情報は、前記伝送デバイスの近傍において使用する際の識別コードのサブセットを記述し、前記識別コードは、識別コードの前記サブセットの要素である、第1の無線受信機と、
無線プロトコルを介して場所情報をサーバに伝送するように構成された無線送信機と
を備える、無線通信デバイス。
【請求項16】
前記第1の周波数は、19.5kHz~20.5kHzの範囲内である、請求項15に記載の無線通信デバイス。
【請求項17】
前記第1の周波数は、39.5kHz~40.5kHzの範囲内である、請求項15に記載の無線通信デバイス。
【請求項18】
前記無線プロトコルは、IEEE802.11無線プロトコルである、請求項15に記載の無線通信デバイス。
【請求項19】
前記無線プロトコルは、セルラープロトコルである、請求項15に記載の無線通信デバイス。
【請求項20】
前記短距離無線通信技法は、Bluetooth(登録商標)低エネルギープロトコルである、請求項15に記載の無線通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本開示は、概して、リアルタイム位置特定システムに関し、より具体的には、リアルタイム位置特定システムにおける使用のための伝送デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
近年、屋内測位システム等のリアルタイム位置特定システムは、増加された汎用性および用途を見出している。これは、建物または他の構造等の環境内の既知の場所における静的超音波送信機を使用して、部屋レベルの位置特定を提供することが知られている。そのような送信機は、超音波送信機のブロードキャスト範囲内に位置する1つ以上のモバイル受信機ユニットによって受信され得る、音響信号を伝送するために使用されることができる。モバイル受信機ユニットの場所は、少なくとも部分的に、静的送信機ユニットの位置およびモバイルユニットにおける音響信号の到着時間に基づいて、判定されてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(要約)
本開示の実施形態の側面および利点は、以下の説明に部分的に記載されるであろう、または説明から把握され得る、もしくは実施形態の実践を通して把握され得る。
【0004】
本開示の一例示的側面は、リアルタイム位置特定システムと関連付けられた伝送デバイスを対象とする。伝送デバイスは、第1の周波数を有する第1の音響信号を伝送するように構成される、第1の変換器を含む。伝送デバイスはさらに、第2の周波数を有する第2の音響信号を伝送するように構成される、第2の変換器を含む。伝送デバイスはさらに、短距離無線通信技法を介してビーコンデータを伝送するように構成される、ビーコンデバイスを含む。伝送デバイスはさらに、少なくとも部分的に、リアルタイム位置特定システムと関連付けられた1つ以上のモバイルユニットの1つ以上の動作能力に基づいて、第1または第2の音響信号を選択するように構成される、1つ以上の制御デバイスを含む。1つ以上の制御デバイスはさらに、選択された音響信号およびビーコンデータの伝送を生じさせるように構成される。
【0005】
本開示の他の側面は、リアルタイム位置特定を提供するためのシステム、装置、有形非一過性コンピュータ可読媒体、ユーザインターフェース、およびデバイスを対象とする。
【0006】
種々の実施形態のこれらおよび他の特徴、側面、ならびに利点は、以下の説明および添付の請求項を参照することによってより深く理解されるようになるであろう。本明細書内に組み込まれ、その一部を構成する、付随の図面は、本開示の実施形態を図示し、説明とともに、関連原理を説明する役割を果たす。
【0007】
当業者を対象とする、実施形態の詳細な議論は、添付の図を参照して本明細書に記載される。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
リアルタイム位置特定システムと関連付けられた伝送デバイスであって、前記伝送デバイスは、
第1の周波数を有する音響信号を伝送するように構成された第1の変換器であって、前記音響信号は、前記伝送デバイスの識別コードを含む、第1の変換器と、
短距離無線通信技法を介してビーコンデータを伝送するように構成されたビーコンデバイスであって、前記ビーコンデータは、前記伝送された音響信号をデコードする際に受信デバイスによって使用され得る、情報を含み、前記情報は、前記ビーコンデバイスの近傍において使用する際のコードのサブセットを記述する、ビーコンデバイスと
を備える、伝送デバイス。
(項目2)
前記ビーコンデータはさらに、前記受信デバイスのタイミング同期のためのタイミング情報を含む、項目1に記載の伝送デバイス。
(項目3)
第2の周波数を有する第2の音響信号を伝送するように構成された第2の変換器と、
少なくとも部分的に、前記リアルタイム位置特定システムと関連付けられた1つ以上のモバイルユニットの1つ以上の動作能力に基づいて前記第1または第2の音響信号を選択し、前記選択された音響信号および前記ビーコンデータの伝送を生じさせるように構成されている、1つ以上の制御デバイスと
をさらに備える、項目2に記載の伝送デバイス。
(項目4)
前記第1の周波数は、19.5kHz~20.5kHzの範囲内であり、前記第2の周波数は、38kHz~42kHzの範囲内である、項目3に記載の伝送デバイス。
(項目5)
802.15.4プロトコルを介して、制御データをサーバから受信するように構成されている、無線受信機をさらに備える、項目1に記載の伝送デバイス。
(項目6)
868MHzの帯域または902~928MHzの範囲内の帯域内で動作する長距離(LoRa)プロトコルを介して、制御データをサーバから受信するように構成されている、無線受信機をさらに備える、項目1に記載の伝送デバイス。
(項目7)
前記短距離無線通信技法は、Bluetooth(登録商標)低エネルギープロトコルである、項目1に記載の伝送デバイス。
(項目8)
リアルタイム位置特定システムと関連付けられた方法であって、前記方法は、
第1の変換器によって、第1の周波数を有する第1の音響信号を伝送することと、
第2の変換器によって、第2の周波数を有する第2の音響信号を伝送することと、
ビーコンデバイスによって、短距離無線通信技法を介して、ビーコンデータを伝送することと、
1つ以上の制御デバイスによって、少なくとも部分的に、前記リアルタイム位置特定システムと関連付けられた1つ以上のモバイルユニットの1つ以上の動作能力に基づいて前記第1または第2の音響信号を選択し、前記選択された音響信号および前記ビーコンデータの伝送を生じさせることと
を含み、
前記第1の変換器、前記第2の変換器、前記ビーコンデバイス、および前記1つ以上の制御デバイスは、前記リアルタイム位置特定システムの一部を形成する、方法。
(項目9)
前記第1の周波数は、19.5kHz~20.5kHzの範囲内であり、前記第2の周波数は、38kHz~42kHzの範囲内である、項目8に記載の方法。
(項目10)
無線受信機によって、802.15.4プロトコルを介して、制御データをサーバから受信することをさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目11)
無線受信機によって、LoRaプロトコルを介して、制御データをサーバから受信することをさらに含む、項目8に記載の方法。
(項目12)
前記LoRaプロトコルは、868MHzの帯域または902~928MHzの範囲内の帯域内で動作する、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記第1の変換器の設置面積および前記ビーコンデバイスの設置面積は、サイズで合致される、項目8に記載の方法。
(項目14)
前記短距離無線通信技法は、Bluetooth(登録商標)低エネルギープロトコルである、項目8に記載の方法。
(項目15)
リアルタイム位置特定システムと関連付けられた無線通信デバイスであって、前記無線通信デバイスは、
第1の周波数を有する第1の音響信号を受信するように構成された第1の変換器と、
短距離無線通信技法を介してビーコンデータを受信するように構成された第1の無線受信機と、
無線プロトコルを介して場所情報をサーバに伝送するように構成された無線送信機と
を備える、無線通信デバイス。
(項目16)
前記第1の周波数は、19.5kHz~20.5kHzの範囲内である、項目15に記載の無線通信デバイス。
(項目17)
前記第1の周波数は、39.5kHz~40.5kHzの範囲内である、項目15に記載の無線通信デバイス。
(項目18)
前記無線プロトコルは、802.11無線プロトコルである、項目15に記載の無線通信デバイス。
(項目19)
前記無線プロトコルは、セルラープロトコルである、項目15に記載の無線通信デバイス。
(項目20)
前記短距離無線通信技法は、Bluetooth(登録商標)低エネルギープロトコルである、項目15に記載の無線通信デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本開示の例示的実施形態による、リアルタイム位置特定システムにおいて使用するための例示的伝送デバイスを描写する。
【0009】
【
図2】
図2は、本開示の例示的実施形態による、リアルタイム位置特定システムにおいて使用するための例示的伝送デバイスの外面図を描写する。
【0010】
【
図3】
図3は、本開示の例示的実施形態による、例示的リアルタイム位置特定システムの概要を描写する。
【0011】
【
図4】
図4は、本開示の例示的実施形態による、モバイルユニットと関連付けられた場所を判定する例示的方法のフロー図を描写する。
【0012】
【
図5】
図5は、本開示の例示的実施形態による、伝送されるべき音響信号を選択する例示的方法のフロー図を描写する。
【0013】
【
図6-1】
図6A-6Iは、本開示の例示的実施形態による、例示的リアルタイム位置特定システムの例示的実証を描写する。
【
図6-2】
図6A-6Iは、本開示の例示的実施形態による、例示的リアルタイム位置特定システムの例示的実証を描写する。
【
図6-3】
図6A-6Iは、本開示の例示的実施形態による、例示的リアルタイム位置特定システムの例示的実証を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(詳細な説明)
本発明者らは、異なるタイプのモバイル受信機ユニットをより良好に取り扱うことができる、超音波リアルタイム位置特定システムが必要とされていることを認識している。1つの問題は、部分的に、種々のタイプのモバイルユニットの様々な動作能力に起因して、種々のタイプのモバイルユニットを特定のリアルタイム位置特定システム内に含めることが困難であり得る。例えば、スマートフォン、タブレット、または他のそのような消費者製品等のいくつかのモバイルユニットが、20kHzよりはるかに高い超音波信号を受信するように構成されていない一方、産業または保健医療用途において使用される種々のモバイルユニット等の他のモバイルユニットは、より高い周波数を有する超音波信号を受信するように構成され得る。そのような動作能力上の相違は、種々のモバイル受信機ユニットを使用してフレキシブルかつ正確なリアルタイム位置特定システムを達成することを困難にし得る。本明細書に説明される本開示の実施形態は、これらの難点を克服し、さらなる利点および特徴を提供する。
【0015】
ここで、実施形態を詳細に参照するが、1つ以上の実施例は、図面に図示される。各実施例が、実施形態の説明によって提供されるが、これは、本発明の限定ではない。実際、種々の修正および変形例が本開示の範囲または精神から逸脱することなく実施形態に行われ得ることが、当業者に明白となるであろう。例えば、一実施形態の一部として図示または説明される特徴は、別の実施形態と併用され、なおもさらなる実施形態をもたらすことができる。したがって、本開示の側面は、そのような修正および変形例を網羅することが意図される。
【0016】
本開示の例示的側面は、リアルタイム位置特定システムにおいて使用するための伝送デバイスを対象とする。例えば、伝送デバイスは、音響信号が1つ以上のモバイルユニットによって受信され得るように、音響信号を伝送するように構成されてもよい。いくつかの実装では、伝送デバイスは、ビーコンデータが1つ以上のモバイルユニットによって受信され得るように、ビーコンデータを伝送するように構成されてもよい。音響信号は、超音波音響信号(例えば、20kHzを上回るまたはそれと等しい周波数を有する、音響信号)であってもよい。いくつかの実装では、第1および第2の音響信号は、伝送デバイスと関連付けられた識別情報および/または特定の対象エリア内の伝送デバイスの場所を示す場所情報を含むことができる。例えば、場所データは、建物の特定の部屋内の伝送デバイスの場所を示すことができる。
【0017】
より具体的には、伝送デバイスは、第1の変換器と、第2の変換器とを含んでもよい。第1の変換器は、第1の周波数を有する第1の音響信号を伝送するように構成されてもよく、第2の変換器は、第2の周波数を有する第2の音響信号を伝送するように構成されてもよい。いくつかの実装では、第1の周波数は、約20kHzであることができ、第2の周波数は、約40kHzであることができる。本明細書で使用されるように、用語「約」は、数値と併用されるとき、数値の40%以内を指すように意図される。他の好適な周波数も、本開示の範囲から逸脱することなく使用されることができることを理解されたい。典型的には、音響信号は、適正なバッテリ寿命を取得するための高度に効率的音響変換器の使用に起因して、狭帯域性質を有する。これは、音響信号の帯域幅が、キャリア周波数の5~10%であることを意味する。
【0018】
伝送デバイスはさらに、ビーコンデータを伝送するように構成される、ビーコンデバイスを含んでもよい。いくつかの実装では、ビーコンデバイスは、伝送デバイス内に実装されることができる。ビーコンデバイスは、任意の好適な無線通信技法を使用してビーコンデータを提供するように構成される、任意の好適なビーコンデバイスであってもよい。例えば、ビーコンデバイスは、無線周波数ビーコンデバイス(例えば、Bluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)ビーコンデバイス、Bluetooth(登録商標)ビーコンデバイス、WiFiビーコンデバイス、WiFi直接ビーコンデバイス、近距離通信ビーコンデバイス、ZigBee(登録商標)ビーコンデバイス等)、赤外線ビーコンデバイス、または他の好適なビーコンデバイスであることができる。このように、ビーコンデバイスは、ビーコンデータを伝送する(例えば、好適な短距離無線通信技術を使用してブロードキャストする)ように構成される、好適な伝送デバイスを含むことができる。ビーコンデータは、伝送デバイスの識別を示すデータおよび/または伝送デバイスの場所を示すデータを含むことができる。いくつかの実装では、ビーコンデータ内に含まれる場所データは、特定の対象エリア内の伝送デバイスの相対的場所であることができる。ビーコンデータはまた、RF、超音波、またはその他である、伝送のタイミングを伴う情報を含んでもよい。
【0019】
リアルタイム位置特定システムは、例えば、屋内測位システムであってもよい。より具体的には、リアルタイム位置特定システムは、伝送デバイスと、1つ以上のモバイルユニットとを含んでもよい。モバイルユニットは、動作の間、ユーザによって携行されることが可能である、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルコンピューティングデバイス、または任意の他の好適なユーザデバイス等の任意のユーザデバイスであることができる。いくつかの実装では、モバイルユニットは、人物、物体、またはアイテムに添着される、または取り付けられるように構成される、専用測位タグであることができる。そのような測位タグは、伝送デバイスと通信し、測位タグ(および測位タグが取り付けられる、対応する人物、オブジェクト、またはアイテム)の場所を判定するように動作可能であることができる。
【0020】
このように、伝送デバイスは、伝送デバイスのブロードキャスト範囲内の1つ以上のモバイルユニットが、伝送された音響信号および/またはビーコンデータを受信し得るように、音響信号および/またはビーコンデータを対象エリア内で伝送するように構成されてもよい。いくつかの実装では、音響信号および/またはビーコンデータを受信する、モバイルユニットは、次いで、対象エリア内のモバイルユニットの場所を判定することができる。いくつかの実装では、モバイルユニットは、サーバが、少なくとも部分的に、音響信号および/またはビーコンデータに基づいて、対象エリア内のモバイルユニットの場所を判定し得るように、音響信号および/またはビーコンデータをサーバに提供することができる(例えば、好適な有線および/または無線通信を介して)。
【0021】
特に、本開示のリアルタイム位置特定システムは、1つ以上のモバイルユニットの場所、配向、および/または方向を判定するために使用されてもよい。モバイルユニットの場所、配向、および/または方向は、対象エリアに対して相対的であることができる。例えば、モバイルユニットの場所は、対象エリア内の場所であることができる。より具体的には、場所は、対象エリアおよび/または対象エリアが位置する建物もしくは他のエンティティのレイアウトおよび寸法に対して判定されることができる。場所は、3D空間に対するx-座標、y-座標、およびz-座標を規定する、3次元(3D)場所であることができる。いくつかの実装では、場所は、2次元場所であることができる。本開示の側面は、約6インチ~約12インチ以内で正確である、モバイルユニットの場所判定を提供することができる。
【0022】
いくつかの実装では、伝送デバイスは、少なくとも部分的に、リアルタイム位置特定システムと関連付けられた1つ以上のモバイルユニットの能力に基づいて、第1の周波数を有する第1の音響信号または第2の周波数を有する第2の音響信号(もしくは両方)を伝送するべきかどうかを判定してもよい。例えば、第1または第2の音響信号の選択は、少なくとも部分的に、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたモバイルユニット内に含まれる1つ以上のマイクロホン(もしくは他の好適な変換器)に基づいて、行われることができる。上記に示されるように、第1の音響信号(第1の変換器によって提供される)は、約20kHzの周波数を有することができ、第2の音響信号(第2の変換器によって提供される)は、約40kHzの周波数を有することができる。
【0023】
伝送すべき音響信号(それによって、信号を伝送するために使用するための変換器)の判定は、少なくとも部分的に、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたモバイルユニットの既知の能力に基づいて、事前判定されてもよい。例えば、従来のスマートフォンは、20kHzの周波数を有する音響信号を受信するように動作可能である、マイクロホンを含む。リアルタイム位置特定システムと関連付けられたモバイルユニットが、スマートフォン(または20kHz周波数を受信するように動作可能である、他の好適なモバイルユニット)を含むことが既知である場合、伝送デバイスは、第1の変換器を介して、第1の音響信号を提供するように動作されてもよい。いくつかの実装では、そのような音響信号判定は、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたユーザまたは他の人物によって、例えば、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたコンピューティングデバイス(例えば、
図3に関して説明されるコンピューティングデバイスのうちの1つ以上)と関連付けられたユーザインターフェースとの相互作用を通して、手動で行われることができる。いくつかの実装では、音響信号判定は、少なくとも部分的に、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたコンピューティングデバイス(例えば、
図3に関して説明されるコンピューティングデバイスのうちの1つ以上)によって実施されるルックアップ機能に基づいて、自動的に実施されることができる。より具体的には、コンピューティングデバイスは、音響信号の判定において使用されるべき情報を規定する、ルックアップテーブルにアクセスすることができる。そのようなルックアップテーブルは、例えば、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたモバイルユニットの特性および/または能力を含むことができる。例えば、ルックアップテーブルは、種々の好適なモバイルユニットのマイクロホンタイプ、特性、能力等を規定することができる。いくつかの実装では、ルックアップテーブルは、音響信号を伝送する際に使用するための特定の周波数または変換器を規定することができる。ルックアップ機能は、事前に定義されることができる、またはリアルタイムで判定されることができる。例えば、伝送デバイスは、モバイルユニットと通信し、モバイルユニットの識別を判定することができる。伝送デバイスは、次いで、識別に基づいて、ルックアップ機能を実施することができる。
【0024】
モバイルユニットの場所、配向、および/または方向は、少なくとも部分的に、モバイルユニットによって受信された音響信号に基づいて、判定されてもよい。そのような情報は、種々の好適な場所判定技法を使用して判定されてもよいことを理解されたい。例えば、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向は、三辺測量、マルチラテレーション、三角測量、または他の好適な技法を使用して、少なくとも部分的に、飛行時間(TOF)、到着時間差(TDOA)、到着角(AOA)等に基づいて、判定されることができる。いくつかの実装では、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向は、少なくとも部分的に、モバイルユニット内に実装される、または別様にそれと関連付けられる、1つ以上の位置センサに基づいて、判定されることができる。例えば、そのような情報は、例えば、好適なセンサ融合技法を使用して、モバイルユニット内に位置する、1つ以上の加速度計、ジャイロスコープ、慣性測定ユニット等を使用して、判定または精緻化されることができる。
【0025】
いくつかの実装では、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向は、少なくとも部分的に、伝送デバイスによって提供されるビーコンデータに基づいて、判定されてもよい。例えば、ビーコンデータは、音響信号および/または位置センサデータと併用され、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向を判定することができる。そのような実装では、ビーコンデータは、モバイルデバイスによって使用され、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向の進路推定を判定することができ、これは、少なくとも部分的に、音響信号および/または位置センサデータに基づいて、精緻化されることができる。いくつかの実装では、ビーコンデータは、音響信号に対するバックアップとして利用されることができる。例えば、音響信号が、モバイルユニットの場所を判定するために使用されることができない場合(例えば、モバイルユニット上のマイクロホンが、音響信号を受信しない場合)、ビーコンデータが、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向を判定するために使用されることができる。概して、ビーコンデータから判定されたモバイルユニットの場所、配向、および/または方向は、音響信号を使用して判定された場所、配向、および/または方向ほど正確ではないであろう。
【0026】
上記に示されるように、本開示のリアルタイム位置特定システムは、従来のリアルタイム位置特定システムと比較して、より正確かつ効率的な位置特定システムを提供する。より具体的には、本開示のリアルタイム位置特定システムは、約6インチ~約12インチ以内の増加された正確度を提供する。このように、モバイルユニットの場所は、部屋毎および/または下位部屋毎に判定されることができ、これは、より正確な場所追跡を可能にすることができる。そのようなリアルタイム位置特定システムは、より少ない処理電力を要求し、より小型であり、かつ容易にスケーラブルである、あまり複雑ではないインフラストラクチャを要求する。そのようなリアルタイム位置特定システムはさらに、多数の場所判定技法を利用することによって(例えば、音響信号、位置センサデータ、および/またはビーコンデータを使用して)、近リアルタイム待ち時間を提供する。そのようなリアルタイム位置特定システムはさらに、種々のタイプのモバイルユニットの使用を可能にし、かつ複数の周波数を有する複数の音響信号を提供し、そのような種々のモバイルユニットに適応するための能力を有することによって、増加されたフレキシビリティを提供する。
【0027】
本開示のリアルタイム位置特定システムは、場所追跡、ワークフロー、モバイル機器追跡、安全性およびコンプライアンス(例えば、手指衛生コンプライアンス、温度監視、幼児誘拐保護のためのドア施錠、徘徊管理、経路案内、モバイル機器管理、職員場所判定等)、または他の好適な用途等のいくつかの用途において使用されてもよい。例えば、本開示のリアルタイム位置特定システムは、出発点から目的地までの経路指定指示、段階的方向等をユーザに提供することによって、経路案内情報を提供するように構成されることができる。いくつかの実装では、そのような経路案内用途は、ユーザのモバイルユニットと関連付けられたマッピングまたはルーティングアプリケーションと併用され、建物、エリア、地理的領域等のマップに対する経路案内を促進することができる。一例示的使用分野は、保健医療産業におけるものである。例えば、本開示のリアルタイム位置特定システムは、病院内で実装され、患者追跡、患者フロー等を提供することができる。
【0028】
ここで図を参照して、本開示の例示的側面が、より詳細に議論されるであろう。例えば、
図1は、本開示の例示的実施形態による、リアルタイム位置特定システムにおいて使用するための例示的伝送デバイス100を描写する。伝送デバイス100は、第1の変換器102と、第2の変換器104と、ビーコンデバイス106とを含む。第1の変換器102および第2の変換器104は、音響信号を伝送するように構成される、任意の好適な変換器であることができる。より具体的には、第1の変換器102は、第1の音響信号を第1の周波数(例えば、約20kHz)で伝送するように構成されることができ、第2の変換器104は、第2の音響信号を第2の周波数(例えば、約40kHz)で伝送するように構成されることができる。示されるように、音響信号は、伝送デバイス100の識別を示すデータおよび/または伝送デバイス100の場所を示すデータを含むことができる。ビーコンデバイス100は、バッテリから給電され、数年にわたって動作することが可能であり得る。代替として、ユニットは、例えば、Ethernet(登録商標)または主電源を経由した電力を使用して、ケーブルを用いて給電されてもよい。
【0029】
ビーコンデバイス106は、好適な短距離無線通信技術を使用してビーコンデータを伝送するように構成される、任意の好適なビーコンデバイスであってもよい。例えば、ビーコンデバイス106は、BLEビーコンデバイス、WiFiビーコンデバイス、赤外線ビーコンデバイス、または他の好適なビーコンデバイスであってもよい。示されるように、ビーコンデータは、伝送デバイス100の識別を示すデータおよび/または伝送デバイス100の場所を示すデータを含むことができる。
【0030】
伝送デバイス100はさらに、第1の変換器102および/または第2の変換器104に、音響信号を伝送させ、ビーコンデバイス106に、ビーコンデータを伝送させるように構成される、コントローラ108を含んでもよい。コントローラ108は、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリデバイスとを含むことができる。1つ以上のプロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、論理デバイス、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)等の任意の好適な処理デバイス、および/またはシステムオンチップ(SoC)等の他の処理デバイスを含むことができる。1つ以上のメモリデバイスは、限定ではないが、非一過性コンピュータ可読媒体、RAM、ROM、ハードドライブ、フラッシュメモリ、または他のメモリデバイスを含む、1つ以上のコンピュータ可読媒体を含むことができる。1つ以上のメモリデバイスは、1つ以上のプロセッサによって実行され得る命令を含む、1つ以上のプロセッサによってアクセス可能な情報を記憶することができる。命令は、本明細書に開示される技法または方法のいずれかの種々の側面を含むことができる。1つ以上のメモリデバイスはまた、1つ以上のプロセッサによって読み出される、操作される、作成される、または記憶され得る、データを含むことができる。
【0031】
いくつかの実装では、コントローラ108は、周期的に、または別の好適な様式において、音響信号および/またはビーコンデータを伝送させてもよい。いくつかの実装では、コントローラ108は、ルックアップ機能を実施し、第1の音響信号または第2の音響信号を伝送すべきかどうかを判定するように構成されることができる。より具体的には、コントローラ108は、伝送デバイス100および/またはリアルタイム位置特定システムと互換性がある種々の好適なモバイルユニットと関連付けられた1つ以上の動作能力を規定する、ルックアップテーブルにアクセスすることができる。例えば、いくつかの実装では、モバイルユニット110は、モバイルユニット110の識別データを伝送デバイス100に提供することができる。コントローラ108は、少なくとも部分的に、識別データに基づいて、ルックアップ機能を実施することができる。コントローラ108は、次いで、第1の変換器102と関連付けられた第1の音響信号または第2の変換器104と関連付けられた第2の音響信号を選択することができる。コントローラ108は、次いで、対応する変換器によって選択された音響信号の伝送を生じさせることができる。
【0032】
示されるように、コントローラ108はさらに、ビーコンデバイス106によってビーコンデータの伝送を生じさせてもよい。ビーコンデータのそのような伝送は、音響信号の伝送と別個に、または音響信号の伝送と並行して(またはそれに先立って)生じることができる。いくつかの実装では、ビーコンデータは、ビーコンデータを受信するモバイルユニット110が、少なくとも部分的に、ビーコンデータおよび音響信号の両方に基づいて、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向を判定し得るように、伝送されることができる。いくつかの実装では、ビーコンデータは、モバイルユニット110の場所、配向、および/または方向が、音響信号を使用して判定されることができない場合、バックアップ場所判定技法を実装するために使用されることができる。
【0033】
図2は、本開示の例示的実施形態による、リアルタイム位置特定システムにおいて使用するための例示的伝送デバイス120を描写する。伝送デバイス120は、
図1の伝送デバイス100または他の好適な伝送デバイスに対応してもよい。より具体的には、
図2は、伝送デバイス120の外面図を描写する。伝送デバイス120は、伝送デバイス120の繊細な内部コンポーネントを囲繞および保護する、筐体121を含む。示されるように、伝送デバイス120は、第1の変換器122と、第2の変換器124とを含む。第1の変換器122は、約20kHzの周波数を有する音響信号を提供するように構成されることができる。第2の変換器124は、約40kHzの周波数を有する音響信号を提供するように構成されることができる。いくつかの実装では、伝送デバイス120はさらに、ビーコンデータを伝送するように構成される、ビーコンデバイスを含むことができる。
【0034】
図3は、本開示の例示的実施形態による、例示的リアルタイム位置特定システム200を描写する。リアルタイム位置特定システム200は、例えば、建物または他の構造全体を通して展開される、屋内測位システムであってもよい。リアルタイム位置特定システム200は、既知の場所を有する、複数の固定された静的伝送デバイス202を含む。伝送デバイス202は、任意の好適な伝送デバイスであることができる。例えば、伝送デバイス202は、音響および/または他の(例えば、無線周波数)測位信号およびビーコンデータを伝送するように構成されることができる。いくつかの実装では、伝送デバイス202は、それぞれ、
図1および2の伝送デバイス100および/または120に対応し得る。伝送デバイス202は、建物または構造全体を通して方略的に置かれ、建物または構造内に位置する1つ以上のモバイルユニット204の場所の判定を可能にすることができる。このように、伝送デバイス202は、モバイルユニットが伝送デバイス202のブロードキャスト範囲内に位置するとき、音響信号がモバイルユニットによって受信され得るように、音響信号をブロードキャストすることができる。
【0035】
伝送デバイス202はさらに、リアルタイム位置特定システム200と関連付けられたゲートウェイデバイス206と通信してもよい。示されるように、リアルタイム位置特定システム200は、1つ以上のゲートウェイデバイス206を含むことができる。伝送デバイス202とゲートウェイデバイス206との間の通信は、任意の好適な有線および/または無線通信技法を使用して実施されることができる。例えば、いくつかの実装では、伝送デバイス202とゲートウェイデバイス206との間の通信は、IEEE802.15.4規格に従って、無線通信を使用して実施されることができる。ゲートウェイデバイス206は、リアルタイム位置特定システム200の健全性および保守ならびに構成を監視および調整するように構成されることができる。いくつかの実装では、ゲートウェイデバイス206は、リアルタイム位置特定システム200の1人以上のユーザによってアクセス可能な関連付けられたユーザインターフェースを有することができる。そのようなインターフェースは、ユーザが、リアルタイム位置特定システム200の種々の好適な構成、特性、または品質等を遠隔で閲覧する、それと相互作用する、それを操作する、それを編集することを可能にすることができる。示されるように、モバイルユニット204はさらに、無線ローカルエリアネットワーク212等の好適な通信ネットワークを介して、ゲートウェイデバイス206にアクセスすることができる。いくつかの実装では、ゲートウェイデバイス206は、伝送デバイス202内に実装されることができる。
【0036】
リアルタイム位置特定システム200はさらに、サーバデバイス208を含む。サーバデバイス208は、伝送デバイス202および/またはモバイルユニット204にアクセス可能であってもよい。より具体的には、示されるように、サーバデバイス208は、ゲートウェイデバイス206を介して伝送デバイス202に、無線ローカルエリアネットワーク212および/またはセルラーネットワーク210を介してモバイルユニット204にアクセス可能である。いくつかの実装では、サーバデバイス208は、少なくとも部分的に、モバイルユニットと関連付けられた1つ以上の音響信号、ビーコンデータ、および/またはセンサデータに基づいて、モバイルユニット204の場所、配向、および/または方向を判定することができる。例えば、モバイルユニット204は、サーバデバイス208が、モバイルユニット204の場所、配向、および/または方向を判定し得るように、受信された音響信号およびビーコンデータをセンサデータとともにサーバデバイス208に提供することができる。モバイルユニット204が、その独自の場所、配向、および/または方向を判定する実装では、モバイルユニット204は、サーバデバイス208が、リアルタイム位置特定システム200を付加的情報で更新し得るように、そのような情報をサーバデバイス208に提供することができる。いくつかの実装では、サーバデバイス208は、モバイルユニット204に提供するための音響信号を選択するために使用される、ルックアップテーブルをホストすることができる。
【0037】
示されるように、モバイルユニット204および/またはサーバ208は、少なくとも部分的に、音響信号、ビーコンデータ、および/またはセンサデータに基づいて、モバイルユニット204の場所、配向、および/または方向を判定するように構成されてもよい。このように、モバイルユニット204は、1つ以上の伝送デバイス202によって提供される、音響信号および/またはビーコンデータを受信するように構成されることができる。音響信号および/またはビーコンデータは、1つ以上の伝送デバイス202と関連付けられた識別情報および/または1つ以上の伝送デバイス202と関連付けられた場所データをエンコードすることができる。そのようなデータの受信に応じて、モバイルデバイス204および/またはサーバ208は、信号をデコードし、信号内にエンコードされた識別および/または場所情報を抽出するように構成されることができる。例えば、伝送デバイス202からの音響信号の受信に応じて、モバイルユニット204は、種々の好適なデジタル信号処理技法等の任意の好適なデコード技法を使用して、信号をデコードすることができる。モバイルユニット204は、次いで、少なくとも部分的に、抽出された情報に基づいて、モバイルユニット204の場所、配向、および/または方向を判定することができる。例えば、モバイルユニット204は、音響信号のTOA、TDOA、TOF等を測定し、マルチラテレーション、三辺測量、三角測量等を使用すること等によって、任意の好適な測位技法を使用して、場所、配向、および/または方向を判定することができる。
【0038】
図3に描写されるリアルタイム位置特定システム200は、例証的目的のためだけに意図されることを理解されたい。さらに、本開示のリアルタイム位置特定システムは、種々の他の好適な構成または配列を含むことができ、種々の他の好適な通信技法を利用することができることを理解されたい。より具体的には、リアルタイム位置特定システム200は、種々の好適な構成に配列される任意の好適な数の伝送デバイス202を含み、任意の好適な数のモバイルユニット204の場所の判定を促進することができる。
【0039】
図4は、本開示の例示的実施形態による、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向を判定する例示的方法(300)のフロー図を描写する。方法(300)は、
図1に関して説明されるコンピューティングデバイスのうちの1つ以上等の1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装されてもよい。加えて、
図4は、例証目的および議論のために特定の順序において実施されるステップを描写する。本明細書に提供される本開示を使用する、当業者は、本明細書に説明される方法のいずれかのステップが、本開示の範囲から逸脱することなく、種々の方法において、適合される、再配列される、拡張される、省略される、または修正されることができることを理解するであろう。
【0040】
(302)では、方法(300)は、リアルタイム位置特定システムと関連付けられた伝送デバイスによって、1つ以上の音響信号を伝送することを含んでもよい。例えば、伝送デバイスは、
図1に描写される伝送デバイス100または他の伝送デバイスであることができる。このように、伝送デバイスは、それぞれ、異なる周波数を有する音響信号を伝送するように構成される、2つ以上の変換器を含んでもよい。音響信号は、伝送デバイスと関連付けられた識別情報および/または伝送デバイスと関連付けられた場所情報を含んでもよい。
【0041】
(304)では、方法(300)は、伝送デバイスによって、ビーコンデータを伝送することを含んでもよい。示されるように、伝送デバイスはさらに、好適な短距離無線通信技術(例えば、BLE、WiFi Direct、ZigBee(登録商標)等)を使用してビーコンデータを伝送するように構成される、ビーコンデバイスを含むことができる。そのようなビーコンデバイスは、ビーコンデータを伝送するように構成されることができる。ビーコンデータは、伝送デバイスと関連付けられた場所情報および/または伝送デバイスと関連付けられた識別情報を含むことができる。
【0042】
(306)では、方法(300)は、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたモバイルユニットによって、音響信号および/またはビーコンデータを受信することを含んでもよい。例えば、好適なモバイルユニットは、伝送デバイスのブロードキャスト範囲内に位置する間、そのような情報を受信するように構成されることができる。
【0043】
(308)では、方法(300)は、少なくとも部分的に、音響信号および/またはビーコンデータに基づいて、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向を判定することを含んでもよい。いくつかの実装では、モバイルユニットの場所、配向、および/または方向はさらに、少なくとも部分的に、モバイルユニットと関連付けられた1つ以上の位置センサ(例えば、慣性測定ユニット)によって判定されたセンサデータに基づいて、判定されることができる。モバイルユニットの場所、配向、および/または方向は、モバイルユニットによって、またはリアルタイム位置特定システムと関連付けられたサーバデバイスによって、判定されることができる。例えば、サーバデバイスによって判定されるとき、モバイルユニットは、音響信号、ビーコンデータ、および/またはセンサデータをサーバデバイスに提供することができる。上記に示されるように、モバイルユニットの場所配向および/または方向は、音響信号のTOA、TDOA、TOF等を測定し、マルチラテレーション、三辺測量、三角測量等を使用すること等によって、任意の好適な技法を使用して、判定されることができる。
【0044】
図5は、本開示の例示的実施形態による、リアルタイム位置特定システムと関連付けられた伝送デバイスによって伝送するための音響信号を選択するための例示的方法(400)のフロー図を描写する。方法(400)は、
図1に関して説明されるコンピューティングデバイスのうちの1つ以上等の1つ以上のコンピューティングデバイスによって実装されてもよい。加えて、
図5は、例証目的および議論のために特定の順序において実施されるステップを描写する。
【0045】
(402)では、方法(400)は、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたモバイルユニットを識別することを含んでもよい。例えば、いくつかの実装では、リアルタイム位置特定システムのモバイルユニットと関連付けられた情報は、把握され、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたデータベース内、または伝送デバイス内に記憶されることができる。そのような実装では、モバイルユニットを識別することは、データベースにアクセスし、モバイルユニットの識別またはタイプを判定することを含むことができる。いくつかの実装では、モバイルユニットの識別またはタイプは、モバイルユニットとの通信を通して判定されることができる。そのような実装では、モバイルユニットを識別することは、モバイルユニットから、モバイルユニットの識別またはタイプを規定する情報を受信することを含むことができる。
【0046】
(404)では、方法(400)は、モバイルユニットの1つ以上の動作能力を判定することを含んでもよい。例えば、モバイルユニットの動作能力は、リアルタイム位置特定システムと関連付けられたデータベース内、または伝送デバイス内に記憶される、ルックアップテーブルに規定されることができる。動作能力は、モバイルユニット内の1つ以上のマイクロホンが受信するように構成される、周波数を規定する、または示してもよい。モバイルユニットの1つ以上の動作能力を判定することは、ルックアップテーブルにアクセスし、モバイルユニットに関するルックアップ機能を実施することを含むことができる。
【0047】
(406)では、方法(400)は、少なくとも部分的に、モバイルユニットの動作能力に基づいて、音響信号を選択することを含んでもよい。伝送デバイスは、それぞれ、異なる周波数を有する音響信号を伝送するように構成される、複数の変換器を含むことができる。例えば、伝送デバイスは、音響信号を第1の周波数(例えば、20kHz)で伝送するように構成される、第1の変換器と、音響信号を第2の周波数(例えば、40kHz)で伝送するように構成される、第2の変換器とを含むことができる。音響信号を選択することは、少なくとも部分的に、モバイルユニットの動作能力に基づいて、適切な音響信号を伝送する変換器を選択することを含むことができる。
【0048】
(408)では、方法(400)は、伝送デバイスと関連付けられた選択された変換器によって、選択された音響信号を伝送することを含んでもよい。音響信号は、周期的に、間隔を空けて、または任意の他の好適な様式において、伝送されることができる。
【0049】
(例示的実証)
図6A-6Iは、本発明のある実施形態による、本発明者によって行われる、音響信号およびモバイルデバイスを使用したリアルタイム位置特定システムの例示的実証を描写する。本実証は、例証的であるものとして行われ、必ずしも、限定することを意図するものではない。
【0050】
実証では、ユーザは、それぞれ、その右および左手に、2つのモバイルデバイス、すなわち、iPhone
TM(
図6A-6Iでは、WEBiPhoneとして標識される)モバイルデバイスおよびNexus6P
TM(
図6A-6Iでは、Nexus6P_2として標識される)モバイルデバイスを携行している。ユーザは、ある実施形態によるリアルタイム位置特定システムを含む環境内において、モバイルデバイスを動作させている。
【0051】
本例示的実証では、ユーザは、約3~5フィート分離されたその右および左手に1つずつ、モバイルデバイスを保持している。ユーザは、体育館内のバスケットボールコート上に立っている。モバイルデバイスを腰の少し上の高さに保持しながら、ユーザは、円形経路に沿って反時計回りに歩行し、円形の中心点に向かって内向きに螺旋を描いている。ユーザは、その左手のモバイルデバイスを円形の内側に、その右手のモバイルデバイスを円形の外側に保ちながら、バスケットボールコート上の円形を反時計回りに歩行して辿っている。
【0052】
図6A-6Iは、実証の間にリアルタイムで取得された2つのモバイルデバイスの検出された場所を描写する、一連のディスプレイを示す。円形内の点の最外プロットは、ユーザの右手内に保持され、反時計回りに歩行するにつれたiPhone
TMモバイルデバイスの感知された場所に対応する。点の最内プロットは、ユーザの左手内に保持され、反時計回りに歩行するにつれたNexus6P
TMモバイルデバイスの感知された場所に対応する。
図6A-6Iのプロットから明白であるように、モバイルデバイスのリアルタイム場所が、約12インチまたはそれ未満の正確度において、音響信号を使用して屋内で取得されている。
【0053】
本実証は、例証的であり、限定することを意図するものではない。例えば、モバイルデバイス自体は、
図3に描写されるモバイルユニット204または他の好適なモバイルデバイスに関して上記に説明されるように、動作することができる。モバイルデバイスは、
図3に描写されるリアルタイム位置特定システム200等のリアルタイム位置特定システムと併用されることができる。ユーザが、経路に沿って進行するにつれて、1つ以上の伝送デバイス(例えば、
図3に描写される伝送デバイス202または他の好適な伝送デバイス)は、モバイルデバイスによって受信される、音響信号および/またはビーコンデータを提供することができる。モバイルデバイスは、それぞれ、少なくとも部分的に、音響信号および/またはビーコンデータに基づいて、モバイルデバイスの場所を判定することができる。
【0054】
図6A-6Iに示されるように、モバイルデバイスは、モバイルデバイスを携行しているユーザが経路に沿って進行するにつれて、モバイルデバイスの場所を追跡するように構成されることができる。このように、伝送デバイスは、周期的に、モバイルデバイスによって受信され得る、音響信号を提供することができる。モバイルデバイスは、次いで、少なくとも、受信された信号のうちの1つ以上に基づいて、モバイルデバイスの場所を更新することができる。そのような更新された場所は、ユーザの経路を追跡するために使用されることができる(例えば、ユーザがコートの表面上の円形に沿って進行するにつれて)。上記に示されるように、そのような追跡技法は、出発点から目的地までの経路指定指示および/または段階的方向を提供するために使用され得る、経路案内用途をユーザに提供するために使用されることができる。
【0055】
図6A-6Iに示されるように、本開示のリアルタイム位置特定システムは、約6インチ~約12インチの正確度以内において、または1秒未満の更新レートにおいて、モバイルデバイスの場所の判定を促進することができる。そのような正確度は、部屋毎または下位部屋毎に高度な場所判定を可能にすることができる。そのような高度な詳細な場所判定は、上記に説明される用途のいずれか等の種々の好適な用途を促進することができる。
【0056】
(付加的実施形態)
上記に議論されるように、リアルタイム位置特定システムの実施形態は、場所特有信号を受信することによって、移動可能なアセットまたは人物の場所を提供することを模索する。場所特有情報をデコードし、中央サーバに転送することによって、中央サーバは、その具体的移動可能なアセットまたは人物の場所を判定してもよい。そのようなリアルタイム位置特定システムでは、場所特有信号の各音響送信機は、その場所特有信号を提供するように構成されるために要求され、場所特有信号のその伝送は、移動可能なアセットまたは人物のどの位置特定タグが範囲内にあっても、個別の伝送および受信能力が時間的に同期されるように、協調される必要がある。特に、各位置特定タグは、リアルタイム位置特定システムが動作している特定の環境内の全ての音響伝送デバイスに適用可能である、受信ウィンドウを開放するように構成されることが望ましい。したがって、リアルタイム位置特定システムが動作している特定の環境内の全ての音響伝送デバイスは、それによって、同一伝送ウィンドウの間、伝送するように構成される。全ての伝送デバイスおよび位置特定タグを同一伝送/受信ウィンドウスケジュールで動作するように協調させることによって、バッテリ寿命は、伝送/受信ウィンドウ以外は個別のデバイスのそれぞれを常時スリープさせることにより延長され得る。代替として、伝送される音響信号が、複数のアクセスをサポートしない場合、音響が重複するエリアを伴う、個々のビーコンデバイスから伝送される音響信号は、既知の時間オフセットを伴って分散されてもよい。これらのオフセットに関する情報は、有利には、短距離RF伝送(例えば、BLE)を通して、モバイルデバイスによって受容可能な送信機デバイスから伝達され得る。送信機デバイスからの短距離RF伝送は、有利には、中央サーバによって、送信機デバイス毎にシステム時間からある具体的オフセットを伴って生じるように協調されることができる。再び、RF伝送のこれらのタイミングオフセットは、ビーコンデータの一部として含まれ、モバイルデバイスによって、RFまたは音響受信のいずれかの受信のそのタイミングを調節するために使用されることができる。音響および短距離RF伝送の相対的待ち時間が1msを伴って制御される実装では、モバイルデバイスは、RF伝送と音響伝送との間の遅延を使用して、飛行時間を推定し、デバイスを正確に測位する能力を大いに補助することができる。オフィス建物、病院、および同等物等の環境のためのリアルタイム位置特定システムにおいて要求される場所更新時間と同様に、伝送/受信ウィンドウは、規則的ベースで現れる。例示的実施形態では、伝送/受信ウィンドウは、1Hzの周波数で生じる、すなわち、ウィンドウは、1回/秒で現れる。
【0057】
上記に説明されるように、
図2は、場所が確立されるために、音響信号を使用して、場所信号を位置特定タグに提供する、例示的リアルタイム位置特定システムを図示する。サーバ208は、リアルタイム位置特定システムの全体的制御、構成、および同期管理を提供する。いくつかの実施形態では、サーバ208はまた、場所信号の分析を提供し、報告位置特定タグの場所を判定する。サーバ208は、ゲートウェイ206の使用を通して、全ての位置特定送信機202にネットワーク化される。各ゲートウェイ206は、ネットワーク接続、例えば、Ethernet(登録商標)を介して、サーバ208に接続される。
【0058】
(ダウンリンク制御、構成、および同期)
各ゲートウェイ206は、いくつかの位置特定送信機202を制御し得る、場所に位置する。そのような制御は、ゲートウェイ206とその従属位置特定送信機202との間の双方向無線接続を使用することによってもたらされる。無線接続の設計に影響を及ぼす要因は、無線設置面積のサイズ、ゲートウェイ206の結果として生じる数のコスト、および位置特定送信機202によって使用される電力消費を含む。実施形態では、位置特定送信機202は、位置特定送信機202の配設コストを低減させ、異なる場所における位置特定送信機202の高速展開の柔軟性を可能にするために、バッテリによって給電される。そのような高速展開は、新しい構築の際、オフィスが変更されるときに使用され得る。ゲートウェイ206とその従属位置特定送信機202との間の双方向無線接続のための好適な通信プロトコルは、Zigbee(登録商標)接続(すなわち、IEEE802.15.4接続)を含む。数千台の位置特定送信機202の配設の際、Zigbee(登録商標)接続の設置面積は、要求される設置面積カバレッジを提供するために、数百個のゲートウェイ206の配設を要求するであろう。代替では、ゲートウェイ206とその従属位置特定送信機202との間の双方向無線接続のための通信プロトコルは、長距離(LoRa)接続を含む。LoRaは、直交シーケンス拡散スペクトルベース(OSSSベース)の無線技術を使用して、そのネットワーク内のデバイスを接続する。OSSSの使用は、スターベースのインフラストラクチャの単純かつ容易な展開を維持しながら、非常に低エネルギー消費を伴うスケーラブルな高容量ネットワークを提供するために重要である。LoRaネットワークの実装は、ISM帯域とも称される、大域的に利用可能な産業、科学、および医療帯域で動作し、これらの帯域内において、衝突または容量問題の実質的リスクを伴わずに、他の無線技術と共存することができる。例示的LoRa実施形態は、868MHzにおける欧州ISM帯域または米国における902~928MHz帯域を使用する。Zigbee(登録商標)プロトコルの2.4GHz周波数よりはるかに低い周波数におけるLoRaの動作は、同等Zigbee(登録商標)プロトコルによって提供されるものよりはるかに大きい設置面積をもたらす。より大きい設置面積によって、ゲートウェイの数は、同等Zigbee(登録商標)プロトコル実現のものと比較して、約2分の1に低減され得る。
【0059】
(他の音響送信機デバイス)
位置特定送信機202は、位置特定タグ204による受信のためのコード化された情報を提供し、コード化された情報は、それらの近傍の位置特定送信機202の識別を示す。位置特定送信機202は、前述の理由から、音響信号を使用して、コード化された情報を提供する。種々のデバイスが、専用音響送信機デバイスに加え、位置特定タグ204による受信のために要求されるコード化された情報を提供するために使用されてもよい。例えば、テレビ、タブレット、スマートホームハブ等のスマートデバイスは、音響信号およびビーコンデータ信号を伝送するために使用されてもよい。これらのスマートデバイスは、RF通信能力の要求される能力を含み、ビーコン信号生成および伝送をサポートし、また、音響(超音波を含む)信号を伝送する、スピーカを含む。照明スイッチカバーさえ、内蔵音響送信機によって、リアルタイム位置特定システムにおいて使用するための位置特定送信機202となるように拡張され得る。故に、適切なソフトウェア(または照明スイッチの場合、ハードウェア)を通して、そのような既存のデバイスは、非常にわずかなコストを用いて、リアルタイム位置特定システムにおいて使用するためのビーコンとして有効にされ得る。したがって、非常にわずかな労力を用いて、部屋レベルの位置特定正確度が、これらの再構成されたスマートデバイスの使用を通して提供され得る。さらに、スマートテレビおよび良好な音響設置を伴う他の固定された搭載型デバイスが、モバイルデバイスの3D場所情報を提供するために使用されてもよい。これらのスマートデバイスが、リアルタイム場所判定が要求される隔離された環境内にあるシナリオでは、これらのスマートデバイスの同期は、要求されない。BLE対応デバイスが、Bluetooth(登録商標)データ信号の使用を通して同期されることができる。
【0060】
(位置特定タグ)
位置特定タグ204は、その場所が追跡される必要がある、移動可能なアセットまたは人員に取り付けられる。位置特定タグ204は、コード化された情報を近傍の位置特定送信機202から受信し、コード化された情報は、それらの近傍の位置特定送信機202の識別を示す。位置特定送信機202は、前述の理由から、音響信号を使用してコード化された情報を提供する。例えば、音響信号の伝搬特性は、音響信号が部屋の壁を貫通しないため、部屋ベースの場所判定をより容易にサポートする。コード化された情報を受信する必要性に加え、位置特定送信機202はまた、構成、制御、および同期情報を受信する必要がある。音響信号の利用可能な帯域幅の分析は、付加的帯域幅が、構成、制御、および同期機能性をサポートするために要求されることを示す。
【0061】
(ビーコンデータ信号)
位置特定送信機202から位置特定タグ204への付加的信号経路は、ビーコン信号の使用を含む。ビーコンデータ信号は、多くの場合、オフィス、病院、およびリアルタイム位置特定システムが所望され得る、他の環境内に既存している。ビーコンデータ信号は、壁を貫通し、オフィスまたは類似環境内のリアルタイム位置特定のために好適なものよりはるかに大きい設置面積をもたらし得るが、ビーコンデータ信号は、特定の位置特定タグ204の大まかな場所を提供し得る。特定の位置特定タグ204の大まかな場所の知識は、位置特定タグ204がデコードする際に検討する必要がある可能性として考えられる場所コードの数を低減させるため、位置特定タグ204にとって利点を提供する。可能性として考えられる場所コードの数の低減は、場所判定が行われるための処理の量を低減させる(低減された電力消費)。ビーコンデータ信号は、Bluetooth(登録商標)低エネルギーアプローチによって提供されるとき、音響信号送信機デバイスと関連付けられた設置面積に匹敵する設置面積を有する。
【0062】
種々の実施形態では、ビーコンデータ信号は、位置特定タグ204(または場所判定が所望されるモバイル通信デバイス)の近傍の可能性として考えられる場所コードのサブセットを反映する、情報を提供してもよい。他の実施形態では、情報は、位置特定タグ204(または場所判定が所望されるモバイル通信デバイス)の近傍の可能性として考えられる場所コードのサブセットと、その間に可能性として考えられる場所コードのサブセットが音響信号内で伝送されるタイムスロットとを反映する。情報の形態は、可能性として考えられる場所コードのサブセット、または可能性として考えられる場所コードのサブセットとともに、その間にこれらの可能性として考えられる場所コードが伝送されるタイムスロットを伴うかどうかにかかわらず、種々の形態を含む。例えば、情報は、可能性として考えられる場所コードのサブセットおよびタイムスロットのテーブルの形態であってもよい、または情報へのリンクの形態であってもよい。情報の場所は、クラウド内に常駐してもよい、リアルタイム位置特定システムのためのサーバ内に常駐してもよい、または特定の環境(またはその一部)のための音響モデルの一部としてダウンロードされてもよい。
【0063】
(アップリンク通信リンク)
位置特定タグ204は、位置特定送信機202から受信した場所コードを伝送する必要がある。好適な通信経路は、IEEE802.11、BLE、WiFi、または任意のそれらの組み合わせが、通信リンクを確立するために使用されるように、RFチップセットを組み込むことによって形成されてもよい。多くのオフィス、病院、または他の類似環境では、多数の802.11 WiFiアクセスポイントが、既存しており、リアルタイム場所判定が所望される環境全体を通して、そのようなカバレッジを提供する。場所コードのアップロードのためのWiFiネットワークアプローチは、位置特定タグ204がWiFiネットワークに認められることを要求する。位置特定タグ204の代替として、モバイル通信デバイス(例えば、iPhone(登録商標)または均等物)もまた、重要な人員の場所判定を提供するために使用されてもよい。再び、モバイル通信デバイスは、WiFiネットワークに認められることを要求する。モバイル通信デバイスは、モバイル通信デバイスが、クラウドを介したサーバとのセルラー接続を使用し得るという点で、場所コードのための代替アップリンク経路をもたらす。そのような代替経路は、モバイル通信デバイスがWiFiネットワークに認められないシナリオにおいて魅力的である。例えば、ショッピングセンターまたは病院では、モバイル通信デバイスは、WiFiネットワークに接続されなくてもよい。
【0064】
さらに別の代替アップリンクシナリオでは、位置特定タグは、別のモバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、PC、またはスマートウォッチ)との短距離RFリンクを使用して、本後者のデバイスをゲートウェイとして使用して、その場所情報を中央サーバに伝達してもよい。
【0065】
種々の実施形態では、ビーコンデバイスは、RFビーコン信号(例えば、短距離無線信号、BLE信号)と、20kHzおよび40kHzの例示的周波数における一方または両方の音響信号とを送信するであろう。RFビーコン信号および音響信号の両方の組み合わせは、リアルタイム位置特定システムのためのある利点を提供する。音響信号は、伝送デバイスの識別情報(すなわち、コード)を含む。伝送デバイスの識別は、伝送デバイスからの距離が増加するにつれて音響波が減少するため、場所のインジケーションを提供する。しかしながら、可能性として考えられるコードの母集団は、大きくあり得、これは、特に、複数のエコーおよび他の難点を有する環境において、伝送されたコードをデコードすることを困難にする。RFビーコン信号は、ビーコンデバイスの識別のインジケーションを含んでもよく、これは、ひいては、ローカルエリア内でアクティブなコードのサブセットのインジケーションを提供するために使用されてもよい。したがって、RFビーコン信号によって、モバイル通信デバイス(iPhone(登録商標)または位置特定タグ等)は、その場所の進路インジケーションを判定し、それによって、特定のエリア内で使用中の音響コードのサブセットを判別することが可能であり得る。特定のエリア内で使用中の音響コードのサブセットを把握することは、それによって、デコードするための候補コードである潜在的コードの母集団を低減させることによって、デコードプロセスに恩恵をもたらす。
【0066】
RFビーコン信号はまた、タイミング情報をモバイル通信デバイスに提供してもよい。リアルタイム位置特定システムは、固定された伝送デバイスに取り込まれ得る、基準クロックを有する。しかしながら、モバイル通信デバイス内のローカルクロックの同期が、望ましく、同期とは、信号が固定された伝送デバイスとモバイル通信デバイスとの間で合意された時間で伝送/受信され得るように、ローカルクロックと基準クロックとの間のオフセットが判定されることを意味する。iPhone(登録商標)または匹敵するデバイスの同期のためのRFビーコン信号の使用は、したがって、そのような同期のための他の手段が達成することが比較的に困難であるため、望ましい結果である。
【0067】
位置特定タグの同期もまた、同期が、位置特定タグの電力使用量を改善し、かつ場所判定プロセスにおいて利点を提供するために使用され得るため、望ましい。電力使用量は、位置特定タグが、短い合意された時間間隔にわたってウェイクアップし、伝送される情報を受信するような位置特定タグおよび伝送デバイスのタイミング同期によって、改善され得る。例えば、位置特定タグは、10msecの時間間隔にわたってウェイクアップし、各1秒タイムフレームの間、信号を受信し、次いで、タイムフレームの残りにわたってスリープするように時間同期されてもよい。そのような同期は、RFビーコン信号内のタイミング情報を使用することによって達成されてもよい。RFビーコン信号内のタイミング情報はまた、位置特定タグのためのリアルタイム位置特定の複雑性を低減させ得る。GPSのような到着時間システム(ToA)では、4つの未知数、すなわち、GPSデバイスの場所の3つの幾何学的寸法(すなわち、x、y、z)とともに、GPSデバイス内のローカルクロックとGPSシステムにおける衛星内の基準クロックとの間の未知のタイミングオフセットが存在する。それらの同一原理は、音響を使用するリアルタイム位置特定システムにも該当する。しかしながら、タイミング情報とともにRFビーコン信号を提供することによって、4つの未知数のうちの1つが、解決され、それによって、未知数の数を3つに低減させることにより、リアルタイム位置特定システムの複雑性を簡略化する。タイミング情報とともにRFビーコン信号を提供する際、RF伝送時間は、リアルタイム位置特定システムに関連する音響タイムフレームと比較して、無視可能である。
【0068】
本主題は、その具体的例示的実施形態に関して詳細に説明されたが、当業者は、前述の理解を達成することに応じて、そのような実施形態に対する改変、変形例、および均等物を容易に生産し得ることを理解されたい。故に、本開示の範囲は、限定としてではなく、一例としてのものであり、本開示は、当業者に容易に明白となるであろうような本主題に対するそのような修正、変形例、および/または追加の含有を除外するものではない。