(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】ABS制御弁を制御する方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
B60T 8/94 20060101AFI20230222BHJP
B60T 15/36 20060101ALI20230222BHJP
B60T 17/18 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
B60T8/94
B60T15/36 Z
B60T17/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020188498
(22)【出願日】2020-11-12
【審査請求日】2021-03-03
(31)【優先権主張番号】10 2019 131 128.4
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】315014327
【氏名又は名称】ヴァブコ・ヨーロッパ・ベスローテン・フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヒム・アムツフェルト
(72)【発明者】
【氏名】ローナルト・フンク
(72)【発明者】
【氏名】ハウケ・ハルダー
(72)【発明者】
【氏名】トビアス・ムンコ
(72)【発明者】
【氏名】ベルント・オルデマイヤー
(72)【発明者】
【氏名】デートレフ・シュミット
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-286266(JP,A)
【文献】特開平08-058546(JP,A)
【文献】特開平04-135218(JP,A)
【文献】実開平06-083532(JP,U)
【文献】特開平07-223524(JP,A)
【文献】特開平11-278231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/94
B60T 15/36
B60T 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(100)におけるブレーキシステム(1;200)のABS制御弁(71,72,73,74)を制御する方法であって、ブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)が、ブレーキ設定(Va,Vm)に依存して、ABS供給ライン(12)を介してABS制御弁(71,72,73,74)へ供給され、ABS制御弁(71,72,73,74)が、ブレーキ供給ライン(13)を介してブレーキシステム(1;200)のホイールブレーキ(51,52,53,54)に接続されており、ABS制御弁(71,72,73,74)が、空圧式に制御可能な入口ダイヤフラム弁(10b)と、空圧式に制御可能な出口ダイヤフラム弁(11b)とを備えており、入口ダイヤフラム弁(10b)を介してABS供給ライン(12)とブレーキ供給ライン(13)の間の接続を形成することができ、その結果、ブレーキ供給ライン(13)及びホイールブレーキ(51,52,53,54)において、ABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)が、ABS供給ライン(12)におけるブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)に依存して生じ、ブレーキ供給ライン(13)の抜気のために、出口ダイヤフラム弁(11b)を介して、ブレーキ供給ライン(13)とABS抜気接続部(14)の間の接続を形成することが可能である、方法において、
抜気動作モード(EM)(St0)の作動時及びブレーキシステム(1;200)において設定された動作条件(BB)(St1)が存在する場合に
のみ、ブレーキ供給ライン(13)からABS供給ライン(12)への圧力媒体(D)の流出が、ABS供給ライン(12)を介したブレーキ供給ライン(13)の抜気のために入口ダイヤフラム弁(10b)を介して可能であるように、入口ダイヤフラム弁(10b)が抜気機能(EF)のために空圧的に制御される(St2)こと
、ABS抜気接続部(14)が部分的に閉鎖されている場合、かつ、出口ダイヤフラム弁(11b)を介して形成された、ブレーキ供給ライン(13)とABS抜気接続部(14)の間の接続が形成されている場合に
のみ、ブレーキ供給ライン(13)とABS供給ライン(12)の間の接続が形成されないか、又は形成できないように、ブレーキ供給ライン(13)において作用するABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)が入口ダイヤフラム弁(10b)を空圧的に制御すること
、及び抜気動作モード(EM)が、ABS制御弁(71,72,73,74)の周囲(U)の温度(T)が10℃未満である場合にのみ作動されることを特徴とする方法。
【請求項2】
設定された動作条件(BB)としてブレーキシステム(1;200)におけるブレーキ設定(Va,Vm)の終了が確認される場合にのみ、抜気機能(EF)を実行するための入口ダイヤフラム弁(10b)の空圧的な制御が行われることを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
設定された動作条件(BB)が存在するときに、周囲圧力(pU)又はブレーキ供給ライン(13)において行きわたっているABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)よりも小さなブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)がABS供給ライン(12)において行きわたることを特徴とする請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
ブレーキ設定が、自動化されたブレーキ設定(Va)及び/又は手動のブレーキ設定(Vm)であることを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
入口ダイヤフラム弁(10b)が、電気的に制御可能な入口電磁弁(10a)を介して空圧的に制御されることを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
抜気動作モード(EM)の作動時に、及びブレーキシステム(1;200)における設定された動作条件(BB)が存在する場合に、入口ダイヤフラム弁(10b)の入口パイロットチャンバ(20c)における入口パイロット圧力(pE)が、電気的に制御可能な入口電磁弁(10a)を介して調整され、入口ダイヤフラム弁(10b)を介したブレーキ供給ライン(13)とのABS供給ライン(12)の接続が形成されるように、入口ダイヤフラム弁(10b)が入口パイロット圧力(pE)によって空圧的に制御されることを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
ABS供給ライン(12)における圧力媒体(D)のブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)が、空圧式のフットブレーキ弁(202)又は圧力モジュレータ(4a,4b)によって調整され、圧力モジュレータ(4a,4b)が、ブレーキ設定(Va,Vm)に依存した電気的な制御信号(S3a,S3b)を介して電気的に、又は、ブレーキ設定(Va,Vm)に依存する、電磁的なフットブレーキ弁(2)の空圧的な制御圧力(pSa,pSb)を介して空圧的に制御されることを特徴とする請求項1~
6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
抜気機能(EF)が実行されない場合に、車輪回転数(n1,n2,n3,n4)に基づき、ABS制御装置(9)によってロックされた車輪(61,62,63,64)が検知されるかどうかに依存して、ABS制御弁(71,72,73,74)を電気的に制御することが可能であり、このために、
-ブレーキ供給ライン(13)におけるABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)の低減のために、入口ダイヤフラム弁(10b)を介したABS供給ライン(12)とブレーキ供給ライン(13)の間の接続が分離され、出口ダイヤフラム弁(11b)を介したABS抜気接続部(14)とのブレーキ供給ライン(13)の接続が形成され、
-ブレーキ供給ライン(13)におけるABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)の保持のために、入口ダイヤフラム弁(10b)を介したABS供給ライン(12)とブレーキ供給ライン(13)の間の接続と、出口ダイヤフラム弁(11b)を介したABS抜気接続部(14)とのブレーキ供給ライン(13)の接続とが、それぞれ分離される
ことを特徴とする請求項1~
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
ABS制御装置(9)と、空圧式に制御可能な入口ダイヤフラム弁(10b)及び空圧式に制御可能な出口ダイヤフラム弁(11b)を備えた少なくとも1つのABS制御弁(71,72,73,74)とを有する制御装置(16)であって、ブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)が、ブレーキ設定(Va,Vm)に依存して、ABS供給ライン(12)を介してABS制御弁(71,72,73,74)へ供給されることができ、ABS制御装置(9)が、
-入口ダイヤフラム弁(10b)を介してABS供給ライン(12)とブレーキ供給ライン(13)の間の接続を形成することができ、その結果、ブレーキ供給ライン(13)及びホイールブレーキ(51,52,53,54)において、ABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)が、ABS供給ライン(12)におけるブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)に依存して生じるように、並びに
-出口ダイヤフラム弁(11b)を介して、ブレーキ供給ライン(13)とABS抜気接続部(14)の間の接続を形成することが可能であるように、
ABS制御弁(71,72,73,74)を電気的に制御するように形成されている、制御装置において、
抜気動作モード(EM)(St0)の作動時及びブレーキシステム(1;200)において設定された動作条件(BB)(St1)が存在する場合に
のみ、ブレーキ供給ライン(13)からABS供給ライン(12)への圧力媒体(D)の流出が、ABS供給ライン(12)を介したブレーキ供給ライン(13)の抜気のために入口ダイヤフラム弁(10b)を介して可能であるよう、抜気機能(EF)のために、入口ダイヤフラム弁(10b)を空圧的に制御するようにABS制御装置(9)が形成されていること、及びABS抜気接続部(14)が部分的に閉鎖されている場合、かつ、出口ダイヤフラム弁(11b)を介して形成された、ブレーキ供給ライン(13)とABS抜気接続部(14)の間の接続が形成されている場合に
のみ、ブレーキ供給ライン(13)とABS供給ライン(12)の間の接続が形成されないか、又は形成できないように、ブレーキ供給ライン(13)において作用するABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)が入口ダイヤフラム弁(10b)を空圧的に制御するようABS制御装置(9)が形成されていること
、及び抜気動作モード(EM)が、ABS制御弁(71,72,73,74)の周囲(U)の温度(T)が10℃未満である場合にのみ作動されることを特徴とする制御装置。
【請求項10】
請求項1~
8のいずれか1項に記載の方法を実行するために、請求項
9に記載の制御装置(16)を備える、ブレーキシステム(1;200)を有する車両(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ABS制御弁を制御する方法及び当該方法を実行する制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
統合されたアンチロックシステム(ABS)を有する空圧式及び電気空圧式のブレーキシステムには、個々の車輪に割り当てられた従来のABS制御弁が設けられている。制動時に各車輪がロックすることが検知されると、このようなABS制御弁により、個々の車輪におけるホイールブレーキに供給されるブレーキ圧力を車輪ごとに調整することができる。このために、車輪にはそれぞれ車輪回転数センサが割り当てられており、当該車輪回転数センサはそれぞれ車輪回転数を検出し、これに基づき、ABS制御装置において個々の車輪のロックを推定することが可能である。このような状態が検知されると、ロックされた状態を解消するよう、車輪ごとにブレーキ圧力の増大、保持又は低減を生じさせるために、ABS制御装置は、各ABS制御弁を制御する(作動させる)。
【0003】
従来、このようなABS制御弁は、ABS入口弁とABS出口弁の組合せを備えており、これら弁は、それぞれ電気的に制御(作動)可能な電磁弁(パイロット弁)及び空圧的に制御(作動)可能なダイヤフラム弁で構成されている。ホイールブレーキには、あるいはブレーキシリンダでは、ABS制御弁におけるABS入口弁あるいはABS出口弁の位置があらかじめ設定される所定のABSブレーキ圧力が作用する。フットブレーキ弁又は圧力モジュレータからABS供給ラインを介してABS制御弁へ供給されるブレーキ圧力は、ABS入口弁における空圧式の入口ダイヤフラム弁を開放し、ABS出口弁における出口ダイヤフラム弁を閉鎖し、これにより、ホイールブレーキ及びブレーキシリンダへ延びるブレーキ供給ラインへABSブレーキ圧力が印加されるようにするものである。これにより、供給されるブレーキ圧力によって表される、適宜にあらかじめ設定されたブレーキ設定は、ホイールにおける各ホイールブレーキへ変換されることが可能である。各ダイヤフラム弁を介したABS入口弁及びABS出口弁の空圧式の操作は、例えばブレーキ要求の取消時に、ABS供給ラインにおけるブレーキ圧力がフットブレーキ弁又は圧力モジュレータによって再び低減されるまで維持される。このとき、これにつづくブレーキ供給ラインあるいはブレーキシリンダの抜気は、部分的にABS供給ラインを介して、及び部分的にABS出口弁の開放する空圧的な出口ダイヤフラム弁を介して、ひいてはABS抜気接続部への結合部を介して行われる。
【0004】
ABSブレーキ装置によりブレーキ過程において車輪のロックが検知されると、通常は、ホイールブレーキにおいて作用するABSブレーキ圧力の低減(又は保持)がなされる。このために、ABS入口弁の空圧式の入口ダイヤフラム弁は、ABS入口弁の電気的な入口電磁弁により切り換えられる圧力によって閉鎖され、ABS出口弁の空圧式の出口ダイヤフラム弁は、ABS出口弁の電気的な出口ダイヤフラム弁により切り換えられる圧力によって開放され、その結果、ブレーキ供給ラインにおける圧力媒体は、ABS出口弁の出口ダイヤフラム弁を介してABS抜気接続部へ流出することが可能である。これにより、ブレーキ供給ラインあるいは各ホイールブレーキにおけるABSブレーキ圧力が低減され、これによって、ブレーキ設定が存在する場合に、公知の態様で車輪のロックに対処することができる。
【0005】
このとき、極端な気候条件、例えば非常に低温かつ高い湿度においては、ABS抜気接続部が部分的に又は完全に凍結することがあり、したがって遮断されるという欠点がある。これにより、ブレーキ要求の取消による、ABS制御弁に供給されるブレーキ圧力の低減後、ホイールブレーキにおける、あるいはブレーキシリンダからのABSブレーキ圧力の抜気が信頼性なく可能であることとなり得る。なぜなら、当該ABSブレーキ圧力は、ABS出口弁の空圧的な出口ダイヤフラム弁を介してABS抜気接続部を通して流出できないためである。その代わり、ABS入口弁の空圧的な入口ダイヤフラム弁は、誤って導かれたABSブレーキ圧力で負荷を受け、これにより閉鎖されたままであり、その結果、ABS供給ラインを介してももはや抜気が可能でない。したがって、圧力媒体は、ブレーキ供給ラインあるいはブレーキシリンダにおいて閉じ込められている。これにより、極端な気候条件では、ABS制御弁の信頼性をもった機能を保証することができず、継続した残圧によるホイールブレーキのオーバーヒートがあり得る。
【0006】
これに対処するために、ABS入口弁及び入口ダイヤフラム弁がバイパスラインを介して橋渡しされることが可能なABS制御弁が知られている。これにより、ブレーキ供給ラインは、バイパスラインを介してABS供給ラインに接続されている。これによって、ブレーキ供給ラインにおけるABSブレーキ圧力は、ABS入口弁あるいは入口ダイヤフラム弁をう回しつつバイパスラインを介してABS供給ラインにおけるブレーキ圧力へ適応されることができ、これにより、ABS入口弁の空圧式の入口ダイヤフラムの負荷を回避することができる。このために、バイパスラインには例えば逆止弁が設けられており、当該逆止弁は、行きわたる所定の圧力差以上で開放し、ひいては説明される圧力補整を可能とする。これにより、ABS抜気接続部が遮断されている場合にも、ブレーキ供給ライン及びブレーキシリンダにおけるブレーキ圧力低減を保証することが可能である。
【0007】
当該解決手段における欠点は、当該圧力補整のために、ABS制御弁におけるハードウェア構成要素、バイパスライン及び逆止弁が必要となることである。これにより、このようなABS制御弁の計画コスト及び製造コストが増大してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、極端な気候周囲条件においても、フレキシブルな態様においてわずかなコストで車両の確実な動作を保証することが可能なABS制御弁を制御する方法及び当該方法を実行する制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1による方法及び別の独立請求項による制御装置によって解決される。好ましい発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0010】
このとき、本発明によれば、抜気動作モードの作動時及びブレーキシステムにおいて設定された動作条件が存在する場合に、ブレーキ供給ラインからABS供給ラインへの圧力媒体の流出が、ABS供給ラインを介して可能であるように、入口ダイヤフラム弁が抜気機能のために制御されるよう電気空圧式のブレーキシステムのABS制御弁を制御する(作動させる)ように構成されている。これにより、入口ダイヤフラム弁を継続的に閉鎖されたままとする入口パイロット圧力によるABS入口弁の空圧式の入口ダイヤフラム弁の負荷が防止される。これにより、ABS制御弁をホイールブレーキと接続するブレーキ供給ラインからABS供給ラインへのABSブレーキ圧力下にある圧力媒体のABS入口弁の入口ダイヤフラム弁を介した流出がまさに可能となり、ABS供給ラインを介して、ブレーキ設定に依存して生じるブレーキ圧力がABS制御弁に供給される。これにより、ブレーキ供給ラインが抜気されることができるか、あるいはホイールブレーキあるいはブレーキシリンダにおけるABSブレーキ圧力が低減されることが可能である。
【0011】
したがって、有利には、それにもかかわらず、抜気機能の際に、通常はブレーキ供給ラインにおけるABSブレーキ圧力の部分的な低減を行うABS抜気接続部が遮断されている場合に抜気を行うことが可能であり、このとき、抜気は、ABS供給ラインを介してのみ行われる。このことは、従来技術とは異なり、入口ダイヤフラム弁のための入口パイロット圧力をあらかじめ設定可能なABS入口弁における入口ダイヤフラム弁の単純な電気的な制御(作動)によって、例えばABS制御装置におけるソフトウェア適合の範囲で行われることができ、その結果、追加的なハードウェア構成要素は不要である。電気的な制御(作動)は、用いられる車両へ目的をもって適合されることが可能であり、更なる適合が事後的にも可能であるため、フレキシビリティが向上され得る。
【0012】
好ましくは、さらに、あらかじめ設定された周囲条件においてのみ抜気動作モードが作動されるように構成されている。これにより、抜気機能の実行を危機的な段階に限定することが可能であり、その結果、ABS入口弁の不必要な制御(作動)がなされない。好ましくは、このとき、周囲環境として、氷点に近い周囲の温度、例えば+5℃未満が選択される。このような周囲条件では、ABS制御弁のABS抜気接続部が場合によっては凍結することがあり、その結果、ブレーキ供給ラインでの、ひいてはホイールブレーキでの圧力媒体の閉じ込めが生じ得る。それにもかかわらず、この場合、本発明による措置により抜気を達成することができ、その結果、不意の、及び安全でない動作状態が回避される。このとき、必ず必要な場合にのみABS入口弁を制御する(作動させる)ために、他の周囲条件におけるABS入口弁あるいはその構成要素の制御(作動)は行われない。
【0013】
好ましい発展形態によれば、設定された動作条件としてブレーキシステムにおけるブレーキ設定の終了が確認される場合にのみ、抜気機能を実行するための入口ダイヤフラム弁の空圧的な制御(作動)が行われるようになっている。したがって、上述の周囲条件のほかに、抜気機能を行うことが好都合である、ブレーキシステムのある動作条件も考慮される。これは、特に、ABS入口弁の制御(作動)あるいはブレーキ供給ラインの抜気によってネガティブに影響され得るブレーキ過程が行われる段階である。それゆえ、このことは、各時点においてブレーキ設定が存在しない場合にのみ許容される。
【0014】
このとき、好ましくは、設定された動作条件が存在するときに、周囲圧力又はブレーキ供給ラインにおいて行きわたっているABSブレーキ圧力よりも小さなブレーキ圧力がABS供給ラインにおいて行きわたると考えられる。これにより、ブレーキ供給ラインの意図的な抜気あるいはブレーキ供給ラインにおけるABSブレーキ圧力の低減を達成することができる。なぜなら、入口ダイヤフラム弁の本発明による開放により、場合によっては閉じ込められるブレーキ供給ラインにおける圧力媒体がABS供給ラインを通して流出され得るためである。
【0015】
このとき、好ましくは、入口ダイヤフラム弁がABS入口弁の電気的に制御可能な入口電磁弁を介して空圧的に制御(作動)され得るようになっている。これにより、所定の入口パイロット圧力の設定を介した入口ダイヤフラム弁の空圧的な制御(作動)ひいてはブレーキ供給ラインとABS供給ラインの間の接続の形成の可能性が電気的に制御され得る。好ましくは、このために、抜気動作モードの作動時に、及びブレーキシステムにおける設定された動作条件が存在する場合に、入口ダイヤフラム弁の入口パイロットチャンバにおける入口パイロット圧力が、電気的に制御可能な入口電磁弁を介して調整され、入口ダイヤフラム弁を介したブレーキ供給ラインとのABS供給ラインの接続が形成されるか、又は形成可能であるように、入口ダイヤフラム弁が入口パイロット圧力によって空圧的に制御されるようになっている。それゆえ、入口電磁弁の切換位置によって、遮断された停滞圧力が入口パイロットチャンバにおける入口パイロット圧力としても作用し、これにより入口電磁弁が閉鎖されることが意図的に防止される。
【0016】
これは、好ましくは、ABS抜気接続部が部分的に閉鎖されているか、又は閉鎖されている場合、及び出口ダイヤフラム弁を介して形成された、ブレーキ供給ラインとABS抜気接続部の間の接続が形成されている場合に、ブレーキ供給ラインとABS供給ラインの間の接続が形成されないか、又は形成されることがないように、ブレーキ供給ラインにおいて作用するABSブレーキ圧力が入口ダイヤフラム弁を空圧的に制御する場合である。まさにこれは、有利には入口電磁弁の電気的な制御(作動)によって回避されることが可能である。
【0017】
好ましくは、さらに、ブレーキ設定が自動化されたブレーキ設定及び/又は手動のブレーキ設定であり得るようになっている。それゆえ、有利には、抜気によって影響され得る各ブレーキ介入の際にブレーキ供給ラインの抜気が防止される。
【0018】
好ましくは、さらに、ABS供給ラインにおける圧力媒体のブレーキ圧力が、空圧式のフットブレーキ弁又は圧力モジュレータによってあらかじめ設定されることができ、このために、圧力モジュレータが、ブレーキ設定に依存した電気的な制御信号を介して電気的に、又は、ブレーキ設定に依存する、電磁的なフットブレーキ弁の空圧的な制御圧力を介して空圧的に制御(作動)されるようになっている。それゆえ、ABS制御弁へのブレーキ圧力の電気的に制御される設定又はABS制御弁へのブレーキ圧力の空圧的に制御される設定が存在し得る。
【0019】
好ましくは、さらに、抜気機能が実行されない場合に、車輪回転数に基づき、ABS制御装置によってロックされた車輪が検知されるかどうかに依存して、ABS制御弁を電気的に制御することが可能であり、このために、
-ブレーキ供給ラインにおけるABSブレーキ圧力の低減のために、入口ダイヤフラム弁を介したABS供給ラインとブレーキ供給ラインの間の接続が分離され、出口ダイヤフラム弁を介したABS抜気接続部とのブレーキ供給ラインの接続が形成され、
-ブレーキ供給ラインにおけるABSブレーキ圧力の保持のために、入口ダイヤフラム弁を介したABS供給ラインとブレーキ供給ラインの間の接続と、出口ダイヤフラム弁を介したABS抜気接続部とのブレーキ供給ラインの接続とが、それぞれ分離される
ようになっている。
【0020】
ABS制御装置と、空圧式に制御可能な入口ダイヤフラム弁及び空圧式に制御可能な出口ダイヤフラム弁を備えた少なくとも1つのABS制御弁とを有する、空圧式又は電気空圧式のブレーキシステムを有する車両に配置されることが可能な本発明による制御装置では、ブレーキ圧力が、ブレーキ設定に依存して、ABS供給ラインを介してABS制御弁へ供給され、ABS制御装置(9)が、ブレーキ供給ラインを介してブレーキシステムのホイールブレーキに接続されるように構成されており、ABS制御装置は、
-入口ダイヤフラム弁を介してABS供給ラインとブレーキ供給ラインの間の接続を形成することができ、その結果、ブレーキ供給ライン及びホイールブレーキにおいて、ABSブレーキ圧力が、ABS供給ラインにおけるブレーキ圧力に依存して生じるように、並びに
-出口ダイヤフラム弁を介して、ブレーキ供給ラインとABS抜気接続部の間の接続を形成することが可能であるように、
ABS制御弁を電気的に制御するように形成されており、さらに、抜気動作モードの作動時及びブレーキシステムにおいて設定された動作条件が存在する場合に、ブレーキ供給ラインからABS供給ラインへの圧力媒体の流出が、ABS供給ラインを介したブレーキ供給ラインの抜気のために入口ダイヤフラム弁を介して可能であるよう、抜気機能のために、入口ダイヤフラム弁を空圧的に制御するようにABS制御装置が形成されている。
【0021】
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1a】個々の車輪のホイールブレーキ手前のABS制御弁を有する電気空圧式のブレーキシステムを概略的に示す図である。
【
図1b】個々の車輪のホイールブレーキ手前のABS制御弁を有する空圧式のブレーキシステムを概略的に示す図である。
【
図2】制御装置の構成部材としての、
図1によるABS制御弁の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1aによれば、電気空圧式のフットブレーキ弁2を有する、車両100における電気空圧式のブレーキシステム1が例示的に図示されている。電気空圧式のフットブレーキ弁2を介して、ブレーキぺダル2aの操作によって運転者により設定される手動のブレーキ設定Vmを検出することが可能である。手動のブレーキ設定Vmを表す第1の操作信号S1は、電気的な制御ラインを介して中央モジュール3へ伝達され、当該中央モジュールは、第1の操作信号S1を処理することが可能である。
【0024】
これに代えて、又はこれに加えて、ブレーキペダル2aの操作にかかわらず、例えば運転支援制御装置17によって設定され得る、自動的に設定されるブレーキ設定Vaを表す第2の操作信号S2も中央モジュール3によって処理されることが可能である。運転支援制御装置17は、例えば中央モジュール3内に(不図示)、及び/又は中央モジュール3の外部に配置されることが可能である。当該運転支援制御装置17は、例えば車両100の車両条件に依存して、中央モジュール3によって適当に処理される第2の操作信号S2を生成し、その結果、自動的なブレーキ設定Vaが、当該運転支援制御装置によって制御されて、車両100において変換されることが可能である。
【0025】
自動的なブレーキ設定Vaとして、例えば、ロール防止(ロールスタビリティコントロール)(RSC)、ヨーレート監視(YC)、ヒルスタートアシスト(HSA)、ヒルホールド機能、停止ブレーキ又は外部のブレーキ要求(XBR)の範囲における自動的なブレーキが考えられる。
【0026】
中央モジュール3は、電気的な経路において、制御信号S3a,S3bを介して、図示の実施例では電気空圧式のブレーキシステム1の個々の車両アクスルに割り当てられた圧力モジュレータ4a,4bを第1の操作信号S1及び/又は第2の操作信号S2に依存して電気的に作動させる(制御する)ように形成されている。その結果、圧力モジュレータ4a,4bは、アクスルに割り当てられたリザーバ(供給)圧力pVa,pVbに基づき、ホイールブレーキ51,52,53,54のために、個々の車輪61,62,63,64において制御される所定のブレーキ圧力p1,p2,p3,p4を生じさせる。ここで、ブレーキ圧力p1,p2,p3,p4は、電気空圧式のブレーキシステム1において圧力媒体Dを介して伝達される。
【0027】
さらに、
図1aによる電気空圧式のブレーキシステムは、空圧的な予備レベルあるいは冗長性を備えており、当該予備レベルあるいは冗長性においては、圧力モジュレータ4a,4bが電気的な作動(制御)のほかに、制御信号S3a,S3bを介して空圧式にも作動(制御)されることが可能である。このために、手動のブレーキ設定Vmを表す空圧的な制御圧力pSa,pSbが、電気空圧式のフットブレーキ弁2から直接圧力モジュレータ4a,4bへ伝達される。圧力モジュレータ4a,4bでは、空圧的な制御圧力pSa,pSbが、冗長的な場合ではリザーバ圧力pVa,pVbに基づき空気量を増大して、かつ、ブレーキ圧力p1,p2,p3,p4として個々の車輪61,62,63,64におけるホイールブレーキ51,52,53,54へ制御(調整)される。したがって、通常動作及び冗長的な場合には、ブレーキ圧力p1,p2,p3,p4の生成が可能である。
【0028】
ABS制御弁71,72,73,74は、圧力モジュレータ4a,4bに後続接続されており、圧力モジュレータ4a,4bによって制御されるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4を必要な場合には調整し、あるいは適合するために用いられる。したがって、それぞれ後続配置されたホイールブレーキ51,52,53,54におけるABSブレーキ圧力p1m、p2m、p3m、p4mは、ABS制御弁71,72,73,74によって調整され、ABSブレーキ圧力は、ブレーキ圧力p1,p2,p3,p4に対して相応して変更されている。したがって、圧力モジュレータ4a,4bとABS制御弁71,72,73,74の間に設けられたABS供給ライン12では、圧力モジュレータ4a,4bによって制御されるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4が行きわたり、ABS制御弁71,72,73,74とホイールブレーキ51,52,53,54の間に設けられたブレーキ供給ライン13ではABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mが行きわたっている。
【0029】
電気空圧式のブレーキシステム1(
図1a)に代えて、
図1bによれば、純粋な空圧式のブレーキシステム200も設けられることができ、当該ブレーキシステムは、少なくともABS供給ライン12へのブレーキ圧力p1,p2,p3,p4の制御のためには電気的な制御部は設けられていない。したがって、ブレーキ圧力p1,p2,p3は、手動のブレーキ設定Vmに依存して、純粋に空圧式に構成されたフットブレーキ弁202のブレーキペダル202aを介して、例えば2つ(各車両アクスルについて1つ)の通路において、車輪ごとに配置されたABS制御弁71,72,73,74へ直接制御される。用途に応じて、空気量を増大させるリレー弁(不図示)も空圧式のフットブレーキ弁202とABS制御弁71,72,73,74の間で近軸に設けられることも可能である。
【0030】
当該構成では、ABS制御弁71,72,73,74は、空圧式のフットブレーキ弁202によって軸ごとに制御されるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4を、必要であれば車輪ごとに調整し、あるいは適合させ、ABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mとしてブレーキ供給ライン13を介してホイールブレーキ51,52,53,54へ制御するために用いられる。
【0031】
このとき、ABS制御弁71,72,73,74におけるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4の調整は、上述の両ブレーキシステム1,200において、個々の車輪61,62,63,64の測定された車輪回転数n1,n2,n3,n4に依存して行われ、このために、個々の車輪61,62,63,64に割り当てられた車輪回転数センサ81,82,83,84が設けられており、当該車輪回転数センサは、車輪回転数n1,n2,n3,n4を検出し、ABS制御装置9へ出力する。電気空圧式のブレーキシステム1の
図1に示された実施例によれば、ABS制御装置9は、中央モジュール3の構成部材であるとともに、内部で適当に相互接続されている。しかし、ABS制御装置9は、圧力モジュレータ4a,4bにおいても、又は電気空圧式のブレーキシステム1において独自に配置されることが可能である。
図1bによる空圧式のブレーキシステム200には、独自のABS制御装置9が設けられている。
【0032】
ABS制御装置9は、車輪回転数n1,n2,n3,n4を車輪個別に評価し、このとき、車輪61,62,63,64のいずれかが制動時にロックあるいはブレーキスリップを有するかどうかを検知する。ABS制御装置9によってこのような状態が車輪61,62,63,64のうち1つについて検知されると、当該車輪61,62,63,64に割り当てられたABS制御弁71,72,73,74が、ABS制御信号S71,S72,S73,S74を介して制御され、当該ABS制御信号は、これに基づき、適当な態様で、調整されたABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mをブレーキ供給ライン13ひいては各ホイールブレーキ51,52,53,54において設定する。各ABS制御弁71,72,73,74のこのような制御の際に、各車輪61,62,63,64がロックする場合には、通常、ブレーキ供給ライン13に行きわたっているABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mの保持又は低減が達成され、その結果、当該ABSブレーキ圧力は、圧力モジュレータ4a,4b又は空圧式のフットブレーキ弁202によって調整されるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4とは異なる。これにより、ブレーキ設定Vm,Vbが存在する場合に、車輪61,62,63,64のロックに対処することが可能である。
【0033】
このことは、各ABS制御弁71,72,73,74が
図2に示されているようにABS入口弁10及びABS出口弁11を備えていることによって達成されることが可能である。ABS入口弁10は、電気的に制御可能(作動可能)な入口電磁弁10aと空圧式に制御可能(作動可能)な入口ダイヤフラム弁10bに分割されている。ABS出口弁11は、電気的に制御可能(作動可能)な出口電磁弁11aと空圧式に制御可能(作動可能)な出口ダイヤフラム弁11bに分割されている。電気的に制御可能な部分、すなわち、入口電磁弁10a及び出口電磁弁11aは、制御弁電子機器15によって電気的に制御されることが可能である。ここで、制御弁電子機器15は、それぞれ割り当てられたABS制御信号S71,S72,S73,S74を受信し、これに依存してABS入口弁10あるいはABS出口弁11の電気的な部分を制御する(作動させる)。
【0034】
入口ダイヤフラム弁10bは、第1の圧力室20aを介して、圧力モジュレータ4a,4b又は空圧式のフットブレーキ弁202へ延びるABS供給ライン12に接続されているとともに、第2の圧力室20bを介して、個々のホイールブレーキ51,52,53,54へ延びるブレーキ供給ライン13に接続されている。入口ダイヤフラム弁10bは、入口パイロットチャンバ20cにおいて作用する入口パイロット圧力pEを介して空圧的に制御されることが可能である。入口パイロット圧力pEは、ここでも、入口電磁弁10aの切換位置によって調整されることが可能である。
【0035】
出口ダイヤフラム弁11bは、第2の圧力室20bを介してブレーキ供給ライン13に接続されているとともに、第3の圧力室20dを介して、周囲圧力pUを有する周囲Uへ開口するABS抜気接続部14に接続されている。出口ダイヤフラム弁11bは、出口パイロットチャンバ20eにおいて作用する出口パイロット圧力pAを介して空圧的に制御されることが可能である。出口パイロット圧力pAは、出口電磁弁11aの切換位置によって調整されることが可能である。
【0036】
第1のABS動作モードでは、制御弁電子機器15による電磁弁10a,11aの電気的な制御(作動)が行われず、その結果、当該電磁弁は、
図2に図示された切換位置にある。この場合、入口ダイヤフラム弁10bの入口パイロットチャンバ20cは無圧である。なぜなら、当該入口パイロットチャンバは、入口電磁弁10aの切換位置によりABS抜気接続部14に接続されているためである。ABS供給ライン12においてブレーキ圧力p1,p2,p3,p4をもって存在する圧力媒体Dは、第1の圧力室20aに至るとともに、無圧の入口パイロットチャンバ20cに基づき、行きわたっているブレーキ圧力p1,p2,p3,p4に応じて入口ダイヤフラム弁10bのダイヤフラムを持ち上げることができ、その結果、圧力媒体Dは、第2の圧力室20bに至ることができ、そこから、ホイールブレーキ51,52,53,54へのブレーキ供給ライン13へ至ることが可能である。同時に、圧力媒体Dは、出口電磁弁11aの切換位置に基づき、出口電磁弁11aへ延びる孔20fを介して出口ダイヤフラム弁11bの出口パイロットチャンバ20eへ流れる。出口ダイヤフラム弁11bのバネ付勢との組合せにおいて出口パイロットチャンバ20eにおけるこうして作用する出口パイロット圧力pAにより、第2の圧力室20bあるいはブレーキ供給ライン13と第3の圧力室20dあるいはABS抜気接続部14の間の接続が閉鎖されたままである。
【0037】
当該第1のABS動作モードにおいて、電磁弁10a,11aの
図2に図示された切換位置に対応してブレーキ設定Vm,Vaが取り消されるか、あるいはABS供給ライン12におけるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4が低減されると、ブレーキ供給ライン13あるいはブレーキシリンダにおける抜気あるいは圧力低減が、部分的に、まだ開放されている入口ダイヤフラム弁10bを介して、及び開放された出口ダイヤフラム弁11bを介して、ひいてはABS抜気接続部14への接続部を介して行われる。これに基づき、ホイールブレーキ51,52,53,54おけるブレーキ作用が、ブレーキ設定Va,Vmの取消に合わせて低減される。このとき、出口ダイヤフラム弁11bが開放される。なぜなら、出口パイロットチャンバ20eにおける出口弁パイロット圧力pAが、孔20fを介して、第1の圧力室20aにおける低減されたブレーキ圧力p1,p2,p3,p4に適合されるためである。当該ブレーキ圧力は、圧力補整(ブレーキ供給ライン13、ABS供給ライン12)まで、ブレーキ供給ライン13あるいは第2の圧力室20bにおけるABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mよりも小さい。
【0038】
ホイールブレーキ51,52,53,54あるいはブレーキシリンダがブレーキ設定Va,Vmにかかわらず意図的に抜気されるべき、第2のABS動作モード(圧力
低減段階)では、両電磁弁10a,11aは、制御弁電子機器15を介して電気的に制御される。したがって、両電磁弁10a,11aは、
図2における切換位置に対してちょうど切り換えられる。これにより、ABS抜気接続部14への入口パイロットチャンバ20cの接続が分離され、その代わり、第1の圧力室20aからの圧力媒体Dが入口パイロットチャンバ20cへ至る。これにより、バネ付勢された入口ダイヤフラム弁10bが閉じるため、第1の圧力室20a及び第2の圧力室20cはもはや互いに接続されていない。なぜなら、ダイヤフラムがもはや持ち上げられ得ないためである。
【0039】
同時に、出口電磁弁11aの切換によって、第1の孔20fへの貫通部が閉鎖され、出口パイロットチャンバ20eがABS抜気接続部14に接続される。これにより、第2の圧力室20bにおいて作用するABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mは、出口ダイヤフラム弁11bのダイヤフラムをバネ付勢に抗して持ち上げることができ、これによって、ホイールブレーキ51,52,53,54からの圧力媒体Dが第3の圧力室20dを介してABS抜気接続部14へ流出することが可能である。これにより、ホイールブレーキ51,52,53,54におけるABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mが低減される。
【0040】
例えば、ブレーキ設定Va,Vが存在するときに車輪61,62,63,64のロックが検知される場合に、したがって、安定的な車両状態を達成するためにABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mの取消が必要である場合に、第2のABS動作モード(圧力低減段階)におけるABS抜気接続部14を介したこのような意図的な抜気を設定することが可能である。
【0041】
さらに、第3のABS動作モードでは、電磁弁10a,11aの適当な切換により、第2のABS動作モードに対して、出口電磁弁11aが非制御により再び切り換えられることで、ホイールブレーキ51,52,53,54における圧力保持も達成することが可能である。この場合、閉鎖されたままの両ダイヤフラム弁10b,11bにより、ABS供給ライン12とブレーキ供給ライン13の間の接続も、またABS抜気接続部14とブレーキ供給ライン13の間の接続も形成されない。
【0042】
圧力モジュレータ4a,4bあるいはABS供給ライン12では、一般に、ブレーキ設定Va,Vmに対応するブレーキ圧力p1,p2,p3,p4が作用する。これにより、通常動作(ロック制御なし)では、ブレーキ設定Va,Vm及び
図2による電磁弁10a,11aの切換位置が存在するときには、相応して大きなABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mも各ホイールブレーキ51,52,53,54へ制御されることとなる。これにより、各ブレーキ設定Va,Vmに対応する所定のブレーキ作用が達成される。
【0043】
ブレーキ設定Va,Vmが存在しなければ、ABS供給ライン12におけるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4は、ほぼ周囲圧力pUに対応する。この場合、当該周囲圧力pUは、例えば、(
図1aによれば空圧的な予備レベルにおける、あるいは
図1bによる空圧式のブレーキシステム200における)フットブレーキ弁2,202でのフットブレーキ弁-抜気接続部2b,202bを介して、又は(
図1aによる電気空圧式のブレーキシステム1の通常動作における電気的な制御(作動)における)各圧力モジュレータ4a,4bでの圧力モジュレータ-抜気接続部18を介して、ABS供給ライン12の抜気によってもたらされる。
【0044】
したがって、入口ダイヤフラム弁10bが開放されている場合には、停止されたブレーキ設定Va,Vmにおいて「調整され」、周囲圧力pUに対応するABS供給ライン12におけるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4は、出口ダイヤフラム弁11bが開放されている場合のABS抜気接続部14を介して抜気と同様にもたらすことが可能である。これにより、ブレーキ設定Va,Vmが停止されている場合には、ABS供給ライン12も同様にブレーキ供給ライン13の抜気に用いられることが可能である。
【0045】
このことは、ブレーキ設定Va,Vmが低減される場合には、通常の場合には第1のABS動作モードにおいて、上述のように、抜気のために、あるいはABS供給ライン12において低減されるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4への圧力補整のために、あらかじめ部分的に用いられる。なぜなら、当該通常の場合には、入口ダイヤフラム弁10bにより、第2の圧力室20bから第1の圧力室20aへの圧力媒体の通流が可能となるためである(入口パイロットチャンバ20cは無圧)。抜気動作モードEMでは、ブレーキ供給ライン13の抜気の当該代替的な可能性を、他の場合においても、後述の本発明による抜気機能EFのために用いることが可能である。
【0046】
ある周囲条件BUの下では、ABS抜気接続部14が思いがけずに、あるいは不意に遮断されることとなり得る。このことが起こり得る周囲条件BUは、例えば、ABS抜気接続部14が凍結することがある、非常に低い温度Tかつ非常に高い湿度Fである。ABS抜気接続部14のこのような思いがけない、あるいは不意の遮断が存在する場合には、ABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mは、行われたブレーキ過程の後、これにつづくブレーキ設定Vm,Vaの取消又は低減(ブレーキ圧力p1,p2,p3,p4の取消あるいは低減に対応)によってブレーキ供給ライン13においてせき止められてとどまり、これにより、特にこれにつづくブレーキ過程において、思いがけない、不確定の動作状態に至ることがある。なぜなら、ブレーキ作用が、必要な場合にもはや適宜に取り消され、あるいは適合されることができないためである。
【0047】
閉鎖された、又は部分的に閉鎖されたABS抜気接続部14におけるブレーキ供給ライン13での圧力媒体Dのせき止めは、以下のように引き起こされる:
出口ダイヤフラム弁1
1bは、上述のように、ブレーキ設定Vm,Vaの取消時に開放されている。なぜなら、
図2における電磁弁10a,11aの切換位置での出口パイロット圧力pAが第2の圧力室20bにおける圧力媒体Dの圧力よりも小さいためである。これにより、圧力媒体Dは、第3の圧力室20d及び入口電磁弁10aを介して、入口パイロットチャンバ20cへも至り、これにより、入口ダイヤフラム弁10bが閉鎖された位置に保持される。これにより、そうでなければ第1のABS動作モードにおいて可能となる、ブレーキ供給ライン13からABS供給ライン12への直接的な抜気が阻止される。したがって、ブレーキ供給ライン13及び各ホイールブレーキ51,52,53,54では圧力停滞がなされる。なぜなら、ABS供給ライン12を介しても、またABS抜気接続部14を介しても抜気されることができないためである。
【0048】
これを回避するために、抜気動作モードEMの作動時には、ABS制御弁71,72,73,74の入口電磁弁10aを、設定された所定の動作条件の下で各ABS制御信号S71,S72,S73,S74を介してアクティブに制御(作動)させるように設定されている。抜気機能EFの範囲におけるABS入口弁10の入口電磁弁10aのこのようなアクティブな制御(作動)により、ブレーキ供給ライン13からの圧力が第2及び第3の圧力室20b,20c並びに入口電磁弁10aを介さずに入口パイロット室20cへ至ることが可能であることを達成可能である。これにより、入口ダイヤフラム弁10bは、やはり依然として通流可能なままである。なぜなら、入口パイロット室20cでは、ABS供給ライン12において行きわたる、よりわずかな(低減された)ブレーキ圧力p1,p2,p3,p4が作用するためである。これにより、ブレーキ供給ライン13が再びABS供給ライン12を介して抜気されることができるとともに、これによって、場合によってはせき止められる圧力媒体Dは、場合によっては遮断されるABS抜気接続部14の代わりにABS供給ライン12を介して流出し得る。この場合、周囲Uへの抜気は、例えば圧力モジュレータ-抜気接続部18(
図1a)及び/又はフットブレーキ弁-抜気接続部2b,202b(
図1a,
図1b)を介して行われる。
【0049】
抜気機能EFを実行するABS入口弁10の入口電磁弁10aのこのような電気的な制御(作動)が行われることができる動作条件BBとして、ここでは、例えば、電気空圧式又は空圧式のブレーキシステム1,200における各ブレーキ設定Va,Vmの停止が設定される。これは、例えば、空圧式のブレーキシステム200の場合に例えば圧力センサ(不図示)を介して確認され得る、ブレーキペダル2a,202aの操作ひいては手動のブレーキ過程Vmが完全に取り消された場合である。したがって、入口ダイヤフラム弁10b及びABS供給ライン12を介したブレーキ供給ライン13の抜気のアクティブな許容は、この時点で、ABS制御弁71,72,73,74の他の電気的な制御(作動)あるいはホイールブレーキ51,52,53,54への圧力ブレーキp1,p2,p3,p4の調整が自動的にも、また手動でも要求されずになされないという条件へ結び付けられる。
【0050】
したがって、このような抜気動作モードEMでは、ABS供給ライン12が無圧であり、及び無圧のままであるか、あるいはABS供給ライン12において上述のように周囲圧力pUが行きわたっている場合に、抜気機能EFの範囲におけるABS制御弁71,72,73,74あるいは入口電磁弁10aのアクティブな制御(作動)のみが許容される。したがって、電気空圧式のブレーキシステム1又は空圧式のブレーキシステム200における任意のブレーキ設定Va,Vmの変換がABS制御弁71,72,73,74あるいは入口電磁弁10aのこのような制御(作動)によって影響されることがない場合にのみアクティブな抜気が許容される。
【0051】
好ましくは、所定の限界値を下回る温度Tが存在し、これにより、ABS抜気接続部14の遮断が少なくとも可能である場合に、抜気動作モードEMの作動がなされる。
【0052】
したがって、ABS制御装置9における適当なソフトウェア適合により、更なるハードウェア適合なしに抜気機能EFを形成することが可能である。このとき、制御(作動)の態様は、適当なソフトウェア構成又はパラメータ化によって、各車両100に対して目的をもって設定されることができ、その結果、フレキシブルな抜気機能EFを提供することが可能である。
【0053】
ここで、ABS制御弁71,72,73,74及びABS制御装置9は本発明による制御装置16(
図2)を形成しており、当該制御装置は、各ブレーキ供給ライン13におけるABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mを、動作条件BBを考慮しつつ可能とし、ひいてはブレーキ供給ライン13における圧力媒体Dのせき止めを回避するために、ABS抜気接続部14の思いがけない、あるいは不意の遮断が生じ得る周囲環境BUにおいて、抜気動作モードEMを作動させるように形成されている。
【0054】
これにより、
図3に従い、本発明による方法を例えば以下のように行うことが可能である:
【0055】
最初のステップSt0では、例えば、抜気動作モードEMの作動時に、適当な周囲条件BU(T,F)が存在する場合に、方法が初期化される。第1のステップSt1では、抜気動作モードEMの作動後、動作条件BBがチェックされ、すなわち、ブレーキ設定Va,Vmが存在し、それゆえ、ABS入口弁10の入口電磁弁10aのアクティブな制御(作動)が、ブレーキライン13の抜気のための抜気機能EFの範囲において禁止されているかどうかがチェックされる。
【0056】
ブレーキ設定Va,Vmが存在しなければ、第2のステップSt2において、ABS入口弁10の入口電磁弁10aの電気的な制御(作動)によって、ブレーキ供給ライン13がABS供給ライン12と接続され、その結果、ブレーキ供給ライン13において行きわたっているABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mが、ABS供給ライン12におけるブレーキ圧力p1,p2,p3,p4に適合される。したがって、抜気機能EFの当該制御(作動)あるいは変換のための条件である、停止されたブレーキ設定Va,Vmにおいては、周囲圧力pUへのABSブレーキ圧力p1m,p2m,p3m,p4mの適合ひいてはブレーキ供給ライン13の抜気が行われる。これにより、ブレーキ供給ライン13では、場合によってはせき止められた圧力媒体Dが流出し得る。
【0057】
ここで、抜気動作モードEMが作動している場合の、抜気機能EFの範囲でのABS入口弁10の入口電磁弁10aのアクティブな電気的な制御(作動)は、一時的に、かつ、設定された所定の時間インターバルdt後に、この間にブレーキ設定Vm,Vaが存在しないかぎり行われる。これにより、ABS入口弁10の入口電磁弁10が抜気機能EFのために過剰に頻繁に制御(作動)され、これにより、不必要に損耗されることが防止される。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.車両(100)におけるブレーキシステム(1;200)のABS制御弁(71,72,73,74)を制御する方法であって、ブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)が、ブレーキ設定(Va,Vm)に依存して、ABS供給ライン(12)を介してABS制御弁(71,72,73,74)へ供給され、ABS制御弁(71,72,73,74)が、ブレーキ供給ライン(13)を介してブレーキシステム(1;200)のホイールブレーキ(51,52,53,54)に接続されており、ABS制御弁(71,72,73,74)が、空圧式に制御可能な入口ダイヤフラム弁(10b)と、空圧式に制御可能な出口ダイヤフラム弁(11b)とを備えており、入口ダイヤフラム弁(10b)を介してABS供給ライン(12)とブレーキ供給ライン(13)の間の接続を形成することができ、その結果、ブレーキ供給ライン(13)及びホイールブレーキ(51,52,53,54)において、ABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)が、ABS供給ライン(12)におけるブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)に依存して生じ、ブレーキ供給ライン(13)の抜気のために、出口ダイヤフラム弁(11b)を介して、ブレーキ供給ライン(13)とABS抜気接続部(14)の間の接続を形成することが可能である、方法において、
抜気動作モード(EM)(St0)の作動時及びブレーキシステム(1;200)において設定された動作条件(BB)(St1)が存在する場合に、ブレーキ供給ライン(13)からABS供給ライン(12)への圧力媒体(D)の流出が、ABS供給ライン(12)を介したブレーキ供給ライン(13)の抜気のために入口ダイヤフラム弁(10a)を介して可能であるように、入口ダイヤフラム弁(10a)が抜気機能(EF)のために空圧的に制御される(St2)ことを特徴とする方法。
2.抜気動作モード(EM)が、あらかじめ設定された周囲条件(BU)においてのみ作動されることを特徴とする上記1.に記載の方法。
3.抜気動作モード(EM)が、周囲(U)の温度(T)が10℃未満、好ましくは5℃未満である場合にのみ作動されることを特徴とする上記2.に記載の方法。
4.設定された動作条件(BB)としてブレーキシステム(1;200)におけるブレーキ設定(Va,Vm)の終了が確認される場合にのみ、抜気機能(EF)を実行するための入口ダイヤフラム弁(10b)の空圧的な制御が行われることを特徴とする上記1.~3.のいずれか1つに記載の方法。
5.設定された動作条件(BB)が存在するときに、周囲圧力(pU)又はブレーキ供給ライン(13)において行きわたっているABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)よりも小さなブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)がABS供給ライン(12)において行きわたることを特徴とする上記4.に記載の方法。
6.ブレーキ設定が、自動化されたブレーキ設定(Va)及び/又は手動のブレーキ設定(Vm)であることを特徴とする上記1.~5.のいずれか1つに記載の方法。
7.入口ダイヤフラム弁(10b)が、電気的に制御可能な入口電磁弁(10a)を介して空圧的に制御されることを特徴とする上記1.~6.のいずれか1つに記載の方法。
8.抜気動作モード(EM)の作動時に、及びブレーキシステム(1;200)における設定された動作条件(BB)が存在する場合に、入口ダイヤフラム弁(10b)の入口パイロットチャンバ(20c)における入口パイロット圧力(pE)が、電気的に制御可能な入口電磁弁(10a)を介して調整され、入口ダイヤフラム弁(10b)を介したブレーキ供給ライン(13)とのABS供給ライン(12)の接続が形成されるか、又は形成可能であるように、入口ダイヤフラム弁(10b)が入口パイロット圧力(pE)によって空圧的に制御されることを特徴とする上記7.に記載の方法。
9.ABS供給ライン(12)における圧力媒体(D)のブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)が、空圧式のフットブレーキ弁(202)又は圧力モジュレータ(4a,4b)によって調整され、圧力モジュレータ(4a,4b)が、ブレーキ設定(Va,Vm)に依存した電気的な制御信号(S3a,S3b)を介して電気的に、又は、ブレーキ設定(Va,Vm)に依存する、電磁的なフットブレーキ弁(2)の空圧的な制御圧力(pSa,pSb)を介して空圧的に制御されることを特徴とする上記1.~8.のいずれか1つに記載の方法。
10.抜気機能(EF)が実行されない場合に、車輪回転数(n1,n2,n3,n4)に基づき、ABS制御装置(9)によってロックされた車輪(61,62,63,64)が検知されるかどうかに依存して、ABS制御弁(71,72,73,74)を電気的に制御することが可能であり、このために、
-ブレーキ供給ライン(13)におけるABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)の低減のために、入口ダイヤフラム弁(10a)を介したABS供給ライン(12)とブレーキ供給ライン(13)の間の接続が分離され、出口ダイヤフラム弁(11b)を介したABS抜気接続部(14)とのブレーキ供給ライン(13)の接続が形成され、
-ブレーキ供給ライン(13)におけるABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)の保持のために、入口ダイヤフラム弁(10a)を介したABS供給ライン(12)とブレーキ供給ライン(13)の間の接続と、出口ダイヤフラム弁(11b)を介したABS抜気接続部(14)とのブレーキ供給ライン(13)の接続とが、それぞれ分離される
ことを特徴とする上記1.~9.のいずれか1項に記載の方法。
11.ABS抜気接続部(14)が部分的に閉鎖されているか、又は閉鎖されている場合、及び出口ダイヤフラム弁(11b)を介して形成された、ブレーキ供給ライン(13)とABS抜気接続部(14)の間の接続が形成されている場合に、ブレーキ供給ライン(13)とABS供給ライン(12)の間の接続が形成されないか、又は形成されることがないように、ブレーキ供給ライン(13)において作用するABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)が入口ダイヤフラム弁(10b)を空圧的に制御することを特徴とする上記1.~10.のいずれか1項に記載の方法。
12.ABS制御装置(9)と、空圧式に制御可能な入口ダイヤフラム弁(10b)及び空圧式に制御可能な出口ダイヤフラム弁(11b)を備えた少なくとも1つのABS制御弁(71,72,73,74)とを有する制御装置(16)であって、ブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)が、ブレーキ設定(Va,Vm)に依存して、ABS供給ライン(12)を介してABS制御弁(71,72,73,74)へ供給されることができ、ABS制御装置(9)が、
-入口ダイヤフラム弁(10b)を介してABS供給ライン(12)とブレーキ供給ライン(13)の間の接続を形成することができ、その結果、ブレーキ供給ライン(13)及びホイールブレーキ(51,52,53,54)において、ABSブレーキ圧力(p1m,p2m,p3m,p4m)が、ABS供給ライン(12)におけるブレーキ圧力(p1,p2,p3,p4)に依存して生じるように、並びに
-出口ダイヤフラム弁(11b)を介して、ブレーキ供給ライン(13)とABS抜気接続部(14)の間の接続を形成することが可能であるように、
ABS制御弁(71,72,73,74)を電気的に制御するように形成されている、制御装置において、
抜気動作モード(EM)(St0)の作動時及びブレーキシステム(1;200)において設定された動作条件(BB)(St1)が存在する場合に、ブレーキ供給ライン(13)からABS供給ライン(12)への圧力媒体(D)の流出が、ABS供給ライン(12)を介したブレーキ供給ライン(13)の抜気のために入口ダイヤフラム弁(10a)を介して可能であるよう、抜気機能(EF)のために、入口ダイヤフラム弁(10a)を空圧的に制御するようにABS制御装置(9)が形成されていることを特徴とする制御装置。
13.特に上記1.~11.のいずれか1つに記載の方法を実行するために、上記12.に記載の制御装置(16)を備える、ブレーキシステム(1;200)を有する車両(100)。
【符号の説明】
【0058】
1 電気空圧式のブレーキシステム
2 電気空圧式のフットブレーキ弁
2a ブレーキペダル
2b フットブレーキ弁-抜気接続部
3 中央モジュール
4a,4b 圧力モジュレータ
51,52,53,54 ホイールブレーキ
61,62,63,64 車輪
71,72,73,74 ABS制御弁
81,82,83,84 車輪回転数センサ
9 ABS制御装置
10 ABS入口弁
10a 入口電磁弁
10b 入口ダイヤフラム弁
11 ABS出口弁
11a 出口電磁弁
11b 出口ダイヤフラム弁
12 ABS供給ライン
13 ブレーキ供給ライン
14 ABS抜気接続部
15 制御弁電子機器
16 制御装置
17 転支援制御装置
18 圧力モジュレータ-抜気接続部
20a 第1の圧力室
20b 第2の圧力室
20c 入口パイロットチャンバ
20d 第3の圧力室
20e 出口パイロットチャンバ
20f 孔
100 車両
200 空圧式のブレーキシステム
202 空圧式のフットブレーキ弁
202a 空圧式のフットブレーキ弁のブレーキペダル
202b 空圧式のフットブレーキ弁-抜気接続部
BU 周囲条件
BB 動作条件
dt 時間インターバル
D 圧力媒体
EM 抜気動作モード
EF 抜気機能
F 湿度
n1,n2,n3,n4 車輪回転数
p1,p2,p3,p4 ブレーキ圧力
p1m,p2m,p3m,p4m ABSブレーキ圧力
pA 出口パイロット圧力
pE 入口パイロット圧力
pSa,pSb 制御圧力
pU 周囲圧力
pVa,pVb リザーバ圧力
S1 第1の操作信号
S2 第2の操作信号
S3a,S3b 制御信号
S71,S72,S73,S74 ABS制御信号
T 温度
U 周囲
Va 自動化されたブレーキ設定
Vm 手動のブレーキ設定