(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】ネットワークを介して機械可読コードデータを伝送する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20230222BHJP
G06Q 20/10 20120101ALI20230222BHJP
G06Q 20/36 20120101ALI20230222BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q20/10
G06Q20/36
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021165235
(22)【出願日】2021-10-07
(62)【分割の表示】P 2019555009の分割
【原出願日】2018-08-14
【審査請求日】2021-11-04
(32)【優先日】2017-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500557864
【氏名又は名称】マスターカード インターナシヨナル インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】イェン フィリップ ウェイ ピン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック スメッツ
(72)【発明者】
【氏名】余伝 道彦
【審査官】山崎 雄司
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-539442(JP,A)
【文献】特表2014-519659(JP,A)
【文献】特表2003-529160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード化された一回限りの数値を支払レールを介して処理する方法であって、
コンピューティングシステムの受信装置によって一回限りの数値を受信するステップであって、前記一回限りの数値は少なくとも識別値と残余値とを含む、ステップと、
前記コンピューティングシステムの問い合わせモジュールによって、前記コンピューティングシステムのメモリ上でクエリを実行して、前記一回限りの数値の一部に少なくとも基づいて経路値を識別するステップと、
前記コンピューティングシステムの入力装置によって、追加の検証データの入力を受け付けるステップと、
前記コンピューティングシステムの生成モジュールによってデータ値を生成するステップであって、前記データ値は前記識別された経路値と前記残余値と前記追加の検証データとを少なくとも含む、ステップと、
前記コンピューティングシステムの送信装置によって、前記生成されたデータ値を、支払ネットワークに関連付けられた支払レールを介して外部システムへ電子的に送信するステップと、
前記受信装置によって、トランザクションアカウントに関連付けられた識別データを受信するステップと、
前記コンピューティングシステムによって、前記トランザクションアカウントに関して詐欺スコアリングを実行するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、更に、
前記コンピューティングシステムの前記生成モジュールによってトランザクションメッセージを生成するステップであって、前記トランザクションメッセージは1以上の規格にしたがって成形されて複数のデータ要素を含み、当該複数のデータ要素は、前記生成されたデータ値を格納するよう構成された少なくとも1つのデータ要素を含む、ステップを含み、
前記生成されたデータ値を前記外部システムへ送信することは、前記生成されたトランザクションメッセージを前記外部システムへ送信することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記データ値は第2トラック(track 2)のデータ値である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記データ値は、有効期限と役務コードとチェックディジットとを含む第1トラック(track 1)のデータ値である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記一回限りの数値は18桁の数値である、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記識別値は18桁の数値のうち2桁を含み、前記残余値は18桁の数値のうち16桁を含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、前記受信装置が光学撮像装置であるとき、前記一回限りの数値を受信することは、前記一回限りの数値でコード化された機械可読コードを読み取って、前記コード化された一回限りの数値を受信することを含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、前記機械可読コードは、バーコードと、クイックレスポンスコードと、表示された一連の桁又は記号とのうち1つである、方法。
【請求項9】
コード化された一回限りの数値を支払レールを介して処理するシステムであって、
一回限りの数値を受信するよう構成された、コンピューティングシステムの受信装置であって、前記一回限りの数値は少なくとも識別値と残余値とを含む、受信装置と、
前記コンピューティングシステムのメモリ上でクエリを実行して、前記一回限りの数値の一部に少なくとも基づいて経路値を識別するよう構成された、前記コンピューティングシステムの問い合わせモジュールと、
追加の検証データの入力を受け付けるよう構成された、前記コンピューティングシステムの入力装置と、
データ値を生成するよう構成された、前記コンピューティングシステムの生成モジュールであって、前記データ値は前記識別された経路値と前記残余値と前記追加の検証データとを少なくとも含む、生成モジュールと、
前記生成されたデータ値を、支払ネットワークに関連付けられた支払レールを介して外部システムへ電子的に送信するよう構成された、前記コンピューティングシステムの送信装置と、
を含
み、
前記受信装置は、トランザクションアカウントに関連付けられた識別データを受信するよう構成され、
前記コンピューティングシステムは、前記トランザクションアカウントに関して詐欺スコアリングを実行するよう構成される、システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、
前記コンピューティングシステムの前記生成モジュールは、トランザクションメッセージを生成するよう更に構成され、前記トランザクションメッセージは、1以上の規格にしたがって成形され、前記生成されたデータ値を格納するよう構成された少なくとも1つのデータ要素を含む複数のデータ要素を含み、前記生成されたデータ値を前記外部システムに送信することは、前記生成されたトランザクションメッセージを前記外部システムへ送信することを含む、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記データ値は第2トラック(track 2)のデータ値である、システム。
【請求項12】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記データ値は、有効期限と役務コードとチェックディジットとを含む第1トラック(track 1)のデータ値である、システム。
【請求項13】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記一回限りの数値は18桁の数値である、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、前記識別値は18桁の数値のうち2桁を含み、前記残余値は18桁の数値のうち16桁を含む、システム。
【請求項15】
請求項9に記載のシステムにおいて、前記受信装置が光学撮像装置であるとき、前記一回限りの数値を受信することは、前記一回限りの数値でコード化された機械可読コードを読み取って、前記コード化された一回限りの数値を受信することを含む、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記機械可読コードは、バーコードと、クイックレスポンスコードと、表示された一連の桁又は記号とのうち1つである、システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許出願第15/793,237号(2017年10月25日出願)の優先権を主張する。上
記出願の開示全体は参照によってここに取り込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願発明は支払レールを介して機械可読コードにコード化された一回限りの数値を処理
することに関し、特に、機械可読コードにコード化された一回限りの数値を読み取ること
と、一回限りの数値を供給する第三者に変わって処理するためにネットワークに関連付け
られた支払レールを介して伝送するのに適したデータ値に変換することとに関する。
【背景技術】
【0003】
コンピューティング装置が増えるにつれて、多くの方法が開発され、コンピューティン
グ装置が電子的支払トランザクションに資金供給するために使用されることが可能である
。従来、ユーザは自身のコンピューティング装置に支払詳細を手動で入力することができ
る。これは、支払トランザクションにおいて処理するために、例えばウェブページ又は他
の類似的アプリケーションプログラムを介して、送信される。技術が一層進展すると、電
子ウォレットが開発された。これは、支払証明書を格納するための一層安全な格納手法を
用いた特定目的のアプリケーションプログラムである。これは、ネットワーク(例えばイ
ンターネット)を介して又は直接的に、購入内トランザクションのための近距離無線通信
等を介して、販売者の販売時点端末へ電子的に送信される。伝統的に、電子ウォレットは
、支払カードに格納される全ての同一データを格納することと、販売時点端末にそれを伝
送することとによって、操作される。ここでは、支払カードを直接読み取る場合は、販売
時点端末は同一のデータを受信し、支払カードとして動作するモバイル装置用の支払カー
ドを効果的に決済処理(trade)する。
【0004】
更に最近では、いくつかのエンティティは、代替手法を使用する自身の電子ウォレット
を開発し、支払トランザクションへ支払う。そのようなウォレットでは、ウォレットは、
販売者に提供される一意のデータを生成する。ここでは販売者はそのデータをウォレット
提供者又は関連付けられた金融機関(これはトランザクションに資金供給するために使用
される関連アカウントを識別可能である)へ戻す。そのような手法は、標準的な電子ウォ
レットよりも良い安全性を提供する。というのも、一意のデータは単一のトランザクショ
ンのみに使用可能であり、そのようなデータを受信して使用するよう構成された販売者を
介してのみ処理されるからである。1つの一般的な種別の一意のデータは、一回限りの数
値である。
【0005】
しかし、一回限りの数値と他の一意のデータとを処理することは、販売者がそのデータ
を受信し処理するよう特別に構成されていることを要求し、また、販売者がウォレット提
供者又は関連付けられた金融機関へ接続していることを要求する。結果として、支払のた
めの電子ウォレットを受け付けたい任意の新たな販売者は、ハードウェア及びソフトウェ
アとその電子ウォレットに特有の通信インフラストラクチャとを獲得しなくてはならない
。多くの販売者(特に小規模事業者)にとって、リソース消費は、そのような支払を受け
付けることにおいて提供される利益を非常に上回ることがある。更に、電子ウォレットが
更なる市場に拡大することは、困難であり、費用がかかり、そして時間がかかるプロジェ
クトである。
【0006】
したがって一回限りの数値と電子ウォレットによって生成される他の種別の一意のデー
タとが、支払ネットワークに関連付けられた支払レールを用いて処理されることができ、
既存の電子的支払トランザクション処理とインフラストラクチャとを利用することができ
る技術的解決手段が必要である。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、支払レールを介して、コード化された一回限りの数値を処理するシステム及
び方法の開示を開示する。一回限りの数値を用いてコード化され機械可読コードは、販売
時点装置によって読み取られる。販売時点装置は一回限りの数値を抽出し、又は、それを
他の適切な手段を介して受信し、一回限りの数値の構成要素を識別する。これは、識別値
を少なくとも含む。識別値はウォレット提供者又は金融機関(これは、その一回限りの数
値を介して資金供給されるトランザクションを処理する)に関連付けられた経路値を識別
するために使用される。経路値と一回限りの数値にある他の任意のデータとは、新たなデ
ータ値(これは販売時点装置によって生成される)に含まれる。これはまた、標準的な電
子的支払トランザクションの処理において必要な他の任意のデータ(例えば役務コード、
有効期限、チェックディジット)を含む。この新たなデータ値は、支払ネットワークに関
連付けられた支払レールを介して送信される標準化トランザクションメッセージに含まれ
る。結果としては、トランザクションが従来の支払トランザクションに類似し、したがっ
て従来の支払トランザクションとして既存の安全な通信インフラストラクチャ上で処理さ
れる。しかし、それは、処理のために適切なエンティティへ経路指定される。したがって
一回限りの数値は販売者、アクワイアラ及び発行者システムに対して最小限の修正により
、支払トランザクションのために使用されてよく、速く、簡単で、費用がかからない実装
を提供し、したがって広範な採用を支援する。
【0008】
コード化された一回限りの数値を支払レールを介して処理する方法は、
コンピューティングシステムの受信装置によって一回限りの数値を受信するステップで
あって、前記一回限りの数値は少なくとも識別値と残余値とを含む、ステップと、
前記コンピューティングシステムの問い合わせモジュールによって、前記コンピューテ
ィングシステムのメモリ上でクエリを実行して、前記一回限りの数値の一部に少なくとも
基づいて経路値を識別するステップと、
前記コンピューティングシステムの生成モジュールによってデータ値を生成するステッ
プであって、前記データ値は前記識別された経路値と前記残余値とを少なくとも含む、ス
テップと、
前記コンピューティングシステムの送信装置によって、前記生成されたデータ値を、支
払ネットワークに関連付けられた支払レールを介して外部システムへ電子的に送信するス
テップと、を含む。
【0009】
コード化された一回限りの数値を支払レールを介して処理するシステムは、
一回限りの数値を受信するよう構成された、コンピューティングシステムの受信装置で
あって、前記一回限りの数値は少なくとも識別値と残余値とを含む、受信装置と、
前記コンピューティングシステムのメモリ上でクエリを実行して、前記一回限りの数値
の一部に少なくとも基づいて経路値を識別するよう構成された、前記コンピューティング
システムの問い合わせモジュールと、
データ値を生成するよう構成された、前記コンピューティングシステムの生成モジュー
ルであって、前記データ値は前記識別された経路値と前記残余値とを少なくとも含む、生
成モジュールと、
前記生成されたデータ値を、支払ネットワークに関連付けられた支払レールを介して外
部システムへ電子的に送信するよう構成された、前記コンピューティングシステムの送信
装置と、
を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の範囲は、添付の図面と共に解釈されると、例示的な実施形態についての下記の
詳細な記載から最も良く理解される。図面には次の図が含まれる。
【0011】
【
図1】
図1は機能ブロック図であり、例示的実施形態による、従来の電子的支払トランザクションとして一回限りの数値を処理するハイレベルシステムアーキテクチャを示す。
【
図2】
図2は、例示的実施形態による、一回限りの数値を読み取って処理する
図1のシステムにおけるコンピューティングシステムを示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、例示的実施形態による、
図1の一回限りの数値を用いた、支払レールを介した電子的支払トランザクションの処理を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、例示的実施形態による、支払レールを介してコード化された一回限りの数値を処理する例示的方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、例示的実施形態による、コンピュータシステムアーキテクチャを示す機能ブロック図である。
【0012】
本開示の更なる応用分野は、下記の詳細な説明から自明である。例示的実施形態の詳細
な説明は、例示目的のみを意図しており、本開示の範囲を必要的に制限することを意図し
ない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
用語解説
支払ネットワーク:所定の期間中の、数千、数百万又は数十億のトランザクションにつ
き、現金代替物の使用による資金移転に使用されるシステム又はネットワーク。支払ネッ
トワークは、様々な異なるプロトコル及び手順を使用して、様々なタイプのトランザクシ
ョンのために資金移転を処理してよい。支払ネットワークを介して実行されるトランザク
ションは、商品又は役務の購入と、クレジット購入と、デビットトランザクションと、資
金移転と、口座引き落としとを含んでよい。支払ネットワークは、現金代替物によってト
ランザクションを実行するよう構成されてよく、これは支払カードと、信用紹介状と、小
切手と、トランザクションアカウントとを含んでよい。支払ネットワークとして実行され
るネットワーク又はシステムの例は、MasterCard(登録商標)、VISA(登録商標)、Disc
over(登録商標)、American Express(登録商標)、PayPal(登録商標)によって操作
されるものを含む。本書での「支払ネットワーク」との用語は、エンティティとしての支
払ネットワークと、物理的支払ネットワーク(例えば、支払ネットワークを含む、機器、
ハードウェア、及びソフトウェア)との両方を指す。
【0014】
トランザクションアカウント:トランザクションへ資金を供給するために使用される金
融アカウント(例えば当座預金口座、普通預金口座、クレジット口座、仮想支払口座等)
トランザクションアカウントは消費者と関連付けられてよく、これは、支払アカウントに
関連付けられた任意の適切なタイプのエンティティ(人、家族、人の集まり、会社、政府
エンティティ等を含んでよい)であってよい。いくつかの実施形態では、トランザクショ
ンアカウントは仮想的(例えばPayPal(登録商標)等によって操作されるアカウント等)
であってよい。
【0015】
支払レール:支払トランザクションの処理と、トランザクションメッセージ及び他の類
似データの通信とにおいて使用される支払ネットワークと関連付けられたインフラストラ
クチャである。当該通信は、支払ネットワークと、所定の期間中に数千、数百万又は数十
億のトランザクションを処理する当該支払ネットワークと相互接続された他のエンティテ
ィとの間の通信である。支払レールは、支払ネットワークと、支払ネットワーク及び他の
関連エンティティ(例えば金融機関、ゲートウェイプロセッサ等)との間の相互接続とを
確立するために使用されるハードウェアを含んでよい。いくつかの実施形態では、支払レ
ールはまた、ソフトウェアによって(例えば支払レールを含む通信ハードウェア及び装置
を特別にプログラミングすることによって、)影響を受けてよい。例えば支払レールは、
トランザクションメッセージをルーティングするために特別に構成される特別構成コンピ
ューティング装置を含んでよい。当該トランザクションメッセージは、下記に詳述するよ
うに、支払レールを介して電子的に送信される特別整形データメッセージであってよい。
【0016】
販売者:他のエンティティ(例えば消費者又は他の販売者)が購入するための商品(商
品及び/又はサービス)を提供するエンティティである。販売者は、当業者にとって自明
なように、消費者、小売業者、卸売業者、又は、購入用のプロダクトを提供する任意の他
の種別のエンティティであってよい。いくつかの実施形態では、販売者は購入用に提供さ
れる商品及び/又は役務につき特別な知識を有してよい。他の実施形態では、販売者は提
供される商品につき特別な知識を有さず又は要求しない。いくつかの実施形態では、単一
のトランザクションに関係するエンティティは、販売者として考慮されてよい。いくつか
の実施形態では、本開示のように、「販売者」との用語は販売者エンティティの機器又は
装置を指してよい。
【0017】
発行者:受益者に有利なように信用状又は信用供与を確立し(開き)、当該信用状又は
信用供与で特定される金額に対して、受益者によって振り出された手形を引き受けるエン
ティティである。多くの実施形態では、発行者は、信用供与を開くよう授権を受けた銀行
又は他の金融機関であってよい。いくつかの実施形態では、受益者へ信用供与を拡張可能
な任意のエンティティは、発行者として考慮されてよい。発行者によって開かれた信用供
与は支払アカウントのフォームにおいて提示されてよいし、支払アカウントを使用するこ
とによって受益者によって振り出されてよい。発行者はまた、追加の種類の支払アカウン
ト(例えばデビットアカウント、プリペイドアカウント、電子ウォレットアカウント、預
貯金、当座預金等)を消費者へ提供してよく、消費者へ、そのようなアカウントへアクセ
ス及び/又は使用するための物理的又は非物理的手段(例えばデビットカード、プリペイ
ドカード、ATMカード、電子ウォレット、小切手等)を提供してよい。このことは、当業
者にとって自明である。発行者はまた、トランザクションメッセージの送受信(これは、
承認要求の受信と承認応答の送信とを含む)において使用するために支払レールに接続さ
れてよい。
【0018】
アクワイアラ:販売者に代わって支払カードトランザクションを処理可能なエンティテ
ィである。アクワイアラは銀行又は、販売者に代わって支払カードトランザクションを処
理するよう授権された他の金融機関であってよい。多くの実施形態では、アクワイアラは
、受取人として活動する販売者につき信用供与を行ってよい。発行者によって提供される
信用供与に対する受取人である消費者が、アクワイアラによって代理される販売者と支払
カードによってトランザクションを行う場合、アクワイアラは発行者と共に資金を交換し
てよい。
【0019】
支払トランザクション:2つのエンティティの間のトランザクションであって、資金又
は他の経済的利益が一方のエンティティから他方に交換されるトランザクションである。
支払トランザクションは、商品又は役務の購入のための、借金の返済のための、又は、経
済的利益の任意の他の交換のための、資金移転であってよい(当業者にとって自明なもの
)。いくつかの実施形態では、支払トランザクションは、支払カード及び/又は支払アカ
ウントで資金供給されるトランザクション(例えばクレジットカードトランザクション)
を示してよい。そのような支払トランザクションは発行者、支払ネットワーク及びアクワ
イアラを介して処理されてよい。そのような支払トランザクションを処理することは、承
認、バッチ処理、清算、決済、及び資金供給の少なくとも1つを含んでよい。承認は、消
費者から販売者への支払詳細の供給と、販売者からアクワイアラへのトランザクション詳
細(これは例えば支払詳細を含む)の提出と、トランザクションに資金供給するために使
用される消費者の支払アカウントの発行者との支払詳細の検証とを含んでよい。バッチ処
理は、アクワイアラへの分配のための、他の承認済みトランザクションと共に、承認済み
トランザクションをバッチに格納することを示してよい。清算は、バッチ処理されたトラ
ンザクションを、アクワイアラから、処理のために支払ネットワークへ送信することを含
んでよい。決済は、発行者の受益者を伴うトランザクションにつき、支払ネットワークに
よって発行者から引き落とすことを含んでよい。いくつかの実施形態では、発行者は、支
払ネットワークを介してアクワイアラに支払ってよい。他の実施形態では、発行者は、直
接アクワイアラに支払ってよい。資金供給は支払トランザクション(これは清算され決済
されたものである)につきアクワイアラから販売者へ支払うことを含んでよい。当業者に
とって、上記のステップの順番及び/又は分類が、支払トランザクション処理の一部とし
て実行されることは自明である。
【0020】
販売時点装置:ユーザ(例えば消費者、従業員等)との相互作用を受信するよう構成さ
れたコンピューティング装置又はコンピューティングシステムであり、商品及び/又は役
務の購入及び/又は支払のために、トランザクションデータ、支払データ及び/又は他の
適切な種別のデータを入力するものである。販売時点装置は、消費者がトランザクション
の一部として訪問する物理的な位置(例えば「ブリック&モルタル」店舗)における物理
的な装置(例えば現金レジ、キオスク、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、タ
ブレットコンピュータ等)であってよいし、電子商取引の環境内での仮想的なもの(例え
ばインターネット等のネットワーク上で消費者から通信を受信するオンライン小売業者等
)であってよい。販売時点装置が仮想的である実施形態では、ユーザによって操作されて
トランザクションを開始するコンピューティング装置、又は、トランザクションの結果と
してデータを受信するコンピューティング装置は、適切なように、販売時点装置として考
慮されてよい。支払レールを介して一回限りの数値を処理するシステム
【0021】
図1は、支払ネットワークに関連付けられた支払レールを用いて、コード化された一回
限りの数値により電子的支払トランザクションを処理するシステム100を示す。
【0022】
システム100はコンピューティングシステム102を含んでよい。コンピューティン
グシステム102は、下記で詳述されるように、一回限りの数値(これは、コンピューテ
ィングシステム102へ表示される機械可読コードにてコード化されて、それによって読
み取られる)を読み取って処理するよう構成されてよい。コンピューティングシステム1
02は特別に構成された販売時点装置であってよく、電子的支払トランザクションにおい
て販売時点装置の従来的機能を実効するよう構成され、また、本開示の追加的機能を実行
するよう構成されて、一回限りの数値と他の類似した一意のデータとを用いて、電子的支
払トランザクションの処理を支援する。システム100にて、コンピューティングシステ
ム102は、コンピューティング装置104によって表示される機械可読コードを読み取
ってよい。コンピューティング装置104は一回限りの数値又は他の一意のデータにコー
ド化された機械可読コードを表示するのに適切な任意の種別のコンピューティング装置(
例えば携帯電話、スマートフォン、スマートウォッチ、ウェアラブルコンピューティング
装置、埋込式コンピューティング装置、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュ
ータ、ノートブックコンピュータ等)であってよい。
【0023】
コンピューティング装置104は電子ウォレットに関連付けられたアプリケーションプ
ログラムを実行するよう構成されてよい。電子ウォレットは一回限りの数値でコード化さ
れた機械可読コードを生成するよう構成されてよい。本開示のように、「一回限りの数値
」は、本開示の機能を実行する際に使用するに適切なデータを含む単一のトランザクショ
ン用の使用される数値又は他の任意のデータを示してよい。例えばアルファベット値と他
の種別のデータとが、一回限りの数値の代替として使用されてよい。機械可読コードは一
回限りの数値のコード化するのに適切な任意の種別のコード(例えばバーコード、クイッ
クレスポンス(QR)コード、数値又はアルファベットと数値との値による記号表示等)で
あってよい。一回限りの数値は識別値を少なくとも含んでよい。ここでは、一回限りの数
値に含まれる任意の他のデータは、「残余値」として参照されてよい。一実施形態では、
一回限りの数値は18桁の数値であってよい。ここでは、最初の2文字は識別値であって
よく、他の16文字は残余値であってよい。
【0024】
システム100において、一回限りの数値は、電子ウォレットに関連付けられたウォレ
ット提供者106によってコンピューティング装置104に供給されてよいし、ウォレッ
ト提供者106によって供給される規則を用いて(例えば電子ウォレットアプリケーショ
ンプログラムを通して)生成されてよい。一回限りの数値がコンピューティング装置10
4によって生成される実施形態では、コンピューティング装置104は一回限りの数値を
、格納のためにウォレット提供者106へ電子的に送信してよい。いくつかの実施形態で
は、ウォレット提供者106はコンピューティング装置104に、残余値のいくつか又は
全てを供給してよい。ここでは、コンピューティング装置104は、格納済みの識別値と
、残余値を含む必要のある任意の他のデータとを、残余値の受信されたいくつか又は全て
に加えて使用して、一回限りの数値を作成してよい。
【0025】
一旦、一回限りの数値が生成され又は識別されると、コンピューティング装置104は
機械可読コードを生成して、それを表示装置に表示する。ここではコンピューティングシ
ステム102は光学撮像装置を使用して、機械可読コードを読み取り、そこにコード化さ
れたデータを復号化してよい。結果として、コンピューティングシステム102は一回限
りの数値を取得してよい。コンピューティングシステム102は新たなデータ値を次いで
生成してよい。代替的に、一回限りの数値はコンピューティング装置104による他の任
意の適切な手段によりコンピューティングシステム102に伝送されてよい。例えば、コ
ンピューティング装置104は一回限りの数値を、近距離無線通信、Bluetooth、磁気安
全送信、無線周波数、携帯通信ネットワーク、インターネット等により、コンピューティ
ングシステム102へ電子的に送信してよい。
【0026】
新たなデータ値は、経路値と同様に、一回限りの数値から残余値を少なくとも含んでよ
い。ここでは経路値は、一回限りの数値から解析された識別値に基づく。いくつかの実施
形態では、コンピューティングシステム102はルックアップテーブルを格納し又はルッ
クアップテーブルへのアクセスを有してよい。ここでは、経路値は識別値を用いて識別さ
れてよい。上記の例では、コンピューティングシステム102は、2桁の識別数値を識別
して、その2桁の識別数値に関連付けられた経路値を識別してよい。経路値は電子的支払
トランザクションの一部として受信された経路値において支払ネットワーク108によっ
て使用するのに適切な数値であってよい。経路値は、銀行識別番号又は発行者識別番号で
あってよい。いくつかの実施形態では、ウォレット提供者106はコンピューティングシ
ステム102に、識別値(これは一回限りの数値に含まれてよい)に関連付けられる経路
値を提供してよい。
【0027】
例示的実施形態では、コンピューティングシステム102によって生成されるデータ値
は、支払ネットワーク108に関連付けられた支払レールを介する送信のために構成され
たトランザクションメッセージに含めることと、そこでの処理とに適切な形式であってよ
い。例えば一実施形態では、データ値は第2トラック(track 2)のデータ値であってよく
、それにしたがって成形されてよい(例えばデータ値が32桁の数値であり、経路値と残
余値と他のデータとが支払ネットワーク108によって使用される成形に基づいて特有の
桁で格納されるとき)。例えば、第2トラックデータは、金融トランザクションメッセー
ジの交換を管理する1以上の規格(例えば国際標準化機構のISO8583規格又はISO20022規
格)にしたがって成形されてよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、コンピューティング装置104は、コンピューティング装置
104において直接的にデータ値を生成し、又は、それをウォレット提供者106から受
信するよう構成されてよい。そのような実施形態では、コンピューティング装置104は
、データ値を生成するよう構成されてよい。これは、第2トラックデータ値であり、支払
トランザクションの処理において使用するのに適切なデータを含む(下記の通り)。コン
ピューティング装置104はデータ値を生成して、機械可読コード、近距離無線通信、Bl
uetooth、磁気安全送信、無線周波数等により、コンピューティングシステム102へ電
子的に送信してよい。コンピューティングシステム102は適宜データ値を受信してよく
、即座に本開示のような処理にて処理してよい。いくつかの実施形態では、コンピューテ
ィングシステム102はまずデータ値を検証してよい(例えば適用可能な規格に基づいた
適切な成形であることを確実にする)。
【0029】
データ値は、支払ネットワーク108に関連付けられた支払レールを介して支払ネット
ワーク108に送信されてよい。例示的実施形態では、データ値はトランザクションメッ
セージに含まれてよい。ここではトランザクションメッセージは1以上の適用可能な規格
にしたがって成形される。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム102
はトランザクションメッセージを生成してよい。これは、コンピューティングシステム1
02によって直接的に支払ネットワーク108に関連付けられた支払レールを介して支払
ネットワーク108へ電子的に送信されてよいし、1以上の中間エンティティ(例えば加
盟店金融機関及び/又はゲートウェイプロセッサ)を介して送信されてよい。他の実施形
態では、コンピューティングシステム102はデータ値と、電子的支払トランザクション
を処理する際に使用するのに必要な他の任意のデータ(例えばトランザクション金額、資
金受領のためのアカウント番号、加盟店金融機関データ等)とを電子的に、中間エンティ
ティ(例えば加盟店金融機関又はゲートウェイプロセッサであり、これはトランザクショ
ンメッセージを生成してそこにデータ値を含める)に送信してよい。トランザクションメ
ッセージはメッセージ種別指示子と複数のデータ要素と少なくとも含んでよい。ここでは
、データ要素の1つは、生成されたデータ値を格納するよう構成され、いくつかの実施形
態では、データ要素は適用可能な規格によって特定されてよい。追加のデータ要素が、支
払トランザクションの追加のトランザクションデータ(例えばトランザクション金額、販
売者識別値、他の販売者データ、アカウント番号、加盟店データ、地理的位置、トランザ
クション時刻及び/又は日付、通貨種別、トランザクション種別等)を格納するために使
用されてよい。メッセージ種類指示子は、その処理において、支払ネットワーク108に
よる使用のために、トランザクションメッセージの種別を示してよい。例えばコンピュー
ティングシステム102によって提出され又はコンピューティングシステム102に代わ
って提出されるトランザクションメッセージは、メッセージ種別指示子を含んでよい。こ
れは、トランザクションメッセージが承認要求であることを示してよい。
【0030】
支払ネットワーク118は、従来の方法及びシステムを用いて、トランザクションメッ
セージを受信してそれを処理してよい。第2トラックデータは、適用可能な規格にしたが
って成形される。よってトランザクションメッセージは、含まれた経路値を用いて、支払
ネットワーク108の標準的な処理技術を用いて経路指定されてよい。いくつかの実施形
態では、支払ネットワーク108は処理システム110を含んでよく、又は、トランザク
ションメッセージを経路指定のために処理システム110へ転送してよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、トランザクションメッセージはウォレット提供者106へ経
路指定されてよい。ウォレット提供者106は次いで支払トランザクションを(例えば一
回限りの数値(これは、トランザクションメッセージに格納されたデータ値に含まれる残
余値によって識別される)に関連付けられたトランザクション金額がトランザクション金
額をまかなうのに十分な残高又は信用を有していることを確実にすることによって、)処
理してよい。他の実施形態では、トランザクションメッセージは金融機関システム112
へ経路指定されてよい。これは、金融機関の一部であってよいし、金融機関に代わって操
作されてよい。その金融機関は、支払トランザクション(例えば一回限りの数値によって
識別される)に資金供給するために使用されるトランザクションアカウントに関連付けら
れてよい。例えば金融機関システム112は、ウォレット提供者106に代わって動作す
る金融機関であってよく、ウォレット提供者106へ発行されたトランザクションアカウ
ントを管理し、又は、ウォレット提供者106を介して使用されるトランザクションアカ
ウントを管理してよい。
【0032】
支払トランザクションの処理は、ウォレット提供者106による決定をもたらしてよい
し、適用可能なら金融機関システム112が支払トランザクションを承認又は拒否するこ
とをもたらしてよい。承認応答は、新たなトランザクションメッセージであってよいし修
正された承認要求であってもよいが、支払ネットワーク108に関連付けられた支払レー
ルを介して支払ネットワーク108へ返信されてよい。ここでは、そこに含まれるデータ
要素の1つが、支払トランザクションの承認又は拒否を示す応答コードを格納するよう構
成される。支払ネットワーク108は承認応答をコンピューティングシステム102へ、
支払ネットワーク108に関連付けられた支払レールを介して直接的に、又は、中間エン
ティティ(例えば加盟店金融機関)へ転送してよい。中間エンティティはコンピューティ
ングシステム102へ承認応答を転送してよいし、支払トランザクションの処理の結果を
示すデータをコンピューティングシステム102へ提供してよい。コンピューティングシ
ステム102は適宜支払トランザクションを、例えばトランザクションが承認されたか拒
否されたかを示すメッセージを表示することによって、終了させてよい。いくつかの実施
形態では、ウォレット提供者106及び/又は金融機関システム112は、トランザクシ
ョンアカウント番号に又は関連トランザクションアカウントに関連付けられた他の識別デ
ータを、一回限りの数値から置換してよいし、承認応答に含めてもよい。そのような場合
、支払ネットワーク108、金融機関システム112又はコンピューティングシステム1
02は、トランザクションアカウントに関して、ウォレット提供者106に代わって追加
のサービス(例えば詐欺監視又はスコアリング)を実行するよう構成されてよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ウォレット提供者106又は金融機関システム112は、コ
ンピューティング装置104のユーザが一回限りの数値に加えて追加の情報を(例えば認
証又は識別の目的で)提供することを要求することができる。そのような実施形態では、
ウォレット提供者106又は金融機関システム112は、支払トランザクションを拒否し
て、承認応答を支払ネットワーク108へ提出してよい。ここでは、応答コードは、追加
の検証が必要であることを示す。いくつかの実施形態では、応答コードは、一連の応答コ
ードの1つであってよい。ここでは、コードは、要求される追加の検証の種別を示してよ
い。いくつかの実施形態では、応答コードは、適用可能な規格に応じた、再利用された応
答コードであってよい。コンピューティングシステム102は応答コードを受信してよく
、対応する追加の検証が実行されることを要求するメッセージを表示してよい。例えば個
人識別番号(PIN)が、コンピューティング装置104のユーザから要求されてよい。こ
こでは、ユーザはPINを入力して、トランザクションが再び処理され、PINは支払ネットワ
ーク108に関連付けられた支払レールを介して支払ネットワーク108へ提出される新
たなトランザクションメッセージ内の対応するデータ要素に含まれる。
【0034】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム102はデータ値により、追加
のデータをウォレット提供者106又は金融機関システム112に提供するよう構成され
てよい。例えばコンピューティングシステム102は支払トランザクションに関連付けら
れた追加の情報を含んでよい。これは、ウォレット提供者106又は金融機関システム1
12によって、例えば追加の検証を要求するか否かの判定を行う際に、使用されてよい。
例えばコンピューティングシステム102は、データ値にて又はデータ値を格納するよう
構成されたデータ要素にて、地理的位置情報を提供してよい。これは、(例えば、識別さ
れるコンピューティング装置104の地理的位置に基づいて)追加の検証が要求されるべ
きか否かを判定する際にウォレット提供者106によって使用されてよい。いくつかの実
施形態では、そのように供給された情報は、情報を受信するウォレット提供者106及び
/又は金融機関システム112に特有であってよい。
【0035】
本開示の方法及びシステムは、コンピューティングシステム102によって処理される
一回限りの数値を使用することによって電子的支払トランザクション(これは、適用可能
な規格にしたがって整形される支払ネットワーク108に関連付けられた支払レールを介
して経路指定される)を処理する方法を提供し、従来の経路指定と処理とが、電子的なウ
ォレット提供者106によって又はウォレット提供者106に代わって生成される一回限
りの数値について実行されることを可能にする。結果としては、ウォレット提供者106
は自身の種別の一回限りの数値を用いてよい。これは、機械可読コードによりコンピュー
ティングシステム102に伝送されてよいが、支払ネットワーク108という特別構成さ
れ安全なインフラストラクチャを依然として利用する。もしシステムが、本開示のように
支払トランザクションにて使用されるデータ値を生成するよう特別構成されていれば、既
存の処理インフラストラクチャを使用することは、一回限りの数値が、従来のハードウェ
アを用いて広い範囲の販売者にて使用されることを可能にする。したがって一回限りの数
値は、既存の支払システムに対する最小限の修正で、電子的支払トランザクションのため
に使用される。
【0036】
コンピューティングシステム
図2は、システム100のコンピューティングシステム102の実施形態を示す。当業
者にとって、
図2に示すコンピューティングシステム102の実施形態が、例示目的のみ
で提供されることと、本開示の機能を実行するのに適した、コンピューティングシステム
102の全ての可能な構成を徹底的に示したものでないことは自明である。例えば
図5に
示され下記で一層詳細に説明されるコンピュータシステム500が、コンピューティング
システム102の適切な構成であってよい。
【0037】
コンピューティングシステム102は受信装置202を含んでよい。受信装置202は
1以上のネットワークプロトコルを介して1以上のネットワーク上でデータを受信するよ
う構成されてよい。いくつかの実施形態では受信装置202は、データを、コンピューテ
ィング装置104、ウォレット提供者106、支払ネットワーク108、及び他のシステ
ムから、1以上の通信手段(例えば無線周波数、ローカルエリアネットワーク、無線エリ
アネットワーク、携帯通信ネットワーク、Bluetooth、インターネット等)を介して、受
信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、受信装置202は複数の装置(例
えば、異なるネットワーク上でデータを受信する異なる受信装置(例えばローカルエリア
ネットワークでデータを受信する第1の受信装置と、インターネット上でデータを受信す
る第2の受信装置))を含んでよい。受信装置202は送信される電子的なデータ信号を
受信してよい。このとき、受信装置202によるデータ信号の受信によって、データはデ
ータ信号上に重ねられ、復号、解析(パース)、読取り、又は取得されてよい。いくつか
の実施形態では、受信装置202は、受信されたデータ信号を解析して、そこに重ねられ
たデータを取得するための解析モジュールを含んでよい。例えば受信装置202は、受信
されたデータ信号を受信し、処理装置によって実行される機能のための利用可能な入力へ
と変換して本開示の方法及びシステムを実行するよう構成される解析プログラムを含んで
よい。
【0038】
受信装置202は、ウォレット提供者106によって電子的に送信されたデータ信号を
受信するよう構成されてよい。これは、経路値又は経路値を識別する際に使用されるデー
タ(例えば金融機関識別データ)と一回限りの数値に含まれる識別値への関連付けと、に
重畳され又はコード化されたものである。受信装置202はまた、支払ネットワーク10
8によって電子的に送信されたデータ信号を受信するよう構成されてよい。これは、それ
に関連付けられた支払レールを介して送信されてよいし、トランザクションメッセージに
重畳され又はコード化されてよい。
【0039】
コンピューティングシステム102はまた、通信モジュール204を含んでよい。通信
モジュール204は、本開示の機能を実行する際に使用するために、モジュール、エンジ
ン、データベース、メモリ、及びコンピューティングシステム102の他の構成要素の間
でデータを転送するよう構成されてよい。通信モジュール204は1以上の通信種別を含
んでよく、コンピューティング装置内での通信のために様々な通信方法を使用してよい。
例えば通信モジュール204はバス、接続ピンコネクタ、ケーブル等を含んでよい。いく
つかの実施形態では、通信モジュール204はまた、コンピューティングシステム102
の内部構成要素とコンピューティングシステム102の外部構成要素(例えば外部で接続
されたデータベース、表示装置、入力装置等)との間で通信するよう構成されてよい。コ
ンピューティングシステム102はまた、処理装置を含んでよい。処理装置は本開示のコ
ンピューティングシステム102の機能を実行するよう構成されてよい。このことは、当
業者にとって自明である。いくつかの実施形態では、処理装置は、処理装置の1以上の機
能を実行するよう特別に構成された複数のエンジン及び/又はモジュール(例えば問い合
わせモジュール218、生成モジュール220、トランザクション処理モジュール222
等)を含んでよい。本開示のように、「モジュール」との用語は、入力を受信し、当該入
力を使用して1以上の処理を実行し、且つ出力を提供するよう特別にプログラムされたソ
フトウェア又はハードウェアであってよい。様々なモジュールによって実行される入力、
出力及び処理は、本開示に基づいて、当業者にとって自明である。
【0040】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム102は光学撮像装置206を
含んでよい。光学撮像装置206コンピューティングシステム102とインタフェース接
続されてよく、光学的に物理媒体を撮像するよう構成されてよく、それに関連付けられた
データを使用のためにコンピューティングシステム102へ提供してよい。光学撮像装置
206は、コンピューティング装置104によって表示等される機械可読コードを読み取
るよう構成されてよく、そこにコード化されたデータを読み取ってよい。光学撮像装置2
06は、バーコード、QRコード、又は他の適切な種別の機械可読コードを読み取って復号
化するよう構成されてよい。システム100にて、光学撮像装置206は、コンピューテ
ィング装置104によって表示等される機械可読コードから一回限りの数値を復号化する
よう構成されてよい。これは、識別値と残余値とを少なくとも含んでよい。光学撮像装置
206はまた、例えば、電子的支払トランザクションにおいてコンピューティング装置1
04のユーザによる購入のためにスキャンされた、製品に表示されたバーコードを読み取
るよう構成されてよい。
【0041】
コンピューティングシステム102はまた、1以上の入力装置206を含んでよいし、
1以上の入力装置206とインタフェース接続されてよい。入力装置206はコンピュー
ティングシステム102の内部でよいし、コンピューティングシステム102の外部にあ
ってそこへ1以上の接続(例えば有線又は無線)を介して、そことのデータ送受信のため
に接続されてよい。入力装置206はコンピューティングシステム102のユーザ(例え
ばコンピューティングシステム102がインストールされる販売者の従業員)からの入力
を受信するよう構成されてよい。これは、処理のために、コンピューティングシステム1
02の他のモジュール又はエンジンへ(例えば通信モジュール204を介して)提供され
てよい。入力装置206は本開示の機能を実行するための入力を受信するのに適切な任意
の種別の入力装置(例えばキーボード、マウス、クリックホイール、スクロールホイール
、マイク、タッチスクリーン、トラックパッド、カメラ、光学撮像装置等)を含んでよい
。入力装置206は例えば、コンピューティング装置104のユーザによる追加の検証デ
ータ(例えばPIN、生体データ等)の入力を受信するよう構成されてよいし、コンピュー
ティングシステム102のユーザによる入力(例えば電子的支払トランザクションにて使
用される追加のトランザクションデータの入力)を受信するよう構成されてよい。
【0042】
コンピューティングシステム102は、メモリ208を含んでよい。メモリ208は、
本開示の機能を実行するときにコンピューティングシステム102が使用するためのデー
タ(例えば公開鍵、秘密鍵、対称鍵等)を格納するよう構成されてよい。メモリ208は
、データ整形方法及びスキーマを用いてデータを格納するよう構成されてよく、また、任
意の適切な種類のメモリ(例えば読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ等)であ
ってよい。メモリ208は例えば暗号鍵及びアルゴリズム、通信プロトコル及び基準、デ
ータ整形基準及びプロトコル、モジュール用プログラムコード及び処理装置のアプリケー
ションプログラム、並びに、本開示の機能を実行する際にコンピューティングシステム1
02によって使用される適切な他のデータを含んでよい。このことは、本開示を読む当業
者にとって自明である。いくつかの実施形態では、メモリ208は、構造照会言語を使用
するリレーショナルデータベースを含んでよく、記憶された構造化データセットを記憶、
識別、修正、更新、アクセス等してよい。
【0043】
メモリ208はルックアップテーブルを格納するよう構成されてよいし、識別値と経路
値との間の関連付けを格納する際に使用するための他の形式の格納データを格納するよう
構成されてよい。メモリ208はまた、一回限りの数値に基づいてデータ値を生成する際
に使用するための成形規則を格納するよう構成されてよい。メモリ208はまた、電子的
支払トランザクションについての追加のトランザクションデータ(これは例えば、一回限
りの数値により資金供給される電子的支払トランザクションにて使用されてよいし、例え
ば、トランザクション金額、販売者データ、製品データ、加盟店金融機関データ、アカウ
ントデータ、地理的位置データ、報酬データ、ロイヤルティデータ、オファーデータ等を
含んでよい)を格納するよう構成されてよい。
【0044】
コンピューティングシステム102はまた、問い合わせモジュール218を含んでよい
。問い合わせモジュール218はデータベース上のクエリを実行して情報を識別するよう
構成されてよい。問い合わせモジュール218は1以上のデータ値又はクエリ列を受信し
てよく、それに基づいて、示されたデータベース(例えばメモリ208)上でクエリ列を
実行して、そこに格納された情報を識別してよい。問い合わせモジュール218は次いで
、識別された情報を、必要に応じてコンピューティングシステム102の適切なエンジン
又はモジュールへ出力してよい。問い合わせモジュール218は例えば、メモリ208上
でクエリを実行して、光学撮像装置206によって読み取られた一回限りの数値から分析
される識別値に関連付けられた経路値を識別してよい。コンピューティングシステム10
2はまた、生成モジュール220を含んでよい。生成モジュール220は、本開示の機能
を実行するときにコンピューティングシステム102によって使用するためのデータを生
成するよう構成されてよい。生成モジュール220は入力値として命令を受信してよいし
、命令に基づいてデータを生成してよいし、コンピューティングシステム102の1以上
のモジュールへ、生成済みデータを出力してよい。例えば生成モジュール220は通知又
は他のデータメッセージを、支払ネットワーク108、加盟店金融機関又は他の中間エン
ティティに送信するために生成してよい。生成モジュール220は一回限りの数値に基づ
いてトランザクションメッセージに含めるためのデータ値を生成するよう構成されてよい
。ここで、データ値は、経路値と、一回限りの数値に含まれた残余値とを少なくとも含む
。一実施形態では、データ値は第2トラックデータであってよいし、少なくとも、経路値
と残余値とチェックディジットと役務コードと有効期限とを含んでよい。
【0045】
コンピューティングシステム102はまた、トランザクション処理モジュール222を
含んでよい。トランザクション処理モジュール222は本開示のコンピューティングシス
テム102の一部として、トランザクション処理に関連付けられた機能を実行するよう構
成されてよい。例えばトランザクション処理モジュール222はトランザクションメッセ
ージを生成及び成形し、トランザクション金額を算出し、承認又は拒否された支払トラン
ザクションに関連付けられた機能を実行し、認証及び確認データと他の関連付けられた機
能とを受信及び提出するよう構成されてよい。
【0046】
コンピューティングシステム102はまた、送信装置224を含んでよい。送信装置2
24は1以上のネットワークプロトコルを介して1以上のネットワーク上でデータを送信
するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では送信装置224は、データを、1以上
の通信手段、ローカルエリアネットワーク、無線エリアネットワーク、携帯通信ネットワ
ーク、Bluetooth、無線周波数、インターネット等を介して、支払ネットワーク108及
び他のエンティティへ送信するよう構成されてよい。いくつかの実施形態では、送信装置
224は複数装置(例えば、異なるネットワーク上でデータを送信するための異なる送信
装置(例えばローカルエリアネットワーク上でデータを送信する第1の送信装置と、イン
ターネット上でデータを送信する第2の送信装置))を含んでよい。送信装置224は、
重畳されたデータであって受信コンピューティング装置によって解析されるデータを有す
るデータ信号を電子的に送信してよい。いくつかの実施形態では、送信装置224は、デ
ータを重畳しエンコードし、又はデータを送信に適したデータ信号へ整形する1以上のモ
ジュールを含んでよい。
【0047】
送信装置224はまた、支払ネットワーク108に関連付けられた支払レールを介して
支払ネットワーク108へデータ信号を電子的に送信するよう構成されてよい。これは、
残余値と経路値とを少なくとも含む生成済みデータ値を格納するよう構成されたデータ要
素を含むトランザクションメッセージに重畳され又はコード化される。いくつかの実施形
態では、送信装置224は中間エンティティ(例えば加盟店機関、又はゲートウェイプロ
セッサ)へデータ信号を電子的に送信するよう構成されてよい。これは、トランザクショ
ンメッセージに含めることと、支払ネットワーク108に関連付けられた支払レールを介
して支払ネットワーク108へ転送することのために、生成済みデータ値及び他の任意の
トランザクションデータに重畳され又はコード化される。
【0048】
一回限りの数値を用いた支払トランザクションの処理
図3は、支払ネットワークに関連付けられた支払レールを用いて送信された一回限りの
数値により資金供給される電子的支払トランザクションの処理のための、
図1にシステム
100において実行される例示的処理を示す。
【0049】
ステップ302にて、支払ネットワーク108、ウォレット提供者106又は他のエン
ティティは、経路データをコンピューティングシステム102へ送信してよい。経路デー
タは複数の異なるデータ対を少なくとも含んでよい。各データ対は、経路値(例えば銀行
識別番号又は発行者識別番号)と、関連付けられた識別値(例えば一意の2桁の数値)と
を含む。ステップ304にて、コンピューティングシステム102の受信装置202は経
路データを受信してよい。ステップ306にてコンピューティングシステム102の問い
合わせモジュール218は、コンピューティングシステム102のメモリ208上でクエ
リを実行して、経路データをそこに格納してよい。
【0050】
ステップ308にて、コンピューティング装置104は、ウォレット提供者106によ
って電子的に送信された一回限りの数値を受信してよい。一回限りの数値は18桁の数値
であってよい。そのうち2桁は識別値を含む。残りの16桁は処理においてウォレット提
供者106が使用するための、電子的支払トランザクションに対して一意の追加データで
ある。例えば残余値は特定のトランザクションアカウントを識別する際に使用されるデー
タを含んでよい。ステップ310にてコンピューティング装置104は、コード化された
一回限りの数値を含むQRコードを生成してよい。ステップ312にてコンピューティング
装置104は、そこにインタフェース接続された表示装置に、コード化された一回限りの
数値を有するQRコードを表示してよい。
【0051】
ステップ314にて、コンピューティングシステム102の光学撮像装置206は、コ
ンピューティング装置104によって表示等される機械可読コードを読み取り、そこにコ
ード化された一回限りの数値を復号化してよい。ステップ316にてコンピューティング
システム102の問い合わせモジュール218は、コンピューティングシステム102の
メモリ208上でクエリを実行して、復号化された一回限りの数値に含まれる識別値に関
連付けられた経路値を識別してよい。ステップ318にて、コンピューティングシステム
102の生成モジュール220は、第2トラックのデータを生成してよい。このとき、第
2トラックのデータは、1以上の規格(例えばISO8583規格及び/又はISO20022規格)に
したがって成形され、少なくとも経路値と残余値とを含む。いくつかの実施形態では、第
2トラックのデータはまた、チェックディジットと役務コードと有効期限(これは例えば
QRコードにてコード化され、又は、コンピューティング装置104もしくはそのユーザに
よって別途、例えばコンピューティングシステム102の入力装置210を介して、又は
、コンピューティング装置104から電子的に送信されることによって(受信装置202
によって受信される)、供給されてよい。)とを含んでよい。
【0052】
ステップ320にてコンピューティングシステム102の送信装置224は、生成済み
の第2トラックのデータと任意の他のトランザクションデータとを、支払ネットワーク1
08に関連付けられた支払レールを介して支払ネットワーク108へ、電子的に送信して
よい。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム102は、(例えば生成モ
ジュール220を介して)、支払ネットワーク108への直接送信のために、トランザク
ションメッセージを生成してよい。他の実施形態では、トランザクションデータ(これは
第2トラックのデータを含む)は、他のエンティティ(例えば加盟店金融機関)へ送信さ
れてよい。これは、トランザクションメッセージを生成し、それを支払ネットワーク10
8に関連付けられた支払レールを介して支払ネットワーク108へ、コンピューティング
システム102に代わって、提出する。ステップ322にて、支払ネットワーク108は
トランザクションメッセージを受信してよい。
【0053】
ステップ324にて、支払ネットワーク108は、従来の方法及びシステムを用いて、
支払トランザクションを処理してよい。これは、トランザクションメッセージをウォレッ
ト提供者106又は他の承認されたエンティティ(例えば金融機関システム112)へ、
経路値と承認又は拒否とに基づいて、経路指定することを含む。処理の一部として、支払
ネットワーク108はウォレット提供者106又は承認されたエンティティから、承認応
答を受信してよい。これは、支払トランザクションの承認又は拒否を示す応答コードを含
む。ステップ326にて支払ネットワーク108は承認応答をコンピューティングシステ
ム102(又は例えばコンピューティングシステム102への送信のために中間エンティ
ティ)へ、それに関連付けられた支払レールを介して、転送してよい。ステップ328に
て、コンピューティングシステム102の受信装置202は承認応答を受信してよい。コ
ンピューティングシステム102は次いで、含まれた応答コードに基づいて適宜、支払ト
ランザクションを終了させてよい。
【0054】
支払レールを介した、コード化された一回限りの数値を処理する例示的方法
図4は電子的支払トランザクションで使用するために、支払ネットワークに関連付けら
れた支払レールを介してデータ値を送信する前に、機械可読コードにコード化された一回
限りの数値を処理する方法400を示す。
【0055】
ステップ402にて、一回限りの数値は、コンピューティングシステム(例えばコンピ
ューティングシステム102)の受信装置(例えば受信装置202)によって受信されて
よい。ここで、一回限りの数値は少なくとも1つ識別値と残余値とを含む。ステップ40
4にてクエリは、コンピューティングシステムのメモリ(例えばメモリ208)上で、コ
ンピューティングシステムの問い合わせモジュール(例えば問い合わせモジュール218
)によって実行されてよく、一回限りの数値の一部に少なくとも基づいて、経路値を識別
する。
【0056】
ステップ406にてデータ値はコンピューティングシステムの生成モジュール(例えば
生成モジュール220)によって生成されてよい。ここでデータ値は識別された経路値と
残余値とを少なくとも含む。ステップ408にて、生成されたデータ値は、コンピューテ
ィングシステムの送信装置(例えば送信装置224)によって支払ネットワーク(例えば
支払ネットワーク108)に関連付けられた支払レールを介して、外部システムへ電子的
に送信されてよい。
【0057】
一実施形態では、方法400はコンピューティングシステムの生成モジュールによって
トランザクションメッセージを生成することを含んでよく、トランザクションメッセージ
は、1以上の規格にしたがって整形され、生成されたデータ値を格納するよう構成された
少なくとも1つのデータ要素を含む複数のデータ要素を含み、生成されたデータ要素を外
部システムに送信することは、生成されたトランザクションメッセージを外部システムへ
送信することを含む。いくつかの実施形態では、データ値は第2トラックデータ値であっ
てよい。他の実施形態では、データ値は第1トラック(track 1)データ値であってよく、
これは有効期限と役務コードとチェックディジットとを含む。
【0058】
一実施形態では、一回限りの数値は18桁の数値であってよい。更なる実施形態では、
識別値は18桁の数値のうち2桁を含んでよい。残余値は18桁の数値のうち16桁を含
んでよい。いくつかの実施形態では、一回限りの数値を受信することは、受信装置が光学
撮像装置(例えば光学撮像装置206)であるとき、一回限りの数値でコード化された機
械可読コードを読み取って、コード化された一回限りの数値を受信することを含んでよい
。一実施形態では、機械可読コードはバーコードとクイックレスポンスコードとの1つで
あってよい。
【0059】
コンピュータシステムアーキテクチャ
図5は、コンピュータシステム500を示す。そこには、本開示の実施形態又はその一
部が、コンピュータ読取り可能なコードとして実装されてよい。例えば
図1のコンピュー
ティングシステム102は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、格納された
命令を有する非一時的なコンピュータ可読媒体、又はこれらの組合せを用いてシステム5
00内に実装されてよく、1以上のコンピュータシステム又は他の処理システムにおいて
実装されてよい。ハードウェア、ソフトウェア及びこれらの任意の組合せは、
図3及び4
の方法を実装するために使用されるモジュール及びコンポーネントを実現してよい。
【0060】
プログラマブルロジックが使用される場合、そのようなロジックは、実行可能なソフト
ウェアコードで構成された商業的に利用可能な処理プラットフォーム上で実行され、特定
用途装置又は特別目的装置となってよい(例えばプログラマブルロジックアレイ、特定用
途向け集積回路等)。当業者は、開示された事項についての実施形態が、様々なコンピュ
ータシステム構成で実行可能であることを理解する。当該システム構成は、マルチコアの
マルチプロセッサシステムと、ミニコンピュータと、メインフレームコンピュータと、分
散された機能でリンクされ又はクラスタ化されたコンピュータと、任意の装置へ仮想的に
実装可能な汎用(pervasive)又はミニチュアのコンピュータとを含む。例えば少なくと
も1つのプロセッサ装置及びメモリが、上記実施形態を実装するために使用されてよい。
【0061】
本開示のプロセッサユニット又は装置は、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、又は
これらの組合せであってよい。プロセッサ装置は、1以上のプロセッサ「コア」を有して
よい。本開示の「コンピュータプログラム媒体」、「非一時的なコンピュータ読取り可能
な媒体」及び「コンピュータ使用可能な媒体」との用語は、概して、有形の媒体(例えば
取外し可能なストレージユニット518、取外し可能なストレージユニット522及びハ
ードディスクドライブ512にインストールされたハードディスク等)を指すために使用
される。
【0062】
本開示の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム500に関して記述さ
れる。本開示を読んだ後、当業者にとって、他のコンピュータシステム及び/又はコンピ
ュータアーキテクチャを用いて本開示をどのように実装するかは自明である。動作はシー
ケンシャルな処理として開示されるが、いくつかの動作は実際には、並行して、同時に及
び/又は分散環境で、実行されてよい。このとき、プログラムコードは、単一プロセッサ
の又はマルチプロセッサのマシンによってアクセスするために、ローカルに又はリモート
に格納された状態である。更に、いくつかの実施形態では、動作の順番は、開示される事
項の趣旨を逸脱することなく再配置可能である。
【0063】
プロセッサ装置504は、本開示の機能を実行するよう特別に構成された特定用途又は
汎用プロセッサ装置であってよい。プロセッサ装置504は、通信インフラストラクチャ
506(例えばバス、メッセージキュー、ネットワーク、マルチコアメッセージパススキ
ーム等)へ接続されてよい。ネットワークは、本開示の機能を実行するのに適した任意の
ネットワークであってよく、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネッ
トワーク(WAN)、無線ネットワーク(例えばWifi)、モバイル通信ネットワーク
、衛星ネットワーク、インターネット、光ファイバ、同軸ケーブル、赤外線、無線周波数
(RF)又はこれらの任意の組合せを含んでよい。他の適切なネットワークタイプ及び構
成は、当業者にとって自明である。コンピュータシステム500はまた、主記憶装置50
8(例えばランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ等)を含んでよく、また、補助
記憶装置510を含んでよい。補助記憶装置510は、ハードディスクドライブ512と
取外し可能なストレージドライブ514(例えばフロッピーディスクドライブ、磁気テー
プドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリ等)とを含んでよい。
【0064】
取外し可能なストレージドライブ514は、周知の方法で、取外し可能なストレージユ
ニット518から読み取りを行ってもよいし、そこへ書き込みを行ってもよい。取外し可
能なストレージユニット518は、取外し可能なストレージドライブ514によって読み
取られ又は書き込まれることができる、取外し可能なストレージ媒体を含んでよい。例え
ばもし取外し可能なストレージドライブ514がフロッピーディスクドライブ又はユニバ
ーサルシリアルバスポートであれば、取外し可能なストレージユニット518はそれぞれ
、フロッピーディスク又はポータブルフラッシュドライブであってよい。一実施形態では
、取外し可能なストレージユニット518は非一時的な読取り可能記録媒体であってよい
。
【0065】
いくつかの実施形態では、補助記憶装置510は代替手段を含み、コンピュータプログ
ラム又は他の命令がコンピュータシステム500(例えば取外し可能なストレージユニッ
ト522及びインタフェース520)にロードされることを可能にしてよい。そのような
手段の例は、(例えばビデオゲームシステムで見られる)プログラムカートリッジ及びカ
ートリッジインタフェース、取外し可能なメモリチップ(例えばEEPROM、PROM
等)、関連ソケット、他の取外し可能なストレージユニット522及びインタフェース5
20を含んでよい。このことは当業者にとって自明である。
【0066】
コンピュータシステム500に(例えば主記憶装置508に及び/又は補助記憶装置5
10に)格納されたデータは、任意のタイプの適切なコンピュータ読取り可能な媒体(例
えば光ストレージ(コンパクトディスク、デジタル多目的ディスク、Blu-rayディスク等
)又は磁気テープストレージ(例えばハードディスクドライブ))上に格納されてよい。
データは任意のタイプの適切なデータベース構成(例えばリレーショナルデータベース、
構造化照会言語(SQL)データベース、分散データベース、オブジェクトデータベース
等)で構成されてよい。適切な構成及びストレージタイプは、当業者にとって自明である
。
【0067】
コンピュータシステム500はまた、通信インタフェース524を含んでよい。通信イ
ンタフェース524は、ソフトウェア及びデータが、コンピュータシステム500と外部
装置との間で送信されることを可能にしてよい。例示的な通信インタフェース524は、
モデム、ネットワークインタフェース(例えばイーサネットカード)、通信ポート、PC
MCIAスロット及びカード等を含んでよい。通信インタフェース524を介して転送さ
れるソフトウェア及びデータは信号形式であってよい。当該信号形式は、電子の、電磁気
の、光の、又は当業者にとって自明な他の信号のものであってよい。信号は、通信パス5
26を介して伝わる。当該通信パス526は信号を伝送するよう構成され、電線、ケーブ
ル、光ファイバ、電話線、携帯電話リンク、無線周波数リンク等を用いて実装されてよい
。
【0068】
コンピュータシステム500は表示インタフェース502を更に含んでよい。表示イン
タフェース502は、データが、コンピュータシステム500と外部ディスプレイ530
との間で転送されることを可能にするよう構成されてよい。例示的な表示インタフェース
502は、高精細度マルチメディアインタフェース(HDMI)、デジタルビジュアルイ
ンタフェース(DVI)、ビデオグラフィックスアレイ(VGA)等を含んでよい。ディ
スプレイ530は任意の適切なタイプのディスプレイであってよく、コンピュータシステ
ム500の表示インタフェース502を介して転送されるデータを表示する。ディスプレ
イ630は、ブラウン管(CRT)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダ
イオード(LED)ディスプレイ、静電容量方式タッチディスプレイ、薄膜トランジスタ
(TFT)ディスプレイ等を含む。
【0069】
コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能な媒体は、メモリ(例えば主記
憶装置508及び補助記憶装置510)を指してよく、半導体メモリ(DRAM等)であ
ってよい。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム500へソフ
トウェアを提供するための手段であってよい。コンピュータプログラム(例えばコンピュ
ータ制御ロジック)は、主記憶装置508及び/又は補助記憶装置510に格納されてよ
い。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェース524を介して受信されてよい
。そのようなコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム500が
本開示の方法を実行することを可能にしてよい。特に、コンピュータプログラムは、実行
されると、プロセッサ装置504が
図3及び4に示される本開示の方法を実行することを
可能にしてよい。したがって、そのようなコンピュータプログラムはコンピュータシステ
ム500のコントローラを示す。本開示はソフトウェアを使用して実装される。当該ソフ
トウェアは、取外し可能なストレージドライブ514、インタフェース520、及びハー
ドディスクドライブ512又は通信インタフェース524を用いて、コンピュータプログ
ラム製品に格納されてコンピュータシステム500へロードされてよい。
【0070】
プロセッサ装置504は、コンピュータシステム500の機能を実行するよう構成され
る1以上のモジュール又はエンジンを含んでよい。各モジュール又はエンジンは、ハード
ウェアを用いて実装されてよく、いくつかの実施形態ではソフトウェア(例えばこれは、
主記憶装置508又は補助記憶装置510に格納されるプログラムコード又はプログラム
に対応する)を用いてよい。そのような実施形態では、プログラムコードは、コンピュー
タシステム500のハードウェアによる実行前に、プロセッサ装置504によって(例え
ばモジュール又はエンジンをコンパイルすることによって)コンパイルされてよい。例え
ばプログラムコードは、低レベルの言語へと解釈されるプログラミング言語で記述された
ソースコード(例えばアセンブリ言語又は機械コード)であってよい。これは、プロセッ
サ装置504及び/又はコンピュータシステム500の任意の追加のハードウェア構成要
素によって実行するためのものである。コンパイル処理は、語彙解析と、前処理と、解析
と、意味解析と、文法指向の翻訳と、コード生成と、コード最適化と、コンピュータシス
テム500の制御のためにプログラムコードを低レベルの言語へ解釈して本開示の機能を
実行するのに適した任意の他の技術との使用を含んでよい。そのような処理によってコン
ピュータシステム500が、上記の機能を実行するために一意にプログラムされた特別構
成コンピュータシステム500になることは当業者にとって自明である。
【0071】
本開示に一貫する技術は、とりわけ、支払レールを介して、コード化された一回限りの
数値を処理するシステム及び方法を提供する。本開示のシステム及び方法の様々な例示的
実施形態が上述されるが、それらは限定目的でなく例示目的のみで示されることを理解さ
れたい。それは徹底したものでなく、本開示を、開示された形態そのものへ限定しない。
上記の教示に照らして修正例及び変形例が可能である。広がり又は範囲を逸脱すること無
く、本開示の実装から修正例及び変形例が得られてよい。