IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨンの特許一覧

<>
  • 特許-生物学的液体を処理するための設備 図1
  • 特許-生物学的液体を処理するための設備 図2
  • 特許-生物学的液体を処理するための設備 図3
  • 特許-生物学的液体を処理するための設備 図4
  • 特許-生物学的液体を処理するための設備 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】生物学的液体を処理するための設備
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/12 20060101AFI20230222BHJP
   C12N 7/04 20060101ALI20230222BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20230222BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20230222BHJP
   C07K 1/16 20060101ALN20230222BHJP
【FI】
C12M1/12
C12N7/04
A61K9/08
A61L2/18
C07K1/16
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021504341
(86)(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019032376
(87)【国際公開番号】W WO2020023104
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】18306016.9
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョルダンヌ,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】シルー,セバスチャン
【審査官】中村 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-509521(JP,A)
【文献】特表2015-522019(JP,A)
【文献】特開2016-077190(JP,A)
【文献】特表2013-534822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00- 3/10
A61K 9/08
A61L 2/18
C07K 1/16
C12N 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの生物学的液体供給源(5)に接続されるように構成され、処理する生物学的液体を供給するための主供給弁(4)と、
前記供給弁によって処置する生物学的液体を供給されるように構成された第1の主処理槽(7)が設けられた、前記供給弁の下流の第1の処理ライン(2)と、
前記供給弁によって処置する生物学的液体を供給されるように構成された第2の主処理槽(14)が設けられた、前記供給弁の下流の第2の処理ライン(3)であって、前記第1の処理ラインと並行である第2の処理ラインと、
前記第1の処理ラインと前記第2の処理ラインとの両方の出口に配置された第3の主処理槽(11)であって、前記第1の主処理槽及び前記第2の主処理槽によって連続的に供給されるように構成される、第3の主処理槽(11)と、
を備える処理設備(1)であって
前記設備が、前記第1、第2及び第3の主処理槽のそれぞれにおいて、前記生物学的液体のpHを調整するように、少なくとも所定量の酸及び所定量の塩基が導入されるように構成され、前記設備が、また、前記設備からの出口において、処理された生物学的液体の連続的な流量を提供するように、前記第3の主処理槽の排出流量を調節するように構成されており、
前記第1の処理ライン(2)には、前記第1及び第3の主処理槽(7、11)の間に配置された第1の中間処理槽(9)が設けられており、
前記第2の処理ライン(3)には、前記第2の主処理槽(14)と前記第3の主処理槽(11)との間に配置された第2の中間処理槽(16)が設けられている、
ウイルス不活化によって生物学的液体を処理するための処理設備(1)、
を使用して、ウイルス不活化によって生物学的液体を処理するためのプロセスであって、
前記設備の主供給弁(4)を介して、前記設備の第1の処理ライン(2)の第1の主処理槽(7)を処理するように、生物学的液体を少なくとも部分的に充填する工程Aと、
前記第1の主処理槽7に、所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、前記生物学的液体のpHを調整する工程Bと、
第1の主処理槽(7)から第1の中間処理槽(9)に生物学的液体を移送する工程Cと、
前記第1の処理ライン(2)で前記生物学的液体を所定時間インキュベートする工程Dと、所定量の酸及び所定量の塩基を前記第1の処理ライン(2)に導入することによって、目標pHに近づくように前記生物学的液体のpHを調整する工程Eと、
前記第1の処理ライン(2)からの出口に配置された前記設備の第3の主処理槽(11)に、前記処理された生物学的液体を移送する工程Fと、前記第3の主処理槽(11)に所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、目標pHに処理された生物学的液体を得るように予備精製を行う工程Gと、
前記主供給弁(4)を介して前記設備における前記第1の処理ライン(2)と並行である第2の処理ライン(3)の第2の主処理槽(14)を処理するための生物学的液体を、少なくとも部分的に充填する工程A’と、
前記第2の主処理槽(14)に、所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、前記生物学的液体のpHを調整する工程B’と、
第2の主処理槽(14)から第2の中間処理槽(16)に生物学的液体を移送する工程C’と、
前記第2の処理ライン(3)で前記生物学的液体を所定時間インキュベートする工程D’と、所定量の酸及び所定量の塩基を前記第2の処理ライン(3)に導入することによって、目標pHに近づくように前記生物学的液体のpHを調整する工程E’と、
前記第2の処理ライン(3)からの出口にも配置された前記第3の主処理槽(11)に、前記処理された生物学的液体を移送する工程F’と、前記第3の主処理槽(11)に所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、目標pHに処理された生物学的液体を得るように予備精製を行う工程G’と、
前記第2の処理ライン(3)で実施される予備精製及び/又は移送及び/又はインキュベート及び/又はpHの調整の工程と同時に、前記設備(1)からの出口で処理された生物学的液体の連続的な流量を提供するように排出流量を調節することによって、前記第3の主処理槽(11)での排出をする工程と、
を備え、
工程Aの期間と、工程B’~F’の期間とが等しく、工程A’の期間と、工程B~Fの期間とが等しい、
プロセス。
【請求項2】
前記第1の処理ライン(2)には、前記第1及び第3の主処理槽(7、11)の間に配置された第1の中間処理槽(9)が設けられており、前記第2の処理ライン(3)には、前記第2の主処理槽(14)と前記第3の主処理槽(11)との間に配置された第2の中間処理槽(16)が設けられており、プロセスが、前記生物学的液体を、前記第1の主処理槽(7)から前記第1の中間処理槽(9)に移送する工程と、前記第1の中間処理槽(9)においてインキュベートおよび前記第1の処理ライン(2)の目標pHに近づくようにpHを調整する工程と、同様に、前記生物学的液体を前記第2の主処理槽(14)から前記第2の中間処理槽(16)に移送する工程と、前記第2の中間処理槽16においてインキュベートおよび前記第2の処理ライン(3)の目標pHに近づくようにpHを調整する工程と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2018年7月27日に出願された欧州特許第18306016.9号明細書の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、生物学的液体を処理するための設備に関し、特に、生物製剤液のウイルス不活化のための設備に関するものであるが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
生物製剤液は、一般にバイオリアクタでの培養によって得られ、その後、それらは精製され、純度、濃度、ウイルスの不在などの必要とされる特徴を達成しなければならない。
【0004】
精製は、バイオリアクタ培養物から残渣を除去するための清澄化、タンパク質を分離するためのクロマトグラフィによる溶出、ウイルス不活化後、接線流濾過又はクロマトグラフィによる研磨及び/又は精製などの一連の処理によって行われることができる。
【0005】
上述の工程は、連続的又は半連続的に、順次に行うことが望ましい。しかしながら、これらの処理工程は、全て同じ時間を要するわけではなく、時には1つ又は複数の他の処理が終了されている間に、特定の処理を停止する必要がある。特に、ウイルス不活化のための処理時間は、一般に、生成物の流れが停止されている間のインキュベーション時間を必要とすることが知られている。
【0006】
欧州特許第2682168号明細書は、ウイルス不活化処理に関するものであり、流れがフラクションとも呼ばれる少量の生成物に分割されるプロセスを記載している。このプロセスは、生成物の小さなフラクション(又は量)のそれぞれについて、順次、特に速いウイルス不活化を可能にする。
【0007】
酸及び塩基で処理する生成物が供給される中央分配器を備えるウイルス不活化設備も知られており、当該設備は、処理ストリームと呼ばれる2つのストリームを含み、生成物のストリーム、酸及び塩基の異なるストリームを、2つのそれぞれの槽と、排出又は処理された生成物のための出口配管の一方に排出する出口ストリームと呼ばれるストリームとに導くように構成されている。設備にはさらに、それぞれの槽と中央分配器との間に設けられた2つの処理ストリームのための2つの再循環ループが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許第2682168号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、生物学的液体のウイルス不活化処理を、簡単、便利、かつ経済的に実施することができる設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、第1の態様によれば、本発明は、ウイルス不活化によって生物学的液体を処理するための設備に関し、以下を含むことを特徴とする。
【0011】
少なくとも1つの生物学的液体供給源に接続されるように構成され、処理する生物学的液体を供給するための主供給弁と、
処置する生物学的液体を前記供給弁によって供給されるように構成された第1の主処理槽が設けられた、前記供給弁の下流の第1の処理ラインと、
処置する生物学的液体を前記供給弁によって供給されるように構成された第2の主処理槽が設けられた、前記供給弁の下流の第2の処理ラインであって、前記第1の処理ラインと並行な第2の処理ラインと、
前記第1の処理ラインと前記第2の処理ラインとの両方の出口に配置された第3の主処理槽であって、前記第1の主処理槽及び前記第2の主処理槽によって連続的に供給されるように構成される、第3の主処理槽と、を備え、
前記設備は、前記第1、第2及び第3の主処理槽のそれぞれにおいて、前記生物学的液体のpHを調整するように、少なくとも所定量の酸及び所定量の塩基が導入されるように構成され、前記設備はまた、前記設備からの出口において、処理された生物学的液体の連続的な流量を提供するように、前記第3の主処理槽の排出流量を調節するように構成されている。
【0012】
換言すれば、本発明による生物学的液体処理設備では、第3の主処理槽は、第1及び第2の処理ラインに共通である。
【0013】
したがって、第1及び第2の処理ラインは、主供給弁から第3の主処理槽まで並行に延在する。
【0014】
さらに、本発明による生物学的液体処理設備では、第3の主処理槽は、第1の主処理槽又は第2の主処理槽で既に処理された生物学的液体の処理を終了させることができる。特に、第3の主処理槽は、生物学的液体を予備精製するため、すなわち、生物学的液体が目標pHに到達するために設けられてもよい。一旦、第3の主処理槽が、処理された生物学的液体で充填され、一旦予備精製が行われると、第3の主処理槽は、制御された連続的な流量で空になる。
【0015】
このような予備精製は、例えばクロマトグラフィ処理を使用して、その液体の後の精製工程のために、生物学的液体が調製されることを可能にすることに留意されたい。
【0016】
本発明による設備の他の好ましい簡単、便利、かつ経済的な特徴によれば、
前記第1の処理ラインには、前記第1及び第3の主処理槽の間に配置された第1の中間処理槽が設けられており、
前記設備は、所定量の酸及び所定量の塩基が、前記第1の中間処理槽に導入されるように構成される。
【0017】
前記設備は、前記第1の主処理槽で処理された前記生物学的液体を、前記第1の中間処理槽に移送し、前記第1の中間処理槽で所定時間インキュベートした後、前記第3の主処理槽に移送するように構成されている。
【0018】
前記第2の処理ラインには、前記第2の主処理槽と前記第3の主処理槽との間に配置された第2の中間処理槽が設けられており、
前記設備は、所定量の酸及び所定量の塩基が、前記第2の中間処理槽に導入されるように構成されている。
【0019】
前記設備は、前記第2の主処理槽で処理された前記生物学的液体を前記第2の中間処理槽に移送し、前記第3の主処理槽に移送する前に、第2の中間処理槽で所定時間インキュベートするように構成されている。
【0020】
前記設備は複数の供給ポンプを備え、これらの供給ポンプは、前記第1及び第2の処理ラインの、少なくとも前記第1の主処理槽と前記第3の主処理槽との間、場合により前記第1の主処理槽と前記第1の中間処理槽との間、及び/又は前記第1の中間処理槽と前記第3の主処理槽との間、並びに少なくとも前記第2の主処理槽と前記第3の主処理槽との間、場合により前記第2の主処理槽と前記第2の中間処理槽との間、及び/又は前記第2の中間処理槽と前記第3の主処理槽との間に、配置される。
【0021】
少なくとも前記第1、第2及び第3の主処理槽に導入され、かつ場合により前記第1及び第2の中間処理槽に導入される、前記酸の所定量、及び前記塩基の所定量は、それぞれ処理する生物学的液体の物理化学的特性に依存し、等しいか、又は異なってよい。
【0022】
少なくとも前記第1、第2及び第3の主処理槽、及び場合により前記第1及び第2の中間処理槽には、生物学的液体のための攪拌機、及び/又は1つ又は複数の計装部材が設けられている。
【0023】
前記設備は1つ又は複数の制御命令ユニットを備え、制御命令ユニットは、前記供給弁及び/又は前記第1、第2及び第3の主処理槽の少なくとも1つを制御及び命令するように、場合により前記第1及び第2の中間処理槽を制御及び命令するように、構成される。
【0024】
前記設備は、少なくとも前記供給弁、前記第1、第2及び第3の主処理槽、並びに場合により前記第1及び第2の中間処理槽が配置された単一のカートを備え、及び/又は、
前記設備には、少なくとも前記供給弁、前記第1、第2及び第3の主処理槽、並びに場合により前記第1及び第2の中間処理槽を含む前記設備を構成する異なる部品を、連結する使い捨て配管、すなわちシングルユースパイプが設けられる。
【0025】
第2の態様によれば、また、本発明は、上述のような処理設備を使用して、ウイルス不活化によって生物学的液体を処理するためのプロセスに関し、前記プロセスは、
前記設備の主供給弁を介して、前記設備の第1の処理ラインの第1の主処理槽を処理するように、生物学的液体を少なくとも部分的に充填する工程と、
前記第1の主処理槽に所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、前記生物学的液体のpHを調整する工程と、
前記第1の処理ラインで前記生物学的液体を所定時間インキュベートする工程と、前記第1の処理ラインに所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、目標pHに近づくように前記生物学的液体のpHを調整する工程と、
前記処理された生物学的液体を、前記第1の処理ラインからの出口に配置された前記設備の第3の主処理槽に移送する工程と、前記第3の主処理槽に所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、目標pHに処理された生物学的液体を得るように予備精製を行う工程と、
前記第1の処理ラインで実施される予備精製及び/又は移送及び/又はインキュベーション及び/又はpHの調整の工程と同時に、前記主供給弁を介して前記設備の第2の処理ラインの第2の主処理槽を処理するための生物学的液体を、少なくとも部分的に充填する工程であって、前記第2の処理ラインが、前記第1の処理ラインと並行である工程と、
前記第2の主処理槽に所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、前記生物学的液体のpHを調整する工程と、
前記第2の処理ラインで前記生物学的液体を所定時間インキュベートする工程と、所定量の酸及び所定量の塩基を前記第2の処理ラインに導入することによって、目標pHに近づくように前記生物学的液体のpHを調整する工程と、
前記第2の処理ラインからの出口にも配置された前記第3の主処理槽に、前記処理された生物学的液体を移送する工程と、前記第3の主処理槽に所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、目標pHに処理された生物学的液体を得るように予備精製を行う工程と、
前記第2の処理ラインで実施される予備精製及び/又は移送及び/又はインキュベート及び/又はpHの調整の工程と同時に、前記設備からの出口で処理された生物学的液体の連続的な流量を提供するように、排出流量を調節することによって前記第3の主処理槽を排出する工程と、を備える。
【0026】
本発明による処理プロセスの、他の好ましい簡単、便利、かつ経済的な特徴によれば、前記第1の処理ラインには、前記第1及び第3の主処理槽の間に配置された第1の中間処理槽が設けられており、前記第2の処理ラインには、前記第2の主処理槽と第3の主処理槽との間に配置された第2の中間処理槽が設けられており、プロセスは、前記生物学的液体を、前記第1の主処理槽から前記第1の中間処理槽に移送する工程と、前記第1の中間処理槽で行われるインキュベートして前記第1の処理ラインの目標pHに近づくようにpHを調整する工程と、同様に、前記生物学的液体を、前記第2の主処理槽から前記第2の中間処理槽に移送する工程と、前記第2の中間処理槽で行われる、インキュベートして前記第2の処理ラインの目標pHに近づくようにpHを調整する工程と、を備える。
【0027】
本発明の開示は、以下に、添付の図面を参照して、例示的かつ非限定的な例として実施形態の説明を続ける。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による処理設備を図式的に示す図である。
図2図1の設備を用いた処理プロセスの異なる工程を示すタイムチャート図である。
図3図1の処理設備の斜視図である。
図4図1の処理設備の斜視図である。
図5図1の処理設備の上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、ウイルス不活化による生物学的液体処理のための設備1を図式的に示す。
【0030】
設備は、第1の処理ライン2と、第1の処理ライン2と並行して延在する第2の処理ライン3とを備える。
【0031】
設備1は、前記第1の処理ライン2及び前記第2の処理ライン3の上流に、生物学的液体供給源5と、生物学的液体供給源5に第1の配管6を介して接続された、生物学的液体を処理するための主供給弁4と、をさらに備えることができる。
【0032】
この供給源は、設備1の上流の設備の処理ラインの出口配管に直接接続されてよく、あるいは、そのような上流の設備に接続されているか、又は接続されていない個々の容器に接続されてもよいことに留意されたい。
【0033】
第1の処理ライン2には、供給弁4により第2の配管8を介して、処理する生物学的液体が供給されるように構成された第1の主処理槽7と、第1の主処理槽7の下流に配置され、第3の配管10を介して第1の主処理槽7に接続された第1の中間処理槽9と、が設けられてよい。
【0034】
第2の処理ライン3には、供給弁4により第4の配管15を介して、処理する生物学的液体が供給されるように構成された第2の主処理槽14と、第2の主処理槽14の下流に配置され、第5の配管17を介して第2の主処理槽14に接続された第2の中間処理槽16と、が設けられてよい。
【0035】
また、設備1は、第1の処理ライン2及び第2の処理ライン3の下流に、第6の配管12を介して第1の中間処理槽9に接続されると共に、第7の配管18を介して第2の中間処理槽16に接続される第3の主処理槽11によって主に形成される出口ラインを備えてもよい。
【0036】
したがって、第1の中間処理槽9は、第1の主処理槽7と第3の主処理槽11との間に介挿され、一方第2の中間処理槽16は、第2の主処理槽14と第3の主処理槽11との間に介挿されている。
【0037】
第3の主処理槽11は、第1の処理ライン2及び第2の処理ライン3の両方からの出口に配置され、第1の主処理槽7及び第2の中間処理槽16から連続的に供給されるように構成されている。
【0038】
換言すれば、第3の主処理槽11は、第1の処理ライン2及び第2の処理ライン3に共通である。
【0039】
第1の処理ライン2及び第2の処理ライン3は、主供給弁4から第3の主処理槽11に、並行して延在している。
【0040】
設備1は、第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14でそれぞれ処理された生物学的液体を、それぞれ第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16に移送し、第3の主処理槽11への移送に先立ち、第2の中間処理槽16で所定時間インキュベートするように構成されることができる。
【0041】
このために、設備1は、第3の配管10に取り付けられ、第1の主処理槽7で処理された生物学的液体を第1の主処理槽7から排出させ、第1の中間処理槽9に移送するように構成された第1の主供給ポンプ26と、同様に第6の配管12に取り付けられ、第1の中間処理槽9で処理された生物学的液体を第1の中間処理槽9から排出させ、第3の主処理槽11に移送するように構成された第1の中間供給ポンプ31と、を備えてもよい。
【0042】
設備1は、第5の配管17に取り付けられ、第2の主処理槽14で処理された生物学的液体を第2の主処理槽14から排出させ、第2の中間処理槽16に移送するように構成された第2の主供給ポンプ38と、同様に、第7の配管18に取り付けられ、第2の中間処理槽16で処理された生物学的液体を第2の中間処理槽16から排出させ、第3の主処理槽11に移送するように構成された第2の中間供給ポンプ43と、をさらに備えてもよい。
【0043】
また、設備1は、第1、第2、及び第3の主処理槽7、14、11のそれぞれと、第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16のそれぞれに、所定量の酸と所定量の塩基とが導入されて、生物学的液体のpHを調整するように構成されることができる。
【0044】
このために、設備1は、第1の酸ポンプ24が取り付けられた第8の配管22を介して第1の主処理槽7に接続され、第2の酸ポンプ28が取り付けられた第9の配管27を介して第1の中間処理槽9にも接続されている酸20のための第1の槽を備えてもよい。
【0045】
また、設備1は、塩基21のための第1の槽を備えてもよく、この槽は、第1の塩基ポンプ25が取り付けられた第10の配管23を介して、第1の主処理槽7に接続され、第2の塩基ポンプ30が取り付けられた第11の配管29を介して、第1の中間処理槽9にも接続される。
【0046】
設備1は、酸32のための第2の槽をさらに備えてもよく、この槽は、第3の酸ポンプ35が取り付けられた第12の配管34を介して、第2の主処理槽14に接続され、第4の酸ポンプ39が取り付けられた第13の配管40を介して、第2の中間処理槽16にも接続される。
【0047】
設備1は、塩基32のための第2の槽を追加的に備えてもよく、この槽は、第3の塩基ポンプ37が取り付けられた第15の配管36を介して、第2の主処理槽14に接続され、第4の塩基ポンプ42が取り付けられた第16の配管41を介して、第2の中間処理槽16にも接続されている。
【0048】
また、設備1は、塩基45のための第3の槽を備えてもよく、この槽は、第5の酸ポンプ47が取り付けられた第17の配管46を介して、第3の主処理槽11に接続されている酸のための第3のリザーバ44、及び第5の塩基ポンプ49が取り付けられた第18の配管48を介して、第3の主処理槽11に接続されている。
【0049】
第3の主処理槽11は、出口配管13によって排出されることができ、排出管13は、設備1の下流に配置された設備の回路90(極めて概略的に表されている)に接続されていることに留意されたい。この回路90は、例えばクロマトグラフィによって、生物学的液体を精製する工程を実施するように構成されることができる。
【0050】
配管6、8、10、12、13、15、17、18、22、23、27、29、34、36、40、41、46及び48の全ては、例えば、シングルユース配管と呼ばれる可撓性の使い捨てパイプであってよい。
【0051】
また、ここで、設備1は、第3の主処理槽11の排出のための少なくとも1つの流量を調節するように構成され、設備1からの出口で処理された生物学的液体の連続的な流量を提供することができることに留意されたい(後述)。流量値は、設備1の上流の回路90、及び実施される処理、ここでは生物学的液体の精製に依存する。
【0052】
次に、図2を参照して、上述した処理設備1を用いて、ウイルス不活化によって生物学的液体を処理するためのプロセスについて説明する。
【0053】
特に、図2は、時間図の形式で、その第1のラインでは第1の処理回路2で実施される異なる工程の、その第2のラインでは第2の処理ライン3で実施される異なる工程の、及びその第3のラインでは第3の主処理槽11の、生物学的液体の容積を表す。
【0054】
処理設備1を用いたウイルス不活化による生物学的液体を処理するためのプロセスは、以下の工程を備える。
【0055】
プロセスは、主供給弁4及び第2の配管8を介して、第1の主処理槽7を、処理するための生物学的液体を少なくとも部分的に充填する工程Aを備えてもよい。
【0056】
充填時間は、第1の主処理槽7の容積に依存する。
【0057】
プロセスは、第8の配管22及び第1の酸ポンプ24を介して、かつ第10の配管23及び第1の塩基ポンプ25を介して、所定量の酸及び所定量の塩基を第1の主処理槽7に導入することにより、第1の主処理槽7に存在する生物学的液体のpHを調整する工程Bを備えてもよい。
【0058】
酸及び塩基の量は、第1の主処理槽7への生物学的液体の入口のpH値に依存する。
【0059】
プロセスは、第1の処理ライン2で生物学的液体を所定時間インキュベートする工程と、所定量の酸及び所定量の塩基を第1の処理ライン2に導入することによって、目標pHに近づくように生物学的液体のpHを調整する工程とを備えてもよい。
【0060】
目標pHは、中性pHであってもよく、あるいは中性pHとは異なっていてもよいことに留意されたい。目標pHは、設備1の後に来る設備の回路90で実施される処理の種類に依存する。
【0061】
特に、プロセスは、第1の主処理槽7から第1の主供給ポンプ26及び第3の配管10を介して、第1の中間処理槽9に生物学的液体を移送する工程Cと、第1の中間処理槽9で生物学的液体をインキュベートする工程Dと、第9の配管27及び第2の酸ポンプ28を介して、かつ第11の配管29及び第2の塩基ポンプ30を介して、所定量の酸及び所定量の塩基を第1の中間処理槽9に導入することによって、目標pHに近づくようにpHを調整する工程Eと、を備えてもよい。
【0062】
プロセスは、処理された生物学的液体を、第1の中間供給ポンプ31及び第6の配管12を介して、第1の中間処理槽9から第3の主処理槽11に移送する工程Fを備えてもよい。
【0063】
移送工程Fと同時に、十分な所定量を移送したことを条件に、プロセスは、目標pHの処理された生物学的液体を得るために、第17の配管46及び第5の酸ポンプ47を介して、かつ第18の配管48及び第5の塩基ポンプ49を介して、第3の主処理槽11に、所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、第3の主処理槽11の生物学的液体を予備精製する工程を備えてもよい。
【0064】
上述した工程A~Fは、第1の処理ライン2に関する。工程B~Fと並行して、すなわち、第1の主処理槽7を充填した後に、プロセスは以下の工程を同時に備えてもよい。
【0065】
プロセスは、主供給弁4及び第4の配管15を介して、第2の主処理槽14を、処理する生物学的液体で少なくとも部分的に充填する工程A’を備えてもよい。
【0066】
充填時間は、第2の主処理槽14の容積に依存する。ここで、第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14との容積は同一である。
【0067】
プロセスは、第12の配管34及び第3の酸ポンプ35を介して、かつ第15の配管36及び第3の塩基ポンプ37を介して、所定量の酸及び所定量の塩基を、その第2の主処理槽14に導入して、第2の主処理槽14に存在する生物学的液体のpHを調整する工程B’を備えてもよい。
【0068】
酸及び塩基の量は、第2の主処理槽14へ流入する生物学的液体のpH値に依存する。
【0069】
プロセスは、第2の処理ライン3で生物学的液体を所定時間インキュベートする工程と、所定量の酸及び所定量の塩基を第2の処理ライン3に導入することによって、目標pHに近づくように生物学的液体のpHを調整する工程とを備えてもよい。
【0070】
特に、プロセスは、生物学的液体を、第2の主供給ポンプ38及び第5の配管17を介して、第2の主処理槽14から第2の中間処理槽16に移送する工程C’と、第2の中間処理槽16で生物学的液体をインキュベートする工程D’と、第13の配管40及び第4の酸ポンプ39を介して、かつ第16の配管41及び第4の塩基ポンプ42を介して、所定量の酸及び所定量の塩基を第2の中間処理槽16に導入することによって、目標pHに近づくようにpHを調整する工程E’と、を備えてもよい。
【0071】
プロセスは、処理された生物学的液体を、第2の中間供給ポンプ43及び第7の配管18を介して、第2の中間処理槽16から第3の主処理槽11に移送する工程F’を備えてもよい。
【0072】
移送工程F’と同時に、また、十分な所定量を移送したことを条件に、プロセスは、目標pHの処理された生物学的液体を得るために、第17の配管46及び第5の酸ポンプ47を介して、かつ第18の配管48及び第5の塩基ポンプ49を介して、第3の主処理槽11に、所定量の酸及び所定量の塩基を導入することによって、第3の主処理槽11の生物学的液体を予備精製する工程を備えてもよい。
【0073】
上述した工程A’~F’は、第2の処理ライン3に関する。また、図2に図示するように、工程B’~F’と並行して、すなわち、第2の主処理槽14を充填した後に、プロセスは、第1の主処理槽7を充填する工程A、次にB~Fなどを再び実施してもよい。
【0074】
図2はまた、プロセスが、第3の主処理槽11が第1の処理ライン2によって充填され、生物学的液体がそこで予備精製されたときに、第3の主処理槽11から液体を排出する工程を備えることができることを示す。
【0075】
第3の主処理槽11での排出は、調節された流量で行われ、第2の処理ライン3で実施される工程B’~E’の期間とほぼ同じ期間続くことができ、その後、第3の主処理槽11は、第2の処理ライン3によって再び充填されるなどがなされてもよい。第3の主処理槽11は、一旦充填されると、決して完全に空にされるようなことが無いことに留意されたい。
【0076】
第3の主処理槽11からの出口流量の調整によって、設備1からの出口において、処理された生物学的液体の連続的な流量を提供することが可能となる。
【0077】
次に、図3図5を参照して、ここで示される実施形態が単一のカート69によって運搬される設備1自体と、その構成要素の配置について、より詳細に説明する。
【0078】
カート69は、キャスタ67上に取り付けられた下部フレーム50、下部フレーム50から離間した位置にある上部フレーム51、及び下部フレーム50と上部フレーム51との間に延在する垂直直立部材52からなる骨組と、上部フレーム51に接合されたプレート54とによって形成されることができる。
【0079】
設備1は、下部フレーム50に配置された、空気圧及び電気供給の一般ユニット53を備えることができる。
【0080】
カート69は、平行六面体状の一般的な形状を有してもよい。
【0081】
酸20及び21の第1の槽は、上部フレーム51の位置で、カート69の第1の側面に懸架されることができる。
【0082】
酸32及び33の第2の槽は、上部フレーム51の位置で、第1の側面に対向する側面である、カート69の第2の側面に懸架されることができる。
【0083】
酸44及び塩基45の第3の槽は、上部フレーム51の位置で、その第1及び第2の側面を連結する、カート69の第3の側面に、設備1からの出口に懸架されることができる。
【0084】
これらの槽はいずれも可撓性のバッグによって形成されることができる。図3図5では、供給源が見えないことに留意されたい。
【0085】
供給弁4は、カート69の第4の側面の位置でプレート54上に配置されることができ、また、第4の側面は、第1及び第2の側面を連結し、第3の側面と対向する側面である。
【0086】
供給弁4は、2つの入口及び1つの出口、又は1つ入口及び2つの出口を備える三方弁とすることができる。
【0087】
弁4は、例えば、配管の一部分を受けるための2つの溝を設けられたヘッド56と、2つの溝に受容された配管の一部分で、生物学的液体の通過を許容又は阻止するように構成されたピンチ機構と、ピンチ機構を作動させるように構成された空気圧式アクチュエータが設けられた本体55とを有することができる。
【0088】
第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14は、カート69の第4の側面の位置で、供給弁4の両側にプレート54上に配置されることができる。
【0089】
したがって、第1の主処理槽7は、カート69の第1の側面に配置されることができ、一方、第2の主処理槽14は、カート69の第2の側面に配置されることができる。
【0090】
第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14は、それぞれ、計量スケール57に取り付けられてもよく、それぞれには、上に計量スケールプレート58が装着された脚60と、計量スケール59の制御及び命令のための装置59と、が設けられている。
【0091】
第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14は、計量スケールプレート58に直接取り付けられることができる。
【0092】
設備1は、第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14の近傍に、それぞれプレート54上に配置される、第1の制御命令ユニット61と第2の制御命令ユニット62とを備えてもよい。
【0093】
第1の制御命令ユニット61には、第1の酸ポンプ24、第1の塩基ポンプ25、第1の主供給ポンプ26、第2の酸ポンプ28及び第2の塩基ポンプ30を、カート69の第1の側面から部分的に突出させる本体が設けられることができる。
【0094】
第2の制御命令ユニット62には、第3の酸ポンプ35、第3の塩基ポンプ37、第2の主供給ポンプ38、第4の酸ポンプ39及び第4の塩基ポンプ42を、カート69の第2の側面から部分的に突出させる本体が設けられることができる。
【0095】
したがって、第1の制御命令ユニット61及び第2の制御命令ユニット62は、第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14内でpHを調整する工程B及びB’、第1の処理ライン2及び第2の処理ライン3内で移送する工程C及びC’、インキュベートする工程D、D’、並びに第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16内でpHを調整する工程E、E’を少なくとも実施するために、前述のポンプを制御及び作動させるように構成されることができる。
【0096】
第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16は、第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16と、第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14との間に挿間された、第1の制御作動ユニット61及び第2の制御作動ユニット62と共にプレート54上に配置されることができる。
【0097】
第1の中間処理槽9は、カート69の第1の側面に配置され、第2の中間処理槽16は、カート69の第2の側面に配置されることができる。
【0098】
第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16は、第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14のように、脚、計量スケールプレート58、及び計量スケールの制御及び命令のための装置59が設けられた、それぞれの計量スケール57に取り付けられることができる。第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16は、計量スケールプレート58に直接取り付けられることができる。
【0099】
設備1は、第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16のそれぞれ近傍のプレート54上に配置され、カート69の第1の側面の第1の中間供給ポンプ31及びカート69の第2の側面の第2の中間供給ポンプ43からそれぞれ突出する、移送装置64及び65を備えることができる。
【0100】
したがって、これらの移送装置64及び65は、第1の処理ライン2及び第2の処理ライン3から出口ラインの第3の主処理槽11に、処理された生物学的液体を移送する工程F、F’を実施するように、前述のポンプを制御及び作動させるように構成されることができる。
【0101】
第3の主処理槽11は、第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16との間に介挿されることができる。
【0102】
第3の主処理槽11は、第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14のように、かつ第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16のように、計量スケール57に取り付けられることができ、この計量スケールには、脚、計量スケールプレート58、及び計量スケール59の制御及び命令のための装置が設けられている。第3の主処理槽11は、計量スケールプレート58に直接取り付けられている。
【0103】
設備1は、第3の主処理槽11の近傍の、カート69の第3の側面の位置で、プレート54上に配置された第3の制御命令ユニット63を備えてもよい。
【0104】
第3の制御命令ユニット63には、カート69の第3の側面から、第5の酸ポンプ47及び第5の塩基ポンプ49を部分的に突出させる本体が設けられることができる。
【0105】
したがって、第3の制御作動ユニット63は、少なくとも第3の主処理槽11の予備精製の工程を実施するために、前述のポンプを制御及び作動させるように構成されることができる。
【0106】
設備1は、カート69のプレート54から突出する固定された取付部に取り付けられた制御スクリーン66を備えてもよい。これらの制御スクリーン66は、特に、上述の処理プロセスの進行を観察し、そのプロセスの各工程に関連するパラメータを管理することを可能にすることができる。
【0107】
図3図5を参照して説明した例では、第1、第2、及び第3の主処理槽7、14、11と、第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16とは、同じ構造で形成されることができる。
【0108】
特に、これらの槽は、ここでは円筒形で下部ベース72と上部プラットフォーム73との間に延在する閉じたチャンバ70と、上部プラットフォーム73から突出するモータと、モータによって駆動されチャンバ70内に延在する攪拌機(図示せず)とを設けられた攪拌機構71とを備えてもよい。
【0109】
これらの槽には、ろ過装置及び/又は上部プラットフォーム73から突出する通気口78、及び、プラットフォーム73から突出する、例えば圧力センサ及び温度センサで形成される計装部材(図示せず)もさらに設けられてもよい。
【0110】
これらの槽には、下部ベース72の位置及び/若しくは上部プラットフォーム73の位置、並びに/又はチャンバ70に沿って位置する幾つかの入口及び/又は出口開口部がさらに設けられることができる。これらの異なる入口及び/又は出口開口部の使用は、槽の機能に依存する。
【0111】
特に、第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14は、同一のものとすることができ、それぞれは、生物学的液体を供給するために設けられ、例えば下部ベース72の近傍のチャンバ70の底部に位置する第1の入口開口部77と、酸を供給するために設けられ、例えば下部ベース72の近傍のチャンバ70の底部に位置する第2の入口開口部74と、塩基を供給するために設けられ、例えば下部ベース72の近傍のチャンバ70の底部に位置する第3の入口開口部75と、第1の中間処理槽9及び第2の中間槽16に、それぞれ生物学的液体を移送するために設けられた、例えば、ここでは下部ベース72に位置する出口開口部76と、を備える。
【0112】
第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16は、同一のものとすることができ、ここでは、それぞれ主槽から生物学的液体を供給するために設けられ、例えば上部プラットフォーム73から突出する第1の入口開口80と、第3の主処理槽11に生物学的液体を移送するために設けられ、例えば下部ベース72に位置する出口開口部79と、を除いて第1の主処理槽7及び第2の主処理槽14と類似したものとなる。
【0113】
第3の主処理槽11は、第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16と非常に類似したものとすることができるが、第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16の一方から処理された生物学的液体を供給させるために、第1の入口開口80が設けられることができる、第1の中間処理槽9及び第2の中間処理槽16の他方から処理された生物学的液体を供給されるために設けられ、上部プラットフォーム73から突出する第4の入口開口81を備えることができる、設備から生物学的液体を出口に移送するために、出口開口部79が設けられることができる、という点で異なっている。
【0114】
図示されていない変形形態では、
-設備が中間処理槽を有さず、第1及び第2の主槽でインキュベーションを行うことが可能である、
-第2の処理ラインに対する工程は、第1の処理ラインの第1の主処理槽の充填終了前に開始されることができる、
-第3の主処理槽からの排出流量は、設備から、処理された生物学的液体出口の連続的な流れが供給されることを条件に、変動又は固定されてもよい、
-設備は、2つを超える回路、例えば3つ、4つを超える回路を、並行して備えてもよい、
-設備は、少なくとも2つの処理ラインに共通する幾つかの出口槽を備えてもよい、
-設備は、好ましくは互いに並置された幾つかのカートに配置されることができる、
-主槽及び中間槽は、互いに異なる配置とすることができ、例えば、より多く又はより少ない計装部材が設けられることができる、
-主槽及び中間槽は、カートのプレート上に直接配置されることができる、
-設備は、単一の制御命令ユニット又は、2つ、あるいは3つを超える制御作動ユニットを備えてもよい、並びに/又は
-設備は、単一の制御スクリーン、あるいは2つを超える制御スクリーンを備えてもよい。
【0115】
より一般的に、本発明は、記載かつ表現された実施例に限定されないことに留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5