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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】パッチアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/08 20060101AFI20230222BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01Q21/24
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021514008
(86)(22)【出願日】2019-09-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 KR2019011644
(87)【国際公開番号】W WO2020055065
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0109188
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517428551
【氏名又は名称】アモテック・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン,チョル
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0048069(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0317402(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 13/08
H01Q 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース層と、
前記ベース層の上面に配置された上部パッチと、
前記ベース層の下面に配置された下部パッチと、
前記ベース層、前記上部パッチ、および前記下部パッチを貫通する給電ピンとを含み、
前記給電ピンは、前記上部パッチから離隔してカップリングギャップを形成し、
前記ベース層の横の長さは20mm以下、縦の長さは20mm以下であり、
前記カップリングギャップの幅は、0.5mm以上かつ、1.5mm以下であり、
前記給電ピンは、
前記上部パッチに形成された第3給電ホールを貫通する第1給電ピンと、
前記上部パッチに形成された第4給電ホールを貫通する第2給電ピンとを含むことを特徴とするパッチアンテナ。
【請求項2】
前記上部パッチには、前記給電ピンが貫通する給電ホールが形成され、
前記給電ピンは、前記上部パッチに形成された前記給電ホールから離隔して前記カップリングギャップを形成することを特徴とする請求項1に記載のパッチアンテナ。
【請求項3】
前記カップリングギャップは、
前記第1給電ピンと前記第3給電ホールとの間の離隔空間に形成された第1カップリングギャップと、
前記第2給電ピンと前記第4給電ホールとの間の離隔空間に形成された第2カップリングギャップとを含むことを特徴とする請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項4】
前記第1カップリングギャップの幅は、前記第2カップリングギャップの幅に等しいことを特徴とする請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項5】
ベース層と、
前記ベース層の上面に配置された上部パッチと、
給電ホールが形成されて前記ベース層の下面に配置された下部パッチと、
前記給電ホールに挿入されて前記ベース層の下面に配置された給電パッチとを含み、
前記給電ホールは、前記給電パッチから離隔してカップリングギャップを形成し、
前記ベース層の横の長さは20mm以下、縦の長さは20mm以下であり、
前記カップリングギャップの幅は、0.5mm以上かつ、1.5mm以下であることを特徴とするパッチアンテナ。
【請求項6】
前記給電ホールの面積は、前記給電パッチの面積よりも広く形成されたことを特徴とする請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項7】
前記給電パッチの外周は、前記給電ホールから離隔して離隔領域を形成し、前記離隔領域は、カップリングギャップを形成することを特徴とする請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項8】
前記下部パッチは、第1給電ホールおよび第2給電ホールが形成され、
前記給電パッチは、
前記第1給電ホールに挿入される第1給電パッチと、
前記第2給電ホールに挿入される第2給電パッチとを含むことを特徴とする請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項9】
前記カップリングギャップは、
前記第1給電パッチと前記第1給電ホールとの間の離隔空間に形成された第1カップリングギャップと、
前記第2給電パッチと前記第2給電ホールとの間の離隔空間に形成された第2カップリングギャップとを含むことを特徴とする請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項10】
前記第1カップリングギャップの幅は、前記第2カップリングギャップの幅に等しいことを特徴とする請求項に記載のパッチアンテナ。
【請求項11】
ベース層と、
前記ベース層の上面に配置された上部パッチと、
前記ベース層の下面に配置された下部パッチと、
前記ベース層および前記下部パッチに形成された給電ホールを貫通して前記上部パッチに接触した給電ピンとを含み、
前記給電ピンは、前記下部パッチから離隔してカップリングギャップを形成し、
前記ベース層の横の長さは20mm以下、縦の長さは20mm以下であり、
前記カップリングギャップの幅は、0.5mm以上かつ、1.5mm以下であることを特徴とするパッチアンテナ。
【請求項12】
前記下部パッチに形成された前記給電ホールの面積は、前記給電ピンの水平断面の面積よりも広く形成されたことを特徴とする請求項11に記載のパッチアンテナ。
【請求項13】
前記給電ピンの外周は、前記下部パッチに形成された前記給電ホールから離隔して離隔領域を形成し、前記離隔領域は、カップリングギャップを形成することを特徴とする請求項11に記載のパッチアンテナ。
【請求項14】
前記ベース層は、第1給電ホールおよび第2給電ホールが形成され、
前記下部パッチは、第3給電ホールおよび第4給電ホールが形成され、
前記給電ピンは、
前記第1給電ホールおよび前記第3給電ホールを貫通する第1給電ピンと、
前記第2給電ホールおよび前記第4給電ホールを貫通する第2給電ピンとを含むことを特徴とする請求項11に記載のパッチアンテナ。
【請求項15】
前記カップリングギャップは、
前記第1給電ピンと前記第3給電ホールとの間の離隔空間に形成された第1カップリングギャップと、
前記第2給電ピンと前記第4給電ホールとの間の離隔空間に形成された第2カップリングギャップとを含むことを特徴とする請求項14に記載のパッチアンテナ。
【請求項16】
前記第1カップリングギャップの幅は、前記第2カップリングギャップの幅に等しいことを特徴とする請求項15に記載のパッチアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器のパッチアンテナに関し、より詳しくは、GPS周波数帯域およびGNSS周波数帯域の信号を含む超広帯域で周波数を受信するパッチアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シャークアンテナは、車両内に設けられる電子機器の信号受信率を向上させるために設けられる。車両用シャークアンテナは、車両の外部に設けられる。
【0003】
一般的な車両用シャークアンテナには、車両で主に用いられる位置情報サービスを提供するためのGPS(Global Positioning System)アンテナが含まれる。最近は、DMB、オーディオなどの電子機器が設けられることにより、車両用シャークアンテナにもGNSS(例えば、GPS(米国)、GLONASS(ロシア))、SDARS(Sirius、XM)、Telematics、FM、T-DMBなどの周波数帯域の信号を受信する多数のアンテナが内蔵されている。
【0004】
最近、市場および使用者の要求によりパッチアンテナの大きさが小型化されている。パッチアンテナのサイズが小型化されると反射損失(Return loss)が増加する。パッチアンテナは、給電ピン間の間隔を近くして反射損失を最小化できるが、給電ピンが近くなると、給電ピン間で干渉が発生してアンテナの性能が低下する問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、下部パッチと給電ピンとの間にカップリングギャップを形成して、アンテナの性能を最大化するようにしたパッチアンテナを提供することにある。すなわち、本発明は、下部パッチと給電ピンとの間にカップリングギャップを形成して、反射損失を最小化しながら給電ピン間の干渉を最小化してアンテナの性能を最大化するようにしたパッチアンテナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するためになされた本発明の一態様によるパッチアンテナは、ベース層と、ベース層の上面に配置された上部パッチと、ベース層の下面に配置された下部パッチと、ベース層、上部パッチ、および下部パッチを貫通する給電ピンとを含み、給電ピンは、上部パッチから離隔してカップリングギャップを形成することを特徴とする。
【0007】
上部パッチには、給電ピンが貫通する給電ホールが形成され、給電ピンは、上部パッチに形成された給電ホールから離隔してカップリングギャップを形成し得る。この時、カップリングギャップの幅は、0.5mm以上かつ、1.5mm以下であってもよい。
【0008】
給電ピンは、上部パッチに形成された第3給電ホールを貫通する第1給電ピンと、上部パッチに形成された第4給電ホールを貫通する第2給電ピンとを含み、カップリングギャップは、第1給電ピンと第3給電ホールとの間の離隔空間に形成された第1カップリングギャップと、第2給電ピンと第4給電ホールとの間の離隔空間に形成された第2カップリングギャップとを含み得る。この時、第1カップリングギャップの幅は、第2カップリングギャップの幅に等しい。
【0009】
上記の目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるパッチアンテナは、ベース層と、ベース層の上面に配置された上部パッチと、給電ホールが形成されてベース層の下面に配置された下部パッチと、給電ホールに挿入されてベース層の下面に配置された給電パッチとを含み、給電ホールは、給電パッチから離隔してカップリングギャップを形成することを特徴とする。
【0010】
給電ホールの面積は、給電パッチの面積よりも広く形成され、給電パッチの外周は、給電ホールから離隔して離隔領域を形成し、離隔領域は、カップリングギャップを形成し、カップリングギャップの幅は、0.5mm以上かつ、1.5mm以下であってもよい。
【0011】
下部パッチは、第1給電ホールおよび第2給電ホールが形成され、給電パッチは、第1給電ホールに挿入される第1給電パッチと、第2給電ホールに挿入される第2給電パッチとを含み、カップリングギャップは、第1給電パッチと第1給電ホールとの間の離隔空間に形成された第1カップリングギャップと、第2給電パッチと第2給電ホールとの間の離隔空間に形成された第2カップリングギャップとを含み得る。この時、第1カップリングギャップの幅は、第2カップリングギャップの幅に等しい。
【0012】
上記の目的を達成するためになされた本発明のさらに他の態様によるパッチアンテナは、ベース層と、ベース層の上面に配置された上部パッチと、ベース層の下面に配置された下部パッチと、ベース層および下部パッチに形成された給電ホールを貫通して上部パッチに接触した給電ピンとを含み、給電ピンは、下部パッチから離隔してカップリングギャップを形成することを特徴とする。
【0013】
下部パッチに形成された給電ホールの面積は、給電ピンの水平断面の面積よりも広く形成され、給電ピンの外周は、下部パッチに形成された給電ホールから離隔して離隔領域を形成し、離隔領域は、カップリングギャップを形成し得る。この時、カップリングギャップの幅は、0.5mm以上かつ、1.5mm以下であってもよい。
【0014】
ベース層は、第1給電ホールおよび第2給電ホールが形成され、下部パッチは、第3給電ホールおよび第4給電ホールが形成され、給電ピンは、第1給電ホールおよび第3給電ホールを貫通する第1給電ピンと、第2給電ホールおよび第4給電ホールを貫通する第2給電ピンとを含み、カップリングギャップは、第1給電ピンと第3給電ホールとの間の離隔空間に形成された第1カップリングギャップと、第2給電ピンと第4給電ホールとの間の離隔空間に形成された第2カップリングギャップとを含み得る。この時、第1カップリングギャップの幅は、第2カップリングギャップの幅に等しい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、パッチアンテナは、下部パッチと給電部材(給電パッチ、給電ピン)との間に0.5mm以上1.5mm以下の幅を有するカップリングギャップを形成することにより、サイズが減少したパッチアンテナにおいて反射損失(Return loss)の低下を防止してアンテナの性能を向上させる効果がある。
【0016】
また、本発明によるパッチアンテナは、下部パッチと給電部材(給電パッチ、給電ピン)との間に0.5mm以上1.5mm以下の幅を有するカップリングギャップを形成することにより、サイズが減少したパッチアンテナにおいて送信効率を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態によるパッチアンテナの分解斜視図である。
図2図1の下部パッチを説明するための図である。
図3図1の第1給電パッチ、第2給電パッチ、およびカップリングギャップを説明するための図である。
図4】本発明の第2実施形態によるパッチアンテナの分解斜視図である。
図5】本発明の第2実施形態によるパッチアンテナの側面図である。
図6】本発明の第3実施形態によるパッチアンテナの分解斜視図である。
図7図6のベース層を説明するための図である。
図8図6の上部パッチを説明するための図である。
図9図6のパッチアンテナの断面図である。
図10図6の第1給電ピン、第2給電ピン、およびカップリングギャップを説明するための図である。
図11】サイズの減少によるパッチアンテナの反射損失を測定したグラフである。
図12】カップリングギャップの有無によるパッチアンテナの反射損失を測定したグラフである。
図13】カップリングギャップの幅(サイズ)によるパッチアンテナの反射損失を測定したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために、本発明の最も好ましい実施形態を図面を参照しながら説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付すにあたり、同一の構成要素については、たとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一の符号を有するようにしている。また、本発明を説明するにあたり、公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにしうると判断された場合は、その詳細な説明は省略する。
【0019】
図1図3を参照すると、本発明の第1実施形態によるパッチアンテナは、ベース層110と、上部パッチ120と、下部パッチ130と、第1給電パッチ140と、第2給電パッチ150とを含んで構成される。
【0020】
ベース層110は、誘電体または磁性体で構成される。すなわち、ベース層110は、高誘電率および低い熱膨張係数などの特性を有するセラミックからなる誘電体基板で形成されるか、またはフェライトなどの磁性体からなる磁性体基板で形成される。
【0021】
上部パッチ120は、ベース層110の上面に形成される。すなわち、上部パッチ120は、銅、アルミニウム、金、銀などのように電気伝導度が高い導電性材質の薄板であって、ベース層110の上面に形成される。この時、上部パッチ120は、四角形、三角形、円形、八角形などの多角形状に形成される。
【0022】
上部パッチ120は、第1給電パッチ140と第2給電パッチ150との間のカップリング給電によって駆動され、GPS衛星およびGLONASS衛星から送出される信号(すなわち、位置情報を含む周波数)を受信する。
【0023】
下部パッチ130は、ベース層110の下面に形成される。すなわち、下部パッチ130は、銅、アルミニウム、金、銀などのように電気伝導度が高い導電性材質の薄板であって、ベース層110の下面に形成される。
【0024】
下部パッチ130には、第1給電パッチ140および第2給電パッチ150が挿入される複数の給電ホールが形成される。すなわち、下部パッチ130には第1給電ホール132および第2給電ホール134が形成される。第1給電ホール132には第1給電パッチ140が挿入され、第2給電ホール134には第2給電パッチ150が挿入される。この時、第1給電ホール132と下部パッチ130の中心点とを結ぶ仮想線と、第2給電ホール134と下部パッチ130の中心点とを結ぶ仮想線とは、交差して設定角度をなすように形成される。この時、設定角度は、90度に形成されることが好ましいが、70度以上110度以下の範囲に形成されても構わない。
【0025】
第1給電パッチ140および第2給電パッチ150は、下部パッチ130に形成された給電ホールに挿入して形成される。すなわち、第1給電パッチ140は、下部パッチ130の第1給電ホール132の内部に挿入して形成され、第2給電パッチ150は、下部パッチ130の第2給電ホール134に挿入して形成される。この時、第1給電パッチ140は、第1給電ホール132の外周から所定間隔離隔して形成され、第2給電パッチ150は、第2給電ホール134の外周から所定間隔離隔して形成される。
【0026】
第1給電パッチ140と第2給電パッチ150は、下部パッチ130の中心を基準として設定角度を有するように配置される。すなわち、図3を参照すると、第1給電パッチ140と下部パッチ130の中心点Cとを結ぶ仮想線Aと、第2給電パッチ150と下部パッチ130の中心点Cとを結ぶ仮想線Bとは、交差して設定角度θをなすように形成される。この時、設定角度θは、90度に形成されることが好ましいが、70度以上110度以下の範囲に形成されても構わない。ここで、図3のfは、第1給電パッチ140および第2給電パッチ150の中心点間のy軸(W2)方向の距離を意味する。
【0027】
この時、パッチアンテナの大きさが25×25(W1=25mm、W2=25mm)以上の面積で形成された場合、第1給電パッチ140と第2給電パッチ150との間に干渉が発生せず、パッチアンテナの性能に影響を及ぼさない。
【0028】
しかし、パッチアンテナの大きさが20×20(W1=20mm、W2=20mm)以下の面積で形成された場合、第1給電パッチ140と第2給電パッチ150との間の間隔が狭くなるので、干渉が発生してパッチアンテナの性能が低下する。
【0029】
すなわち、パッチアンテナの大きさが減少すると、第1給電パッチ140と第2給電パッチ150との間の離隔間隔が狭くなるので、第1給電パッチ140と第2給電パッチ150との間に干渉が発生する。パッチアンテナは、第1給電パッチ140と第2給電パッチ150との間の干渉の発生によって反射損失(Return loss)が減少し、結果としてアンテナの性能が低下する。
【0030】
そこで、本発明の第1実施形態によるパッチアンテナは、下部パッチ130と給電パッチ(すなわち、第1給電パッチ140および第2給電パッチ150)との間にカップリングギャップ(Coupling Gap)を形成して、基準(20×20(W1=20mm、W2=20mm))以下のサイズに形成されてもアンテナの性能が低下しないようにする。
【0031】
カップリングギャップは、第1カップリングギャップ160と、第2カップリングギャップ170とを含む。
【0032】
第1カップリングギャップ160は、下部パッチ130と第1給電パッチ140との間に形成される。すなわち、第1給電ホール132は、第1給電パッチ140よりも大きい(広い)面積で形成される。第1給電ホール132は、第1給電パッチ140から所定間隔離隔して離隔領域を形成する。それにより、第1給電ホール132と第1給電パッチ140との間には第1カップリングギャップ160(すなわち、離隔領域)が形成される。
【0033】
第2カップリングギャップ170は、下部パッチ130と第2給電パッチ150との間に形成される。すなわち、第2給電ホール134は、第2給電パッチ150よりも大きい面積で形成される。第2給電ホール134は、第2給電パッチ150から所定間隔離隔して離隔領域を形成する。それにより、第2給電ホール134と第2給電パッチ150との間には第2カップリングギャップ170(すなわち、離隔領域)が形成される。
【0034】
第1カップリングギャップ160の幅D1および第2カップリングギャップ170の幅D2は、設定範囲内の幅に形成される。この時、第1カップリングギャップ160の幅D1および第2カップリングギャップ170の幅D2は、約0.5mm以上、1.5mm以下の幅に形成されることを一例とする。第1カップリングギャップ160の幅D1は、第2カップリングギャップ170の幅D2に等しく形成される。もちろん、第1カップリングギャップ160の幅D1と第2カップリングギャップ170の幅D2とは、互いに異なる幅に形成されてもよい。
【0035】
第1給電パッチ140および第2給電パッチ150は一般的に円形に形成されるため、第1カップリングギャップ160および第2カップリングギャップ170は、円形のドーナツ形状に形成される。もちろん、第1給電パッチ140および第2給電パッチ150が三角形、四角形などの多角形に形成された場合、第1カップリングギャップ160および第2カップリングギャップ170は、三角形、四角形などの多角形のドーナツ形状に形成される。
【0036】
図4および図5を参照すると、本発明の第2実施形態によるパッチアンテナは、ベース層210と、上部パッチ220と、下部パッチ230と、第1給電ピン240と、第2給電ピン250とを含んで構成される。
【0037】
ベース層210は、誘電体または磁性体で構成される。すなわち、ベース層210は、高誘電率および低い熱膨張係数などの特性を有するセラミックからなる誘電体基板で形成されるか、またはフェライトなどの磁性体からなる磁性体基板で形成される。
【0038】
ベース層210には複数の給電ホールが形成される。すなわち、ベース層210には第1給電ピン240が貫通挿入される第1給電ホール212と、第2給電ピン250が貫通挿入される第2給電ホール214とが形成される。この時、第1給電ホール212とベース層210の中心点とを結ぶ仮想線と、第2給電ホール214とベース層210の中心点とを結ぶ仮想線とは、交差して設定角度をなすように形成される。この時、設定角度は、90度に形成されることが好ましいが、70度以上110度以下の範囲に形成されても構わない。
【0039】
上部パッチ220は、ベース層210の上面に形成される。すなわち、上部パッチ220は、銅、アルミニウム、金、銀などのように電気伝導度が高い導電性材質の薄板であって、ベース層210の上面に形成される。この時、上部パッチ220は、四角形、三角形、円形、八角形などの多角形状に形成される。
【0040】
上部パッチ220の下面は、ベース層210および下部パッチ230を貫通した給電ピンと電気的に連結される。上部パッチ220は、第1給電ピン240および第2給電ピン250による給電またはカップリング給電によって駆動され、GPS衛星およびGLONASS衛星から送出される信号(すなわち、位置情報を含む周波数)を受信する。
【0041】
下部パッチ230は、ベース層210の下面に形成される。すなわち、下部パッチ230は、銅、アルミニウム、金、銀などのように電気伝導度が高い導電性材質の薄板であって、ベース層210の下面に形成される。
【0042】
下部パッチ230には、第1給電ピン240および第2給電ピン250が貫通挿入される複数の給電ホールが形成される。すなわち、下部パッチ230には第3給電ホール232および第4給電ホール234が形成される。第3給電ホール232には第1給電ピン240が貫通挿入され、第4給電ホール234には第2給電ピン250が貫通挿入される。この時、第3給電ホール232と下部パッチ230の中心点とを結ぶ仮想線と、第4給電ホール234と下部パッチ230の中心点とを結ぶ仮想線とは、交差して設定角度をなすように形成される。この時、設定角度は、90度に形成されることが好ましいが、70度以上110度以下の範囲に形成されても構わない。
【0043】
第1給電ピン240および第2給電ピン250は、一側が下部パッチ230およびベース層210を貫通して上部パッチ220の下面に接触する。すなわち、第1給電ピン240は、下部パッチ230の第3給電ホール232およびベース層210の第1給電ホール212を貫通して上部パッチ220の下面に接触する。第2給電ピン250は、下部パッチ230の第4給電ホール234およびベース層210の第2給電ホール214を貫通して上部パッチ220の下面に接触する。
【0044】
第1給電ピン240および第2給電ピン250は、他側が電子機器の給電部(図示せず)に連結されて給電電源が供給される。第1給電ピン240および第2給電ピン250は、ベース層210の上面に形成された上部パッチ220の下面に接触して上部パッチ220に給電電源を供給する。
【0045】
第1給電ピン240および第2給電ピン250は、下部パッチ230およびベース層210の中心部を基準として設定角度を有するように配置される。すなわち、第1給電ピン240と下部パッチ230の中心点とを結ぶ仮想線と、第2給電ピン250と下部パッチ230の中心点とを結ぶ仮想線とは、交差して設定角度をなすように形成され、第1給電ピン240とベース層210の中心点とを結ぶ仮想線と、第2給電ピン250とベース層210の中心点とを結ぶ仮想線とは、交差して設定角度をなすように形成される。この時、設定角度は、90度に形成されることが好ましいが、70度以上110度以下の範囲に形成されても構わない。
【0046】
この時、第1給電ピン240および第2給電ピン250は、銅、アルミニウム、金、銀などのように電気伝導度が高い導電性材質を用いてピン形状に予め作製される。もちろん、第1給電ピン240および第2給電ピン250は、ベース層210、上部パッチ220、下部パッチ230を積層して小体を形成した後、銅、アルミニウム、金、銀などのように電気伝導度が高い導電性材質をベース層210の給電ホールおよび下部パッチ230の給電ホールに注入して形成されてもよい。
【0047】
この時、パッチアンテナの大きさが25×25(W1=25mm、W2=25mm)以上の面積で形成された場合、第1給電ピン240と第2給電ピン250との間に干渉が発生せず、パッチアンテナの性能に影響を及ぼさない。
【0048】
しかし、パッチアンテナの大きさが20×20(W1=20mm、W2=20mm)以下の面積で形成された場合、第1給電ピン240と第2給電ピン250との間の間隔が狭くなるので、干渉が発生してパッチアンテナの性能が低下する。
【0049】
すなわち、パッチアンテナの大きさが減少すると、第1給電ピン240と第2給電ピン250との間の離隔間隔が狭くなるので、第1給電ピン240と第2給電ピン250との間に干渉が発生する。パッチアンテナは、第1給電ピン240と第2給電ピン250との間の干渉の発生によって反射損失(Return loss)が減少し、結果としてアンテナの性能が低下する。
【0050】
そこで、本発明の第実施形態によるパッチアンテナは、下部パッチ230と給電ピン(すなわち、第1給電ピン240および第2給電ピン250)との間にカップリングギャップ(Coupling Gap)を形成して、基準(20×20(W1=20mm、W2=20mm))以下のサイズに形成されてもアンテナの性能が低下しないようにする。
【0051】
カップリングギャップは、第1カップリングギャップ260と、第2カップリングギャップ270とを含む。
【0052】
第1カップリングギャップ260は、下部パッチ230と第1給電ピン240との間に形成される。すなわち、第3給電ホール232は、第1給電ピン240の水平断面よりも大きい面積で形成される。第3給電ホール232は、第1給電ピン240から所定間隔離隔して離隔領域を形成する。それにより、第3給電ホール232と第1給電ピン240との間には第1カップリングギャップ260(すなわち、離隔領域)が形成される。
【0053】
第2カップリングギャップ270は、下部パッチ230と第2給電ピン250との間に形成される。すなわち、第4給電ホール234は、第2給電ピン250の水平断面よりも大きい面積で形成される。第4給電ホール234は、第2給電ピン250から所定間隔離隔して離隔領域を形成する。それにより、第4給電ホール234と第2給電ピン250との間には第2カップリングギャップ270(すなわち、離隔領域)が形成される。
【0054】
第1カップリングギャップ260の幅D3および第2カップリングギャップ270の幅D4は、設定範囲内の幅に形成される。この時、第1カップリングギャップ260の幅D3および第2カップリングギャップ270の幅D4は、約0.5mm以上、1.5mm以下の幅に形成されることを一例とする。第1カップリングギャップ260の幅D3は、第2カップリングギャップ270の幅D4に等しく形成される。もちろん、第1カップリングギャップ260の幅D3と第2カップリングギャップ270の幅D4とは、互いに異なる幅に形成されてもよい。
【0055】
第1給電ピン240および第2給電ピン250の垂直断面は一般的に円形に形成されるため、第1カップリングギャップ260および第2カップリングギャップ270は、円形のドーナツ形状に形成される。もちろん、第1給電ピン240および第2給電ピン250の垂直断面が三角形、四角形などの多角形に形成された場合、第1カップリングギャップ260および第2カップリングギャップ270は、三角形、四角形などの多角形のドーナツ形状に形成される。
【0056】
図6図10を参照すると、本発明の第3実施形態によるパッチアンテナは、ベース層310と、上部パッチ320と、下部パッチ330と、第1給電ピン340と、第2給電ピン350とを含んで構成される。
【0057】
ベース層310は、誘電体または磁性体で構成される。すなわち、ベース層310は、高誘電率および低い熱膨張係数などの特性を有するセラミックからなる誘電体基板で形成されるか、またはフェライトなどの磁性体からなる磁性体基板で形成される。
【0058】
ベース層310には、第1給電ピン340および第2給電ピン350が挿入される複数の給電ホールが形成される。すなわち、図7を参照すると、ベース層310には第1給電ホール312および第2給電ホール314が形成される。第1給電ホール312には第1給電ピン340が挿入され、第2給電ホール314には第2給電ピン350が挿入される。この時、第1給電ホール312とベース層310の中心点とを結ぶ仮想線と、第2給電ホール314とベース層310の中心点とを結ぶ仮想線とは、交差して設定角度をなすように形成される。この時、設定角度は、90度に形成されることが好ましいが、70度以上310度以下の範囲に形成されても構わない。
【0059】
上部パッチ320は、ベース層310の上面に形成される。すなわち、上部パッチ320は、銅、アルミニウム、金、銀などのように電気伝導度が高い導電性材質の薄板であって、ベース層310の上面に形成される。この時、上部パッチ320は、四角形、三角形、円形、八角形などの多角形状に形成される。
【0060】
上部パッチ320には、第1給電ピン340および第2給電ピン350が挿入される複数の給電ホールが形成される。すなわち、図8を参照すると、上部パッチ320には第3給電ホール322および第4給電ホール324が形成される。第3給電ホール322には第1給電ピン340が挿入され、第4給電ホール324には第2給電ピン350が挿入される。この時、第3給電ホール322と上部パッチ320の中心点とを結ぶ仮想線と、第4給電ホール324と上部パッチ320の中心点とを結ぶ仮想線とは、交差して設定角度をなすように形成される。この時、設定角度は、90度に形成されることが好ましいが、70度以上310度以下の範囲に形成されても構わない。
【0061】
上部パッチ320は、第1給電ピン340と第2給電ピン350との間のカップリング給電によって駆動され、GPS衛星およびGLONASS衛星から送出される信号(すなわち、位置情報を含む周波数)を受信する。
【0062】
下部パッチ330は、ベース層310の下面に形成される。すなわち、下部パッチ330は、銅、アルミニウム、金、銀などのように電気伝導度が高い導電性材質の薄板であって、ベース層310の下面に形成される。
【0063】
下部パッチ330には、第1給電ピン340および第2給電ピン350が貫通する複数の給電ホールが形成される。すなわち、下部パッチ330には第5給電ホール332および第6給電ホール334が形成される。第5給電ホール332には第1給電ピン340が貫通し、第6給電ホール334には第2給電ピン350が貫通する。この時、第5給電ホール332と下部パッチ330の中心点とを結ぶ仮想線と、第6給電ホール334と下部パッチ330の中心点とを結ぶ仮想線とは、交差して設定角度をなすように形成される。この時、設定角度は、90度に形成されることが好ましいが、70度以上310度以下の範囲に形成されても構わない。
【0064】
図9を参照すると、第1給電ピン340および第2給電ピン350は、ベース層310、上部パッチ320、および下部パッチ330に形成された給電ホールに挿入される。第1給電ピン340および第2給電ピン350のヘッドは、ベース層310の上面に配置され、第1給電ピン340および第2給電ピン350のボディは、ベース層310、上部パッチ320および下部パッチ330の内部に挿入配置される。
【0065】
第1給電ピン340は、ベース層310の第1給電ホール312、上部パッチ320の第3給電ホール322、および下部パッチ330の第5給電ホール332の内部に挿入配置される。第2給電ピン350は、ベース層310の第2給電ホール314、上部パッチ320の第4給電ホール324、および下部パッチ330の第6給電ホール334の内部に挿入配置される。
【0066】
この時、第1給電ピン340の外周は、第1給電ホール312、第3給電ホール322、および第5給電ホール332の外周(すなわち、内壁面)から所定間隔離隔するように配置され、第2給電ピン350の外周は、第2給電ホール314、第4給電ホール324、および第6給電ホール334の外周(すなわち、内壁面)から所定間隔離隔するように配置される。
【0067】
第1給電ピン340および第2給電ピン350は、パッチアンテナの中心を基準として設定角度を有するように配置される。すなわち、図10を参照すると、第1給電ピン340とパッチアンテナの中心点C’とを結ぶ仮想線A’と、第2給電ピン350とパッチアンテナの中心点C’とを結ぶ仮想線B’とは、交差して設定角度θ’をなすように形成される。この時、設定角度θ’は、90度に形成されることが好ましいが、70度以上310度以下の範囲に形成されても構わない。ここで、図10のf’は、第1給電ピン340および第2給電ピン350の中心点間のy軸(W2)方向の距離を意味する。
【0068】
第1給電ピン340および第2給電ピン350は、上部パッチ320と電磁気的にカップリング連結される。
【0069】
この時、パッチアンテナの大きさが25×25(W1=25mm、W2=25mm)以上の面積で形成された場合、第1給電ピン340と第2給電ピン350との間に干渉が発生せず、パッチアンテナの性能に影響を及ぼさない。
【0070】
しかし、パッチアンテナの大きさが20×20(W1=20mm、W2=20mm)以下の面積で形成された場合、第1給電ピン340と第2給電ピン350との間の間隔が狭くなるので、干渉が発生してパッチアンテナの性能が低下する。
【0071】
すなわち、パッチアンテナの大きさが減少すると、第1給電ピン340と第2給電ピン350との間の離隔間隔が狭くなるので、干渉が発生する。パッチアンテナは、第1給電ピン340と第2給電ピン350との間の干渉の発生によって反射損失(Return loss)が減少し、結果としてアンテナの性能が低下する。
【0072】
そこで、本発明の第3実施形態によるパッチアンテナは、上部パッチ320と給電ピン(すなわち、第1給電ピン340および第2給電ピン350)との間にカップリングギャップ(Coupling Gap)を形成して、基準(20×20(W1=20mm、W2=20mm))以下のサイズに形成されてもアンテナの性能が低下しないようにする。
【0073】
カップリングギャップは、第1カップリングギャップ360を含む。第1カップリングギャップ360は、上部パッチ320と第1給電ピン340との間に形成される。すなわち、第3給電ホール322は、第1給電ピン340よりも大きい面積で形成される。第3給電ホール322は、第1給電ピン340から所定間隔離隔して離隔領域を形成する。それにより、第3給電ホール322と第1給電ピン340との間には第1カップリングギャップ30(すなわち、離隔領域)が形成される。
【0074】
カップリングギャップは、第2カップリングギャップ370をさらに含む。第2カップリングギャップ370は、上部パッチ320と第2給電ピン350との間に形成される。すなわち、第4給電ホール324は、第2給電ピン350よりも大きい面積で形成される。第4給電ホール324は、第2給電ピン350から所定間隔離隔して離隔領域を形成する。それにより、第4給電ホール324と第2給電ピン350との間には第2カップリングギャップ30(すなわち、離隔領域)が形成される。
【0075】
第1カップリングギャップ360の幅D3および第2カップリングギャップ370の幅D4は、設定範囲内の幅に形成される。この時、第1カップリングギャップ360の幅D3および第2カップリングギャップ370の幅D4は、約0.5mm以上、1.5mm以下の幅に形成されることを一例とする。第1カップリングギャップ360の幅D3は、第2カップリングギャップ370の幅D4に等しく形成される。もちろん、第1カップリングギャップ360の幅D3と第2カップリングギャップ370の幅D4とは、互いに異なる幅に形成されてもよい。
【0076】
一般的に、第1給電ピン340および第2給電ピン350のヘッド部分は円形に形成されるため、第1カップリングギャップ360および第2カップリングギャップ370は、円形のドーナツ形状に形成される。
【0077】
もちろん、第1給電ピン340および第2給電ピン350のヘッド部分が三角形、四角形などの多角形に形成された場合、第1カップリングギャップ360および第2カップリングギャップ370は、三角形、四角形などの多角形のドーナツ形状に形成される。
【0078】
図11を参照すると、25×25、第1給電ラインと第2給電ラインとの間の間隔を約2.6mmに作製されたパッチアンテナは、約-11.6dBの反射損失を有し、約93%の送信効率を有する。ここで、第1給電ラインおよび第2給電ラインは、本発明の第1実施形態の第1給電パッチおよび第2給電パッチ、並びに本発明の第2実施形態および第3実施形態の第1給電ピンおよび第2給電ピンに対応する。
【0079】
この時、第1給電ラインと第2給電ラインとの間の間隔を約2.6mmに維持したまま、大きさを20×20に縮小して作製したパッチアンテナは、25×25の大きさのパッチアンテナに比べて約7.9dB増加した、約-3.7dBの反射損失を有し、送信効率が約66%に減少する。
【0080】
これは、パッチアンテナのサイズの減少によって第1給電ラインと第2給電ラインとの間に干渉が発生するからである。
【0081】
本発明の実施形態によるパッチアンテナは、上述した問題点を解消するために、カップリングギャップを形成する。
【0082】
図12を参照すると、20×20のサイズ(f=2.6mm)に作製されたパッチアンテナにカップリングギャップを形成しない場合、約-3.7dBの反射損失と約66%の送信効率を有する。
【0083】
この時、同じサイズのパッチアンテナにカップリングギャップを形成すると、カップリングギャップが形成されないパッチアンテナに比べて約16.7dB減少した約-20.4dBの反射損失を有し、約33%増加した約99%の送信効率を有する。
【0084】
このように、本発明の実施形態によるパッチアンテナは、カップリングギャップを形成して、市場で要求される反射損失および送信効率を満たす。
【0085】
一方、図13を参照すると、20×20のサイズ(f=2.6mm)に作製されたパッチアンテナに形成されたカップリングギャップの幅を約0.5mm単位で増加させると、パッチアンテナの反射損失および送信効率が向上することが分かる。
【0086】
すなわち、カップリングギャップの幅を約0.5mmに形成したパッチアンテナは、約-10.9dBの反射損失と約92%の送信効率を有する。
【0087】
カップリングギャップの幅を増加させて約1.0mmに形成したパッチアンテナは、0.5mmの幅であるパッチアンテナに比べて反射損失が約9.5dB減少して約-20.4dBの反射損失を有し、送信効率が約7%増加して約99%の送信効率を有する。
【0088】
カップリングギャップの幅を増加させて約1.5mmに形成したパッチアンテナは、0.5mmの幅であるパッチアンテナに比べて反射損失が約11.4dB減少して約-22.3dBの反射損失を有し、送信効率が約7.4%増加して約99.4%の送信効率を有する。
【0089】
このように、パッチアンテナは、カップリングギャップの幅が約0.5mm以上、1.5mm以下に形成された時、アンテナ市場で要求される反射損失および送信効率を満たすことができる。
【0090】
この時、カップリングギャップの幅が約0.5mm未満であるか、1.5mmを超える場合、反射損失が増加して送信効率が低下するため、アンテナ市場で要求される反射損失および送信効率を満たすことができない。
【0091】
したがって、本発明の実施形態によるパッチアンテナは、カップリングギャップの幅を約0.5mm以上、1.5mm以下に形成する。
【0092】
以上、本発明による好ましい実施形態について説明したが、本発明は多様な形態に変形可能であり、本発明の技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術範囲を逸脱しない範囲内で多様な変形例および修正例を実施できることが理解される。
【符号の説明】
【0093】
110、210、310 ベース層
120、220、320 上部パッチ
130、230、330 下部パッチ
132、212、312 第1給電ホール
134、214、314 第2給電ホール
140 第1給電パッチ
150 第2給電パッチ
160、260、360 第1カップリングギャップ
170、270、370 第2カップリングギャップ
232、322 第3給電ホール
234、324 第4給電ホール
240、340 第1給電ピン
250、350 第2給電ピン
332 第5給電ホール
334 第6給電ホール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13