IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-マスククリーニング装置 図1
  • 特許-マスククリーニング装置 図2
  • 特許-マスククリーニング装置 図3
  • 特許-マスククリーニング装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-21
(45)【発行日】2023-03-02
(54)【発明の名称】マスククリーニング装置
(51)【国際特許分類】
   B41F 35/00 20060101AFI20230222BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20230222BHJP
【FI】
B41F35/00 C
H05K3/34 505D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021540607
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 JP2019032818
(87)【国際公開番号】W WO2021033313
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000969
【氏名又は名称】弁理士法人中部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】絹田 実
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-016613(JP,A)
【文献】特開2008-087310(JP,A)
【文献】中国実用新案第201438127(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105203186(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 31/00 - 35/06
H05K 3/32 - 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
はんだペーストをマスクを通して基板に付着させることによってその基板にはんだパターンを印刷するはんだ印刷機に用いられ、そのマスクの基板への接触面を清浄するマスククリーニング装置であって、
前記マスクの前記接触面を拭うクリーニングシートと、
前記クリーニングシートの上方に位置してそのクリーニングシートに溶剤を吐出するノズルと、
前記溶剤を貯留する第1タンクと、
前記ノズルよりも上方に配設され、周壁が透明な筒状をなして前記溶剤を貯留する第2タンクと、
前記第1タンクから前記第2タンクに前記溶剤を汲み上げるポンプと、
水頭圧によって前記第2タンクから前記ノズルに前記溶剤を送給するためにそれら第2タンクとノズルとを繋ぐ送給管と、
前記送給管の開閉を切り換えるバルブと、
前記周壁を通して光学的に前記第2タンク内の前記溶剤の量を測定するためにその第2タンクに固定的に併設され、前記第2タンク内においてある高さの位置として設定された検出位置に前記溶剤が存在するときを第1状態として検知し、存在しないときを第2状態として検知するセンサと、
前記センサによって検知される状態に基づいて、前記バルブおよび前記ポンプを制御するコントローラと
を備え、
前記第2タンク内において前記溶剤に浮かべられ、前記検出位置に位置するときに前記センサが前記第1状態として検知する第1部分と、前記検出位置に位置するときに前記センサが前記第2状態として検知する第2部分とが交互に積層されてなるフロートを有し
前記コントローラが、
1回の吐出により、設定吐出量だけ前記溶剤が前記ノズルから吐出されるように、前記バルブを制御し、
前記フロートの下降に伴う前記第1状態と前記第2状態との切換りに基づいて、前記溶剤の1回の吐出の量が適正であることを確認し、
前記溶剤の1回の吐出の量が適正であることを確認できなかった場合に、異常である旨を報知するように構成されたことを特徴とするマスククリーニング装置。
【請求項2】
前記フロートが、
前記ノズルからの前記溶剤の1回の吐出ごとに前記第1状態と前記第2状態との切換りが少なくとも1回生じるように、前記第1部分と前記第2部分とが積層されたものである請求項1に記載のマスククリーニング装置。
【請求項3】
前記コントローラが、
1回の作動により、前記溶剤を前記第1タンクから前記第2タンクに設定汲上量だけ汲み上げるように、前記ポンプを制御し、
前記設定汲上量の前記溶剤を複数回に分けて前記ノズルから吐出させるべく、その設定汲上量および前記設定吐出量が設定されている請求項1または請求項2に記載のマスククリーニング装置。
【請求項4】
前記コントローラが、
前記ポンプの1回の作動の後、前記フロートの下降に伴う前記第1状態と前記第2状態との切換りに基づいて、前記ポンプの次の1回の作動を許容するように構成された請求項3に記載のマスククリーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はんだペーストをマスクを通して基板に付着させることによってその基板にはんだパターンを印刷するはんだ印刷機に用いられ、そのマスクの基板への接触面を清浄するマスククリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記マスククリーニング装置は、例えば、下記特許文献に記載されているようなものが存在し、そのマスククリーニング装置は、(a) マスクの接触面を拭うクリーニングシートと、(b) そのクリーニングシートの上方に位置してそのクリーニングシートに溶剤を吐出するノズルと、(c) 溶剤を貯留する第1タンクと、(d) ノズルよりも上方に配設され、溶剤を貯留する第2タンクと、(e) 第1タンクから第2タンクに溶剤を汲み上げるポンプと、(f) 水頭圧によって第2タンクからノズルに溶剤を送給するためにそれら第2タンクとノズルとを繋ぐ送給管と、(g) 送給管の開閉を切り換えるバルブと、(h) 第2タンク内の溶剤の有無を検出するためのセンサと、(i) そのセンサによって検知される状態に基づいて、バルブおよびポンプを制御するコントローラとを備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-16613号公報
【発明の概要】
【発明の解決しようとする課題】
【0004】
上記マスククリーニング装置において、例えば、第2タンクを、周壁が透明な筒状をなすように構成し、センサを、第2タンクに固定的に併設し、周壁を通して光学的に前記第2タンク内の溶剤の量を測定するように構成することが可能である。詳しく言えば、第2タンク内においてある高さの位置として設定された検出位置に溶剤が存在するときを第1状態として検知し、存在しないときを第2状態として検知するようなセンサを採用することが可能である。しかしながら、そのように構成したとしても、吐出による第2タンク内の溶剤の減少をある程度に把握することは困難である。第2タンク内の溶剤の減少をある程度に把握できれば、上記マスククリーニング装置の実用性を向上させることが可能である。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高いマスククリーニング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明のマスククリーニング装置は、上記マスククリーニング装置において、第2タンク内において溶剤に浮かべられ、上記検出位置に位置するときにセンサが上記第1状態として検知する第1部分と、上記検出位置に位置するときにセンサが上記第2状態として検知する第2部分とが交互に積層されてなるフロートを有し、コントローラが、1回の吐出により、設定吐出量だけ溶剤がノズルから吐出されるように、バルブを制御し、フロートの下降に伴う上記第1状態と上記第2状態との切換りに基づいて、溶剤の1回の吐出の量が適正であることを確認し、溶剤の1回の吐出の量が適正であることを確認できなかった場合に、異常である旨を報知するように構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明のマスククリーニング装置によれば、ノズルからの吐出に伴って、第2タンク内の溶剤が減少し、フロートが下降する。そのフロートの下降に伴って、第1状態と第2状態とが切り換わり、その切換りに基づいて、第2タンク内の溶剤の減少をある程度で把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施例のマスククリーニング装置が装備されているはんだ印刷機の全体構成を示す斜視図である。
図2】実施例のマスククリーニング装置のハード構成を示す模式図である。
図3】実施例のマスククリーニング装置が備える第2タンク内のフロートの動作を説明する模式図である。
図4】実施例のマスククリーニング装置において実行される溶剤関連処理プログラムを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の代表的な実施形態を、実施例として、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
【実施例
【0009】
実施例のマスククリーニング装置が装備されているはんだ印刷機10は、図1に示すようなハード構成を有している。水平面に平行でかつ互いに直交する2つの方向をX方向,Y方向と定義して説明すれば、はんだ印刷機10は、フレーム12と、フレーム12に支持されて基板SをX方向に搬送するとともに所定位置に停止させるコンベア装置14と、多数の開口Hが穿設されたステンレス製のマスクMを保持するマスク保持装置16と、所定位置に停止させられた基板Sを保持してマスクMの下面(接触面)に接触させるべくその基板Sを昇降させる基板昇降装置18と、スキージ20をマスクMの上面に接触させつつY方向に移動させるスキージ装置22とを含んで構成された一般的なものである。マスクMの上面にはんだペーストが投入され、基板SをマスクMの下面に接触させた状態でスキージ20を移動させることで、はんだペーストは、マスクMを通して、詳しくはマスクの開口Hを通して、基板Sに付着させられ、その結果、その基板Sにはんだパターンが印刷される。
【0010】
実施例のマスククリーニング装置(以下、単に、「クリーニング装置」という場合がある)30は、はんだ印刷機10において、マスクMの開口Hに付き残った余剰のはんだペーストや、マスクMの下面に食み出たはんだペースト等を除去しつつ、マスクMの下面を清浄する装置である。図1図2を参照して説明すれば、クリーニング装置30は、不織布であるクリーニングシート32を保持するシート保持装置34と、シート保持装置34をマスクMの下面に沿ってY方向に移動させるシート移動装置(図示省略)と、溶剤Lをクリーニングシート32に浸み込ませるべく供給する溶剤供給装置36とを含んで構成されている。
【0011】
シート保持装置34は、基台40と、基台に保持されて一方に巻回されたクリーニングシート32を他方に巻き取る1対のローラ42と、それら1対のローラ42の間においてクリーニングシート32を下方からバックアップするバックアップ体44とを有している。クリーニングシート32が他方のローラ42に間欠的に巻き取られることで、汚れていない部分が随時バックアップ体44の上面に位置させられる。クリーニングシート32は、バックアップ体44にバックアップされた部分においてマスクMの下面と接触するようにされており、その部分がマスクMの下面に接触した状態でシート保持装置34がシート移動装置によって移動させられることで、クリーニングシート32は、マスクMの下面を拭く。一方で、バックアップ体44には、スリット46が設けられており、このスリット46は、吸引管48を介して負圧源(図示を省略)に接続されており、吸引管48に設けられたバルブ50を開状態とすることで、マスクMの下面に付着しているはんだペースト等が溶剤Lとともに吸引される。
【0012】
溶剤Lは、マスクMの下面の清浄を充分に行うべくはんだペーストを溶解若しくは希釈する目的で、クリーングシート32のバックアップ体44にバックアップされた部分に浸み込ませる。そのため、溶剤供給装置36は、クリーニングシート32の上方に位置させられたノズル52を有している。ノズル52の先端部の下側の部分には吐出穴が設けられており、溶剤Lは、その吐出穴からクリーニングシート32に滴下されるようにして吐出される。ノズル52は、シート保持装置34の基台40に設けられたレール54に支持されており、溶剤Lの吐出に際し、ノズル移動装置(図示省略)によってX方向に移動させられる。ちなみに、溶剤Lの吐出は、マスクMからY方向において外れた位置にシート保持装置34が位置させられた状態(図1に示す状態)において行われる。ちなみに、クリーニングシート32がマスクMの下面を拭うときに、ノズル52は、退避させられるようになっている。
【0013】
溶剤供給装置36は、ノズル52以外は、図1における図示が省略されているが、溶剤Lを貯留する2つのタンクである第1タンク56,第2タンク58を備えている。第1タンク56は、比較的大容量の主たるタンクである。その一方で、第2タンク58は、第1送給管60を介して水頭圧によってノズル52に溶剤Lを供給するために、一時的に溶剤Lを貯留するタンクであり、比較的小さな容量しか有しておらず、また、ノズル52よりも上方に配置されている。
【0014】
第2タンク58とノズル52とを繋ぐ第1送給管60には、その第1送給管60の開閉を切り換えるためのバルブ62が設けられており、そのバルブ62を開状態とすることで、第2タンク58に貯留された溶剤Lが、自重によって、ノズル52から吐出される。第1タンク56から第2タンク58への溶剤Lの送給は、第2送給管64を介して、その第2送給管64の途中に配設されたポンプ66によって行われる。
【0015】
第2タンク58は、周壁が透明な筒状をなしており、周壁を通して光学的に第2タンク58内の溶剤Lの量を測定するためのセンサ68が、第2タンク58に対して、固定的に、併設されている。センサ68は、反射光を利用した検出を行うセンサであり、第2タンク58において特定の高さの位置として設定された検出位置hに溶剤Lが存在するときに、ON信号を出力し、その検出位置に溶剤Lが存在しないときに、ON信号を出力しない、すなわち、OFF信号を出力する。別の言い方をすれば、検出位置hに溶剤Lが存在するときを、第1状態として検知し、存在しないときを、第2状態として検知する。
【0016】
当該はんだ印刷機10は、自身の作動の制御を司るために、コンピュータを主体として構成されたコントローラ70を備えており、ノズル52からの溶剤Lの吐出、および、第1タンク56から第2タンク58への溶剤の汲み上げ、すなわち、バルブ62およびポンプ66の制御は、そのコントローラ70によって行われる。つまり、コントローラ70は、クリーニング装置30のコントローラとしても機能する。
【0017】
従来のはんだ印刷機、詳しく言えば、従来のクリーニング装置では、コントローラ70は、マスクMの下面のクリーニングを行うときに、バルブ62を設定時間だけ開状態とすることで、設定吐出量だけ、溶剤Lをノズル52から吐出させるとともに、センサ68によって第2状態が検知されたときに、設定時間ポンプ66を作動させて、設定汲上量だけ、第1タンク56から第2タンク58へ溶剤Lを汲み上げていた。例えば、第1送給管60に障害等が発生しているような場合、バルブ62を設定時間開状態としても、適正な量、すなわち、設定吐出量の溶剤Lが吐出されない。上記制御を実行するだけのコントローラ70では、適正量の溶剤Lが吐出されたことを認識することが困難であった。
【0018】
そこで、本実施例のクリーニング装置30では、第2タンク58内に、溶剤Lに浮かべられるフロート80を有している。このフロート80は、検出位置hに位置するときにセンサ68が第1状態として検知する第1部分82と、第2状態として検知する第2部分84とが交互に積層されて形成されている。詳しく言えば、第1部分82aの上に第2部分84が、その上に別の第1部分82bが積み重ねられたようになっている。言い換えれば、2つの第1部分82a,82b(以下、区別する必要がないときには、「第1部分82」と総称する場合がある)によって第2部分84が上下に挟まれたようなフロート80とされている。ちなみに、第1部分82a,82b,第2部分84のそれぞれの厚さは、等しくされている。また、フロート80の外径は、第2タンク58の周壁の内径よりもある程度小さくされており、第2タンク58内に第2送給管64から送入される溶剤Lは、フロート80の外周面と第2タンク58の内周面との間を通って、フロート80の下に貯留される。
【0019】
フロート80を利用した実施例のクリーニング装置30の制御について、以下に、図3を参照しつつ説明する。ちなみに、ポンプ66の1回の作動によって、設定汲上量Viの溶剤Lが第2タンク58に汲み上げられ、1回のバルブ62の開状態による1回の吐出で、設定吐出量Voの溶剤Lがノズル52から吐出されるようにされており、設定汲上量Viは、設定吐出量Voの2倍(Vi=2×Vo)とされている。つまり、コントローラ70は、1回の作動により、溶剤Lを第1タンク56から第2タンク58に設定汲上量Viだけ汲み上げるように、ポンプ66を制御し、バルブ62を制御して設定汲上量Viの溶剤Lを複数回(具体的には2回)に分けてノズル52から吐出させるべく、それら設定汲上量Viおよび設定吐出量Voが設定されているのである。
【0020】
なお、図3(a)は、ポンプ66の1回の作動による溶剤Lの第2タンク58への汲み上げが完了した状態、図3(b)は、1回目のノズル52からの溶剤Lの吐出が完了した状態、図3(c)は、2回目のノズル52からの溶剤Lの吐出が完了した状態を、それぞれ示している。
【0021】
クリーニング装置30の制御は、図4にフローチャートを示す溶剤関連処理プログラムを、マスクMの下面のクリーニングを行う旨の指令をトリガとして、コントローラ70が実行することによって行われる。以下に、このプログラムに従って、クリーニング装置30の制御における各処理を説明する。
【0022】
溶剤関連処理プログラムに従う処理では、当該プログラムの実行が開始される時点では、第2タンク58は、図3(a)若しくは図3(b)に示す状態となっており、まず、ステップ1(以下、「S1」と略す。他のステップも同様である。)において、設定吐出量Voの溶剤Lをノズル52から吐出させるべく、バルブ62が設定時間だけ開状態とされる。本クリーニング装置30では、ポンプ66の作動からの溶剤Lの吐出回数を数えるためのカウンタCが採用されており、S2において、そのカウンタCがカウントアップされる。ちなみに、カウンタCは、後に説明するように、ポンプ66が作動させられた都度“0”にリセットされる。
【0023】
溶剤Lのノズル52からの吐出の後、S3において、センサ68の信号の変化に基づいて、適正量すなわち設定吐出量Voの溶剤Lの吐出が行われたか否かが判定される。具体的に説明すれば、適正量の1回目の吐出が行われれば、第2タンク58は、図3(a)に示す状態から図3(b)に示す状態に変化する。この吐出において、センサ68の信号は、ON信号からOFF信号に変化する。言い換えれば、センサ68によって検知されている状態が、第1状態から第2状態に変化する。その後、適正量の2回目の吐出が行われれば、第2タンク58は、図3(b)に示す状態から図3(c)に示す状態に変化する。この吐出において、センサ68の信号は、OFF信号からON信号に変わった後にさらにOFF信号に変化する。言い換えれば、センサ68によって検知されている状態が、第2状態から第1状態に変わった後に第2状態に変化する。S3では、この第1状態から第2状態への変化、すなわち、1回の吐出の間に、センサ68から出力される信号がON信号からOFF信号に変化したか否かが判定される。ON信号からOFF信号への切換りがあった場合には、適正量の溶剤Lの吐出が行われたと判断され、ON信号からOFF信号への切換りがなかった場合には、適正量の溶剤Lの吐出が行われなかったと判断されて、S4において、図示を省略する当該はんだ印刷機10の操作パネルを介して、当該はんだ印刷機10のオペレータに、クリーニング装置30が異常である旨が報知される。
【0024】
適正量の溶剤Lの吐出が行われたと判断された場合には、S5において、カウンタCの値が“2”以上であるか否かが判定される。“2”未満の場合、すなわち、“1”である場合には、そのまま、当該プログラムの実行が終了する。“2”以上である場合には、適正量の溶剤Lの2回の吐出が行われたと認識され、S6において、設定汲上量Viの第1タンク56から第2タンク58への溶剤Lの汲み上げを行うべく、ポンプ66が設定時間だけ作動させられ、S7において、カウンタCがリセットされる。
【0025】
以上説明した処理から解るように、本クリーニング装置30では、フロート80は、ノズル52からの溶剤Lの1回の吐出ごとに、センサ68によって検知される第1状態と第2状態との切換りが少なくとも1回生じるように、第1部分82と第2部分84とが積層されたものであるため、吐出による第2タンク58内の溶剤Lの減少、すなわち、フロート80の下降に伴う第1状態と第2状態との切換りに基づいて、溶剤Lの1回の吐出の吐出量が適正であることを確認することができるのである。
【0026】
また、上記処理に従うことで、本クリーニング装置30では、コントローラ70が、ポンプ66の1回の作動の後、フロート80の下降に伴う第1状態と第2状態との切換りに基づいて、ポンプ66の次の1回の作動を許容するようにされているのである。
【0027】
上記実施例のクリーニング装置30では、設定汲上量Viの溶剤Lを2回に分けてノズル52から吐出させるようにされていたが、例えば、3回以上の吐出回数に分けて吐出するようにしてもよい。また、上記フロート80は、2つの第1部分82と1つの第2部分84とが交互に積層されていたが、第1部分と第2部分との積層の数,順序や、第1部分,第2部分の各々の厚み等は、設定汲上量,設定吐出量,1回の溶剤の汲み上げに対する吐出の回数等に応じて、任意に変更することが可能である。
【符号の説明】
【0028】
10:はんだ印刷機 30:マスククリーニング装置 32:クリーニングシート 34:シート保持装置 36:溶剤供給装置 52:ノズル 56:第1タンク 58:第2タンク 60:第1送給管 62:バルブ 66:ポンプ 68:センサ 70:コントローラ 80:フロート 82a,82b:第1部分 84:第2部分 M:マスク L:溶剤 h:検出位置 Vi:設定汲上量 Vo:設定吐出量
図1
図2
図3
図4