(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】発光装置およびプロジェクター
(51)【国際特許分類】
H01L 33/24 20100101AFI20230224BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20230224BHJP
H01L 33/16 20100101ALI20230224BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20230224BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20230224BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20230224BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20230224BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230224BHJP
【FI】
H01L33/24
H01L33/08
H01L33/16
H01L33/00 L
G03B21/14 A
H04N5/74 Z
F21S2/00 311
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019035580
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502350504
【氏名又は名称】学校法人上智学院
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】野田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】岸野 克巳
【審査官】淺見 一喜
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/117056(WO,A1)
【文献】特開2018-133517(JP,A)
【文献】特表2016-521459(JP,A)
【文献】特開2018-133516(JP,A)
【文献】国際公開第2010/023921(WO,A1)
【文献】米国特許第08759814(US,B2)
【文献】特開2009-059740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01S 5/00-5/50
G03B 21/14
H04N 5/74
F21S 2/00
F21Y 115/30
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体と、
前記基体に設けられ、複数の柱状部を有する積層体と、
を有し、
前記柱状部は、
第1半導体層と、
前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられている発光層と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記基体と前記発光層との間に設けられ、
前記第2半導体層は、
第3半導体層と、
前記第3半導体層よりも不純物濃度が低い第4半導体層と、
を有し、
前記発光層は、ファセット面を有し、
前記第4半導体層は、ファセット面を有し、
前記発光層のファセット面には、前記第4半導体層が設けられ、
前記積層体が設けられている前記基体の面に対する、前記発光層のファセット面の傾斜角をθ3とし、
前記基体の面に対する、前記発光層のファセット面に設けられている前記第4半導体層のファセット面の傾斜角をθ4とした場合、
θ4>θ3である、発光装置。
【請求項2】
請求項
1において、
前記発光層は、c面を有し、
前記第4半導体層は、c面を有している、発光装置。
【請求項3】
請求項
2において、
前記積層体の積層方向における平面視で、前記発光層のc面は、前記発光層のファセット面よりも大きい、発光装置。
【請求項4】
請求項
2または
3において、
前記積層体の積層方向における平面視で、前記第4半導体層のc面は、前記第4半導体層のファセット面よりも大きい、発光装置。
【請求項5】
請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の発光装置を有する、プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザーは、高輝度の次世代光源として期待されている。特に、ナノコラム、ナノワイヤー、ナノロッド、ナノピラーなどと呼ばれるナノ構造を有する半導体レーザーは、フォトニック結晶の効果によって、狭放射角で高出力の発光が得られる発光装置が実現できると期待されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、微結晶柱状結晶の位置および形状を制御することにより、発光波長あるいは光吸収波長を制御した半導体光素子アレイが開示されている。例えば、特許文献1では、微結晶柱状結晶であるn型半導体層と、n型半導体層上に設けられた活性層と、活性層上に設けられたp型半導体層と、からなるナノコラムを含む発光素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、微結晶柱状結晶が先端部にファセット構造を有している。すなわち、微結晶柱状結晶は、先端部が尖った形状を有している。また、活性層も同様に、先端部が尖った形状を有している。したがって、n型半導体層と活性層との境界部分、および活性層とp型半導体層との境界部分において、尖った部分に電界が集中する。この結果、活性層において局所的に電流密度が高くなり、活性層に効率よく電流を注入することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る発光装置の一態様は、
基体と、
前記基体に設けられ、複数の柱状部を有する積層体と、
を有し、
前記柱状部は、
第1半導体層と、
前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられている発光層と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記基体と前記発光層との間に設けられ、
前記発光層は、
第1層と、
前記第1層よりもバンドギャップの大きい第2層と、
を有し、
前記第1半導体層は、ファセット面を有し、
前記第1層は、ファセット面を有し、
前記第1半導体層のファセット面には、前記第1層が設けられ、
前記積層体が設けられている前記基体の面に対する、前記第1半導体層のファセット面
の傾斜角をθ1とし、
前記基体の面に対する、前記第1半導体層のファセット面に設けられている前記第1層のファセット面の傾斜角をθ2とした場合、
θ2>θ1である。
【0007】
本発明に係る発光装置の一態様において、
前記第1層は、
第1部分と、
前記第1部分よりもバンドギャップが大きい第2部分と、
を有していてもよい。
【0008】
本発明に係る発光装置の一態様において、
前記第1半導体層は、c面を有し、
前記第1層は、c面を有していてもよい。
【0009】
本発明に係る発光装置の一態様において、
前記積層体の積層方向における平面視で、前記第1半導体層のc面は、前記第1半導体層のファセット面よりも大きくてもよい。
【0010】
本発明に係る発光装置の一態様において、
前記積層体の積層方向における平面視で、前記第1層のc面は、前記第1層のファセット面よりも大きくてもよい。
【0011】
本発明に係る発光装置の一態様は、
基体と、
前記基体に設けられ、複数の柱状部を有する積層体と、
を有し、
前記柱状部は、
第1半導体層と、
前記第1半導体層と導電型の異なる第2半導体層と、
前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられている発光層と、
を有し、
前記第1半導体層は、前記基体と前記発光層との間に設けられ、
前記第2半導体層は、
第3半導体層と、
前記第3半導体層よりも不純物濃度が低い第4半導体層と、
を有し、
前記発光層は、ファセット面を有し、
前記第4半導体層は、ファセット面を有し、
前記発光層のファセット面には、前記第4半導体層が設けられ、
前記積層体が設けられている前記基体の面に対する、前記発光層のファセット面の傾斜角をθ3とし、
前記基体の面に対する、前記発光層のファセット面に設けられている前記第4半導体層のファセット面の傾斜角をθ4とした場合、
θ4>θ3である。
【0012】
本発明に係る発光装置の一態様において、
前記発光層は、c面を有し、
前記第4半導体層は、c面を有していてもよい。
【0013】
本発明に係る発光装置の一態様において、
前記積層体の積層方向における平面視で、前記発光層のc面は、前記発光層のファセット面よりも大きくてもよい。
【0014】
本発明に係る発光装置の一態様において、
前記積層体の積層方向における平面視で、前記第4半導体層のc面は、前記第4半導体層のファセット面よりも大きくてもよい。
【0015】
本発明に係るプロジェクターの一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【
図2】第1実施形態に係る発光装置の柱状部を模式的に示す断面図。
【
図3】第1実施形態に係る発光装置の柱状部における電界の様子を説明するための図。
【
図4】参考例に係る発光装置の柱状部における電界の様子を説明するための図。
【
図5】第1実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図6】第1実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図7】第1実施形態の変形例に係る発光装置の柱状部を模式的に示す断面図。
【
図8】第2実施形態に係る発光装置の柱状部を模式的に示す断面図。
【
図9】第3実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0018】
1. 第1実施形態
まず、第1実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る発光装置100を模式的に示す断面図である。
【0019】
発光装置100は、
図1に示すように、基体10と、積層体20と、第1電極50と、第2電極52と、を有している。
【0020】
基体10は、例えば、板状の形状を有している。基体10は、例えば、シリコン(Si)基板、窒化ガリウム(GaN)基板、サファイア基板などである。
【0021】
積層体20は、基体10に設けられている。図示の例では、積層体20は、基体10上に設けられている。積層体20は、基体10の主面11に設けられている。基体10の主面11は、図示の例では、基体10の上面である。積層体20は、例えば、バッファー層22と、複数の柱状部30と、絶縁層40と、を有している。
【0022】
なお、本発明において、「上」とは、積層体20の積層方向(以下、単に「積層方向」ともいう)において、柱状部30の発光層34からみて基体10から遠ざかる方向のことであり、「下」とは、積層方向において、発光層34からみて基体10に近づく方向のことである。本発明において、「積層体20の積層方向」とは、柱状部30の第1半導体層32と発光層34との積層方向のことである。
【0023】
バッファー層22は、基体10上に設けられている。バッファー層22は、基体10の主面11に設けられている。バッファー層22は、例えば、シリコンがドープされたn型のGaN層である。バッファー層22上には、柱状部30を形成するためのマスク層60が設けられている。マスク層60は、例えば、チタン層、酸化チタン層、酸化シリコン層、酸化アルミニウム層などである。
【0024】
柱状部30は、バッファー層22上に設けられている。積層方向から見た柱状部30の平面形状は、例えば、多角形、円などである。柱状部30の径は、nmオーダーであり、例えば、10nm以上500nm以下である。柱状部30は、ナノコラム、ナノワイヤー、ナノロッド、ナノピラーとも呼ばれる。柱状部30の積層方向の大きさは、例えば、0.1μm以上5μm以下である。
【0025】
本発明において、「径」とは、柱状部30の積層方向から見た平面形状が円の場合は、直径であり、柱状部30の平面形状が円ではない形状の場合は、最小包含円の直径である。例えば、柱状部30の平面形状が多角形の場合は、該多角形を内部に含む最小の円であり、柱状部30の平面形状が楕円の場合は、該楕円を内部に含む最小の円である。
【0026】
柱状部30は、複数設けられている。隣り合う柱状部30の間隔は、例えば、1nm以上500nm以下である。複数の柱状部30は、積層方向から見た平面視において、所定の方向に所定のピッチで配列されている。複数の柱状部30は、積層方向から見た平面視において、例えば、三角格子状、四角格子状などに配置されている。複数の柱状部30は、フォトニック結晶の効果を発現することができる。柱状部30は、第1半導体層32と、発光層34と、第2半導体層36と、を有している。
【0027】
第1半導体層32は、バッファー層22上に設けられている。第1半導体層32は、基体10と発光層34との間に設けられている。第1半導体層32は、例えば、窒化ガリウムを含むn型の半導体層である。第1半導体層32は、例えば、シリコンがドープされたn型のGaN層である。
【0028】
発光層34は、第1半導体層32上に設けられている。発光層34は、第1半導体層32と第2半導体層36との間に設けられている。発光層34は、不純物がドープされていないi型の半導体層である。発光層34は、多重量子井戸構造(multi quantum well、MQW)を有している。
【0029】
第2半導体層36は、発光層34上に設けられている。第2半導体層36は、第1半導体層32と導電型の異なる層である。第2半導体層36は、例えば、窒化ガリウムを含むp型の半導体層である。第2半導体層36は、例えば、マグネシウム(Mg)がドープされたp型のGaN層である。第1半導体層32および第2半導体層36は、発光層34に光を閉じ込める機能を有するクラッド層である。
【0030】
なお、
図1では、柱状部30を簡略化して図示している。柱状部30の構造の詳細は、後述する。
【0031】
絶縁層40は、隣り合う柱状部30の間に設けられている。絶縁層40は、マスク層60上に設けられている。絶縁層40は、柱状部30の側面を覆っている。すなわち、絶縁層40は、第1半導体層32の側面、発光層34の側面、および第2半導体層36の側面を覆っている。絶縁層40の屈折率は、柱状部30の屈折率よりも低い。例えば、絶縁層40の屈折率は、第1半導体層32の屈折率、発光層34の屈折率、および第2半導体層36の屈折率よりも低い。絶縁層40は、例えば、窒化ガリウムを含むi型の半導体層である。絶縁層40は、例えば、不純物がドープされていないGaN層である。
【0032】
絶縁層40は、発光層34で発生した光を伝搬する光伝搬層として機能する。また、絶縁層40は、発光層34の側面での非発光再結合を抑制するための保護膜としても機能する。なお、絶縁層40は、GaN層に限定されず、光伝搬層および保護膜としての機能を有していれば、AlGaN層など、その他の絶縁層であってもよい。
【0033】
第1電極50は、バッファー層22上に設けられている。バッファー層22は、第1電極50とオーミックコンタクトしていてもよい。第1電極50は、第1半導体層32と電気的に接続されている。図示の例では、第1電極50は、バッファー層22を介して、第1半導体層32と電気的に接続されている。第1電極50は、発光層34に電流を注入するための一方の電極である。第1電極50としては、例えば、バッファー層22側から、Ti層、Al層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。なお、基体10が導電性の場合には、図示はしないが、第1電極50は、基体10の下に設けられていてもよい。
【0034】
第2電極52は、積層体20の基体10側とは反対側に設けられている。図示の例では、第2電極52は、第2半導体層36上に設けられている。第2半導体層36は、第2電極52とオーミックコンタクトしていてもよい。第2電極52は、第2半導体層36と電気的に接続されている。第2電極52は、発光層34に電流を注入するための他方の電極である。第2電極52としては、例えば、ITO(indium tin oxide)などを用いる。
【0035】
発光装置100では、p型の第2半導体層36、発光層34、およびn型の第1半導体層32により、pinダイオードが構成される。発光装置100では、第1電極50と第2電極52との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、発光層34に電流が注入されて発光層34において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。発光層34において発生した光は、第1半導体層32および第2半導体層36により積層方向と直交する方向に絶縁層40を通って伝搬し、複数の柱状部30によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、発光層34において利得を受けてレーザー発振する。そして、発光装置100は、+1次回折光および-1次回折光をレーザー光として、積層方向に出射する。
【0036】
なお、図示はしないが、基体10とバッファー層22との間、または基体10の下に反射層が設けられていてもよい。該反射層は、例えば、DBR(Distributed Bragg Reflector)層である。該反射層によって、発光層34において発生した光を反射させることができ、発光装置100は、第2電極52側からのみ光を出射することができる。
【0037】
【0038】
発光層34は、第1層340と、第2層342と、を有している。発光層34は、第1層340と、第2層342と、が交互に配置された多重量子井戸構造を有している。図示の例では、発光層34は、第1層340と第2層342とから構成される量子井戸構造を3つ重ねた多重量子井戸構造を有している。
【0039】
第1層340は、例えば、不純物がドープされていないi型のInGaN層である。第1層340は、量子井戸構造のウェルである。第1層340は、第1部分341aと、第2部分341bと、を有している。
【0040】
第1部分341aのインジウム(In)の濃度は、第2部分341bのインジウムの濃度よりも高い。第2部分341bのバンドギャップは、第1部分341aのバンドギャップよりも大きい。第1部分341aは、積層方向から見て、第1半導体層32のc面4aに重なっている。積層方向から見て、第1部分341aは、柱状部30の中央部に位置し
、第2部分341bは、第1部分341aを囲んでいる。
【0041】
第2層342は、例えば、不純物がドープされていないi型のGaN層である。なお、第2層342は、i型のInGaN層であってもよい。この場合、第2層342のインジウムの濃度は、第1層340のインジウムの濃度よりも低い。第2層342は、量子井戸構造のバリアである。第2層342のバンドギャップは、第1層340のバンドギャップよりも大きい。
【0042】
第2半導体層36は、第3半導体層360と、第4半導体層362と、を有している。第4半導体層362は、発光層34上に設けられている。第3半導体層360は、第4半導体層362上に設けられている。第4半導体層362は、発光層34と第3半導体層360との間に設けられている。第4半導体層362の不純物濃度は、第3半導体層360の不純物濃度よりも低い。第4半導体層362の不純物濃度は、例えば、1×1018~3×1019cm-3程度である。第3半導体層360の不純物濃度は、例えば、1×1019~1×1020cm-3程度である。第4半導体層362のホールキャリア濃度は、例えば、第3半導体層360のホールキャリア濃度よりも低い。
【0043】
発光装置100における、第1半導体層32と発光層34との境界部分について説明する。
【0044】
第1半導体層32と発光層34との境界部分では、発光層34を構成する層のうちの最下層の第1層340(以下「第1層340A」ともいう)と、第1半導体層32と、が接している。
【0045】
第1半導体層32の先端部は、例えば、多角錐台状、円錐台状である。第1半導体層32は、例えば、ウルツ鉱型結晶構造を有するGaN結晶である。第1半導体層32は、
図2に示すように、ファセット面2aと、c面4aと、を有している。c面4aは、
図1に示す基体10の主面11に対して平行な面である。ファセット面2aは、基体10の主面11に対して傾斜している面である。すなわち、ファセット面2aは、c面4aに対して傾斜している。c面4aは、(0001)面であり、ファセット面2aは、例えば、{1-101}面、{11-22}面などである。
【0046】
第1半導体層32のファセット面2aおよびc面4aには、第1層340Aが設けられている。第1層340は、第1半導体層32上にInGaN層をエピタキシャル成長させて形成された層である。そのため、第1層340は、第1半導体層32と同様に、ファセット面2bと、c面4bと、を有している。c面4bは、
図1に示す基体10の主面11に対して平行な面である。ファセット面2bは、基体10の主面11に対して傾斜している面である。
【0047】
図2に示すように、基体10の主面11に対する第1半導体層32のファセット面2aの傾斜角をθ1とする。また、基体10の主面11に対する第1層340Aのファセット面2bの傾斜角をθ2とする。このとき、θ2>θ1である。そのため、柱状部30の中央部における第1層340Aの膜厚が、柱状部30の外周部における第1層340Aの膜厚よりも大きくなる。図示の例では、第1層340Aは、柱状部30の中央部の膜厚が一定であり、柱状部30の外周部の膜厚が、柱状部30の中央部から離れるに従って小さくなっている。
【0048】
次に、発光装置100における、発光層34と第2半導体層36との境界部分について説明する。
【0049】
発光層34と第2半導体層36との境界部分では、発光層34と第4半導体層362とが接している。
【0050】
発光層34は、
図2に示すように、ファセット面2cと、c面4cと、を有している。発光層34のファセット面2cおよびc面4cは、発光層34を構成する層のうちの最上層の第2層342の面である。c面4cは、
図1に示す基体10の主面11に対して平行な面である。ファセット面2cは、基体10の主面11に対して傾斜している面である。
【0051】
発光層34のファセット面2cおよびc面4cには、第4半導体層362が設けられている。第4半導体層362は、発光層34上にp型のGaN層をエピタキシャル成長させて形成された層である。そのため、第4半導体層362は、発光層34と同様に、ファセット面2dと、c面4dと、を有している。c面4dは、
図1に示す基体10の主面11に対して平行な面である。ファセット面2dは、基体10の主面11に対して傾斜している面である。
【0052】
図2に示すように、基体10の主面11に対する発光層34のファセット面2cの傾斜角をθ3とする。また、基体10の主面11に対する第4半導体層362のファセット面2dの傾斜角をθ4とする。このとき、θ4>θ3である。そのため、柱状部30の中央部における第4半導体層362の膜厚が、柱状部30の外周部における第4半導体層362の膜厚よりも大きくなる。図示の例では、第4半導体層362は、柱状部30の中央部の膜厚が一定であり、柱状部30の外周部の膜厚が、柱状部30の中央部から離れるに従って小さくなっている。
【0053】
図3は、発光装置100の柱状部30における電界の様子を説明するための図である。
図4は、参考例に係る発光装置の柱状部30における電界の様子を説明するための図である。なお、参考例では、θ3=θ4であり、θ1=θ2である。
図3および
図4では、電界の等電位線Eを破線で示している。
【0054】
図4に示す参考例では、発光層34のファセット面の傾斜角θ3と、第4半導体層362のファセット面の傾斜角θ4が等しい(θ3=θ4)。そのため、第4半導体層362の膜厚は一定である。したがって、発光層34の先端の尖った部分、すなわち柱状部30の中央部に電界が集中する。これにより、発光層34において、柱状部30の中央部の接合耐圧が低下し、局所的に電流密度が高くなる。この結果、発光層34に効率よく電流を注入することができない。
【0055】
これに対して、発光装置100では、
図3に示すように、第4半導体層362のファセット面2dの傾斜角θ4は、発光層34のファセット面2cの傾斜角θ3よりも大きい(θ4>θ3)。そのため、柱状部30の中央部において、第4半導体層362の膜厚が大きくなり、柱状部30の外周部において、第4半導体層362の膜厚が小さくなる。したがって、θ3=θ4の場合と比べて、発光層34における電界集中を緩和することができる。これにより、第2半導体層36と発光層34の境界部分において、電流が緩やかに狭窄され、局所的に電流密度が高くなることを防ぐことができる。この結果、発光層34に効率よく電流を注入することができる。
【0056】
また、発光装置100では、発光層34がc面4cを有し、第4半導体層362がc面4dを有している。そのため、発光層34および第4半導体層362がc面を有さない場合と比べて、発光層34における電界集中を緩和することができる。例えば、発光層34および第4半導体層362がc面を有さない場合、
図4に示すように、発光層34の先端部が尖った形状となるため、電界が集中する。発光層34および第4半導体層362がc面4cを有することにより、発光層34の先端部がc面となるため、電界集中を緩和する
ことができる。
【0057】
上記では、発光層34と第2半導体層36との境界部分について説明したが、第1半導体層32と発光層34との境界部分についても同様である。すなわち、発光装置100では、θ2>θ1とすることにより、柱状部30の中央部において、第1層340の膜厚が大きくなり、柱状部30の外周部において、第1層340の膜厚が小さくなる。したがって、発光層34において、電界集中を緩和することができる。これにより、第1半導体層32と発光層34の境界部分において、電流が緩やかに拡がって、局所的に電流密度が高くなることを防ぐことができる。
【0058】
また、発光装置100では、第1半導体層32がc面4aを有し、第1層340Aがc面4bを有している。そのため、第1半導体層32および第1層340Aがc面を有さない場合と比べて、発光層34における電界集中を緩和することができる。
【0059】
上述したように、発光装置100において、柱状部30を流れる電流は、第2半導体層36と発光層34の境界部分において緩やかに狭窄され、発光層34においてインジウムが高濃度の第1部分341aを通り、第1半導体層32と発光層34の境界部分において緩やかに拡がる。このように、発光装置100では、電流の経路が理想的な経路となる。
【0060】
発光装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0061】
発光装置100では、第1半導体層32のファセット面2aの傾斜角をθ1とし、第1半導体層32のファセット面2aに設けられている第1層340Aのファセット面2bの傾斜角をθ2とした場合、θ2>θ1である。そのため、発光装置100では、θ1=θ2の場合と比べて、発光層34における電界集中を緩和することができる。これにより、発光層34に効率よく電流を注入することができる。
【0062】
発光装置100では、発光層34のファセット面2cの傾斜角をθ3とし、発光層34のファセット面2cに設けられている第4半導体層362のファセット面2dの傾斜角をθ4とした場合、θ4>θ3である。そのため、発光装置100では、θ3=θ4の場合と比べて、発光層34における電界集中を緩和することができる。これにより、発光層34に効率よく電流を注入することができる。
【0063】
発光装置100では、第1層340は、第1部分341aと、第1部分341aよりもバンドギャップが大きい第2部分341bと、を有している。発光装置100では、上述したように、発光層34における電界集中を緩和できるため、第1層340の第1部分341aに効率よく電流を注入することができる。
【0064】
発光装置100では、第1半導体層32はc面4aを有している。発光層34の第1層340Aは、c面4bを有している。そのため、発光装置100では、第1半導体層32および第1層340Aがc面を有さない場合と比べて、発光層34における電界集中を緩和することができる。
【0065】
発光装置100では、発光層34がc面4cを有し、第4半導体層362はc面4dを有している。そのため、発光層34および第4半導体層362がc面を有さない場合と比べて、発光層34における電界集中を緩和することができる。
【0066】
積層方向から見た平面視において、第1半導体層32のc面4aは、第1半導体層32のファセット面2aよりも大きい。積層方向から見た平面視におけるc面4aの大きさは、c面4aの面積である。また、積層方向から見た平面視におけるファセット面2aの大きさは、ファセット面2aの面積をS1とした場合に、S1×cosθ1で表される。
【0067】
積層方向から見た平面視において、第1層340Aのc面4bは、第1層340Aのファセット面2bよりも大きい。積層方向から見た平面視におけるc面4bの大きさは、c面4bの面積である。また、積層方向から見た平面視におけるファセット面2bの大きさは、ファセット面2bの面積をS2とした場合に、S2×cosθ2で表される。
【0068】
積層方向から見た平面視において、発光層34のc面4cは、発光層34のファセット面2cよりも大きい。積層方向から見た平面視におけるc面4cの大きさは、c面4cの面積である。また、積層方向から見た平面視におけるファセット面2cの大きさは、ファセット面2cの面積をS3とした場合に、S3×cosθ3で表される。
【0069】
積層方向から見た平面視において、第4半導体層362のc面4dは、第4半導体層362のファセット面2dよりも大きい。積層方向から見た平面視におけるc面4dの大きさは、c面4dの面積である。また、積層方向から見た平面視におけるファセット面2dの大きさは、ファセット面2dの面積をS4とした場合に、S4×cosθ4で表される。
【0070】
1.2. 発光装置の製造方法
次に、発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図5および
図6は、発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0071】
図5に示すように、基体10上に、バッファー層22をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。
【0072】
次に、バッファー層22上に、マスク層60を形成する。マスク層60は、例えば、電子ビーム蒸着法やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などによる成膜、ならびにフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によるパターニングによって形成される。
【0073】
図6に示すように、マスク層60をマスクとして、バッファー層22上に、第1半導体層32をエピタキシャル成長させる。
【0074】
次に、第1半導体層32上に発光層34をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法が挙げられる。本工程では、まず、インジウム、ガリウムおよび窒素を供給して、
図2に示すように、第1半導体層32上に、第1層340をエピタキシャル成長させる。次に、ガリウム、および窒素を供給して、第1層340上に、第2層342をエピタキシャル成長させる。このとき、ガリウムと窒素の供給量、成長温度等を制御することにより、
図2に示すように、θ2>θ1となるように第1層340をエピタキシャル成長させることができる。特に、MOCVD法でエピタキシャル成長させる場合には、ガスの圧力を制御することによって、θ2>θ1となるように第1層340をエピタキシャル成長させることができる。また、本工程において、Inのマイグレーションにより、第1層340には、第1部分341aと、第2部分341bと、が形成される。
【0075】
次に、インジウム、ガリウムおよび窒素を供給して、第2層342上に第1層340をエピタキシャル成長させ、インジウムの供給を停止して、第1層340上に第2層342をエピタキシャル成長させる。この工程を繰り返すことによって、発光層34を形成できる。
【0076】
次に、
図6に示すように、発光層34上に、第2半導体層36をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MBE法が挙げられる。以上の工程により、基体10上に、複数の柱状部30を形成することができる。
【0077】
図1に示すように、隣り合う柱状部30の間に、絶縁層40を形成する。絶縁層40は、例えば、MOCVD法、スピンコート法などによって形成される。
【0078】
次に、バッファー層22上に第1電極50を形成し、第2半導体層36上に第2電極52を形成する。第1電極50および第2電極52は、例えば、真空蒸着法などにより形成される。なお、第1電極50および第2電極52の形成順序は、特に限定されない。
【0079】
以上の工程により、発光装置100を製造することができる。
【0080】
1.3. 変形例
次に、第1実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図7は、第1実施形態の変形例に係る発光装置110の柱状部30を模式的に示す断面図である。以下、第1実施形態の変形例に係る発光装置110において、上述した第1実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0081】
上述した発光装置100では、
図2に示すように、積層方向から見た平面視において、発光層34のc面4cは、発光層34のファセット面2cよりも大きい。
【0082】
これに対して、発光装置110では、
図7に示すように、積層方向から見た平面視において、発光層34のc面4cは、発光層34のファセット面2cよりも小さい。
【0083】
また、発光装置110では、第1半導体層32は、c面を有していない。すなわち、第1半導体層32の先端は、ファセット面2aのみで構成されている。
【0084】
発光装置110では、発光装置100と同様に、θ2>θ1であり、θ4>θ3である。そのため、発光装置110では、発光装置100と同様に、発光層34における電界集中を緩和することができる。
【0085】
2. 第2実施形態
2.1. 発光装置
次に、第2実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図8は、第2実施形態に係る発光装置200の柱状部30を模式的に示す断面図である。以下、第2実施形態に係る発光装置200において、上述した第1実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0086】
上述した発光装置100では、
図2に示すように、第1半導体層32、発光層34、および第4半導体層362は、c面を有していた。これに対して、発光装置200では、
図8に示すように、第1半導体層32、発光層34、および第4半導体層362は、c面を有していない。
【0087】
第1半導体層32の先端は、例えば、ファセット面2aのみで構成されている。発光層34の先端は、例えば、ファセット面2cのみで構成されている。第4半導体層362は、例えば、ファセット面2dのみで構成されている。
【0088】
図8に示す例では、発光層34の第1層340は、
図2に示す第1部分341aおよび第2部分341bを有していないが、
図2に示す例と同様に、第1層340は、第1部分341aおよび第2部分341bを有していてもよい。
【0089】
発光装置200では、発光装置100と同様に、θ2>θ1であり、θ4>θ3である。そのため、発光装置200では、発光装置100と同様に、発光層34における電界集中を緩和することができる。
【0090】
2.2. 発光装置の製造方法
次に、発光装置200の製造方法について説明する。発光装置200の製造方法は、第1半導体層32、発光層34、および第2半導体層36をエピタキシャル成長させる際に、ガリウムと窒素の供給量、成長温度等を制御することにより、c面が形成されないようにする点を除いて、上述した発光装置100の製造方法と同様である。そのため、その説明を省略する。
【0091】
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。
図9は、第3実施形態に係るプロジェクター900を模式的に示す図である。
【0092】
本発明に係るプロジェクターは、本発明に係る発光装置を有している。以下では、本発明に係る発光装置として発光装置100を有するプロジェクター900について説明する。
【0093】
プロジェクター900は、図示しない筐体と、筐体内に備えられている赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ出射する赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bと、を有している。赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bの各々は、例えば、複数の発光装置100を積層方向と直交する方向にアレイ状に配置させ、複数の発光装置100において基体10を共通基板としたものである。赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bの各々を構成する発光装置100の数は、特に限定されない。なお、便宜上、
図9では、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bを簡略化している。
【0094】
プロジェクター900は、さらに、筐体内に備えられている、第1レンズアレイ902Rと、第2レンズアレイ902Gと、第3レンズアレイ902Bと、第1光変調装置904Rと、第2光変調装置904Gと、第3光変調装置904Bと、投射装置908と、を有している。第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bは、例えば、透過型の液晶ライトバルブである。投射装置908は、例えば、投射レンズである。
【0095】
赤色光源100Rから出射された光は、第1レンズアレイ902Rに入射する。赤色光源100Rから出射された光は、第1レンズアレイ902Rによって、集光され、例えば重畳されることができる。
【0096】
第1レンズアレイ902Rによって集光された光は、第1光変調装置904Rに入射する。第1光変調装置904Rは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置908は、第1光変調装置904Rによって形成された像を拡大してスクリーン910に投射する。
【0097】
緑色光源100Gから出射された光は、第2レンズアレイ902Gに入射する。緑色光
源100Gから出射された光は、第2レンズアレイ902Gによって、集光され、例えば重畳されることができる。
【0098】
第2レンズアレイ902Gによって集光された光は、第2光変調装置904Gに入射する。第2光変調装置904Gは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置908は、第2光変調装置904Gによって形成された像を拡大してスクリーン910に投射する。
【0099】
青色光源100Bから出射された光は、第3レンズアレイ902Bに入射する。青色光源100Bから出射された光は、第3レンズアレイ902Bによって、集光され、例えば重畳されることができる。
【0100】
第3レンズアレイ902Bによって集光された光は、第3光変調装置904Bに入射する。第3光変調装置904Bは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置908は、第3光変調装置904Bによって形成された像を拡大してスクリーン910に投射する。
【0101】
また、プロジェクター900は、第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bから出射された光を合成して投射装置908に導くクロスダイクロイックプリズム906を有することができる。
【0102】
第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム906に入射する。クロスダイクロイックプリズム906は、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射装置908によりスクリーン910上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0103】
なお、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bは、発光装置100を映像の画素として画像情報に応じて制御することで、第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bを用いずに、直接的に映像を形成してもよい。そして、投射装置908は、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bによって形成された映像を、拡大してスクリーン910に投射してもよい。
【0104】
また、上記の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro Mirror Device)が挙げられる。また、投射装置の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0105】
また、光源を、光源からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置の光源装置にも適用することが可能である。
【0106】
本発明に係る発光装置の用途は、上述した実施形態に限定されず、プロジェクター以外にも用いることが可能である。プロジェクター以外の用途には、例えば、屋内外の照明、ディスプレイのバックライト、レーザープリンター、スキャナー、車載用ライト、光を用いるセンシング機器、通信機器等の光源がある。
【0107】
本発明は、本願に記載の特徴や効果を有する範囲で一部の構成を省略したり、各実施形態や変形例を組み合わせたりしてもよい。
【0108】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、さらに種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成を含む。実質的に同一の構成とは、例えば、機能、方法、及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成である。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【符号の説明】
【0109】
10…基体、11…主面、20…積層体、22…バッファー層、30…柱状部、32…第1半導体層、34…発光層、36…第2半導体層、40…絶縁層、50…第1電極、52…第2電極、60…マスク層、100…発光装置、100R…赤色光源、100G…緑色光源、100B…青色光源、110…発光装置、200…発光装置、340…第1層、340A…第1層、341a…第1部分、341b…第2部分、342…第2層、360…第3半導体層、362…第4半導体層、900…プロジェクター、902R…第1レンズアレイ、902G…第2レンズアレイ、902B…第3レンズアレイ、904R…第1光変調装置、904G…第2光変調装置、904B…第3光変調装置、906…クロスダイクロイックプリズム、908…投射装置、910…スクリーン