(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】機能的MRI中の電気刺激のためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20230224BHJP
A61N 1/08 20060101ALI20230224BHJP
A61B 5/055 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/08
A61B5/055 390
(21)【出願番号】P 2020540844
(86)(22)【出願日】2018-10-05
(86)【国際出願番号】 EP2018077166
(87)【国際公開番号】W WO2019068884
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-09-10
(32)【優先日】2017-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520118821
【氏名又は名称】ロスキルデ/コーゲ ホスピタル
(73)【特許権者】
【識別番号】518260116
【氏名又は名称】リグショシュピタレット
(73)【特許権者】
【識別番号】508335820
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ コペンハーゲン
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バーンドラップ,アンダーズ,オルフエス
(72)【発明者】
【氏名】ジョーゲンセン,ルイーズ,モラー
(72)【発明者】
【氏名】トムセン,カーステン
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1308896(KR,B1)
【文献】特開2014-017809(JP,A)
【文献】特開2014-000116(JP,A)
【文献】欧州特許第03113838(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
A61N 1/08
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MRスキャナ内で実行される被験者の機能的MRI中、前記被験者の電気刺激に用いるために、遮蔽されたMRI室内に設置された前記MRスキャナにおいて既定の電気信号を生成するための前記MRスキャナを含むシステムであって、
前記MRI室外に設置される、電気信号を生成するための制御ユニットと、
前記MRI室外に設置される、前記電気信号を対応する光信号に変換するための電気光変換器と、
前記光信号を前記MRI室内へ伝送するための、たとえば光ファイバなどの光伝送素子と、
1)前記MRI室内に設置され、2)磁気共鳴断層撮影中に動作するために構成された、磁気共鳴断層撮影中の前記被験者の電気刺激のために、前記光信号を前記既定の電気信号に変換するための光電気変換器と
を備えるシステム。
【請求項2】
前記被験者の前記電気刺激は、脳深部刺激、脊椎刺激、経皮神経刺激、末梢神経刺激、脳神経刺激、迷走神経刺激、電気筋肉刺激、皮質多電極刺激、網膜多電極刺激、胃電気刺激療法、心臓刺激、表面電気刺激、非侵襲性電気刺激、角膜電気刺激(TES)、全眼電気刺激(WES)、経皮電気神経刺激(TENS)、皮下神経刺激、神経筋電気刺激(NMES)、バイオニック置換/バイオニックインプラント/神経機能代替、人工内耳、および電子薬/エレクトロバイオニクスのグループから選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光電気変換器は、太陽電池、
またはフォトダイオードである、請求項1~2のいずれかに記載のシステム。
【請求項4】
前記光電気変換器は、バッテリによって給電される、請求項1および2のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記被験者の前記電気刺激のための前記電気信号を定義するパラメータは、刺激電圧、刺激電流、前記システムのインピーダンス、刺激周波数、刺激デューティサイクル、前記
電気信号の総持続期間、および前記
電気信号の波形の1または複数を含む、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
前記電
気信号
の電圧は、0.1~10Vの範囲内、0.5~8.0Vの範囲内、1.0~6.0Vの範囲内、1.5~5.0Vの範囲内、2.0~4.0Vの範囲内、または2.5~3.5Vの範囲内である、請求項1~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
前記電
気信号
の周波数は、20~240Hzの範囲内、60~200Hzの範囲内、80~180Hzの範囲内、100~160Hzの範囲内、または120~140Hzの範囲内である、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
パルス幅は、10~500マイクロ秒の範囲内、30~350マイクロ秒の範囲内、50~250マイクロ秒の範囲内、70~180マイクロ秒の範囲内、または80~120マイクロ秒の範囲内である、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記システム
のインピーダンスは、1100~1400オームの範囲内、800~1700オームの範囲内、600~1900オームの範囲内、または300~2200オームの範囲内である、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
刺激電圧、刺激電流、前記システムのインピーダンス、刺激周波数、および刺激デューティサイクルの少なくとも1つは、前記被験者の前記電気刺激中に変えられる、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
磁気共鳴断層撮影中、前記被験者に送達された前記電
気信号を監視するために構成された、請求項1~10のいずれかに記載のシステムであって、
前記既定の電
気信号から電気検証信号を生成するための光電気変換器と、
前記電気検証信号を光検証信号に変換するための第2の電気光変換器と、
前記光検証信号を前記MRI室外へ伝送するための第2の光伝送素子または前記光伝送素子と、
前記被験者へ送達された前記
電気信号をリアルタイムで監視するために、前記光検証信号を電気信号に変換するための第2の光電気変換器と
を備えるシステム。
【請求項12】
被験者の機能的MRI中の前記被験者の電気刺激のためのシステムであって、
請求項1~11のいずれかに記載の既定の電気信号を生成するためのシステムと、
前記被験者に埋め込まれるために構成され、前記既定の電気信号に基づいて前記被験者へ前記電気刺激を送達するために構成された少なくとも1つの電極と
を備えるシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの電極は、前記被験者へ前記電気刺激を送達するための複数の接点を含む、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能的磁気共鳴断層撮影中の被験者の電気刺激に用いるために、MRスキャナにおいて既定の電気信号を生成するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気刺激は、主に心臓病および神経性精神病、すなわち心臓不整脈、パーキンソン病、本態性振戦、トゥーレット症候群、癲癇、また強迫性障害、頭痛および疼痛において用いられるよく知られた治療法である。電気刺激は、たとえば、心臓ペースメーカー、脳深部刺激(DBS)、脊椎刺激(SCS)、迷走神経刺激(VNS)、または経皮神経刺激(TENS)の形態で適用され得る。電気刺激の臨床効果は、心臓疾患およびたとえばパーキンソン病、本態性振戦、およびトゥーレット症候群などの神経運動障害において定評があるが、DBSは、たとえばうつ病および不安障害、依存症および肥満認知改善および認知症、頭痛および偏頭痛、強迫性障害などの神経性精神障害、ならびにバイオニクス、リハビリテーション療法、疼痛治療、耳疾患、消化器疾患、泌尿生殖器疾患、眼疾患、自己免疫疾患およびリウマチ、炎症関連疾患、および音声療法における有望な治療でもある。
【0003】
機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)は、血流に伴う変化を検出することによって脳活動を測定する測定技術である。脳血流および神経活性化は結び付いているので、fMRIは、脳活動をマッピングすることができる。同様に、fMRIは、たとえば脊椎または心臓など、他の関心身体部位でも行われ得る。電気刺激とfMRIとの併用は、たとえば被験者に与えられた電気刺激の生理的反応を撮像するために用いられ得る。神経性精神障害を治療するためにも、脳活動を検出しながら同時に刺激パラメータを調整することは非常に有益である。しかしながら、fMRI中の被験者に刺激信号を送達することは、問題を含んでいる。fMRI中、被験者は、非常に強い磁場および強力な無線周波数(RF)に晒されており、これらは電子機器に干渉し、プログラムされた刺激ユニットの設定を変更させることがある。また、電気刺激を送達するために用いられる電気デバイスは、取得MR画像の大きなアーチファクトおよび乱れをもたらし得る。MRIまたはfMRIが記録されるMRI室は、電場がMRI室内へ入ることを防ぎ、MRI室からの強い磁場およびRF波の漏洩を低減するために、ファラデーケージのように遮蔽される。MRI室外に刺激デバイスを設置し、ケーブルを用いて刺激ユニットを被験者に接続することもまた、干渉およびケーブルの高周波加熱の可能性による問題を含み得る。したがって、送達された電気信号を途絶または変更させることなく、またはMRIに干渉することなく、被験者がMRスキャナ内に載置されている間、埋込み電極を用いて被験者に調整可能な電気インパルスを送達するための手段が求められる。
【0004】
MRI対応通信のためのシステムは、アメリカのミネソタ州ロチェスター市にあるメイヨークリニックにおいて開発され、ここでは、MRI室の内外で通信するために無線通信モジュールが使用される。このシステムは、特許出願US2014275970号に開示される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、本開示は、被験者のMRIまたは機能的MRI中、上記被験者の電気刺激に用いるために、遮蔽されたMRI室内に設置されたMRスキャナにおいて既定の電気信号を生成するためのシステムに関する。システムは、MRI室外に設置される、電気信号を生成するための制御ユニットと、MRI室外に設置される、上記電気信号を対応する光信号に変換するための電気光変換器とを備える。たとえば光ファイバなどの光伝送素子は、光信号をMRI室内へ伝送するために用いられ、光電気変換器は、磁気共鳴断層撮影中の被験者の電気刺激のために、光信号を上記既定の電気信号に変換するために用いられる。電気刺激は、被験者に載置され(たとえば経皮神経刺激(TENS)用の表面電極)、被験者に埋め込まれ(外科的処置を必要とし、たとえば脳が摘出され、DBSおよびVNSに用いられる)、または被験者に挿入された(たとえば筋電図検査用ニードル、皮下刺激、ペースメーカー)、1または複数のニードルまたは電極によって被験者に伝達し得る。たとえばDBSの場合、脳に埋め込まれた1または複数の電極が用いられ得る。他の種類の刺激に関して、他の種類のニードルまたは電極が、被験者への載置、埋込み、または挿入に適している。
【0006】
光電気変換器は、MRI室内に設置され、磁気共鳴断層撮影中に動作するために構成される。光電気変換器は、太陽電池であってよい。光伝送素子からの光信号は、太陽電池に照射される。光信号に対応する電気信号は、たとえば光起電力効果または光電効果を用いて太陽電池によって生成され得る。太陽電池は、フォトダイオードであってよい。たとえばフォトダイオードにおける光電効果または光起電力効果の使用は、単純かつ費用効果の高い解決策である。
【0007】
電子回路は、太陽電池などの光電気変換器を電極またはニードルに接続する導体の1または両方に設けられ得る。電子回路は、信号が電極/ニードルに伝達する前に、入来信号を処理してよい。変換は、実効電圧が特定の治療のために有用であるように、実効電圧または電位を低くし得る。当業者は、信号が電極に伝達する前に、電子回路が入来信号を変換する必要があるか、またどのように変換することができるかを知る。必要な変換は、電極および電極/ニードルが用いられる用途に依存する。標準的な電極またはニードルの場合、DBS、SCS、TENS、末梢神経刺激(PNS)、脳神経刺激、VNS、電気筋肉刺激、皮質多電極刺激、網膜多電極刺激、胃電気刺激療法または心臓刺激、ならびに表面電気刺激、非侵襲性電気刺激、角膜電気刺激(TES)、全眼電気刺激(WES)、経皮電気神経刺激(TENS)、皮下神経刺激、神経筋電気刺激(NMES)、バイオニック置換/バイオニックインプラント/神経機能代替、人工内耳、電子薬/エレクトロバイオニクス、または同様の刺激に用いられる。一例として、脳組織の抵抗は700Ω以上であり、この状況において約3または3.5Vの印加電圧が適切である。他の組織に載置され、挿入され、または埋め込まれる電極(複数も可)の場合、抵抗は異なってよく、適切な印加電圧もまた、脳組織のための印加電圧とは別の値を有してよい。
【0008】
適正な、特に極度に高すぎない信号または電位が電極に印加されることを確実にするため、電気回路はフィードバックシステムを有してよく、電極に印加された信号または電位は、印加された信号が極度に高い場合、電子回路の出力電位を低くするために、またその逆のために、電子回路のための入力として用いられる。フィードバックシステムは、電極(複数も可)が載置され、挿入され、または埋め込まれる組織の種類に関して調整または設定される必要があり得る。
【0009】
電子回路は、受動部品、すなわちエネルギを消費するが生成しない、および/または電力利得が可能ではない部品のみで製造され得る。これは非常に費用効果の高い電子回路である。
【0010】
フォトダイオードなどの太陽電池、導体、電子回路、およびニードルまたは電極を備える回路は、好適には、使い捨て用に作られ得る。そのような回路は、再殺菌の必要がないために時間効率が良く、回路が低費用で生産され得るために費用効果が高い。
【0011】
光伝送素子または光ファイバの端部は、光信号を太陽電池に、好適には太陽電池全体に拡散するための光拡散器を有してよい。これは、光電気変換プロセスの効率を高める。
【0012】
電気刺激療法を伴う臨床状態の場合、特に、安全性は極めて重要である。本開示の発明は、患者のfMRIを行うと同時に、安全かつ制御可能な方式で埋込み電極への電気刺激を実行することを可能にする。MRスキャナ内の磁場は、電気刺激ユニットにおけるプログラムされた設定を破壊または変更する可能性があり、それによって、被験者に埋め込まれまたは載置された電極へ、制御不可能かつ潜在的危険性のある電気刺激を送達することがある。制御ユニットをMRI室外に設置することは、制御ユニットがスキャナからの強い磁場に晒されず、ゆえに信号が変更される危険性を排除することを意味する。またこれは、スキャナの外側にある制御室内の職員が、fMRI中に送達された信号を完全に制御可能であることも意味する。
【0013】
MRI室外の制御ユニットとMRI室内の被験者へ刺激を送達する装置との間の通信のために光ファイバケーブルを用いることにより、導電性ケーブルは使用されず、すなわち、ケーブルが他のケーブルまたはMRスキャナに干渉することがなく、ケーブルのRF加熱が発生しない。また、信号を通信するために光ファイバケーブルを用いる場合、制御ユニットと被験者への送達との間で信号遅延は存在しないが、無線接続は、ある程度の信号遅延を伴い得る。また、光ファイバケーブルの使用は、信号中断の危険性が低い確実な接続も提供する。電気刺激を送達するために用いられる電気デバイスは、MRI信号との干渉を原因とする、取得MR画像の大きなアーチファクトおよび乱れをもたらし得る。この装置を遮蔽されたMRI室外に設置する場合、そのような装置からの干渉は排除される。
【0014】
電気信号は、対応する光信号を生成する光信号発生器を制御するプロセッサまたはコンピュータにおいて生成され得る。光信号発生器の出力光信号に対応する電気信号はプロセッサまたはコンピュータ内に存在するため、光信号発生器は、電気光変換器として機能する。プロセッサまたはコンピュータは、電気信号を生成する制御ユニットとして機能する。
【0015】
本発明の第2の態様は、被験者のMRIまたは機能的MRI中の上記被験者の電気刺激のためのシステムに関する。システムは、本発明の第1の態様に係る、既定の電気信号を生成するためのシステムと、被験者に埋め込まれるために構成され、上記既定の電気信号に基づいて被験者に電気刺激を送達するために構成された少なくとも1つの電極とを備える。一実施形態において、少なくとも1つの電極は、被験者に電気刺激を送達するための複数の接点を含む。またシステムは、多数の電極を介して被験者へ電気刺激を送達するために構成されてもよい。
【0016】
本発明の第3の態様は、遮蔽されたMRI室内に設置されたMRスキャナ内に位置する、MRIまたは機能的MRI中の被験者の電気刺激のために、既定の電気刺激信号を生成するための方法に関する。方法は、1)MRI室外で電気信号を生成するステップと、2)MRI室外で電気信号を光信号に変換するステップと、3)光信号をMRI室内へ伝送することと、4)MRI室内で、光信号を上記既定の電気刺激信号に変換することとを備える。
【0017】
本開示は更に、遮蔽されたMRI室内に設置されたMRスキャナにおける被験者のMRIまたは機能的MRI中の上記被験者の電気刺激のための方法に関する。方法は、MRI室外で電気刺激信号を光信号に変換するステップと、光ファイバケーブルを用いてMRI室内へ光信号を伝送するステップと、MRI室内で光信号を電気刺激信号に再び変換するステップと、被験者に電気刺激信号を当てるステップとを備える。
【0018】
本開示は更に、遮蔽されたMRI室内に設置されたMRスキャナ内に位置する、MRIまたは機能的MRI中の被験者を刺激するために用いられる、少なくとも1つの電極に電気接続された太陽電池の使い捨てキットに関する。
【0019】
光伝送素子または光ファイバからの光信号は、電位を生成する太陽電池に照射される。それが電極へ伝達される。太陽電池、電極、およびそれらの間の電気接続は、キットの再殺菌プロセスよりも製造費用が低い、単純かつ費用効果の高いキットを形成する。電気接続はワイヤであってよく、あるいは太陽電池は電極に直接取り付けられる。廃棄および再利用プロセスを単純化するために、太陽電池および電極は、互いに容易に切り離すことができ、太陽電池は電気部品として、電極は金属として再利用され得る。
【0020】
使い捨てキットは更に、太陽電池などの光電気変換器を電極またはニードルに接続する導体の1または両方に設けられた電子回路を備えてよい。使い捨てキットの電子回路は、上述したような電子回路の特徴および利点を全て有してよい。
【0021】
フォトダイオードなどの太陽電池、導体、電子回路、およびニードルまたは電極を備える回路は、好適には、使い捨て用に製造され得る。そのような回路は、再殺菌の必要がないために時間効率が良く、回路が低費用で生産され得るために費用効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の発明の一実施形態を示す図である。この図は、MRI室とともに、MRI室外に設置された、fMRI装置からのトリガボックス、信号発生器、および電気光変換器を示す。光電気変換器、電圧変換器、および電極は、MRI室内に設置される。
【
図2】MRI室内でどのようにして光信号が対応する電気信号に変えられるかの一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の第1の態様は、被験者のMRIまたはfMRI中、上記被験者の電気刺激に用いるために、MRIスキャナにおいて既定の電気信号を生成するためのシステムに関する。ここで、MRIまたはfMRI中の刺激は、MR走査が開始される前の刺激およびMRIシーケンス中の刺激も含む。システムおよび方法は、被験者の任意の種類の電気刺激のために用いられ得る。本発明の一実施形態において、被験者の電気刺激は、脳深部刺激、脊椎刺激、経皮神経刺激、末梢神経刺激、脳神経刺激、迷走神経刺激、電気筋肉刺激、皮質多電極刺激、網膜多電極刺激、胃電気刺激療法、および心臓刺激、ならびに表面電気刺激、非侵襲性電気刺激、角膜電気刺激(TES)、全眼電気刺激(WES)、経皮電気神経刺激(TENS)、皮下神経刺激、神経筋電気刺激(NMES)、バイオニック置換/バイオニックインプラント/神経機能代替、人工内耳、および電子薬/エレクトロバイオニクスのグループから選択される。
【0024】
本発明は、MRI室内へ信号を伝送するために電気信号から光信号へ変換することを伴う。一実施形態において、電気光変換器は、信号を変換するためにトランジスタを用いる。トランジスタは、たとえば信号をMRI室内へ伝送するために光ファイバケーブルに結合される発光ダイオードまたはレーザに給電するために用いられ得る。変換される電気信号は、たとえばTTL信号など、任意の種類の信号であってよい。
【0025】
変換器によって生成された光信号は、たとえば光ファイバケーブルなどの光伝送素子を介してMRI室内へ送信される。光伝送素子は、自由空間光通信システムも備えてよい。一実施形態において、光ファイバケーブルは、光信号を伝送するための少なくとも1つの単一モードファイバを備える。いくつかの実施形態において、システムは、信号をMRI室内へ伝達するための複数の光ファイバケーブルを備える。そのような設計は、冗長性のために様々な光ファイバケーブルを介して同じ信号を送信するために用いられ得る。様々な光ファイバケーブルは、様々なケーブルを介して別個の刺激信号を送信するためにも用いられてよく、これは、同じ電極上の異なる接点を介した刺激、または異なる電極を介した刺激に役立ち得る。
【0026】
MRI室内で、少なくとも1つの光ファイバケーブルから受信された光信号は、電気信号に再変換される。一実施形態において、光電気変換器は、信号を変換するためにフォトトランジスタまたはオプトカプラを用いる。信号は、たとえばTTL信号など、光信号を生成するために用いられた元の信号に、あるいは電気刺激信号に対応する他の信号に再変換され得る。したがって、光電気変換器からの電気信号は、信号発生器によって生成された電気信号と全く同じものでなくてもよい。たとえば、光電気変換器からの電気信号の電圧は、信号発生器からの信号の電圧と異なり得る。刺激信号の電圧は、被験者に信号を当てる前に電圧変換器によって調整されてもよい。上述したように、光電気変換器は、単に少なくとも1つの太陽電池であってよく、太陽電池は、光信号における光からのエネルギによって駆動され得るため、単純かつ費用効果の高い解決策を提供する。
【0027】
MRI室内の光電気変換器からの電気刺激信号は、被験者を刺激するために用いられる。本発明の一実施形態において、システムは更に、被験者に埋め込むために構成され、上記既定の電気信号に基づいて被験者への電気刺激を送達するために構成された、少なくとも1つの電極を備える。他の実施形態において、少なくとも1つの電極は、被験者に電気刺激を送達するための複数の接点を含む。具体的には、いくつかの実施形態において、4つの接点を有するメドトロニック社のDBS 3389電極が用いられ得る。また他の実施形態において、被験者の多電極刺激のために複数の電極が使用される。
【0028】
光電気変換器は、好適には、バッテリによって給電される。MRI室内の装置へのバッテリを用いた給電は、ワイヤの数が少なく危機への接続が単純であるために有利であってよく、この構成は、MRスキャナからの信号への干渉を低減し得る。通常、MRスキャナ内の商用電源へのアクセスが存在する。したがって、MRI室内の装置のための電力は、商用電源によって供給されてもよい。
【0029】
被験者を刺激するための電気刺激信号は、被験者、被験者の健康状態、および被験者のための治療の種類に従ってカスタマイズされ得る。一実施形態において、被験者の電気刺激のための電気信号を定義するパラメータは、刺激電圧、刺激電流、システムのインピーダンス、刺激周波数、刺激デューティサイクル、刺激信号の総持続期間、および刺激信号の波形の1または複数を含む。信号の波形は、被験者の治療を最適化するために調整され得る。一実施形態において、被験者の電気刺激のための電気信号の少なくとも一部は、長方形波形、正方形波形、三角波形、正弦波形、余弦波形、のこぎり波形、ランプ波形、または指数波形を有して周期的である。他の実施形態において、電気信号は、上述した波形の2つ以上の間で変化する。信号種別もまた、被験者の刺激のために調整または変更され得る。したがって、他の実施形態において、被験者の電気刺激のための電気信号は、脈流または交流であり、あるいは脈流と交流とで切り換わる。
【0030】
被験者の電気刺激のために、いくつかのパラメータは、被験者の治療を最適化するために調整される必要があり得る。本発明の一実施形態において、電気刺激信号の電圧は、0.1~10Vの範囲内、0.5~8.0Vの範囲内、1.0~6.0Vの範囲内、1.5~5.0Vの範囲内、2.0~4.0Vの範囲内、または2.5~3.5Vの範囲内である。本発明の他の実施形態において、電気刺激信号の電圧は、たとえば筋肉刺激において使用される最大120Vである。他の実施形態において、電気刺激信号の周波数は、0~240Hzの範囲内、20~240Hzの範囲内、60~200Hzの範囲内、80~180Hzの範囲内、100~160Hzの範囲内、または120~140Hzの範囲内である。電気刺激信号は、いくつかの実施形態において、多数の周波数で構成され得る。また他の実施形態において、電気刺激信号のデューティサイクルは、0.4未満、0.25未満、0.15未満、0.1未満、0.05未満、または0.03未満である。また信号は、信号内の各パルス幅の観点からも特徴付けられ得る。このパルス幅は、いくつかの実施形態において、10~500ミリ秒の範囲内、30~350ミリ秒の範囲内、50~250ミリ秒の範囲内、70~180ミリ秒の範囲内、または80~120ミリ秒の範囲内であってよい。システムのインピーダンスは、電気刺激信号を流れる電流に影響を及ぼす。過剰な電流は、刺激によって治療される被験者に危険をもたらし得る。したがって、他の実施形態において、システムのインピーダンスは、1100~1400オームの範囲内800~1700オームの範囲内、600~1900オームの範囲内、または300~2200オームの範囲内である。
【0031】
被験者を刺激するための刺激信号は、被験者が治療を通して刺激されるように継続的であってよく、あるいは治療中に様々な回数オンおよびオフにされ得る。また電気刺激信号は、治療中に変えられてもよい。一実施形態において、刺激電圧、刺激電流、システムのインピーダンス、刺激周波数、および刺激デューティサイクルの少なくとも1つが、被験者の電気刺激中に変えられる。上述したように、電極上の異なる接点を介した、または異なる電極を用いた被験者の刺激のために、異なる刺激信号が用いられてもよい。したがって、他の実施形態において、刺激は、異なる接点または電極を介した刺激のために多数の異なる信号で構成される。
【0032】
被験者の電気刺激治療に関して、被験者へ送達された信号は、実際に制御ユニットから送信された信号であり、信号の変更は発生しないことが好適である。これは、MRI室内の光電気変換器からの電気刺激信号を用いて電気検証信号を生成することによって監視され得る。この検証は、その後、光信号に変換され、光ファイバケーブルを介してMRI室外へ伝送され、被験者の治療のために正確な刺激信号が用いられていることを検証するために用いられ得る。したがって、一実施形態において、システムは、磁気共鳴断層撮影中、1)電気検証信号を生成するために、被験者へ送達された電気刺激信号を監視し、2)上記電気検証信号を光検証信号に変換し、3)上記光検証信号をMRI室外へ伝送し、4)被験者へ送達された刺激をリアルタイムで監視するために、上記光検証信号を電気信号に変換するために構成される。光検証信号は、別個の光ファイバケーブルを用いて、または光刺激信号をMRI室内へ伝送するために用いられた光ファイバケーブルを用いて、MRI室外へ伝送され得る。システムは更に、検証信号が刺激信号から逸脱する場合、被験者の電気刺激を停止するために構成され得ることにより、より高い安全性を治療にもたらす。
【0033】
刺激パラメータおよび刺激に関する他の調整は、好適には、コンピュータによって制御される。したがって、一実施形態において、システムは更に、電気刺激に関する入力パラメータを受信し、装置を制御するために構成されたコンピュータを備える。したがって医療職員は、生成された信号に対する全制御権を有し、処置の要件に従って信号を変更および調整することができる。他の実施形態において、システムは更に、電気刺激信号を生成するために構成された、たとえばオシロスコープなどの信号発生器を備える。オシロスコープは好適には、電気刺激信号を定義する、コンピュータからの信号を受信するために構成される。
【0034】
本発明の第3の態様は、被験者のMRIまたは機能的MRI中の上記被験者の電気刺激のために、既定の電気刺激信号を生成するための方法に関する。この方法において、光信号は、光ファイバケーブルまたは自由空間通信システムを用いてMRI室内へ伝送され得る。一実施形態において、既定の電気刺激信号は、脳深部刺激、脊椎刺激、経皮神経刺激、末梢神経刺激、脳神経刺激、迷走神経刺激、電気筋肉刺激、皮質多電極刺激、網膜多電極刺激、胃電気刺激療法または心臓刺激、ならびに表面電気刺激、非侵襲性電気刺激、角膜電気刺激(TES)、全眼電気刺激(WES)、経皮電気神経刺激(TENS)、皮下神経刺激、神経筋電気刺激(NMES)、バイオニック置換/バイオニックインプラント/神経機能代替、人工内耳、および電子薬/エレクトロバイオニクスに適している。他の実施形態において、方法は更に、1)MRI室内で、既定の電気刺激信号から電気検証信号を生成するステップ、2)上記電気検証信号を光検証信号に変換するステップ、3)上記光検証信号をMRI室外へ伝送するステップ、および4)被験者へ送達された刺激をリアルタイムで監視するために、上記光検証信号を電気信号に変換するステップを備える。光検証信号は、光ファイバケーブルまたは自由空間通信システムを用いてMRI室外へ伝送され得る。
【0035】
本開示は更に、遮蔽されたMRI室内に設置されたMRスキャナにおけるfMRI中の被験者の電気刺激のための方法に関する。本発明の一実施形態において、この方法が用いられる治療の種類は、脳深部刺激、脊椎刺激、経皮神経刺激、末梢神経刺激、脳神経刺激、迷走神経刺激、電気筋肉刺激、皮質多電極刺激、網膜多電極刺激、胃電気刺激療法および心臓刺激、ならびに表面電気刺激、非侵襲性電気刺激、角膜電気刺激(TES)、全眼電気刺激(WES)、経皮電気神経刺激(TENS)、皮下神経刺激、神経筋電気刺激(NMES)、バイオニック置換/バイオニックインプラント/神経機能代替、人工内耳、および電子薬/エレクトロバイオニクスのグループから選択される。他の実施形態において、方法は更に、MRI室内の患者へ送達された電気刺激信号を光信号に変換し、光ファイバケーブルを介して上記光信号をMRI室外へ伝送するステップを備える。このステップの目的の1つは、送達された刺激信号がMRI室外で監視され得るように、被験者へ送信された電気刺激信号から検証信号を生成することである。装置は好適には、コンピュータを用いて操作および制御される。したがって、また別の実施形態において、方法は更に、電気刺激に関するコマンドを生成するために構成されたコンピュータに刺激パラメータを入力するステップを備える。
図面の詳細な説明
【0036】
図1は、本発明の一実施形態の図である。この実施形態は、MRI室9とともに、MRI室外に設置された、fMRI装置からのトリガボックス1、信号発生器2、および電気光変換器3を示す。トリガボックス1は、fMRI走査が開始されると、信号発生器2へトリガ信号を送信するために構成される。信号発生器2は、既定の刺激パラメータに従って、被験者の電気刺激のための既定の電気信号を生成する。電気刺激信号は、対応する光信号を生成する電気光変換器3へ送信される。光信号はその後、光ファイバケーブル8を介してMRI室9内へ伝送される。MRI室9内で、光電気変換器4は、光ファイバケーブル8から受信した光信号を、信号の電圧をたとえば3Vに変換する電圧変換器5へ送信される電気信号に再び変換する。電気刺激信号は、被験者に埋め込まれた少なくとも1つの電極へ送信され(図に示す例では、信号は2つの電極6、7へ送信される)、既定の電気信号によって被験者を刺激する。
【0037】
図2は、光ファイバケーブル8を移動する光信号10がMRI室外からMRI室内へ入る、MRI室内の構成を示す。光ファイバケーブル8の端部において、光拡散器11は、太陽電池12に光信号10を拡散する。太陽電池内の電圧または電流は、たとえば光起電力効果または光電効果によって生成され得る。太陽電池は、フォトダイオードであってよい。
【0038】
太陽電池は、光信号10に対応する電圧信号を生成し、電圧信号は、2つの導体13、14に跨る。導体14は、接地に接続され得る。電圧信号は電子回路15へ入り、電子回路15は、たとえば脳深部刺激のために用いられるメドトロニック社のDBSニードル3389(メドトロニック社、ダブリン、アイルランド)などの脳深部刺激電極16へ信号が伝達する前に、入来する電圧信号を処理してよい。
【0039】
この構成は、実験において十分高い出力をもたらすことが示されており、直列の2つの高効率太陽電池(SLMD960H09L、IXYS、ミルピタス、カリフォルニア州、アメリカ)が用いられた。2つの太陽電池は、1つの高密度LED(LZP-00CW0R、LEDエンジン、サンノゼ、カリフォルニア州、アメリカ)を用いて照射された。LEDは、長さ2.5mの液性光導体(3mm MKリキッド、オリンパス、東京、日本)の一端に取り付けられ、液性光導体の他方の端部には太陽電池が設置された。太陽電池は、人間の脳における最小インピーダンスである700オームを有する短絡であった。この試験構成において、40mW超えが実現された。電圧レベルは、700オームを有する5.3Vであった。
【0040】
電子回路15は、危険な高電圧から患者を保護するための電子回路を備えてよい。
【0041】
脳深部刺激以外の用途において、他の電極/ニードルが用いられ得る。当業者は、信号が電極へ伝達する前に、電子回路15が入来信号を処理する必要があるか、またどのように処理するかを知る。必要な処理は、電極および電極が用いられる用途に依存する。
本開示の更なる詳細
【0042】
本開示は、以下の項によって説明され得る。
1.被験者のMRIまたは機能的MRI中、前記被験者の電気刺激に用いるために、遮蔽されたMRI室内に設置されたMRスキャナにおいて既定の電気信号を生成するためのシステムであって、
前記MRI室外に設置される、電気信号を生成するための制御ユニットと、
前記MRI室外に設置される、前記電気信号を対応する光信号に変換するための電気光変換器と、
前記光信号を前記MRI室内へ伝送するための、たとえば光ファイバなどの光伝送素子と、
1)前記MRI室内に設置され、2)磁気共鳴断層撮影中に動作するために構成された、磁気共鳴断層撮影中の前記被験者の電気刺激のために、前記光信号を前記既定の電気信号に変換するための光電気変換器と
を備えるシステム。
2.前記被験者の前記電気刺激は、脳深部刺激、脊椎刺激、経皮神経刺激、末梢神経刺激、脳神経刺激、迷走神経刺激、電気筋肉刺激、皮質多電極刺激、網膜多電極刺激、胃電気刺激療法、心臓刺激、表面電気刺激、非侵襲性電気刺激、角膜電気刺激(TES)、全眼電気刺激(WES)、経皮電気神経刺激(TENS)、皮下神経刺激、神経筋電気刺激(NMES)、バイオニック置換/バイオニックインプラント/神経機能代替、人工内耳、および電子薬/エレクトロバイオニクスのグループから選択される、項1に記載のシステム。
3.前記電気光変換器は、前記信号を変換するためのトランジスタを用いる、項1~2のいずれかに記載のシステム。
4.前記光電気変換器は、太陽電池、好適にはフォトダイオードである、項1~3のいずれかに記載のシステム。
5. 前記光電気変換器は、前記信号を変換するためのオプトカプラを用いる、項1~4のいずれかに記載のシステム。
6.前記光ファイバケーブルは、前記光信号を伝送するための少なくとも1つの単一モードファイバを備える、項1~5のいずれかに記載のシステム。
7.前記光電気変換器は、バッテリによって給電される、項1~6のいずれかに記載のシステム。
8.前記被験者の前記電気刺激のための前記電気信号を定義するパラメータは、刺激電圧、刺激電流、前記システムのインピーダンス、刺激周波数、刺激デューティサイクル、前記刺激信号の総持続期間、および前記刺激信号の波形の1または複数を含む、項1~7のいずれかに記載のシステム。
9.前記被験者の前記電気刺激のための前記電気信号の少なくとも一部は、長方形波形、正方形波形、三角波形、正弦波形、余弦波形、のこぎり波形、ランプ波形、または指数波形を有して周期的である、項1~8のいずれかに記載のシステム。
10.前記電気信号は、項9に記載の波形の2つ以上の間で変化する、項9に記載のシステム。
11.前記被験者の前記電気刺激のための前記電気信号は、脈流または交流であり、または脈流と交流とで切り換わる、項1~10のいずれかに記載のシステム。
12.前記電気刺激信号の前記電圧は、0.1~10Vの範囲内、0.5~8.0Vの範囲内、1.0~6.0Vの範囲内、1.5~5.0Vの範囲内、2.0~4.0Vの範囲内、または2.5~3.5Vの範囲内である、項1~11のいずれかに記載のシステム。
13.前記電気刺激信号の前記周波数は、20~240Hzの範囲内、60~200Hzの範囲内、80~180Hzの範囲内、100~160Hzの範囲内、または120~140Hzの範囲内である、項1~12のいずれかに記載のシステム。
14.前記電気刺激信号は、多数の周波数から成る、項1~13のいずれかに記載のシステム。
15.前記電気刺激信号の前記デューティサイクルは、0.4未満、0.25未満、0.15未満、0.1未満、0.05未満、または0.03未満である、項1~14のいずれかに記載のシステム。
16.前記パルス幅は、10~500マイクロ秒の範囲内、30~350マイクロ秒の範囲内、50~250マイクロ秒の範囲内、70~180マイクロ秒の範囲内、または80~120マイクロ秒の範囲内である、項1~15のいずれかに記載のシステム。
17.前記システムの前記インピーダンスは、1100~1400オームの範囲内、800~1700オームの範囲内、600~1900オームの範囲内、または300~2200オームの範囲内である、項1~16のいずれかに記載のシステム。
18.前記刺激電圧、刺激電流、前記システムのインピーダンス、刺激周波数、および刺激デューティサイクルの少なくとも1つは、前記被験者の前記電気刺激中に変えられる、項1~16のいずれかに記載のシステム。
19.磁気共鳴断層撮影中、1)電気検証信号を生成するために、前記被験者へ送達された前記電気刺激信号を監視し、2)前記電気検証信号を光検証信号に変換し、3)前記光検証信号を前記MRI室外へ伝送し、4)前記被験者へ送達された前記刺激をリアルタイムで監視するために、前記光検証信号を電気信号に変換するために構成された、項1~18のいずれかに記載のシステム。
20.前記光検証信号は、別個の光ファイバケーブルを用いて、または前記光刺激信号を前記MRI室内へ伝送するために用いられた前記光ファイバケーブルを用いて、前記MRI室外へ伝送される、項19に記載のシステム。
21.前記電気刺激に関する入力パラメータを受信し、前記装置を制御するために構成されたコンピュータを更に備える、項1~20のいずれかに記載のシステム。
22.前記電気刺激信号を生成するために構成されたオシロスコープを更に備える、項1~21のいずれかに記載のシステム。
23.前記オシロスコープは、前記電気刺激信号を定義する、前記コンピュータからの信号を受信するために構成される、項22に記載のシステム。
24.被験者のMRIまたは機能的MRI中の前記被験者の電気刺激のためのシステムであって、
項1~23のいずれかに記載の既定の電気信号を生成するためのシステムと、
前記被験者に埋め込まれるために構成され、前記既定の電気信号に基づいて前記被験者へ前記電気刺激を送達するために構成された少なくとも1つの電極と
を備えるシステム。
25.前記少なくとも1つの電極は、前記被験者へ前記電気刺激を送達するための複数の接点を含む、項24に記載のシステム。
26.遮蔽されたMRI室内に設置されたMRスキャナ内に位置する、MRIまたは機能的MRI中の被験者の電気刺激のために、既定の電気刺激信号を生成するための方法であって、
前記MRI室外で電気信号を生成するステップと、
前記MRI室外で前記電気信号を光信号に変換するステップと、
前記光信号を前記MRI室内へ伝送するステップと、
前記MRI室内で前記光信号を前記既定の電気刺激信号に変換するステップと
を備える方法。
27.前記既定の電気刺激信号は、脳深部刺激、脊椎刺激、経皮神経刺激、末梢神経刺激、脳神経刺激、迷走神経刺激、電気筋肉刺激、皮質多電極刺激、網膜多電極刺激、胃電気刺激療法、心臓刺激、表面電気刺激、非侵襲性電気刺激、角膜電気刺激(TES)、全眼電気刺激(WES)、経皮電気神経刺激(TENS)、皮下神経刺激、神経筋電気刺激(NMES)、バイオニック置換/バイオニックインプラント/神経機能代替、人工内耳、および電子薬/エレクトロバイオニクスに適している、項26に記載の方法。
28.前記MRI室内で、前記既定の電気刺激信号から電気検証信号を生成するステップと、
前記電気検証信号を光検証信号に変換するステップと、
前記光検証信号を前記MRI室外へ伝送するステップと、
前記被験者へ送達された前記刺激をリアルタイムで監視するために、前記光検証信号を電気信号に変換するステップと
を更に備える、項26~27のいずれかに記載の方法。
29.遮蔽されたMRI室内に設置されたMRスキャナにおける被験者のMRIまたは機能的MRI中の前記被験者の電気刺激のための方法であって、
前記MRI室外で、電気刺激信号を光信号に変換するステップと、
光ファイバケーブルを用いて、前記光信号を前記MRI室内へ伝送するステップと、
前記MRI室内で、前記光信号を前記電気刺激信号に再び変換するステップと、
前記被験者に前記電気刺激信号を当てるステップと
を備える方法。
30.前記方法が用いられる治療の種類は、脳深部刺激、脊椎刺激、経皮神経刺激、末梢神経刺激、脳神経刺激、迷走神経刺激、電気筋肉刺激、皮質多電極刺激、網膜多電極刺激、胃電気刺激療法、心臓刺激、表面電気刺激、非侵襲性電気刺激、角膜電気刺激(TES)、全眼電気刺激(WES)、経皮電気神経刺激(TENS)、皮下神経刺激、神経筋電気刺激(NMES)、バイオニック置換/バイオニックインプラント/神経機能代替、人工内耳、および電子薬/エレクトロバイオニクスのグループから選択される、項29に記載の方法。
31.前記MRI室内で、前記患者へ送達された前記電気刺激信号を光信号に変換するステップと、光ファイバケーブルを用いて、前記光信号を前記MRI室外へ伝送するステップとを更に備える、項29~30に記載の方法。
32.前記電気刺激のためのコマンドを生成するために構成されたコンピュータに刺激パラメータを入力するステップを更に備える、項29~31のいずれかに記載の方法。