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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】専門相談支援装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230224BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022091176
(22)【出願日】2022-06-03
【審査請求日】2022-09-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521097725
【氏名又は名称】株式会社はなまる手帳
(74)【代理人】
【識別番号】100142136
【弁理士】
【氏名又は名称】深澤 潔
(72)【発明者】
【氏名】吉野 匠
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-002094(JP,A)
【文献】特開2013-097493(JP,A)
【文献】特開2022-068796(JP,A)
【文献】特開2007-200278(JP,A)
【文献】特開2002-049682(JP,A)
【文献】[提携]相続対策プラットフォーム「はなまる手帳」が税理士紹介サイト「税理士コンシェルジュ」と業務提携,[online],2021年12月15日,[令和5年1月23日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20220413232416/https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000083308.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス事業者のWebサイトを介して前記事業者の各々のユーザに専門家サービスを提供する専門相談支援装置であって、
前記専門家サービスのコンテンツとして格納された問題及び課題事例の種類に応じた各種専門家を登録する登録部と、
前記事業者に識別子を付与する設定部と、
前記識別子と前記ユーザとを関連付けて前記ユーザを管理するユーザ管理部と、
前記各種専門家のうち特定の条件下で前記事業者が前記Webサイトに表示させたい特定の専門家を前記事業者と関連付けする専門家管理部と、
前記問題及び課題事例を前記ユーザが選択可能に出力する第1提供部と、
前記ユーザのユーザ端末に表示された前記Webサイトの前記問題及び課題事例のうち前記ユーザが関心のある項目を前記ユーザに選択させることにより前記ユーザの情報を取得する第1取得部と、
前記ユーザに選択された前記問題及び課題事例に対して前記コンテンツとして格納された解決策を出力する第2提供部と、
前記解決策に関連した前記各種専門家のうち、前記特定の条件下では前記特定の専門家として関連付けされた専門家前記Webサイトを介して前記ユーザ端末に出力する第3提供部と、
を備える専門相談支援装置。
【請求項2】
前記専門家管理部が、前記識別子と前記特定の専門家とを関連付けする請求項1に記載の専門相談支援装置。
【請求項3】
コンピュータによってサービス事業者のWebサイトを介して前記事業者の各々のユーザに専門家サービスを提供する専門相談支援方法であって、
前記事業者に識別子を付与する設定ステップと、
前記識別子と前記ユーザとを関連付けて前記ユーザを管理するユーザ管理ステップと、
前記専門家サービスのコンテンツとして格納された問題及び課題事例の種類に応じて登録された各種専門家のうち特定の条件下で前記事業者が前記Webサイトに表示させたい特定の専門家を前記事業者と関連付けする専門家関連付ステップと、
前記問題及び課題事例を前記ユーザが選択可能に出力するサービス提供ステップと、
前記ユーザのユーザ端末に表示された前記Webサイトの前記問題及び課題事例のうち前記ユーザが関心のある項目を当該ユーザ自身に選択させることにより前記ユーザの情報を取得する情報取得ステップと、
前記ユーザが選択した前記問題及び課題事例に対して前記コンテンツとして格納された解決策を選択する抽出ステップと、
前記問題及び課題事例に対する前記解決策を出力する診断ステップと、
前記解決策に関連した前記各種専門家のうち、前記特定の条件下では前記特定の専門家として関連付けされた専門家前記Webサイトを介して前記ユーザ端末に出力する特定専門家紹介ステップと、
を備える専門相談支援方法。
【請求項4】
前記専門家関連付ステップにて前記識別子と前記特定の専門家とを関連付けする請求項3に記載の専門相談支援方法。
【請求項5】
サービス事業者のWebサイトを介して前記事業者の各々のユーザに専門サービスを提供するための専門相談支援プログラムであって、
前記専門サービスのコンテンツとして格納された問題及び課題事例の種類に応じた各種専門家を登録する登録部、
事業者に識別子を付与する設定部、
前記識別子と前記ユーザとを関連付けて前記ユーザを管理するユーザ管理部、
前記各種専門家のうち特定の条件下で前記事業者が前記Webサイトに表示させたい特定の専門家を前記事業者と関連付けする専門家管理部、
前記問題及び課題事例を前記ユーザが選択可能に出力する第1提供部、
前記ユーザのユーザ端末に表示された前記Webサイトの前記問題及び課題事例のうち前記ユーザが関心のある項目を前記ユーザに選択させることにより前記ユーザの情報を取得する第1取得部、
前記ユーザに選択された前記問題及び課題事例に対して前記コンテンツとして格納された解決策を出力する第2提供部、
前記解決策に関連した前記各種専門家のうち、前記特定の条件下では前記特定の専門家として関連付けされた専門家前記事業者の前記Webサイトを介して前記ユーザ端末に出力する第3提供部、
としてコンピュータを機能させる専門相談支援プログラム。
【請求項6】
前記専門家管理部が、前記識別子と前記特定の専門家とを関連付けする請求項5に記載の専門相談支援プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、専門相談支援装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遺産相続が発生した場合、葬儀を円滑に執り行う必要があるだけでなく、相続人が複数いる場合には、財産の分配を円滑に行うことや相続税の納付など、多数のやるべきことが存在する。そのため、準備不足や情報不足から相続に関してトラブルになることも多い。そこで、相続に関するトラブルに見舞われないように相続発生前から相続対策を行う必要がある。
【0003】
一方、相続対策は各家庭の事情に応じて様々な対策があり、場合によっては専門家の力が必要な場合もある。そこで、相続を適切かつ穏当に行うために、その相続にとって適切な専門業者にマッチングさせる専門業者マッチング支援システムが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。これによれば、情報仕訳診断士を介することによって、相談者が抱える問題解決に最適な専門業者をマッチングさせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-45363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のシステムの場合、情報仕訳診断士が相続に関する相談者と対話をしながら相談者の個別事情を把握する必要があり面倒である。また、近年では複雑化する相続問題に対応するためには複数の専門家が連携して取り組む必要があるものの、マッチングされた複数の専門家間の信頼関係がない場合にはうまく連携がとれずにかえって問題解決に至らない場合もあり得る。
【0006】
一方、相続に関する多様な問題を把握し、さらに適切な専門家を紹介するために必要な情報を収集・管理することは多大なコストがかかる場合もあり、自社でこのようなサービスを取り入れたい事業者にとってはハードルが高い。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、相続のような専門相談に関するサービスを導入したい事業者がサービス導入しやすくなるだけでなく、事業者と専門家との連携事情を考慮した専門相談支援装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る専門相談支援装置は、サービス事業者のWebサイトを介して前記事業者の各々のユーザに専門家サービスを提供する専門相談支援装置であって、前記専門家サービスのコンテンツとして格納された問題及び課題事例の種類に応じた各種専門家を登録する登録部と、前記事業者に識別子を付与する設定部と、前記識別子と前記ユーザとを関連付けて前記ユーザを管理するユーザ管理部と、前記各種専門家のうち特定の条件下で前記事業者が前記Webサイトに表示させたい特定の専門家を前記事業者と関連付けする専門家管理部と、前記問題及び課題事例を前記ユーザが選択可能に出力する第1提供部と、前記ユーザのユーザ端末に表示された前記Webサイトの前記問題及び課題事例のうち前記ユーザが関心のある項目を前記ユーザに選択させることにより前記ユーザの情報を取得する第1取得部と、前記ユーザに選択された前記問題及び課題事例に対して前記コンテンツとして格納された解決策を出力する第2提供部と、前記解決策に関連した前記各種専門家のうち、前記特定の条件下では前記特定の専門家として関連付けされた専門家前記Webサイトを介して前記ユーザ端末に出力する第3提供部と、を備える。
【0009】
また、本発明に係る専門相談支援装置は、さらに、前記専門家管理部が、前記識別子と前記特定の専門家とを関連付けする。
【0010】
また、本発明に係る専門相談支援方法は、コンピュータによってサービス事業者のWebサイトを介して前記事業者の各々のユーザに専門家サービスを提供する専門相談支援方法であって、前記事業者に識別子を付与する設定ステップと、前記識別子と前記ユーザとを関連付けて前記ユーザを管理するユーザ管理ステップと、前記専門家サービスのコンテンツとして格納された問題及び課題事例の種類に応じて登録された各種専門家のうち特定の条件下で前記事業者が前記Webサイトに表示させたい特定の専門家を前記事業者と関連付けする専門家関連付ステップと、前記問題及び課題事例を前記ユーザが選択可能に出力するサービス提供ステップと、前記ユーザのユーザ端末に表示された前記Webサイトの前記問題及び課題事例のうち前記ユーザが関心のある項目を当該ユーザ自身に選択させることにより前記ユーザの情報を取得する情報取得ステップと、前記ユーザが選択した前記問題及び課題事例に対して前記コンテンツとして格納された解決策を選択する抽出ステップと、前記問題及び課題事例に対する前記解決策を出力する診断ステップと、前記解決策に関連した前記各種専門家のうち、前記特定の条件下では前記特定の専門家として関連付けされた専門家前記Webサイトを介して前記ユーザ端末に出力する特定専門家紹介ステップと、を備える。
【0011】
また、本発明に係る専門相談支援方法は、さらに、専門家関連付ステップにて前記識別子と前記特定の専門家とを関連付けする。
【0012】
また、本発明に係る専門相談支援プログラムは、サービス事業者のWebサイトを介して前記事業者の各々のユーザに専門サービスを提供するための専門相談支援プログラムであって、前記専門サービスのコンテンツとして格納された問題及び課題事例の種類に応じた各種専門家を登録する登録部、前記事業者に識別子を付与する設定部、前記識別子と前記ユーザとを関連付けて前記ユーザを管理するユーザ管理部、前記各種専門家のうち特定の条件下で前記事業者が前記Webサイトに表示させたい特定の専門家を前記事業者と関連付けする専門家管理部、前記問題及び課題事例を前記ユーザが選択可能に出力する第1提供部、前記ユーザのユーザ端末に表示された前記Webサイトの前記問題及び課題事例のうち前記ユーザが関心のある項目を前記ユーザに選択させることにより前記ユーザの情報を取得する第1取得部、前記ユーザに選択された前記問題及び課題事例に対して前記コンテンツとして格納された解決策を出力する第2提供部、前記解決策に関連した前記各種専門家のうち、前記特定の条件下では前記特定の専門家として関連付けされた専門家前記事業者の前記Webサイトを介して前記ユーザ端末に出力する第3提供部、としてコンピュータを機能させる。
【0013】
また、本発明に係る専門相談支援プログラムは、さらに、専門家管理部が、前記識別子と前記特定の専門家とを関連付けする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、相続のような専門相談に関するサービスを導入したい事業者がサービス導入しやすくなるだけでなく、サービス事業者と専門家との連携状態の維持又は促進に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施形態に係る専門相談支援装置を含むシステム概要図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る専門相談支援装置を示すブロック図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る専門相談支援装置の処理フロー図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る専門相談支援装置の処理フロー図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る専門相談支援装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本実施形態に係る専門相談支援装置10は、いわゆるクラウドサーバ、ASP(Application Service Provider)サーバ等のサーバ装置である。専門相談支援装置10は、例えば、相続対策に関するコンテンツや相続に関する相談対応可能な専門家サービスを利用する複数の事業者Webサイトの管理や各々の事業者Webサイトを利用する各ユーザ情報の管理を行う。
【0017】
この専門相談支援装置10は、ASP事業者又はASP事業者から委託された者によって運営され、ネットワークN(例えば、インターネット)を介して、有線又は無線により事業者端末Pやユーザ端末Uと通信可能に接続される。事業者端末P及びユーザ端末Uは、例えば、スマートフォンや、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)等の情報処理装置である。
【0018】
事業者端末Pは、ASP事業者が提供する専門家サービスを各々のユーザに提供するサービス事業者の各々によって利用される情報処理端末装置である。各サービス事業者は各々の事業者端末Pを介して専門相談支援装置10にアクセスすることができる。また、ユーザ端末Uは、各サービス事業者の各々のユーザがそれぞれのサービス事業者が提供するWebサイトを介して専門相談支援装置10が提供するコンテンツを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。
【0019】
専門相談支援装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを有する。なお、専門相談支援装置10は、各種操作を受け付ける不図示の入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための不図示の表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0020】
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、ASP事業者端末Pやユーザ端末U等との間で情報の送受信を行う。
【0021】
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部12は制御部13と有線又は無線で接続され、制御部13との間で情報の送受信が行われる。
【0022】
記憶部12は、本実施形態に係る専門相談支援プログラムなどのプログラムが記憶されるプログラム記憶部15と、相続対策に関するコンテンツを形成するファイルに係る文字や静止画像、動画等の各種情報が格納されたコンテンツ記憶部16、サービス事業者AのWebサイトを利用するユーザ情報が格納された事業者Aユーザ記憶部17、サービス事業者BのWebサイトを利用するユーザ情報が格納された事業者Bユーザ記憶部18、相続対策の各種専門家情報が格納された専門家記憶部20を備える。
【0023】
コンテンツ記憶部16には、各サービス事業者のWebサイトで提供されるコンテンツとして例えば、相続に関連する様々な問題及び課題事例とともに、それらの代表的な解決策がデータとして格納されている。ここで、各サービス事業者、例えば、サービス事業者Aは、事業者Aユーザ記憶部17やコンテンツ記憶部16及び専門家記憶部20へのアクセスが可能とされている一方、他のサービス事業者である事業者Bユーザ記憶部18へのアクセスが禁止されている。
【0024】
制御部13は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、専門相談支援装置10の記憶部12に記憶されている専門相談支援プログラムPなどのプログラムがRAMを作業領域として実行される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。なお、制御部13の内部構成は、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0025】
制御部13は、登録部21と、設定部22と、ユーザ管理部23と、専門家管理部24と、第1提供部25と、第1取得部26と、第1抽出部27と、第2提供部28と、第2取得部30と、第2抽出部31と、第3提供部32と、を備えて、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13が有する各部の接続関係は、図1に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0026】
登録部21は、ASP事業者によって入力された相続に関連する問題及び課題事例などの各種コンテンツをコンテンツ記憶部16に登録する。また、ASP事業者によって入力された相続に関連する問題及び課題事例の種類に応じた各種専門家の情報を専門家記憶部20に登録する。専門家情報としては、例えば、専門家の氏名や連絡先、得意とする専門分野や支援サービス内容等である。
【0027】
設定部22は、サービス事業者A,Bのそれぞれに異なる識別子IDを付与する。この識別子IDは設定部22によって、例えば複数の数字や記号等がランダムに組み合わされて生成され、事業者間で重複しないようになっている。また、設定部22は、サービス事業者A,Bのそれぞれに異なるドメインを提供するとともに、ASP事業者が直接管理・運営するWebサイトのミラーサイトと各ドメインとを関連付け、例えば、サービス事業者AのWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)とする。なお、独自ドメインでの運用を希望するサービス事業者に対しては独自ドメインにてURLを設定する。
【0028】
ユーザ管理部23は、識別子IDが付与されたサービス事業者とユーザ端末Uから当該事業者のWebサイトを介して識別子IDを入力したユーザとを関連付ける。すなわち、あるユーザU1がそのユーザ端末Uに表示されたサービス事業者AのWebサイトにてサービスの利用登録をする際、当該ユーザU1がサービス事業者Aに付された識別子IDを当該Webサイトを介して入力することにより、ユーザ管理部23はそのユーザU1とサービス事業者Aとを関連付けたうえで事業者Aユーザ記憶部17に登録する。この管理部23機能はサービス事業者毎に用意される。
【0029】
専門家管理部24は、専門家記憶部20に登録された専門家のうち、サービス事業者が自身のWebサイトに表示させたい特定の専門家を当該サービス事業者と関連付けする。例えば、サービス事業者Aが自身のWebサイトにおいて特定の地域や専門分野等では特定の専門家S1のみを表示させたい場合、専門家管理部24は、サービス事業者Aとその特定の専門家S1とを関連付けして専門家記憶部20への登録要求を登録部21に対して行う。これにより、登録部21が当該専門家S1に係る追加情報を専門家記憶部20へ追加登録することによって、サービス事業者AのWebサイトでは、特定の地域や専門分野においてサービス事業者Aと関連付けされた当該専門家S1のみが表示される。専門家によっては複数のサービス事業者と関連付けされる。
【0030】
第1提供部25は、ユーザ端末Uに表示されたサービス事業者のWebサイトを介してコンテンツ記憶部16に格納された相続に関する問題及び課題事例をユーザが選択可能にユーザ端末Uへ出力する。
【0031】
第1取得部26は、第1提供部25によってユーザ端末Uに表示された問題及び課題事例のうち、当該ユーザが関心のある項目についてユーザ端末Uを介して自身で選択させることにより、当該ユーザが関心のある問題及び課題についての情報を入手する。
【0032】
第1抽出部27は、ユーザが選択した問題及び課題事例に対する解決策をコンテンツ記憶部16から抽出する。
【0033】
第2提供部28は、予め設定された当該問題及び課題事例の優先度とともに、第1抽出部27によって選択された問題及び課題事例に対する解決策をユーザ端末Uに表示されたサービス事業者のWebサイトに出力する。
【0034】
第2取得部30は、第2提供部28によってユーザ端末Uに表示された解決策のうち、さらに専門家に相談したい項目についてユーザ端末Uを介して自身で選択させることにより、当該ユーザが選択した解決策についての情報を入手する。
【0035】
第2抽出部31は、ユーザが選択した解決策に対応可能な専門家を専門家記憶部20から抽出する。この際、ユーザがサービス事業者AのWebサイトを閲覧している場合、事業者Aの識別子IDが付与された専門家Sが登録されている地域や専門分野に関しては当該専門家のみを選択する。
【0036】
第3提供部32は、第2抽出部31によって選択された専門家情報を例えばサービス事業者AのWebサイトを介してユーザ端末Uに表示させる。
【0037】
次に、本実施形態に係る専門相談支援装置10の情報処理について、ユーザ端末Uに表示されたサービス事業者AのWebサイトを通じて相続対策に関するサービスをユーザが利用する場合を例として図面を参照しつつ説明する。
【0038】
まず、登録ステップ(S01)では、登録部21が相続に関連する問題及び課題事例などの各種コンテンツに関するコンテンツ記憶部16を構築するとともに、予め設定された項目に応じて各種専門家の情報を専門家記憶部20に登録する。
【0039】
設定ステップ(S02)では、設定部22が各サービス事業者に他のサービス事業者とは異なる識別子IDを付与する。例えば、サービス事業者Aに対しては「abc」、サービス事業者Bに対しては「def」という識別子を付与する。また、サービス事業者AのWebサイトのURLを設定又は独自ドメインの場合には独自ドメインとの関連付けを行う。これによって、サービス事業者AのWebサイトが公開可能となる。
【0040】
各サービス事業者は、自身の識別子IDをチラシやその他の方法によって例えば識別子ID入力の意識付けのための特典を付与する告知とともに周知してユーザに自己のサービスを認識させる。
【0041】
ユーザ管理ステップ(S03)では、こうして集まったサービス事業者のWebサイトを閲覧したユーザがユーザ登録しようと当該事業者のWebサイトを介して識別子IDを入力した際、ユーザ管理部23が当該ユーザと当該識別子IDが付与されたサービス事業者とを関連付ける。例えば、表1に示すように、ユーザU1,U2がサービス事業者AのWebサイトから登録した場合、ユーザU1,U2と識別子「abc」とがそれぞれ関連付けされる。同様にユーザU3がサービス事業者BのWebサイトから登録した場合、ユーザU3と識別子「def」とが関連付けされる。
【0042】
【表1】
【0043】
専門家関連付ステップ(S04)では、専門家管理部24が、専門家記憶部20に登録された専門家のうち、特定の地域や専門分野等について特定のサービス事業者のWebサイトのみに表示させるために特定の専門家と当該事業者とを関連付けする。例えば、特定の分野Gにおいて、複数の専門家S1,S2,S3に対してサービス事業者Aが自身のWebサイトに特定の専門家S1のみを表示させたい場合、特定の専門家S1とサービス事業者Aとを関連付けする。同様に、サービス事業者Bが自身のWebサイトに特定の専門家S2のみを表示させたい場合、特定の専門家S2とサービス事業者Bとを関連付けする。そして、専門家記憶部20への追加登録要求を登録部21に対して行う。これにより、登録部21が改めて当該専門家S1,S2への追加情報を専門家記憶部20へ登録する。
【0044】
サービス提供ステップ(S05)では、第1提供部25が、ユーザ端末Uに表示されたサービス事業者のWebサイトを介してコンテンツ記憶部16に格納された相続に関する問題及び課題事例をユーザが選択可能にユーザ端末Uへ出力する。
【0045】
情報取得ステップ(S06)では、第1提供部25によってユーザ端末Uに表示された問題及び課題事例のうち、ユーザが関心のある項目を当該ユーザ自身に選択させることにより、ユーザの相続に関する問題及び課題の内容についての情報を第1取得部26が入手する。
【0046】
抽出ステップ(S07)では、ユーザが選択した問題及び課題事例に対する解決策を第1抽出部27がコンテンツ記憶部16から選択する。
【0047】
診断ステップ(S08)では、第2提供部28が、予め設定された当該問題及び課題事例の優先度とともに、第1抽出部27によって選択された問題及び課題事例に対する解決策をユーザ端末Uに表示されたサービス事業者のWebサイトに出力する。
【0048】
紹介受付ステップ(S09)では、第2提供部28によってユーザ端末Uに表示された解決策のうち、さらに専門家に相談したいものをユーザに選択させて第2取得部30が解決策に関する情報を入手する。
【0049】
特定専門家紹介ステップ(S10)では、第2抽出部31が、ユーザが選択した解決策に対応可能な専門家を専門家記憶部20から抽出する。この際、当該ユーザが閲覧しているサービス事業者のWebサイトに対しては、当該事業者と関連付けされた特定の専門家が登録されている地域や専門分野に関しては当該専門家のみを選択する。そして、第3提供部32が、選択された専門家をユーザ端末Uに表示させる。
【0050】
一方、一般専門家紹介ステップ(S11)では、当該事業者と関連付けされていない地域や専門分野に関して、第2抽出部31は該当するすべての専門家を選択する。そして、第3提供部32が、選択された専門家をユーザ端末Uに表示させる。こうして、ユーザは必要に応じて表示された専門家に相談することができる。
【0051】
この専門相談支援装置10によれば、各々のサービス事業者が専門サービスに関するサービス提供Webサイトを自身で構築しなくても、ASP事業者が提供するサービスを利用することができ、ユーザを集客することができる。
【0052】
この際、設定部22は、サービス事業者毎にそれぞれに異なる識別子IDを付与する。そして、識別子IDとユーザとが関連付けされるので、サービス事業者が獲得した自身のユーザの状況を把握することができる。
【0053】
また、専門家管理部24は、専門家記憶部20に登録された専門家Sのうち、サービス事業者が自身のWebサイトに表示させたい専門家と当該事業者とを関連付けする。よって、例えば、サービス事業者Aが自身のWebサイトにおいて特定の地域や専門分野等では特定の専門家S1のみを表示させたい場合、サービス事業者AのWebサイトでは、特定の専門家S1のみを表示する。すなわち、特定の地域や専門分野において当該専門家以外の競合を排除することができ、事業者Aと当該専門家S1との連携を強化することができる。
【0054】
さらに、ユーザは、問題や課題の診断サービスから専門家とのマッチングまでユーザ端末Uからのアクセスによって提供を受けることができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る専門相談支援装置40の制御部41の専門家管理部42が、サービス事業者と特定の専門家とを当該事業者の識別子IDを介して関連付けするとした点である。
【0056】
専門家管理部42は、専門家記憶部20に登録された専門家Sのうち、サービス事業者が自身のWebサイトに表示させたい特定の専門家と識別子IDとを関連付けする。例えば、サービス事業者Aが自身のWebサイトにおいて特定の地域や専門分野等では特定の専門家S1のみを特定の専門家として表示させたい場合、専門家管理部42は、サービス事業者Aによって当該専門家S1の情報に追加されたサービス事業者Aの識別子IDを介してサービス事業者Aとその特定の専門家S1とを関連付けして登録部21へ専門家記憶部20への登録要求を行う。これにより、登録部21が当該特定の専門家S1に係る追加情報を専門家記憶部20へ追加登録することによって、事業者AのWebサイトでは、特定の地域や専門分野においてサービス事業者Aの識別子IDに関連付けされた当該特定の専門家S1のみが表示される。専門家によっては複数の識別子IDと関連付けされる。
【0057】
次に、本実施形態に係る専門相談支援装置40の情報処理について説明する。
まず、第1の実施形態と同様に登録ステップ(S01)、設定ステップ(S02)、ユーザ管理ステップ(S03)を行う。
【0058】
専門家関連付ステップ(S14)では、専門家管理部42が、専門家記憶部20に登録された専門家のうち、特定の地域や専門分野等について特定のサービス事業者Webサイトのみに表示させる特定の専門家と識別子IDとを関連付けする。例えば、表2に示すように、特定の分野Gにおいて、複数の専門家S1,S2,S3に対してサービス事業者Aが自身のWebサイトに専門家S1のみを特定の専門家として表示させたい場合、専門家S1と識別子「abc」とを関連付けする。同様に、サービス事業者Bが自身のWebサイトに専門家S2のみを表示させたい場合、専門家S2と識別子「def」とを関連付けする。そして、専門家記憶部20への追加登録要求を登録部21に対して行う。これにより、登録部21が改めて当該専門家S1,S2の追加情報を専門家記憶部20へ登録する。
【0059】
【表2】
【0060】
そして、第1の実施形態と同様に、サービス提供ステップ(S05)から紹介受付ステップ(S09)が行われる。
【0061】
特定専門家紹介ステップ(S20)では、第2抽出部31が、ユーザが選択した解決策に対応可能な専門家を専門家記憶部20から抽出する。この際、当該ユーザが閲覧しているサービス事業者のWebサイトに対しては、当該事業者の識別子IDが付与された専門家が登録されている地域や専門分野に関しては当該専門家のみを選択する。そして、第3提供部32が、選択された専門家をユーザ端末Uに表示させる。
【0062】
一方、一般専門家紹介ステップ(S21)では、当該事業者の識別子IDが付与されていない地域や専門分野に関して、第2抽出部31は該当するすべての専門家を選択する。そして、第3提供部32が、選択された専門家をユーザ端末Uに表示させる。こうして、ユーザは必要に応じて表示された専門家に相談することができる。
【0063】
この専門相談支援装置40によれば、第1の実施形態に係る専門相談支援装置10と同様の効果を奏することができる。それだけでなく専門家管理部42は、専門家記憶部20に登録された専門家Sのうち、サービス事業者が自身のWebサイトに表示させたい専門家と当該事業者の識別子IDとを関連付けする。よって、サービス事業者と特定の専門家との関連付けを容易にかつ確実に行うことができる。
【0064】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
また、「部」は「手段」や「回路」等に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0065】
10、40 専門相談支援装置
11 通信部
12 記憶部
13,41 制御部
21 登録部
22 設定部
23 ユーザ管理部
24,42 専門家管理部
25 第1提供部
26 第1取得部
28 第2提供部
32 第3提供部
A,B サービス事業者(事業者)
ID 識別子
S 専門家
S1,S2,S3 特定の専門家
U、U1,U2,U3 ユーザ
【要約】
【課題】専門相談に関するサービスを導入したい事業者がサービス導入しやすくなるだけでなく、事業者と専門家との連携事情を考慮した専門相談支援装置、方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】専門相談支援装置10は、各種専門家を登録する登録部21と、事業者に識別子を付与する設定部22と、識別子とユーザとを関連付けてユーザを管理するユーザ管理部23と、各種専門家のうち特定の専門家と事業者とを関連付けする専門家管理部24と、問題及び課題事例をユーザが選択可能に出力する第1提供部25と、ユーザが関心のある項目をユーザに選択させユーザの情報を取得する第1取得部25と、選択された問題及び課題事例に対する解決策を出力する第2提供部26と、解決策に関連した各種専門家のうち、識別子で関連付けされた専門家を出力する第3提供部32と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5