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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】振動発生装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/065 20060101AFI20230224BHJP
   B06B 1/16 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
H02K7/065
B06B1/16
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017222993
(22)【出願日】2017-11-20
(65)【公開番号】P2018137973
(43)【公開日】2018-08-30
【審査請求日】2020-09-11
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-24
(31)【優先権主張番号】P 2017029687
(32)【優先日】2017-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】飯野 朗弘
(72)【発明者】
【氏名】春日 政雄
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】柿崎 拓
【審判官】冨永 達朗
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-248203(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0298320(US,A1)
【文献】実開平2-107089(JP,U)
【文献】特開2001-69704(JP,A)
【文献】特開2002-219409(JP,A)
【文献】国際公開第2012/008248(WO,A1)
【文献】特開2006-94644(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K7/065
B06B1/16
B06B1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸線回りに回転可能に設けられ、前記回転軸線に対して偏心した重心を有する重錘を備えたロータと、
前記ロータに挿通され、前記ロータを回転可能に支持するシャフトと、
前記重錘よりも径方向の内側に配置され、前記シャフトの一端に取り付けられ、前記ロータの軸方向の移動を規制する規制部と、
を備え、
前記規制部および前記シャフトの一端は、前記シャフトの他端を基準にしたときに前記ロータの高さよりも低く配置され、
前記ロータは、前記重錘が取り付けられたバックヨークと、前記シャフトと前記バックヨークとの間に介在する軸受と、を備え、
前記規制部の一部は、前記バックヨークと前記軸方向で直接対向し、
前記重錘は、前記シャフトの他端を基準にしたときに前記ロータを構成する前記重錘以外の何れの部材よりも高い位置に設けられている、
ことを特徴とする振動発生装置。
【請求項2】
前記シャフトの他端を支持する支持板を備え、
前記支持板は、前記回転軸線から前記径方向の外側の端部までの寸法が前記ロータの最大半径よりも小さい小径部と、前記回転軸線から前記径方向の外側の端部までの寸法が前記ロータの最大半径よりも大きい大径部とを有することを特徴とする請求項1に記載の振動発生装置。
【請求項3】
前記支持板は、前記支持板の厚み方向に沿って前記大径部から立設した突起部を備えることを特徴とする請求項に記載の振動発生装置。
【請求項4】
請求項1から請求項の何れか1項に記載の振動発生装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
外部から視認可能な視認部と、
前記視認部に設けられている開口部と、
を備え、
前記ロータは、前記開口部内に配置されていることを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記ロータの一部は、前記視認部から外部に向かって突出していることを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発生装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等の電子機器には、着信や様々な情報等をユーザーに伝達する手段として振動が用いられている。この振動を発生するために振動発生装置(振動モータ)が使用されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の振動発生装置は、ロータと、ロータの回転を支持するステータと、これらロータおよびステータを収納するカバーとを備える。ロータは、ステータが有するシャフトに外挿されている。ロータは、ロータの重心を偏心させる偏心錘を有している。カバーは、その内面をシャフトの一端に当接させた状態でロータ及びステータを少なくとも軸方向の一方側および径方向の外側から覆っている。
【0004】
特許文献1の振動発生装置では、ロータが回転することにより重錘の遠心力が作用して振動を発生させている。特許文献1の振動発生装置では、カバーの内面がシャフトの一端に当接していることによりロータの軸方向の移動を規制してロータがシャフトから抜けるのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5921743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の振動発生装置では、カバーによりロータがシャフトから抜けることを防止している。このため、振動発生装置の厚さ(軸方向の寸法)がカバーの厚み、及びカバーとロータとの隙間分、大きくなる。
【0007】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、薄型化を図ることができる振動発生装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の振動発生装置は、回転軸線回りに回転可能に設けられ、前記回転軸線に対して偏心した重心を有する重錘を備えたロータと、前記ロータに挿通され、前記ロータを回転可能に支持するシャフトと、前記重錘よりも径方向の内側に配置され、前記シャフトの一端に取り付けられ、前記ロータの軸方向の移動を規制する規制部と、を備え、前記規制部および前記シャフトの一端は、前記シャフトの他端を基準にしたときに前記ロータの高さよりも低く配置され、前記ロータは、前記重錘が取り付けられたバックヨークと、前記シャフトと前記バックヨークとの間に介在する軸受と、を備え、前記規制部の一部は、前記バックヨークと前記軸方向で直接対向し、前記重錘は、前記シャフトの他端を基準にしたときに前記ロータを構成する前記重錘以外の何れの部材よりも高い位置に設けられている、ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、従来技術の振動発生装置のようなカバーを用いることなく、ロータがシャフトから抜けることを防止できる。このため、従来の振動発生装置に比べてカバーがない分だけ厚さを小さくすることが可能になる。よって、振動発生装置の薄型化を図ることができる。
【0011】
また、規制部がロータよりも外側に突出しない分だけ振動発生装置の厚さをさらに薄くすることが可能になる。よって、振動発生装置のさらなる薄型化を図ることができる。
【0013】
また、シャフトがロータよりも外側に突出しない分だけ振動発生装置の厚さをさらに薄くすることが可能になる。よって、振動発生装置のさらなる薄型化を図ることができる。
【0015】
また、ロータが軸方向に移動した際に、規制部にバックヨークが直接接触する。これにより、例えばバックヨークとシャフトとの間に介在する軸受の移動を規制部により規制する構成と比較して、重錘に対してより近い位置(すなわち径方向においてシャフトからより離れた位置)でロータの軸方向の移動を規制できる。したがって、ロータがシャフトから抜けることをより確実に防止できる。
【0017】
また、重錘の設置範囲が広がるので、重錘を大きくすることが可能になる。したがって、回転するロータに作用する重錘の遠心力が大きくなる。よって、振動発生装置の薄型化及び振動の増大の両立を図ることができる。
【0018】
上記の振動発生装置において、前記シャフトの他端を支持する支持板を備え、前記支持板は、前記回転軸線から前記径方向の外側の端部までの寸法が前記ロータの最大半径よりも小さい小径部と、前記回転軸線から前記径方向の外側の端部までの寸法が前記ロータの最大半径よりも大きい大径部とを有することが望ましい。
【0019】
本発明によれば、径方向における小径部の外側に他の機器を配置するスペースを設けることができる。したがって、振動発生装置が搭載される機器の小型化を図ることができる。
【0021】
また、軸方向から見て大径部がロータよりも突出するので、振動発生装置を搭載先の機器に取り付ける際に、大径部を掴むことで振動発生装置を容易に持つことが可能になる。よって、搭載先の機器への取付作業を容易に行うことができる振動装置とすることができる。
【0022】
上記の振動発生装置において、前記支持板は、前記支持板の厚み方向に沿って前記大径部から立設した突起部を備えることが望ましい。
【0023】
本発明によれば、大径部を掴む際に、突起部が指やピンセット等に引っ掛かりやすくなり、振動発生装置をより容易に持つことが可能になる。よって、搭載先の機器への取付作業を容易に行うことができる。
【0024】
本発明の電子機器は、上記の振動発生装置を備えることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、薄型化された振動発生装置を備えるので、電子機器の薄型化を図ることができる。
【0026】
上記の電子機器において、外部から視認可能な視認部と、前記視認部に設けられている開口部と、を備え、前記ロータは、前記開口部内に配置されていることが望ましい。
【0027】
本発明によれば、ロータが回転している様子をユーザーに認識させることが可能になる。したがって電子機器は、ユーザーに対して振動を利用して情報を伝達するとともに視覚を利用して情報を伝達することも可能になる。よって、電子機器は、ユーザーに対する情報の伝達機能を向上させることができる。
【0028】
上記の電子機器において、前記ロータの一部は、前記視認部から外部に向かって突出していることが望ましい。
【0029】
本発明によれば、ロータおよびシャフトが視認部から外部に向かって突出しない構成と比較して、ロータおよびシャフトのうち視認部の裏側に位置する部分の厚みが小さくなるので、振動発生装置を備える電子機器を薄型化することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、振動発生装置及び電子機器の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第1の実施形態の時計の平面図である。
図2】第1の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図3】第2の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図4】第3の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図5】第4の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図6】第5の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図7】第6の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それらの重複する説明は省略する場合がある。
【0033】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の時計1(電子機器)について説明する。
図1は、第1の実施形態の時計の平面図である。
図1に示すように、時計1は、腕時計型のアナログ式電子時計である。時計1は、時計本体11と、時計本体11に取り付けられたバンド12と、を備える。
【0034】
時計本体11は、ケース13と、ケース13の表面に設けられたガラス14と、ガラス14の内側に設けられた文字板15(視認部)と、ケース13内に設けられた時計用の部品と、を備える。文字板15は、外部からガラス14を介して視認可能となっている。文字板15には、時刻を表示するための数字等が明示されている。文字板15上には、複数の針16(時針、分針および秒針)が回転可能に配置されている。文字板15には、孔17(開口部)が設けられている。
【0035】
ケース13内には、時計用の部品として、ムーブメント及び振動発生装置2が収容されている。ムーブメントは、駆動ユニット及びバッテリ等を備え、複数の針16の駆動を制御する。振動発生装置2は、後述するロータ3が孔17内に配置されている。
【0036】
図2は、第1の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図2に示すように、振動発生装置2は、ブラシレスの振動発生装置(ブラシレスモータ)である。振動発生装置2は、ロータ3と、ステータ4と、規制部5と、を備える。なお、以下の説明では、ロータ3の回転軸線C方向を軸方向と称するとともに符号Zを付し、軸方向Zに直交して回転軸線Cから放射状に延びる方向(すなわちロータ3の径方向)を径方向と称するとともに符号Rを付す。また、回転軸線C周りの周方向を単に周方向と称する。
【0037】
ロータ3は、軸受31と、バックヨーク32と、磁石33と、重錘34と、を備える。ロータ3は、径方向Rから見て、少なくとも一部が文字板15の孔17内に配置されている。なお、ロータ3は、文字板15からガラス14側に突出するように孔17内に配置されていてもよい。
軸受31は、例えば含油軸受等のすべり軸受である。軸受31は、円筒状に形成され、回転軸線Cと同軸に配置されている。
【0038】
バックヨーク32は、環状に形成されたヨーク本体35と、ヨーク本体35の内周縁から延びる嵌合筒部36と、ヨーク本体35の外周縁から延びる取付部37と、を備え、これらが一体形成されている。ヨーク本体35は、軸方向Zに直交する円環板状に形成され、回転軸線Cと同軸に配置されている。ヨーク本体35は、軸受31よりも軸方向Zにおける一方側に配置されている。嵌合筒部36は、ヨーク本体35の内周縁から軸方向Zの他方側に向かって延びている。嵌合筒部36は、円筒状に形成されている。嵌合筒部36内には、軸方向Zにおける軸受31の一方側の端部が嵌合されている。取付部37は、ヨーク本体35の外周縁の一部から径方向Rの外側に向かって延びている。取付部37は、重錘34の形状に対応して形成され、中心角が約180°の扇状に形成されている。
【0039】
磁石33は、バックヨーク32のヨーク本体35における軸方向Zの他方側に向く主面上に設けられている。
重錘34は、バックヨーク32の取付部37における軸方向Zの他方側に向く主面37a上において、磁石33よりも径方向Rの外側に設けられている。重錘34は、回転軸線Cを中心とする扇状に形成されている。重錘34は、軸方向Zから見た中心角が例えば約180°となるように形成されている。これにより重錘34の重心は、回転軸線Cに対して偏心している。重錘34の軸方向Zにおける寸法は、磁石33の軸方向Zにおける寸法と略一致している。重錘34の材質としては、比重の高い金属であるタングステンが使用されている。重錘34は、取付部37の主面37aに対し、例えば接着剤や溶接等により固定されている。
【0040】
ステータ4は、シャフト41と、ベース部42(支持板)と、コイル43と、駆動部44と、を備える。
シャフト41は、回転軸線Cと同軸に配置されている。シャフト41は、軸受31に挿通され、軸受31に対して相対回転可能に嵌合されている。これによりシャフト41は、ロータ3を回転可能に支持している。シャフト41は、軸方向Zの一方側の第1端部41a(一端)と、軸方向Zの他方側の第2端部41b(他端)と、を備えている。シャフト41の第1端部41aは、シャフト41の第2端部41bを基準にしたときに、ロータ3の高さ以下に配置されている。すなわち、軸方向Zにおいて、シャフト41の第1端部41aは、ロータ3の一方側の端部と同じ位置、または他方側に配置されている。本実施形態では、シャフト41の第1端部41aは、シャフト41の第2端部41bを基準にしたときに、ロータ3よりも低く配置されている。すなわち、シャフト41の第1端部41aは、ロータ3における軸方向Zの一方側の端部よりも軸方向Zの他方側に配置されている。
【0041】
ベース部42は、軸方向Zにおける磁石33を挟んでバックヨーク32のヨーク本体35の反対側に配置されている。ベース部42は、ケース13(図1参照)内に配置された回路基板等に取り付けられている。ベース部42は、軸方向Zに直交する円板状に形成されている。ベース部42は、小径部45及び大径部46を備えている。小径部45は、ベース部42における周方向の一部に設けられている。小径部45は、回転軸線Cから径方向Rの外側の端部までの寸法が、ロータ3の最大半径よりも小さくなるように形成されている。大径部46は、ベース部42における周方向の一部であって、小径部45とは異なる箇所に設けられている。大径部46は、回転軸線Cから径方向Rの外側の端部までの寸法が、ロータ3の最大半径よりも大きくなるように形成されている。ベース部42の中央部には、シャフト支持孔47が形成されている。シャフト支持孔47は、回転軸線Cと同軸に形成されている。シャフト支持孔47には、シャフト41における軸方向Zの他方側の第1端部41aが相対回転不能に挿通されている。
【0042】
コイル43は、ベース部42におけるロータ3の磁石33と対向する主面42a上に設けられている。
駆動部44は、ベース部42の主面42a上に設けられている。駆動部44は、外部電源に接続されている。駆動部44は、コイル43に電気的に接続されている。駆動部44は、図示しないホール素子を有し、そのホール素子によりロータ3に設けられた磁石33の極性を検知し、検知した極性に応じて外部電源から供給された電流を制御してコイル43に供給する。コイル43に電流が供給されると、コイル43に磁力が発生する。コイル43に発生した磁力と、磁石33の磁力との相互作用によりロータ3が回転軸線Cを中心にして回転する。これによりロータ3には、重錘34の遠心力が作用して振動が発生する。
【0043】
規制部5は、ロータ3の軸方向Zの移動を規制する。規制部5は、例えばナット等である。規制部5は、シャフト41の第1端部41aに固定されている。これにより、規制部5は、ロータ3の軸方向Zにおける一方側(ステータ4とは反対側)への移動を規制する。規制部5は、ロータ3の重錘34よりも径方向Rの内側に配置されている。規制部5は、バックヨーク32の嵌合筒部36内に配置されている。規制部5は、シャフト41の第2端部41bを基準にしたときに、ロータ3の高さ以下に配置されている。すなわち、軸方向Zにおいて、規制部5の一方側の端部は、ロータ3の一方側の端部と同じ位置、または他方側に配置されている。本実施形態では、規制部5は、シャフト41の第2端部41bを基準にしたときに、ロータ3よりも低く配置されている。すなわち、規制部5は、ロータ3における軸方向Zの一方側の端部よりも軸方向Zの他方側に配置されている。
【0044】
規制部5と軸受31との間、及び軸受31とベース部42との間には、それぞれ摺動リング6が介在している。摺動リング6は、円環状に形成されている。摺動リング6の外径は、軸受31における摺動リング6に対向する端面の外径以下に設定されている。摺動リング6は、シャフト41に挿通されて嵌合されている。摺動リング6は、軸受31の回転を滑らかにする部材である。具体的に摺動リング6は、ポリアセタールやナイロン等の滑り性を有する樹脂材料単体、または前記樹脂に例えばポリテトラフルオロエチレンや超高分子ポリエチレン等の固体潤滑剤が添加された材料により形成されている。
【0045】
このように、本実施形態の振動発生装置2は、重錘34よりも径方向の内側に配置され、シャフト41の第1端部41aに取り付けられ、ロータ3の軸方向Zの移動を規制する規制部5を備える。これにより、従来技術の振動発生装置のようなカバーを用いることなく、ロータ3がシャフト41から抜けることを防止できる。このため、従来の振動発生装置に比べてカバーがない分だけ厚さ(軸方向Zの寸法)を小さくすることが可能になる。よって、振動発生装置2の薄型化を図ることができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、従来技術の振動発生装置のようなカバーの配置を省略できるので、従来の振動発生装置に比べて、ロータ3の径方向Rの外側にカバーがない分だけ、軸方向Zから見た振動発生装置2の外形を小さくすることができる。
さらに、本実施形態によれば、カバーの配置を省略できるので、振動発生装置2の大型化を抑制しつつ、磁石33やコイル43を大きくすることが可能になる。これにより振動発生装置2の高トルク化が可能になる。よって、振動発生装置2は、振動を容易に発生させることができる。
さらに、本実施形態によれば、カバーの配置を省略できるので、部品コストを抑えることも可能になり、低コスト化を図ることもできる。
【0047】
また、規制部5は、シャフト41の第2端部41bを基準にしたときにロータ3よりも低く配置されている。これにより規制部5がロータ3よりも外側に突出しない分だけ振動発生装置2の厚さをさらに薄くすることが可能になる。よって、振動発生装置2のさらなる薄型化を図ることができる。
【0048】
また、シャフト41の第1端部41aは、シャフト41の第2端部41bを基準にしたときにロータ3よりも低く配置されている。これによりシャフト41がロータ3よりも外側に突出しない分だけ振動発生装置2の厚さをさらに薄くすることが可能になる。よって、振動発生装置2のさらなる薄型化を図ることができる。
【0049】
また、ベース部42は、回転軸線Cから径方向Rの外側の端部までの寸法が、ロータ3の最大半径よりも小さい小径部45を有する。これにより、径方向Rにおける小径部45の外側に、他の機器(時計用部品)を配置するスペースを設けることができる。したがって、振動発生装置2が搭載される時計1(時計本体11)の小型化を図ることができる。
【0050】
また、ベース部42は、回転軸線Cから径方向Rの外側の端部までの寸法が、ロータ3の最大半径よりも大きい大径部46を有する。これにより、軸方向Zから見て大径部46がロータ3よりも突出するので、振動発生装置2を時計1に取り付ける際に、大径部46を掴むことで振動発生装置2を容易に持つことが可能になる。よって、時計1への取付作業を容易に行うことができる。
【0051】
また、シャフト41の規制部5とロータ3との間にはロータ3の回転を滑らかにする摺動リング6が取り付けられている。これにより、振動発生装置2は、ロータ3の回転抵抗を低減することが可能になるので、振動を容易に発生させることができる。軸受31とベース部42との間に取り付けられた摺動リング6についても同様である。
しかも、摺動リング6の外径は、軸受31における摺動リング6に対向する端面の外径以下に設定されているので、摺動リング6がロータ3における軸受31以外の部材(例えばバックヨーク32と接触することを防止できる。このため、ロータ3の回転時にロータ3と摺動リング6との間に生じる摺動損失を抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態の時計1は、薄型化された振動発生装置2を備えるので、時計1の薄型化を図ることができる。さらに時計1は、従来技術における振動発生装置のカバーの配置が省略されたことにより、時計1の内部においてロータ3の周囲にスペースが発生するので、このスペースに時計用の部品を配置することができる。したがって、時計1を小型化することができる。
【0053】
また、本実施形態では、ロータ3が文字板15の孔17内に配置されている。これにより、ロータ3が回転している様子をユーザーに認識させることが可能になる。したがって、ユーザーに対して振動を利用して情報を伝達するとともに視覚を利用して情報を伝達することも可能になる。よって、時計1は、ユーザーに対する情報の伝達機能を向上させることができる。さらに時計1では、孔17を設けたことにより内部の機構の一部を視認することが可能になるので、時計1の意匠性を高めることができる。
【0054】
また、ロータ3は、径方向Rから見て、少なくとも一部が文字板15の孔17内に配置されているので、径方向Rから見てロータ3と文字板15とが重なるように配置される。このため、ロータ3が文字板15の孔17内に配置されない構成と比較して、軸方向Zにおいて文字板15と振動発生装置2とが占める領域を小さくすることができる。これにより、時計1を薄型化することができる。
【0055】
なお、ロータ3は、針16に接触しない範囲で文字板15から針16側(ガラス14側)に突出するように配置してもよい。これにより、ロータ3が文字板15から針16側に突出しない構成と比較して、ロータ3のうち文字板15の裏側に位置する部分の厚みが小さくなるので、時計1をさらに薄型化することができる。
【0056】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の振動発生装置102について説明する。
図3は、第2の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図3に示すように、振動発生装置102は、ブラシレスの振動発生装置である。振動発生装置102は、ロータ103と、ステータ4(図2参照)と、規制部5と、を備える。
【0057】
ロータ103は、軸受31と、バックヨーク132と、磁石33と、重錘134と、を備える。バックヨーク132は、ヨーク本体35と、嵌合筒部36と、ヨーク本体35の外周縁から延びる取付部137と、を備え、これらが一体形成されている。ヨーク本体35は、軸受31と径方向Rで面一に配置されている。取付部137は、ヨーク本体35の外周縁の一部から軸方向Zの一方側に向かって延びている。取付部137は、重錘134の形状に対応して形成され、中心角が約180°の半円筒状に形成されている。
【0058】
重錘134は、磁石33及び取付部137よりも径方向Rの外側に設けられている。重錘134は、回転軸線Cを中心とする扇状に形成されている。重錘134は、軸方向Zから見た中心角が例えば約180°となるように形成されている。これにより重錘134の重心は、回転軸線Cに対して偏心している。重錘134は、取付部137の外周面に対し、例えば接着や溶接等で固定されている。
【0059】
重錘134は、取付部137よりも軸方向Zの一方側に突出するように形成されている。重錘134は、シャフト41の第2端部41b(図2参照)を基準にしたときに、ロータ103における最も高い位置にある。このため重錘134の設置範囲が広がるので、重錘134を大きくすることが可能になる。したがって回転するロータ103に作用する重錘134の遠心力が大きくなる。よって、振動発生装置102は、薄型化及び振動の増大の両立を図ることができる。また重錘134を大きくすることが可能になることから、重錘134の材質としてタングステンよりも比重が軽く、安価かつ加工が容易な銅を使用することが可能になり、低コスト化を図ることができる。
【0060】
規制部5は、シャフト41の第2端部41bを基準にしたときにロータ103と同じ高さに配置されている。すなわち、軸方向Zにおいて、規制部5の一方側の端部は、ロータ103の一方側の端部と同じ位置に設けられている。これにより規制部5がロータ103よりも外側に突出しない分だけ、振動発生装置102の厚さを薄くすることが可能になる。よって、振動発生装置102のさらなる薄型化を図ることができる。
【0061】
また、シャフト41の第1端部41aは、シャフト41の第2端部41bを基準にしたときにロータ103と同じ高さに配置されている。すなわち、軸方向Zにおいて、シャフト41の第1端部41aは、ロータ103の一方側の端部と同じ位置に設けられている。これによりシャフト41がロータ103よりも外側に突出しない分だけ振動発生装置102の厚さをさらに薄くすることが可能になる。よって、振動発生装置102のさらなる薄型化を図ることができる。
【0062】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態の振動発生装置202について説明する。
図4は、第3の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図4に示すように、振動発生装置202は、ブラシレスの振動発生装置である。振動発生装置202は、ロータ203と、ステータ4(図2参照)と、規制部5とを備える。
【0063】
ロータ203は、軸受31と、バックヨーク232と、磁石33と、重錘234と、を備える。バックヨーク232は、ヨーク本体35と、嵌合筒部36と、を備え、これらが一体形成されている。ヨーク本体35は、軸受31と径方向Rで面一に配置されている。
重錘234は、ヨーク本体35における軸方向Zの一方側に向く主面上に設けられている。重錘234は、回転軸線Cを中心とする扇状に形成されている。重錘234は、軸方向Zから見た中心角が例えば約180°となるように形成されている。これにより重錘234の重心は、回転軸線Cに対して偏心している。重錘234は、シャフト41の第2端部41b(図2参照)を基準にしたときに、ロータ203における最も高い位置にある。このため重錘234の設置範囲が広がるので、重錘234を大きくすることが可能になる。したがって回転するロータ203に作用する重錘234の遠心力が大きくなる。よって、振動発生装置202は、薄型化及び振動の増大の両立を図ることができる。その他の作用効果は、上述した各実施形態で説明した通りなので説明を省略する。
【0064】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態の振動発生装置302について説明する。
図5は、第4の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図5に示すように、振動発生装置302は、ブラシレスの振動発生装置である。振動発生装置302は、ロータ303と、ステータ4(図2参照)と、規制部5と、を備える。
【0065】
ロータ303は、軸受31と、バックヨーク232と、磁石33と、重錘334と、を備える。重錘334は、第1錘部334aと、第2錘部334bと、を備える。第1錘部334aは、磁石33及びバックヨーク232よりも径方向Rの外側に設けられている。第1錘部334aは、回転軸線Cを中心とする扇状に形成されている。第1錘部334aは、軸方向Zから見た中心角が例えば約180°となるように形成されている。第1錘部334aは、バックヨーク232に対して軸方向Zの一方側に突出するように形成されている。第2錘部334bは、ヨーク本体35における軸方向Zの一方側に向く主面上に設けられている。第2錘部334bは、回転軸線Cを中心とする扇状に形成されている。第2錘部334bは、軸方向Zから見た中心角が例えば約180°となるように形成されている。第2錘部334bは、第1錘部334aと径方向Rで重なるように配置され、第1錘部334aに結合されている。これにより重錘334の重心は、回転軸線Cに対して偏心している。
【0066】
重錘334は、シャフト41の第2端部41b(図2参照)を基準にしたときに、ロータ303における最も高い位置にある。これにより重錘234の設置範囲が広がるので、重錘334を大きくすることが可能になる。したがって回転するロータ303に作用する重錘334の遠心力が大きくなる。よって、振動発生装置302は、薄型化及び振動の増大の両立を図ることができる。その他の作用効果は、上述した各実施形態で説明した通りなので説明を省略する。
【0067】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態の振動発生装置402について説明する。
図6は、第5の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図6に示すように、振動発生装置402は、ブラシ付きの振動発生装置(ブラシ付き振動モータ)である。振動発生装置402は、ロータ403と、ステータ404と、規制部5と、を備える。
【0068】
ロータ403は、軸受31と、回路基板432と、コイル439と、重錘434と、を備える。
回路基板432は、軸受31における軸方向Zの他方側の端部に固定されている。
コイル439は、回路基板432における軸方向Zの一方側に向く主面上に設けられている。コイル439は、回路基板432に対して電気的に接続されている。
【0069】
重錘434は、コイル439よりも径方向Rの外側に設けられている。重錘434は、回転軸線Cを中心とする扇状に形成されている。重錘434は、軸方向Zから見た中心角が例えば約180°となるように形成されている。これにより重錘434の重心は、回転軸線Cに対して偏心している。重錘434は、回路基板432に対し、例えば接着等で固定されている。重錘434は、シャフト41の第2端部41bを基準にしたときに、ロータ403における最も高い位置にある。
【0070】
ステータ404は、シャフト41と、ベース部42と、磁石445と、ブラシ446と、を備える。磁石445は、ベース部42におけるロータ403と対向する主面上に設けられている。ブラシ446は、ベース部42と回路基板432との間に配置されている。ブラシ446は、整流子及び回路基板432を介してコイル439に電気的に接続されている。ブラシ446は、外部電源に電気的に接続されている。外部電源からブラシ446、整流子及び回路基板432を介してコイル439に電流が供給されるとロータ403が回転軸線Cを中心にして回転する。これにより回転するロータ403には、重錘434の遠心力が作用して振動が発生する。
【0071】
このように、振動発生装置402では、第1の実施形態の振動発生装置2と同様にロータ403の軸方向Zの移動を規制する規制部5を備えているので、従来技術の振動発生装置のようなカバーを用いることなく、ロータ403がシャフト41から抜けることを防止できる。このため、従来の振動発生装置に比べてカバーがない分だけ厚さ(軸方向Zの寸法)を小さくすることが可能になる。よって、振動発生装置402の薄型化を図ることができる。その他の作用効果は、上述した各実施形態で説明した通りなので説明を省略する。
【0072】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態の振動発生装置502について説明する。
図7は、第6の実施形態の振動発生装置の模式断面図である。
図7に示す第6の実施形態では、規制部505と軸受31との間に摺動リングが介在していない点で、第1の実施形態と異なる。また、第6の実施形態では、規制部505がバックヨーク32に接触可能に設けられている点で、第1の実施形態と異なる。
【0073】
図7に示すように、振動発生装置502は、ブラシレスの振動発生装置である。振動発生装置502は、ロータ3と、ステータ504と、規制部505と、を備える。
ステータ504は、シャフト541と、ベース部542と、コイル43と、駆動部44と、を備える。シャフト541は、回転軸線Cと同軸に配置されている。シャフト541は、軸受31に挿通され、軸受31に対して相対回転可能に嵌合されている。これによりシャフト541は、ロータ3を回転可能に支持している。シャフト541は、軸方向Zの一方側の第1端部541a(一端)と、軸方向Zの他方側の第2端部541b(他端)と、を備えている。シャフト541の第1端部541aは、シャフト541の第2端部541bを基準にしたときに、少なくともバックヨーク32の嵌合筒部36の高さよりも高く形成されている。すなわち、軸方向Zにおいて、シャフト541の第1端部541aは、少なくともバックヨーク32の嵌合筒部36よりも一方側に配置されている。
【0074】
ベース部542は、上述した第1の実施形態のベース部42に突起部548が形成された構成を有する。突起部548は、大径部46からベース部542の厚み方向(軸方向Z)に沿ってロータ3側に向かって立設されている。突起部548は、大径部46が設けられた範囲で周方向に沿って軸方向Zから見て円弧状に連続して延びていてもよいし、大径部46が設けられた範囲の一部に設けられていてもよい。また、突起部548は、大径部46が設けられた範囲で断片的に複数設けられていてもよい。突起部548と回転軸線Cとの最小離間距離は、ロータ3の最大半径よりも大きいことが望ましい。これにより、ロータ3の最大半径部が周方向において突起部548と同じ位置に位置する状態であっても、軸方向Zから見てロータ3と突起部548との間に隙間が形成される。
【0075】
規制部505は、ロータ3の軸方向Zの移動を規制する。規制部505は、例えばナット等である。規制部505は、シャフト541の第1端部541aに固定されている。規制部505は、ロータ3の軸方向Zにおける一方側(ステータ4のコイル43とは反対側)への移動を規制する。規制部505は、ロータ3の重錘34よりも径方向Rの内側に配置されている。規制部505は、シャフト541の第2端部541bを基準としたときに、バックヨーク32のヨーク本体35よりも高い位置に配置されている。規制部505は、バックヨーク32の嵌合筒部36の内径よりも大径に形成されている。規制部505の一部は、バックヨーク32と軸方向Zで対向する。規制部505は、バックヨーク32のヨーク本体35に対して軸方向Zで離間し、ロータ3の回転時にバックヨーク32に摺接しないように形成されている。
【0076】
振動発生装置502は、ロータ3およびシャフト541の一部が文字板15からガラス14(図1参照)側に突出するように孔17内に配置されている。この状態で、振動発生装置502は、針16に接触しないように配置されている。これにより、ロータ3およびシャフト541が文字板15からガラス14側に突出しない構成と比較して、ロータ3およびシャフト541のうち文字板15の裏側に位置する部分の厚みが小さくなるので、振動発生装置502を備える時計をさらに薄型化することができる。
【0077】
また、ベース部542は、大径部46からベース部542の厚み方向に沿って立設した突起部548を備える。これにより、大径部46を掴む際に、突起部548が指やピンセット等に引っ掛かりやすくなり、振動発生装置502をより容易に持つことが可能になる。よって、時計への取付作業を容易に行うことができる。
【0078】
しかも、ロータ3の最大半径部が周方向において突起部548と同じ位置に位置する状態であっても、軸方向Zから見てロータ3と突起部548との間に隙間が形成される。これにより、ロータ3の位置によらず、突起部548よりも回転軸線C側に指やピンセット等を容易に挿入できる。したがって、振動発生装置502をより容易に持つことが可能になる。
【0079】
また、規制部505の一部は、バックヨーク32と軸方向Zで対向する。この構成によれば、ロータ3が軸方向Zに移動した際に、規制部505にバックヨーク32が直接接触する。これにより、規制部により軸受31の移動を規制する構成と比較して、重錘34に対してより近い位置(すなわち径方向においてシャフト541からより離れた位置)でロータ3の軸方向Zの移動を規制できる。したがって、ロータ3がシャフト541から抜けることをより確実に防止できる。
【0080】
なお、本実施形態の振動発生装置502は、ブラシレスモータであるため、磁石33とコイル43との間に作用する磁力により、ロータ3がステータ504に吸引される。このため、振動発生装置502は、ロータ3を挟んでステータ504とは反対側から、ロータ3に直接または摺動リングを介して常時接触する規制部を備えなくてもよい。ただし、振動発生装置502に衝撃が加わった際等にロータ3がシャフト541から抜け落ちることを防止するために、本実施形態のように平常時にはロータ3から離間した規制部505を設けることが望ましい。
【0081】
以上、図面を参照して、本発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0082】
例えば上記各実施形態では、規制部5としてナットをシャフト41の一端に固定しているが、これに限定されない。例えば、規制部を環状部材により形成し、シャフト41を挿入して接着や溶接等で固定してもよいし、規制部をシャフト41と一体構造にしてもよい。また、規制部をCリングにより構成してシャフト41にかしめてもよいし、シャフト41に螺合されたネジの頭により規制部を構成してもよい。
【0083】
また、上記各実施形態では摺動リング6を使用したが、摺動リング6を使用せずに規制部5に滑り性を持たせてもよい。例えば、規制部5を樹脂で形成したり、金属製の規制部5に滑り性を有するメッキ(ポリテトラフルオロエチレンを含むニッケルメッキ等)を施したりしてもよい。この場合であっても、規制部5の外径を、軸受31における規制部5に対向する端面の外径以下に設定することが望ましい。これにより、ロータの回転時にロータと規制部5との間に生じる摺動損失を抑制することができる。
【0084】
また、ケース13や文字板15を透明な部材で形成して、内部構造を視認できるように時計1を構成してもよい。
【0085】
また、上記各実施形態では、時計1に本発明の振動発生装置を適用した例を説明したが、携帯電話、スマートウォッチ、タブレット、VR用のヘッドマウントディスプレイ、携帯ゲーム機等の電子機器に本発明の振動発生装置を適用してもよい。
【0086】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…時計(電子機器) 2,102,202,302,402,502…振動発生装置 3,103,203,303,403…ロータ 5…規制部 15…文字板(視認部) 17…孔(開口部) 32…バックヨーク 34,134,234,334,434…重錘 41,541…シャフト 41a,541a…第1端部(一端) 41b,541b…第2端部(他端) 42…ベース部(支持板) 45…小径部 46…大径部 548…突起部 C…回転軸線 R…径方向 Z…軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7