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特許7232602太陽電池モジュール用の固定具及び太陽電池モジュールの固定構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】太陽電池モジュール用の固定具及び太陽電池モジュールの固定構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20230224BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20230224BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
H02S20/23 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018171929
(22)【出願日】2018-09-13
(65)【公開番号】P2020041384
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】513009668
【氏名又は名称】ソーラーフロンティア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】白井 哲之
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0237386(US,A1)
【文献】国際公開第2014/016882(WO,A1)
【文献】特開2015-209676(JP,A)
【文献】特開2015-045203(JP,A)
【文献】実開平05-014366(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/18
H02S 20/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュール用の固定具であって、
前記太陽電池モジュールの端部を下から支持する支持部材を有し、
前記支持部材は、前記太陽電池モジュールの端部の下部と当接する領域に、接地用の突起を有
設置面に固定され、前記支持部材を支える基部を有し、
前記基部は、締結部材を介して設置面に固定される脚部を有し、
前記脚部と前記設置面との間に設けられる板部材と、を有し、
前記基部は、前記脚部及び前記板部材を貫通する締結部材と、前記脚部を貫通せずに前記板部材を貫通する別の締結部材と、によって前記設置面に固定されるよう構成されている、
太陽電池モジュール用の固定具。
【請求項2】
前記太陽電池モジュールの前記端部の上を覆う被覆部を有し、
前記被覆部と前記支持部材は、前記太陽電池モジュールの前記端部を側方から受け入れ可能に構成されており、
前記突起は、前記支持部材の、前記被覆部に対向する領域に設けられている、請求項1に記載の太陽電池モジュール用の固定具。
【請求項3】
前記太陽電池モジュール用の固定具は、互いに隣接する一対の太陽電池モジュールの両方を支持可能に構成されており、
前記太陽電池モジュール用の固定具は、前記一対の太陽電池モジュールどうしを電気的に接続するケーブルを保持するケーブル保持部を有する、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用の固定具。
【請求項4】
前記ケーブル保持部の上方を覆うケーブル被覆部を有し、
前記ケーブル被覆部は、前記一対の太陽電池モジュールどうしの間の領域にわたって設けられている、請求項3に記載の太陽電池モジュール用の固定具。
【請求項5】
前記太陽電池モジュールの前記端部の上を覆う被覆部と、
設置面に固定され、前記支持部材を支える基部と、
前記支持部材上に設けられ、前記被覆部を有する押さえ具と、を有し、
前記押さえ具は、締結部材によって前記基部に締結可能に構成されており、
前記押さえ具は、前記締結部材が挿通する孔部を有し、
前記孔部は、前記太陽電池モジュールの前記端部に交差する方向において、前記締結部材の幅よりも長い、請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用の固定具。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用の固定具と、
太陽電池モジュールと、を備えた、太陽電池モジュールの固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール用の固定具と、当該固定具を備えた太陽電池モジュールの固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールは、屋根の種類によって異なった固定方法で屋根上に固定される。太陽電池モジュールが金属屋根に固定される場合、太陽電池モジュールは、一般的には、固定具を使って金属屋根上に直接固定される。太陽電池モジュールは、漏電防止の目的で電気的に接地される必要がある。
【0003】
下記の特許文献1は、ハゼ式折板屋根上に太陽電池モジュールを設置するための固定具を開示する。固定具は、太陽電池モジュールの縁部の上面を下方に押さえつけて固定するパネル押止部材を有する。パネル押止部材の下面には突起が形成されている。この突起は、太陽電池モジュールの表面の塗装を突き抜け、太陽電池モジュールのアルミ素地と電気的に接続され、太陽電池モジュールをアース接続(接地)している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5649751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、外観上の理由や耐腐食性の理由から、太陽電池モジュールのフレームに絶縁性のコーティングが施されていることがある。この場合、太陽電池モジュールのフレームと固定具とを導通させるためには、固定具に設けられた突起部でフレームのコーティングを削り取るようにする必要がある。
【0006】
特許文献1に開示された固定具では、太陽電池モジュールを上から押さえつける押止部材の下面にアース用の突起部が形成されている。特許文献1に開示された固定具では、この突起部が、太陽電池モジュールの設置時に、太陽電池モジュールの当接部位に施された塗装面を突き抜け、塗装面の下に位置するアルミ素地と接続される。
【0007】
しかしながら、本願発明者は、太陽電池モジュールの設置時に突起部が塗装面を突き抜けなかった場合、太陽電池モジュールの接地が十分ではなくなる可能性があることを見出した。したがって、太陽電池モジュールの設置時により接地されやすくなる固定具、及び当該固定具を備えた太陽電池モジュールの固定構造が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様における太陽電池モジュール用の固定具は、前記太陽電池モジュールの端部を下から支持する支持部材を有し、前記支持部材は、前記太陽電池モジュールの端部の下部と当接する領域に、接地用の突起を有し、前記固定具は、設置面に固定され、前記支持部材を支える基部を有し、前記基部は、締結部材を介して設置面に固定される脚部を有し、前記固定具は、前記脚部と前記設置面との間に設けられる板部材と、を有し、前記基部は、前記脚部及び前記板部材を貫通する締結部材と、前記脚部を貫通せずに前記板部材を貫通する別の締結部材と、によって前記設置面に固定されるよう構成されている
【0009】
一態様における太陽電池モジュールの固定構造は、上記の太陽電池モジュール用の固定具と、太陽電池モジュールと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
上記態様によれば、太陽電池モジュールの設置時に太陽電池モジュールがより接地されやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る太陽電池モジュールの固定構造を示す斜視図である。
図2図1の領域2Rの拡大図である。
図3】第1実施形態に係る太陽電池モジュール用の固定具の上方から見た平面図である。
図4図2の領域4RをY方向から見た平面図である。
図5図4の5A-5A線に沿った断面図である。
図6】第2実施形態における太陽電池モジュール用の固定具の斜視図である。
図7】第2実施形態における太陽電池モジュール用の固定具の分解斜視図である。
図8】第3実施形態における太陽電池モジュール用の固定具の斜視図である。
図9】第3実施形態における太陽電池モジュール用の固定具の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。以下の図面において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがあることに留意すべきである。
【0013】
(1)第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る太陽電池モジュールの固定構造を示す斜視図である。図2は、図1の領域2Rの拡大図である。図3は、第1実施形態に係る太陽電池モジュール用の固定具の上方から見た平面図である。なお、便宜上、図2及び図3では、太陽電池モジュール10を構成するフレーム14は示されているが、パネル12は示されていないことに留意されたい。図4は、図2の領域4RをY方向から見た平面図である。図5は、図4の5A-5A線に沿った断面図である。
【0014】
太陽電池モジュールの固定構造は、太陽電池モジュール10と、太陽電池モジュール10用の固定具100と、を有する。太陽電池モジュール10は固定具100によって設置面300に設置される。設置面300は、図1に示すように例えば波形であってよい。すなわち、設置面300は、一方向(Y方向)に沿って延びる複数の凸状部310を有していてよい。複数の凸状部310は、Y方向に交差する方向(X方向)に並んでいてよい。そのような設置面300として、例えば波形の折板屋根やスレート屋根が挙げられる。
【0015】
設置面300は、水平面から傾斜していてよい。この場合、傾斜した設置面300において最大傾斜線に沿って高い方から低い方へ向かう方向を「流れ方向」と称することがある。流れ方向の上流側を「水上側」と称することがある。流れ方向の下流側を「水下側」と称することがある。また、水平面に平行な面内で流れ方向F1と直交する方向を「横方向」と称することがある。なお、本実施形態では、図中のY方向が流れ方向に沿っており、図中のX方向が横方向に沿っている。
【0016】
太陽電池モジュール10は、設置面300上に、1つだけ設けられていてもよく、複数の互いに隣接して設けられていてもよい。各々の太陽電池モジュール10は、パネル12と、パネル12の端部に取り付けられたフレーム14と、を有していてよい。パネル12は、光を電気に変換する光電変換素子によって構成されていてよい。複数の太陽電池モジュール10が互いに隣接して設けられている場合、太陽電池モジュール10どうしを電気的に接続するケーブル200が設けられていてよい。
【0017】
フレーム14は、パネル12の外周を取り囲んでいてよい。フレーム14は、例えばアルミニウムのような金属部材によって構成されていてよい。外観上の理由や耐腐食性の理由から、フレーム14の表面には美感や絶縁性向上のためのコーティングが施されていてよい。
【0018】
固定具100は、基部120と、支持部材130と、押さえ具140と、を有していてよい。基部120は、設置面300に固定される。基部120は、波形の設置面300の凸状部310を挟む脚部122を有していてよい。基部120は、X方向に離れた2つの凸状部310の両方に固定されるよう、一対の脚部122を有することが好ましい。一対の脚部122は、例えば互いに隣接する凸状部310に位置する。
【0019】
各々の脚部122は、凸状部310の頂点を挟んで両側の斜面に当接するよう、略逆V字型に傾斜した形状を有していてよい。各々の脚部122は、例えばボルト及びナットのような締結部材180によって設置面300の凸状部310に固定される。この場合、防水部材210が、脚部122と凸状部310との間に設けられることが好ましい(図4参照)。より好ましくは、防水部材210は、脚部122と凸状部310との間であって、締結部材180が存在する領域に設けられる。より具体的には、脚部122と凸状部310との間の防水部材210は、締結部材180を取り囲むように設けられていてよい。
【0020】
一対の脚部122どうしの互いに対向する部分は、底部124により連結されていてよい。これにより、基部120全体の強度が向上する。さらに、基部120は、底部124と、支持部材130を下から支える上面121と、を連結する壁部126を有していてよい。この場合、基部120全体の強度がより向上する。
【0021】
基部120は、上面121に、ボルト及びナットのような締結部材190の一部を設けるための溝部128を有していてよい。溝部128は、一方向、例えば図のY方向に延びていてよい。溝部128は、Y方向に直交する断面において、締結部材190を受け入れ可能な形状を有していてよい。締結部材190が、ボルトとナットを含む場合、溝部128は、Y方向に直交する断面において、ボルトの頭部を受け入れ可能な形状を有する。さらに、溝部128の上部のX方向の幅は、ボルトの頭部の幅よりも狭くなっており、ボルトのねじ部の幅よりも広くなっている。なお、ボルトの頭部は、Y方向における端部からスライドさせることによって溝部128内に収容させることができる。
【0022】
支持部材130及び押さえ具140は、基部120上に設けられる。押さえ具140は、支持部材130上に設けられる。支持部材130及び押さえ具140は、それぞれ前述した締結部材190が挿通可能な孔部137,146を有していてよい。これにより、締結部材190は、基部120と支持部材130と押さえ具140とを互いに締結することができる。
【0023】
支持部材130は、押さえ具140を下から支える上面132を有していてよい。押さえ具140は、前述した孔部146が形成された下面144と、下面144から上方に延びた壁部143と、壁部143からX方向の外側へ延びた被覆部142と、を有していてよい。被覆部142は、支持部材130の上面132と対向する。
【0024】
太陽電池モジュール10が固定具100に固定された状態において、太陽電池モジュール10の端部、より具体的にはフレーム14の一部は、支持部材130の上面132と、押さえ具140の被覆部142との間に挟まれる。支持部材130と押さえ具140が締結部材190によって互いに締結されると、押さえ具140の被覆部142は、太陽電池モジュール10の端部、具体的にはフレーム14を支持部材130に向けて押さえつける。
【0025】
固定具100は、互いに隣接する太陽電池モジュール10を支持可能に構成されていてよい。この場合、押さえ具140は、互いに隣接する太陽電池モジュールの端部の両方を押さえ付ける一対の被覆部142を有していてよい。この場合、一対の被覆部142の両方が、支持部材130の上面132と対向する。
【0026】
支持部材130の上面132は、押さえ具140の被覆部142に対向する領域に、接地用の突起138を有していてよい。この突起138は、太陽電池モジュール10の端部、すなわちフレーム14の下部に当接する。突起138は、支持部材130と同じ部材によって構成されていてよい。具体的には、支持部材130及び突起138は、例えばアルミニウムのような導電部材によって構成されていてよい。
【0027】
作業員は、固定具100に太陽電池モジュール10を設置しようとする場合、支持部材130の上面132と押さえ具の被覆部142との間に太陽電池モジュール10のフレーム14をX方向から挿入する。この際、支持部材130の上面132は、太陽電池モジュール10のフレーム14から重力によって荷重を受ける。この荷重により、突起138は、太陽電池モジュール10のフレーム14を強い力で擦ることになる。これにより、突起138は、フレーム14に形成された絶縁性のコーティングを削って、フレーム14を構成する金属部材と当接することになる。したがって、太陽電池モジュール10の設置時に太陽電池モジュール10がより電気的に接地されやすくなる。
【0028】
さらに、太陽電池モジュール10が設置された状態では、太陽電池モジュール10のフレーム14は、押さえ具140と重力の作用によって、突起138に強く押し付けられる。したがって、太陽電池モジュール10のフレーム14と支持部材130との導通不良がより抑制される。
【0029】
押さえ具140に形成された孔部146は、太陽電池モジュール10の端部に交差する方向(X方向)において、締結部材190の幅よりも長いことが好ましい。これにより、押さえ具140は、太陽電池モジュール10の端部に交差する方向(X方向)において、基部120に対して移動可能に構成される。この場合、基部120の位置、すなわち凸状部310の位置に対する太陽電池モジュール10の端部の位置に応じて、押さえ具140の位置を調節することができる。この場合、支持部材130は、押さえ具140とともに基部120に対して移動可能に構成されてもよく、基部120に対して移動不能に構成されてもよい。なお、支持部材130の基部120に対する移動は、支持部材130の上面132に形成された孔部137のX方向における長さを変更することによって実現できる。
【0030】
支持部材130のY方向における一端部135は、上面132から下方に曲げられていてよい。これにより、支持部材130の基部120に対するY方向における位置ずれを防止することができる。同様に、支持部材130のY方向におけるもう一方の端部も、上面132から下方に曲げられていてよい。
【0031】
固定具100は、互いに隣接する太陽電池モジュール10どうしを電気的に接続するケーブル200を保持するケーブル保持部134を有していてよい。さらに、固定具100は、ケーブル保持部134の上方を被うケーブル被覆部131を有していてよい。本実施形態では、ケーブル被覆部131は、支持部材130の上面132から一段低い位置に形成された面によって構成される。この代わりに、ケーブル被覆部131は、支持部材130の上面132と面一に形成されていてもよい。支持部材130は、ケーブル被覆部131から下方に曲げられた壁部135を有する。壁部135は、下端部で内側に曲げられており、これによりケーブル200を保持するケーブル保持部134が形成されている。この場合、ケーブル200は、ケーブル被覆部131と壁部135によって覆われるため、ケーブル200への紫外線の照射が抑制される。これにより、ケーブル200の劣化を抑制することができる。
【0032】
ケーブル被覆部131を構成する支持部材130の上面132及び壁部135は、互いに隣接する一対の太陽電池モジュール10どうしの間の領域にわたって設けられていることが好ましい。これにより、ケーブル200への紫外線の照射がより抑制される。
【0033】
(2)第2実施形態
次に、第2実施形態に係る太陽電池モジュールの固定構造及び太陽電池モジュール用の固定具について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号が付されている。以下では、第1実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがある。図6は、第2実施形態における太陽電池モジュール用の固定具の斜視図である。図7は、第2実施形態における太陽電池モジュール用の固定具の分解斜視図である。
【0034】
第2実施形態において、固定具100は、基部120と、支持部材130と、押さえ具140と、を有する。基部120の形状は、概ね第1実施形態と同様である。ただし、第2実施形態では、基部120の底部124が、Y方向から見ると、斜めに傾斜している。より具体的には、壁部126と底部124が、Y方向から見て、略Y字型に構成されている。これにより、X方向における固定具100の中心に付加された荷重は、壁部126と底部124を経て、脚部122に伝わりやすくなる。これにより、基部120全体の強度がより向上する。
【0035】
第2実施形態において、支持部材130の壁部135とケーブル保持部134の形状が、第1実施形態と異なっている。第2実施形態では、壁部135は、支持部材130の上面132の下方に位置するよう、上面132から斜め下方に曲げられている。ケーブル保持部134は、壁部135の下端部から下方に丸く湾曲した部分によって構成される。これにより、ケーブル保持部134は、支持部材130の上面132と壁部135の下側に配置される。したがって、第2実施形態では、支持部材130の壁部135が、ケーブル200を被覆するケーブル被覆部131を構成する。
【0036】
また、第2実施形態では、基部120の脚部122と、設置面300の凸状部310との間に板部材220が設けられている。板部材220は、脚部122の下面と同様の形状を有していてよい。板部材220は、金属で構成されることが好ましい。この場合、固定具100を設置面300に締結する締結部材180は、脚部122と板部材220と設置面300とを締結する。設置面300が例えば金属屋根のような比較的薄い部材によって構成される場合、締結部材180によって脚部122を設置面300に直接固定しようとすると、十分な締結力が得られないことがある。本実施形態では、脚部122と設置面300との間に板部材220が設けられることで、締結部材180が抜けにくくなり、設置面300に対する脚部122の締結力が向上する。この場合、防水部材230は、板部材220と脚部122との間と、板部材220と設置面300の凸状部310との間の両方に設けられていることが好ましい。
【0037】
また、第2実施形態では、脚部122を凸状部310に締結する締結部材180は、各の脚部122に対して2つ設けられている。したがって、各の脚部122は、締結部材180を挿入するための孔部123を2つ有する。
【0038】
(3)第3実施形態
次に、第3実施形態に係る太陽電池モジュールの固定構造及び太陽電池モジュール用の固定具について説明する。第3実施形態において、第2実施形態と同様の構成については、同様の符号が付されている。以下では、第2実施形態と同様の構成については、その説明を省略することがある。図8は、第3実施形態における太陽電池モジュール用の固定具の斜視図である。図9は、第3実施形態における太陽電池モジュール用の固定具の分解斜視図である。
【0039】
第3実施形態において、固定具100は、基部120と、支持部材130と、押さえ具140と、を有する。第3実施形態では、基部120の形状は、概ね第2実施形態と同様である。ただし、第3実施形態では、脚部122と設置面300との間に板部材220は、脚部122よりも長く、脚部122からはみ出している。第3実施形態では、板部材220と設置面300の凸状部310とを締結する別の締結部材250が設けられている。この締結部材250は、脚部122を通らない。すなわち、第3実施形態では、基部120は、脚部122及び板部材220を貫通する締結部材180と、板部材220を貫通せずに脚部122を貫通する別の締結部材250と、によって設置面300に固定されるよう構成されている。この場合、板部材220が締結部材250によって設置面300に固定されるため、基部120の設置面300に対する締結力も増大する。
【0040】
上述したように、実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替の実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0041】
10 太陽電池モジュール
12 パネル
14 フレーム
100 固定具
120 基部
122 脚部
130 支持部材
132 支持部材の上面
134 ケーブル保持部
138 突起
140 押さえ具
180 締結部材
190 締結部材
300 設置面
310 凸状部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9