(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】防腐性乳化組成物及び防腐方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/34 20060101AFI20230224BHJP
A61K 8/06 20060101ALI20230224BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20230224BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20230224BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/06
A61K8/25
A61K8/37
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2018183070
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000113470
【氏名又は名称】ポーラ化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】中谷 明弘
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-291026(JP,A)
【文献】特開2013-049668(JP,A)
【文献】特開平10-053510(JP,A)
【文献】特開2004-352688(JP,A)
【文献】特開2013-095754(JP,A)
【文献】特開2002-308720(JP,A)
【文献】特開2003-335615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
B01J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
融点が80℃以下である、重量平均分子量5,000未満の低分子界面活性剤の含有量が0.5質量%以下である乳化組成物であって、(A)環状構造を含まない
、炭素数が5
~10であり、少なくとも1位及び2位に水酸基を有し、水酸基の数は、2~4である多価アルコールと、(B)防腐剤(但し、前記炭素数が5以上の多価アルコールを除く)と、(C)粉体と、(D)環状構造を含まない炭素数が4以下の多価アルコールを含
み、
前記(C)粉体により安定化されているピッカリングエマルションであることを特徴とする乳化組成物。
【請求項2】
前記(A)の多価アルコールが、ジオールであることを特徴とする、請求項
1に記載の乳化組成物。
【請求項3】
前記(D)の多価アルコールがジオールであることを特徴とする、請求項1
又は2に記載の乳化組成物。
【請求項4】
皮膚外用剤である請求項1~
3の何れか一項に記載の乳化組成物。
【請求項5】
融点が80℃以下である、重量平均分子量5,000未満の低分子界面活性剤の含有量が0.5質量%以下である乳化組成物の防腐方法であって、(A)環状構造を含まない
、炭素数が5
~10であり、少なくとも1位及び2位に水酸基を有し、水酸基の数は、2~4である多価アルコールと、(B)防腐剤(但し、前記炭素数が5以上の多価アルコールを除く)と、(C)粉体と、(D)環状構造を含まない炭素数が4以下の多価アルコールとを添加することを特徴と
し、
前記乳化組成物は、前記(C)粉体により安定化されているピッカリングエマルションである、防腐方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乳化組成物の防腐技術に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料等の皮膚外用剤には、水分、油分の他、増粘剤、保湿剤などが配合されており、微生物の繁殖に適した条件が揃っている場合が多い。そのため、皮膚外用剤が工場で生産され流通過程を経て消費者の手に渡り、さらに開封からその化粧料が消費されるまでの間に、偶発的に微生物が混入し汚染される危険性がある。皮膚外用剤が微生物に汚染されると、異臭の発生、変色、品質の劣化を招くだけでなく、配合成分の変質による皮膚障害、病原菌による感染症、菌体成分や代謝産物による皮膚障害が引き起こされる可能性がある。
【0003】
このため、皮膚外用剤の微生物汚染の対策として、各種の抗菌・防腐剤を添加することが一般的に行われている。従来より皮膚外用剤の防腐剤としてはパラベン(パラオキシ安息香酸エステル)が最も広く使用されている(例えば特許文献1)。
また、乳化形態をとる皮膚外用剤においては、乳化のために配合されている界面活性剤が一定の抗菌効果を有することが知られている(例えば非特許文献1)。
つまり、乳化形態をとる皮膚外用剤においては、防腐剤と界面活性剤の二重の効果により抗菌性が達成されているといえる。
【0004】
ところで、近年、肌への刺激の少なさから、いわゆる界面活性剤フリーの乳化組成物からなる化粧料が注目されている。界面活性剤フリーの乳化組成物としては、ピッカリングエマルション(例えば特許文献2)や、高分子乳化組成物(例えば特許文献3)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-113298号公報
【文献】特表2010-527332号公報
【文献】特開2015-131767号公報
【非特許文献】
【0006】
【文献】土戸ら、『洗浄殺菌の科学と技術』,第2章第1節「界面活性剤の殺菌メカニズム」,株式会社サイエンスフォーラム(2000)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の通り、通常の乳化形態をとる皮膚外用剤においては、防腐剤と界面活性剤の抗菌作用により、微生物による汚染から守られている。しかし、いわゆる界面活性剤フリーの乳化組成物、具体的にはピッカリングエマルションや高分子乳化組成物においては、界面活性剤による抗菌作用が得られないため、防腐性に劣るという問題があった。
【0008】
このような問題に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、界面活性剤フリーの乳化組成物の新規の防腐技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決する本発明は、融点が80℃以下である、重量平均分子量5,000未満の低分子界面活性剤を、乳化系を維持するために必要な含有量で含まない乳化組成物であって、(A)環状構造を含まない炭素数が5以上の多価アルコールと、(B)防腐剤(但し、前記炭素数が5以上の多価アルコールを除く)と、(C)粉体を含むことを特徴とする乳化組成物である。
本発明の乳化組成物は、(A)炭素数が5以上の多価アルコール、(B)防腐剤及び(C)粉体の相乗効果により、優れた防腐性を発揮する。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記(C)粉体により安定化されているピッカリングエマルションである。
ピッカリングエマルションの形態とすることにより、安定な乳化組成物を得ることができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、(A)の多価アルコールとして、少なくとも1位及び2位に水酸基を有する炭素数が5以上の多価アルコールを含む。
このような多価アルコールを用いることにより、より優れた防腐性を得ることができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、(A)の多価アルコールとして、炭素数が5以上のジオールを含む。
炭素数が5以上のジオールを含む本発明の乳化組成物は、より優れた防腐性を有する。
【0013】
本発明の好ましい形態では、(D)環状構造を含まない炭素数が4以下の多価アルコールを含む。
このような多価アルコールを含むことにより、乳化組成物の安定性を向上させることができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、(D)の多価アルコールとして、炭素数が4以下のジオールを含む。
炭素数が4以下のジオールを用いることにより、より安定性に優れた乳化組成物を提供することができる。
【0015】
本発明の乳化組成物は皮膚外用剤の形態とすることが好ましい。
【0016】
本発明は、融点が80℃以下である、重量平均分子量5,000未満の低分子界面活性剤を実質的に含まない、乳化組成物の防腐方法であって、(A)環状構造を含まない炭素数が5以上の多価アルコールと、(B)防腐剤(但し、前記炭素数が5以上の多価アルコールを除く)と、(C)粉体とを添加することを特徴とする、防腐方法にも関する。
本発明の防腐方法によれば、微生物により汚染されやすい界面活性剤フリーの乳化組成物の防腐性を向上させることができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、さらに(D)環状構造を含まない炭素数が4以下の多価アルコールを添加する。
このような多価アルコールを添加することにより、乳化組成物の安定性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の乳化組成物は防腐性に優れる。また、本発明の防腐方法によれば、いわゆる界面活性剤フリーの乳化組成物の防腐性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】製造例2のピッカリングエマルションの透過電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<1>乳化組成物
以下、本発明の乳化組成物の実施形態についてさらに詳しく説明を加える。
本発明の乳化組成物は、融点が80℃以下である、重量平均分子量5,000未満の低分子界面活性剤(以下、単に低分子界面活性剤ともいう)を、乳化系を維持するために必要な含有量で含まない。
【0021】
例えば低分子界面活性剤の含有量が、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下のとき、低分子界面活性剤を「乳化系を維持するために必要な含有量で含まない」ということができる。
【0022】
低分子界面活性剤としては、通常、乳化化粧料に用いられる非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0023】
非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、アルキルグリセリンエーテル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル類、アルキルポリグルコシド類、ショ糖脂肪酸エステル類、アミンオキシド類、等が挙げられる。
【0024】
アニオン性界面活性剤の例としては、アルキルサルフェート類、アルキルアミドエーテルサルフェート類、アルキルスルホナート類、α-オレフィンスルホン酸類、アルキルアミドスルホナート類、アルキルアリールスルホナート類、アルキルホスフェート類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート類、アシルサルコシナート類、及びアシルタウリン塩類、等が挙げられる。
【0025】
両性界面活性剤の例としては、アルキル酢酸ベタイン類、アルキルイミダゾリニウムベタイン類、アルキルアミドベタイン類、アルキルスルホベタイン類、等が挙げられる。
【0026】
カチオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシアルキレン化されていてもよい、第1級、第2級又は第3級脂肪族アミンの塩類、及び、第4級アンモニウム塩類、等が挙げられる。
【0027】
本来、ピッカリングエマルションのような低分子の界面活性剤を含まない乳化組成物は防腐性に劣る。しかし、本発明の乳化組成物は、(A)環状構造を含まない炭素数が5以上の多価アルコール、(B)防腐剤及び(C)粉体の相乗効果により、優れた防腐性を発揮する。以下、「(A)環状構造を含まない炭素数が5以上の多価アルコール」、「(B)防腐剤」及び「(C)粉体」について説明を加える。
【0028】
本発明の乳化組成物は(A)環状構造を含まない炭素数が5以上の多価アルコールを必須成分として含む。
(A)の環状構造を含まない多価アルコールの炭素数は5以上であれば特に限定されないが、好ましくは5~10、より好ましくは5~8、さらに好ましくは5~6である。
(A)の多価アルコールは、飽和アルコールであっても不飽和アルコールであってもよいが、飽和アルコールであることが好ましい。
【0029】
また、(A)の多価アルコールの水酸基の数は、好ましくは2~5、より好ましくは2~4、さらに好ましくは2~3、さらに好ましくは2である。つまり、(A)の多価アルコールとしては、ジオールが特に好ましく例示できる。
【0030】
(A)の多価アルコールにおける水酸基が結合する位置は特に制限されないが、末端(つまり1位)に水酸基が結合していることが好ましい。また、少なくとも1位及び2位に水酸基を有する多価アルコールを特に好ましく例示することができる。
【0031】
(A)の多価アルコールとしては、特に1位及び2位に水酸基を有するジオールが好ましく例示できる。
このようなジオールとしては、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール及び1,2-デカンジオールなどが挙げられ、特に1,2-ペンタンジオール及び1,2-ヘキサンジオールを好適に例示できる。
【0032】
本発明の乳化組成物における(A)の多価アルコールの含有量は、防腐性の向上の観点からは、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。
【0033】
また、本発明の乳化組成物における(A)の多価アルコールの含有量は、乳化組成物の安定性の観点からは、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下である。
【0034】
(B)防腐剤としては、一般的に皮膚外用剤において防腐剤として用いられているものであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、フェノキシエタノール、安息香酸およびその塩類、サリチル酸およびその塩類、フェノール、ソルビン酸およびその塩類、デヒドロ酢酸およびその塩類、パラオキシ安息香酸エステル類(例えばメチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、クロルクレゾール、ヘキサクロロフェン、レゾルシン、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、臭化アルキルイソキノリウム、トリクリリカルバニリド、ハロカルバン、感光素201号、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、ビサボロール、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、トリクロロ・サリチルアニリド(TCSA)、トリブロモ・サリチルアニリド(TBS)等が挙げられる。
(B)防腐剤は1種のみを用いてもよいし、また、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0035】
乳化組成物における(B)防腐剤の含有量は、防腐性の向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。
【0036】
また、乳化組成物における(B)防腐剤の含有量は、肌への刺激を低減する観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
【0037】
乳化組成物における(A)の多価アルコールと、(B)の防腐剤の含有質量比は、好ましくは100:1~1:10、より好ましくは50:1~1:5、さらに好ましくは20:1~1:3、さらに好ましくは7:1~1:1、さらに好ましくは4:1~2:1である。
(A)と(B)の比率を前記範囲とすることにより、乳化組成物の防腐性と安定性を向上させることができる。
【0038】
本発明の乳化組成物は(C)粉体を含む。(C)粉体はどのような態様で含まれていても良いが、油相と水相の界面に存在する態様で含まれていることが好ましい。すなわち、本発明の乳化組成物は(C)により安定化されたピッカリングエマルションの形態とすることが好ましい。
【0039】
(C)粉体としては、表面がコーティングされていてもよい、二酸化チタン、酸化スズ、シリカ、酸化鉄、粘土鉱物、酸化アルミニウム、ナノ微粒子沈降炭酸カルシウム、石炭、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウムなどの無機粉体、並びにエチルセルロース、結晶性脂肪アルコール及び脂肪酸、樹脂粒子(例えばポリスチレン又はポリメタクリレート)などの有機粉体の何れをも用いることができる。
【0040】
(C)粉体としてシリカを用いる場合には、例えば、ケイ素ハロゲン化物の蒸気相酸化により生成される、いわゆる乾式シリカ粉末、及び水ガラス等から製造される、いわゆる湿式シリカ粉末の何れを用いてもよい。
乾式シリカ粉末としては、例えばAerosilシリーズ(日本アエロジル株式会社)、CAB-O-SILシリーズ(キャボットコーポレーション)、HDKシリーズ(旭化成ワッカーシリコーン株式会社)、湿式シリカ粉末としては、例えばNipsilシリーズ(東ソー・シリカ株式会社)、HI-SILシリーズ(PPG)等の市販品を用いることができる。
【0041】
(C)粉体としてシリカや酸化金属を用いる場合には、その表面を疎水化処理することが好ましい。
疎水化処理としては、有機ケイ素化合物、シリコーン、炭化水素油、脂肪酸、脂肪酸アミド、脂肪酸エステル、高級アルコール、ポリオキシアルキレン化合物等の疎水化処理剤で粉体を処理する方法が挙げられる。
特に好ましくは、有機ケイ素化合物又はシリコーンを疎水化処理剤として粉体を処理する。
【0042】
有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、モノメチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、トリメチルエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、パルミチルシラン等が挙げられる。これらは一種或いは二種以上の混合物で用いられる。
【0043】
シリコーンとしては、ジメチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、α-メチルスチレン変性シリコーン、クロルフェニルシリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
【0044】
乳化組成物における(C)粉体の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.5~2質量%とすることができる。
【0045】
また、(D)環状構造を含まない炭素数が4以下の多価アルコールを含む形態とすることにより、乳化組成物の安定性を向上させることができる。
【0046】
(D)の多価アルコールの炭素数は、4以下であれば特に限定されないが、好ましくは2~4、より好ましくは3~4、さらに好ましくは4である。
【0047】
(D)の多価アルコールにおける水酸基の数は、好ましくは2~4、より好ましくは2~3、さらに好ましくは2である。つまり、(D)の多価アルコールとしては、ジオールが特に好ましく例示できる。
【0048】
(D)の多価アルコールにおける水酸基が結合する位置は特に制限されないが、末端(つまり1位)に水酸基が結合していることが好ましい。また、1位及び2位あるいは1位及び3位に水酸基を有する多価アルコールを特に好ましく例示することができる。
【0049】
(D)の多価アルコールとしては、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,2-エチレングリコールを好ましく例示することができ、特に1,3-ブチレングリコールを好ましく例示できる。
【0050】
乳化組成物における(D)の多価アルコールの含有量は、乳化組成物の安定性を向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上である。
【0051】
また、乳化組成物における(D)の多価アルコールの含有量の上限に特に制限はないが、製品設計上、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下を目安とすることができる。
【0052】
(A)の多価アルコールと(D)の多価アルコールの含有質量比は、好ましくは1:10~10:1、より好ましくは1:5~5:1、さらに好ましくは1:4~4:1、さらに好ましくは1:3~3:1である。
(A)と(D)の比率を前記範囲とすることにより、乳化組成物の防腐性と安定性を向上させることができる。
【0053】
本発明の乳化組成物をピッカリングエマルションの形態とする場合には、乳化粉体の平均一次粒子径は、1~1000nmを目安とすることができ、好ましくは3~100nm、より好ましくは5~30nmである。
【0054】
また、乳化粉体の平均二次粒子径は、好ましくは1μm以下を目安とすることができ、好ましくは500nm以下、さらに好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下である。
ここで、平均一次粒子径及び平均二次粒子径は、走査型電子顕微鏡像上で2500個以上の粒子の最大径を測定し、その個数平均を算出することにより求めることができる。
なお、平均二次粒子径は乳化を行う際に組成物に加える応力によって調整することができる。
【0055】
本発明の乳化組成物に含まれる油剤は、特に限定されず、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油等を含有することができる。
【0056】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、メドウフォーム油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
【0057】
固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0058】
ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0059】
炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、水添ポリオレフィン(炭素数6~20)等が挙げられる。
【0060】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニン)酸、12-ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸等が挙げられる。
【0061】
高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられる。
【0062】
エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソニル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸スクロース、オレイン酸スクロース、12-ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ-2-エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、パルミチン酸セチル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等が挙げられる。
【0063】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン等の鎖状ポリシロキサンや、ペンタシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン等が挙げられる。
【0064】
本発明の乳化組成物は、発明の効果を損なわない範囲において通常皮膚外用剤に用いられる任意成分を含んでいてもよい。かかる任意成分としては、例えば、キサンタンガム、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、アクリル酸ナトリウムグラフトデンプン、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース、ベントナイト等が挙げられ、中でも、キサンタンガム等の水溶性多糖類、寒天、アクリル酸ナトリウムグラフトデンプン、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース等の増粘剤、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、表面処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面処理されていても良い、酸化コバルト、群青、紺青、酸化亜鉛の無機顔料類、表面処理されていても良い、酸化鉄二酸化チタン焼結体等の複合顔料、表面処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α-トコフェロール,β-トコフェロール,γ-トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジエトキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸ブチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等の安息香酸誘導体;ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等のアントラニル酸誘導体;サリチル酸及びそのナトリウム塩、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸誘導体;オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシルp-メトキシシンナメート(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸オクチル)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート(シノキサート)、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリラート(オクトクリレン)、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート、フェルラ酸及びその誘導体等のケイ皮酸誘導体;2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン;4-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン誘導体;オクチルトリアゾン;ウロカニン酸及びウロカニン酸エチル等のウロカニン酸誘導体;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等のヒダントイン誘導体;フェニルベンズイミダソゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、アントラニル酸メチル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ルチン及びその誘導体、オリザノール及びその誘導体などの紫外線吸収剤が好ましいものとして挙げられる。
【0065】
本発明の乳化組成物は、構成成分を常法により混合することにより製造することができる。
【0066】
本発明の乳化組成物は皮膚外用剤の形態とすることが好ましい。皮膚外用剤としては、化粧料、医薬品、医薬部外品などが挙げられる。
【0067】
<2>防腐方法
本発明は、低分子界面活性剤を実質的に含まない、いわゆる界面活性剤フリーの乳化組成物の防腐方法にも関する。本発明の防腐方法は、乳化組成物に、(A)の多価アルコール、(B)防腐剤及び(C)粉体を添加することを特徴とする。
なお、「乳化組成物に、・・・添加する」ことには、調製済みの乳化組成物に(A)~(C)を添加する形態だけでなく、乳化組成物の調製時に(A)~(C)を添加する形態も含まれる。
上記<1>に記載した本発明の乳化組成物の実施の形態に関する事項は、本発明の防腐方法にそのまま適用できる。
【実施例】
【0068】
<製造例1>
室温(25℃)下、表1に示す(イ)水相成分に(ロ)粉体成分を分散し、そこへ(ハ)油相成分を撹拌しながら投入し乳化することで、実施例及び比較例の乳化組成物(ピッカリングエマルション)を製造した。
なお、疎水化シリカは、シリカ微粒子(AEROSIL社製)とトリメチルシリル疎水化処理剤を混合することにより得られたものを使用した。
【0069】
【0070】
<試験例1>防腐性測定
実施例及び比較例の乳化組成物について、防腐剤への抵抗力が強い真菌(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger))に対しての抗菌性を調べた。すなわち、サブローデキストロース寒天培地(SDA培地)の平板培地に乳化組成物を0.1ml塗抹した後、白金耳で前記真菌を接種した。接種後1日で発生したコロニーの数を基準に、以下に示すように、防腐性について3段階評価を行った。なお、コロニー数が以下の3段階の範囲の何れに属するかについては、コロニー数の標準写真と検体の状況を比較することで判別した。結果を表2に示す。
(防腐性)
○・・・0~1000
△・・・1001~3000
×・・・3001以上
【0071】
<試験例2>安定性試験
実施例及び比較例の乳化組成物を常温で1週間静置した後の状態を観察し、以下の基準により乳化組成物の安定性を評価した。結果を表2に示す。
(安定性)
○・・・油相と水相の分離が全く見られない
△・・・油相と水相の一部が分離している
×・・・油相と水相が完全に分離している
【0072】
【0073】
表2に示すように、(B)の防腐剤を含むが(A)の多価アルコールを含まない比較例1の乳化組成物は、防腐性に劣るものであった。一方、(A)の多価アルコール及び(B)防腐剤を含む実施例の乳化組成物は何れも防腐性に優れるものであった。
この結果は、界面活性剤フリーの乳化組成物において、(A)の多価アルコールと(B)の防腐剤を併用することで、その防腐性を向上させることができることを示している。
【0074】
また、同量の(A)の多価アルコール及び(B)防腐剤を含むにも関わらず、ピッカリングエマルションである実施例1の乳化組成物は、いわゆる高分子乳化組成物である比較例2の乳化組成物と比較して、防腐性及び安定性に優れていた。
この結果は、実施例の乳化組成物における優れた防腐性及び安定性は、(A)の多価アルコール、(B)防腐剤及び(C)粉体の相乗効果によってもたらされるものであることを示している。
【0075】
また、表2に示す通り、1,3-ブチレングリコールを3質量%以上含む実施例1~6の乳化組成物は、1,3-ブチレングリコールの含有量が比較的少ない実施例7(1質量%)及び実施例8(0質量%)の乳化組成物に比して安定性に優れている。
この結果は、(A)の多価アルコール及び(B)の防腐剤を含むピッカリングエマルションにおいて、(D)の多価アルコールを用いることで、安定性を向上させることができることを示している。
【0076】
<製造例2>
製造例1と同一の疎水化シリカを用いて、製造例1と同様の手法により、表3の処方のピッカリングエマルション(参考例)を製造した。そして、参考例のピッカリングエマルションを走査型電子顕微鏡により観察した。電子顕微鏡像を
図1に示す。
【0077】
【0078】
参考例のピッカリングエマルションにおけるシリカの二次粒子径を
図1に基づき算出した。その結果、シリカの平均二次粒子径は50nm以下であった。
参考例と実施例のピッカリングエマルションは、同一の疎水化シリカを用い、同一の方法で製造したものである。したがって、参考例のピッカリングエマルションの走査型電子顕微鏡による観察結果は、実施例のピッカリングエマルションにおける疎水化シリカの平均二次粒子径も50nm以下であることを示している。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は化粧料に応用することができる。