(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】計測装置
(51)【国際特許分類】
G01F 1/00 20220101AFI20230224BHJP
G01F 15/06 20220101ALI20230224BHJP
G08C 19/00 20060101ALI20230224BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20230224BHJP
H01R 9/16 20060101ALI20230224BHJP
H01R 4/48 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
G01F1/00 G
G01F15/06
G01F1/00 Y
G08C19/00 J
G08C17/00 Z
H01R9/16 101
H01R4/48 B
(21)【出願番号】P 2019037040
(22)【出願日】2019-02-28
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】519072453
【氏名又は名称】船場電気化材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】亀尾 治輝
(72)【発明者】
【氏名】浅井 俊哉
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-172658(JP,A)
【文献】特開2010-161054(JP,A)
【文献】実開平03-118568(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0006127(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00
G01F 15/06
G08C 17/00
G08C 19/00
H01R 4/48
H01R 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れる流路の流量を検出する流量検出手段と、該流量検出手段で検出した情報を表示する表示手段と、前記流量検出手段と前記表示手段とを接続する信号線と、前記流体側に配設される信号線と前記流体外に配設される信号線とを接続する中継端子と、を備えた計測装置において、
前記中継端子は、プレートと、該プレートに複数の貫通穴が形成され、該貫通穴に端子ピンがシール材を介して挿通固定され気密に閉塞され、
前記端子ピンは
、20度から75度までの範囲の角度で屈曲した屈曲部を有し、
前記屈曲した端子ピン
を前記プレート
へ挿通固定するときに、
前記屈曲部が前記プレートの表面に対して、20度から75度までの範囲の角度を
なすように、挿着されるように構成したことを特徴とする計測装置。
【請求項2】
前記端子ピンは複数配設され、前記端子ピンの配設における隣接する端子ピンと端子ピンの間隔が少なくとも5mmの間隔をもって構成され、前記プレートの少なくとも貫通穴は鉄合金の穴となるように形成され、前記シール材としてガラスを用いていることを特徴とする請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記プレートの貫通穴と前記端子ピンとは溶接により接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の計測装置。
【請求項4】
さらに、前記表示手段を駆動する電池のケースの裏側、前記計測装置に付随する通信装置のケース裏側の面の少なくとも一方に、無線通信アンテナを形成した構成を付加してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性ガスなどの流体の流速・流量を計測するときに用いる計測装置に係り、特に流体流量部から電源表示制御基板部へ、信号を送るときに密閉容器の気密性を維持したまま内部のセンサ信号を取り出す中継コネクタ、所謂ハーメッチックコネクタを備えた計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートガスメータを始めとする流体を計測する計測装置は各種の技術が提案されている。例えば、被測定流体が流れる計測流路の上下流側に配置した1対の超音波送受波器と、前記超音波送受波器間の超音波伝播時間を測定する計時手段と、前記超音波伝播時間に基づき被測定流体の流速及び/又は流量を演算する演算手段とを具備し、前記超音波送受波器の端子部、計時手段及び演算手段を密閉手段で密閉し大気と遮断した流体の流れ計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、計時手段と流量検出手段は本流路の外側に設け、本流路に設けた中継端子を介して、気密を確保しながら超音波振動子と電気的に接続した技術が知られている。中継端子はガラスハーメチックまたはゴムによってフランジと所定の距離を保って中心に固着されたピンまたはスルーホールプリント基板の裏表に設けられたランドによって構成され、ピンの両端またはプリント基板に接続することにより気密性を確保しながら電気的に接続することができる(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-2269号公報
【文献】特許第4415662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の技術において、可燃性ガス、或いは誤作動を起こすような腐食性のガスが周囲に存在しても、超音波送受波器の端子部や計時手段および演算手段はこれらガス領域から遮断されるため、被測定流体を安定して計測することが期待できる技術であった。
特許文献1のような技術においても、大気と遮断した流体側に配置されるセンサ等の検出手段と大気側に存在する装置(例えば表示装置)とはハーメッチックコネクタなどによって、密閉した内部における各種センサの信号を、大気側に存在する装置(例えば電源表示制御基板部や表示装置)に接続するためには、気体側と大気側を遮断したコネクタ(所謂ハーメッチックコネクタ)により接続することが必要である。
【0006】
これは、計測装置の設置環境において、流体として、爆発限界の範囲内にある可燃性ガス、或いは故障を誘発し得る腐食性の気体が存在する場合、気体の流路計時手段、演算手段、超音波送受波器の端子部などが暴露しているために、可燃性ガスと接触することで、爆発を起こすとか、腐食性ガスと接触することで腐食を生起して誤作動の要因となるためである。
【0007】
特許文献2では、小流路の一部に設けた計測流路の流速を計測して、本流路の全流量を演算して算出するので計測流路は大型化せず、超音波振動子の感度低下が無く消費電流も増大することがない。前記計時手段と前記流量検出手段とは本流路の外側に設け、前記超音波振動子と前記本流路に設けた中継端子を介して、電気的に接続したので気密性が確実で、ガス供給配管のように0.1MPa程度の内圧が加わっても漏れることがない、という効果を期待するものである。
【0008】
これらのハーメッチックコネクタは、絶縁された端子板(ハーメチックプレート)にリード線を介して接続されたもので、リード線は端子ピンに取着されるが、このとき端子ピンと端子板との間はシール材等で密閉された状態となっている。
【0009】
しかしながら、従来のハーメッチックコネクタでは、
図8及び
図9に示すように構成されている。ここで、
図8及び
図9は従来例を示すもので、
図8は計測装置のセンサ(計測手段110)とディスプレイ(表示手段120)の連結を示す説明図、
図9はリード線101と端子ピン103との接合状態を示す平面図である。
図8に示すように、被測定流体が流れる計測流路の流速を測定し信号化するセンサを備えた計測手段110と、この計測手段110によって計測された信号によって、流速、流量を演算する演算手段を介し、表示手段120に接続するときに、密閉手段としての中継コネクタ130を介して、大気側に設けられた表示手段120等に連結されている。なお流速、流量を演算する演算手段は表示手段120側に配置してもよい。
図9に示すように、リード線101と端子ピン103は圧着端子102によって接続されている。つまり圧着端子102は、リード線101を一方側で保持し、このリード線101の一端部で端子ピン103と接続するように構成され、この端子ピン103は、端子板105に設けられた図示しない貫通穴に挿着され保持されるようになっている。
【0010】
このとき端子板105の貫通穴には端子ピン103を挿着したときに密着するようにシール材が介されており、端子板105を用いることにより密閉してリード線101及び端子ピン103で、端子板105の大気側と密閉側と連結することができるように構成されている。なおリード線101の他端部には差し込み用のコネクタ端子106が配設されている。また、圧着端子102によって端子ピン103が溶接などで取り付けられ、圧着端子102を用いてリード線101を接続するように構成している。
【0011】
しかしながら、コネクタ部分を出来るだけコンパクトにする関係上、リード線101を保持する圧着端子102及び端子ピン103と端子板105の部分の高さが大きくならないように、コネクタにおける端子板105と圧着端子102とを近づけ、端子ピン103を折り曲げ、端子板105に近づけるように構成することが好ましい。
またリード線101を取り付けた圧着端子102と、あるいはリード線の芯線を、直接、端子ピン103と接続するために、従来は半田等を用いて接続が行われていた。しかしながら、半田を用いて接続する場合、フラックスや半田を付ける作業が必要になるため、品質のバラつきが大きく、安定した接続の管理は難しい、という不都合があった。
【0012】
このようにコンパクトにするために端子ピンを端子板に近づけるために折り曲げることが好ましい。しかしながら、例えば端子ピンを90度に曲げると、4ピン又は6ピンといった複数の端子ピンを並べて配置した場合、それぞれの端子ピンが互いに近づいてしまい、端子ピンと端子板との溶接が極めて困難となり、事実上溶接ができないことになってしまう。
【0013】
そして、端子ピンの間の干渉を避けるために、端子ピン間のピッチを大きくすると、端子自体が大きくなってしまい、コンパクトに形成するということができなくなってしまう。このような状態を避けるために、90度に折り曲げ、さらに端子ピンが向く方向をバラバラにするということも考えられるが、このようにすると、コンパクトにするという目的は達成できるが、端子板と端子ピンとの溶接位置が一定ではなくなり、自動的に溶接を行うことが困難となるという課題がある。
【0014】
本発明の目的は上述のような課題を解決するためになされたものであって、計測装置の設置環境が悪い場合でも、接続するコネクタ部分がコンパクトで、被測定流体の計測を安定的に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題は、本発明の計測装置によれば、流体の流れる流路の流量を検出する流量検出手段と、該流量検出手段で検出した情報を表示する表示手段と、前記流量検出手段と前記表示手段とを接続する信号線と、前記流体側に配設される信号線と前記流体外に配設される信号線とを接続する中継端子と、を備えた計測装置において、前記中継端子は、プレートと、該プレートに複数の貫通穴が形成され、該貫通穴に端子ピンがシール材を介して挿通固定され気密に閉塞され、前記端子ピンは、20度から75度までの範囲の角度で屈曲した屈曲部を有し、前記屈曲した端子ピンを前記プレートへ挿通固定するときに、前記屈曲部が前記プレートの表面に対して、20度から75度までの範囲の角度をなすように、挿着されるように構成したこと、によって解決される。
【0016】
以上のように、端子ピンのプレート(端子板)への挿通固定を、プレート(端子板)の表面に対して、20度から75度までの範囲の角度を持たせて、傾斜させて挿着されるように構成したので、プレート(端子板)からの端子ピンの高さを抑えることができ、コンパクトとなる。そして、端子ピンとプレート(端子板)との距離だけでなく、プレート(端子板)の表面に対して20度から75度までの範囲の角度でピンを曲げることにより、リード線が斜めになるため、高さを抑えることができる。
【0017】
このとき、前記端子ピンは複数配設され、前記端子ピンの配設における隣接する端子ピンと端子ピンの間隔が少なくとも5mmの間隔をもって構成され、前記プレートの少なくとも貫通穴は鉄合金の穴となるように形成され、前記シール材としてガラスを用いていると好適である。
このように、隣接する端子ピンと端子ピンとの間隔が少なくとも5mmの間隔で立っている。そのため、例えばプレート(端子板)に形成された貫通穴の周りがガラスでシールされている場合、何らかの熱によってガラスが溶融し端子ピンが倒れたとしても、隣接する端子ピン同士が接触する可能性を低減させることができる。
【0018】
このとき、前記プレートの貫通穴と前記端子ピンとは溶接により接合されていると好適である。これによって、半田接合する場合による不都合、例えばフラックスや半田を付ける作業により品質のバラつきが大きくなり、安定した接続の管理が難しいというような不都合を解消することができる。
【0019】
また、更に、前記表示手段を駆動する電池のケースの裏側、前記計測装置に付随する通信装置のケース裏側の面の少なくとも一方に、無線通信アンテナを形成した構成を付加すると、好適である。
このように構成すると、無線通信アンテナを形成するスペース別途設けず、また無線通信アンテナを目立たないように形成することが可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の計測装置は、如何なる計測環境においても被測定流体を安定して計測することができるものである。すなわち、
・プレート(端子板)からの端子ピンの高さを抑えることができ、コンパクトとなる。そして、端子ピンとプレート(端子板)との距離だけでなく、プレート(端子板)に対して20度から75度までの範囲の角度で端子ピンを曲げることにより、ハーネスが斜めになるため、高さを抑える事ができる。
・プレート(端子板)に形成された穴の周りが、ガラスでシールされて、何らかの熱によって、ガラスが溶融し、端子ピンが倒れたとしても、隣接する端子同士が接触する可能性を低減することができる。また、例えば半田接合する際の作業による品質のバラつきが防止され、安定した接続の管理を行える。
・無線通信アンテナを形成するスペースを別途設けず、また無線通信アンテナを目立たないように形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の計測装置に用いられる圧着端子と端子ピンとの接合状態を示す斜視図である。
【
図2】圧着端子と端子ピンとの接合を示す説明図である。
【
図4】ハーネスと圧着端子及び端子ピンをプレート(端子板)に接続した状態を説明する部分斜視図である。
【
図6】ハーネスと圧着端子及び端子ピンをプレート(端子板)に接続した状態を説明する平面図である。
【
図7】計測装置のセンサとディスプレイの連結を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下本発明の一実施形態について図を参照して説明する。
図1乃至
図7は本発明に係るものであり、
図1は計測装置に用いられる圧着端子と端子ピンとの接合状態を示す斜視図、
図2は圧着端子と端子ピンとの接合を示す説明図、
図3は端子ピンの平面図、
図4はハーネスと圧着端子及び端子ピンをプレート(端子板)に接続した状態を説明する部分斜視図、
図5は他の例を示す
図4と同様な斜視図、
図6はハーネスと圧着端子及び端子ピンをプレート(端子板)に接続した状態を説明する平面図、
図7は計測装置のセンサとディスプレイの連結を示す説明図である。
【0023】
なお、流量計としては、例えば、体積流量計、質量流量計、差圧式流量計等がある。体積流量計は一定の体積の流体が送り出される回数をはかるものであり、ロータリー・ピストン式、ルーツ式、歯車式の体積流量計がある。質量流量計は通過した流体の質量に比例する物理量をはかるものであり、例えば熱量型、差圧型、運動量型の質量流量計がある。差圧式流量計は、流路中に細く絞った箇所を設けて、その両側での圧力差をはかって流量を知るものであり、例えばベンチュリー管やオリフィスを用いたものがある。さらには、フロート・メータ、電磁流量計、超音波流量計、熱式流量計、翼車流量計、堰を用いる方法、塩水濃度法、流速をはかってこれに断面積を掛けて間接的にはかる方法等が知られている。また、センサとしては、計測対象に合わせて各種用いることができ、液体用流量センサ、気体用流量センサなど公知の技術が用いられる。
【0024】
本発明は、
図7に示すように、密閉手段の中で、被測定流体が流れる計測流路の流速を測定し信号化する計測手段10と、この計測手段10によって計測された信号によって、流速、流量を演算する演算手段(本例では演算手段は計測手段10側にあるとしているが、表示手段20側に配置してもよい。)と、これら計測手段10と演算手段を密閉手段としての中継コネクタ30を介して、大気側に設けられた表示手段20や不図示のパワーユニット(電源やバッテリー等)と、を備えた計測装置である。中継コネクタ30は密閉側に配設される計測手段や演算手段を密閉し、大気と遮断しているが、前述したように、演算手段は大気側に配置してもよい。
【0025】
これによって、可燃性ガス、或いは誤作動を起こすような腐食性のガスが周囲に存在しても、大気側に存在する機器と、中継コネクタで、端子部や計測手段および演算手段が被測定流体から遮断されるため、安定して計測し、信号を大気側の装置へ送ることができる。
【0026】
そして、本実施形態における計測装置について、ガスメータを例にして説明すると、計測装置であるガスメータGMは、センサを備えた流量検出手段10と、表示手段20とを備えている。すなわち、流体であるガスが、流路であるガス管(不図示)などの所定位置で、流体に影響を与えない箇所に流量検出手段としてセンサを配置している。
【0027】
ガス管を流れるガスの流量をセンサで検出し、このセンサで検出した情報(信号)を、外気側に配置された不図示の演算手段で演算し、この演算手段で演算した結果を表示手段20で表示するように構成されている。つまり、外気から遮断された流路に配置されたセンサからの情報(信号)を、外気側において視認することのできる表示手段20と信号線(リード線)で接続するように構成されている。
【0028】
ここで、演算手段及び表示手段も公知の技術が用いられる。例えば、表示手段としての表示パネル、センサで得られた情報(信号)を、インターフェイスを介してCPU(マイコン)等で演算し、表示装置への出力、出力インターフェイスを介して外部へ出力するなど公知の技術が用いられる。
【0029】
要するに、本実施形態に係る計測装置であるガスメータGMは、外気と遮断された流路側(気密にされている)に配置されるセンサ等を備えた流量検出手段10と、流量、使用量など現在、過去履歴などを表示する表示手段20とを備える。流量検出手段10によって検出された信号は、信号線(リード線)で外部(大気側)に送出される。信号線は不図示の演算手段を備えた表示手段20に接続されている。表示手段20(表示装置を駆動する駆動手段を含む)にはバッテリー等を含めの計測装置の電源が接続されている。この電源は表示手段20と一体にしたり、別体にしたりすることが可能である。
【0030】
つまり、流路に流れるガスは外部の空気等と接触すると、反応してしまうために、流路内に配置される流量検出手段(センサ)は、外気と遮断した状態で密閉され配置される。このため流体側に配設されるセンサに接続された信号線と、流体外に配設された表示装置とを接続する信号線とは、密閉された部分と外気との間を遮断する中継コネクタにより、接続するように構成されている。
【0031】
本実施例の中継コネクタ30は、
図4に示すように、長方形をした平面状のプレート(端子板)31と、端子ピン32と、リード線33とで構成されている。長方形をした平面状のプレート(端子板)31には所定位置に、複数の貫通穴31a(
図4では4箇所)が形成されており、貫通穴31aの間隔P(ピッチ)は、貫通穴31aに挿着される端子ピン32の間隔P(ピッチ)が少なくとも5mm程度の間隔をもって形成されている。
本実施例では鉄製のプレート(端子板)31に穴(貫通穴)31aを開けており、貫通穴31aの部分にガラス玉を溶融し、この部分に接点ピンである端子ピン32を入れて、シール材31bとしてのガラス玉を挿入して、100Kパスカルのシール性を担保している。
【0032】
端子ピン32は、
図3に示すように、本体の途中において所定角度θで折れ曲がっており、先端側の端部と本体の間にくびれ部32aが形成されている。また、端子ピン32は、
図1及び
図2に示すように、圧着端子35によって端子ピン32とリード線33とが接続され、保持されている。圧着端子35はリード線33を配置するリード線配置溝35aと、このリード線配置溝35aの上方方向(
図2において向かって上方向)に3つの爪部36(第1爪部36a、第2爪部36b、第3爪部36c)が形成されている。第1爪部36aは、自由端(
図1では右端)から所定距離の位置に、リード線33を固定するためにリード線配置溝35aの両側上方へ延びるよう形成されている。また、第2爪部36bが、第1爪部36aから少しの間隙を経て、リード線33の端部を保持固定するためにリード線配置溝35aの両側から上方に形成されている。
【0033】
そして、第3爪部36cが、圧着端子35の他端側(リード線配置溝35aの自由端と反対側)に、端子ピン32と接合するため、端子ピン32の被覆部を抑えるよう形成されている。端子ピン32は圧着端子35に溶接されることにより固定される。なお、第2爪部36bはリード線の芯線部分をかしめる、爪部である。
そして、端子ピン32のくびれ部32aを、第3爪部36cの先端で固定させるように形成されている。これにより、リード線33と端子ピン32の端部が圧着端子35で接続されてなるように構成されている。
【0034】
また、圧着端子35の一方側において、リード線33の端部が第1爪部36a及び第2爪部36bにより固定、保持される。また、圧着端子35の他方側において、端子ピン32の端部が第3爪部36cにより固定、保持される。このようにして、リード線33と端子ピン32とが、圧着端子35を介して接続されている。
【0035】
端子ピン32は、既に説明したように、端子ピン32の自由端側が圧着端子35により、リード線33と接続されるが、端子ピン32は所定位置、つまり
図4で示すようにプレート(端子板)31に形成された貫通穴31aの位置で固定される。端子ピン32は、
図3に示すように、角度θで折れ曲がった屈曲部を有しており、屈曲部において、貫通穴31aの位置で固定される。そのため、端子ピン32が、プレート(端子板)31に固定されたとき、プレート(端子板)31に対し端子ピン32が、20度から75度までの範囲の角度θで傾くようになっている。
このように構成したのは、真っすぐな直線状の端子では、溶接または、他の方法で結合されたリード線が中継コネクタ(ハーメチックコネクタ)のプレート(端子板)表面に対して、垂直に取付けられることにより、接合部に負荷をかけないためには、リード線などの引き回しに高さが必要となってしまうのを防止するためである。
【0036】
つまり、この高さを抑えるために、直角(90度)の端子ピンを挿入すると、高さは最大に抑えることは可能であるが、隣接する端子ピンとの距離が近くなってしまう。端子ピンを斜めにすることによって、隣接する端子ピンとの最短距離を一定以上に保つことができ、火災などでガスメータが高温度の環境下に置かれた際にも、倒れによる端子間の接触・ショートによるスパークの発生を防ぐことができる。
【0037】
このプレート(端子板)31の貫通穴31aには、貫通穴31aの周囲にシール材31bが配置されている。ここに端子ピン32が挿通固定され、シール材31bによって、貫通穴31aは気密に閉塞される。シール材31bとしては、ガラスを用いることができる。つまり、屈曲した端子ピン32をプレート(端子板)31に挿通固定するときに、プレート(端子板)31の表面に対して、20度から75度までの範囲の角度θを持たせて、端子ピン32を傾斜させて挿着できるように構成されている。この角度θは、30度から60度までの範囲の角度にするとなおよく、また、この角度θは、略45度であるのが最も望ましい。
【0038】
このように、端子ピン32を20度から75度までの範囲の角度θで曲げ、端子ピン32がプレート(端子板)31に対して傾斜して挿着されるように構成したので、端子ピン32とプレート(端子板)31との距離だけでなく、端子ピンが直線状の場合に比して、高さを抑えることができ、コンパクトとなる。
【0039】
このときプレート(端子板)31には、例えば
図4に示すように、端子ピン32が複数配設され、端子ピン32と端子ピン32の間隔P(ピッチ)が少なくとも5mm程度の間隔をもって配設されている。そしてプレート(端子板)31の貫通穴31aは鉄成分の穴となるように形成され、この貫通穴31aにはシール材31bとしてのガラス材が介在している。つまりプレート(端子板)31自体を前述したように鉄製によって構成することもでき、或いは貫通穴31aの周囲だけ鉄製にしたりすることができる。
【0040】
本実施例のように、貫通穴31aの周りにシール材(ガラス材)31bを用いて端子ピン32とプレート(端子板)31との間がシールされているが、何らかの熱によって、シール材(ガラス材)31bが溶融し、端子ピン32が倒れたとしても、端子ピン32と端子ピン32との間隔(ピッチ)が少なくとも5mm程度の間隔をもって配設されているので、互いに隣接する端子ピン32,32同士が接触する可能性を低減することができる。このとき、本実施例では、プレート(端子板)31の貫通穴31aと端子ピン32とは溶接により接合されている。溶接としては、一般的な溶接の他に、レーザー溶接や抵抗溶接なども用いることができる。
【0041】
このように、端子ピン32と端子ピン32との間隔P(ピッチ)が少なくとも5mm程度の間隔をもって配設されているので、プレート(端子板)31の貫通穴31aに端子ピン32を挿着して、溶接の自動化を行う場合、複数の屈曲している端子ピン32をロボットでつかんで、屈曲している端子ピン32をプレート(端子板)31の貫通穴31aに一括して挿入することが可能となり、さらに曲がった溶接端子を使用することで、貫通穴31aと端子ピン32との溶接ができ、効率化が図れる。
これにより、半田接合を行う際の不都合、例えばフラックスや半田を付ける作業による品質のバラつきが大きく、安定した接続の管理が難しいというような不都合が解消することになる。
なお、本実施例では
図4に示すように、複数の端子ピン32は互いに平行になるようプレート(端子板)31に固定されているが、端子ピン32の向きはこれに限定されず、端子ピン32のそれぞれが互いに別々の方向に向くよう固定されてもよい。
【0042】
表示手段20には、不図示の液晶表示と、この液晶表示を駆動する電源としての電池と、電池を入れるケースが用いられる。そして、このケースの裏側の面、又は、計測装置に付随する通信装置のケース裏側の面などに、無線通信アンテナを形成することもできる。
無線通信アンテナを、メータの電池ケース又はガスメータの通信ユニットのケースの裏側に、LDS(Laser Direct Structuring)やプリントなどのMID(Molded Interconnect Device)技術によって、プラスチック面にアンテナを形成することが可能である。そのため、無線通信アンテナを形成するスペースを別途設けることなく、また無線通信アンテナを目立たないように形成することが可能である。
【0043】
図5は他の例を示す図であり、ハーネスと圧着端子及び端子ピンとをプレート(端子板)に接続した状態を説明する部分斜視図である。本実施例では、前記実施例と同様な部材・配置等には同一符号を付し、異なる点のみを説明する。
【0044】
図5に示す例ではプレート(端子板)の形状が異なり、そのプレートに4本の端子ピン32が固定されている。固定される端子ピン32を6本以上に構成してもよい。要はプレート(端子板)31の面積との兼ね合いで、隣り合う端子ピン32の間隔P(ピッチ)が5mm程度以上になるよう配置できればよい。
【0045】
以上のように、本発明にかかる流体の流れ計測装置によれば、安定した計測が可能となり、家庭用流量計、産業用流量計のみならず、空気中に超音波を発生して距離を計測する自動車のバックソナーなどの用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0046】
10 計測手段
20 表示手段
30 中継コネクタ
31 プレート(端子板)
31a 貫通穴
31b シール材
32 端子ピン
32a くびれ部
33 リード線
35 圧着端子
35a リード線配置溝
36 爪部
36a 第1爪部
36b 第2爪部
36c 第3爪部