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特許7232675インテークホース劣化判定方法及び車両動作制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】インテークホース劣化判定方法及び車両動作制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/10 20060101AFI20230224BHJP
   F02B 37/00 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
F02M35/10 101H
F02M35/10 101Z
F02B37/00 301Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019044319
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020148107
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】宮袋 隼
【審査官】楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第2851623(CN,Y)
【文献】特開2007-263908(JP,A)
【文献】特開2017-203431(JP,A)
【文献】特開2006-132511(JP,A)
【文献】特開2020-079582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 35/10
F02B 37/00
F02D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された過給装置を構成するコンプレッサとエンジンとを接続するインテークホースの劣化判定方法であって、
過給圧制御が定常状態にある場合に、過給圧に応じた前記インテークホースの断面積の膨張の大小に基づいて前記インテークホースの劣化の有無を判定し、
前記インテークホースの断面積の膨張の大小に基づく前記インテークホースの劣化の有無の判定においては、過給の際の前記インテークホースの断面積が予め定められた断面積膨張閾値を下回る場合、前記インテークホースの劣化発生と判定し、
前記断面積膨張閾値は、過給時にインテークホースが正常として判定できる最小限の断面積に相当し、
前記断面積膨張閾値を、吸気温度と冷却水温に基づいて補正し、補正後の断面積膨張閾値を、算出された断面積との比較に用いることを特徴とするインテークホース劣化判定方法。
【請求項2】
請求項記載のインテークホース劣化判定方法において、別個に第2のインテークホース劣化判定方法を実行し、
前記第2のインテークホース劣化判定方法は、
予め定められた判定環境条件下において前記過給装置の動作制御を行う車両動作制御装置により過給圧の増加指示がなされた際に、実過給圧が当該増加指示発生時から判定基準圧力に達するまでの過給圧上昇時間を計測し、計測された前記過給圧上昇時間が所定の閾値時間を下回っている場合に、前記インテークホースが劣化していると判定することを特徴とするインテークホース劣化判定方法。
【請求項3】
前記判定環境条件は、吸気温度が基準吸気温度を上回り、かつ、冷却水温が基準冷却水温を上回ることを特徴とする請求項記載のインテークホース劣化判定方法。
【請求項4】
前記閾値時間を、吸気温度と冷却水温に基づいて補正し、補正後の閾値時間である補正閾値時間を、過給圧上昇時間との比較に用いることを特徴とする請求項記載のインテークホース劣化判定方法。
【請求項5】
車両の動作制御処理を実行可能とする電子制御ユニットを有してなる車両動作制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記車両に搭載された過給装置の過給圧制御を実行可能とすると共に、前記過給装置を構成するコンプレッサとエンジンとを接続するインテークホースの劣化判定を実行可能に構成され、
前記インテークホースの劣化判定は、
前記過給圧制御が定常状態にある場合に、過給圧に応じた前記インテークホースの断面積の膨張の大小に基づいて前記インテークホースの劣化の有無を判定するものであって、
前記電子制御ユニットは、
前記インテークホースの断面積の膨張の大小に基づく前記インテークホースの劣化の有無の判定において、過給の際の前記インテークホースの断面積が予め定められた断面積膨張閾値を下回る場合、前記インテークホースの劣化発生と判定するよう構成され、
前記断面積膨張閾値は、過給時にインテークホースが正常として判定できる最小限の断面積に相当し、
さらに、前記電子制御ユニットは、
前記断面積膨張閾値を、吸気温度と冷却水温に基づいて補正し、補正後の断面積膨張閾値を、算出された断面積との比較に用いるよう構成されてなることを特徴とする車両動作制御装置。
【請求項6】
請求項記載の車両動作制御装置において、
前記電子制御ユニットは、別個に第2のインテークホース劣化判定の実行を可能とし、
前記第2のインテークホース劣化判定は、
予め定められた判定環境条件の下で前記過給装置における過給圧の増加指示の有無を判定し、前記増加指示が発生したと判定された場合、実過給圧が当該増加指示発生時から判定基準圧力に達するまでの過給圧上昇時間を計測し、計測された前記過給圧上昇時間が所定の閾値時間を上回っていないと判定された場合、前記インテークホースが劣化していると判定するものであることを特徴とする車両動作制御装置。
【請求項7】
前記電子制御ユニットは、吸気温度が基準吸気温度を上回り、かつ、冷却水温が基準冷却水温を上回った場合に、前記判定環境条件が満たされたとして前記過給圧の増加指示の有無の判定を実行するよう構成されてなることを特徴とする請求項記載の車両動作制御装置。
【請求項8】
前記電子制御ユニットは、前記閾値時間を、吸気温度と冷却水温に基づいて補正し、補正後の閾値時間である補正閾値時間を、過給圧上昇時間との比較に用いるよう構成されなることを特徴とする請求項記載の車両動作制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボチャージャを搭載した車両においてターボチャージャを構成する圧縮機とエンジンとを接続するインテークホースの劣化判定方法に関し、特に、信頼性の向上、構成の簡素化等を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関においては、エミッション対策等に有効な手段であること等から、内燃機関の吸入空気を過給するターボチャージャ(過給装置)が用いられることは従来から良く知られている通りである(例えば、特許文献1等参照)
かかるターボチャージャを構成する圧縮機とエンジンのインテークマニホールドとの接続には、従来、ゴム製のホース(インテークホース)が用いられることが多い。
【0003】
このため、金属製の部材を用いたもの等に比して、環境条件等による劣化が発生し易く、劣化を要因とする吸気漏れなどを招き、最悪の場合には過給制御の停止による走行不能を招く畏れがあるため、劣化状態の確実な把握、監視が必要とされる。
このようなインテークホースの劣化状態等の監視は、従来、目視や手による触診が殆どである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-168007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、目視や触診は、一般に、その判断基準の客観化が難しく、また、判断の精度は、作業者の熟練度に負うところが大きいため、判断の信頼性が一定しないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、ゴム製のインテークホースの劣化を作業者の熟練度に依存することなく客観的、かつ、確実に把握可能とし、信頼性の高い劣化判定を可能とするインテークホース劣化判定方法及び車両動作制御装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係るインテークホース劣化判定方法は、
車両に搭載された過給装置を構成するコンプレッサとエンジンとを接続するインテークホースの劣化判定方法であって、
過給圧制御が定常状態にある場合に、過給圧に応じた前記インテークホースの断面積の膨張の大小に基づいて前記インテークホースの劣化の有無を判定し、
前記インテークホースの断面積の膨張の大小に基づく前記インテークホースの劣化の有無の判定においては、過給の際の前記インテークホースの断面積が予め定められた断面積膨張閾値を下回る場合、前記インテークホースの劣化発生と判定し、
前記断面積膨張閾値は、過給時にインテークホースが正常として判定できる最小限の断面積に相当し、
前記断面積膨張閾値を、吸気温度と冷却水温に基づいて補正し、補正後の断面積膨張閾値を、算出された断面積との比較に用いるよう構成されてなるものである。
また、上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る車両動作制御装置は、
車両の動作制御処理を実行可能とする電子制御ユニットを有してなる車両動作制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記車両に搭載された過給装置の過給圧制御を実行可能とすると共に、前記過給装置を構成するコンプレッサとエンジンとを接続するインテークホースの劣化判定を実行可能に構成され、
前記インテークホースの劣化判定は、
前記過給圧制御が定常状態にある場合に、過給圧に応じた前記インテークホースの断面積の膨張の大小に基づいて前記インテークホースの劣化の有無を判定するものであって、
前記電子制御ユニットは、
前記インテークホースの断面積の膨張の大小に基づく前記インテークホースの劣化の有無の判定において、過給の際の前記インテークホースの断面積が予め定められた断面積膨張閾値を下回る場合、前記インテークホースの劣化発生と判定するよう構成され、
前記断面積膨張閾値は、過給時にインテークホースが正常として判定できる最小限の断面積に相当し、
さらに、前記電子制御ユニットは、
前記断面積膨張閾値を、吸気温度と冷却水温に基づいて補正し、補正後の断面積膨張閾値を、算出された断面積との比較に用いるよう構成されてなるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インテークホースの断面積の膨張具合によってインテークホースの劣化を判断するようにしたので、従来の目視や触診などによる劣化判定とは異なり、劣化判定における作業者の熟練度のような不安定な要因を排除して客観的で、より確実で信頼性のある劣化判定を確保することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態における車両動作制御装置の構成例を示す構成図である。
図2】本発明の実施の形態における車両動作制御装置により劣化判定されるインテークホースと周辺の概略構成を模式的に示す模式図である。
図3】本発明の第1の実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
図4】本発明の第1の実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理において断面積膨張閾値の補正に用いられる温度補正係数表の一例を示す表である。
図5】本発明の第2の実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
図6】本発明の第2の実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理における劣化判定に用いられる過給圧上昇時間を説明する模式図であって、図6(A)は吸入空気量の変化を説明する模式図、図6(B)は過給圧の変化と過給圧上昇時間の関係を説明する模式図である。
図7】本発明の第2実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理において用いられる温度補正係数表の一例を示す表である。
図8】本発明の第1実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理と第2実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理を同時並列的に実行する場合の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
図9】本発明の第1実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理と第2実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理を時系列に実行する場合の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図9を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるインテークホース劣化判定方法が適用される車両動作制御装置の構成例について、図1及び図2を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における車両動作制御装置は、自動車両50に搭載された電子制御ユニット100を主たる構成要素として構成されてなるものである。
【0011】
この電子制御ユニット100は、内燃機関としてのエンジン51の動作制御などが実行可能に構成されたものであり、それ自体は、電子制御を可能とした従来の自動車両に搭載されたものと基本的に同一のものである。
すなわち、本発明の実施の形態における電子制御ユニット100は、従来同様、エンジン51の回転制御や燃料噴射制御など、車両の走行制御として必要な種々の制御が実行可能に構成されたものであることを前提とする。
【0012】
また、さらに、本発明の実施の形態における自動車両50は、過給装置を備えたものを前提としている。
すなわち、エンジン51には、コンプレッサ52によりインテークホース1を介して圧縮された吸入空気が供給されるようになっている(図2参照)。このコンプレッサ52は、良く知られているように図示されないタービンと共に過給装置を構成するものである。したがって、電子制御ユニット100は、従来同様の過給圧制御が実行可能に構成されたものであることを前提とする。
【0013】
なお、コンプレッサ52に接続された吸気管5の上流側には、エアフィルタ53が設けられており、このエアフィルタ53の適宜な部位には、エアフロセンサ2が設けられている(図2参照)。また、エンジン51の吸気口(図示せず)近傍のインテークホース1の適宜な部位には、過給圧センサ3が設けられている(図2参照)。
【0014】
かかる電子制御ユニット100には、図示されないセンサにより検出されたエンジン回転数、車速、エンジン51の冷却水温、吸気温度などと共に、エアフロセンサ2により検出された吸気流量、過給圧センサ3により検出された過給圧など、エンジン51の動作制御等に必要な種々の検出信号等が入力され、燃料噴射制御処理や後述するインテークホース劣化判定処理などに供されるようになっている。
【0015】
また、電子制御ユニット100は、後述するようにインテークホース劣化判定処理を実行し、インテークホース異常と判定された場合に、自動車両50の車内に設けられた計器盤(図1においては「INP」と表記)4の報知灯4aを点灯させる等の報知動作が実行可能となっている。
【0016】
次に、本発明の第1の実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理について、図3及び図4を参照しつつ説明する。
最初に、電子制御ユニット100により実行される本発明の実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理について概括的に説明する。
ゴム製のインテークホース1は、一般に劣化の進行と共に硬化する傾向にあるが、硬化が増すと亀裂が生じ易くなり、亀裂が生ずると空気の漏れが発生し正常な過給を維持することができなくなることで、排気特性の劣化や燃費の低下等の車両動作特性の劣化を招いてしまう。
【0017】
本発明の実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理は、上述のように空気漏れ発生の要因となるゴム製のインテークホース1の硬化を早期に検出し、過給特性の劣化、ひいては車両動作特性の劣化を極力未然に防止可能とするものである。
このため、本願発明者は、ゴム製のインテークホース1の硬化に着目し、鋭意試験、研究を行った結果、硬化の進行に伴い過給時のインテークホース1の断面積の変化に差異が生ずることを見出すに至った。
【0018】
本発明の実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理は、ゴム製のインテークホース1の硬化による断面積の変化の程度によってインテークホース1の劣化判定を行うものである。
【0019】
以下、具体的に説明すれば、まず、電子制御ユニット100により処理が開始されると、最初に、判定環境条件の一つである吸気温度が基準吸気温度Tinを上回っているか否かが判定される(図3のステップS310参照)。
このように吸気温度を判定するのは、吸気温度が低い場合、ゴム製のインテークホース1が硬化する傾向にあり、かかる状態で劣化判定を行っても劣化による硬化の場合との判別ができず、正確な判定結果を得ることが困難となるためである。
【0020】
ステップS310において、吸気温度が基準吸気温度Tinを上回ったと判定された場合(YESの場合)、次述するステップS320の処理へ進むこととなる。一方、ステップS310において、吸気温度は基準吸気温度Tinを上回ってないと判定された場合(NOの場合)、このインテークホース劣化判定処理を実行する状態ではないとして一連の処理は終了されることとなる。なお、一連の処理終了後は、一旦、図示されないメインルーチンへ戻り、予め定められたタイミングに、再びステップS310から実行が開始されるようになっている。
【0021】
ステップS320においては、判定環境条件の一つである冷却水温(エンジン冷却水温)が基準冷却水温Twaを上回っているか否かが判定される。
このように冷却水温を判定するのは、冷却水温が低い状態にあっては、エンジン51が十分に動作している状態であるとは言えず、吸気温度が低い場合と同様、的確な判定が確保できない畏れがあるためである。
【0022】
しかして、ステップS320において、冷却水温が基準冷却水温Twaを上回っていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS330の処理へ進むこととなる。一方、ステップS320において、冷却水温が基準冷却水温Twaを上回っていないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS310の場合と同様、一連の処理は終了されることとなる。
【0023】
ステップ330においては、過給制御が定常状態にあるか否かが判定される。
ここで、過給圧制御の定常状態とは、過給圧がほぼ一定圧に維持されている状態をいう。具体的な判断基準は、車両の仕様等に応じて異なるものであるので、それらを考慮の上、試験結果やシミュレーション結果に基づいて定めるのが好適である。
なお、具体的な判断基準例を挙げれば、過給圧の変動幅が±50hPa以内で、かつ、3秒以上維持された場合を、過給圧制御が定常状態と判定する判定基準の一つとすることができる。
【0024】
しかして、ステップS330において、定常状態であると判定された場合(YESの場合)、ステップS340の処理へ進むこととなる。一方、ステップS330において、定常状態ではないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS310の場合と同様、一連の処理は終了されることとなる。
【0025】
ステップS340においては、インテークホース1のホース断面積の算出が行われる。
すなわち、ホース断面積は、以下のようにして算出される。
まず、ホース断面積をS、インテークホース1の長さをLとすると、このホース内の空気の体積Vは、下記する式1で表される。なお、インテークホース1の長さLは、車両50の使用開始時から不変であるとする。
【0026】
V=S×L・・・式1
【0027】
この式1に、式2で表される良く知られた気体方程式を適用し、ホース断面積Sを算出する基本式を導出すると下記する式3の如くとなる。
【0028】
PV=n×R×T・・・式2
【0029】
ここで、Pは、圧力であり、具体的には、過給圧センサ3により検出された過給圧である。また、nは、気体の質量、すなわち、吸入空気量であり、具体的には、エアフロセンサ2の検出値である。さらに、Rは、モル気体定数である。
【0030】
Scurr=Mcurr×R×Tcurr/(Pcurr×L)・・・式3
【0031】
ここで、Mcurrは、最新のホース断面積Scurr算出時点における吸入空気量(Kg/h)であり、エアフロセンサ2により検出された値が用いられる。また、Tcurrは、最新のホース断面積Scurr算出時点の吸入空気の温度であり、具体的には、図示されない温度センサにより検出された吸気温度(℃)が用いられる。さらに、Pcurrは、最新のホース断面積Scurr算出時点の圧力(hPa)であり、具体的には、過給圧センサ3により検出された過給圧が用いられる。
【0032】
なお、先のTcurrには、センサで検出された実際の吸気温度に代えて、吸気管5への吸入空気量や温度をモデル化して、理論上の吸入空気温度(モデル値)の算出を可能とした吸気温度モデルに基づいて算出されたモデル値を用いても良い。
ステップS340においては、式3に基づいて、最新のホース断面積Scurrが算出される。
【0033】
次に、上述のようにして算出されたホース断面積Scurrが、断面積膨張閾値を上回っているか否かが判定される(図3のステップS350参照)。
本発明の実施の形態におけるインテークホース劣化判定方法は、過給によってインテークホース1の断面積が膨張することを前提としている。そして、断面積の膨張が十分でない場合には、インテークホース1の劣化の可能性が大きいとして故障と判定することとしている。
断面積膨張閾値は、上述のようにインテークホース1の断面積の膨張が正常か否かを判定する判定基準である。
【0034】
かかる断面積膨張閾値は、車両の仕様等を考慮して、試験結果やシミュレーション結果に基づいて定めるのが好適である。
また、断面積膨張閾値は、過給圧によってその適切な値が異なるため、主たる過給圧毎に定められたものとなっている。
【0035】
このようにして過給圧毎に選定された断面積膨張閾値は、過給圧と対応づけされた過給圧・断面積膨張閾値対応表としてテーブル化されて、電子制御ユニット100の適宜な記憶領域に予め記憶されて用いられるものとなっている。
【0036】
ステップS350においては、この時点の過給圧に対応する断面積膨張閾値が、上述の過給圧・断面積膨張閾値対応表から読み出されて用いられるようになっている。なお、過給圧・断面積膨張閾値対応表に無い過給圧に対する断面積膨張閾値は、例えば、補間法などで求めるのが好適である。
【0037】
また、断面積膨張閾値は、通常、常温状態で先に説明したようにして定められる。一方、断面積膨張閾値は、温度によって変動する傾向にあるため、ステップS350においては、上述のようにして過給圧・断面積膨張閾値対応表から読み出された断面積膨張閾値を、その時点の温度応じて補正して用いるのが好適である。
補正の具体的手法としては、例えば、上述のようにテーブルを用いて求められた断面膨張閾値に、その時点の温度に応じて定められる補正係数を乗じる方法が考えられる。
【0038】
この場合、補正係数は、例えば、図4に一例が示されたように、例えば、吸気温度とエンジン冷却水温(水温)をパラメータとして、この2つの温度の組み合わせに対して予め定められた補正係数を読み出し可能に構成された補正係数テーブルを、電子制御ユニット100の適宜な記憶領域に予め記憶させたもの用いて決定するのが好適である。なお、補正係数テーブルに無い吸気温度とエンジン冷却水温との組み合わせに対しては、いわゆる補間法などにより対応する補正係数を定めるのが好適である。
【0039】
しかして、ステップS350において、ステップS340において算出されたホース断面積Scurrが、断面積膨張閾値を上回っていると判定された場合(YESの場合)は、インテークホース1は、異常では無いと判断され(図3のステップS360)、一連の処理が終了されることとなる。
【0040】
一方、ステップS350において、ホース断面積Scurrが断面積膨張閾値を上回っていないと判定された場合(NOの場合)は、暫定的にインテークホース1に異常発生の可能性有りとして、異常発生回数が計数されることとなる(図3のステップS370参照)。
【0041】
ステップS350において、ホース断面積Scurrが断面積膨張閾値を上回っていないと判定された場合(NOの場合)は、インテークホース1に異常発生の可能性があると考えられるが、過給圧の変動等による誤判定の可能性等を考慮して、本発明の実施の形態においては、より確実性、信頼性を確保する等の観点から、ステップS350のNO判定が所定回数なされた場合に、最終的にインテークホース1は異常であると判定するようにしている。
そのため、ステップS370において、ステップS350のNO判定を暫定的に異常発生として、異常発生回数の計数を行うこととしている。
【0042】
しかして、ステップS380においては、異常発生回数の計数値が基準回数Nsを上回ったか否かが判定され、基準回数Nsを上回ったと判定された場合(YESの場合)は、インテークホース1は劣化による異常であるとして、報知処理が実行されることとなる(図3のステップS390参照)。
報知処理は、インテークホース1が劣化していること(異常であること)を、車両のユーザ、運転者(ドライバ)等に音や表示等によって知らしめる処理、動作等を意味する。
【0043】
例えば、自動車両50に設けられた計器盤4の報知灯4aを点灯させる等の報知動作が実行されるようになっている。
なお、報知処理は、勿論、報知灯4aを点灯に限定される必要はなく、液晶表示素子等の表示デバイスに所望の図形や文字等を表示したり、鳴動素子を鳴動させても良く、さらには、これらを任意に組み合わせて実行するようにしても好適である。
【0044】
次に、インテークホース劣化判定方法の第2の実施の形態について、図5乃至図7を参照しつつ説明する。
先の第1の実施の形態におけるインテークホース劣化判定方法は、過給圧が定常状態にある場合に、インテークホース1の劣化判定を可能とするものであるのに対して、第2の実施の形態におけるインテークホース劣化判定方法は、過給圧が過渡状態にある場合に、インテークホース1の劣化判定を可能としたものである。
【0045】
なお、第2の実施の形態におけるインテークホース劣化判定方法が適用される車両動作制御装置の構成は、第1の実施の形態において、図1及び図2を参照しつつ説明した構成と基本的に同一であることが前提であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
【0046】
先ず、この第2の実施の形態におけるインテークホース劣化判定処理について概括的に説明する。
ゴム製のインテークホース1が劣化して硬化してくると、過給の際の過給圧の上昇時間が、正常の場合に比して減少する傾向にある。本発明の第2の実施の形態におけるインテークホース劣化判定は、この過給圧の上昇時間に着目し、過給圧の上昇時間によってインテークホース1の劣化の有無を判定するようにしたものである。
【0047】
以下、具体的に説明すれば、まず、電子制御ユニット100により処理が開始されると、最初に、判定環境条件の一つである吸気温度が基準吸気温度Tinを上回っているか否かが判定される(図5のステップS110参照)。
このように吸気温度を判定するのは、吸気温度が低い場合、ゴム製のインテークホース1が硬化する傾向にあり、この劣化判定において判断対象とされる過給圧の上昇時間にさほどの影響を与えず、的確な判定が確保できない畏れがあるためである。
【0048】
このステップS110の判定は、吸気温度が基準吸気温度Tinを上回ったと判定されるまで繰り返され、吸気温度が基準吸気温度Tinを上回ったと判定されると(YESの場合)、次述するステップS120の処理へ進むこととなる。
ステップS120においては、判定環境条件の一つである冷却水温(エンジン冷却水温)が基準冷却水温Twaを上回っているか否かが判定される。
【0049】
このように冷却水温を判定するのは、冷却水温が低い状態にあっては、エンジン51が十分に動作している状態であるとは言えず、吸気温度が低い場合と同様、的確な判定が確保できない畏れがあるためである。
【0050】
しかして、ステップS120において、冷却水温が基準冷却水温Twaを上回っていると判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS130の処理へ進む一方、冷却水温が基準冷却水温Twaを上回っていないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS110へ戻り、一連の処理が繰り返されることとなる。
【0051】
ステップ130においては、過給圧の増圧指示が発生しているか否かが判定される。
先に述べたように、本発明の実施の形態における電子制御ユニット100は、従来同様の過給圧制御処理の実行を可能としたものを前提としており、この過給圧の増圧指示は、過給圧制御処理の実行過程において生ずるものである。
したがって、このステップS130においては、過給圧の増圧指示が必要か否かなどを新たに判定する必要は無く、別途、実行されている過給圧制御処理における過給圧の増圧指示の有無を流用すれば足りるものである。
【0052】
しかして、ステップS130において、過給圧の増圧指示が発生していると判定された場合(YESの場合)、次述するステップS140の処理へ進む一方、過給圧の増圧指示は発生していないと判定された場合(NOの場合)には、先のステップS110へ戻り、一連の処理が繰り返されることとなる。
【0053】
ステップS140においては、過給圧上昇時間Tbupの計測が開始される。
この過給圧上昇時間Tbupの計測は、過給圧が判定基準圧力Prefを上回ったと判定されるまで行われ(図5のステップS150参照)、過給圧が判定基準圧力Prefを上回ったと判定された時点で過給圧上昇時間Tbupが確定される。
【0054】
ここで、図6を参照しつつ、過給圧上昇時間の計測について説明する。
先ず、過給圧は、通常、過給圧の増圧指示が発生した時点から、ある程度の過給圧に達するまでは、比較的緩慢に上昇してゆき、その後、それ以前よりも早い速度で上昇する傾向にある。
この過給圧の変化は、インテークホース1の異常の有無に関わらず基本的に同一であるが、インテークホース1が硬化すると、過給圧の上昇速度が増す箇所までの過給圧の上昇に要する時間が短くなる傾向にある。
【0055】
例えば、図6(A)には、過給圧の増圧指示に応じた吸入空気量の変化例が二点鎖線の特性線により示されている。この例は、時刻t1において過給圧の増圧指示がなされ、それに伴い、指示圧、すなわち、目標の過給圧が時間の経過と共に増加するに伴い吸入空気量が増加する場合の一例である。
【0056】
そして、図6(B)において、インテークホース1が正常な場合の過給圧の上昇特性の一例が実線の特性線で、また、インテークホース1が劣化し硬化している場合の過給圧の上昇特性の一例が一点鎖線の特性線で、それぞれ示されている。
インテークホース1に劣化が生ずると、過給圧の上昇速度が増す箇所である判定基準圧力までの過給圧の上昇時間に違いが生じ、劣化が進むに従い時間が短くなる傾向にある。
【0057】
本発明の実施の形態においては、上述のようにインテークホース1の劣化によって生ずる過給圧の上昇時間の違いに着目し、これを劣化判定に用いることとしている。
すなわち、先に述べたように過給圧の上昇速度がそれ以前よりも増加する箇所、いわば変曲点に相当する箇所の過給圧を判定基準圧力Prefとして、過給圧の増圧指示の発生時点から、過給圧がこの判定基準圧に達するまでの時間を過給圧上昇時間Tbupとして計測している。
【0058】
計測された過給圧上昇時間Tbupは、後述するように閾値時間と比較される(図5のステップS170参照)。
ここで、閾値時間Tbrefは、過給圧上昇時間Tbupが正常か否かを判断するための判断基準である。
例えば、図6(B)において、点線の特性線は、過給圧上昇時間Tbupが正常か否かを判定する際の基準となる過給圧変化の例であり、この基準の特性線において、過給圧が判定基準圧力に達するまでの時間が閾値時間Tbrefである。
【0059】
この基準の特性線や閾値時間、さらに、判定基準圧は、インテークホース1の直径や長さ、指示圧の勾配(変化率)に応じて異なるものであるので、車両の具体的な仕様等を勘案して、試験結果やシミュレーション結果に基づいて定めるのが好適である。
【0060】
しかして、過給圧上昇時間Tbupが計測された後、閾値時間Tbrefの補正処理が行われる(図5のステップS160参照)。
先に述べたように、閾値時間Tbrefは、試験結果やシミュレーション結果に基づいて定められるが、その際、閾値時間Tbrefを選定する際の条件とされる吸気温度や冷却水温は、通常、過給圧制御が比較的理想的な状態となる場合の温度が選択される。それ故、このようにして定められた閾値時間Tbrefは、いわば標準値と言うべきものである。
【0061】
そのため、本発明の実施の形態においては、判定の精度を高めるため、劣化判定を行う際に、予め標準値として設定された閾値時間Tbrefを、吸気温度と冷却水温を用いて補正し、補正された閾値時間Tbrefを、次述するステップS170の判定に用いることとしている。
【0062】
ここで、上述の閾値時間Tbrefの補正は、閾値時間Tbrefに補正係数を乗ずることで行われる。補正係数は、例えば、図7に示されたように、試験結果やシミュレーション結果に基づいて予めテーブル化された補正係数表から、その時の吸気温度と冷却水温に対応する補正係数が選定される。なお、補正係数表に記載された吸気温度と冷却水温の組み合わせ以外の組み合わせに対する補正係数は、いわゆる補間法を用いて求めるのが好適である。
【0063】
すなわち、補正により得られた時間を、例えば、補正閾値時間Tbref(am)とすると、補正閾値時間Tbref(am)は、補正閾値時間Tbref(am)=閾値時間Tbref×Kとして求められる。なお、ここで、”K”は、補正係数であり、図7に例示されたような補正係数表を用いて定められる値である。
【0064】
補正係数表は、吸気温度と冷却水温とを補正係数選択の際のパラメータとして、対応する補正係数が選択されるよう構成されてなるものである。
なお、図7に示された補正係数は、あくまでも一例であり、これに限定されるものではない。
【0065】
次いで、過給圧上昇時間Tbupが、補正閾値時間Tbref(am)を上回っているか
否かが判定される(図5のステップS170参照)。
そして、過給圧上昇時間Tbupが補正閾値時間Tbref(am)を上回っていると判定された場合(YESの場合)には、インテークホース1は正常であると判定され、一連の処理は終了されることとなる。
【0066】
一方、過給圧上昇時間Tbupが補正閾値時間Tbref(am)を上回っていないと判定された場合(NOの場合)には、劣化判定回数計数が行われる(図5のステップS190参照)。
過給圧上昇時間Tbupが補正閾値時間Tbref(am)を上回っていないとの判定がなされたことは、インテークホース1が劣化していること意味する。したがって、即座に異常と判定して、必要な安全措置を施すようにしても良いが、本発明の実施の形態においては、より確実性、信頼性を確保する等の観点から、複数回劣化判定がなされた後に、インテークホース1は異常であると判定するようにしている。
【0067】
そのため、ステップS190においては、過給圧上昇時間Tbupが補正閾値時間Tbref(am)を上回っていないと判定された回数である劣化判定回数の計数が行われる。
次いで、劣化判定回数が基準回数を上回ったか否かが判定され(図5のステップS200)、劣化判定回数が基準回数を上回ったと判定された場合(YESの場合)には、次述するステップS210の処理へ進むこととなる。
【0068】
一方、ステップS200において、劣化判定回数が基準回数を上回っていないと判定された場合(NOの場合)には、一連の処理は終了され、一旦、図示されないメインルーチンへ戻ることとなる。メインルーチンにおいては、他の所用の処理が実行された後、再び、この一連の処理が開始されることとなる。
なお、基準回数は、過給装置の具体的な仕様やインテークホースの長さや直径等などによって、その最適値は異なるので、試験結果やシミュレーション結果等に基づいて定めるのが好適である。
【0069】
ステップS210においては、劣化判定回数が基準回数を上回ったことで、インテークホース1の劣化が確実だとして、異常の判定がなされて、報知処理が実行されることとなる。
報知処理は、インテークホース1が劣化していること(異常であること)を、車両のユーザ、運転者(ドライバ)等に音や表示等によって知らしめる処理、動作等を意味する。
【0070】
例えば、自動車両50に設けられた計器盤53の報知灯53aを点灯させる等の報知動作が実行されるようになっている。
なお、報知処理は、勿論、報知灯53aを点灯に限定される必要はなく、液晶表示素子等の表示デバイスに所望の図形や文字等を表示したり、鳴動素子を鳴動させても良く、さらには、これらを任意に組み合わせて実行するようにしても好適である。
【0071】
上述の実施の形態は、車両動作制御装置が、先に説明した2つのインテークホース劣化判定処理のいずれか一方のみを実行することを前提としたものであったが、先に説明した2つのインテークホース劣化判定処理の双方を実行するようにしても良い。
【0072】
以下、図8及び図9を参照しつつ、2つのインテークホース劣化判定処理を実行する手順について説明する。
まず、以下の説明の便宜上、先に、図3を参照しつつ処理手順を説明したインテークホース劣化判定処理を”定常時劣化判定処理(第1のインテークホース劣化判定処理)”と称すると共に、その処理手順全体をステップS305と表すこととする。
また、図5を参照しつつ処理手順を説明したインテークホース劣化判定処理を”過渡時劣化判定処理(第2のインテークホース劣化判定処理)”と称すると共に、その処理手順全体をステップS105と表すこととする。
【0073】
最初に、図8に示された処理手順について説明する。
図8に示された処理手順は、定常時劣化判定処理と過渡時劣化判定処理を、同時並列的に実行する場合の例を示したものである。
なお、それぞれの処理手順の詳細は、定常時劣化判定処理については、先に図3を参照しつつ説明した通りであり、また、過渡時劣化判定処理については、先に図5を参照しつつ説明した通りであるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
【0074】
次に、図9に示された処理手順について説明する。
図9に示された処理手順は、定常時劣化判定処理と過渡時劣化判定処理を、時系列に実行する場合の例を示したものである。
すなわち、この例の場合、最初に、過渡時劣化判定処理(図9のステップS105参照)が、次いで、定常時劣化判定処理(図9のステップS305参照)が、順に実行される。
なお、この場合、過渡時劣化判定処理においては、一連の処理が終了された後は、メインルーチンへ戻ることなく、定常時劣化判定処理の実行へ移ることとなる。
【0075】
過渡時劣化判定処理と定常時劣化判定処理の実行の順序は、図9に示された順に限定される必要は無く、定常時劣化判定処理の実行の後に、過渡時劣化判定処理を実行しても良い。
この場合、定常時劣化判定処理においては、一連の処理が終了された後は、メインルーチンへ戻ることなく、過渡時劣化判定処理の実行へ移ることとなる。
【0076】
ここで、電子制御ユニット100の処理能力に対する負荷の大小という観点で、図8に示されたように2つの処理を同時並列的に実行する場合と、図9に示されたよう時系列に順次実行する場合を比較すると、2つの処理を同時並列的に実行する場合(図8参照)、2つの処理を時系列的に順次実行する場合(図9参照)に比して、電子制御ユニット100の処理能力に対する負荷は大きい。したがって、図8に示された処理手順、又は、図9に示された処理手順のいずれかを選択するにあたっては、電子制御ユニット100の処理能力の余裕度などを考慮して選択するのが好適である。
【産業上の利用可能性】
【0077】
客観的、かつ、確実なインテークホースの劣化把握が所望される車両に適用できる。
【符号の説明】
【0078】
1…インテークホース
2…エアフロセンサ
3…過給圧センサ
100…電子制御ユニット
51…エンジン
52…コンプレッサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9