(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】電子マネー決済端末、電子マネー決済方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20230224BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20230224BHJP
G06Q 20/06 20120101ALI20230224BHJP
【FI】
G07G1/00 311Z
G06Q20/32
G06Q20/06 300
(21)【出願番号】P 2019057038
(22)【出願日】2019-03-25
【審査請求日】2021-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾木 雄貴
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-140465(JP,A)
【文献】特開2013-257783(JP,A)
【文献】特開2017-4234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 5/00
A63F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商取引の決済処理を行う決済部と、
前記決済部に接続して、電子マネー媒体に対して商取引情報の読み書きを行う電子マネーリーダライターと、
を備え、
前記決済部は、前記電子マネーリーダライターと前記電子マネー媒体との通信が電子マネー決済処理中に途切れる未了取引が発生し、その後に当該電子マネー媒体によ
り既に実施された次回取引が存在するときに、前記未了取引
における決済情報に含まれる支払金額及び該未了取引前の残高と前記次回取引における決済情報
に含まれる該次回取引前の残高とに基づいて、前記未了取引の決済の成立または未成立を判定
し、
前記判定においては、前記未了取引前の残高から前記支払金額を差し引いた金額と前記次回取引前の残高とに矛盾がない場合、前記未了取引の決済が成立していると判定される
電子マネー決済端末。
【請求項2】
前記決済部は、前記判定の結果を表示部に表示する、
請求項1に記載の電子マネー決済端末。
【請求項3】
前記決済部は、商取引情報を集約した商取引データーベースに接続して前記次回取引の商取引情報を検索・取得する、
請求項1または2に記載の電子マネー決済端末。
【請求項4】
電子マネーリーダライターと電子マネー媒体との通信が電子マネー決済処理中に途切れる未了取引が発生したときに、その後に当該電子マネー媒体によ
り既に実施された次回取引が存在するか否かを検索する工程と、
前記次回取引が存在するときに、前記未了取引
における決済情報に含まれる支払金額及び該未了取引前の残高と前記次回取引における決済情報
に含まれる該次回取引前の残高とに基づいて、前記未了取引の決済の成立または未成立を判定する工程と、
を含
み、
前記判定においては、前記未了取引前の残高から前記支払金額を差し引いた金額と前記次回取引前の残高とに矛盾がない場合、前記未了取引の決済が成立していると判定される
電子マネー決済方法。
【請求項5】
コンピュータを、
電子マネーリーダライターと電子マネー媒体との通信が電子マネー決済処理中に途切れる未了取引が発生したときに、その後に当該電子マネー媒体によ
り既に実施された次回取引が存在するか否かを検索する検索手段と、
前記次回取引が存在するときに、前記未了取引
における決済情報に含まれる支払金額及び該未了取引前の残高と前記次回取引における決済情報
に含まれる該次回取引前の残高とに基づいて、前記未了取引の決済の成立または未成立を判定する判定手段
として機能させ、
前記判定手段は、前記未了取引前の残高から前記支払金額を差し引いた金額と前記次回取引前の残高とに矛盾がない場合、前記未了取引の決済が成立していると判定する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子マネー決済端末、電子マネー決済方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子マネー決済では、消費者が電子マネーカード等を決済端末(電子マネーリーダライター)にかざすだけで、瞬時に決済処理が行われる。決済時にサインや暗証番号が不要であるため、普及が拡大している。
電子マネーカード等と決済端末は、近距離無線通信(NFC等)により接続してカード情報の読み書きを行う。ところが、消費者が電子マネー決済処理の完了前に電子マネーカードを決済端末から離すと、電子マネー決済が成立したのか不明な状態で処理が終了してしまう。このような取引状態は、未了取引と呼ばれ、決済が正常に成立しているかどうかを確認する必要が生じる。
【0003】
しかし、現状の決済端末においては、未了取引が発生したときに、決済が成立しているか否かを確認する機能がない。このため、決済端末のオペレーター等は、決済端末の製造元等に未了取引の調査を依頼して、その結果報告を待たなければならない。したがって、煩雑な作業と無駄な時間が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、未了取引が発生したときに、電子マネー決済の成立不成立を容易に確認することができる電子マネー決済端末、電子マネー決済方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電子マネー決済端末は、商取引の決済処理を行う決済部と、前記決済部に接続して、電子マネー媒体に対して商取引情報の読み書きを行う電子マネーリーダライターと、を備え、前記決済部は、前記電子マネーリーダライターと前記電子マネー媒体との通信が電子マネー決済処理中に途切れる未了取引が発生し、その後に当該電子マネー媒体による次回取引が存在するときに、前記未了取引と前記次回取引における決済情報に基づいて、前記未了取引の決済の成立または未成立を判定することを特徴とする。
【0007】
実施形態の電子マネー決済端末は、前記決済部は、前記判定の結果を表示部に表示することを特徴とする。
【0008】
実施形態の電子マネー決済端末は、前記決済部は、商取引情報を集約した商取引データーベースに接続して前記次回取引の商取引情報を検索し取得することを特徴とする。
【0009】
実施形態の電子マネー決済方法は、電子マネーリーダライターと電子マネー媒体との通信が電子マネー決済処理中に途切れる未了取引が発生したときに、その後に当該電子マネー媒体による次回取引が存在するか否かを検索する工程と、前記次回取引が存在するときに、前記未了取引と前記次回取引における決済情報に基づいて、前記未了取引の決済の成立または未成立を判定する工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
実施形態のプログラムは、コンピュータを、電子マネーリーダライターと電子マネー媒体との通信が電子マネー決済処理中に途切れる未了取引が発生したときに、その後に当該電子マネー媒体による次回取引があるか否かを検索する検索手段と、前記次回取引が存在するときに、前記未了取引と前記次回取引における決済情報に基づいて、前記未了取引の決済の成立または未成立を判定する判定手段と、して機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態の電子マネー決済端末1の構成例を示す斜視図である。
【
図2】電子マネー決済端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】電子マネー決済端末1の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】電子マネーの未了取引の確認処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施形態の決済端末を、図面を参照して説明する。各図において、同一構成については同一の符号を付す。
【0013】
〔電子マネー決済端末〕
図1は、実施形態の決済端末1の構成例を示す斜視図である。
決済端末1は、本体10の側部に電源スイッチ16を備える。また、決済端末1は、本体10の上部に、本体10に対して開閉可能な上面パネル11を備える。決済端末1は、上面パネル11が開かれると本体10の内部にロール状のレシート用紙をセットすることができる。また、この上面パネル11は、操作部13であるタッチパネルが設けられた表示部12を備える。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ等であり、操作オペレーション等を表示する。
【0014】
決済端末1(電子マネー決済端末)は、本体10の側面上部に、決済用の決済カードから当該決済カードに格納されている情報を読み取るカード読取部15を備える。
【0015】
決済端末1は、本体10の内部に、上述のレシート用紙に決済に関する情報や売上レポート等を印字する印字部57(
図2参照)を備える。印字後のレシート用紙は、本体10と上面パネル11との間に設けられているレシート発行口14から発行される。
【0016】
図2は、決済端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。
決済端末1は、各部を制御するための制御部100を備える。制御部(決済部、コンピュータ)100は、各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)51と、ROM(Read Only Memory)52と、RAM(Random Access Memory)53とを備える。CPU51は、アドレスバス、データバス等のバスライン55を介して、ROM52と、RAM53と接続する。
【0017】
制御部100のCPU51は、ROM52や記憶部54に記憶されたプログラムを、RAM53に展開する。そして、CPU51は、RAM53に展開したプログラムに従って動作することで決済端末1を制御する。また、制御部100は、バスライン55を介して、記憶部54と、コントローラ56と、外部I/F(Interface)58,59,60,61と接続する。
【0018】
記憶部54は、電源を切っても記憶情報が保持されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。また、記憶部54は、制御プログラム541を含むプログラム等を記憶する。制御プログラム541は、決済端末1の決済処理時に用いられる決済用プログラムなどである。
【0019】
コントローラ56は、表示部12と、操作部13と、印字部57と、カード読取部15と接続する。
コントローラ56は、制御部100からの指令に基づいて各種制御を実行する。
表示部12は、決済端末1を操作するキーの画像を含む各種情報を表示する。例えば、キーとは、後述する変更候補キーなどである。
操作部13は、表示部12上に設けられたタッチパネルであり、表示部12に表示されたキーに対応する位置のタッチパネルをタッチすることで、各種のキー操作を受付ける。
【0020】
印字部57は、プラテンローラと印字ヘッドとを備える。
プラテンローラは、本体10の内部に収納されたレシート用紙を回転することで引き出し、搬送する。印字ヘッドは、例えばサーマルヘッドである。
印字ヘッドは、プラテンローラが搬送したレシート用紙に、客が購入した商品の明細等を印字する。カード読取部15は、磁気的に記憶されているカード情報を読み取る。
【0021】
外部I/F58は、有線または無線の通信回線(例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等)を介して商取引管理サーバやセンターサーバ等に接続する。
商取引管理サーバは、商取引情報を集約した商取引データーベースを有し、決済端末1が設置された店舗等における商取引情報(商品情報、決済情報等)を管理する。つまり、商取引データーベースは、決済端末1が設置された店舗等における取引履歴を記憶する。この商取引管理サーバは、決済端末1が設置された店舗毎またはチェーン本部等に設けられる。
センターサーバは、クレジットカードや電子マネーの商取引情報を各カード会社等へ振り分けたりする。
【0022】
外部I/F59,60,61は、外部機器と接続する。
外部I/F59は、POS端末5との接続に用いる。
外部I/F60は、電子マネーリーダライター2との接続(通信)に用いる。電子マネーリーダライター2は、非接触ICカードまたはスマートフォン等の電子マネー媒体(不図示)からカード情報を読み取る。また、電子マネーリーダライター2は、電子マネー媒体に対して商取引情報の読み書きを行う。
外部I/F61は、ピンパッド端末3との接続に用いる。ピンパッド端末3は、クレジットカードやデビットカードなどの暗証番号を入力する入力装置である。
決済端末1は、各外部I/F59,60,61を介して、電子マネーリーダライター2やピンパッド端末3、POS端末5やと各種情報を送受信する。
【0023】
決済カードとは、クレジットカードやデビットカードによる決済に用いられるカードである。決済カードは、決済をすることができる情報として、決済カードを識別する識別情報などを記憶した記憶部を有する。決済端末1は、この識別情報を読み取ることで、顧客を特定し、決済をすることができる。
決済端末1は、カード読取部15を介して、決済カードからカード情報を読み取り、決済に用いる。
【0024】
電子マネー媒体は、非接触ICカード(カード型)やスマートフォン(アプリケーション型)であり、電子マネーを記憶した記憶部を有する。
電子マネー媒体は、電子マネー媒体を識別する識別情報の他に、カード残高(電子マネーの残高)や取引履歴等が記憶される。
決済端末1は、電子マネーリーダライター2を介して、電子マネー媒体からカード情報を読み取り、決済に用いる。
【0025】
記憶部54は、決済情報テーブルT等を記憶する。決済情報は、例えば、入力情報として、電子マネーブランド、商品情報および金額、電子マネー残高等を記憶する。電子マネーブランドは、決済に使用する電子マネーのブランドである。商品情報は、購入対象の商品や、サービスなどを識別可能な識別情報である。金額は、購入対象の商品や、サービスなどの金額(支払金額)である。電子マネー残高は、電子マネー媒体に保存された電子マネーの金額である。
【0026】
次に、実施形態の決済端末1の制御について説明する。
図3は、決済端末1の機能構成を示す機能ブロック図である。
決済端末1の制御部100は、記憶部54に記憶された制御プログラム541等のプログラムに従い動作することで、入力制御部101、記憶制御部102、商取引情報検索部103、未了取引判定部104、表示制御部105として機能する。
【0027】
入力制御部101は、表示部12上に設けられたタッチパネルである操作部13を介して、各種のキー操作の入力を受け付ける。これにより、入力制御部101は、取引に係る決済処理に関する決済情報の入力を受け付ける。さらに詳しくは、入力制御部101は、決済カードのカードブランドを選択する入力や、商品情報の入力などを受け付ける。
【0028】
記憶制御手段である記憶制御部102は、入力制御部101が受け付けた決済処理に関する決済情報を決済情報テーブルTの決済情報に記憶させる。
【0029】
商取引情報検索手段である商取引情報検索部103は、記憶部54に記憶された決済情報テーブルTから、指定された電子マネー取引情報(未了取引および次回取引)を取得する。決済情報テーブルTにこれらの情報がない場合は、商取引情報検索部103は、インターネットを介して商取引管理サーバに接続して、商取引管理データーベースから、指定された電子マネー取引情報(未了取引および次回取引)を取得する。
未了取引判定手段である未了取引判定部104は、記憶部54や商取引管理データーベースから取得した2つの商取引情報(未了取引、次回取引)を比較対照して、未了取引の決済成立または決済未成立を判定する。
表示制御手段である表示制御部105は、表示部12に各種情報を表示する。特に、表示制御部105は、認証部104による認証に失敗したときに、エラー情報を表示部12に表示する。
【0030】
〔電子マネー決済方法、プログラム〕
次に、決済端末1による電子マネーの決済処理について説明する。具体的には、決済端末1において電子マネー未了取引の確認処理について説明する。
図4は、電子マネーの未了取引の確認処理を示すフローチャートである。
【0031】
最初に、オペレーター等は、決済の成立または未成立を確認(判定)したい電子マネー取引を特定するために、決済端末1の操作部13から当該取引の情報を入力する(ステップS1)。
【0032】
次に、制御部100の商取引情報検索部103は、記憶部54に記憶された決済情報テーブルTを検索して、指定された電子マネー取引情報を取得する(ステップS2)。決済情報テーブルTに指定された電子マネー取引が存在しない場合は、商取引管理サーバに接続して、商取引管理データーベースから、指定された電子マネー取引情報を取得する(ステップS2)。
【0033】
ステップS2において、指定された電子マネー取引情報を取得できない場合は、未了取引確認処理を終了する。このとき、表示部12に該当取引が存在しない旨を表示して、オペレーターに通知する(ステップS8)。
一方、指定された電子マネー取引を取得できた場合は、ステップS3に移行する。
【0034】
次に、未了取引判定部104は、この電子マネー取引が未了取引であるか否かを確認する(ステップS3:検索工程)。
未了取引では、電子マネーリーダライター2と電子マネー媒体との通信が電子マネー決済処理中に途切れる。つまり、決済端末1が電子マネー媒体から残高の上書き完了通知を読み取れなかった。このため、上書き完了通知の有無により、電子マネー取引が未了取引であるか否かを確認する。
【0035】
ステップS3において、指定された電子マネー取引が未了取引でないと確認した場合は、未了取引確認処理を終了する。このとき、表示部12に該当取引が未了取引でない旨(つまり、決済が成立している旨)を表示して、オペレーターに通知する(ステップS7)。
一方、指定された電子マネー取引が未了取引であると確認した場合は、ステップS4に移行する。
【0036】
次に、商取引情報検索部103は、再度、記憶部54の決済情報テーブルTまたは商取引管理サーバの商取引管理データーベースを検索する(ステップS4)。このとき、ステップS2で得た電子マネー取引情報に含まれる電子マネー媒体の識別番号を利用して、指定された電子マネー取引に続く電子マネー取引(次回取引)を検索し取得する。つまり、未了取引が発生した後に、同一の電子マネーカード等で電子マネー取引(次回取引)が実施されているかを検索する。
【0037】
ステップS4において、次回取引を取得できない場合は、未了取引確認処理を終了する。このとき、表示部12に次回取引が存在しない旨を表示して、オペレーターに通知する(ステップS9)。
一方、次回取引を取得できた場合は、ステップS5に移行する。
【0038】
次に、指定された電子マネー取引(未了取引)と、これに続く電子マネー取引(次回取引)を比較対照(ステップS5)して、未了取引の決済の成立または未成立を判定する(ステップS6:判定工程)。
【0039】
例えば、未了取引の取引情報が、残高1000円、支払金額300円であり、次回取引の取引情報が、残高700円、支払金額500円の場合には、金額に矛盾がない。このため、未了取引において決済が成立していると判断する。つまり、未了取引前の残高1000円から未了取引の支払金額300円が差し引かれて、次回取引前の残高700円になっている。したがって、未了取引において、電子マネー媒体から支払金額300円が引き落とされて、残高が正確に上書きされている。
なお、未了取引となったのは、決済端末1が電子マネー媒体に支払金額を書き込み、残高を上書きしたが、電子マネー媒体から残高の上書き完了通知を読み取れなかったためである。
【0040】
一方、例えば、未了取引の取引情報が、残高1000円、支払金額300円であり、次回取引の取引情報が、残高1000円、支払金額500円の場合には、金額に矛盾がある。このため、未了取引において決済が不成立であると判断する。つまり、未了取引前の残高1000円から未了取引の支払金額300円が差し引かれなかったので、次回取引前の残高1000円のままになっている。したがって、未了取引において、電子マネー媒体から支払金額300円が引き落とされず、残高が上書きされていない。
なお、未了取引となったのは、決済端末1が電子マネー媒体に支払金額を書き込んだが、残高を上書きできなかった。さらに、電子マネー媒体から残高の上書き完了通知を読み取ることもできなかったためである。
【0041】
最後に、ステップS6において、未了取引において決済が成立していると判断した場合は、表示部12にその旨を表示して、オペレーターに通知する(ステップS7)。
一方、未了取引において決済が不成立であると判断した場合は、表示部12にその旨を表示して、オペレーターに通知する(ステップS10)。
こうして、電子マネーの未了取引の確認処理が終了する。
【0042】
以上説明したように、実施形態の決済端末1、電子マネー決済方法およびプログラムによれば、電子マネー取引が未了取引になったときに、決済端末1のオペレーター等が簡単な操作をするだけで、未了取引の決済が成立しているか不成立であったかを調査することが可能になる。決済端末1の製造元等への調査依頼や回答までのリードタイムがなくなり、速やかに取引結果を確定することができる。
【0043】
上述した実施形態において、商取引管理サーバは必ずしも設置しなくてもよい。また、商取引管理サーバに複数の電子マネー決済端末1が接続可能であってもよい。
【0044】
電子マネー媒体は、カード型では非接触ICカードに限らない。アプリケーション型ではスマートフォンに限らない。電子マネーを記憶した記憶部を有する媒体であれば、電子マネー媒体の形式は任意である。
【0045】
ステップS7等において、各種情報を表示部12に表示する場合に限らず、他の方向により報知してもよい。例えば、専用のLEDを点灯させたり、ブザーを鳴動させたりしてもよい。また、これらの報知手段を併用してもよい。
【0046】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1 決済端末(電子マネー決済端末)
2 電子マネーリーダライター
12 表示部
13 操作部
15 カード読取部
54 記憶部
57 印字部
100 制御部(決済部、コンピュータ)
101 入力制御部
102 記憶制御部
103 商取引情報検索部
104 未了取引判定部
105 表示制御部
541 制御プログラム