(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】画像形成システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20230224BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20230224BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230224BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
H04N1/00 567H
G03G21/00 386
B41J29/38
B41J29/42 F
(21)【出願番号】P 2019137116
(22)【出願日】2019-07-25
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 佳代子
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-134215(JP,A)
【文献】特開2016-012778(JP,A)
【文献】特開2007-049344(JP,A)
【文献】特開2016-048894(JP,A)
【文献】特開2014-200924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/00
B41J 29/38
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置、人体検知装置および少なくとも1つの画像表示装置からなる画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
ユーザーによって原稿台に載置された原稿を読み取って画像データを生成する原稿読取部と、
前記原稿読取部が生成した画像データに基づき画像を形成して出力する画像形成部と、
前記原稿台に載置された原稿の有無を検知する原稿検知部とを備え、
前記人体検知装置は、前記画像形成装置に対するユーザーの位置を検知し、
前記画像表示装置は、前記画像形成装置が画像を出力した後、前記原稿台から原稿が取り除かれていないことを前記原稿検知部が検知し、かつ、前記画像形成装置の作業領域からユーザーが離れたことを前記人体検知装置が検知した場合、前記原稿の取り忘れを通知する警告またはメッセージを表示
し、
前記画像表示装置が前記警告またはメッセージを表示した後、前記ユーザーが前記画像形成装置に戻ったことを前記人体検知装置が検知し、さらに前記原稿台から原稿が取り除かれたことを前記原稿検知部が検知した場合、前記画像表示装置は、前記警告またはメッセージの表示を終了することを特徴とする画像形成システム。
【請求項2】
前記画像表示装置は、操作部をさらに備え、
前記画像表示装置が前記警告またはメッセージを表示した後、前記操作部が前記警告またはメッセージの表示を終了すべき旨の操作を受け付けた場合、前記画像表示装置は、前記警告またはメッセージの表示を終了する請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記画像表示装置が複数の画像表示装置からなり、
前記複数の画像表示装置は
、予め定められた複数の位置にそれぞれ設置され、
前記画像形成装置が画像を出力した後、前記原稿台から原稿が取り除かれていないことを前記原稿検知部が検知した場合、前記人体検知装置によって検知された前記ユーザーの位置にもっとも近い画像表示装置が前記警告またはメッセージを表示する請求項1
または2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記人体検知装置がさらに前記ユーザーの位置の変化を検知した場合、前記ユーザーの現在の位置に対応する前記画像表示装置が前記警告またはメッセージを表示する請求項
3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記人体検知装置は、複数のカメラまたは人感センサの組み合わせからなる請求項1~
4のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成システムに関し、より詳細には、画像形成装置、人体検知装置および画像表示装置からなり、原稿の取り忘れを防止する画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等に設置されたデジタル複合機において、ユーザーがデジタル複合機を利用した後で、原稿を取り忘れてしまう問題がしばしば報告されている。
このような原稿の取り忘れを防止する方法としては、一般に、原稿の取り忘れを通知するメッセージをデジタル複合機の操作パネルに表示したり、音声で通知したり、ランプで警告したりすることでユーザーの注意を促す技術が知られている。
【0003】
従来、このような原稿の取り忘れを防止する発明として、ユーザーインターフェース部307から効果音を鳴らし、途中の印刷物か、最後の印刷物かをユーザーに通知することにより、ユーザーの印刷物の取り忘れを防止する印刷装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、原稿搬送部(ADFを含むOCカバー)が開かれた状態にあり、原稿搬送部のトレイに原稿が残されていることを検知した場合には、その旨をユーザーに警告として通知する画像読取装置の発明も開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
また、ユーザーの所有する携帯端末装置51に電子メールを送信して用紙の取り忘れの旨を報知する画像形成システムの発明も開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
【0006】
また、原稿の取り忘れを検出したとき、人感センサの反応に応じて、操作パネル103、音声出力部104、ネットワークインターフェース部109のうち最適な警告方法を選択して、利用者へ取り忘れ原稿の回収を促すための警告を行う複合機の発明も開示されている(例えば、特許文献4を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-56638号公報
【文献】特開2016-163195号公報
【文献】特開2017-13463号公報
【文献】特開2011-160218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、原稿の取り忘れを効果音などの音声で報知する技術について、騒音の激しい環境下においては、音声で報知しても原稿の取り忘れをユーザーに気づかれないことがある。
また、原稿の取り忘れを操作パネルに表示する技術について、コピーを終えた後で操作画面を見ないユーザーもいるため、そのようなユーザーに対しては原稿の取り忘れを気づかれないことがある。
また、原稿の取り忘れを電子メールで報知する技術について、コピーを終えた後で電子メールをチェックしないユーザーや、携帯端末を持たないユーザーもいるため、そのようなユーザーに対しては原稿の取り忘れを気づかれないことがある。
【0009】
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)この発明は、画像形成装置、人体検知装置および少なくとも1つの画像表示装置からなる画像形成システムであって、前記画像形成装置は、ユーザーによって原稿台に載置された原稿を読み取って画像データを生成する原稿読取部と、前記原稿読取部が生成した画像データに基づき画像を形成して出力する画像形成部と、前記原稿台に載置された原稿の有無を検知する原稿検知部とを備え、前記人体検知装置は、前記画像形成装置に対するユーザーの位置を検知し、前記画像表示装置は、前記画像形成装置が画像を出力した後、前記原稿台から原稿が取り除かれていないことを前記原稿検知部が検知し、かつ、前記画像形成装置の作業領域からユーザーが離れたことを前記人体検知装置が検知した場合、前記原稿の取り忘れを通知する警告またはメッセージを表示することを特徴とする画像形成システムを提供するものである。
【0011】
この発明において、「画像形成装置」は、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー機能)機能を有する複写機や複写以外の機能をも含むMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
また、「人体検知装置」は、赤外線等により予め定められた範囲内にある人体の位置および/または移動方向を検知する人感センサや、カメラで撮像した画像を解析することで人体の位置および/または移動方向を検知する撮像装置などである。
また、「画像表示装置」は、例えば、コンビニのレジカウンターに設置されたディスプレイや、店舗内に設置されたATM端末のディスプレイ、店舗の入り口付近に設置された広告用のディスプレイなどがあげられる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、画像形成装置が画像を出力したにもかかわらず、当該画像形成装置からユーザーが離れた場合、ユーザーの想定移動先に設置された画像表示装置に原稿の取り忘れの警告等を表示するため、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システムを実現できる。
【0013】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0014】
(2)この発明による画像形成システムにおいて、前記画像表示装置が前記警告またはメッセージを表示した後、前記原稿台から原稿が取り除かれたことを前記原稿検知部が検知した場合、前記画像表示装置は、前記警告またはメッセージの表示を終了するものであってもよい。
【0015】
このようにすれば、ユーザーの想定移動先に設置された画像表示装置に原稿の取り忘れの警告等を表示した後、ユーザーが原稿の取り忘れに気づいて原稿を取り出した場合、当該警告等の表示を終了する画像形成システムを実現できる。
【0016】
(3)この発明による画像形成システムにおいて、前記画像表示装置は、操作部をさらに備え、前記画像表示装置が前記警告またはメッセージを表示した後、前記操作部が前記警告またはメッセージの表示を終了すべき旨の操作を受け付けた場合、前記画像表示装置は、前記警告またはメッセージの表示を終了するものであってもよい。
【0017】
このようにすれば、ユーザーの想定移動先に設置された画像表示装置に原稿の取り忘れの警告等を表示した後、原稿の取り忘れに気づいてユーザーに知らせた店員等による警告等の表示の終了操作を受け付ける画像形成システムを実現できる。
【0018】
(4)この発明による画像形成システムにおいて、前記画像表示装置が複数の画像表示装置からなり、前記複数の画像表示装置は、前記作業領域外の予め定められた複数の位置にそれぞれ設置され、前記画像形成装置が画像を出力した後、前記原稿台から原稿が取り除かれていないことを前記原稿検知部が検知した場合、前記人体検知装置によって検知された前記ユーザーの位置にもっとも近い画像表示装置が前記警告またはメッセージを表示するものであってもよい。
【0019】
このようにすれば、ユーザーの想定移動先に設置された複数の画像表示装置のうち、人体検知装置が検知した前記ユーザーの移動先にもっとも近い画像表示装置に原稿の取り忘れの警告等を表示するため、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システムを実現できる。
【0020】
(5)この発明による画像形成システムにおいて、前記人体検知装置がさらに前記ユーザーの位置の変化を検知した場合、前記ユーザーの現在の位置に対応する前記画像表示装置が前記警告またはメッセージを表示するものであってもよい。
【0021】
このようにすれば、原稿の取り忘れの警告等を表示した画像表示装置からユーザーが離れた場合、移動した前記ユーザーの移動先にもっとも近い別の画像表示装置に原稿の取り忘れの警告等を表示するため、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システムを実現できる。
【0022】
(6)この発明による画像形成システムにおいて、前記人体検知装置は、複数のカメラまたは人感センサの組み合わせからなるものであってもよい。
【0023】
このようにすれば、複数のカメラまたは人感センサの組み合わせによって検知したユーザーの想定移動先に設置された画像表示装置に原稿の取り忘れの警告等を表示するため、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】この発明の実施形態1に係る画像形成システムの外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のサーバーの概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】
図1のデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【
図6】
図1のデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【
図7】
図1のデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【
図8】
図1のデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【
図9】この発明の実施形態2に係るデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【
図10】この発明の実施形態3に係る画像表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図11】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【
図12】この発明の実施形態4に係る画像形成システムの外観を示す斜視図である。
【
図13】
図12のデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【
図14】
図12のデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【
図15】
図12のデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【
図16】この発明の実施形態5に係るデジタル複合機システムの原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0026】
〔実施形態1〕
<画像形成システム100の概略構成>
図1~
図6に基づき、この発明の実施形態1に係る画像形成システム100について説明する。
図1は、この発明の実施形態1に係る画像形成システム100の外観を示す斜視図である。また、
図2は、
図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。また、
図3は、
図1のサーバー3の概略構成を示すブロック図である。また、
図4は、
図1の画像表示装置5A,5B,5Cの概略構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、この発明の実施形態1に係る画像形成システム100は、デジタル複合機1、デジタル複合機1に装着された装着カメラ2、サーバー3、ネットワーク4および画像表示装置5A~5C(以下、画像表示装置5)からなる。
【0028】
なお、画像形成システム100は、サーバー3を備えず、デジタル複合機1が備える制御部10等にサーバー3の処理を実行させてもよい。
【0029】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有するMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの装置である。
【0030】
デジタル複合機1は、操作部182(
図2参照)を介して受付けたユーザーからの指示に基づき、スキャナ、印刷、コピーまたは画像送信等のジョブを実行する。
【0031】
装着カメラ2は、
図1に示すように、デジタル複合機1に装着され、周囲の画像を取得する部分である。
装着カメラ2は、予め定められた撮影範囲内に入ってきた人体を撮影し、ネットワーク4を介して取得した画像をサーバー3に送信する。
サーバー3は、装着カメラ2から送信された画像を解析して人体の位置および移動方向を検知する。
【0032】
また、装着カメラ2は、取得した画像を解析する画像解析部を備えるものであってもよい。
【0033】
サーバー3は、ネットワーク4を介してデジタル複合機1に接続された管理サーバー等の装置である。
サーバー3は、画像表示装置5に出力するためのメッセージを記憶する。
また、サーバー3は、クラウド上で構成されるクラウドサーバーであってもよい。
【0034】
また、サーバー3は、装着カメラ2等の撮像装置により取得した画像を解析することで人体を検知する。
この場合、サーバー3は、所定時間間隔で予め定められた範囲を撮像し、撮像した複数のフレーム間で画像の変化の有無を検出して、画像に変化があった場合、人体を発見したものとして、人体の検知を行う。
なお、サーバー3は、デジタル複合機1に内蔵するようにしてもよい。
また、装着カメラ2によって取得された複数のフレーム間の画像を分析して、画像内の人体の移動方向を特定するようにしてもよい。
【0035】
ネットワーク4は、LAN、インターネットなどの広域ネットワーク(WAN)、専用の通信回線などの有線または無線のネットワークである。
【0036】
画像表示装置5は、例えば、コンビニのレジカウンターに設置されたディスプレイや、店舗内に設置されたATM端末のディスプレイ、店舗の入り口付近に設置された広告用のディスプレイなどの表示装置である。
サーバー3に記憶されたメッセージが、有線または無線のネットワーク4を経由して画像表示装置5に出力される。
【0037】
なお、
図1には、1台の装着カメラ2および3台の画像表示装置5A~5Cが示されているが、任意の台数の装着カメラ2および画像表示装置5が含まれていてもよい。
【0038】
<デジタル複合機1の概略構成>
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、原稿読取部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、給紙部16、人感センサ17、タッチパネル18および原稿検知センサ19を備える。
【0039】
この発明の「画像形成装置」は、デジタル複合機1によって実現される。また、この発明の「人体検知装置」は、人感センサ17、装着カメラ2(および連携カメラ6)の協働によって実現される。また、この発明の「原稿検知部」は、原稿検知センサ19によって実現される。
【0040】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0041】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、人感センサ17などの各センサの検知、モーター、クラッチ、タッチパネル18等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0042】
原稿読取部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
【0043】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを用紙上に印刷出力する部分であり、LSU121を備える。
LSU121は、原稿読取部11によって取得されたデジタル信号からなる画像情報に対応するレーザー光を帯電状態にある感光体ドラムの表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0044】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0045】
画像処理部14は、原稿読取部11によって読み取られた原稿画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成し、原稿読取部11から入力された画像データを操作部182からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0046】
通信部15は、ネットワーク4を介して、サーバー3等の外部の機器と通信を行い、後述する原稿取り忘れ防止処理に必要なデータを送受信する部分である。
【0047】
給紙部16は、給紙カセットや手差トレイに格納された用紙を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0048】
人感センサ17は、予め定められた範囲内にある人体を検知するセンサである。
人感センサ17として、例えば、送信部から定められた範囲に対して送信した超音波が対象物にあたって反射し、反射した超音波を受信部が受信した時間差によって対象物との距離を判定する超音波センサや、人体の動作により生じた赤外線の変化量を検出する焦電素子を備えた焦電型赤外線センサなどが用いられる。
人感センサ17は、対象物が予め定められた範囲(例えば、0m~5m)内に存在する場合に出力する。
また、人感センサ17の検知結果は、ネットワーク4を介してサーバー3に送信される。
【0049】
タッチパネル18は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部181および操作部182を備える。
【0050】
表示部181は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部181は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
制御部10は、表示部181を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0051】
操作部182は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0052】
原稿検知センサ19は、原稿台に設置された原稿の有無を検知するセンサである。
【0053】
<サーバー3の概略構成>
図3に示すように、サーバー3は、制御部30、記憶部31、画像処理部32、通信部33、操作部34および表示部35を備える。
【0054】
なお、
図3の制御部30、記憶部31、画像処理部32、通信部33、操作部34および表示部35はそれぞれ、
図1の制御部10、記憶部13、画像処理部14、通信部15、操作部182および表示部181と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0055】
<画像表示装置5の概略構成>
図4に示すように、画像表示装置5は、制御部50、記憶部51、画像処理部52、通信部53および表示部54を備える。
【0056】
なお、
図4の制御部50、記憶部51、画像処理部52、通信部53および表示部54はそれぞれ、
図1の制御部10、記憶部13、画像処理部14、通信部15および表示部181と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0057】
<この発明の実施形態1に係る画像形成システム100の原稿取り忘れ防止処理の一例>
続いて、
図5~
図8に基づき、この発明の実施形態1に係る画像形成システム100の原稿取り忘れ防止処理の一例について説明する。
図5~
図8は、
図1の画像形成システム100の原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【0058】
図5は、デジタル複合機1が原稿を読み取って画像を出力するコピーやスキャナ等の画像形成ジョブの実行後に、デジタル複合機1の原稿検知センサ19が原稿台に設置された原稿を検知したときの画像形成システム100の処理を表す。
【0059】
図5のステップS1において、サーバー3の制御部30は、デジタル複合機1から予め定められた作業領域(例えば、デジタル複合機1の50cm以内の領域など)に人を検知したことを示すカウンタDnと、当該作業領域から人が遠ざかるのを検知したことを示すカウンタDfとをゼロにリセットする(ステップS1)。
【0060】
次に、ステップS2において、デジタル複合機1の制御部10は、人感センサ17がデジタル複合機1の作業領域内に人を検知したか否かを判定する(ステップS2)。
【0061】
人感センサ17がデジタル複合機1の作業領域内に人を検知した場合(ステップS2の判定がYesの場合)、ステップS3において、サーバー3の制御部30は、カウンタDnに1を加算する(ステップS3)。
その後、制御部30は、ステップS4の判定を行う(ステップS4)。
【0062】
一方、人感センサ17がデジタル複合機1の作業領域内に人を検知していない場合(ステップS2の判定がNoの場合)、制御部30は、ステップS4の判定を行う(ステップS4)。
【0063】
次に、ステップS4において、サーバー3の制御部30は、装着カメラ2がデジタル複合機1の作業領域内に人を検知したか否かを判定する(ステップS4)。
【0064】
なお、人感センサ17が検知する作業領域と装着カメラ2が検知する作業領域は、同一である必要はなく、異なるものであってもよい。
【0065】
装着カメラ2がデジタル複合機1の作業領域内に人を検知した場合(ステップS4の判定がYesの場合)、ステップS5において、制御部30は、カウンタDnに1を加算する(ステップS5)。
その後、デジタル複合機1の制御部10は、
図6のステップS6の判定を行う(ステップS6)。
【0066】
一方、装着カメラ2がデジタル複合機1の作業領域内に人を検知していない場合(ステップS4の判定がNoの場合)、制御部30は、
図6のステップS6の判定を行う(ステップS6)。
【0067】
次に、
図6のステップS6において、デジタル複合機1の制御部10は、人感センサ17がデジタル複合機1の作業領域内から人が遠ざかるのを検知したか否かを判定する(ステップS6)。
【0068】
人感センサ17がデジタル複合機1の作業領域内から人が遠ざかるのを検知した場合(ステップS6の判定がYesの場合)、ステップS7において、サーバー3の制御部30は、カウンタDfに1を加算する(ステップS7)。
その後、制御部30は、ステップS8の判定を行う(ステップS8)。
【0069】
一方、人感センサ17から人が遠ざかるのを検知していない場合(ステップS6の判定がNoの場合)、制御部30は、ステップS8の判定を行う(ステップS8)。
【0070】
次に、ステップS8において、サーバー3の制御部30は、装着カメラ2がデジタル複合機1の作業領域内から人が遠ざかるのを検知したか否かを判定する(ステップS8)。
【0071】
装着カメラ2がデジタル複合機1の作業領域内から人が遠ざかるのを検知した場合(ステップS8の判定がYesの場合)、ステップS9において、制御部30は、カウンタDfに1を加算する(ステップS9)。
その後、デジタル複合機1の制御部10は、
図7のステップS10の判定を行う(ステップS10)。
【0072】
一方、装着カメラ2がデジタル複合機1の作業領域内から人が遠ざかるのを検知していない場合(ステップS8の判定がNoの場合)、サーバー3の制御部30は、
図7のステップS10の判定を行う(ステップS10)。
【0073】
次に、
図7のステップS10において、サーバー3の制御部30は、カウンタDnが2以上であるか否かを判定する(ステップS10)。
カウンタDnが2未満の場合(ステップS10の判定がNoの場合)、制御部30は、ステップS11において、デジタル複合機1の作業領域に人がいない場合の通知を実行する(ステップS11)。
その後、制御部30は、
図8のステップS15の判定を行う(ステップS15)。
【0074】
デジタル複合機1の作業領域に人がいない場合の通知としては、ユーザーが作業領域から離れているものとして、連携する画像表示装置5を通じて当該ユーザーがデジタル複合機1に戻るべき旨の通知や原稿を置き忘れている可能性がある旨の通知を行う。
【0075】
作業領域に人がいない場合の通知の具体例としては、例えば、表示部181への通知のほか、音声による通知、通知音による通知があげられる。
また、画像形成システム100や画像表示装置5の管理者や店員等に通知するようにしてもよい。
また、原稿を置き忘れたデジタル複合機1を使用していたユーザーを特定でき、かつ、当該ユーザーへの送信用のメールアドレスが分かる場合は、メール等で原稿を置き忘れている可能性があることをユーザーに通知するようにしてもよい。
【0076】
一方、カウンタDnが2以上の場合(ステップS10の判定がYesの場合)、制御部30は、ステップS12において、カウンタDfが2以上であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0077】
カウンタDfが2以上の場合(ステップS12の判定がYesの場合)、制御部30は、ステップS13において、デジタル複合機1の作業領域内から人が遠ざかる場合の通知を実行する(ステップS13)。
その後、制御部30は、
図8のステップS15の判定を行う(ステップS15)。
【0078】
デジタル複合機1の作業領域内から人が遠ざかる場合の通知としては、ユーザーが作業領域内にいるが、当該作業領域内から遠ざかりつつあるものとして、連携する画像表示装置5を通じて当該ユーザーがデジタル複合機1から遠ざからないように促す旨の通知や原稿を置き忘れている可能性がある旨の通知を行う。
さらに、デジタル複合機1本体から音声による通知、通知音による通知、表示部への通知を行うようにしてもよい。
【0079】
カウンタDfが2未満の場合(ステップS12の判定がNoの場合)、制御部30は、ステップS14において、デジタル複合機1の作業領域に人がいる場合の通知を実行する(ステップS14)。
その後、制御部30は、
図8のステップS18の判定を行う(ステップS18)。
【0080】
デジタル複合機1の作業領域に人がいる場合の通知としては、ユーザーが作業領域でデジタル複合機1を操作中であるものとして、デジタル複合機1の表示部181を通じて原稿の取り忘れをしないように促す旨の通知を行う。
【0081】
次に、
図8のステップS15において、サーバー3の制御部30は、ユーザーがデジタル複合機1から遠ざかっているものとして、サーバー3の制御部30は、デジタル複合機1と連携した画像表示装置5があるか否かを判定する(ステップS15)。
【0082】
デジタル複合機1と連携した画像表示装置5がある場合(ステップS15の判定がYesの場合)、ステップS16において、サーバー3の制御部30は、検知された人(以下、対象者)の想定される移動先に予め設置された画像表示装置5の表示部54に予め定められた通知を表示させる(ステップS16)。
【0083】
なお、レジカウンターに設置された画像表示装置5への通知は、対象者の想定される移動先に関係なく表示するようにしてもよい。
【0084】
ここで、対象者の移動先の判定方法について、制御部30は、デジタル複合機1の2つの人感センサ17の検知結果および装着カメラ2の検知画像の解析結果に基づき判定する。
【0085】
その後、ステップS17において、通知終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS17)。
【0086】
ここで、通知終了条件としては、通知開始後予め定められた時間(5分など)を経過した場合、サーバー3の管理者、画像形成システム100や画像表示装置5の管理者が通知終了処理を行った場合、排紙トレイや原稿台から原稿が取り除かれた場合などがあげられる。
【0087】
一方、ステップS15において、デジタル複合機1と連携した画像表示装置5がない場合(ステップS15の判定がNoの場合)、ステップS17において、サーバー3の制御部30は、通知終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS17)。
【0088】
通知終了条件が満たされた場合(ステップS17の判定がYesの場合)、ステップS18において、サーバー3の制御部30は、当該画像表示装置5の表示部54への通知、音声および通知音等を終了する(ステップS18)。
【0089】
ただし、通知開始後予め定められた時間(5分など)を経過して通知を終了する場合は、レジカウンターに設置された画像表示装置5による店員への通知は、排紙トレイや原稿台から原稿が取り除かれるか、サーバー3の管理者、画像形成システム100や画像表示装置5の管理者、店員が通知終了処理を行うまでは、通知を続けるようにしてもよい。
【0090】
その後、制御部30は、原稿取り忘れ防止処理を終了する。
【0091】
一方、通知終了条件が満たされていない場合(ステップS17の判定がNoの場合)、サーバー3の制御部30は、処理を
図5のステップS1に戻す(ステップS1)。
【0092】
このようにすることで、デジタル複合機1と連携した画像表示装置5のうち、ユーザーの想定移動先の画像表示装置5の表示部54に原稿の取り忘れがないか注意を促す通知を表示するため、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システム100が実現できる。
【0093】
(実施形態2)
次に、
図9に基づき、この発明の実施形態2に係る画像形成システム100について説明する。
図9は、この発明の実施形態2に係る画像形成システム100の原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【0094】
なお、ステップS21より前の処理は、
図5~
図7の処理と同一であるため、説明を省略する。
また、
図9のステップS21~S23およびS25の処理はそれぞれ、
図8のステップS15~S18の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図8に記載のないステップS24の処理について説明する。
【0095】
図9のステップS23において、通知終了条件が満たされなかった場合(ステップS23の判定がNoの場合)、サーバー3の制御部30は、ステップS24において、対象者がデジタル複合機1に戻ったことを検知したか否かを判定する(ステップS24)。
【0096】
ここで、対象者がデジタル複合機1に戻ったか否かは、デジタル複合機1の人感センサ17の検知結果および装着カメラ2の検知画像の解析結果に基づいて判定する。
【0097】
対象者がデジタル複合機1に戻ったことが検知された場合(ステップS24の判定がYesの場合)、制御部30は、対象者であるユーザーが原稿の取り忘れに気づいてデジタル複合機1に戻ったものと判断して、ステップS25において、当該画像表示装置5の表示部54への通知、音声および通知音等を終了する(ステップS25)。
【0098】
なお、ステップS24において、対象者がデジタル複合機1に戻ったことが検知され、さらに原稿が取り除かれたことが検知された場合のみ、対象者がデジタル複合機1に戻ったことが検知されたと判定するようにしてもよい。
【0099】
一方、対象者がデジタル複合機1に戻ったことが検知されていない場合(ステップS24の判定がNoの場合)、制御部30は、処理を
図5のステップS1に戻す(ステップS1)。
【0100】
このようにすることで、デジタル複合機1と連携した画像表示装置5の表示部54に表示された通知を見たユーザーがデジタル複合機1に戻った場合、当該画像表示装置5の通知を終了するため、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システム100が実現できる。
【0101】
(実施形態3)
次に、
図10および
図11に基づき、この発明の実施形態3に係る画像形成システム100について説明する。
図10は、この発明の実施形態3に係る画像表示装置5の概略構成を示すブロック図である。また、
図11は、この発明の実施形態3に係る画像形成システム100の原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【0102】
なお、
図10において、制御部50,記憶部51,画像処理部52,通信部53および表示部54は、
図4の対応する構成要素と同じ構成を有するため、説明を省略する。
【0103】
図10の画像表示装置5が
図4の画像表示装置5と異なるのは、表示部54がタッチパネル540を備える点である。
【0104】
店員は、タッチパネル540を通じて、表示部54に表示された通知終了ボタンをタッチすることによって、画像表示装置5の通知を終了することができる。
【0105】
なお、ステップS31より前の処理は、
図5~
図7の処理と同一であるため、説明を省略する。
また、
図11のステップS31~S33およびS35の処理はそれぞれ、
図8のステップS15~S18の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図8に記載のないステップS34の処理について説明する。
【0106】
図11のステップS33において、通知終了条件が満たされなかった場合(ステップS33の判定がNoの場合)、サーバー3の制御部30は、ステップS34において、店員が画像表示装置5のタッチパネル540を通じて通知終了処理を行ったか否かを判定する(ステップS34)。
【0107】
店員が通知終了処理を行った場合(ステップS34の判定がYesの場合)、制御部30は、対象者であるユーザーが原稿の取り忘れに気づいたか、あるいは当該ユーザーが店内から出て行ってしまったために、店員が通知終了ボタンをタッチしたものと判断して、ステップS35において、当該画像表示装置5の表示部54への通知、音声および通知音等を終了する(ステップS35)。
【0108】
一方、店員が通知終了処理を行っていない場合(ステップS34の判定がNoの場合)、制御部30は、処理を
図5のステップS1に戻す(ステップS1)。
【0109】
このようにすることで、ユーザーが原稿の取り忘れに気づいた等により、店員が画像表示装置5のタッチパネル540を通じて通知終了操作を行った場合、当該画像表示装置5の通知を終了するため、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システム100が実現できる。
【0110】
なお、店員が画像表示装置5のタッチパネル540を通じて通知終了操作を行うとしたが、店員に変わって画像形成システム100や画像表示装置5の管理者が通知終了操作を行うようにしてもよい。
【0111】
(実施形態4)
次に、
図12~
図15に基づき、この発明の実施形態4に係る画像形成システム100について説明する。
図12は、この発明の実施形態4に係る画像形成システム100の外観を示す斜視図である。また、
図13~
図15は、
図12の画像形成システム100の原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【0112】
図12に示すように、この発明の実施形態1に係る画像形成システム100は、デジタル複合機1、デジタル複合機1に装着された装着カメラ2、サーバー3、ネットワーク4、画像表示装置5A~5C(以下、画像表示装置5)およびデジタル複合機1と連携した連携カメラ6A,6B(以下、連携カメラ6)からなる。
【0113】
連携カメラ6は、
図1に示すように、ネットワーク4を通じてデジタル複合機1と連携し、デジタル複合機1から離れた場所の画像を取得する部分である。
連携カメラ6は、予め定められた撮影範囲内に入ってきた人体を撮影する。
また、連携カメラ6はネットワーク4を介してサーバー3に接続され、連携カメラ6の検知結果は、サーバー3に送信される。
【0114】
なお、
図12には、2台の連携カメラ6および3台の画像表示装置5が示されているが、任意の台数の連携カメラ6および画像表示装置5が含まれていてもよい
【0115】
図13のステップS41~S45の処理はそれぞれ、
図5のステップS1~S5の処理に対応するため、説明を省略する。
また、
図14のステップS48~S51の処理はそれぞれ、
図6のステップS6~S9の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図5に記載のないステップS46およびS47の処理および
図6に記載のないステップS52およびS53の処理について説明する。
【0116】
なお、
図14のステップS53より後の処理は、
図7の処理と同一であるため、説明を省略する。
【0117】
また、
図15のステップS54,S55,S57およびS58の処理はそれぞれ、
図8のステップS15~S18の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図8に記載のないステップS56の処理について説明する。
【0118】
ステップS45の処理を行った後(ステップS45)、サーバー3の制御部30は、ステップS46において、連携カメラ6がデジタル複合機1の作業領域内に人を検知したか否かを判定する(ステップS46)。
【0119】
連携カメラ6がデジタル複合機1の作業領域内に人を検知した場合(ステップS46の判定がYesの場合)、ステップS47において、制御部30は、カウンタDnに1を加算する(ステップS47)。
その後、デジタル複合機1の制御部10は、
図14のステップS48の判定を行う(ステップS48)。
【0120】
一方、連携カメラ6がデジタル複合機1の作業領域内に人を検知していない場合(ステップS46の判定がNoの場合)、制御部30は、
図14のステップS48の判定を行う(ステップS48)。
【0121】
ステップS51の処理を行った後(ステップS51)、サーバー3の制御部30は、ステップS52において、連携カメラ6がデジタル複合機1の作業領域内から人が離れるのを検知したか否かを判定する(ステップS52)。
【0122】
連携カメラ6がデジタル複合機1の作業領域内から人が離れるのを検知した場合(ステップS52の判定がYesの場合)、ステップS53において、制御部30は、カウンタDfに1を加算する(ステップS53)。
その後、デジタル複合機1の制御部10は、
図7のステップS10の判定を行う(ステップS10)。
【0123】
一方、連携カメラ6がデジタル複合機1の作業領域内から人が離れるのを検知していない場合(ステップS52の判定がNoの場合)、制御部30は、
図7のステップS10の判定を行う(ステップS10)。
【0124】
次に、
図15のステップS55において、対象者の想定移動先の画像表示装置5に所定の通知を表示した後(ステップS55)、サーバー3の制御部30は、ステップS56において、対象者が当該画像表示装置5から離れたか否かを判定する(ステップS56)。
【0125】
ここで、対象者が画像表示装置5から離れたか否かは、当該画像表示装置5に対応する連携カメラ6の検知画像の解析結果に基づいて判定する。
【0126】
対象者が当該画像表示装置5から離れたと制御部30が判定した場合(ステップS56の判定がYesの場合)、制御部30は、対象者であるユーザーが原稿の取り忘れに気づいたか、あるいは当該ユーザーが店内から出て行ってしまったものと判断して、ステップS58において、当該画像表示装置5の通知、音声および通知音等を終了する(ステップS58)。
【0127】
一方、対象者が当該画像表示装置5から離れたと制御部30が判定していない場合(ステップS56の判定がNoの場合)、制御部30は、ステップS57において、所定の通知終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS57)。
【0128】
通知終了条件が満たされていない場合(ステップS57の判定がNoの場合)、制御部30は、処理を
図13のステップS41に戻す(ステップS41)。
【0129】
一方、通知終了条件が満たされた場合(ステップS57の判定がYesの場合)、制御部30は、ステップS58において、当該画像表示装置5の通知を終了する(ステップS58)。
【0130】
このようにすることで、ユーザーが原稿の取り忘れに気づいた等により、画像表示装置5から離れたことを確認した場合、当該画像表示装置5の通知を終了するため、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システム100が実現できる。
【0131】
(実施形態5)
次に、
図16に基づき、この発明の実施形態5に係る画像形成システム100について説明する。
図16は、この発明の実施形態5に係る画像形成システム100の原稿取り忘れ防止処理の概要を示すフローチャートである。
【0132】
なお、
図16よりも前の処理は、実施形態1および4と同一であるため、説明を省略する。
また、
図16のステップS61~S65の処理はそれぞれ、
図15のステップS54~S58の処理に対応するため、説明を省略する。
ここでは、
図15に記載のないステップS66の処理について説明する。
【0133】
図16のステップS63において、対象者が当該画像表示装置5から離れたと制御部30が判定した場合(ステップS63の判定がYesの場合)、制御部30は、ステップS66において、対象者にさらに近い画像表示装置5があるか否かを判定する(ステップS66)。
【0134】
ここで、対象者にさらに近い画像表示装置5があるか否かは、他の画像表示装置5に対応する連携カメラ6の検知画像の解析結果に基づいて判定する。
【0135】
対象者にさらに近い画像表示装置5がある場合(ステップS66の判定がYesの場合)、制御部30は、ステップS61において、当該画像表示装置5のうち、デジタル複合機1と連携した画像表示装置5があるか否かを判定する(ステップS61)。
【0136】
一方、対象者にさらに近い画像表示装置5がない場合(ステップS66の判定がNoの場合)、制御部30は、対象者であるユーザーが原稿の取り忘れに気づいたか、あるいは当該ユーザーが店内から出て行ってしまったものと判断して、ステップS65において、当該画像表示装置5の通知、音声および通知音等を終了する(ステップS65)。
【0137】
このようにすることで、ユーザーが画像表示装置5から離れたことを確認した場合、当該ユーザーの想定移動先により近い画像表示装置5であって、デジタル複合機1と連携したものがある場合、当該画像表示装置5の表示部54に原稿の取り忘れの通知を表示するため、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システム100が実現できる。
【0138】
(実施形態6)
この発明の実施形態6に係る画像形成システム100として、対象者が当該画像表示装置5から離れたと制御部30が判定した場合、当該対象者の移動方向に応じて異なる処理を行うようにしてもよい。
【0139】
例えば、対象者がデジタル複合機1に戻る方向に移動する場合は、画像表示装置5の通知を終了する。
【0140】
一方、対象者がデジタル複合機1から遠ざかる方向に移動する場合は、画像表示装置5の通知に係る文字を大きくしたり、点滅させたり、色を変えたりする。
【0141】
また、画像表示装置5がスピーカーを有する場合は、ユーザーが画像表示装置5から遠ざかるにつれて、当該通知に係る音量を大きくしてもよい。
【0142】
このようにすることで、ユーザーが画像表示装置5から離れることを確認した場合、当該ユーザーの移動方向に応じて異なる処理を行うことで、従来よりも効果的に原稿の取り忘れを防止する画像形成システム100が実現できる。
【0143】
この発明の好ましい態様は、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含む。
前述した実施形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0144】
1:デジタル複合機、 2:装着カメラ、 3:サーバー、 4:ネットワーク、 5,5A,5B,5C:画像表示装置、 6,6A,6B:連携カメラ、 10:制御部、 11:原稿読取部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:給紙部、 17:人感センサ、 18,540:タッチパネル、 19:原稿検知センサ、 30:制御部、 31:記憶部、 32:画像処理部、 33:通信部、 34:操作部、 35:表示部、 50:制御部、 51:記憶部、 52:画像処理部、 53:通信部、 54:表示部、 100:画像形成システム、 121:LSU、 181:表示部、 182:操作部、 Df,Dn:カウンタ