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特許7232741情報処理システム、サーバ、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】情報処理システム、サーバ、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20230224BHJP
【FI】
G06Q50/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019171121
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021047761
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000165
【氏名又は名称】グローバル・アイピー東京特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】千葉 卓也
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-150542(JP,A)
【文献】特開2013-004003(JP,A)
【文献】特開2003-016072(JP,A)
【文献】特開2010-287026(JP,A)
【文献】特開2003-132094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して通信可能な情報処理装置、第1サーバ、および、第2サーバを含む情報処理システムであって、
前記第1サーバは、
複数の部品からなる製品のオンラインマニュアルを構成するための複数のコンテンツを有するオンラインマニュアル用データを記憶する第1記憶部と、
前記複数のコンテンツのうち少なくともいずれかのコンテンツに対して、前記複数の部品のいずれかの部品と関連付ける第1関連付け部と、を備え、
前記第2サーバは、
前記製品の各部品に関する部品データを有する製品データを記憶する第2記憶部と、
前記製品データのうち変更対象の部品データに対応する部品が関連付けられているコンテンツを前記複数のコンテンツの中から特定する特定部と、
前記特定部によって特定されたコンテンツを前記情報処理装置又は前記第1サーバのいずれかに通知する通知部と、を備えた、
情報処理システム。
【請求項2】
前記複数の部品は、2以上の部品が組み合わされたユニット部品を含み、
前記複数のコンテンツのうち少なくともいずれかのコンテンツは、前記複数の部品のいずれかの部品、又は、前記複数の部品に含まれるいずれかのユニット部品と関連付けられている、
請求項1に記載された情報処理システム。
【請求項3】
ネットワークを介して通信可能な情報処理装置、第1サーバ、および、第2サーバを含む情報処理システムであって、
前記第1サーバは、
複数の部品からなる製品のオンラインマニュアルを構成するための複数のコンテンツを有するオンラインマニュアル用データを記憶する第1記憶部、を備え、
前記第2サーバは、
前記製品の各部品に関する部品データを有する製品データを記憶する第2記憶部と、
前記製品データの少なくともいずれかの部品データに対して、前記複数のコンテンツのうちいずれかのコンテンツを関連付ける第2関連付け部と、
前記製品データのうち変更対象の部品データが関連付けられているコンテンツを前記複数のコンテンツの中から特定する特定部と、
前記特定部によって特定されたコンテンツを前記情報処理装置又は前記第1サーバのいずれかに通知する通知部と、を備えた、
情報処理システム。
【請求項4】
前記第2サーバは、前記製品データの各部品データに対して、前記製品のオンラインマニュアルに対する影響度合を示す値を設定する設定部を備え、
前記変更対象の部品データに設定されている値が、影響が小さいことを示す値である場合、前記第2サーバの通知部は、前記変更対象の部品データと関連付けられているコンテンツを前記情報処理装置に通知しない、
請求項1から3のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項5】
前記第2サーバは、前記変更対象の部品データに対して、部品データの変更が完了していないことを示す第1の状態、又は、部品データの変更が完了したことを示す第2の状態のいずれかを設定する状態設定部を備え、
前記第2サーバの通知部は、前記変更対象の部品データが第1の状態に設定された時点で、前記変更対象の部品データと関連付けられているコンテンツを前記情報処理装置に通知する、
請求項1から4のいずれか一項に記載された情報処理システム。
【請求項6】
外部の情報処理装置と通信可能であり、複数の部品からなる製品のオンラインマニュアルを構成するための複数のコンテンツを有するオンラインマニュアル用データにアクセス可能なサーバであって、
前記オンラインマニュアル用データでは、前記複数のコンテンツのうち少なくともいずれかのコンテンツが前記複数の部品のいずれかの部品と関連付けられており、
前記サーバは、
前記製品の各部品に関する部品データを有する製品データを記憶する記憶部と、
前記製品データのうち変更対象の部品データに対応する部品が関連付けられているコンテンツを前記複数のコンテンツの中から特定する特定部と、
前記特定部によって特定されたコンテンツを前記情報処理装置に通知する通知部と、
を備えたサーバ。
【請求項7】
外部の情報処理装置と通信可能であり、複数の部品からなる製品のオンラインマニュアルを構成するための複数のコンテンツを有するオンラインマニュアル用データにアクセス可能なサーバであって、
前記サーバは、
前記製品の各部品に関する部品データを有する製品データを記憶する記憶部と、
前記製品データの少なくともいずれかの部品データに対して、前記複数のコンテンツのうちいずれかのコンテンツを関連付ける関連付け部と、
前記製品データのうち変更対象の部品データが関連付けられているコンテンツを前記複数のコンテンツの中から特定する特定部と、
前記特定部によって特定されたコンテンツを前記情報処理装置に通知する通知部と、
を備えたサーバ。
【請求項8】
ネットワークを介して通信可能な情報処理装置、第1サーバ、および、第2サーバによる情報処理方法であって、
前記第1サーバが、複数の部品からなる製品のオンラインマニュアルを構成するための複数のコンテンツを有するオンラインマニュアル用データにおいて、前記複数のコンテンツのうち少なくともいずれかのコンテンツに対して、前記複数の部品のいずれかの部品と関連付け、
前記第2サーバが、前記製品の各部品に関する部品データを有する製品データにおいて、変更対象の部品データに対応する部品が関連付けられているコンテンツを前記複数のコンテンツの中から特定し、
前記第2サーバが、特定したコンテンツを前記情報処理装置又は前記第1サーバのいずれかに通知する、
情報処理方法。
【請求項9】
ネットワークを介して通信可能な情報処理装置、第1サーバ、および、第2サーバによる情報処理方法であって、
前記第1サーバは、複数の部品からなる製品のオンラインマニュアルを構成するための複数のコンテンツを有するオンラインマニュアル用データを記憶しており、
前記情報処理方法は、
前記第2サーバが、前記製品の各部品に関する部品データを有する製品データの少なくともいずれかの部品データに対して、前記複数のコンテンツのうちいずれかのコンテンツを関連付け、
前記第2サーバが、前記製品データのうち変更対象の部品データが関連付けられているコンテンツを前記複数のコンテンツの中から特定し、
前記第2サーバが、特定したコンテンツを前記情報処理装置又は前記第1サーバのいずれかに通知する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、サーバ、および、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、製品のマニュアルをオンラインで提供するサービス(以下、「オンラインマニュアルサービス」という。)を行うことが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、インターネットを介して、ユーザ端末であるパソコンや家電製品からのアクセスに応じて、電子マニュアルの検索・閲覧サービスを提供すると共に、そのアクセス履歴を蓄積するように構成した電子マニュアル配信サーバが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-126696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、製品の設計変更がなされた場合には、それに応じて当該製品のマニュアルの記載を変更する必要が生ずることがある。しかし、実際には、マニュアルの記載を変更すべきであるのに、マニュアルの記載の変更が適時になされないことがある。これは、製品開発部門の人とマニュアル作成部門の人の間の意思疎通が十分に行われないこと、あるいは、製品開発部門に所属する人がマニュアルに詳しくないこと等が理由として挙げられる。
【0005】
そこで、本発明は、製品の設計変更が行われる場合に、その製品のマニュアルにおいて変更する可能性がある箇所を適時に認識できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様は、ネットワークを介して通信可能な情報処理装置、第1サーバ、および、第2サーバを含む情報処理システムであって、前記第1サーバは、複数の部品からなる製品のオンラインマニュアルを構成するための複数のコンテンツを有するオンラインマニュアル用データを記憶する第1記憶部と、前記複数のコンテンツのうち少なくともいずれかのコンテンツに対して、前記複数の部品のいずれかの部品と関連付ける第2関連付け部と、を備え、前記第2サーバは、前記製品の各部品に関する部品データを有する製品データを記憶する第2記憶部と、前記製品データのうち変更対象の部品データに対応する部品が関連付けられているコンテンツを前記複数のコンテンツの中から特定する特定部と、前記特定部によって特定されたコンテンツを前記情報処理装置又は前記第1サーバのいずれかに通知する通知部と、を備えた情報処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のある態様によれば、製品の設計変更が行われる場合に、その製品のマニュアルにおいて変更する可能性がある箇所を適時に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の部門間連携システムの概略構成を示す図である。
図2】オンラインマニュアルの表示例を示す図である。
図3】オンラインマニュアルの階層構造を例示する図である。
図4図2に示すオンラインマニュアルのテンプレートを示す図である。
図5図4に示すテンプレートにコンテンツを挿入したページを例示する図である。
図6】オンラインマニュアルを作成するためのデータベース群を説明する図である。
図7】第1の実施形態の開発用端末の製品開発管理画面を例示する図である。
図8】第1の実施形態の開発用端末の製品開発管理画面を例示する図である。
図9】第1の実施形態の開発用端末の製品開発管理画面を例示する図である。
図10】第1の実施形態の開発用端末の製品開発管理画面を例示する図である。
図11】第1の実施形態の部門間連携システムを構成する各装置のブロック図である。
図12】第1の実施形態の部門間連携システムの動作を示すシーケンスチャートである。
図13】第2の実施形態において開発用端末の製品開発管理画面を例示する図である。
図14】第2の実施形態において部門間連携システムの動作を示すシーケンスチャートの一例である。
図15】実施形態の第1の変形例において開発用端末の製品開発管理画面を例示する図である。
図16】実施形態の第1の変形例において部門間連携システムの動作を示すシーケンスチャートの一例である。
図17】実施形態の第2の変形例において部門間連携システムの動作を示すシーケンスチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明において「コンテンツ」とは、オンラインマニュアルに含まれる、あるいはオンラインマニュアルにおいて参照される情報であり、例えば画像(静止画および動画を含む)、テキスト(文字列)、又は、記号、マーク等である。
【0010】
(1)第1の実施形態
(1-1)部門間連携システム1の全体構成
以下、本発明の情報処理システムの一実施形態である部門間連携システム1について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の部門間連携システム1の概略構成を示す図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の部門間連携システム1では、例えば製品を開発する会社に適用される。かかる会社には、製品の開発を行う製品開発部門と、当該製品のオンラインマニュアルを作成するマニュアル作成部門とが含まれる。
マニュアル作成部門には、オンラインマニュアルの作成を業務とする従業員が使用する複数のマニュアル用端末2-1,2-2,…が配置される。製品開発部門には、製品開発を業務とする従業員が使用する複数の開発用端末3-1,3-2,…が配置される。
なお、以下の説明では、マニュアル用端末2-1,2-2,…に対して共通する事項に言及するときには、単に「マニュアル用端末2」という。同様に、開発用端末3-1,3-2,…に対して共通する事項に言及するときには、単に「開発用端末3」という。
マニュアル用端末2および開発用端末3は、例えばラップトップ型コンピュータ装置、タブレット型コンピュータ装置、あるいはスマートフォン等であり、ネットワークNWに接続可能な端末であれば如何なる端末でもよい。
【0012】
マニュアル用サーバ5(情報処理装置および第2サーバの一例)は、オンラインマニュアルを作成するときにマニュアル用端末2からネットワークNWを介してアクセスされ、オンラインマニュアルを作成するための様々なデータ(後述する)が記録されている。マニュアル用サーバ5は、マニュアル用端末2からの要求に応じてオンラインマニュアルを提供するための公開データを作成する。公開データとは、製品マニュアルに対応する最新の電子文書である。
マニュアル用端末2とマニュアル用サーバ5の間の通信は、例えばHTTP(Hypertext Transfer Protocol)、又はよりセキュアなHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)に従って行われる。
【0013】
公開サーバ6は、マニュアル用サーバ5によって作成された公開データを一般に公開し、オンラインマニュアルを閲覧するサービスを提供するためのサーバである。このサービスでは、製品ユーザに限られず、誰でも場所、時間を問わず製品のマニュアルを閲覧することができるという利点がある。
【0014】
開発用サーバ7(第1サーバの一例)は、製品開発を行うときに開発用端末3からネットワークNWを介してアクセスされ、製品ごとの製品情報を一括管理する。例えば、製品の一部品に設計変更が行われた場合には、開発用端末3からのアクセスに応じてその設計変更の情報が開発用サーバ7に記録される。
ネットワークNWは、会社内のイントラネットあるいはLAN(Local Area Network)等であり、マニュアル用端末2、開発用端末3、マニュアル用サーバ5、公開サーバ6、および、開発用サーバ7を通信可能に接続する。
【0015】
(1-2)オンラインマニュアルの構成
次に、オンラインマニュアルの構成について、図2図6を参照して説明する。
図2は、オンラインマニュアルの表示例を示す図である。図3は、オンラインマニュアルの階層構造を例示する図である。図4は、図2に示すオンラインマニュアルのテンプレートを示す図である。図5は、図4に示すテンプレートにコンテンツを挿入したページを例示する図である。図6は、オンラインマニュアルを作成するためのデータベース群を説明する図である。
【0016】
図2に例示する画面G1では、オンラインマニュアルの目次についてのページ(公開サーバ6によって提供されるウェブページ)が示され、タイトル表示部101と、メニュー表示部102と、本文表示部103とを含む。
本文表示部103には、複数の項目(例えば、「はじめて使うとき」、「用紙のセット」)の各々に対して、さらに詳細な内容についての項目(例えば、「設置」等)が含まれている。オンラインマニュアルは、閲覧者が選択した項目を階層的に辿ることで、目的の内容を閲覧することができるように構成されている。例えば画面G1では、(+)形状のマークが付された項目を選択操作することにより、選択された項目よりも下位の階層の内容を閲覧することができる。
【0017】
図3は、オンラインマニュアルの階層構造の一例を示している。図3では、「はじめて使うとき」という項目の階層構造の一部を例示している。階層構造の最下位の項目にはページPが割り当てられており、最下位の項目を選択すると対応するページPが表示される。例えば、「ACアダプタと電源コードを接続する」という項目に対応するページP(図示せず)では、当該項目についての具体的な手順を示す画像およびテキストが含まれる。
【0018】
次に、オンラインマニュアルの作成方法について説明する。本実施形態のマニュアル用サーバ5では、コンテンツ管理システム(以下、「CMS」)を利用してオンラインマニュアルを管理、構築する。CMSでは、オンラインマニュアルを構成する画像やテキスト等のコンテンツを統合・体系的に管理し、配信など必要な処理が行われる。
例えば、図4に示すように、オンラインマニュアルの各ページの雛形となるテンプレートTの本文表示部には、複数の領域A1~A6の位置および範囲が予め規定されている。この複数の領域A1~A6の各々に対して、コンテンツ(例えば画像又はテキスト)をはめ込むことによりページが作成される。
図5では、領域A1~A6に画像又はテキストをはめ込むことにより、「クレードルキットにACアダプタを収納する」という項目に対応するページPが作成された例を示している。
【0019】
CMSを実現するためにマニュアル用サーバ5では、ページデータベース、コンテンツデータベース、および、テンプレートデータベースが記録、更新される。
【0020】
図6に示すように、ページデータベース(ページDB)には、オンラインマニュアルによって提供される複数のページP1,P2,P3,P4,…の各々に対する情報(「ページ情報」という。)が含まれる。ページ情報は、例えば、ページID、階層情報、適用されるテンプレートID、ページタイトル、および、配置するコンテンツIDとその位置情報を含む。
ページIDとは、各ページを識別するための情報である。階層情報は、オンラインマニュアルの階層構造において、対応するページの位置情報を示す。適用されるテンプレートIDは、テンプレートデータベースに含まれるテンプレートのうち、対応するページに適用されるテンプレートの識別情報である。ページタイトルは、ページのタイトルであり、例えば図5では「クレードルキットにACアダプタを収納する」というテキストである。
配置するコンテンツIDは、適用されるテンプレートIDによって特定されるテンプレートに設定されている複数の領域にはめ込まれるコンテンツを識別する情報である。コンテンツIDの位置情報とは、複数の領域のいずれの領域にはめ込むかについての情報である。
【0021】
コンテンツデータベース(コンテンツDB;オンラインマニュアル用データの一例)には、オンラインマニュアルに適用される複数のコンテンツが含まれる。図6に示すように、本実施形態の例では、コンテンツデータベースは、複数の画像ファイル群g1と、複数のテキストファイル群g2とを含む。
以下の説明では、コンテンツデータベースに含まれる画像又はテキストを総称して「コンテンツ」といい、画像ファイル又はテキストファイルを総称して「コンテンツファイル」という場合がある。
各画像ファイルには、画像自体のほか、コンテンツIDと、関連部品IDとが含まれる。各テキストファイルには、テキスト自体のほか、コンテンツIDと、関連部品IDとが含まれる。
ここで、関連部品IDは、製品に含まれる複数の部品のうち、対応するコンテンツに対して関連性が高いと考えられる部品を識別する情報である。つまり、部品の設計変更がなされたときに、オンラインマニュアル上のコンテンツを変更する可能性がある場合には、当該コンテンツに関連付けて、当該部品の部品IDが「関連部品ID」として予め記録されている。
後述するが、製品に含まれる部品の中には、2以上の部品が組み合わされたASSY部品(ユニット部品の一例)が含まれる。コンテンツに関連付けられる部品IDは、ASSY部品の一部となる部品の部品IDであってもよいし、ASSY部品の部品IDであってもよい。
【0022】
テンプレートデータベース(テンプレートDB)には、オンラインマニュアルに適用される複数のテンプレートT1,T2,T3,T4,…が含まれる。各テンプレートはテンプレートIDが割り当てられ、上述したように、ページデータベースのページ情報において参照される。
【0023】
マニュアル用端末2は、マニュアル用サーバ5にアクセスして、各データベースの更新(例えば、ページの追加・削除、各ページ内のコンテンツの変更等)を行う。マニュアル用サーバ5は、各データベースの情報を基に、公開データを作成するように構成される。
【0024】
(1-3)製品データベースの構成
次に、製品データベースの構成について、図7図10を参照して説明する。図7図10の各図は、本実施形態の開発用端末3の製品開発管理画面を例示する図である。
開発用サーバ7には、各製品の詳細な情報を含む製品データベースが記録されている。開発用端末3は、開発用サーバ7の製品データベースにアクセスして、製品データベースに含まれる情報を所定の形式で表示させるとともに、製品開発作業に伴う製品情報の変更(例えば、製品に含まれる部品の変更、追加、削除、あるいは、ソフトウェアの変更等)に応じて製品データベースを更新する。
【0025】
図7図10の製品開発管理画面は、製品データベースに含まれる情報を開発用端末3が取得して、所定の形式で表示される画面である。
図7の画面G2は、階層表示部201と一覧表示部202を含む。階層表示部201は、複数の製品の各々に対して、階層的に情報が表示されることを示している。つまり、階層表示部201には、製品(Product)、開発関連文書(Document)、機械アイテム(Mechanical Item)、電気アイテム(Electronic Item)、ソフトウェア(Software)の各項目が含まれ、各項目の詳細な情報を辿ることができるように構成されている。階層表示部201では、製品(Product)が選択されているため、一覧表示部202には、製品データベースに登録されている複数の製品の一覧が表示される。
各製品のデータは、製品の名前、バージョン、ステータス等の情報を含む。
【0026】
図8の画面G3は、画面G2において特定の製品が選択された場合に表示される画面の一例である。ここでは、「ABC-003」という名称の製品が選択された場合に、当該製品の情報が表示されている。画面G3は、複数のタブ203のうち構造タグを選択された場合に表示される部品階層表示部204を含む。
【0027】
部品階層表示部204は、選択された製品を構成する部品を階層的に表示する部分であり、製品データの一例である。つまり、製品に含まれる部品の中には、2以上の部品が組み合わされたASSY部品が存在し、さらに、複数のASSY部品が含み合わされた、より大きなASSY部品が存在する。部品階層表示部204には、製品内の複数の部品の階層関係が記述されている。例えば、図8の例では、「TOP COVER ASSY」というASSY部品が、「PART_C1」、「PART_C2」、および、「PART_C3」の3個の部品から構成されていることがわかる。
部品階層表示部204では、各部品に対するバージョンおよびステータスの情報が含まれる。
【0028】
画面G3の部品階層表示部204において、「PART_C1」という部品が選択操作された場合に表示される画面例を図9の画面G4に示し、「TOP COVER ASSY」というASSY部品が選択操作された場合に表示される画面例を図10の画面G5に示す。図9および図10に示すように、各図には、部品又はASSY部品の詳細な情報(「部品データ」という。)を含む部品プロパティ表示部205と、部品又はASSY部品の画像を含む部品画像表示部206とが表示される。つまり、製品データベースは、複数の製品の各製品に対応する製品データを有し、各製品データには、製品を構成する複数の部品(ASSY部品を含む。)の部品データが含まれる。
【0029】
(1-4)部門間連携システム1の各要素の内部構成
次に、部門間連携システム1の各要素の内部構成について、図11を参照して説明する。
【0030】
図11に示すように、マニュアル用端末2は、制御部21、ストレージ22、操作入力部23、表示部24、および、通信部25を有する。
制御部21は、マイクロコントローラを主体として構成され、マニュアル用端末2の全体の処理を制御する。ストレージ22は、ウェブブラウザを含むソフトウェアを格納する。ストレージ22に格納されているソフトウェアは、制御部21のマイクロコントローラによって実行される。
操作入力部23は、キーボード、ポンティングデバイス、および、タッチ入力機能を有するタッチパネルの少なくともいずれかの入力デバイスと、当該入力デバイスによって受け付けられた入力を制御部21に送信する入力インタフェース回路とを含む。
表示部24は、表示パネルと、表示パネルを駆動する駆動回路とを含み、ウェブブラウザによるウェブページの表示等、制御部21によるソフトウェアの実行によって得られた画像を表示する。
通信部25は、マニュアル用サーバ5との間で例えばHTTPに従った通信を行い、HTML文書を取得する。HTML文書は、例えばオンラインマニュアルのうち任意のページを含む。
【0031】
制御部21がソフトウェアを実行することで実現される機能には、少なくとも以下の内容を含む。
(1-i) マニュアル用サーバ5にアクセスして、コンテンツデータベースに新規のコンテンツを記録し、又は、コンテンツデータベースに記録されているコンテンツを変更、若しくは削除すること
(1-ii) コンテンツデータベースの各コンテンツファイルに対して関連部品IDを登録(記録)することを要求すること
(1-iii) マニュアル用サーバ5によって作成されたオンラインマニュアルの公開データを公開サーバ6にアップロードすることを要求すること
なお、(1-ii)において、マニュアル用端末2は、すべてのコンテンツファイルに関連部品IDを登録する必要はない。
【0032】
図11に示すように、マニュアル用サーバ5は、制御部51、ストレージ52(第1記憶部の一例)、および、通信部53を有する。
【0033】
ストレージ52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)装置等の大容量記憶装置であり、ページデータベース、コンテンツデータベース、テンプレートデータベース、および、公開データベースを格納する。ページデータベース、コンテンツデータベース、および、テンプレートデータベースは、図6を参照して説明したとおりである。公開データベースには、公開サーバ6を通して閲覧可能となった過去の公開データが蓄積されたデータベースである。
なお、図11の記載は、各データベースがすべてマニュアル用サーバ5内に格納されていることを限定するものではなく、複数の装置に分散して格納されてもよい。制御部51から各データベースにデータをアクセス可能に構成されていればよく、各データベースの配置は柔軟に設計可能である。例えば、各データベースは、マニュアル用サーバ5からアクセス可能なデータベースサーバに格納されていてもよい。
【0034】
制御部51は、マイクロコントローラを主体として構成され、マニュアル用サーバ5の全体の処理を制御する。例えば、制御部51は、HTTPサーバプログラムおよびCMS用のプログラム(CMSプログラム)をロードして実行する。
HTTPサーバプログラムは、マニュアル用端末2からの閲覧要求に応じて、当該閲覧要求に係るマニュアルデータ内のページを含むHTML文書を作成するようにプログラムされている。
CMSプログラムは、ストレージ52のページデータベース、コンテンツデータベース、および、テンプレートデータベースを参照して、オンラインマニュアルの公開データを作成するようにプログラムされている。
【0035】
CMSプログラムを実行することで制御部51は、コンテンツデータベースの複数のコンテンツのうち少なくともいずれかのコンテンツに対して、対象となる製品に含まれる複数の部品のいずれかの部品を関連部品IDとして関連付ける第1関連付け部として機能する。
CMSプログラムはまた、開発用サーバ7からの問合せを受けて、コンテンツデータベースに含まれる複数のコンテンツファイルの中から、問合せに合致するコンテンツIDを検索するようにプログラムされている。例えば、開発用サーバ7からの問合せには部品IDが含まれており、この部品IDと合致する関連部品IDを含むコンテンツファイルのコンテンツIDが検索される。
【0036】
通信部53は、マニュアル用端末2との間でHTTPに従った通信を行い、制御部51によって作成されたHTML文書をマニュアル用端末2へ送信する。また、通信部53は、マニュアル用サーバ5が公開サーバ6および開発用サーバ7と通信を行うときの通信インタフェースとして機能する。
【0037】
図11に示すように、開発用端末3は、制御部31、ストレージ32、操作入力部33、表示部34、および、通信部35を有する。
開発用端末3のハードウエア構成はマニュアル用端末2と同じでよいため、以下では、マニュアル用端末2と異なる点について説明する。
制御部31は、ストレージ32に記録されているプログラムをロードして実行する。制御部31が当該プログラムを実行することで実現される機能には、少なくとも以下の内容を含む。
(2-i) 開発用サーバ7の製品データベースにアクセスして必要な情報を取得し、図7図10に例示した製品開発管理画面を表示すること
(2-ii) 製品開発管理画面上でのユーザの操作に応じて、製品データベース(例えば、製品又は各部品のステータス(「リリース済み」、又は、「作業中」)(図7図8参照)や、部品プロパティ表示部205(図9図10参照)に対応する部品の詳細なデータ等)の更新を要求すること
【0038】
図11に示すように、開発用サーバ7は、制御部71、ストレージ72(記憶部および第2記憶部の一例)、および、通信部73を有する。
ストレージ72は、例えばHDD装置等の大容量記憶装置であり、製品データベースを格納する。
【0039】
制御部71は、マイクロコントローラを主体として構成され、開発用サーバ7の全体の処理を制御する。例えば、制御部71は、開発管理用プログラムをロードして実行する。
制御部71が開発管理用プログラムを実行することで実現される機能には、少なくとも以下の内容を含む。
(3-i) 開発用端末3からの要求に応じて、製品データベースの一部のデータを含む応答を開発用端末3に返すこと
(3-ii) 開発用端末3からの要求に応じて、製品データベースを更新すること
(3-iii) 製品の部品の変更が行われるときに、当該部品の部品IDが関連部品IDとして登録されているコンテンツがあるか否かについて、マニュアル用サーバ5に問合せを行い、その結果を得ること(つまり、変更対象の部品に関連付けられているコンテンツを、マニュアル用サーバ5のコンテンツデータベースに含まれる複数のコンテンツの中から特定する特定部として機能させること)
(3-iv) (3-iii)でコンテンツが特定された場合に、そのコンテンツのコンテンツIDをマニュアル用端末2に送信すること(つまり、コンテンツを通知する通知部として機能させること)
【0040】
通信部73は、開発用サーバ7が開発用端末3、マニュアル用サーバ5、および、マニュアル用端末2と通信を行うときの通信インタフェースとして機能する。
【0041】
(1-5)部門間連携システム1の動作
次に、本実施形態の部門間連携システム1の動作について図12を参照して説明する。図12は、実施形態の部門間連携システム1の動作を示すシーケンスチャートである。
【0042】
本実施形態の部門間連携システム1では、マニュアル用サーバ5のコンテンツデータベースに含まれるコンテンツファイルに関連部品IDが登録される。具体的には、マニュアル作成部門の担当者が、コンテンツごとに関連部品IDを入力する(ステップS2)。なお、製品に含まれる複数の部品の名称の中から関連部品名称を選択入力してもよい。
ステップS2の入力結果を受けて、マニュアル用端末2は、コンテンツIDに対応付けて関連部品IDをコンテンツファイルに登録するように、マニュアル用サーバ5に要求する(ステップS4)。マニュアル用サーバ5は、当該要求を受けて、コンテンツIDに関連付けて関連部品IDが登録されるように、コンテンツデータベースを更新する(ステップS6)。
ステップS2~S6を繰り返し行うことにより、関連部品IDが順次、コンテンツデータベースのコンテンツファイルに登録される。
【0043】
次いで、製品開発部門において、製品を構成する部品に変更が行われた場合を想定する。
部品の変更が完了した後に、製品開発部門のユーザの操作入力に応じて開発用端末3は、部品の変更完了通知を送信する(ステップS10)。開発用サーバ7は、変更完了通知の受信に伴い、製品データベースを更新する(ステップS12)。例えば図8において、ステータスが「作業中」となっている部品に対して変更完了通知を受信した場合には、開発用サーバ7は、ステータスを「作業中」から「リリース済」に更新する。
【0044】
次いで開発用サーバ7は、変更完了通知の対象となる部品が関連付けられているコンテンツを特定するために、マニュアル用サーバ5に対して問合せを行う(ステップS14)。この問合せには、変更完了通知の対象となる部品の部品IDが含まれる。
問合せを受けたマニュアル用サーバ5は、問合せに含まれる部品IDと一致する関連部品IDが登録されているコンテンツファイルのコンテンツIDを、コンテンツデータベースの中から検索する処理を行い(ステップS16)、その検索結果を開発用サーバ7に返す(ステップS18)。
【0045】
開発用サーバ7は、ステップS18で受信した検索結果に基づいて、ステップS14の問合せに含まれる部品IDが関連部品IDとして関連付けられたコンテンツIDがないと判断した場合(ステップS20:NO)、何もしない。
他方、関連部品IDとして関連付けられたコンテンツIDがあると判断した場合(ステップS20:YES)、変更完了通知の対象となる部品が関連付けられているコンテンツが特定されたことを意味する。その場合、開発用サーバ7は、特定されたコンテンツのコンテンツIDをマニュアル用端末2に通知する(ステップS22)。
マニュアル用端末2は、開発用サーバ7からコンテンツIDを受信した場合、そのコンテンツIDに対応するコンテンツを変更する可能性があることを示すメッセージを表示する(ステップS24)。このメッセージにより、マニュアル作成部門の担当者は、オンラインマニュアルにおいて、メッセージに含まれるコンテンツの変更の可能性があることを適時に認識することができる。
【0046】
例えば、図5に示した例において、クレードルキットというASSY部品に対応する部品IDが関連部品IDとして、領域A2~A6に割り当てられたコンテンツID(例えば、コンテンツID:C2~C6とする。)に関連付けてコンテンツデータベースに登録されている場合を想定する。その場合、製品開発部門においてクレードルキットの設計変更が完了すると、変更完了通知が開発用サーバ7に送信される。開発用サーバ7は、マニュアル用サーバ5に問い合わせることにより、クレードルキットに関連付けられたコンテンツID:C2~C6を特定し、その特定結果をマニュアル用端末2に送信する。そのため、製品開発部門においてクレードルキットの変更が完了した後、速やかに、オンラインマニュアル上のコンテンツID:C2~C6に対応するコンテンツの変更の可能性があることを認識することができる。
【0047】
(2)第2の実施形態
次に、第2の実施形態に係る部門間連携システムについて、図13および図14を参照して説明する。図13は、本実施形態の開発用端末3の製品開発管理画面を例示する図である。図14は、本実施形態の部門間連携システムの動作を示すシーケンスチャートの一例である。
第1の実施形態では、マニュアル用サーバ5のコンテンツデータベースに含まれるコンテンツファイルに関連部品IDが登録される場合について説明した。それに対して本実施形態では、製品データベースの各部品データに関連するコンテンツIDが関連コンテンツIDとして登録される点で、第1の実施形態と相違する。
【0048】
(2-1)開発用サーバ7の構成
本実施形態の部門間連携システムの構成(図1図11)は、第1の実施形態と同じでよい。以下では、第1の実施形態と異なる点である開発用サーバ7に注目して説明する。
【0049】
本実施形態において、開発用サーバ7の制御部71が開発管理用プログラムを実行することで実現される機能には、少なくとも以下の内容を含む。
(4-i) 開発用端末3からの要求に応じて、製品データベースの一部のデータを含む応答を開発用端末3に返すこと
(4-ii) 開発用端末3からの要求に応じて、製品データベースを更新すること(製品データの少なくともいずれかの部品データに対して、マニュアル用サーバ5のコンテンツデータベースに含まれる複数のコンテンツのうちいずれかのコンテンツを関連付ける関連付け部(第2関連付け部)として機能させることを含む)
(4-iii) 製品の部品の変更が行われるときに、当該部品の部品データに対して関連コンテンツIDとして登録されているコンテンツIDを、マニュアル用サーバ5のコンテンツデータベースの中から特定する特定部として機能させること
(4-iv) (4-iii)でコンテンツが特定された場合に、そのコンテンツのコンテンツIDをマニュアル用端末2に送信すること(つまり、コンテンツを通知する通知部として機能させること)
【0050】
部品データに対して、コンテンツデータベースに含まれる複数のコンテンツのうちいずれかのコンテンツのコンテンツIDを関連コンテンツIDとして関連付けた(つまり、登録された)場合、図13の画面G6に示すように、コンテンツID表示部207に関連コンテンツIDが表示される。
【0051】
(2-2)部門間連携システムの動作
次に、本実施形態の部門間連携システムの動作について図14を参照して説明する
本実施形態の部門間連携システムでは、開発用サーバ7の製品データベースに含まれる部品データに関連コンテンツIDが登録される。具体的には、製品開発部門の担当者が、部品の名前又は部品IDに対応付けて、関連コンテンツIDを入力する(ステップS30)。その入力結果を受けて、開発用端末3は、部品IDに関連付けて関連コンテンツIDを登録するように、開発用サーバ7に要求する(ステップS32)。開発用サーバ7は、当該要求を受けて、部品IDに関連付けて関連コンテンツIDが登録されるように、製品データベースを更新する(ステップS34)。
ステップS30~S34を繰り返し行うことにより、関連コンテンツIDが順次、製品開発部門の部品データに登録される。
【0052】
次いで、製品開発部門において、製品を構成する部品に変更が行われた場合を想定する。
部品の変更が完了した後に、製品開発部門のユーザの操作入力に応じて開発用端末3は、部品の変更完了通知を送信する(ステップS36)。開発用サーバ7は、変更完了通知の受信に伴い、製品データベースを更新する(ステップS38)。例えば図8において、ステータスが「作業中」となっている部品に対して変更完了通知を受信した場合には、開発用サーバ7は、ステータスを「作業中」から「リリース済」に更新する。
【0053】
次いで開発用サーバ7は、製品データベースを参照し、変更完了通知の対象となる部品の部品データに関連付けられているコンテンツがあるか否か判定する(ステップS40)。つまり、当該部品の部品データに関連コンテンツIDが登録されているか否かを判定する。
開発用サーバ7は、関連コンテンツIDが登録されていない場合(ステップS40:NO)、何もしない。
【0054】
他方、関連コンテンツIDが登録されている場合(ステップS40:YES)、変更完了通知の対象となる部品が関連付けられているコンテンツが特定されたことを意味する。その場合、開発用サーバ7は、関連コンテンツIDをマニュアル用端末2に通知する(ステップS42)。
マニュアル用端末2は、開発用サーバ7から関連コンテンツIDを受信した場合、その関連コンテンツIDに対応するコンテンツを変更する可能性があることを示すメッセージを表示する(ステップS44)。このメッセージにより、マニュアル作成部門の担当者は、オンラインマニュアルにおいて、メッセージに含まれるコンテンツの変更の可能性があることを適時に認識することができる。
【0055】
(3)第1の変形例
次に、実施形態の部門間連携システムの第1の変形例について、図15および図16を参照して説明する。この変形例は、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の双方に適用可能である。
図15は、実施形態の第1の変形例において開発用端末の製品開発管理画面を例示する図である。図16は、実施形態の第1の変形例において部門間連携システムの動作を示すシーケンスチャートの一例である。
【0056】
図15において、開発用端末3の製品開発管理画面G7に示すように、本実施形態では、製品データに含まれる部品データに対して、オンラインマニュアルに対する影響度合を示す値(以下、「影響値」といい、「大」、「中」、「小」、「なし」、「不明」のいずれかの値である。)が関連付けられ、影響度合表示部208に表示される。
本実施形態の開発用サーバ7では、制御部71が開発管理用プログラムを実行することで製品データベースを更新する場合、開発用端末3からの要求に応じて、部品データに影響値を関連付けることが含まれる。つまり、制御部71は、部品データに対して影響値を設定する設定部として機能する。
そして本実施形態の開発用サーバ7は、変更対象の部品データに設定されている影響値が、影響が小さいことを示す値である場合、変更対象の部品データと関連付けられているコンテンツをマニュアル用端末2に通知しない。そのため、オンラインマニュアルに影響がほとんどないと考えられる程度の部品の設計変更について、マニュアル用端末2に通知がなされないため、マニュアル作成部門の担当者が部品の設計変更の詳細について確認する手間が省け、負担が減るという利点がある。
【0057】
なお、「影響が小さいことを示す値」は適宜設定可能であるが、例えば、影響値が「なし」を示す値であるとしてもよい。その場合、影響値が「なし」以外の場合にマニュアル用端末2に通知する。
また、本変形例を第2の実施形態の部門間連携システムに適用する場合には、図13に示したように、図15の画面G7にコンテンツID表示部207が設けられる。
【0058】
図16は、本変形例を第1の実施形態の部門間連携システム1に適用した場合の処理を示している。以下では、図12のシーケンスチャートと比較して異なる点に注目して、図16のシーケンスチャートを説明する。
先ず、開発用端末3が製品開発部門の担当者から部品IDに対する影響値の入力を受け(ステップS7)、部品IDと影響値を対応付けて開発用サーバ7に送信する(ステップS8)。開発用サーバ7は、受信した部品IDに対応付けて受信した影響値を記録するようにして、製品データベースを更新する(ステップS9)。
その後、製品開発部門において、製品を構成する部品に変更が行われた場合を想定する。ステップS10~S20の処理は、図12のシーケンスチャートと同じである。本変形例では、ステップS20の後、開発用サーバ7は、処理対象となる部品IDの影響値が閾値以上であるか否か判定する(ステップS21)。そして、影響値が閾値未満である(例えば、影響値=「なし」である)場合には、特定されたコンテンツのコンテンツIDをマニュアル用端末2に通知しない(ステップS21:NO)。
【0059】
(4)第2の変形例
次に、実施形態の部門間連携システムの第2の変形例について、図17を参照して説明する。この変形例は、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の双方に適用可能である。
図17は、実施形態の第2の変形例において部門間連携システムの動作を示すシーケンスチャートの一例である。
【0060】
本変形例では、製品の設計変更を行う場合に極力早くマニュアル作成部門の担当者がオンラインマニュアルの改訂作業に着手できるようにした点に特徴がある。具体的には、製品の設計変更の開始時点と設計変更の完了時点とで、製品の設計変更の影響を受けるオンラインマニュアル上のコンテンツをマニュアル用端末2に通知するようにし、製品開発部門とマニュアル作成部門とで並行して作業が進められるようにする。
【0061】
本実施形態の、開発用サーバ7の制御部71が開発管理用プログラムを実行することで実現される機能には、さらに少なくとも以下の内容を含む。
(5-i) 変更対象の部品データに対して、部品データの変更が完了していないことを示す「作業中」のステータス(第1の状態の一例)、又は、部品データの変更が完了したことを示す「リリース済」のステータス(第2の状態の一例)のいずれかを設定する状態設定部として機能させること
(5-ii) 変更対象の部品データが「作業中」のステータスに設定された時点で、変更対象の部品データと関連付けられているコンテンツをマニュアル用端末2に通知する通知部として機能させること
【0062】
図17は、本変形例を第1の実施形態の部門間連携システム1に適用した場合の処理を示している。
本変形例では、製品に含まれる部品の設計変更が開始された時点で、製品開発部門の担当者による開発用端末3に対する操作によって、開発用端末3が、部品IDを特定した部品の変更開始通知を開発用サーバ7に送信する(ステップS50)。部品の変更開始通知を受信すると開発用サーバ7は、処理対象となる部品IDに対応する部品データのステータスを「作業中」に設定する(ステップS52)。この部品IDに関連するコンテンツIDを特定するステップS54~S60は、図12のステップS14~S20と同じである。本変形例では、開発用サーバ7は、特定されたコンテンツIDと、変更対象の部品IDのステータス(つまり、「作業中」)をマニュアル用端末2に通知する(ステップS62)。その結果、マニュアル用端末2は、特定の部品の設計変更が開始されたことを示すメッセージ、および、特定されたコンテンツを表示する(ステップS64)。
そのため、マニュアル作成部門の担当者は、オンラインマニュアルの特定のコンテンツに関連する部品の設計変更が行われたことを認識し、例えば製品開発部門の担当者とコンタクトすることによって部品の設計変更の概要を知る契機が得られ、オンラインマニュアルの改訂に着手することができる。
【0063】
部品の設計変更が完了すると、その時点で製品開発部門の担当者による開発用端末3に対する操作によって、開発用端末3が、部品IDを特定した部品の変更完了通知を開発用サーバ7に送信する(ステップS66)。部品の変更完了通知を受信すると開発用サーバ7は、対象となる部品IDに対応する部品データのステータスを「リリース済」に設定するとともに(ステップS68)、製品データベースを更新する(ステップS70)。次いで、関連付けられたコンテンツIDがあると判定された場合(ステップS72:YES)、開発用サーバ7は、特定されたコンテンツIDと、変更対象の部品IDのステータス(つまり、「リリース済」)をマニュアル用端末2に通知する(ステップS74)。なお、同一の部品データに対するステップS60,S72の判定は同じである。
その結果、マニュアル用端末2は、特定の部品が変更を完了したことを示すメッセージ、および、特定されたコンテンツを表示する(ステップS76)。
そのため、マニュアル作成部門の担当者は、オンラインマニュアルの改訂を完成させてリリースすることができる。
【0064】
以上、本発明の情報処理システム、サーバ、情報処理方法の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。例えば、上述したいずれかの実施形態で述べた技術的事項は、適宜他の実施形態と組み合わせて適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
1…部門間連携システム
2…マニュアル用端末
21…制御部
22…ストレージ
23…操作入力部
24…表示部
25…通信部
3…開発用端末
31…制御部
32…ストレージ
33…操作入力部
34…表示部
35…通信部
5…マニュアル用サーバ
51…制御部
52…ストレージ
53…通信部
6…公開サーバ
7…開発用サーバ
71…制御部
72…ストレージ
73…通信部
101…タイトル表示部
102…メニュー表示部
103…本文表示部
201…階層表示部
202…一覧表示部
203…タブ
204…部品階層表示部
205…部品プロパティ表示部
206…部品画像表示部
207…コンテンツID表示部
208…影響度合表示部
209…ステータス表示部
P…ページ
A1~A6…領域
T…テンプレート
G1~G8…画面
NW…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17