(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】バルーンカテーテルを通して機械的波動を送達するための装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20230224BHJP
A61B 18/22 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
A61B17/22 510
A61B18/22
(21)【出願番号】P 2019523698
(86)(22)【出願日】2017-11-03
(86)【国際出願番号】 IB2017056898
(87)【国際公開番号】W WO2018083666
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-30
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517370906
【氏名又は名称】レ ソルシオン メディカール サウンドバイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブルイエット,マルタン
(72)【発明者】
【氏名】リエル,ルイ-フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ディオン,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ベジード,フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ラカス,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】アブード,マルワン
(72)【発明者】
【氏名】サントイアーニ,ドメニク
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-536986(JP,A)
【文献】特表2016-501679(JP,A)
【文献】特表平06-510470(JP,A)
【文献】特開2014-108327(JP,A)
【文献】特開平10-286311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
17/22 - 17/32
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内に存在する病変部位を治療するために、振幅が大きく持続時間の短いパルス状の機械的波動を送達するための装置であって、
長手方向軸に沿って第1の近位端部と第1の遠位端部との間に延在するカテーテル本体と、
前記カテーテル本体に固定され、膨張構成と収縮構成との間で調節可能であり、それ自体の構成を変えるために流体源に流体接続可能である膨張式バルーンと、
振幅が大きく持続時間の短いパルス状の機械的波動の発生源に動作可能に接続可能な第2の近位端部と第2の遠位端部との間に延在している少なくとも1つの機械的導波管であって、前記少なくとも1つの機械的導波管は、前記第2の近位端部から前記第2の遠位端部まで前記振幅が大きく持続時間の短いパルス状の機械的波動を伝播させるためのものであり、前記少なくとも1つの機械的導波管は、前記膨張式バルーンと前記カテーテルとのうちの一方に固定されている、少なくとも1つの機械的導波管とを備え、
前記振幅が大きく持続時間の短いパルス状の機械的波動において、振幅が大きくとは、前記第2の遠位端部の位置
で10MPa
~1000MPaとなる振幅であり、
前記振幅が大きく持続時間の短いパルス状の機械的波動において、持続時間の短いとは
、20kH
~10MHzの中心周波数をfcと定義した場合に
、1/fcとなる持続時間である、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機械的導波管は、前記膨張式バルーンの外面に固定されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部は、
直線状であり、
前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部に対して直交し、且つ、前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部を通る平面を規定したとすると、前記膨張式バルーンが膨張すると前記カテーテル本体の前記第1の遠位端
部は、前記平面上に位置している、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部は、
直線状であり、
前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部に対して直交し、且つ、前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部を通る平面を規定したとすると、前記膨張式バルーンが膨張すると前記カテーテル本体の前記第1の遠位端部
は、前記平面に対して、前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部から離れる方向に後退している、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部は、前記膨張式バルーンが膨張すると前記カテーテル本体の前記バルーンの外周面に沿った前記第1の近位端部と前記第1の遠位端部との間に位置する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの機械的導波管は、前記膨張式バルーンの前記外面に移動可能に固定されており、前記少なくとも1つの機械的導波管は、前記カテーテル本体の前記長手方向軸に対して移動可能である、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つの偏向器をさらに備え、前記少なくとも1つの偏向器の各々は、前記膨張式バルーンの前記外面に固定され、前記少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つの前記第2の遠位端部に向かい合い、前記少なくとも1つの偏向器は前記振幅が大きく持続時間の短いパルス状の機械的波動を径方向に偏向するように適合されている、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの機械的導波管の少なくとも一部が、前記膨張式バルーン内に挿入されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記膨張式バルーンは、前記カテーテル本体に向かい合う内壁と、その遠位面に少なくとも1つの開口を含む外壁とを含み、前記少なくとも1つの機械的導波管は、前記少なくとも1つの開口のうちのそれぞれ1つを通って前記内壁と前記外壁との間で少なくとも部分的に延在する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記内壁は実質的に円形の断面形状を有し、前記外壁は、各々が前記少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つを収容する少なくとも1つの凸部を画成する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記外壁は実質的に円形の断面形状を有し、前記内壁は、各々が前記少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つを収容する少なくとも1つの凹部を画成する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記カテーテル本体は、内壁と、前記内壁から間隔を置いて配置された外壁とを含み、前記少なくとも1つの機械的導波管は、前記内壁と前記外壁との間に挿入され、前記外壁は少なくとも1つの開口を含み、前記少なくとも1つの機械的導波管は、前記外壁の前記少なくとも1つの開口のうちのそれぞれ1つから前記膨張式バルーン内で部分的に延在するように、前記外壁の前記少なくとも1つの開口のうちの前記それぞれ1つに挿入されている、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの機械的導波管は、前記少なくとも1つの開口のうちの前記それぞれ1つに密封挿入されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部は、前記膨張式バルーン内に位置決めされている、請求項12または13に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの偏向器をさらに備え、前記少なくとも1つの偏向器の各々は、前記膨張式バルーンの内面に固定され、前記少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つの前記第2の遠位端部に向かい合う、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記膨張式バルーンは少なくとも1つの穴を含み、前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部は、前記少なくとも1つの穴のうちのそれぞれ1つに密封挿入されている、請求項12または13に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの機械的導波管の前記第2の遠位端部は、前記膨張式バルーンの外側に突出している、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの機械的導波管は複数の機械的導波管を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記複数の機械的導波管は、前記膨張式バルーンが前記収縮構成であるときは少なくとも2つの列に従って径方向に配置され、前記膨張式バルーンが前記膨張構成であるときは単列に従って配置されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つが挿入される少なくとも1つの管をさらに備え、前記管は機械エネルギー損失を最小限にするためのものである、請求項1~19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記膨張式バルーンの外面は、薬剤、親水性コーティング、疎水性コーティング、および減摩コーティングのうちの1つで被覆されている、請求項1~20のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置および方法の分野に関し、具体的には、超音波および衝撃波などの機械的波動を用いて細胞、組織、および臓器に治療を施す医療装置および方法に関する。本発明は特に、石灰化の存在によって硬化された病変部位の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
たとえば、腎臓結石および前立腺がんなどの様々な病状を治療するために、超音波または衝撃波を用いた非侵襲治療が一般に用いられている。機械的波動源が治療される患者の体の外部に設けられるので処置が非侵襲であるため、これらの治療は魅力的である。機械エネルギー源の設計によって、通常、このようなエネルギーは体内の治療されるべき対象に集中させられている。しかしながら、この技術には限界がある。一つには、使用される撮像方法の限界のため、対象の正確な位置を得ることが困難な場合がある。また、波そのものを集中させること、ならびに、波が伝わる様々な組織および臓器内の異質性の物理的な限界のため、正確な所望の位置にエネルギーが集中されない場合がある。さらに、対象におけるエネルギー密度が所望の治療を遂行するために十分でない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
バルーン装置のなかには埋込み式の衝撃波生成器を内蔵するものもあるが、これには高圧・高電流の電気を患者の体内にもたらす必要とがあるため、重要な安全上の課題がある。超音波エネルギー源を内蔵する他のバルーン装置もあるが、多くの適用について、とりわけ石灰化組織構造の破壊および/または浸食を必要とする適用について、利用可能な電力レベルが十分ではない場合がある。
【0004】
それゆえ、機械的波動を送達するための改良された方法および装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
要約
第1の広い局面によると、血管内に存在する病変部位を治療するために機械的波動を送達するための装置が提供される。この装置は、長手方向軸に沿って第1の近位端部と第1の遠位端部との間に延在するカテーテル本体と;カテーテル本体に固定され、膨張構成と収縮構成との間で調節可能であり、それ自体の構成を変えるために流体源に流体接続可能である膨張式バルーンと;機械的波動源に動作可能に接続可能な第2の近位端部から第2の遠位端部まで機械的波動を伝播させるために第2の近位端部と第2の遠位端部との間に延在し、膨張式バルーンとカテーテルとのうちの一方に固定されている、少なくとも1つの機械的導波管とを備える。
【0006】
一実施形態では、膨張式バルーンは、カテーテルの第1の遠位端部に隣接している。
一実施形態では、膨張式バルーンは、カテーテル装置の少なくとも一部の周囲で固定されている。
【0007】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管は、膨張式バルーンの外面に固定されている。
【0008】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は、膨張式バルーンが膨張すると、カテーテル本体の第1の遠位端部と同一平面上になる。
【0009】
他の実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は、膨張式バルーンが膨張すると、カテーテル本体の第1の遠位端部から突出する。
【0010】
別の実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は、膨張式バルーンが膨張すると、カテーテル本体の近位端部と遠位端部との間に位置する。
【0011】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管は、膨張式バルーンの外面に移動可能に固定されている。
【0012】
一実施形態では、装置はさらに少なくとも1つの偏向器を備え、少なくとも1つの偏向器の各々は、膨張式バルーンの外面に固定され、少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つの第2の遠位端部に向かい合う。
【0013】
一実施形態では、偏向器は、機械的変動を径方向に偏向するように適合されている。
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の少なくとも一部が、膨張式バルーン内に挿入されている。
【0014】
一実施形態では、膨張式バルーンは、カテーテル本体に向かい合う内壁と、その遠位面に少なくとも1つの開口を含む外壁とを含み、少なくとも1つの機械的導波管は、各々が少なくとも1つの開口のうちのそれぞれ1つを通って内壁と外壁との間で少なくとも部分的に延在する。
【0015】
一実施形態では、内壁は実質的に円形の断面形状を有し、外壁は、各々が少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つを収容する少なくとも1つの凸部を画成する。
【0016】
他の実施形態では、外壁は実質的に円形の断面形状を有し、内壁は、各々が少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つを収容する少なくとも1つの凹部を画成する。
【0017】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は、膨張式バルーンの外側に位置する。
【0018】
一実施形態では、カテーテル本体は、内壁と、内壁から間隔を置いて配置された外壁とを含み、少なくとも1つの機械的導波管は、内壁と外壁との間に挿入され、外壁は少なくとも1つの開口を含み、少なくとも1つの機械的導波管は、膨張式バルーン内で部分的に延在するように少なくとも1つの開口のうちのそれぞれ1つに挿入されている。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管は、少なくとも1つの開口のうちのそれぞれ1つに密封挿入されている。
【0020】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は、膨張式バルーン内に位置決めされている。
【0021】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は、膨張式バルーンの内面に当接する。
【0022】
一実施形態では、装置はさらに少なくとも1つの偏向器を備え、少なくとも1つの偏向器の各々は、膨張式バルーンの内面に固定され、少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つの第2の遠位端部に向かい合う。
【0023】
一実施形態では、偏向器は、機械的波動を径方向に偏向するように適合されている。
一実施形態では、膨張式バルーンは少なくとも1つの穴を含み、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は、少なくとも1つの穴のうちのそれぞれ1つに密封挿入されている。
【0024】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は、膨張式バルーンの外側に突出している。
【0025】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は直線状である。
他の実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の第2の遠位端部は外側に湾曲している。
【0026】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管は複数の機械的導波管を含む。
一実施形態では、複数の機械的導波管は、膨張式バルーンが膨張構成のときに所望のエネルギー付与パターンに従って配置されている。
【0027】
一実施形態では、複数の機械的導波管は、膨張式バルーンの周囲に均等に分散されている。
【0028】
一実施形態では、複数の機械的導波管は、膨張式バルーンが収縮構成であるときは少なくとも2つの列に従って、および、膨張式バルーンが膨張構成であるときは単列に従って配置されている。
【0029】
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管の少なくとも一部はシースで覆われている。
【0030】
一実施形態では、装置はさらに、少なくとも1つの機械的導波管のうちのそれぞれ1つが挿入される少なくとも1つの導波管を備える。
【0031】
一実施形態では、膨張式バルーンの外面は、薬剤、親水性コーティング、疎水性コーティング、および減摩コーティングのうちの1つで被覆されている。
【0032】
一実施形態では、シースは薬剤で被覆されている。
一実施形態では、少なくとも1つの機械的導波管は、振幅が大きく持続時間が短い機械的パルスを伝播するように適合されている。
【0033】
本発明の目的に関して、機械的波動は、任意の振幅、持続時間、波形、周波数、および/または他のものを有する信号であると理解すべきである。たとえば、機械的波動は、大きい/小さい振幅、短い/長い持続時間、異なる波形、および任意の周波数成分を有し得る。
【0034】
本発明の目的に関して、機械的パルスは、持続時間の短い機械的波動として理解すべきである。機械的パルスの持続時間は、約1/fcである。
【0035】
一実施形態では、機械的パルスは、約20kH~約10MHzの中心周波数fcを有する。一実施形態では、カテーテル装置の遠位端部に到達するときの機械的パルスの振幅は、約10MPa~約1000MPaである。一実施形態では、カテーテル装置の遠位端部に到達するときの機械的パルスの持続時間は、約1/fcである。
【0036】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】ある実施形態に係る、病変部位を治療するためのシステムを示すブロック図である。
【
図2】ある実施形態に係る、1つの機械的導波管および収縮状態のバルーンを備えるバルーンカテーテルの断面図である。
【
図3】バルーンが膨張したときの、
図2のバルーンカテーテルの断面図である。
【
図4A】ある実施形態に係る、バルーンの外側に固定された4つの機械的導波管を含むバルーンカテーテルの断面図である。
【
図4B】ある実施形態に係る、血管内に挿入されたときの、
図4Aのカテーテルの正面図である。
【
図5】ある実施形態に係る、機械的導波管がバルーンの円周の周りで均等に分散されたバルーンカテーテルを概略的に示す図である。
【
図6】ある実施形態に係る、メカニカル導波管がバルーンの円周の周りで1つの領域に集中しているバルーンカテーテルを概略的に示す図である。
【
図7】ある実施形態に係る、カテーテルシャフトと、カテーテルに固定された透明バルーンと、透明バルーンの外面に固定された2つの機械的導波管とを含むバルーンカテーテルの模式図である。
【
図9】カテーテルシャフトと、カテーテルに固定され、外壁および6つの凹部を画成する内壁を有するバルーンと、各々がそれぞれの凹部に挿入された6つの機械的導波管とを備えるバルーンカテーテル装置の横断面図である。
【
図10】
図9のバルーンカテーテル装置の部分縦断面図である。
【
図11】ある実施形態に係る、カテーテルシャフトと、カテーテルに固定され6つの凸部を画成する外壁および1つの内壁を有するバルーンと、各々がそれぞれの凹部に挿入された6つの機械的導波管とを備えるバルーンカテーテル装置の横断面図である。
【
図12】
図11のバルーンカテーテル装置の部分縦断面図である。
【
図13】ある実施形態に係る、カテーテルシャフトと、カテーテルに固定された透明バルーンと、透明バルーンに挿入され、バルーンの内面に固定された部分を有する2つの機械的導波管とを備えるバルーンカテーテル装置の斜視図である。
【
図14】ある実施形態に係る、カテーテルシャフトと、カテーテルに固定された透明バルーンと、透明バルーンに挿入され、バルーンの内面に当接する遠位端部を有する2つの機械的導波管とを備えるバルーンカテーテル装置の斜視図である。
【
図15】ある実施形態に係る、カテーテルシャフトと、カテーテルに固定された透明バルーンと、透明バルーンに挿入され、バルーン内に位置する自由遠位端部を有する2つの機械的導波管とを備えるバルーンカテーテル装置の斜視図である。
【
図16】ある実施形態に係る、バルーンの外面に固定され、湾曲した遠位端部を有する機械的導波管を示す図である。
【
図17】ある実施形態に係る、双方ともバルーンの外面に固定された機械的導波管および偏向器を示す図である。
【
図18】ある実施形態に係る、バルーンの内面に固定され、バルーンの外側に突出する湾曲した遠位端部を有する機械的導波管を示す図である。
【
図19】ある実施形態に係る、双方ともバルーンの内面に固定された機械的導波管および偏向器を示す図である。
【
図20】ある実施形態に係る、バルーンの内面に固定され、バルーンの内面に当接する湾曲した遠位端部を有する機械的導波管を示す図である。
【
図21】ある実施形態に係る、カテーテルシャフトと、カテーテルに固定された透明バルーンと、透明バルーンに挿入され、カテーテルシャフトの外面に固定された部分を有する2つの機械的導波管とを備えるバルーンカテーテル装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
なお、添付の図面において、同様の構成は同様の参照符号で示される。
詳細な説明
図1は、現在のカテーテルが使用される特定の文脈を説明するために、病変部位12を治療するためのシステム10の一実施形態を示す図である。システム10は、パルス発生器14と、機械的波動またはパルスを伝播するように適合された送信部材16とを備える。
【0039】
図1は、現在のカテーテルが使用される特定の文脈を説明するために、病変部位12を治療するためのシステム10の一実施形態を示す図である。システム10は、パルス発生器14と、機械的波動またはパルスを伝播するように適合された送信部材16とを備える。
【0040】
パルス発生器14は、振幅が大きく持続時間の短い機械的パルスを生成するように適合されている。パルス発生器54は、少なくとも1つの広帯域源および/または少なくとも1つの狭帯域源を含み得る。狭帯域源または広帯域源は、電気機械変換器であり得る。パルス発生器14は、生成されたパルスをその内部で結合できるように送信部材16の近位端部が設けられた焦点区間に向けて少なくとも1つの帯域源の出力を集中させるために、空間コンセントレータを含み得る。
【0041】
一実施形態では、振幅が大きく持続時間の短い機械的パルスは、持続時間が約10マイクロ秒より短く振幅が約10バール以上の機械的パルスである。
【0042】
機械的導波管などの送信部材16は、パルス発生器14に動作可能に接続された第1の端部または近位端部と、第2の端部または遠位端部との間で延在する。送信部材16は、近位端部で機械的パルスを受信しそれらの機械的パルスを遠位端部まで伝播するように適合されている。機械的パルスは遠位端部に到達すると、少なくとも部分的に送信されて、送信部材16の外部に伝播する送信パルスを生成する。パルスは遠位端部で反射されてもよく、送信部材16内でその近位端部に向かって伝播することも理解されたい。送信された機械的パルスは、病変部位12まで送信部材16の遠位端部を取り囲む媒体内で伝播する機械的パルスに対応する。送信されたパルスはさらに病変部位12内に伝播して、病変部位12内で亀裂を生じることがあり、最終的に病変部位12を裂く、または粉々にする。
【0043】
送信部材16の遠位端部が病変部位12に当接する実施形態では、機械的導波管16はさらに、病変部位12を粉々にする、および/または、病変部位12に穴をあけるために使用され得る。送信部材16の遠位端部における機械的パルスの送信によって、送信部材16の遠位端部が移動する。この移動は、送信部材16の長手方向軸に沿った移動でもよい。代替的に、この移動は、長手方向軸に垂直な移動でもよい、または、長手方向軸に沿った移動と、送信部材の長手方向軸に垂直な移動との組合せでもよい。表面上、この移動の間、送信部材16の遠位端部は最初に病変部位12に向けて移動し、その後、初期位置内に戻る。送信部材16の遠位端部に到達する機械的パルスの極性に合わせて、移動は逆でもよい(すなわち、遠位端部は、最初に病変部位12から離れその後病変部位12に向けて移動してもよい)ことを理解されたい。複数の別個の機械的パルスが連続して送信部材16の遠位端部において送信される場合、遠位端部の移動は、病変部位12を治療するために使用可能なジャックハンマー移動として理解可能である。
【0044】
図2は、持続期間の短い衝撃波源または超音波パルス源などの体外の機械エネルギー源からの機械的波動またはパルスを伝播するために、
図1の送信部材16などの送信部材として使用可能なバルーンカテーテル20の一実施形態を示す図である。
【0045】
バルーンカテーテル20は、中央に位置決めされたカテーテルシャフトまたは長尺および中空の本体22と、カテーテルシャフト22に搭載されたバルーン24と、バルーン24の外面に搭載された機械的導波管26とを含む。カテーテルシャフト22は、近位端部28と、動脈などの患者の血管に挿入されるように適合された遠位端部30との間に延在する。カテーテルシャフト22は、それ自体を通過してガイドワイヤを近位端部28から遠位端部30まで延在させるように中空である。
【0046】
バルーン24は、その遠位端部30に隣接するカテーテルシャフト22に固定されている。バルーン24は、カテーテルシャフト22を取り囲むように、カテーテルシャフト22の外面の周囲に密封固定されている。
図2では、バルーン24は収縮状態/構成で示されている。
【0047】
機械的導波管26は、患者の体外に位置する機械的波動源(図示せず)によって生成される、衝撃波または超音波などの機械的波動を伝播するように適合されている。機械的導波管26の近位端部は、機械的波動が機械的導波管26に沿ってその遠位端部まで伝播するように、機械的波動源に動作可能に接続されている。
【0048】
図3は、バルーンが膨張状態/構成にあるときのバルーンカテーテル20を示す図である。
図3に示すように、機械的導波管26は、接続点32においてバルーン24の外面に固定されている。バルーン24が膨張すると、機械的導波管26は、機械的導波管26とカテーテルシャフト22との間の距離dが増加するように、バルーン24の横方向の動きに追随する。
【0049】
当業者であれば、バルーンがいわゆるシングルルーメンまたはダブルルーメン構造を有し得るという点で既存のバルーン医療装置と同様の構造および動作を有し得ること、および、従来技術で知られているようないわゆるコンプライアント、スーパーコンプライアント、セミコンプライアント、またはノンコンプライアントタイプであり得ることを理解されたい。
【0050】
一実施形態では、バルーン24の表面の接続点32の位置は、バルーン24が膨張しているときの、機械的導波管26のカテーテルシャフト22に対する所望の方向、または、遠位端部のカテーテルシャフト22の遠位端部30に対する機械的導波管26の所望の位置および/または方向の関数として選択される。たとえば、接続点32がカテーテルの遠位端部30に隣接するバルーン24の部分に位置するように選択されている場合、機械的導波管26の遠位端部は、バルーン24が膨張するとカテーテルシャフト22が延在する長手方向軸に向けられる。他の例では、接続点32がカテーテルの遠位端部30と反対側のバルーン24の部分に位置するように選択されている場合、機械的導波管26の遠位端部は、バルーン24が膨張すると長手方向軸から離れるように向けられている。
【0051】
バルーン24を膨張させるための任意の好適な装置、機器またはシステムが使用可能であることを理解されたい。たとえば、バルーン24を膨張させるために、ポンプなどの医療装置を使用可能である。他の例では、バルーン24を膨張させるために、流体送達システムを使用可能である。流体送達システムは、バルーン24に流体接続された流体源を備える。流体源は、バルーン24を膨張させるためにバルーン24に空気または水などの流体を注入するように、および、バルーン24を収縮させるためにバルーン24から流体を吸引するように適合されている。
【0052】
一実施形態では、機械的導波管26は、バルーン24に固着されている。他の実施形態では、機械的導波管26は、バルーン24に動作可能に固定されている。たとえば、機械的導波管26は、バルーン24の表面に直交する軸に沿ったバルーン24に対して固定位置を有しつつ、カテーテルシャフト22の延在方向に沿った長手方向軸に沿って、バルーン24に対して移動可能であり得る。たとえば、少なくとも1つのリングをバルーン24の長さに沿って異なる位置でバルーン24の外面に固定可能であり、機械的導波管26はリングに挿入可能であり、バルーン24の長さに沿って摺動可能である。他の例では、シースなどの管状構造を、バルーン24の長さの少なくとも一部に沿ってバルーン24の外面に固定可能であり、機械的導波管26がシースに挿入可能であり、バルーン24に対して長手方向に移動可能になるようにシース内で摺動可能である。
【0053】
図2および
図3に示す実施形態では機械的導波管26は1つの接続点32においてバルーン24に固定されているが、他の構成が可能であることを理解されたい。たとえば、機械的導波管26は、バルーン24の長さに沿って複数の個別の接続点において、バルーン24に固定可能である。他の例では、機械的導波管26の少なくとも一部が、バルーン24の少なくとも一部に連続して固定可能である。
【0054】
一実施形態では、機械的導波管26はさらに、バルーン24によって覆われていないカテーテルシャフト22の部分に対して、しっかりとまたは移動可能に固定されている。
【0055】
図示された実施形態では機械的導波管26がカテーテルシャフト22と平行になるようにバルーン24に固定されているが、他の構成が可能であることを理解されたい。たとえば、機械的導波管26をらせん状にバルーン24の周囲に巻き付けてもよい。この場合、機械的導波管26は、バルーン26の膨張に追随するようにバルーン24に動作可能に固定されていることを理解されたい。
【0056】
一実施形態では、バルーンは、壁24などの1つの膨張可能な外壁を含む。この場合、バルーン24を膨張させるために使用される流体は、外壁の内面とカテーテルシャフト22との間に設けられる。他の実施形態では、バルーンは、バルーンの遠位端部において共に固定される外壁および内壁を含み得る。内壁は、カテーテルシャフト22が挿入されその内壁がカテーテルシャフトに固着されている開口を画成する管形状を有し得る。バルーンの近位端部において、バルーンの内壁と外壁との間で流体の注入および/または吸引を行うための管が、共におよび/または管の円周の周りで密封固定された内壁と外壁との間に挿入可能である。
【0057】
機械的導波管26の遠位端部は直線状であるが、他の構成が可能であることを理解されたい。たとえば、機械的導波管26の遠位端部は、長手方向軸に向かって内側に湾曲してもよい、または、長手方向軸から離れるように外側に湾曲してもよい。機械的導波管26の遠位端部の先端は、様々な形状を呈し得る。たとえば、先端は丸みを帯びていても、直角でも、面取りされていても、または、遠位端部の軸に対して傾斜した平面であってもよい。他の形状も可能である。
【0058】
バルーン24が膨張しているときのカテーテルの遠位端部30に対する機械的導波管26の遠位端部の位置が変更可能であることを理解されたい。図示された実施形態では、バルーン24が膨張しているときの機械的導波管26の遠位端部は、カテーテルシャフト22の遠位端部30と実質的に同一平面上にある。他の実施形態では、バルーン24が膨張しているときの機械的導波管26の遠位端部は、カテーテルシャフト22の遠位端部30から離れる順方向において、カテーテルシャフト22の遠位端部30から突出し得る。他の実施形態では、バルーン24が膨張しているときの機械的導波管26の遠位端部は、カテーテルシャフト22の近位端部28と遠位端部30との間に位置する。
【0059】
機械的導波管26はバルーン24の外面に固定されているが、当業者であれば、機械的導波管26はバルーン24に挿入可能であることを理解するであろう。この場合、機械的導波管26は、バルーン24の内面に固定可能である。
【0060】
バルーンカテーテル20は1つの機械的導波管26を備えるが、
図4Aおよび
図4Bは、2つの機械的導波管42および48を備えるバルーンカテーテル40を示す。バルーンカテーテル40はさらに、カテーテルシャフト50と、カテーテルシャフト50に固定されたバルーン52とを備える。機械的導波管42および48の数は例示にすぎないことを理解されたい。
【0061】
ガイドワイヤが、カテーテルシャフト50に挿入され、治療されるべき対象病変部位54にバルーン52を案内するために使用される。バルーンカテーテル40は、バルーン52が病変部位54に隣接するまで、患者の血管56に挿入される。機械的導波管42および48は、バルーン52を取り囲む、またはバルーン52の遠位先端に位置する治療されるべき病変部位において所望のエネルギー付与パターンを得るために、バルーン52の周囲に配置されている。例示された実施形態では、機械的導波管42および48は、バルーン52の外面に固定され、バルーン52が膨張するとその円周の周りで均等に分散される。機械的導波管42および48の遠位端部は、バルーン52の周囲に位置する病変部位を治療できるように、カテーテルシャフト50から離れて外側に湾曲している。
【0062】
バルーン52が治療されるべき病変部位54に対して適切な位置になるようにバルーンカテーテル40が血管54に挿入されると、バルーン52が膨張する。バルーン52が膨張している間、機械的導波管42および48のうちの少なくとも一方が治療されるべき血管56の内面に至るまで、または、治療されるべき病変部位54に対して所望の位置になるまで、機械的導波管42および48の径方向位置は外側に移動する。機械的導波管が適切に位置決めされると、衝撃波または超音波パルスなどの機械的波動は、病変部位54を治療するために、機械的導波管42および48のうちの少なくとも一方に沿って生成され伝播される。
【0063】
機械的導波管42および48はカテーテルシャフト50の長手方向軸に対応する長手方向軸に沿って直線状に延在するが、他の構成が可能であることを理解されたい。たとえば、機械的導波管42および48は、バルーンの円周の周りで周方向に配置可能である、または、バルーンの円周の周りでらせん状に配置可能である。同様に、機械的導波管42および48の遠位端部は外側に湾曲しているが、他の構成が可能である。たとえば、機械的導波管42および48の一部の遠位端部はバルーン52の前方に位置する病変部位を治療するために一直線である一方で、他の機械的導波管42および48の遠位端部は、バルーン52の円周の周りに位置する病変部位を治療するために外側に湾曲していてもよい。
【0064】
機械的導波管42および48の遠位端部はカテーテルシャフト50の遠位端部と実質的に同一平面上にあるが、カテーテルシャフト50の遠位端部に対する機械的導波管42および48の遠位端部は変更可能であると理解されたい。たとえば、機械的導波管42および48の遠位端部は、カテーテルシャフト50の前方に位置する病変部位を治療するためにカテーテルシャフト50の遠位端部から突出し得る一方で、他の機械的導波管42および48の遠位端部は、バルーン52の円周の周りに位置する病変部位を治療するために、カテーテルシャフト50の近位端部と遠位端部との間に位置し得る。
【0065】
一実施形態では、治療が行われる位置および/または病変部位におけるエネルギー付与パターンは、バルーン52の形状を適切に選択することによって、および、バルーン52を適切に膨張させることによって、すなわち、バルーン52の膨張を制御することによって、たとえば、バルーン52に注入された液体の圧力を制御することによって、調節される。バルーン52は治療が進むにつれて次第に膨張し、これによって、機械的導波管は、直径の大きな異なる病変部位領域を連続して治療可能になる。
【0066】
図4Aおよび
図4Bは、機械的導波管42および48がバルーン52の外面に位置するバルーンカテーテル40を示したが、
図5および
図6は、機械的導波管がバルーンに挿入されたバルーンカテーテルの実施形態を示す。
【0067】
図5は、カテーテルシャフト62と、カテーテルシャフト62に固定された膨張式バルーン64と、バルーン64に挿入された機械的導波管66とを備えるバルーンカテーテル60を示す図である。機械的導波管66は、バルーン64の内周の周りで均等におよび対称に分散されている。
【0068】
機械的導波管66はバルーン64の内周の周りで均等におよび対称に分散されているが、他の構成が可能である。たとえば、
図6は、カテーテルシャフト72と、カテーテルシャフト72に固定された膨張式バルーン74と、バルーン74に非対称に挿入された7つの機械的導波管76とを備えるバルーンカテーテル70を示す図である。機械的導波管76は、バルーン74の内周の所与の領域78に集中している。他の例では、機械的導波管は、非対称的に配置可能である、および/または、バルーンの円周の周りで異なる位置に集中させることが可能である。
【0069】
機械的導波管がバルーンに挿入されている実施形態では、機械的導波管の遠位端部は、バルーンの外側に延在し得る。他の実施形態では、機械的導波管の遠位端部は、バルーン内に位置し得る。この場合、機械的導波管の遠位端部は、バルーンの内面に接触し得、バルーンは、導波管とバルーンの外側の組織との間の良好な音響結合を可能にする材料を用いて製造可能である。他の実施形態では、機械的導波管の一部はバルーンの外側で延在可能である一方で、他の機械的導波管の遠位端部は、バルーン内に位置し得る。
【0070】
機械的導波管の数、位置、形状、および寸法は、バルーンカテーテル装置の所望のエネルギー付与パターンの関数として選択可能であることを理解されたい。
【0071】
機械的導波管がバルーンの外面に配置されている実施形態では、これらは、外部シースで覆われていてもよい。この場合、機械的導波管の遠位端部は、シース内に位置し得る、またはシースの外部に突出し得る。機械的導波管の遠位端部がシース内に留まる場合、遠位端部はシースの内面と物理的に接触してもよく、シースは、導波管とシースの外側の組織との間の良好な音響結合を可能にする材料を用いて製造可能である。
【0072】
一実施形態では、機械的導波管は、機械的導波管がバルーン内に位置しようとバルーン外に位置しようと、管内で個別に囲まれている。管は、導波管の遠位端部の前で機械エネルギー損失を最小限にするために、防音材料で形成可能である。
【0073】
機械的導波管がバルーンの外面に位置する実施形態では、機械的導波管は、バルーンが収縮しているときは2つ以上の列または層に従って配置可能であり、バルーンが膨張しているときは1つの列または層に従って配置可能である。
【0074】
図7および
図8は、バルーン104の両側でその外面に固定された2つの機械的導波管105を備えるバルーンカテーテル100を示す図である。バルーンカテーテル100はさらに、バルーンカテーテル100の近位端部108とバルーンカテーテル100の遠位端部107との間に延在するカテーテルシャフト101を備える。カテーテルシャフト101は、バルーンカテーテル100の遠位端部107に隣接する遠位先端部分102を含む。遠位先端部分102の直径は、バルーンカテーテル100の遠位端部107に向かって減少する。カテーテルシャフト101には、2つの放射線不透過性マーカー103が設けられている。放射線不透過性マーカー103は、各々がカテーテルシャフト101の外面に固定されており、各々が、バルーン104の長さの範囲を表すためにその長さに沿ったそれぞれの位置である。カテーテルシャフト101には、ガイドワイヤを挿入するために近位端部と遠位端部との間で延在する中央ルーメン109が設けられている。バルーンカテーテル100の近位端部108において、機械的導波管は、カテーテルシャフト101の周囲に配置されており、バルーン104の近位端部の前で遠位部分110で終端するシース106によって覆われている。機械的導波管の近位端部(図示せず)は、機械的なパルス発生器に動作可能に接続されている。バルーン104に固定された機械的導波管105の部分は、バルーン104の外面に追随し、バルーン104の膨張/収縮に従って移動する。機械的導波管の遠位先端111は、バルーン104の遠位端部から距離「L」で終端する。
【0075】
実施形態によっては、バルーンは二重壁を含み得、機械的導波管は、バルーンの2つの壁の間にまたはこれらの壁内に挿入される。
【0076】
図9および
図10は、管形状を有し近位端部と遠位端部との間で延在するカテーテルシャフト121を含むバルーンカテーテルを示す図である。カテーテルシャフト121には、カテーテルシャフト121の近位端部と遠位端部との間で延在する中央開口またはルーメン129が設けられている。膨張式バルーン124が、カテーテルシャフト121の周囲で固定されている。バルーン124は、外壁123と、外壁123内に位置する内壁122とを含む。内壁122および外壁123の近位端部は、カテーテルシャフト121の周囲で共に密封固定されており、内壁122および外壁123の遠位端部は、カテーテルシャフト121の周囲で共に密封固定されている。
【0077】
バルーンカテーテルはさらに、内壁122と外壁123との間に挿入された6つの機械的導波管125を備える。外壁123は円形の断面形状を有する一方で、内壁122は、各々がそれぞれの機械的導波管125を収容するための形状および大きさを有する、6つの内側に延在する凹部を画成する。各凹部は、バルーン124の所与の長手方向部分に沿って延在する。2つの隣接する凹部間に位置する内壁122の部分は、外壁123に固定されている。各凹部に関して、外壁123は近位開口および遠位開口を含み、これらの開口の各々は、それぞれの機械的導波管125に挿入されるためにそれぞれの凹部と位置合わせされている。各凹部ならびに外壁123におけるそれぞれの近位開口および遠位開口は、バルーン124の所与の部分を通って延在する穴を形成する。
図10に示すように、各機械的導波管125はそれぞれの穴に挿入され、各機械的導波管124の遠位端部は、穴の遠位端部から前方に突出する。
【0078】
一実施形態では、機械的導波管125は、各々の機械的導波管125がバルーン124に対して固定位置を有するように、バルーン124のそれぞれの穴内で固着されている。他の実施形態では、機械的導波管125は、機械的導波管125の遠位端部の位置がカテーテルシャフト121の遠位端部に対して変更可能になるように、バルーンを通ってそれぞれの穴に動作可能に挿入されている。
【0079】
外壁123は、各機械的導波管125の遠位端部がそれぞれの穴内に位置するように、遠位開口を有さない場合があることを理解されたい。代替的に、機械的導波管125の一部のみの遠位端部がバルーン124から前方に延在できるように、全ての凹部に外壁123においてそれぞれ遠位開口が設けられているわけではない。
【0080】
バルーン124を膨張/収縮させるために、内壁122とカテーテルシャフト121との間に形成された空洞に流体が挿入されることを理解されたい。空洞内の流体の圧力を制御することによって、バルーンの膨張および大きさが制御可能であり、これによって、カテーテルシャフト121に対する機械的導波管125の遠位端部の位置が制御される。
【0081】
バルーンカテーテルが少なくとも1つの機械的導波管125を備える限り、機械的導波管125の数は変わり得ることを理解されたい。同様に、それに応じてバルーン124内の穴の数も変わり得る。バルーン124での位置、バルーン124内の穴の形状および/または長さも変わり得る。
【0082】
図11および
図12は、管形状を有し近位端部と遠位端部との間で延在するカテーテルシャフト131を備えるバルーンカテーテルの実施形態を示す図である。カテーテルシャフト131には、カテーテルシャフト131の近位端部と遠位端部との間で延在する中央開口またはルーメン139が設けられている。膨張式バルーン134がカテーテルシャフト131の周囲で固定されている。バルーン134は、外壁133と、外壁133内に位置する内壁132とを含む。内壁132および外壁133が実質的に同じ長さを有する実施形態では、内壁132および外壁133の近位端部はカテーテルシャフト131の周囲で共に密封固定されており、内壁132および外壁133の遠位端部もカテーテルシャフト131の周囲で共に密封固定されている。代替的に、外壁133は内壁132よりも短くてもよく、外壁133の遠位端部および近位端部は内壁132の外面に固定され得る一方で、内壁132の近位端部および遠位端部は、カテーテルシャフト131に密封固定されている。
【0083】
バルーンカテーテルはさらに、内壁132と外壁133との間に挿入された6つの機械的導波管135を備える。内壁133は円形断面形状を有する一方で、外壁133は、各々がそれぞれの機械的導波管135を収容するための形状および大きさを有する6つの外方向延在凸部を画成する。各凸部は、バルーン134の所与の長手方向部分に沿って延在する。2つの隣接する凸部間に位置する外壁133の部分は、内壁132に固定されている。各凸部に関して、外壁133は近位開口および遠位開口を含み、これらの開口の各々は、それぞれの機械的導波管135を挿入するためにそれぞれの凸部と位置合わせされている。各凸部ならびに外壁133のそのそれぞれの近位開口および遠位端部開口は、バルーン134の所与の部分を通って延在する穴を形成する。
図12に示すように、各機械的導波管135はそれぞれの穴に挿入され、各機械的導波管134の遠位端部は、穴の遠位端部から前方に突出する。
【0084】
一実施形態では、機械的導波管135は、機械的導波管135の各々がバルーン134に対して固定位置を有するように、バルーン134のそれぞれの穴内に固着されている。他の実施形態では、機械的導波管135は、機械的導波管135の遠位端部の位置がカテーテルシャフト131の遠位端部に対して変わり得るように、バルーンを通ってそれぞれの穴に移動可能に挿入されている。
【0085】
外壁133は、各機械的導波管135の遠位端部がバルーン134内のそれぞれの穴内に位置するように、遠位開口を含まない場合があることを理解されたい。代替的に、機械的導波管135の一部のみの遠位端部がバルーン134から前方に延在できるように、全ての凹部に外壁133においてそれぞれ遠位開口が設けられているわけではない。
【0086】
バルーン134を膨張/収縮させるために、内壁132とカテーテルシャフト131との間に形成された空洞に流体が挿入されることを理解されたい。空洞内の流体の圧力を制御することによって、バルーン134の膨張および大きさが制御可能であり、これによって、カテーテルシャフト131に対する機械的導波管135の遠位端部の位置が制御される。
【0087】
バルーンカテーテルが少なくとも1つの機械的導波管135を備える限り、機械的導波管135の数は変わり得ることを理解されたい。同様に、それに応じてバルーン134内の穴の数も変わり得る。バルーン134上の位置、バルーン134内の穴の形状および/または長さも変わり得る。
【0088】
図13は、カテーテルシャフト201、バルーン204、および2つの機械的導波管205を備えるバルーンカテーテル200の一実施形態を示す図である。カテーテルシャフト201は、近位端部208と遠位端部207との間で延在し、各々が管形状を有する内壁212および外壁214を含む。外壁214は、内壁212が外壁214に固着されつつ挿入される中央開口を含む。外壁214の遠位端部は、内壁212に固定されている。2つの機械的導波管205は、外壁214の内面と内壁212の外面との間で外壁214の開口内に挿入されている。また、内壁212は、カテーテルシャフト201の近位端部と遠位端部との間に延在する開口を画成する。一実施形態では、内壁212には、内壁212によって画成される開口がその遠位端部を通って延在しないように、その遠位端部において側壁が設けられている。他の実施形態では、開口が内壁212の遠位端部を通って延在するように、内壁212の遠位端部に端壁は設けられていない。
【0089】
外壁214には2つの開口が設けられている。これらの開口の各々は、それぞれの機械的導波管205をそれ自体を通って収容するための、および、機械的導波管205を内壁212と外壁214との間に画成された空間からカテーテルシャフト201のバルーン204と外壁214との間に存在する空洞へと挿入させるための大きさおよび形状を有する。図示された実施形態では、外壁214を通過する2つの開口は、バルーン204の近位端部に隣接する位置209に設けられており、バルーン204に挿入される各機械的導波管205の部分は、バルーン204の内面と物理的に接触している。各機械的導波管204は、その遠位端部がバルーン204の遠位端部から所与の距離Lで位置するように、バルーン204に挿入されている。
【0090】
一実施形態では、機械的導波管205の遠位端部は、距離Lが変わらないように、バルーン204の遠位端部に対して固定位置を有する。この場合、機械的導波管205の遠位端部は、バルーン204の内面に固着され得る。他の実施形態では、機械的導波管205の遠位端部は、距離Lが変わり得るように、バルーン204の遠位端部に対して可動位置を有する。この場合、各機械的導波管205に関して、バルーン204にはその内面に固定されたリングまたはシースが設けられてもよく、バルーン204にはその内面に固定されたリングまたはシースが設けられてもよく、機械的導波管は、機械的導波管205がバルーン204の内面に沿って摺動可能になるように、および、機械的導波管205の遠位端部がバルーン204の遠位端部から適切な距離Lで位置可能になるように、摺動可能に挿入されている。
【0091】
一実施形態では、各機械的導波管205は、機械的導波管が挿入される開口を介して内壁212と外壁214との間に画成された空間にバルーン204内に存在する流体が流入しないように、外壁214を通ってそれぞれの開口に密封挿入されている。たとえば、機械的導波管205と外壁214との間の開口に密封ガスケットを挿入してもよい。一実施形態では、密封ガスケットによって、外壁214に対する機械的導波管205の動きが可能になる。
【0092】
他の実施形態では、機械的導波管が挿入される開口を介して、内壁212と外壁214との間に画成された空間にバルーン204からの流体が流れ得る。たとえば、開口の大きさは、機械的導波管205と比べて大きくてもよい。
【0093】
一実施形態では、カテーテルシャフト201の内壁212および外壁214と機械的導波管205との間に画成された空間は、カテーテルシャフト201の近位端部からバルーン204へ流体を注入するために使用される。一実施形態では、機械的導波管は、機械的導波管205が挿入される外壁214の開口を介して流体がバルーン204に流入できるように、外壁214に密封固定されていなくてもよい。他の実施形態では、機械的導波管205は、外壁214を通ってそれぞれの開口に密封挿入され得る。この場合、外壁214には、それを介して流体がバルーン204に対して流入および流出し得る、少なくとも1つの他の開口が設けられている。流体は、カテーテルシャフト201の内壁212および外壁214と機械的導波管205との間に画成された空間に直接注入可能である。代替的に、その近位端部において流体送達システムに接続された管が、カテーテルシャフト201の内壁212および外壁214と機械的導波管205との間に画成された空間に挿入されてもよく、管の遠位端部は、他の開口を介してバルーン204の内部に流体接続されている。本実施形態では、内壁212の開口の遠位端部は、ガイドワイヤを使用可能にするために開口していてもよい。
【0094】
他の実施形態では、内壁212の開口は、バルーン204に流体を注入するために、および/または、流体をバルーン204から吸引するために使用される。この場合、内壁212の開口の遠位端部は密封閉鎖されている。内壁212は第1の接続穴を含み、外壁214は第2の接続穴を含む。接続管が、内壁212の開口をバルーンの内部空間に流体接続できるように、内壁212の第1の接続穴に密封固定された第1の端部と、外壁214の第2の接続穴に密封固定された第2の端部とを有する。内壁212の開口の近位端部は、バルーン204に流体を注入できるように、および/または、バルーン204から流体を吸引できるように、流体送達システムに流体接続されている。一実施形態では、各機械的導波管205は、カテーテルシャフト201の内壁212および外壁214と機械的導波管205との間に画成された空間にバルーン204から流体が流入しないように、外壁214を通ってそれぞれの開口に密封挿入されている。
【0095】
一実施形態では、カテーテルシャフト201にはさらに、外壁214の内面に2つの放射線不透過性マーカー203が設けられている。放射線不透過性マーカー203は、各々がバルーン204内に位置するように、および、バルーン204のそれぞれの端部に隣接するように、位置決めされている。放射線不透過性マーカー203は、バルーン204の端部の位置を可視化するために、および/または、バルーン204の長さの範囲を示すために、参照マーカーとして作用する。
【0096】
外壁214に存在する開口の直径は、内壁212の外径と機械的導波管205の直径との合計に少なくとも等しくなるように選択されることを理解されたい。図示された実施形態では、外壁214に存在する開口の直径は少なくとも、内壁212の外径に機械的導波管209の直径の2倍を加えたものに等しい。
【0097】
一実施形態では、カテーテルシャフト201の遠位先端部分202は、その遠位端部207に隣接して設けられている。遠位先端部分202内では、外壁214の直径は、外壁214の内径がカテーテルシャフト201の遠位端部207における内壁の外径に等しくなるように、カテーテルシャフト201の遠位端部207に向かって減少している。
【0098】
図14は、カテーテルシャフト301、バルーン304、および2つの機械的導波管305を備えるバルーンカテーテル300の一実施形態を示す図である。カテーテルシャフト301は、近位端部308と遠位端部307との間で延在し、各々が管形状を有する内壁312および外壁314を含む。外壁314は、内壁312がしっかりと外壁314に固定されつつ挿入される中央開口を含む。外壁314の遠位端部は内壁312に固定されている。2つの機械的導波管305は、外壁314の内面と内壁312の外面との間で外壁314の開口内に挿入されている。また、内壁312は、カテーテルシャフト301の近位端部と遠位端部との間で延在する開口を画成する。一実施形態では、内壁312には、内壁312によって画成された開口がその遠位端部を通って延在しないように、その遠位端部において端壁が設けられている。他の実施形態では、開口が内壁312の遠位端部を通って延在するように、内壁312の遠位端部において端壁は設けられていない。
【0099】
外壁314には2つの開口が設けられている。これらの開口の各々は、それぞれの機械的導波管305をそれら自体を通って収容するための、および、機械的導波管305を内壁312と外壁314との間に画成された空間からバルーン304とカテーテルシャフト301の外壁314との間に存在する空洞へと挿入させるための大きさおよび形状を有する。図示された実施形態では、外壁314を通過する2つの開口は、バルーン304の近位端部から離れた位置309に設けられており、機械的導波管305の各々は、そのそれぞれの開口からバルーン304の壁に向けて外側に立ち上がる。機械的導波管305は、それらの遠位端部が接続点306においてバルーン304の内面に当接するように、および、バルーン304の遠位端部から所与の距離Lで位置するように、バルーン304に位置している。
【0100】
一実施形態では、機械的導波管305の遠位端部は、距離Lが変わらないように、バルーン304の遠位端部に対して固定位置を有する。この場合、機械的導波管305の遠位端部は、バルーン304の内面に固着され得る。他の実施形態では、機械的導波管305の遠位端部は、距離Lが変わり得るように、バルーン304の遠位端部に対して可動位置を有する。この場合、バルーン304に挿入される機械的導波管の部分の曲率は、機械的導波管305の遠位端部とバルーン304の内面との間の接触点の位置を変えることができるように、変更可能である。
【0101】
一実施形態では、各機械的導波管305は、機械的導波管305が挿入される開口を介して内壁312と外壁314との間で画成される空間にバルーン304に存在する流体が流入しないように、外壁314を通ってそれぞれの開口に密封挿入されている。たとえば、密封ガスケットを、機械的導波管305と外壁314との間の開口に挿入してもよい。一実施形態では、密封ガスケットによって、外壁314に対する機械的導波管305の動きが可能になる。
【0102】
他の実施形態では、機械的導波管が挿入されている開口を介して内壁312と外壁314との間に画成された空間に、バルーン304から流体が流入してもよい。たとえば、開口の大きさは、機械的導波管305と比較して大きくてもよい。
【0103】
一実施形態では、カテーテルシャフト301の内壁312および外壁314と機械的導波管305との間に画成された空間は、流体をカテーテルシャフト301の近位端部からバルーン304に注入するために使用される。一実施形態では、機械的導波管は、機械的導波管305が挿入された外壁314の開口を介して流体がバルーン304に流入できるように、外壁314に密封固定されないことがある。他の実施形態では、機械的導波管305は、外壁314を通ってそれぞれの開口に密封挿入され得る。この場合、外壁314には、流体がバルーン304に対して流出および退出が可能になる少なくとも1つの他の開口が設けられている。流体は、カテーテルシャフト301の内壁312および外壁314と機械的導波管305との間に画成された空間に直接注入可能である。代替的に、その近位端部において流体送達システムに接続された管は、カテーテルシャフト301の内壁312および外壁314と機械的導波管305との間に画成された空間に挿入可能であり、管の遠位端部は、他の開口を介してバルーン304の内部に流体接続されている。本実施形態では、内壁312の開口の遠位端部は、ガイドワイヤを使用可能にするために開口していてもよい。
【0104】
他の実施形態では、内壁312の開口は、流体をバルーン304に注入するために、および/または、流体をバルーン304から吸引するために使用される。この場合、内壁312の開口の遠位端部は、密封閉鎖されている。内壁312は第1の接続穴を含み、外壁314は第2の接続穴を含む。接続管が、内壁312の開口をバルーンの内部空間に流体接続できるように、内壁312の第1の接続穴に密封固定された第1の端部と、外壁314の第2の接続穴に密封固定された第2の端部とを有する。内壁312の開口の近位端部は、流体をバルーン304に注入できるように、および/または、流体をバルーン304から吸引できるように、流体送達システムに流体接続されている。一実施形態では、各機械的導波管305は、カテーテルシャフト301の内壁312および外壁314と機械的導波管305との間に画成された空間にバルーン304から流体が流入しないように、外壁314を通ってそのそれぞれの開口に密封挿入されている。
【0105】
一実施形態では、カテーテルシャフト301にはさらに、外壁314の内面に2つの放射線不透過性マーカー303が設けられている。放射線不透過性マーカー303は、各々がバルーン304内に位置するように、および、バルーン304のそれぞれの端部に隣接するように位置決めされている。放射線不透過性マーカー303は、バルーン304の端部の位置を可視化するために、および/または、バルーン304の長さの範囲を示すために、参照マーカーとして作用する。
【0106】
外壁314に存在する開口の直径は、内壁312の外径と機械的導波管309の直径との合計に少なくとも等しくなるように選択されることを理解されたい。図示された実施形態では、外壁314に存在する開口の直径は少なくとも、内壁312の外径に機械的導波管309の直径の2倍を加えたものに等しい。
【0107】
一実施形態では、カテーテルシャフト301の遠位先端部分302は、その遠位端部307に隣接して設けられている。遠位先端部分302内では、外壁314の直径は、外壁314の内径がカテーテルシャフト301の遠位端部307における内壁の外径に等しくなるように、カテーテルシャフト301の遠位端部307に向かって減少している。
【0108】
図15は、カテーテルシャフト401、バルーン404、および2つの機械的導波管405を備えるバルーンカテーテル400の一実施形態を示す図である。カテーテルシャフト401は、近位端部408と遠位端部407との間で延在し、各々が管形状を有する内壁412および外壁414を含む。外壁414は、内壁412が外壁414に固着されつつ挿入される中央開口を含む。外壁414の遠位端部は、内壁412に固定されている。2つの機械的導波管405は、外壁414の内面と内壁412の外面との間で外壁414の開口に挿入されている。また、内壁412は、カテーテルシャフト401の近位端部と遠位端部との間で延在する開口を画成する。一実施形態では、内壁412には、内壁412によって画成される開口がその遠位端部を通って延在しないように、その遠位端部において端壁が設けられている。他の実施形態では、開口が内壁412の遠位端部を通って延在するように、内壁412の遠位端部に端壁が設けられていない。
【0109】
外壁414には2つの開口が設けられている。これらの開口の各々は、それぞれの機械的導波管405をそれ自体を通って収容するための、および、機械的導波管405を内壁412と外壁414との間に画成された空間からバルーン404とカテーテルシャフト401の外壁414との間に存在する空洞へと挿入させるための大きさおよび形状を有する。図示された実施形態では、外壁414を通過する2つの開口は、バルーン404の近位端部から離れた位置409に設けられており、機械的導波管405は各々、そのそれぞれの開口からバルーン404の壁に向かって外側に立ち上がる。その遠位端部406と隣接する機械的導波管405の部分は湾曲している。機械的導波管405は、それらの遠位端部406がバルーン404内で自由になるように、バルーン404内に位置している。
【0110】
一実施形態では、機械的導波管405の遠位端部は、バルーン404の遠位端部に対して固定位置を有する。この場合、機械的導波管405の遠位端部は、バルーン404の内面に固着され得る。他の実施形態では、機械的導波管405の遠位端部は、バルーン404内で可動位置を有する。
【0111】
一実施形態では、各機械的導波管405は、機械的導波管405が挿入された開口を介して内壁412と外壁414との間に画成された空間にバルーン404内に存在する流体が流入しないように、外壁414を通ってそのそれぞれの開口に密封挿入されている。たとえば、密封ガスケットが、機械的導波管405と外壁414との間の開口に挿入され得る。一実施形態では、密封ガスケットによって、外壁414に対する機械的導波管405の動きが可能になる。
【0112】
他の実施形態では、機械的導波管が挿入された開口を介して、内壁412と外壁414との間に画成された空間にバルーン404から流体が流入し得る。たとえば、外壁414の開口の大きさは、機械的導波管405と比較して大きくてもよい。
【0113】
一実施形態では、カテーテルシャフト401の内壁412および外壁414と機械的導波管405との間に画成された空間は、カテーテルシャフト401の近位端部からバルーン404に流体を注入するために使用される。一実施形態では、機械的導波管は、機械的導波管405が挿入された外壁414の開口を介してバルーン404に流体が流入できるように、外壁414に密封固定されていない場合がある。他の実施形態では、機械的導波管405は、外壁414を通ってそのそれぞれの開口に密封挿入されてもよい。この場合、外壁414には、流体がバルーン404に対して流入および流出する少なくとも1つの他の開口が設けられている。流体は、カテーテルシャフト401の内壁412および外壁414と機械的導波管405との間に画成された空間に直接注入されてもよい。代替的に、その近位端部において流体送達システムに接続された管が、カテーテルシャフト401の内壁412および外壁414と機械的導波管405との間に画成された空間に挿入されてもよく、管の遠位端部は、他の開口を介してバルーン404の内部に流体接続されている。本実施形態では、内壁412の開口の遠位端部は、ガイドワイヤの使用を可能にするために開口し得る。
【0114】
他の実施形態では、内壁412の長手方向開口は、流体をバルーン404に注入するために、および/または、流体をバルーン404から吸引するために使用される。この場合、内壁412の長手方向開口の遠位端部は、密封閉鎖されている。内壁412は第1の接続穴を含み、外壁414は第2の接続穴を含む。接続管が、内壁412の開口をバルーンの内部空間に流体接続するように、内壁412の第1の接続穴に密封固定された第1の端部と、外壁414の第2の接続穴に密封固定された第2の端部とを有する。内壁412の開口の近位端部は、流体をバルーン404に注入するように、および/または、流体をバルーン404から吸引するように、流体送達システムに流体接続されている。一実施形態では、各機械的導波管405は、カテーテルシャフト401の内壁412および外壁414と機械的導波管405との間に画成された空間にバルーン404から流体が流入しないように、外壁414を通ってそれぞれの開口に密封挿入されている。
【0115】
一実施形態では、カテーテルシャフト401にはさらに、外壁414の内面に2つの放射線不透過性マーカー403が設けられている。放射線不透過性マーカー403は、各々がバルーン404内に位置するように、および、バルーン404のそれぞれの端部に隣接するように位置決めされている。放射線不透過性マーカー403は、バルーン404の端部の位置を可視化するために、および/または、バルーン404の長さの範囲を示すために、参照マーカーとして作用する。
【0116】
外壁414に存在する開口の直径は、内壁412の外径と機械的導波管405の直径との合計に少なくとも等しくなるように選択されることを理解されたい。図示された実施形態では、外壁414に存在する開口の直径は少なくとも、内壁412の外径に機械的導波管409の直径の2倍を加えたものに等しい。
【0117】
一実施形態では、カテーテルシャフト401の遠位先端部分402は、その遠位端部407に隣接して設けられている。遠位先端部分402内では、外壁414の直径は、外壁414の内径がカテーテルシャフト401の遠位端部407における内壁の外径に等しくなるように、カテーテルシャフト401の遠位端部407に向かって減少している。
【0118】
図21は、カテーテルシャフト501、バルーン504、および2つの機械的導波管505を備えるバルーンカテーテル500の一実施形態を示す図である。カテーテルシャフト501は、近位端部508と遠位端部507との間で延在し、各々が管形状を有する内壁512および外壁514を含む。外壁514は、内壁512が外壁514に固着されつつ挿入された中央開口を含む。外壁514の遠位端部は、内壁512に固定されている。2つの機械的導波管505は、外壁514の内面と内壁512の外面との間で外壁514の開口内で挿入されている。また、内壁512は、カテーテルシャフト501の近位端部と遠位端部との間に延在する開口を画成する。一実施形態では、内壁512には、内壁512によって画成された開口がその遠位端部を通って延在しないように、その遠位端部において端壁が設けられている。他の実施形態では、開口が内壁512の遠位端部を通って延在するように、内壁512の遠位端部において端壁は設けられていない。
【0119】
外壁514には2つの開口が設けられている。これらの開口の各々は、それぞれの機械的導波管505をそれら自体を通って収容するための、および、機械的導波管505を内壁512と外壁514との間に画成された空間からバルーン504とカテーテルシャフト501の外壁514との間に存在する空洞へと挿入させるための大きさおよび形状を有する。図示された実施形態では、外壁514を通過する2つの開口は、バルーン504の近位端部から離れた位置509に設けられており、機械的導波管505は各々、そのそれぞれの開口からバルーン504の壁に向かって外側に立ち上がる。機械的導波管505は、その遠位端部506に隣接する機械的導波管505の遠位部分がカテーテルシャフト501の外壁514の外面に沿って、およびこれに隣接して延在するように、バルーン504内に位置している。一実施形態では、機械的導波管の遠位部分は、カテーテルシャフト501の外壁514に固定され得る。
【0120】
一実施形態では、機械的導波管505の遠位端部は、機械的導波管505の遠位端部506とバルーン504の遠位端部との間の距離Lが変わらないように、バルーン504の遠位端部に対して固定位置を有する。この場合、機械的導波管505の遠位端部は、外壁514の外面に固着され得る。他の実施形態では、機械的導波管505の遠位端部506は、距離Lが変わるように、バルーン504の遠位端部に対して可動位置を有する。この場合、リングまたはシースが固定され得る。
【0121】
一実施形態では、各機械的導波管505は、機械的導波管505が挿入された開口を介して内壁512と外壁514との間に画成された空間にバルーン504に存在する流体が流入しないように、外壁514を通ってそのそれぞれの開口に密封挿入されている。たとえば、機械的導波管505と外壁514との間の開口に密封ガスケットを挿入し得る。一実施形態では、密封ガスケットによって、外壁514に対する機械的導波管505の動きが可能になる。
【0122】
他の実施形態では、機械的導波管が挿入された開口を介して内壁512と外壁514との間に画成された空間にバルーン504から流体が流入可能である。たとえば、開口の大きさは、機械的導波管505と比較して大きくてもよい。
【0123】
一実施形態では、カテーテルシャフト501の内壁512および外壁514と機械的導波管505との間に画成された空間は、流体をカテーテルシャフト501の近位端部からバルーン504に注入するために使用される。一実施形態では、機械的導波管は、機械的導波管505が挿入された外壁514の開口を介して流体がバルーン504に流入できるように、外壁514に密封固定されない場合がある。他の実施形態では、機械的導波管505は、外壁514を通ってそのそれぞれの開口に密封挿入され得る。この場合、外壁514には、流体がバルーン504に対して流入および退出可能な少なくとも1つの他の開口が設けられている。流体は、カテーテルシャフト501の内壁512および外壁514と機械的導波管505との間に画成された空間に直接注入可能である。代替的に、その近位端部において流体送達システムに接続された管は、カテーテルシャフト501の内壁512および外壁514と機械的導波管505との間に画成された空間に挿入可能であり、管の遠位端部は、他の開口を介してバルーン504の内部に流体接続されている。本実施形態では、内壁512の開口の遠位端部は、ガイドワイヤを使用可能にするために開口していてもよい。
【0124】
他の実施形態では、内壁512の開口は、流体をバルーン504に注入するために、および/または、流体をバルーン504から吸引するために使用される。この場合、内壁512の開口の遠位端部は、密封閉鎖されている。内壁512は第1の接続穴を含み、外壁514は第2の接続穴を含む。接続管が、内壁512の開口をバルーンの内部空間に流体接続するように、内壁512の第1の接続穴に密封固定された第1の端部と、外壁514の第2の接続穴に密封固定された第2の端部とを有する。内壁512の開口の近位端部は、流体をバルーン504に注入するように、および/または、流体をバルーン504から吸引するように、流体送達システムに流体接続されている。一実施形態では、各機械的導波管505は、カテーテルシャフト501の内壁512および外壁514と機械的導波管505との間に画成された空間にバルーン504から流体が流入しないように、外壁514を通ってそのそれぞれの開口に密封挿入されている。
【0125】
一実施形態では、カテーテルシャフト501にはさらに、外壁514の内面に2つの放射線不透過性マーカー503が設けられている。放射線不透過性マーカー503は、各々がバルーン504内に位置するように、および、バルーン504のそれぞれの端部に隣接するように位置決めされている。放射線不透過性マーカー503は、バルーン504の端部の位置を可視化するために、および/または、バルーン504の長さの範囲を示すために、参照マーカーとして作用する。
【0126】
外壁514に存在する開口の直径は、内壁512の外径と機械的導波管509の直径との合計に少なくとも等しくなるように選択されることを理解されたい。図示された実施形態では、外壁514に存在する開口の直径は少なくとも、内壁512の外径に機械的導波管509の直径の2倍を加えたものに等しい。
【0127】
一実施形態では、カテーテルシャフト501の遠位先端部分502は、その遠位端部507に隣接して設けられている。遠位先端部分502内では、外壁514の直径は、外壁514の内径がカテーテルシャフト501の遠位端部507における内壁の外径に等しくなるように、カテーテルシャフト501の遠位端部507に向かって減少している。
【0128】
機械的導波管205、305、405および505の遠位端部は機械的波動源および/またはパルス源に動作可能に接続されることを理解されたい。
【0129】
図16および
図17は、機械的導波管によって放出される機械的波動を偏向するために、および/または方向づけるために使用されるバルーンカテーテルの外面に配置された機械的導波管に関して、様々な先端形状を示す図である。
図16および
図17に示す実施形態は、
図11および
図12に示す実施形態と一緒に使用可能である。
【0130】
図16は、バルーンの外面143に配置された機械的導波管145を示す図である。機械的導波管145の遠位先端146は、外側に湾曲している。機械的導波管145の先端146の曲率は所望のエネルギー付与パターンの関数として選択され得ることを理解されたい。
【0131】
図17は、機械的導波管によって放出される機械的波動を偏向させる、反射させる、および/またはその向きを変える偏向装置の一実施形態を示す図である。機械的導波管155は、バルーン152の外面153に固定されており、偏向器158も、所望の方向に従って機械的導波管155によって放出される機械的波動を偏向させる、反射させる、および/または方向づけるために、機械的導波管155の遠位端部156に向かい合うようにバルーンの外面に固定されている。機械的波動を偏向させるまたは反射させるように適合された任意の好適な装置を使用可能であることを理解されたい。一実施形態では、偏向器158は、偏向または反射方向、および/または、機械的導波管155の遠位先端156と偏向装置158の近位端部157との間の距離を所望の方向に対応するように調節して、所望の方向に機械的導波管155の遠位端部156から伝播する機械的波動を伝播するように、調節可能である。たとえば、機械的導波管155の遠位端部156を、カテーテルの長手方向軸の方向に機械的波動を放出するように位置決め可能であり、偏向器158は、径方向、すなわち、長手方向軸に実質的に直交する方向に機械的波動の方向を変えることが可能である。一実施形態では、偏向器158は、音響結合材料を用いて形成されたシースによって覆われ得る。偏向器の数、位置、形状、および寸法は、バルーンカテーテル装置の所望のエネルギー付与パターンの関数として選択可能であることを理解されたい。
【0132】
図18、
図19、および
図20は、機械的導波管によって放出された機械的波動を偏向させるため、および/または方向づけるために使用されるバルーンの内面に配置された機械的波動に関して、様々な機械的導波管先端形状を示す図である。
図18、
図19、および
図20に示す実施形態は、
図9および
図10に示す実施形態と一緒に使用可能である。
【0133】
図18は、バルーンの内面162に配置された機械的導波管165を示す図である。バルーンには、機械的導波管165の外側に湾曲した遠位先端166が密封挿入された穴が設けられている。一実施形態では、機械的導波管165の遠位先端166は、機械的導波管165の外面163と面一に立ち上がる。他の実施形態では、機械的導波管165の遠位先端166は、バルーンの外面163を越えて立ち上がる。
【0134】
図19は、機械的導波管によって放出される機械的波動を偏向させる、反射させる、および/または方向付ける偏向装置を備えるバルーンカテーテルの一実施形態を示す図である。バルーンカテーテルは、バルーン173と、バルーン173の内面172に設けられた機械的導波管175とを備える。バルーンカテーテルはさらに、所望の方向に従って機械的導波管175によって放出された機械的波動を偏向させる、反射させる、および/または方向づけるために、機械的導波管175の遠位端部176に向かい合うように位置決めされた偏向装置178を備える。機械的波動を偏向するようにまたは反射させるように適合された任意の好適な装置が使用可能であることを理解されたい。一実施形態では、偏向器178は、偏向または反射方向、および/または、機械的導波管175の遠位先端176と偏向装置178の近位端部177との間の距離を所望の方向に対応するように調節して、所望の方向に機械的波動の遠位端部から伝播する機械的波動を伝播するように、調節可能である。偏向または反射方向、および/または、機械的導波管155の遠位先端156と偏向装置158の近位端部157との間の距離を所望の方向に対応するように調節して、所望の方向に機械的導波管155の遠位端部156から伝播する機械的波動を伝播するように、調節可能である。たとえば、機械的導波管175の遠位端部176は、カテーテルの長手方向軸の方向において機械的波動を放出するように位置決め可能であり、偏向器178は、径方向、すなわち長手方向軸に実質的に直交する方向に機械的波動の向きを変え得る。偏向器の数、位置、形状、および寸法は、バルーンカテーテル装置の所望のエネルギー付与パターンの関数として選択可能であることを理解されたい。
【0135】
図20は、バルーン183の内面182に配置された機械的導波管185を示す図である。遠位先端186に隣接する機械的導波管185の部分は、遠位先端186がバルーン183の内面182に当接するように、外側に湾曲している。
【0136】
一実施形態では、バルーンまたはシースの外面は、もしあれば、1つ(または複数)の機械的導波管から機械的波動が放出されている間、またはおよびその前もしくは後で、周囲の組織に拡散する薬剤(または同様のもの)で被覆可能である。一実施形態では、機械的導波管からの機械的波動の放出は、周囲の組織からの薬剤の効率的な摂取を促進し得る。
【0137】
一実施形態では、バルーンカテーテルは、二重壁バルーンを備えてもよく、バルーンの2つの壁の間の空間は、薬剤(またはそのようなもの)を含んでもよい。薬剤の送達は、装置の長さに沿って伸びる機構を用いて、バルーンカテーテル装置の近位端部から引き起こされ得る。薬剤の送達は、バルーンカテーテルの遠位端部において機械的波動の放出によっても引き起こされ得る。
【0138】
一実施形態では、バルーンカテーテル装置はさらに、薬剤を含む流体、ワクチン、または他の治療物質を治療されるべき病変部位に送達するための1つ以上の流体(すなわち、液体および/または気体)送達管を備える。同様のまたは他の実施形態では、送達管を使用して流体を送達して、たとえば治療されるべき病変部位を冷却/加熱し得る。このうな流体の送達は、機械エネルギーの照射と同時に、またはその前もしくは後で行い得る。他の実施形態では、管は、治療によって生じる残骸を吸引するために使用可能である。
【0139】
一実施形態では、バルーンカテーテルは、装置の長さに沿って動作する機構を用いて近位端部から作動させる(解放する)遠位端部において、薬剤(または同様の)カプセルを含み得る。
【0140】
一実施形態では、薬剤(または同様の)カプセルはバルーンカテーテルの遠位端部に位置し得、カプセルは、バルーンカテーテルの遠位端部において機械的波動の放射によって作動させる(解放する)ことが可能である。
【0141】
一実施形態では、バルーンカテーテルはさらに、内部カテーテルとバルーンの外面との間に光コヒーレンス断層撮影法(OCT)または血管内超音波診断法(IVUS)撮像装置を備える。
【0142】
一実施形態では、バルーンカテーテルは、親水性コーティング、疎水性コーティング、減摩コーティング、またはこれらの組合せで覆われていてもよい。
【0143】
一実施形態では、上述のバルーンカテーテルおよび方法は、動脈壁組織の損傷および塞栓の大きさを抑制しつつ石灰化病変部位と遷移線病変部位との双方を治療するために使用可能である。
【0144】
バルーンは任意の好適な形状を有し得ることを理解されたい。たとえば、膨張したバルーンは、基本的に円柱形状であり得る。
【0145】
上述の発明の実施形態は、例示に過ぎないことが意図されている。したがって、発明の範囲は、添付の請求項の範囲によってのみ制限されることが意図されている。