IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7232783無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム
<>
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図1
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図2
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図3
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図4
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図5
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図6
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図7
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図8
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図9
  • 特許-無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/00 20060101AFI20230224BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20230224BHJP
   B60W 50/02 20120101ALI20230224BHJP
   B60W 50/035 20120101ALI20230224BHJP
   B60W 50/038 20120101ALI20230224BHJP
【FI】
G05D1/00 B
F02D29/02 H
B60W50/02
B60W50/035
B60W50/038
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020024831
(22)【出願日】2020-02-18
(65)【公開番号】P2020135894
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2020-02-18
(31)【優先権主張番号】201910122817.9
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イノォン タン
【審査官】山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0049948(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0198936(US,A1)
【文献】特開平09-066832(JP,A)
【文献】特開2017-182463(JP,A)
【文献】特開2012-237502(JP,A)
【文献】特開2005-348819(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0106339(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00
F02D 29/02
B60W 50/02
B60W 50/035
B60W 50/038
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドヘルド制御装置との接続を確立することと、
前記ハンドヘルド制御装置により送信されたハンドヘルド制御に入る切り替え命令を受信した場合、無人車両のスピードが0.1m/sよりも遅くなるように制御した後に、LB機能キーとRB機能キーを3秒同時に押下して、前記無人車両に対する自動制御を停止し、ハンドヘルド制御モードに入ることと、
前記ハンドヘルド制御装置により送信された車両制御命令を受信した場合、誤操作を防ぐためのRT機能キーを、前記RT機能キーのキーストロークが55%よりも大きくなるように押下することにより、前記無人車両に対し前記車両制御命令に対応する操作を行うことと、を含
前記キーストロークが55%よりも大きい場合のみ、ブレーキ以外のすべての操作が有効になる、
ことを特徴とする無人車両制御方法。
【請求項2】
前記無人車両のスピードが設定された閾値よりも大きいと検出された場合、前記ハンドヘルド制御装置からのシフト、駐車又はオープンドア操作命令に対する応答を禁止することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の無人車両制御方法。
【請求項3】
ハンドヘルド制御から抜ける切り替え命令を受信した場合、切り替え完了前に、駐車操作を自動にするように前記無人車両を制御することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の無人車両制御方法。
【請求項4】
ハンドヘルド制御装置の制御モードにある場合、所定時間内に前記ハンドヘルド制御装置からの操作信号が受信されなかった場合、ブレーキ操作をするように前記無人車両を制御することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の無人車両制御方法。
【請求項5】
前記ハンドヘルド制御装置との接続が切断されたと検出した場合、停車操作をするように前記無人車両を制御することをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の無人車両制御方法。
【請求項6】
ハンドヘルド制御装置との接続を確立する接続モジュールと、
前記ハンドヘルド制御装置により送信されたハンドヘルド制御に入る切り替え命令を受信した場合、無人車両のスピードが0.1m/sよりも遅くなるように制御した後に、LB機能キーとRB機能キーを3秒同時に押下して、前記無人車両に対する自動制御を停止し、ハンドヘルド制御モードに入る切り替えモジュールと、
前記ハンドヘルド制御装置により送信された車両制御命令を受信した場合、誤操作を防ぐためのRT機能キーを、前記RT機能キーのキーストロークが55%よりも大きくなるように押下することにより、前記無人車両に対し前記車両制御命令に対応する操作を行う操作モジュールと、を含
前記キーストロークが55%よりも大きい場合のみ、ブレーキ以外のすべての操作が有効になる、
ことを特徴とする無人車両制御装置。
【請求項7】
前記無人車両のスピードが設定された閾値よりも大きいと検出された場合、前記ハンドヘルド制御装置からのシフト、駐車又はオープンドア操作命令に対する応答を禁止する第1安全検出モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の無人車両制御装置。
【請求項8】
ハンドヘルド制御から抜ける切り替え命令を受信した場合、切り替え完了前に、駐車操作を自動にするように前記無人車両を制御する第2安全検出モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の無人車両制御装置。
【請求項9】
ハンドヘルド制御装置の制御モードにある場合、所定時間内に前記ハンドヘルド制御装置からの操作信号が受信されなかった場合、ブレーキ操作をするように前記無人車両を制御する第3安全検出モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の無人車両制御装置。
【請求項10】
前記ハンドヘルド制御装置との接続が切断されたと検出した場合、停車操作をするように前記無人車両を制御する第4安全検出モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の無人車両制御装置。
【請求項11】
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶するメモリと、を含み、
前記1つ又は複数のプロセッサは、前記1つ又は複数のプログラムを実行する場合、請求項1~5のいずれか1項に記載の無人車両制御方法を実現させる、
ことを特徴とする無人車両制御デバイス。
【請求項12】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読媒体であって、
当該プログラムがプロセッサにより実行される場合、請求項1~5のいずれか1項に記載の無人車両制御方法を実現させる、
ことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
コンピュータにおいて、プロセッサにより実行される場合、請求項1~5のいずれか1項に記載の無人車両制御方法を実現することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人車両技術分野に関し、特に無人車両制御方法、装置、デバイス、コンピュータ可読媒体、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無人運転車両、特に公共交通機関の車両は、実際運営においてハンドル、スロットル、及びブレーキペダルが設けられていない。そのため、無人車両が障害物に邪魔された時、又はその他の故障があった時、車両を一時移動させて無人車両の円滑運営を保障するために、オペレータにすばやい操作方式を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
1つ又は複数の従来技術における技術課題を解決又は緩和するために、本発明は、無人車両制御方法、装置、デバイス、及びコンピュータ可読媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1様態は無人車両制御方法を提供する。当該無人車両制御方法は、
ハンドヘルド制御装置との接続を確立することと、
前記ハンドヘルド制御装置により送信されたハンドヘルド制御に入る切り替え命令を受信した場合、無人車両に対する自動制御を停止することと、
前記ハンドヘルド制御装置により送信された車両制御命令を受信した場合、前記無人車両に対し前記車両制御命令に対応する操作を行うことと、を含む。
【0005】
1つの実施形態において、前記無人車両のスピードが設定された閾値よりも大きいと検出された場合、前記ハンドヘルド制御装置からのシフト、駐車又はオープンドア操作命令に対する応答を禁止することをさらに含む。
【0006】
1つの実施形態において、前記方法は、ハンドヘルド制御に入る又はハンドヘルド制御から抜ける切り替え命令を受信した場合、駐車操作を自動にするように前記無人車両を制御することをさらに含む。
【0007】
1つの実施形態において、前記方法は、ハンドヘルド制御装置の制御モードにある場合、所定時間内に前記ハンドヘルド制御装置からの操作信号が受信されなかった場合、ブレーキ操作をするように前記無人車両を制御することをさらに含む。
【0008】
1つの実施形態において、前記方法は、前記ハンドヘルド制御装置との接続が切断されたと検出した場合、停車操作をするように前記無人車両を制御することをさらに含む。
【0009】
本発明の第2様態は無人車両制御装置を提供する。当該無人車両制御装置は、
ハンドヘルド制御装置との接続を確立する接続モジュールと、
前記ハンドヘルド制御装置により送信されたハンドヘルド制御に入る切り替え命令を受信した場合、無人車両に対する自動制御を停止する切り替えモジュールと、
前記ハンドヘルド制御装置により送信された車両制御命令を受信した場合、前記無人車両に対し前記車両制御命令に対応する操作を行う操作モジュールと、を含む。
【0010】
1つの実施形態において、前記装置は、
前記無人車両のスピードが設定された閾値よりも大きいと検出された場合、前記ハンドヘルド制御装置からのシフト、駐車又はオープンドア操作命令に対する応答を禁止する第1安全検出モジュールをさらに含む。
【0011】
1つの実施形態において、前記装置は、
ハンドヘルド制御に入る又はハンドヘルド制御から抜ける切り替え命令を受信した場合、駐車操作を自動にするように前記無人車両を制御する第2安全検出モジュールをさらに含む。
【0012】
1つの実施形態において、前記装置は、
ハンドヘルド制御装置の制御モードにある場合、所定時間内に前記ハンドヘルド制御装置からの操作信号が受信されなかった場合、ブレーキ操作をするように前記無人車両を制御する第3安全検出モジュールをさらに含む。
【0013】
1つの実施形態において、前記装置は、
前記ハンドヘルド制御装置との接続が切断されたと検出した場合、停車操作をするように前記無人車両を制御する第4安全検出モジュールをさらに含む。
【0014】
本発明の第3様態は、無人車両制御デバイスを提供する。前記デバイスは、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶するメモリと、を含み、
前記1つ又は複数のプロセッサは前記1つ又は複数のプログラムを実行する場合、上記の第1様態に記載の無人車両制御方法を実現させる。
【0015】
1つの実施形態において、無人車両制御デバイスは、無人車両制御デバイスが上記の第1様態における無人車両制御方法を実行することをサポートするプログラムを記憶するメモリと、前記メモリに記憶されるプログラムを実行するプロセッサとを含む。前記無人車両制御デバイスは、他のデバイス又は通信ネットワークと通信するための通信インターフェースをさらに含む。
【0016】
本発明の第4様態はコンピュータ可読媒体を提供する。当該コンピュータ可読媒体は、無人車両制御装置に使用されるコンピュータプログラムコマンドを記憶し、当該コンピュータプログラムコマンドは、上記の第1様態における無人車両制御方法を実現させるプログラムを含む。
【0017】
上記の少なくとも1つの技術案において、本発明の実施形態は、ハンドヘルド制御装置を用いて無人車両を制御することにより、無人車両が自動運転不可能な時、又は感知モジュールに故障が発生した時に操作することができ、さらにユーザ操作の利便性と安全性を向上させることができる。
【0018】
上記の略述は、単に説明のために過ぎず、いかなる限定をも目的としない。上記に記載されている例示的な様態、実施形態、及び特徴以外に、図面及び下記の詳細説明を参照することによって、本発明のさらなる様態、実施形態、及び特徴の理解を促す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の1つの実施形態における無人車両制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の1つの実施形態における無人車両制御方法のフローチャートである。
図3】本発明の1つの実施形態におけるハンドヘルド制御装置の正面模式図である。
図4】本発明の1つの実施形態におけるハンドヘルド制御装置の側面模式図である。
図5】本発明の1つの実施形態におけるスロットル制御ロジックの模式図である。
図6】本発明の1つの実施形態におけるブレーキ制御ロジックの模式図である。
図7】本発明の1つの実施形態におけるステアリング制御ロジックの模式図である。
図8】本発明の1つの実施形態における無人車両制御装置の接続ブロック図である。
図9】本発明の他の実施形態における無人車両制御装置の接続ブロック図である。
図10】本発明の別の実施形態における無人車両制御デバイスのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面において特に規定されない限り、複数の図面において同様の図面符号は、同様又は類似的な部材又はエレメントを示す。これらの図面は必ずしも実際の比例に従って製図されたものではない。これらの図面は本発明に基づいて開示された幾つかの実施形態を描いたものに過ぎず、本発明の範囲に対する制限としてはならないことを理解すべきである。
【0021】
下記において、幾つかの例示的実施例を簡単に説明する。当業者に認識可能なよう、本発明の主旨又は範囲を逸脱しない限り、様々な方式により説明された実施例を変更可能である。従って、図面と説明は本質的には制限を加えるものではなく、例示的なものである。本発明の実施例において、無人車両制御方法及び装置を主に提供し、下記において、下記の実施例によって考案を展開して説明する。
【0022】
本発明は、無人車両制御方法及び装置を提供する。下記において本発明の実施形態における無人車両制御方法及び装置の具体的な処理フローと原理を詳しく説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施形態における無人車両制御方法のフローチャートである。図1に示すように、本発明の1つの実施形態における無人車両制御方法は、無人車両の制御ホストマシンに適用され、下記のステップを含むことができる。
【0024】
S110において、ハンドヘルド制御装置との接続を確立する。
1つの実施形態において、ハンドヘルド制御装置は、無人車両内の制御ホストマシンに接続することが可能であり、接続方式として、データケーブルによる接続であっても良く、無線方式による接続であっても良い。前記ハンドヘルド制御装置はハンドル方式を採用し、前記ハンドルに各種の制御ボタンを設けることができる。これらの制御ボタンに対するユーザの操作に応じて、前記制御ホストマシンに操作命令が送信される。ハンドヘルド制御装置はタッチパネルを含んでも良く、タッチパネルのユーザインタフェースに各種のコントロールエレメントが設けられ、これらのコントロールエレメントに対するユーザの操作に応じて前記制御ホストマシンに操作命令が送信される。
【0025】
S120において、前記ハンドヘルド制御装置により送信されたハンドヘルド制御に入る切り替え命令を受信した場合、無人車両に対する自動制御を停止する。
1つの実施形態において、無人車両に故障が発生して当該無人車両が運転を自動制御できない状況にある場合、ユーザは、切り替え命令を前記制御ホストマシンに送信するようにハンドヘルド制御装置を制御することができる。切り替えが成功した後、ユーザは、ハンドヘルド制御装置によって無人車両に対する操作を行うことができ、この場合、前記制御ホストマシンは無人車両に対する自動制御を停止する。
【0026】
S130において、前記ハンドヘルド制御装置により送信された車両制御命令を受信した場合、前記無人車両に対し前記車両制御命令に対応する操作を行う。
1つの実施形態において、前記ハンドヘルド制御装置は、無人車両に対してスロットル、ブレーキ、ステアリング、及び駐車などの自動運転関連制御を行うことができる。例えば、前記ハンドヘルド制御装置にボタンと操縦桿とを設けて、ボタンと操縦桿によって上記の操作を行うことができる。
【0027】
図2に示すように、1つの実施形態において、前記無人車両制御方法は、車両の操作中に保護措置をさらに提供し、具体的に下記のステップを含むことができる。
【0028】
S140において、前記無人車両のスピードが設定された閾値よりも大きいと検出された場合、前記ハンドヘルド制御装置からのシフト、駐車又はオープンドア操作命令に対する応答を禁止する。
例えば、前記スピード閾値を0.5m/sとして設置することができる。ここで、ユーザによる誤操作を防ぐために、シフト操作を禁じるための閾値を設置することができる。車速が閾値よりも大きい場合、前進ギア(Dギア)を後退ギア(Rギア)に切り替える等のようなシフト操作を禁止する。更に、駐車操作(Pギア)を実施してはならない。
【0029】
S150において、ハンドヘルド制御に入る又はハンドヘルド制御から抜ける切り替え命令を受信した場合、駐車操作を自動にするように前記無人車両を制御する。
例えば、現在、自動運転中である場合、手動制御に切り替える命令を受信した時、即時に切り替えられないことによって車両がいかなる制御もない状況になることを防ぐために、切り替え完了前に、制御ホストマシンによって車両を制御して駐車操作を行い、それによって危険の発生を防ぐ。同様に、自動運転のモードに切り替える必要がある時、駐車操作をまず行ってもよい。
【0030】
S160において、ハンドヘルド制御装置の制御モードにある場合、所定時間内に前記ハンドヘルド制御装置からの操作信号が受信されなかった場合、ブレーキ操作をするように前記無人車両を制御する。
例えば、ハンドヘルド制御装置による制御モードにある場合、設定された時間内に制御ホストマシンがハンドヘルド制御装置からの操作信号を受信していないとき、この時、ハンドヘルド制御装置に故障が発生している、又は運転手の操作が間に合わなかった等の可能性があり、安全のために、前記制御ホストマシンによって自動ブレーキ操作をするように無人車両を制御する。
【0031】
S170において、前記ハンドヘルド制御装置との接続が切断されたと検出した場合、停車操作をするように前記無人車両を制御する。
例えば、制御ホストマシンが、接触不良又は意外な接続中断によりハンドヘルド制御装置の接続が切断されたと検出した場合、意外な事故が発生しないようにブレーキ操作を直ちに行う。
【0032】
図3~4は、本発明の実施形態におけるハンドヘルド制御装置の模式図である。1つの実施形態において、本発明の実施形態におけるハンドヘルド制御装置はハンドルであってもよい。前記ハンドルには、各種の機能ボタンと操縦揺動桿とが設けられ、スロットルとブレーキ制御揺動桿1、R/Dギア(Reverse、リバースギア、Drive、前進ギア)、切り替えキー2、駐車制御キー3、信号灯4、ハザードランプ制御キー5、ドア制御キー6、ロービームライト制御キー7、クラクション制御キー8、ステアリング制御揺動桿9、RT機能キー10、LB機能キー11、RB機能キー12を含む。
【0033】
下記において各ボタンの機能を説明する。
【0034】
スロットルとブレーキ制御揺動桿1については、スロットルを使用する必要がある場合、揺動桿を前方に押し、ブレーキを使用する必要がある場合、揺動桿を後方に引く。図5~6に示すように、前記スロットルとブレーキは、いずれも線形制御の制御ロジックを採用する。ここで、安全のために、揺動桿を最前方に押した時、スロットルペダル比例は30%であり、即ち、通常の車両のスロットルペダルを30%ストロークまで押す程度に相当する。同様に、揺動桿を最後方に引いた時、対応するブレーキペダル比例は30%であり、即ち、通常の車両のブレーキペダルを30%ストロークまで押す程度に相当する。
【0035】
R/Dギア切り替えキー2は、RギアとDギアとの切り替えを行うために用いられる。デフォルトのギアはDギアであり、即ち前進ギアである。車両のスピードが0.5m/sよりも遅く、且つハンドルブレーキペダル比例が10%よりも大きい場合、Dギアの状態で単押してから、Rギア、即ちリバースギアに切り替えられ、さらに押すと、Dギアに戻るように切り替えられる。スピードが0.5m/sよりも速い場合、ハンドルブレーキが10%よりも大きくない場合、又は駐車モードにある場合のうちのいずれか1つの条件を満たさない場合、上記のギアの切り替え命令に応じることはなく、駐車状態で切り替えを行っても機能しない。
【0036】
駐車制御キー3については、ハンドルモードに入ると、デフォルトは駐車状態である。非駐車状態において単押ししてから、このときの車両のスピードが0.5m/sよりも遅い場合、送信された車両駐車命令に応じるようにし、そうでない場合、駐車命令に応じないようにする。さらに押すと、駐車を解除する。
【0037】
信号灯4は、現在の接続状態を表すために用いられ、信号灯が点灯したら、接続済み、電源オンであることを表す。
【0038】
ハザードランプ制御キー5は、ハザードスイッチのオン、オフを制御するために用いられる。車両ハザードがオン状態である場合、単押ししてからハザードランプを消灯する。車両ハザードがオフ状態である場合、単押ししてからハザードランプをオンにする。
【0039】
ドア制御キー6は、ドアの開閉を制御するために用いられる。車両ドアが開いている状態である場合、単押ししてからドアを閉じる。車両ドアが閉じられている状態である場合、車速が0.1m/sよりも遅く、且つ車輪のステアリング角度が10%よりも小さい場合、単押ししてからドアを開く。
【0040】
ロービームライト制御キー7は、ロービームライトのオン、オフを制御するために用いられる。車両内のランプがオン状態である場合、単押しからロービームライトをオフにし、車両内のランプがオフ状態である場合、単押してからロービームライトをオンにする。
【0041】
クラクション制御キー8は、クラクションを行うために用いられ、押下するとクラクションし、離すとクラクションを取り消す。
【0042】
ステアリング制御揺動桿9は、車のステアリングを制御するために用いられ、左に曲ろうとする場合、揺動桿を左に傾け、右に曲ろうとする場合、揺動桿を右に傾ける。図7に示すように、1つの実施形態において、区分線形を採用してステアリング角度を制御する。0~60%のキーストロークは0~40%のステアリングに対応し、60%~100%のキーストロークは40%~100%のステアリングに対応する。
【0043】
RT機能キー10は、誤操作を防ぐために用いられる。例えば、ハンドルモードにおいて、RTを先に押下する必要があり、キーストロークが55%よりも大きい場合のみ、ブレーキ以外のすべての操作が有効になる。
LB機能キー11とRB機能キー12は、ハンドルモードに入る、又はハンドルモードから抜けるように制御するために用いられる。ここで、ハンドルモードに入る時、車両のスピードが0.1m/sよりも遅い場合、LB&RBを3秒同時に押下し、ハンドルが長く振動し、ハンドルモードに入る。
ハンドルモードから抜ける時、ハンドルモードにおいて、LB&RBを3秒同時に押下し、更に、1.車両のスピードが0.1m/sよりも遅い必要があること、2.車両が駐車状態にあると検出されていること、という条件を満たす場合、ハンドルが短く振動し、ハンドルモードから抜ける。
【0044】
1つの実施形態において、前記ハンドルは、接続中断保護機能をさらに提供することができる。具体的に、ハンドルモードにおいて、ハードウェアが急に1sを超えて接続中断された場合、例えば接触不良、ドライバー故障などの場合、この時、前記制御ホストマシンによりブレーキ信号を送信し、例えば、20%ブレーキペダル比のブレーキ信号を送信することができる。また、安全のために、接続中断後にハンドル信号が回復されてもハンドル制御を自動的に回復させず、人の手によって介入した後にハンドルモードに再び入ってからしかハンドルで再度制御できない。
【0045】
1つの実施形態において、前記ハンドルは、自動ブレーキ機能をさらに提供することができる。具体的に下記のような実施形態であってもよく、即ち、RT対応キー、ハンドルのスロットル、及びブレーキ揺動桿がいずれも操作されていない場合、1s経過後、車両は自動的にブレーキされ、ここで、デフォルトではブレーキの力が7%であってもよく、具体的な値は実際状況に応じて調整してもよい。また、自動ブレーキの過程において、RT対応キー又はハンドルへのブレーキ信号の入力が検出された場合、自動ブレーキを停止し、ハンドルに制御権を返す。
【0046】
1つの実施形態において、前記ハンドルは、認証登録機能をさらに有することができる。具体的に下記のような実施形態であってもよく、即ち、マンマシン会話インターフェースにおいてまずクリックしてハンドル認証を行い、ユーザ情報を入力する。認証成功後に、所定時間内にRBとLBキーを同時に3秒押下することによりハンドルに入る。タイムオーバー(例えば、1分間)になってもハンドルモードに入ることはなく、又、認証失敗の場合もハンドルモードに入ることができない。再び認証を行って成功してからのみハンドルモードに入ることが許可されない。
【0047】
本発明の実施形態において、ハンドヘルド制御装置を使用して無人車両に対して制御を行い、無人車両が自動運転することができない、又は位置決めモジュールに故障が発生したことを感知した時に操作を行うことができ、それによってユーザ操作の利便性と安全性を向上させる。
【0048】
図8に示すように、第2様態において、本発明は、無人車両制御装置を提供する。当該無人車両制御装置は、
ハンドヘルド制御装置との接続を確立するための接続モジュール110と、
前記ハンドヘルド制御装置により送信されたハンドヘルド制御に入る切り替え命令を受信した場合、無人車両に対する自動制御を停止するための切り替えモジュール120と、
前記ハンドヘルド制御装置により送信された車両制御命令を受信した場合、前記無人車両に対し前記車両制御命令に対応する操作を行うための操作モジュール130と、を含む。
【0049】
図9に示すように、1つの実施形態において、前記無人車両制御装置は、安全検出機能をさらに提供し、
前記無人車両のスピードが設定された閾値よりも大きいと検出された場合、前記ハンドヘルド制御装置からのシフト、駐車又はオープンドア操作命令に対する応答を禁止するための第1安全検出モジュール140と、
ハンドヘルド制御に入る又はハンドヘルド制御から抜ける切り替え命令を受信した場合、駐車操作を自動にするように前記無人車両を制御するための第2安全検出モジュール150と、
ハンドヘルド制御装置の制御モードにある場合、所定時間内に前記ハンドヘルド制御装置からの操作信号が受信されなかった場合、ブレーキ操作をするように前記無人車両を制御するための第3安全検出モジュール160と、
前記ハンドヘルド制御装置との接続が切断されたと検出した場合、停車操作をするように前記無人車両を制御するための第4安全検出モジュール170と、を含む。
【0050】
本実施例における無人車両制御装置は、上記の実施例における無人車両制御方法の原理と類似し、ここでは省略する。
【0051】
もう1つの実施例において、本発明は、無人車両制御デバイスをさらに提供し、図10に示すように、当該デバイスは、メモリ510とプロセッサ520とを含み、メモリ510にプロセッサ520で実行することが可能なコンピュータプログラムが記憶される。前記プロセッサ520は、前記コンピュータプログラムを実行する時、上記の実施例における無人車両制御方法を実現する。前記メモリ510とプロセッサ520の数は1つであってもよく又は複数であってもよい。
【0052】
当該デバイスは、
通信インターフェース530をさらに含み、他のデバイスと通信するために用いられ、データのインタラクション伝送を行う。
メモリ510は、高速度RAMメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気メモリのような不揮発性メモリ(non-volatile memory)をさらに含んでもよい。
メモリ510、プロセッサ520、及び通信インターフェース530が個別に実現される場合、メモリ510、プロセッサ520、及び通信インターフェース530は、バスによって相互接続して相互通信を行うことができる。前記バスは、インダストリスタンダードアーキテクチャ(ISA、Industry Standard Architecture)バス、外部デバイス相互接続(PCI、Peripheral Component Interconnect)バス、又は拡張インダストリスタンダードアーキテクチャ(EISA、Extended Industry Standard Component)バス等であってもよい。前記バスは、アドレスバス、データバス、制御バス等として分けられることが可能である。表示の便宜上、図10に1本の太線のみで表示するが、バスが1つ又は1種類のみであることを意味しない。
【0053】
任意選択で、具体的な実現において、メモリ510、プロセッサ520及び通信インターフェース530が1つのチップに集成した場合、メモリ510、プロセッサ520、及び通信インターフェース530は、内部インターフェースによって相互通信を行うことができる。
【0054】
本明細書において、「1つの実施形態」、「幾つかの実施形態」、「例」、「具体例」或いは「一部の例」などの用語とは、当該実施形態或いは例で説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点を結合して、本発明の少なくとも1つの実施形態或いは実施例に含まれることを意味する。また、説明された具体的特徴、構成、材料或いは特点は、いずれか1つ或いは複数の実施形態または例において適切に結合することが可能である。また、矛盾しない限り、当業者は、本明細書の異なる実施形態または例、および、異なる実施形態または例における特徴を結合したり、組み合わせたりすることができる。
また、用語「第1」、「第2」とは比較的重要性を示している又は暗示しているわけではなく、単に説明のためのものであり、示される技術的特徴の数を暗示するわけでもない。そのため、「第1」、「第2」で限定される特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示又は暗示的に含むことが可能である。本出願の記載の中において、「複数」の意味とは、明確に限定される以外に、2つ又は2つ以上を意味する。
【0055】
フローチャート又はその他の方式で説明された、いかなるプロセス又は方法に対する説明は、特定な論理的機能又はプロセスのステップを実現するための命令のコードを実行可能な1つ又はそれ以上のモジュール、断片若しくはセグメントとして理解することが可能であり、さらに、本発明の好ましい実施形態の範囲はその他の実現を含み、示された、又は、記載の順番に従うことなく、係る機能に基づいてほぼ同時にまたは逆の順序に従って機能を実行することを含み、これは当業者が理解すべきことである。
フローチャートに示された、又はその他の方式で説明された論理及び/又はステップは、例えば、論理機能を実現させるための実行可能なコマンドのシーケンスリストとして見なされることが可能であり、コマンド実行システム、装置、又はデバイス(プロセッサのシステム、又はコマンド実行システム、装置、デバイスからコマンドを取得して実行することが可能なその他のシステムを含むコンピュータによるシステム)が使用できるように提供し、又はこれらのコマンドを組み合わせて使用するコマンド実行システム、装置、又はデバイスに使用されるために、いかなるコンピュータ読取可能媒体にも具体的に実現されることが可能である。本明細書において、「コンピュータ読取可能媒体」は、コマンド実行システム、装置、デバイス、又はこれらのコマンドを組み合わせて実行するシステム、装置又はデバイスが使用できるように提供するため、プログラムを格納、記憶、通信、伝搬又は伝送する装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能媒体のより具体的例(非網羅的なリスト)として、1つ又は複数の布配線を含む電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスク(磁気装置)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、リード・オンリー・メモリ(ROM)、消去書き込み可能リード・オンリー・メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を少なくとも含む。また、コンピュータ読み取り可能媒体は、そのうえで前記プログラムを印字できる紙又はその他の適切な媒体であってもよく、例えば紙又はその他の媒体に対して光学的スキャンを行い、そして編集、解釈又は必要に応じてその他の適切な方式で処理して電子的方式で前記プログラムを得、その後コンピュータメモリに記憶することができるためである。
【0056】
本発明の実施形態において、コンピュータ読取可能信号媒体は、コンピュータ読取可能なプログラムコードを搬送するベースバンド又は搬送波の一部として伝送されるデータ信号を含むことができる。このような伝送されるデータ信号は複数の形を採用することができ、電磁信号、光信号、又はこれらの組み合わせを含むが、それらを限定するものではない。コンピュータ読取可能な信号媒体は、コンピュータ読取可能記憶媒体以外のいかなるコンピュータ可読媒体であってもよく、当該コンピュータ可読媒体は、コマンド実行システム、入力法又は機器に使用され、又は組み合わせて使用するプログラムを送信、伝播、又は伝送することができる。コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは、いかなる適切な媒体でも伝送することができ、無線、ケーブル、光ファイバー、無線周波数(Radio Frequency、RF)等々、又は上記の任意の組み合わせを含むが、それらを限定しない。
【0057】
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせによって実現されることができる。上記実施形態において、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶された、適当なコマンド実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実施されることができる。例えば、ハードウェアによって実現するとした場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対して論理機能を実現する論理ゲート回路を有する離散論理回路、適切な混合論理ゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(GPA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などといった本技術分野において公知である技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現される。
当業者は、上記の実施形態における方法に含まれるステップの全部又は一部を実現するのは、プログラムによって対応するハードウェアを指示することによって可能であることを理解することができる。前記プログラムは、コンピュータ読取可能な媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行されるとき、方法の実施形態に係るステップのうちの1つ又はそれらの組み合わせを含むことができる。
【0058】
また、本発明の各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてよく、別個の物理的な個体であってもよく、2つ又は3つ以上のユニットが1つのモジュールに統合されてもよい。上記の統合モジュールは、ハードウェアで実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールで実現されてもよい。上記の統合モジュールが、ソフトウェア機能モジュールで実現され、しかも独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよい。前記記憶媒体は読取専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスク等であってもよい。
【0059】
上記の記載は、単なる本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はそれに限定されることなく、当業者が本発明に開示されている範囲内において、容易に想到し得る変形又は置換は、全て本発明の範囲内に含まれるべきである。そのため、本発明の範囲は、記載されている特許請求の範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10