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特許7232799ペースト状フィラー材料のための組成物、ペースト状フィラーおよびペースト状フィラー材料を製造するための方法
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  • 特許-ペースト状フィラー材料のための組成物、ペースト状フィラーおよびペースト状フィラー材料を製造するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】ペースト状フィラー材料のための組成物、ペースト状フィラーおよびペースト状フィラー材料を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 17/00 20060101AFI20230224BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20230224BHJP
   A01N 33/20 20060101ALI20230224BHJP
   C09C 1/30 20060101ALI20230224BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
C09D17/00
A01N43/80 102
A01N33/20 101
C09C1/30
A01P3/00
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020158561
(22)【出願日】2020-09-23
(62)【分割の表示】P 2017533427の分割
【原出願日】2015-06-25
(65)【公開番号】P2021066867
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2014/003458
(32)【優先日】2014-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510094539
【氏名又は名称】クナウフ ギプス カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ヴィングス,ノルベルト
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06200380(US,B1)
【文献】特表2003-518544(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0098286(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0350172(US,A1)
【文献】国際公開第2014/074696(WO,A1)
【文献】特開昭58-219968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 17/00
A01N 43/80
A01N 33/20
C09C 1/30
A01P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合剤、フィラー、および添加剤を含む、軽量ペースト状フィラー材料のための組成物であって、該組成物は、液体炭化水素、修飾脂肪酸誘導体、非イオン性乳化剤、およびシリコーンオイルのブレンドからなる添加剤を0.1~0.4重量%さらに含み、軽量ペースト状フィラーの比重が、1.2kg/l未満である、前記組成物。
【請求項2】
フィラーが、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムカルシウム、硫酸カルシウム、および層状シリカ材料、またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
層状シリカ材料が、イライト群のカオリンを含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
組成物が、1~4重量%のパリゴルスカイトを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
組成物が、パーライトを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
組成物が、2~40重量%のパーライトを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
パーライトが、200μm未満の平均粒径d98を有する、微粒子化および膨張パーライトである、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
液体炭化水素が、直鎖または分岐の炭素鎖を有する一般式C2n+2(式中、n=5~15)で表される飽和炭化水素および一般式C2nで表される5および6員環から構成されるシクロアルカン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
修飾脂肪酸誘導体が、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、脂肪アルコキシレート、脂肪ポリグリコール-エーテル、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
非イオン性乳化剤が、脂肪アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
シリコーンオイルが、シリコーン-酸素原子の繰り返しおよび有機性側鎖を有する液体重合シロキサン、ここで該側鎖が、アルキルおよびフェニル基を含み、四価のシリコン中心に付着しているおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
組成物が、添加剤として、修飾されたセルロース、デンプン、殺生物剤、または殺真菌剤をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
デンプンが、修飾されたデンプンである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
修飾されたデンプンが、一般式C2n+1O(式中、n=2~5)で表されるアルキレンオキシドで修飾されたエーテル化デンプンである、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物から作製される、ペースト状フィラー。
【請求項16】
ペースト状フィラーが、物理的に乾燥するスプレーフィラーである、請求項15に記載のペースト状フィラー。
【請求項17】
請求項15に記載のペースト状フィラーを製造する方法であって、前記方法は、2段階のプロセスに基づき、これによれば、第一の工程において、乾燥成分が均一化され、第二の工程において、均一化された乾燥成分が、水性または水で希釈可能な成分に添加される、前記方法。
【請求項18】
二段階プロセスの第一および第二の工程が、加工時間の80%を超えて、並行して実施されてもよい、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれの独立クレームに記載の、ペースト状フィラー材料のための組成物、ペースト状フィラー、およびペースト状フィラー材料を製造するための方法に関する。
【0002】
先行技術において、ムラをなくすため、そして、別の層がその上に適用されるようにプライマー層としてさらに機能するために、結合部を充填するための、または、壁などの表面に適用するための、基本的に2種類のフィラーが公知である。すなわち、一方では、粉末フィラーが存在し、他方では、粉末フィラーが使用前に水と混合される必要があるのに対して使用する準備ができているという利点を有するペースト状フィラーが存在する。粉末フィラーと比較して、ペースト状フィラーは、水または他の材料を全く添加することなく使用できることに加えて、これらは、加工特性が修飾または劣化することなく、何か月にわたり貯蔵できるというさらなる利点を有する。
【0003】
ポリマーバインダー、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン-酢酸ビニル、ポリアクリレート、および/またはポリビニルアルコールが、水性分散物としてまたは再分散可能な粉末として使用される。バインダーは、フィラー材料の成分を結合させ、壁などの基材にフィラーを接着結合させるという機能を有する。
【0004】
フィラー粒子として、通常鉱物起源の、節状および層状材料が使用される。フィラー粒子は、コーティングの枠組みまたは骨格を形成し、したがって、添加されるフィラー材料の量に依存して、層の厚さおよびシンク特性に寄与する。主なフィラー材料は、天然の炭酸カルシウムまたは炭酸マグネシウムカルシウム(ドロマイト)である。
【0005】
添加剤として、硬化剤および殺生物剤が通常使用される。増粘剤は、フィラーの粘性が一定に維持されるという効果を有し、一年までの期間にわたり貯蔵される場合に一定の加工可能性を保証する、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロースのようなセルロースベースの添加剤であってもよい。
【0006】
殺生物剤は、細菌の混入を防ぐために添加され、最後に、殺真菌剤は、真菌の感染を妨げるために添加される。
大部分のペースト状フィラー材料は、例えば、こてによって、手で適用される。必要な場合、フィラー材料を使用するヒトは、加工可能性を促進および改善するために水を添加する。
【0007】
化学的建材の加工に関して機械化を増加させるために、加工機械において使用できるペースト状フィラー材料が開発されている。詳細には、これに関して、最大で3mmの層厚で表面に適用することができ、壁塗装または壁紙などのさらに引き続いて適用される層のための基材として作用する、スプレーフィラー材料が開発されている。
【0008】
しかしながら、先行技術から公知の鉱物基礎上のスプレーフィラーは、以下の欠点を有する:噴霧によってペースト状材料を適用する際、通常、水圧噴霧の方法または「無気適用(airless application)方法」が使用される。しかしながら、無気適用についての重要な要求は、均一なペースト状材料は、一旦それが噴霧の間にスプレーノズルを介して移動すると、せん断応力の低下が要求されるということである。したがって、ペースト状スプレーフィラーは、せん断の低下(thinning)に影響する機械的な均一化によって、表面または結合部に適用される前に適切に調製される必要がある。このさらなる手順は、総加工時間の実質的な増加を生じる。
【0009】
さらに、先行技術から公知のペースト状スプレーフィラーおよびプラスター材料において、通常、有機成分は、その機械的加工性を保証するために組み入れられる。しかしながら、有機成分の使用は、通常、屋内に関してかかる製品を使用するのを制限する放出物および悪臭公害を伴う。さらに、有機成分は、燃焼挙動に関して危機的である。
【0010】
ペースト状スプレーフィラーは、さらなるコーティング、例えば、装飾コーティングのための均一な表面を提供するために、表面の不均一を一定にする機能を有するべきである。機械的な噴霧デバイスにおいて使用されるのにきわめて十分に適している多数のペースト状フィラーは、この補償機能を提供することができずにさらなる加工工程が必要となるか、または、悪臭および排出に関する上記言及された不利益またはよくない燃焼挙動を伴う。
【0011】
とくに米国特許第6,545,066号に記載されるように、軽量ペースト状フィラーは、最終製品の比重を減少させるために、微小パーライトのような球形のケイ酸産物を含有し、製品の表面積量を増加させる。軽量ペースト状フィラーは、数日または数週間で、増粘(後)までおよび貯蔵後の気泡の発生まで徐々に進む。気泡の発生および増粘は、機械適用の間に、特に「無気適用方法」で、問題を生じる。
【0012】
最終的に、軽量ペースト状フィラー材料がその後の装飾コーティングのための基材層として使用される場合、非常に高い輝度および高い乾燥能力を有する製品が使用される必要がある。
【発明の概要】
【0013】
したがって、容易に機械加工でき、良好な亀裂および収縮耐性を提供することができるペースト状フィラー材料のための組成物を提供することが、本発明の目的である。対応するペースト状フィラー材料およびかかる軽量ペースト状フィラー材料を製造するための方法を提供することもまた、本発明の目的である。有利には、フィラー材料は軽量であり、ハンドリングおよび適用の利点ならびに出力効率(1kgあたりより大きい平方メートル)を提供する。
【0014】
この目的は、結合剤、フィラーおよび添加剤を含むペースト状フィラー材料のための組成物であって、液体炭化水素、修飾された脂肪成分、特に修飾された脂肪酸誘導体、非イオン性乳化剤、およびシリコーンオイルのブレンドからなる添加剤を0.1~0.4重量%さらに含む、前記組成物によって解決される。本発明の好ましい態様は、それぞれの独立クレームにおいて規定されている。
【0015】
本発明の組成物は、特に無気噴霧適用において、さらなる加工または先行する調製工程なしで使用できるペースト状フィラーを提供する。かかるペースト状フィラーは、容易に手で加工することができ、良好な亀裂および伸縮耐性を提供することができる。さらに、これは、液体炭化水素、修飾された脂肪酸誘導体、非イオン性乳化剤、およびシリコーンオイルのブレンドからなる添加剤を使用するので、長い期間にわたるフィラーの優れた加工性が保証される。この添加剤の脂肪族炭化水素成分は、抗発泡/通気効果を有する。これにより、フィラー材料の貯蔵の間に発生する気泡が除去される。
【0016】
最終的に、脂肪族炭化水素は、噴霧可能なフィラー材料のフロー特徴を改善する。これは、連続する材料輸送、例えば無気方法を実施することを、適用の前の機械的な均一化なしで可能にする。一般に、これは、高い適用の厚さを達成することを可能にする。
【0017】
本発明の好ましい態様によれば、液体炭化水素は、一般式C2n+2(式中、n=5~15)を有する飽和炭化水素、および、一般式C2nを有する5および/または6員環から構成されるシクロアルカン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。飽和炭化水素は、直鎖もしくは分岐の炭素鎖または両方を含む。
【0018】
好ましくは、修飾された脂肪酸化合物は、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、アルコキシレート、ポリグリコール-エーテル、脂肪酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0019】
非イオン性乳化剤としては、脂肪アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オレイルアルコール、およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物を有利に使用することができる。
シリコーンオイルは、好ましくは、シリコーン-酸素原子の繰り返しおよび有機性側鎖を有する液体重合シロキサンからなる群から選択される。側鎖は、アルキルおよびフェニル基ならびにその混合物を含み、四価のシリコン中心に付着する。
【0020】
本発明によれば、物理的に乾燥するペースト状フィラー材料のための組成物において、結合剤は、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリアクリレート、およびポリビニルアルコール、またはその任意の組み合わせからなる群から選択できるポリマーバインダーである。
好ましくは、ポリマーバインダーは、水性分散物としてまたは再分散可能な粉末として、組成物に添加される。
【0021】
本発明のさらなる好ましい形態によれば、フィラーは、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムカルシウム、硫酸カルシウム、および層状シリカ材料、またはその任意の組み合わせからなる群から選択される。
好ましくは、組成物は、40~70重量%のフィラーを含む。
【0022】
層状シリカ材料が、イライト群のカオリンを含む場合も有利である。特に好ましい場合、カオリンおよび球形ケイ酸カルシウムアルミニウムは、1:2の比率で組成物に含まれる。層状シリカ材料は、好ましくは、プレートレット(platelet)形状を描く。
本発明の別の好ましい形態において、組成物は、1~4重量%のパリゴルスカイトを含む。これはまた、上記記載の特に平らおよび均一な表面構造の効果を提供する。
【0023】
好ましくは、組成物は、軽量ペースト状フィラー材料を提供するために、重量を減少させるためのパーライトを含む。一つの特定の例において、組成物は、2~40重量%の膨張パーライト(例えば、微粒子化および/または膨張パーライト)を含む。
微粒子化された膨張パーライトは、200μmよりも小さい、好ましくは、100μmよりも小さい、平均粒径d98を有するものである。平均粒径は、粒子の境界の線形切片を利用することにより決定される。特に、平均粒径d50は、20~80μm、好ましくは、40~50μmである。
【0024】
本発明のなおさらなる好ましい態様によれば、組成物は、添加剤として、修飾されたセルロースおよび殺生物剤をさらに含む。
修飾されたセルロースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースからなる群から選択されてもよい。さらに、組成物が0.1~0.7重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび/またはヒドロキシエチルセルロースを含む場合、好ましい。
【0025】
殺生物剤は、2-メチル-2H-イソチアゾリン-3-オン(MIT)および2-ブロモ-2-ニトロポパン-1.3-ジオール(NBPD)に基づいて組成物に添加されてもよい。
組成物が0.1~1重量%の殺生物剤を含む場合もまた好ましい。
さらに、別の好ましい態様によれば、組成物は、イソプロピニルブチルカルバメート(IPBC)に基づいて組成物に添加される殺真菌剤を、0.01~0.03重量%で含む。
【0026】
本発明によれば、上記組成物から作製される、ペースト状フィラー、特に、物理的に乾燥するスプレーフィラーがまた提供される。本発明のフィラーは、その組成物に関して、すでに上記されている利点を提供する。
好ましくは、ペースト状フィラーの比重は、1.2kg/l未満である。特に、1kg/l未満であるのが好ましい。このペースト状フィラーは、軽量ペースト状フィラーであると考えられる。
【0027】
本発明のさらなる好ましい態様によれば、適用直後の1~3mmの層の厚さは、乾燥後、75%~85%の層の厚さまで収縮する。
本発明はまた、ペースト状フィラー、特に、上に特定されるような軽量ペースト状フィラーを製造する方法を提供する。この方法は、二段階のプロセスに基づいており、これによれば、第一の工程において、乾燥成分が均一化され、第二の工程において、均一化された乾燥成分は、水性または水希釈可能な成分に添加される。本発明の方法によって、上記の利点を有するペースト状フィラーを提供することができる。
【0028】
好ましくは、二段階処理の第一および第二の工程は、80%を超える加工時間の間、並行して実施され得る。したがって、並行加工により、加工時間が節約され、したがって、方法は経済的となる。
得られたペースト状フィラーは、一般に、最新技術から公知の全ての方法によって、例えば、機械的ツールの補助によって、または、機械加工によって、適用することができる。機械加工が好ましい。
本発明のさらなる詳細および特徴は、以下の図面と関連する以下の説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の態様による、ペースト状フィラー材料のコーティングを有する表面の、こてを用いる平滑化仕上げの前後の写真を示す。
図2図2は、本発明の態様による、ペースト状フィラー材料のコーティングの別のスチール写真を示す。
図3図3は、ペースト状フィラー材料の本発明の態様における、層状フィラー粒子のカードハウス構造の例示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の態様による、ペースト状フィラー材料1のコーティングを有する表面の、こてを用いる平滑化仕上げの前後の写真を示し、ここで、示された上方の長方形の領域は、フィラーの噴霧適用直後の表面を示し、下方の長方形の領域は、こての手段によりさらに平滑化された仕上げ表面を示す。スプレーフィラーの適用は、水圧噴霧プロセス、すなわち、無気方法の手段で実施する。このために、ピストンポンプまたはスパイラルポンプが使用され得る。通常、ピストンポンプの使用が好ましい。なぜなら、後者を使用する場合、ハイスループットの平らかつ均一の材料の適用が達成できるからである。実際には、材料は、平らな噴霧コーンを用いて表面上に噴霧される。これにより、均一な構造を有する表面が得られ、これは、幅の広いこての手段により伸ばされ、コーティング仕上げを得ることができる。
【0031】
図2は、本発明の態様による、軽量ペースト状フィラー材料1のコーティングのなお別のスチール写真を示し、これは、プラスター層3で最初にコーティングされているインサイチュコンクリート2から作製された表面上に適用された図4に示される例と対照的である。ここで、軽量ペースト状フィラー材料1を用いる新たなコーティングのための一回のみの適用で十分であり得るが、各々3mm未満の層の厚さを有する二回のコーティングが好ましい。
【0032】
図3は、カードハウス構造の例示を示す。カオリンはプレート形状の形態を有するので、電荷分布に起因して、カードハウス構造をプレートレットによって形成することができ、コーティングされるべき表面における欠陥部位を平らにし、そして、基材からフィラー材料が滑り落ちることなく高い適用層の厚さに達する。
【0033】
先行技術から公知の組成物の例と比較した、本発明の態様による軽量ペースト状フィラー材料1のための軽量ペーストフィラー組成物の特徴を、以下の表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
本発明による組成物を有する軽量ペースト状噴霧可能フィラー材料は、高せん断速度において比較可能に低いせん断応力を依然として有する均一な物質を提供する。
図1
図2
図3