(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】複合シートの製造方法及び複合シートの製造装置
(51)【国際特許分類】
B32B 3/26 20060101AFI20230224BHJP
B32B 3/28 20060101ALI20230224BHJP
B29C 65/08 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
B32B3/26 Z
B32B3/28 A
B29C65/08
(21)【出願番号】P 2020198960
(22)【出願日】2020-11-30
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 海
(72)【発明者】
【氏名】丸山 浩志
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 数馬
(72)【発明者】
【氏名】黒田 圭介
【審査官】大村 博一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-175689(JP,A)
【文献】特開2009-089965(JP,A)
【文献】特開2014-018647(JP,A)
【文献】特開2018-099793(JP,A)
【文献】特開2014-034145(JP,A)
【文献】特開2017-043853(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B29C 63/00-63/48
B29C 65/00-65/82
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シート及び第2シートが接合した複数の接合部を有し、第1シートにおける前記接合部以外の少なくとも一部が、第2シート側と反対側に突出した凸部を形成しており、且つ前記接合部に貫通孔を有する複合シートの製造方法であって、
互いに噛み合う凹凸を周面に有する第1ロール及び第2ロールを、両ロールの噛み合い状態下に互いに逆方向に回転させながら、両ロールの噛み合い部に第1シートを導入して該第1シートを凹凸形状に変形させる賦形工程と、
凹凸形状に変形させた第1シートを、第1ロールの周面に保持しつつ搬送し、搬送中の第1シートに第2シートを重ね合わせる重ね合わせ工程と、
重ね合わされた第1シート及び第2シートを、第1ロールの凸部と融着機との間に挟んで両シートが融着してなる複数の前記接合部が形成されてなる接合シートを得る接合部形成工程と、
前記接合シートにおける前記接合部の位置が、周面に凹部を有するアンビルロールにおける該凹部の位置と一致するように、該接合シートを該アンビルロールの周面に受け渡す受け渡し工程と、
前記アンビルロールにおける前記凹部に対応する穿孔ピンを周面に有するピンロールと前記アンビルロールとの間に前記接合シートを導入し、前記凹部に前記穿孔ピンを刺入することにより前記接合シートの前記接合部に前記貫通孔を形成して前記複合シートを得る刺入工程と、
を含む複合シートの製造方法。
【請求項2】
前記刺入工程において、前記接合シートにおける第1シート側から前記穿孔ピンを刺入する請求項1に記載の複合シートの製造方法。
【請求項3】
第1シート及び第2シートが接合した複数の接合部を有し、第1シートにおける前記接合部以外の少なくとも一部が、第2シートと反対側に突出した凸部を形成しており、且つ前記接合部に貫通孔を有する複合シートの製造装置であって、
互いに噛み合う凹凸を周面に有し且つ回転軸が互いに平行になるように配置された第1ロール及び第2ロールと、
前記第1ロールの周面に対向するように配置された融着機と、
前記第1ロールの凸部に対応する凹部を周面に有し且つ前記第1ロールの回転軸と平行な回転軸を有するように配置されたアンビルロールと、
前記アンビルロールの凹部に対応する穿孔ピンを周面に有し且つ該アンビルロールの回転軸と平行な回転軸を有するように配置されたピンロールと、
を備え、
第1ロールから前記アンビルロールに受け渡されるシートの位相にずれが発生することを阻止する位相ずれ阻止部が、該前記アンビルロールの周面に設けられている、複合シートの製造装置。
【請求項4】
前記位相ずれ阻止部は、前記アンビルロールの周面に前記シートを吸引保持する構造を有するか又は該アンビルロール周面に該シートを摩擦力によって保持する構造を有する請求項3に記載の製造装置。
【請求項5】
前記アンビルロールにおける前記凹部に吸引孔を有し、該吸引孔を通じて該アンビルロールの外部から内部へ向けて空気を吸引することで該アンビルロールの周面に該シートを吸引保持するように構成されている請求項3又は4に記載の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合シートの製造方法及び複合シートの製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、第2ロールにより賦形された第1シートを第1ロール上で第2シートと重ね合わせ、第1ロールとアンビルロールとの噛み合い部において溶着して複合シートを得て、さらに、得られた複合シートを第1ロール上で搬送しつつ、アンビルロールよりも下流側に設けられた開孔ロールの穿孔部により、第1ロール上において、複合シートの賦形凸部に開孔を形成する技術が開示されている(同文献段落[0024]~[0040]、
図2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術では、複合シートを第1ロールに沿わせたまま溶着工程及び開孔工程を行うため、複合シートの溶着部分に貫通孔を形成することができなかった。
【0005】
したがって、本発明の課題は、複数のシートを重ね合わせて溶着して得られる複合シートの溶着接合部分に貫通孔が形成された複合シートを得ることに関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1シート及び第2シートが接合した複数の接合部を有し、第1シートにおける前記接合部以外の少なくとも一部が、第2シート側と反対側に突出した凸部を形成しており、且つ前記接合部に貫通孔を有する複合シートの製造方法であって、互いに噛み合う凹凸を周面に有する第1ロール及び第2ロールを、両ロールの噛み合い状態下に互いに逆方向に回転させながら、両ロールの噛み合い部に第1シートを導入して該第1シートを凹凸形状に変形させる賦形工程と、凹凸形状に変形させた第1シートを、第1ロールの周面に保持しつつ搬送し、搬送中の第1シートに第2シートを重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わされた第1シート及び第2シートを、第1ロールの凸部と融着機との間に挟んで両シートが融着してなる複数の前記接合部が形成されてなる接合シートを得る接合部形成工程と、前記接合シートにおける前記接合部の位置が、周面に凹部を有するアンビルロールにおける該凹部の位置と一致するように、該接合シートを該アンビルロールの周面に受け渡す受け渡し工程と、前記アンビルロールにおける前記凹部に対応する穿孔ピンを周面に有するピンロールと前記アンビルロールとの間に前記接合シートを導入し、前記凹部に前記穿孔ピンを刺入することにより前記接合シートの前記接合部に前記貫通孔を形成して前記複合シートを得る刺入工程と、を含む複合シートの製造方法を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、第1シート及び第2シートが接合した複数の接合部を有し、第1シートにおける前記接合部以外の少なくとも一部が、第2シートと反対側に突出した凸部を形成しており、且つ前記接合部に貫通孔を有する複合シートの製造装置であって、互いに噛み合う凹凸を周面に有し且つ回転軸が互いに平行になるように配置された第1ロール及び第2ロールと、前記第1ロールの周面に対向するように配置された融着機と、前記第1ロールの凸部に対応する凹部を周面に有し且つ前記第1ロールの回転軸と平行な回転軸を有するように配置されたアンビルロールと、前記アンビルロールの凹部に対応する穿孔ピンを周面に有し且つ該アンビルロールの回転軸と平行な回転軸を有するように配置されたピンロールと、を備え、第1ロールから前記アンビルロールに受け渡されるシートの位相にずれが発生することを阻止する位相ずれ阻止部が、該前記アンビルロールの周面に設けられている、複合シートの製造装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複合シートの接合部に貫通孔を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の複合シートの製造方法及び装置により製造される複合シートの一例を示す要部斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す複合シートを第1シート側から見た拡大平面図である。
【
図3】
図3は、複合シートの製造装置の概略構成を説明するための図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す第1ロールの要部を拡大して示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図3に示す超音波融着機の腰部を示す図であり、
図3中の左側から見た状態を示す図である。
【
図6】
図6は、アンビルロールの周面の凹部の構成を説明するための上面図である。
【
図7】
図7は、アンビルロールの周面の凹部の他の構造を説明するための上面図である。
【
図8】
図8は、複合シートの接合部とアンビルロールの凹部との関係を説明するための図である。
【
図9】
図9は、穿孔ピンの大きさについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。まず、本発明の複合シートの製造方法又は製造装置により製造される複合シートについて、
図1を参照しつつ説明する。
【0011】
図1に示す複合シート10は、本実施形態の複合シートの製造方法又は製造装置により製造される複合シートの一例である。
図1に示すように、第1シート1及び第2シート2が接合した複数の接合部4を有し、第1シート1における接合部4以外の部分の少なくとも一部が、第2シート2側とは反対側に突出した凸部5を形成している。
【0012】
複合シート10は、吸収性物品の表面シート等として好ましく用いられる。吸収性物品の表面シートとして用いられるときには、第1シート1が、着用者の肌側に向けられる面を形成し、第2シート2が、着用時に吸収体側に向けられる面を形成する。
【0013】
凸部5及び接合部4は、複合シート10の面と平行な一方向であるX方向に、交互に且つ一列をなすように配置されており、そのような列が、複合シート10の面と平行で且つX方向に直交する方向であるY方向に、多列に形成されている。互いに隣接する列における凸部5及び接合部4は、それぞれ、X方向にずれて配置されており、より具体的には、半ピッチずれて配置されている。
【0014】
複合シート10において、Y方向は、製造時における流れ方向(MD方向、搬送方向)と一致し、X方向は、製造時における流れ方向に直交する方向(CD方向、幅方向)と一致している。
【0015】
第1シート1及び第2シート2は、シート材料から構成されている。シート材料としては、例えば、不織布、織布及び編み地などの繊維シートや、フィルムなどを用いることができ、肌触り等の観点から繊維シートを用いることが好ましく、特に、不織布を用いることが好ましい。第1シート1と第2シート2とを構成するシート材料の種類は同じであっても、異なっていてもよい。
【0016】
第1シート1及び第2シート2を構成するシート材料として不織布を用いる場合の不織布としては、例えば、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、メルトプローン不織布、レジンボンド不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。これらの不織布を2種以上組み合わせた積層体や、これらの不織布とフィルム等とを組み合わせた積層体を用いることもできる。
【0017】
不織布を構成する繊維としては、各種の熱可塑性樹脂からなる繊維を用いることができる。不織布以外のシート材料としても、構成繊維や構成樹脂が、各種の熱可塑性樹脂からなるものが好ましく用いられる。
【0018】
複合シート10は、
図1に示されるように、第1シート1側の面に、X方向及びY方向の両方向において凸部5に挟まれた多数の凹部3を有しており、個々の凹部3の底部に、貫通孔14を有する接合部4が形成されている。複合シート10は、全体として見ると、第1シート1側の面に、凹部3と凸部5とからなる起伏の大きな凹凸を有し、第2シート2側の面は、平坦であるか、第1シート1側の面に対して相対的に起伏が小さい略平坦面となっている。
【0019】
複合シート10における個々の接合部4は、
図2に示すように、Y方向に長い、略長方形状の平面視形状を有しており、それぞれの内側に、平面視形状が略長方形状の貫通孔14が形成されている。すなわち、個々の接合部4は、貫通孔14を囲む環状に形成されている。貫通孔14は、一つの接合部4に一つのみ形成されていることが好ましく、接合部4の位置との関係において予め決められた特定の位置に形成されていることが好ましい。また、貫通孔14は、平面視形状が接合部4の外周縁の平面視形状と相似形であっても相似形でなくてもよいが、相似形であることが好ましい。
【0020】
接合部4においては、第1シート1及び第2シート2の少なくとも一方を構成する熱融着性樹脂が溶融固化していることによって第1シート1と第2シート2とが結合している。第1シート1及び第2シート2が、不織布等の繊維シートから構成されている場合、接合部4においては、第1シート1及び第2シート2の構成繊維は、溶融するか溶融した樹脂に埋没して、目視においては繊維状の形態を観察できないこと、すなわち、外観上フィルム化した状態となっていることが好ましい。
【0021】
次に、本実施形態の複合シートの製造方法について説明する。本実施形態においては、
図3に示す複合シートの製造装置20を用いて複合シート10を製造する。
【0022】
複合シートの製造装置20は、第1ロール31、第2ロール32、アンビルロール33、ピンロール36及び超音波処理部40を備える。
【0023】
第1ロール31及び第2ロール32は、周面に凹凸を有しており、両ロール(31,32)の凹凸は互いに噛み合うようになっている。第1ロール31及び第2ロール32を回転させながら、両ロール(31,32)の噛み合部に第1シート1を導入することにより、第1シート1が、第1ロールの周面の凹凸の形状に沿った形状に変形して賦形される。
【0024】
図4は、第1ロール31の要部を拡大して示す斜視図である。
図4には、第1ロール31の周面の一部が示されている。第1ロール31は、所定の歯幅を有する平歯車31a,31b,・・・を複数枚組み合わせてロール形状にしたものである。各歯車の歯が、第1ロール31の周面における凹凸形状の凸部35を形成しており、凸部35の先端面35cが、超音波融着機41の超音波ホーン42の先端面42tとの間で、接合対象である第1シート1及び第2シート2を加圧する加圧面となっている。
【0025】
各歯車の歯幅(歯車の軸方向の長さ)は、複合シート10の凸部5におけるX方向の寸法を決定し、各歯車の歯の厚み(歯車の回転方向の長さ)は、複合シート10の凸部5におけるY方向の寸法を決定する。隣り合う歯車は、歯のピッチが半ピッチずれるように組み合わされている。その結果、第1ロール31は、周面が凹凸形状となっている。各凸部35の先端面35cは、第1ロール31の回転方向が長辺で、軸方向が短辺の矩形状となっている。先端面35cは、回転方向の方が長い形状であると、第1ロール31の凸部35一つにおける超音波ホーン42の先端面42tとの接触時間を長くして温度を上げやすくすることができるので好ましい。
【0026】
第1ロールにおける各歯車の歯溝部は、第1ロール31の周面における凹凸の凹部を形成している。各歯車の歯溝部の底部には、吸引孔34が形成されている。吸引孔34は、ブロワや真空ポンプなどの吸引源(不図示)に通じ、第1ロール31と第2ロール32との噛み合い部から、第1シート1と第2シート2との合流部までの間で吸引が行われるように制御されている。したがって、第1ロール31と第2ロール32との噛み合いによって凹凸形状に変形された第1シート1は、吸引孔34による吸引力によって、第1ロール31の凹凸に沿った形状に変形した状態に維持された状態で、第1シート1と第2シート2との合流部及び超音波融着機41による超音波振動のピンロール36(印加部)に搬送される。
【0027】
この場合、
図4に示すように、隣り合う歯車間に所定の空隙Gを設けておくと、第1シート1に無理な伸長力を加えたり、第1ロール31及び第2ロール32の噛み合い部で、第1シート1を切断したりすることを抑制することができ、第1シート1を第1ロール31の周面に沿った形状に変形させ得るので好ましい。
【0028】
第2ロール32は、周面に、第1ロール31の周面の凹凸と互いに噛み合う凹凸形状を有している。第2ロール32は、吸引孔34を有しない以外は、第1ロール31と同様の構成を有している。そして、互いに噛み合う凹凸を有する第1ロール31及び第2ロール32を回転させながら、両ロール(31,32)の噛み合い部に、第1シート1を導入することにより、第1シート1を凹凸形状に変形させて、賦形させることができる。噛み合い部においては、第1シート1の複数箇所が、第2ロール32の凸部によって、第1ロール31の周面の凹部に押し込まれ、その押し込まれた部分が、製造される複合シート10の凸部5となる。第2ロール32の周面には、第1ロール31の凹部に挿入される複数の凸部が形成されているが、第2ロール32に、第1ロール31の凹部のすべてに対応する凸部が形成されていることは必須ではない。なお、第2ロールは、幅方向の少なくとも一部に凹凸のない領域があってもよい。
【0029】
超音波処理部40は、
図3に示すように、超音波ホーン42を有した超音波融着機41を備えており、凹凸形状に変形させた状態の第1シート1上に第2シート2を重ね合わせた後、重ね合わされた両シート(1,2)を、第1ロール31の凸部と超音波ホーン42との間に挟んで部分的に超音波振動を印加し、接合部4を形成する。
【0030】
超音波融着機41は、
図3及び
図5に示すように、超音波発振器(不図示)、コンバータ43、ブースタ44及び超音波ホーン42を有している。超音波発振器は、コンバータ43と電気的に接続されており、超音波発振器により発生された周波数15kHz~50kHz程度の波長の高電圧の電気信号が、コンバータ43に入力される。
【0031】
コンバータ43は、ピエゾ圧電素子等の圧電素子を内蔵し、超音波発振器から入力された電気信号を、圧電素子により機械的振動に変換する。ブースタ44は、コンバータ43から発せられた機械的振動の振幅を調整、好ましくは、増幅して超音波ホーン42に伝達する。超音波ホーン42は、アルミ合金やチタン合金などの金属の塊でできており、使用する周波数で正しく共振するように設計されている。ブースタ44から超音波ホーン42に伝達された超音波振動は、超音波ホーン42の内部においても増幅又は減衰されて、接合対象である第1シート1及び第2シート2に印加される。このような超音波融着機41としては、市販の超音波ホーン、コンバータ、ブースタ、超音波発振器を組み合わせて用いることができる。
【0032】
超音波融着機41は、可動台(不図示)に固定されている。第1ロール31の周面に近づく方向に向かって可動台の位置を進退させることにより、超音波ホーン42の先端面42tと、第1ロール31の凸部35の先端面35cとの間のクリアランス及び積層された第1シート1及び第2シート2に対する加圧力を調整することができる。
【0033】
そして、第1ロール31の凸部35の先端面35cと超音波融着機41の超音波ホーン42の先端面42tとの間に挟んで加圧しながら、接合対象である第1シート1及び第2シート2に超音波振動を印加することにより、第1シート1における、凸部35の先端面35c上に位置する部分のそれぞれが、第2シート2に融着し、接合部4が形成される。
【0034】
好ましい実施形態において、複合シートの製造装置20は、第1ロール31内に配置されたヒータ(不図示)を有する予熱手段(不図示)を備えている。より具体的には、第1ロール31内に配置されたヒータ等の加熱手段、超音波振動を印加する前のシートの温度を計測可能な測温手段(不図示)及び測温手段の測定値に基づき、ヒータの温度を制御する温度制御部(不図示)を備えている。測温手段による測定値に基づき、ヒータによる第1ロール31の周面の加熱温度を制御することにより、超音波振動を印加される直前の第1シート1の温度を、所定の温度に高精度に制御することができる。
【0035】
好ましい実施形態において、ヒータは、第1ロール31の回転軸の周囲における外周部の近傍に、周方向に間隔を設けて複数配置されている。ヒータによる第1ロール31の周面の加熱温度は、温度制御部によって制御されており、複合シートの製造装置20の運転中、超音波振動のピンロール36に導入される第1シート1の温度を、所定の範囲の温度に維持することができる。
【0036】
予熱手段は、加熱対象物に外部から熱エネルギーを加えて加熱する加熱手段を備えることが好ましい。加熱手段としては、例えば、電熱線を用いたカートリッジヒータ等が挙げられるが、これに限られず、各種公知の加熱手段を特に制限なく用いることができる。超音波融着機41は、接合対象物に超音波振動を印加し、それにより接合対象を発熱及び溶融させて接合させるものであり、ここでいう加熱手段には含まれない。
【0037】
アンビルロール33は、第1ロール31の凸部35に対応する凹部33aを周面に有している。アンビルロール33は、第1ロール31の回転軸と平行な回転軸を有するように配置されている。また、アンビルロール33は、第1ロール31と同様に、吸引孔を有しており、第1ロールから受け渡された接合シート10aを吸引して、周面で保持する。また、アンビルロール33は、吸引孔の代わりに、周面での接合シート10aの滑りを防止する摩擦の高い部分を周面に有することにより、接合シート10aを周面で保持してもよい。このように、アンビルロール33においては、吸引と摩擦とを組み合わせることにより、接合シート10aを保持している。つまり、摩擦により、後述する穿孔ピン36aが接合シート10aに刺入される際に、凹部33a周囲の接合シート10aが引き込まれることを防ぐことができる。また、吸引により、接合シート10aの凹凸側にバリが発生するのを防止でき、さらに、穿孔ピン36aが接合シート10aから引き抜かれる際に、接合シート10aが穿孔ピン36aに引っ張られてアンビルロール33から離れることを防止できる。なお、第1ロール31とアンビルロール33とは、同一の駆動装置による駆動力により回転させてもよいし、別々の駆動装置による駆動力により回転させてもよい。
【0038】
ここで、
図6~
図8を参照して、アンビルロール33の周面の構造について説明する。
図6(a)に示したように、アンビルロール33の周面には、凹部33aが設けられた凹部領域33bと凹部33aが設けられていない高摩擦領域33cとが設けられている。同図に示した例では、アンビルロール33の中央に凹部33aが複数設けられた凹部領域33bが配置され、凹部領域33bの両側、アンビルロール33の周面の左右両側に高摩擦領域33cが配置されている。接合シート10aは、接合シート10aの接合部4が凹部領域33bの凹部33aに重なるように受け渡される。このように、アンビルロール33においては、接合シート10a(複合シート10)の長手方向及び幅方向に少なくとも一部凹部33aのない領域がある。
【0039】
次に、高摩擦領域33cについて説明する。通常、アンビルロール33の表面は摩擦の少ない、平滑面となっているため、凹部33aのない部分においては、第1ロール31からアンビルロール33へ受け渡された接合シート10aは、周面上を滑りやすくなっている。そのため、接合シート10aの接合部4の位置が、凹部33aの位置と重ならず、接合部4と凹部33aとの位相がずれ易くなる。そのため、アンビルロール33の周面の凹部領域33b以外の領域には、接合シート10aの位相ずれを阻止するために、位相ずれ阻止部として高摩擦領域33cが設けられている。位相ずれ阻止部としての高摩擦領域33cは、例えば、周面が高摩擦となるような表面処理がなされていたり、周面に抱かれた接合シート10aを吸引する機構が設けられていたりする領域である。また、高摩擦領域33cには、周面がザラザラとするような表面処理、例えば、複数の突起を設けたり、高摩擦のシートなどが巻き付けられたりするが、アンビルロール33の凹部領域33b及び高摩擦領域33cにおけるアンビルロール33の直径は、いずれの領域(33b,33c)においても同じとなるように調整されている。
【0040】
また、アンビルロール33の周面に設けられる凹部33aの配置パターンは、例えば、
図6(b)に示したように、アンビルロール33の軸方向(CD方向、接合シート10aの幅方向)に凹部33aが複数列並べられ、アンビルロール33の回転方向(MD方向、搬送方向)に凹部33aが交互に現れるパターンであってもよい。また、
図6(c)に示したように、アンビルロール33の回転方向(MD方向、搬送方向)に凹部33aが複数列並べられ、アンビルロール33の軸方向(CD方向、幅方向)に凹部33aが交互に現れるパターンであってもよい。凹部33aの配置パターンは、ここに例示したパターンには限定されず、接合シート10aに設けられる接合部4と凸部5との配置に応じて自由に設定できる。また、凹部33aのそれぞれの大きさは、一定でなくてもよく、異なっていてもよい。
【0041】
また、
図7(a)に示したように、凹部領域33bに設けられる凹部33aの直径(大きさ)は、全て同じ大きさ(均一な大きさ)であってもよい。また、
図7(b)に示したように、大小2種類の直径(大きさ)の凹部33aが交互に現れるものであってもよい。つまり、MD方向には、同じ大きさの凹部33aが並び、CD方向には、大きさの異なる凹部33aが交互に現れるように並んでいてもよい。さらに、
図7(c)に示したように、CD方向に凹部33aが間欠、
図7(a)の配置と比較して、CD方向に一列飛ばしで凹部33aが設けられてもよい。同様に、
図7(d)に示したように、MD方向に凹部33aが間欠、
図7(a)の配置と比較して、MD方向に一列飛ばしで凹部33aが設けられてもよい。なお、凹部33aの直径や配列は、
図7(a)~(d)に示したものには限定されない。例えば、
図7(b)においては、大小2種類の直径の凹部33aを例示したが、大中小3種類の直径の凹部33aや、4種類以上の直径の凹部33aが出現するものであってもよい。さらに、
図7(c)及び(d)においては、CD方向及びMD方向に一列飛ばしで凹部33aが出現する例を示したが、2列飛ばしや3列以上飛ばしたものであってもよい。
【0042】
図8(a)~(d)には、接合シート10a(複合シート10)の接合部4とアンビルロール33の凹部33aとの関係が示されている。
図8(a)に示したように、接合シート10aが、第1ロール31から受け渡されると、アンビルロール33の周面において、接合シート10aの全ての接合部4とアンビルロール33の凹部33aとの位置が重なるようになっている。
【0043】
次に、
図8(b)に示したように、接合シート10aの接合部4の数よりも凹部33aの数が多くてもよい。すなわち、
図8(a)と同様に、全ての接合部4は、アンビルロール33の凹部33aに重なるようになっているが、いくつかの凹部33aの上には、接合部4が重なっていない。これとは反対に、
図8(c)に示したように、接合部4の数よりも凹部33aの数が少なくてもよい。すなわち、CD方向に対して、凹部33aの列の数が、接合部4の列の数よりも少なくなっており、いくつかの接合部4は、凹部33aとは重なっていない。さらに、
図8(d)に示したように、後述するピンロール36の穿孔ピン36aが刺入されない凹部33aが設けられていてもよい。つまり、アンビルロール33の周面に設けられる凹部33aの数が、穿孔ピン36aの数よりも多くてもよい。
【0044】
ピンロール36は、アンビルロール33の凹部33aに対応する穿孔ピン36aを周面に有している。穿孔ピン36aは、アンビルロール33の凹部33aに刺入して、凹部33aの上に重なった接合部4に貫通孔14を形成する。また、ピンロール36は、アンビルロール33の回転軸と平行な回転軸を有するように配置されている。なお、第1ロール31、第2ロール32、アンビルロール33及びピンロール36の直径は、それぞれ同じであっても、異なっていてもよい。なお、ピンロール36を加熱しながら、穿孔ピン36aを接合シート10aに刺入して、貫通孔14を形成してもよい。
【0045】
図9(a)~(d)には、接合部4と貫通孔14などとの関係が示されている。
図9(a)は、アンビルロール33上の接合シート10aを示しており、
図9(b)~(d)は、
図9(a)の点線で囲まれた部分の部分拡大図となっている。
図9(b)には、アンビルロール33の凹部33aと接合部4とが示されており、凹部33aの直径の方が、接合部4の直径よりも大きい。
図9(c)には、アンビルロール33の凹部33a、接合部4及びピンロール36の穿孔ピン36aが示されており、凹部33aの直径の方が、穿孔ピン36aの直径よりも大きい。つまり、穿孔ピン36aにより形成される貫通孔14の大きさは、接合部4に収まる大きさとなっている。
図9(d)には、接合部4と穿孔ピン36aとが示されており、同図左側に示したように、穿孔ピン36aの大きさが、接合部4の大きさよりも大きくてもよい。つまり、穿孔ピン36aの大きさは、接合部4の大きさ(面積)と比較して、大きくても、小さくてもよい。すなわち、穿孔ピン36aにより形成される貫通孔14の大きさは、接合部4に収まる大きさであっても、接合部4からはみ出る大きさであってもよい。また、ピンロール36に設けられる複数の穿孔ピン36aの直径(太さ)は、同じでなくてもよく、直径の大きい穿孔ピン36a及び径の小さい穿孔ピン36aが混在していてもよい。また、穿孔ピン36aの配置は、接合シート10a(複合シート10)の長手方向及び幅方向に少なくとも一部穿孔ピン36aのない領域がある配置であってもよい。
【0046】
本実施形態の製造方法においては、
図3に示すように、第1ロール31及び第2ロール32を回転させながら、原反ロール(不図示)から繰り出した第1シート1を、両ロール(31,32)の噛み合い部に導入して凹凸形状に変形させる(賦形工程)。次に、凹凸形状に変形させた第1シート1を、第1ロール31の周面に保持しつつ搬送し、搬送中の第1シート1に第2シート2を重ね合わせる(重ね合わせ工程)。そして、重ね合わされた第1シート1及び第2シート2を、第1ロール31の凸部35と超音波融着機41の超音波ホーン42との間に挟んで超音波振動を印加し、両シート(1,2)が融着してなる複数の接合部4が形成された接合シート10aを得る(接合部形成工程)。その後、接合シート10aにおける接合部4の位置が、周面に凹部33aを有するアンビルロール33における凹部33aの位置と一致するように、接合シート10aをアンビルロール33の周面に受け渡す(受け渡し工程)。そして、アンビルロール33に受け渡された接合シート10aは、アンビルロール33における凹部33aに対応する穿孔ピン36aを周面に有するピンロール36とアンビルロール33との間に導入され、凹部33aに穿孔ピン36aを刺入することにより、接合シート10aの接合部4に貫通孔14を形成して複合シート10を得る(刺入工程)。
【0047】
本実施形態の製造方法においては、超音波振動の印加に先立ち、第1シート1及び第2シート2の少なくとも一方を、これらのシート(1,2)の融点未満、当該融点より50℃低い温度以上に加熱しておくことが好ましい。すなわち、超音波振動の印加に先立ち、以下の(1)及び(2)のいずれか一方又は双方を行うことが好ましい。(1)第1シート1を、第1シート1の融点未満、当該融点より50℃低い温度以上に加熱しておく。(2)第2シート2を、第2シート2の融点未満、当該融点より50℃低い温度以上に加熱しておく。好ましくは、第1シート1を、第1シート1の融点未満、当該融点より50℃低い温度以上に加熱しておくとともに、第2シート2を、第2シート2の融点未満、当該融点より50℃低い温度以上に加熱しておく。
【0048】
第1シート1を、第1シート1の融点未満、当該融点より50℃低い温度以上とする方法としては、例えば、第1ロール31上の第1シート1の温度を、第1ロール31及び第2ロール32の噛み合い部と、超音波融着機41による超音波振動のピンロール36との間において測定し、測定された値が、上述の特定の範囲内の温度となるように、第1ロール31の周面の温度を制御する。第1シート1を、特定の範囲の温度に予熱する方法としては、第1シート1が、特定の範囲の温度になるように、第1ロール31の周面の温度を第1ロール31内に配したヒータにより制御する方法に代えて、多様な方法を用いることができる。例えば、第1ロール31の周面の近傍にヒータや熱風の吹き出し口、遠赤外線の照射装置を設け、これらにより、第1シート1と沿わせる前又は後の第1ロール31の周面の温度を制御する方法が挙げられる。また、第1ロール31と第2ロール32との噛み合い部において、第1シート1に接触する第2ロール32を加熱し、第2ロール32の周面の温度制御により、第1シート1の温度を制御する方法が挙げられる。さらに、第1ロール31に沿わせる前の第1シート対して、加熱されたローラに接触させたり、高温に維持した空間を通過させたり、熱風を吹き付けたりする方法が挙げられる。
【0049】
他方、第2シート2を、第2シート2の融点未満、当該融点より50℃低い温度以上とする方法としては、第1シート1と重ね合わせる前の第2シート2の温度を、第2シート2の搬送路中に配置した測温手段で計測し、計測された値が、上述した特定の範囲内の温度となるように、第2シート2の搬送路中に配した第2シート2の加熱手段(不図示)の温度を制御することが好ましい。第2シート2の加熱手段は、加熱されたローラ等を接触させる等の接触方式であっても、高温に維持した空間を通過させる方式であっても、熱風を吹き付けたり貫通させたりする方式であっても、赤外線を照射する方式(非接触式)であってもよい。
【0050】
第1シート1及び第2シート2の融点は、以下の方法により測定される。例えば、Perkin-Elmer社製の示差走査熱量測定装置(DSC)PYRIS Diamond DSCを用いて測定する。測定データのピーク値から融点を割り出す。第1シート1又は第2シート2が、不織布等の繊維シートであり、その構成繊維が、芯鞘型、サイド・バイ・サイド型等の複数成分からなる複合繊維である場合、これらのシートの融点は、DSCにより測定した複数の融点の内、最低温度の融点を複合繊維シートの融点とする。
【0051】
本実施形態の複合シートの製造方法においては、このように、重ね合わされた第1シート1及び第2シート2を、第1ロール31の凸部35と超音波融着機41の超音波ホーン42との間に挟んで超音波振動を印加して、接合部4が形成される。本実施形態においては、第1シート1及び第2シート2の少なくとも一方を、両シート(1,2)が溶融しない、上述の特定の範囲の温度に予熱しておき、その上で、一方又は双方が予熱された状態の両シート(1,2)に対して、超音波振動を印加することが好ましい。このとき、超音波振動を印加する際の条件、例えば、印加する超音波振動の波長、強度、両シート(1,2)を加圧する圧力等を調節して、超音波振動により、両シート(1,2)が溶融して接合部4が形成される。また、穿孔ピン36aにより、接合部4に貫通孔14を形成するので、接合部4の溶融部分に囲まれた状態で貫通孔14を形成することができる。
【0052】
本実施形態の複合シートの製造方法によれば、第1シート1及び第2シート2の少なくとも一方、好ましくは両方を、ヒータ等の加熱手段により両シート(1,2)が溶融しない程度の高温に予め加熱しておき、その上で、第1ロール31の凸部35と超音波融着機41の超音波ホーン42との間で加圧しつつ超音波振動を印加して接合部4を形成することにより、両シート(1,2)を予熱しない場合に比べて、接合部4を確実に形成することができるとともに、両シート(1,2)の融点を超える温度に予熱した場合に生じやすい不都合、例えば、溶融樹脂の搬送手段への付着やシートの搬送ロールへの巻き付き等の不都合も生じにくいため、装置のメンテナンス負担も小さい。
【0053】
また、第1ロール31上で第1シート1及び第2シート2の接合及び賦形を行った後に、接合シート10aをアンビルロール33に受け渡してから、アンビルロール33上で貫通孔14を形成するので、接合部4の位置と貫通孔14の位置との間に位置ずれも生じない。
【0054】
本実施形態の複合シートの製造方法により得られる複合シート10は、凹凸を有する上に凹部の底部に貫通孔14を有する接合部4を有するため、肌触りや平面方向における液の拡散防止性に優れており、また、通気性や液の引き込み性にも優れている。複合シート10は、かかる特性を生かして、吸収性物品の表面シートとして好ましく用いられるが、複合シート10の用途はこれらに限られない。
【0055】
上述した一又は二以上の効果がより確実に奏されるようにする観点から、本実施形態の製造方法及び製造装置は、以下の構成を有することが好ましい。(1)第1シート1は、第1シート1の融点より50℃低い温度以上、当該融点未満に予熱することが好ましく、第1シート1の融点より20℃低い温度以上、当該融点より5℃低い温度以下に予熱することが更に好ましい。(2)第2シート2は、第2シート2の融点より50℃低い温度以上、当該融点未満に予熱することが好ましく、第2シート2の融点より20℃低い温度以上、当該融点より5℃低い温度以下の温度に予熱することが更に好ましい。
【0056】
第1シート1及び第2シート2それぞれの予熱温度は、接合部4の形成のし易さの観点から、好ましくは、100℃以上、より好ましくは、130℃以上であり、また、搬送手段への付着防止や搬送ロールへの巻き付き防止の観点から、好ましくは、150℃以下、より好ましくは、145℃以下である。
【0057】
また、接合部4の形成のし易さの観点から、第1ロール31の凸部35の先端面35cと超音波ホーン42の先端面42tとの間に挟んで、第1シート1及び第2シート2に加える加圧力は、好ましくは、10N/mm以上、より好ましくは、15N/mm以上であり、また好ましくは、150N/mm以下、より好ましくは、120N/mm以下であり、また好ましくは、10N/mm以上150N/mm以下、より好ましくは、15N/mm以上120N/mm以下である。
【0058】
ここで、加圧力は、いわゆる線圧であり、超音波ホーン42の加圧力(N)を超音波ホーン42と触れる凸部35の歯幅(X方向)の合計(第1ロール31の凹部は含まない)の長さで除した値(単位長さ当たりの圧力)で示す。
【0059】
また、接合部4の形成のし易さの観点から、印加する超音波振動の周波数は、好ましくは、15kHz以上、より好ましくは、20kHz以上であり、また好ましくは、50kHz以下、より好ましくは、40kHz以下であり、また好ましくは、15kHz以上50kHz以下、より好ましくは、20kHz以上40kHz以下である。
【0060】
〔周波数の測定方法〕
レーザ変位計等でホーン先端の変位を計測する。サンプリングレート200kHz以上、精度1μm以上にすることで周波数を測定する。
【0061】
また、接合部4の形成のし易さの観点から、印加する超音波振動の振幅は、好ましくは、20μm以上、より好ましくは、25μm以上であり、また好ましくは、50μm以下、より好ましくは、40μm以下であり、また好ましくは、20μm以上50μm以下、より好ましくは25μm以上40μm以下である。
【0062】
〔振幅の測定方法〕
レーザ変位計等でホーン先端の変位を計測する。サンプリングレート200kHz以上、精度1μm以上にすることで振幅を測定する。
【符号の説明】
【0063】
1 第1シート
2 第2シート
3 凹部
4 接合部
5 凸部
10 複合シート
10a 接合シート
14 貫通孔
20 複合シートの製造装置
31 第1ロール
32 第2ロール
33 アンビルロール
33a 凹部
33b 凹部領域
33c 高摩擦領域
34 吸引孔
35 凸部
36 ピンロール
36a 穿孔ピン
40 超音波処理部
41 超音波融着機
42 超音波ホーン