(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】外科用ステープラカートリッジの装填と装填解除
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
A61B17/072
(21)【出願番号】P 2020501193
(86)(22)【出願日】2018-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2018068380
(87)【国際公開番号】W WO2019011808
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-06-17
(32)【優先日】2017-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514129877
【氏名又は名称】エースクラップ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】マティアス,ベンジャミン・ジェー
(72)【発明者】
【氏名】フデルソン,ケビン・ジェー
(72)【発明者】
【氏名】テルツッリ,ニコラス・ジェー
(72)【発明者】
【氏名】パレルモ,トーマス・ジェー
(72)【発明者】
【氏名】ニコルシェフ,ジュリアン・エヌ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-508792(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0286021(US,A1)
【文献】特開2014-171866(JP,A)
【文献】特表2016-513553(JP,A)
【文献】特表2016-513554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピースステープラチャンネルと当該ステープラチャンネルによって保持されるワークピース湾曲先端カートリッジとに係合可能な、外科用ステープラに用いられる装填器であって、
前記装填器内に形成されたキャビティであって、前記ワークピース湾曲先端カートリッジの少なくとも遠端部が内部に保持されるキャビティと、
前記装填器の上部に形成されるとともに前記キャビティ内へと下方に延出する近位側上方バネであって、第1の力で、前記ワークピース湾曲先端カートリッジに対して下方に付勢されている近位側上方バネと、
前記装填器の下部に形成されるとともに前記キャビティ内へと上方に延出する近位側底部バネであって、前記第1の力よりも大きな第2の力で前記ワークピース湾曲先端カートリッジに対して上方に付勢されている近位側底部バネと、
前記装填器の下部に形成されるとともに前記近位側底部バネに対して遠位側の位置で前記キャビティ内へと上方に延出する遠位側底部バネであって、前記ワークピース湾曲先端カートリッジの遠端部を前記ワークピース湾曲先端カートリッジの近端部に対して持ち上げるべく前記ワークピース湾曲先端カートリッジの遠位側セグメントに係合する遠位側底部バネと、を備える外科用ステープラに用いられる装填器。
【請求項2】
前記近位側上方バネは、第1長手方向位置において前記ワークピース湾曲先端カートリッジに係合し、前記近位側底部バネは、前記第1長手方向位置の遠位側の第2長手方向位置において前記ワークピース湾曲先端カートリッジに係合する、請求項1に記載の外科用ステープラに用いられる装填器。
【請求項3】
前記キャビティは、当該キャビティ内の上面に形成されたピークと、前記キャビティの前記上面に形成された装填解除ランプとを有し、前記装填解除ランプは前記ピークから遠位側下方に延出し、前記遠位側底部バネは、前記ワークピース湾曲先端カートリッジの遠端部を前記ピークと係合させるように付勢する、請求項1に記載の外科用ステープラに用いられる装填器。
【請求項4】
前記装填器と前記ワークピースステープラチャンネルとの間の係合によって、前記ワークピース湾曲先端カートリッジの前記遠端部は前記装填解除ランプに沿って遠位側にスライドされ、それによって、前記ワークピース湾曲先端カートリッジの前記遠端部を下方に移動させ前記ワークピースステープラチャンネル内に着座させる、請求項3に記載の外科用ステープラに用いられる装填器。
【請求項5】
前記近位側上方バネはその自由端部にフィンを有し、当該フィンは前記ワークピース湾曲先端カートリッジに係合するように構成されている、請求項1に記載の外科用ステープラに用いられる装填器。
【請求項6】
前記遠位側底部バネは、前記ワークピース湾曲先端カートリッジの前記遠位側セグメントに対して上方に付勢されている、請求項1に記載の外科用ステープラに用いられる装填器。
【請求項7】
前記装填器は、
舌と、
前記キャビティの近端部において前記キャビティの下面に形成されたランプであって、当該ランプの近端部は前記舌の遠端部に隣接し、前記ランプは遠位方向において上方に延出しているランプと、を更に有する、請求項1に記載の外科用ステープラに用いられる装填器。
【請求項8】
作業方法であって、
請求項1から7のいずれか一項に記載の装填器と、
前記装填器によって保持される湾曲先端カートリッジと、
装填解除器と、
遠端部にアンビル及びチャンネルを備え、前記アンビルと前記チャンネルとの少なくとも一方は他方に対して揺動可能である外科用ステープラと、を所持することと、
前記装填器と前記チャンネルとの少なくとも一方を他方に対して移動させ、これによって、前記装填器と前記湾曲先端カートリッジとを前記チャンネルに係合させることと、
前記装填器と前記チャンネルとの少なくとも一方を他方から離間移動させ、前記湾曲先端カートリッジは前記離間移動後、前記チャンネルとの係合状態に留まることとを含む、作業方法。
【請求項9】
前記外科用ステープラを操作することと、
前記装填解除器を把持することと、
前記装填解除器を前記チャンネルに向けてスライドさせることと、
前記装填解除器によって前記湾曲先端カートリッジを前記チャンネルから係合解除することと、
前記装填解除器を前記チャンネルから引き出し、この引き出しによって前記湾曲先端カートリッジは前記チャンネルから係合解除されることとを更に含む、請求項8に記載の作業方法。
【請求項10】
前記カートリッジは、少なくとも一つのキャリアと、当該キャリアに折壊可能に固定された複数のステープルとを有し、
前記操作することは、
前記ステープルを閉じることと、
前記閉じることの後、前記ステープルを前記キャリアから切り離すこととを含む、請求項9に記載の作業方法。
【請求項11】
前記チャンネルはその遠端部にチャンネルボスを有し、前記カートリッジはその下面にカートリッジバンプを有し、
前記係合させることは、前記カートリッジバンプを前記チャンネルボスに係合させることを含み、
前記係合解除させることは、前記カートリッジバンプを前記チャンネルボスから係合解除させることを含む、請求項9に記載の作業方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、外科用ステープラとステープル留めに関する。
【背景技術】
【0002】
外科用ステープラは、その切断された端部を止血しながら組織を切除するべく組織のステープラ留めと組織の切断との両方を行う。典型的な外科用ステープラは、その遠端部に、複数列のステープルを備える使い捨て式の一回使用カートリッジを受け入れるとともに、このカートリッジに対向するアンビルを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第7988026号明細書
【文献】米国特許第9004339号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の外科用ステープラは、直線状又は湾曲した遠端部を備えるアンビルを有する。しかしながら、カリフォルニア州レッドウッド市のDextera Surgical社によって製造されている外科用ステープラカートリッジを除き、今日市販されているすべての従来式ステープラカートリッジは、直線状の遠端部を有する。手術室の外科医、看護師、技術者及び/またはその他の人員は、そのようなカートリッジにあまり慣れていないので、湾曲先端ステープルカートリッジを手で外科用ステープラに装填または装填解除するのをためらう場合がある。したがって、ユーザがそれらの湾曲先端カートリッジをより自信をもって取り扱うように、湾曲先端ステープルカートリッジの装填および装填解除プロセスを簡単にすることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、特許請求項1に基づく装填器と、特許請求項11に基づく作業プロセスまたは装填プロセスを意味する作業方法によって解決される。本発明の好ましい実施例は、係属している請求項の主題を対象とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】カートリッジが保持された状態の
図1の例示的な装填器の斜視図である。
【
図4】
図1の装填器の上方装填器本体への上方斜視図である。
【
図6】カートリッジが保持された状態の
図2の例示的な装填器の側方断面図である。
【
図7】
図1の装填器の下方装填器本体の斜視図である。
【
図8】
図1の例示的な装填器の近端部と、互いに近接した例示的なステープラチャンネルとの斜視図である。
【
図11】ステープラチャンネルのチャンネルボスと係合した湾曲先端カートリッジの側方断面図である。
【
図12】ステープラチャンネルから湾曲先端カートリッジを係合解除する
図9の装填解除器の側方断面図である。
【
図13】複数の装填器と装填解除器とを含むマガジンの略図である。
【
図14】装填器/装填解除器の組み合わせの側面図である。
【0007】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、類似又は同一の品目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
装填器
図1-3には装填器2が図示されている。この装填器2は、湾曲先端カートリッジ4をステープラチャンネルに挿入するための人間工学的で簡単な方法を提供する。
【0009】
図3に図示されているように、前記装填器2は、上部装填器本体2aと下部装填器本体2bとを備えるツーピースコンポーネントとして製造することができる。これら二つの装填器コンポーネント2a,2bは、接着剤、ファスナ、および/または、その他の適切な方法で互いに取り付けることができる。前記コンポーネント2a,2bは、射出成形、積層造形(口語的に「3D印刷」と呼ばれる)、スタンピング、または任意の他の適切なプロセスによって製造することができる。あるいは、前記装填器2は、積層造形などの任意の適切な方法で単一のコンポーネントとして製造することも可能である。前記上方装填器本体2aと前記下方装填器本体2bとを本体、と総称する場合もある。
【0010】
いくつかの実施例において、前記カートリッジ4は、ここにその全体を参考文献として合体させる、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7988026号明細書(特許文献1)に記載されているように、ステープルが折壊可能(frangibly)に固定された単数または複数のステープルを保持することができる。そのような実施例において、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7988026号明細書に記載されているように、前記ステープルは、ウェッジと直接接触するように構成してもよく、前記カートリッジ4は、従来式のステープルドライバを有さない。あるいは、他の実施例においては、前記カートリッジ4は、従来式のU形状外科用ステープルと従来式のステープルドライバを、ステープルドライバに対するウェッジの移動によってステープルドライバが対応のステープルに接触してこのステープルをアンビルに向けて付勢するように保持する。前記カートリッジ4は、当該カートリッジ4の上面8上のステープル開口部6の列に対応する、任意の適当な数の列のステープルを備えることができる。
図2に図示されているように、一例として、カートリッジ4は4列のステープル開口部6を有し、これらの列は、カートリッジ4の長手方向中心線の各側に2列で、長手方向に互いに実質的に平行に延出している。別の実施例において、前記カートリッジ4は、対称又は非対称に配置されたその他の数の列のステープル開口部6を備えてもよい。例えば、前記カートリッジ4は、従来の外科用ステープルカートリッジと同様、当該カートリッジ4の長手方向中心線の各側に3列のステープル開口部6の6列を備えることができる。前記カートリッジ4の上面8は、任意の適切な形状または向きを有するものとすることができ、互いに対して傾斜する二つ以上の平面を備えることができる。あるいは、前記カートリッジ4の上面8は、単一の実質的に平坦な表面とすることも可能である。前記カートリッジ4は、ここにその全体を参考文献として合体させる本発明の譲受人に譲渡された米国特許第9004339号明細書(特許文献2)に記載されているように構成することができる。
【0011】
前記カートリッジ4は、湾曲先端部10を備えることができる。この湾曲先端部10は、当該湾曲先端部10が、前記カートリッジ4の上面8の上方の位置において終端するように、カートリッジ4の長手方向中心線に対して上方に湾曲している。前記湾曲先端部10は、前記湾曲先端部10とカートリッジ4の残り部分との間の接続部分から遠位側に向かって、その幅および/または厚みがテーパするように形成することができる。ここでの使用において、前記用語「湾曲先端カートリッジ」は、その遠端部に湾曲した先端部を備える外科用ステープルカートリッジ4として定義される。
【0012】
前記カートリッジ4は、又、前記上面8を通して形成されたトラフ(窪み)12を備えることができる。いくつかの実施例において、前記トラフ12は、カートリッジ4の近端部から遠位方向に延出し、これによりカートリッジ4の近端部は、前記トラフ12の近端部でのその交差部において開放されている。あるいは、前記トラフ12は、カートリッジ4の近端部と交差しない。前記トラフ12は、前記上面8に沿って任意の適当な長さを備え、当該上面8の一部又は全部に沿って延出するものとすることができる。前記トラフ12は、任意の適当な深さを有するものとすることができる。前記上方装填器本体2aと前記下方充填機本体2bとは、協働で、そこにカートリッジ4が保持されることが可能なキャビティ(凹部)14を形成する。
【0013】
図4-5も参照すると、前記上方装填器本体2aの内面16は、上述したキャビティ14の一部を形成している。近位側上方バネ18が、前記上方充填器本体2aに形成されている。前記近位側上方バネ18の側部に沿って側方に、当該近位側上方バネ18の側部を上方装填器本体2aの残り部分から分離するスロット20を延出させることができる。前記近位側上方バネ18の遠端部22は、前記上方装填器本体2aの残り部分に対して任意の適当な方法で接続することができる。一実施例において、前記近位側上方バネ18は、前記上方装填器本体2aの隣接部分と同じ厚みを有し、前記近位側上方バネ18の遠端部22と前記上方装填器本体2aの前記残り部分との間の接続部から近位側に延出している。他の実施例において、前記近位側上方バネ18は、そのセグメントに曲げ力を集中させるより小さな厚みを有する材料のセグメントであるリビングヒンジによって、前記上方装填器本体2aの残り部分に接続することができる。そのようなリビングヒンジは、前記近位側上方バネ18と前記上方装填器本体2aの前記残り部分との間の接続部分に位置させることができる。
【0014】
前記近位側上方バネ18の上面は、任意の適当な形状とすることができる。
図4を参照すると、前記近位側上方バネ18の前記下面24の少なくとも一部を、前記近位側上方バネ18の遠端部22と前記上方装填器本体2aの前記残り部分との間の接続部分から下方近位側に傾斜させることができる。前記下面24の少なくとも一部は実質的に平面にすることができる。他の実施例において、前記近位側上方バネ18の前記下面24の少なくとも一部は、前記近位側上方バネ18の遠端部22と前記上方装填器本体2aの前記残り部分との間の接続部分から下方近位側に、湾曲又はその他の形状とすることができる。前記近位側上方バネ18は、その近端部に近位側フィン26を備えることができる。当該近位側フィン26は、前記近位側上方バネ18上に最下点を有する。側方から見て、前記近位側フィン16の底部28は、ほぼV形状にするか、あるいは、当該近位側フィン16と前記カートリッジ4との間の係合を容易にする任意の適当な形状のものとすることができる。
【0015】
前記近位側上方バネ18は、例えば、
図4に図示されているように、近位方向および/または下方向において側方にテーパさせることができる。前記近位側上方バネ18は、それを前記トラフ12および/または前記カートリッジ4のその他部分と効果的に係合することを可能にする、装填器2の長手方向に対して垂直な任意の適当な断面を備えることができる。例えば、前記トラフ12が実質的にV形状である、および/または、下方向においてテーパしている場合、前記近位側上方バネ18の前記装填器2の長手軸心に対して垂直な断面も、同様に、V形状、および/または、下方向にテーパさせることができる。
【0016】
図1-5に図示されているように、前記近位側上方バネ18は、中立位置にある。この中立位置において、前記近位側上方バネ18および/または、前記上方装填器本体2aの残り部分とのその接続部分は、近位側上方バネ18の屈曲がもたらす位置エネルギを蓄えない。前記近位側上方バネ18は、前記上方装填器本体2aの残り部分と同時に製造することができ、そのコンポーネントの製造後に、上方装填器本体2aに前記スロット20をカットすることによって、あるいは、その他の適当な方法によって、作ることができる。
【0017】
図6も参照すると、前記上方装填器本体2aの内面16の遠端部の形状は、カートリッジ4を装填器2内で位置保持するのを補助するように構成されている。前記内面16において、係止ランプ30が遠位方向に上向きに延出している。当該係止ランプ30は、
図6に見られるように実質的に平坦にするか、あるいは、湾曲あるいは任意のその他の適切な形状にすることができる。下記に詳述するように、最初、前記湾曲先端部10の遠端部を、前記係止ランプ30に対して遠位側に、接触状態に位置させる。前記係止ランプ30に対して遠位側で、前記内面16は、前記湾曲先端部10の前記遠端部の湾曲にマッチするべく、実質的にピーク32において湾曲している。他の実施例において、前記内面16は、前記湾曲先端部10の遠端部を収容する任意のその他の形状とされる。前記ピーク32の遠位側において、着座ランプ34が遠位方向に下向きに延出している。着座ランプ34は、
図2に見られるように実質的に平坦であってもよく、または、湾曲あるいは任意の他の適切な形状であってもよい。着座ランプ34は、水平面に対して実質的に30度の角度で下方に傾斜させることができ、あるいは、任意のその他の方法で傾斜又は配向させることができる。前記着座ランプ34の遠端部において、オプションとして、壁36を実質的に垂直に下方に延出させることができる。前記係止ランプ30、前記ピーク32および/または着座ランプ34は、任意の適当な幅であってよく、単数または複数のこれらが、前記湾曲先端部10の遠端部と同じ幅、湾曲先端部10よりも狭い幅、あるいは、当該湾曲先端部10よりも大きな幅であってよい。
【0018】
図7も参照すると、前記下方装填器本体2bの内面40が上述したキャビティ14の一部を形成している。
図8も参照すると、舌(tongue)42が、前記下方装填器本体2bの残り部分から近位側に延出している。前記下方装填器本体2bの残り部分から前記舌42の両側部を分離するスロット44を、前記舌42の側部に沿って側方に延出させることができる。前記舌42の遠端部46は、任意の適当な方法で前記下方装填器本体2bの残り部分に接続することができる。一実施例において、前記舌42の前記遠端部46は、前記下方装填器本体2bの近接部分と同じ厚みを有する。他の実施例においては、前記舌42は、そのセグメントに曲げ力を集中させるより小さな厚みを有する材料のセグメントであるリビングヒンジによって、前記下方装填器本体2bの残り部分に接続することができる。そのようなリビングヒンジは、前記舌42と前記下方装填器本体2bの前記残り部分との間の接続部分に位置させることができる。前記舌42の上面48は、実質的に平坦であってもよく、任意の適当な形状を有してもよい。前記舌42の下面は、任意の適当な形状を有してもよい。
図6に図示されているように、前記舌42は、その長手寸法に沿って実質的に一定の厚みを有するものとすることができる。あるいは、他の実施例では、前記舌42は、その長さの少なくとも一部に沿ってその厚みが変化するものとすることができる。
【0019】
図8を参照すると、ステープラチャンネル50が図示されている。当該ステープラチャンネル50は、前記カートリッジ4を受け入れるように構成された外科ステープラのエンドエフェクタの一部である。前記ステープラチャンネル50と前記カートリッジ4の底部とは、それらが係合可能で、かつ前記ステープラチャンネル50がカートリッジをしっかりと保持できる限り、任意の適当な形状のものとすることができる。例えば、
図8に図示されているように、前記ステープラチャンネル50の内面は、全体としてW形状を形成している。チャンネルボス52が前記ステープラチャンネル50の遠端部から延出している。好適には、前記チャンネルボス52は、前記ステープラチャンネル50の底部から延出する。一実施例において、前記チャンネルボス52には、ほぼ四角形のチャンネルボス開口部56が貫通形成されている。他の実施例において、前記チャンネルボス開口部は前記チャンネルボス全部を貫通して延出する必要はない。他の実施例において、前記チャンネルボス開口部56は、矩形、円形又は楕円形等を含むがこれらに限定されるものではない、任意のその他の適当な形状を有するものとすることができる。チャンネルボス開口部56は、以下でより詳細に説明されるように、カートリッジバンプと係合するのに適したサイズと形状を有する。
【0020】
前記装填器2について、又
図1,3及び6-8を参照すると、前記舌42の遠端部から遠位方向にランプ60が上方に延出している。このランプ60は、後に詳述するように、装填時に、前記チャンネルボス52に係合するようにそのサイズと形状が構成されている。一実施例において、前記ランプ60は、実質的に前記チャンネルボス52と同じ幅である。オプションとして、前記下方装填器本体2bの内面40には、そのそれぞれが前記舌42から対応のスロット44によって離間された、二つのキー壁62を設けることができる。これらキー壁62は、後に詳述するように、装填中に、前記チャンネルボス52の側部64に係合して、前記ステープラチャンネル50の前記装填器2とカートリッジ4とに対する、適切な向きを確保する。前記ランプ60の両側に対して、前記下方装填器本体2bの内面40上に壁68が形成され、これら壁68は、前記ステープラチャンネル50の外側形状とサイズとに対応する形状とサイズを有する。
【0021】
図3,6及び7をも参照すると、近位側底部バネ70が、前記下方装填器本体2bの残り部分から近位側に延出している。前記近位側側部バネ70を前記下方装填器本体2bの残り部分から離間させる、スロット72を前記近位側底部バネ70の側部に沿って側方に延出させることができる。前記近位側底部バネ70の遠端部74を、前記下方装填器本体2bの残り部分に対して任意の適当な方法で接続することができる。一実施例において、前記近位側底部バネ70は前記下方装填器本体2bの近接部分と同じ厚みを有し、前記近位側底部バネ70の遠端部74と前記下方装填器本体2bの残り部分との間の接続部分から近位側に延出している。他の実施例において、前記近位側底部バネ70は、そのセグメントに曲げ力を集中させるより小さな厚みを有する材料のセグメントであるリビングヒンジによって、前記下方装填器本体2bの残り部分に接続することができる。そのようなリビングヒンジは、前記近位側底部バネ70と前記下方装填器本体2bの前記残り部分との間の接続部分に位置させることができる。
【0022】
前記近位側底部バネ70の下面は、任意の適当な形状とすることができる。
図6を参照すると、前記近位側底部バネ70の上面76の少なくとも一部は、当該近位側底部バネ70の遠端部74と、前記下方装填器本体2bの残り部分との間の接続部から実質的に平坦にすることができる。前記上面76の前記平坦部分は、前記装填器2の長手方向中心線に対して実質的に平行にすることができる。他の実施例においては、前記近位側底部バネ70の前記上面76の少なくとも一部は、当該近位側底部バネ70の遠端部74と、前記下方装填器本体2bの残り部分との間の接続部から近位側に、湾曲又はその他の形状にすることができる。
【0023】
前記近位側底部バネ70は、その近端部にタブ78を備えることができる。このタブ78は、前記近位側底部バネ70の前記平坦な上面76に対して実質的に垂直な遠位側表面80を備えることができる。この遠位側表面80は、実質的に平坦にすることができる。他の実施例において、前記遠位側表面80は、任意のその他の方法で、配向および/または形成、することができる。前記タブ78は、前記遠位側表面80とのその接続部から近位側方向において下方に傾斜した上方タブ表面82を備えることができる。前記上方タブ表面82は実質的に平坦にすることができる。他の実施例において、前記上方タブ表面82は、湾曲あるいは任意のその他の適切な形状にすることができる。その近端部において、前記上方タブ表面82は前記タブ78の近位側表面84と交差する。前記上方タブ表面82と前記近位側表面との間の交差部は、湾曲又は、傾斜或いはその他の適切な形状にすることができる。前記近位側表面84は実質的に平坦にすることができる。他の実施例において、前記近位側表面84は、湾曲又は任意のその他の適切な形状にすることができる。
【0024】
図1-6に図示されているように、前記近位側底部バネ70は中立位置にある。この中立位置において、前記近位側底部バネ70および/または、前記下方装填器本体2bの残り部分とのその接続部分は、近位側底部バネ70の屈曲がもたらす位置(ポテンシャル)エネルギを蓄えない。前記近位側底部バネ70は、前記下方装填器本体2bの残り部分と同時に製造することができ、そのコンポーネントの製造後に、下方装填器本体2bに前記スロット20をカットすることによって、あるいは、その他の適当な方法によって、作ることができる。前記近位側底部バネ70と前記近位側上方バネ18とのそれぞれは、装填の前に前記中立位置とすることができる。前記装填器2がカートリッジ4を保持する時、前記近位側底部バネ70と前記近位側上方バネ18との形状が前記カートリッジ4と相互作用して、当該カートリッジ4と前記下方装填器本体2bの内面40との間の隙間を維持する。これにより、前記装填器2がカートリッジ4を保持する時、前記近位側底部バネ70と前記近位側上方バネ18との少なくとも一方が中立位置から離間偏向して、これによって、前記近位側底部バネ70と前記近位側上方バネ18との少なくとも一方がカートリッジ4に対して付勢されてこのカートリッジ4を確実に位置保持する。
【0025】
前記近位側底部バネ70の前記上方タブ表面82は前記カートリッジ4の一部に接触している。
図6に見られるように、前記上方タブ表面82は、前記近位側上方バネ18と前記カートリッジ4との間の接触点に対する遠位側の位置でカートリッジ4に接触している。のちに詳述するように、挿入中、前記近位側底部バネ70は、前記カートリッジ4に対して、前記近位側上方バネ18が当該カートリッジ4に対して加える下向きの力よりも大きな上向きの力をカートリッジ4に対して加える。これにより、前記中立位置の場合と同様に、前記近位側底部バネ70と前記近位側上方バネ18とは、前記カートリッジ4と前記下方装填器本体2bの内面40との間の隙間を維持するべく好適に相互作用する。
【0026】
図3,6及び7も参照すると、遠位側底部バネ90が、前記下方装填器本体2bの残り部分から遠位側に延出している。前記遠位側底部バネ90の側部を前記下方装填器本体2bの残り部分から離間させるスロット92を、前記遠位側底部バネ90の側部に沿って側方に延出させることができる。前記遠位側底部バネ90の近端部94を、前記下方装填器本体2bの残り部分に対して任意の適当な方法で接続することができる。一実施例において、前記遠位側底部バネ90は前記下方装填器本体2bの近接部分と同じ厚みを有し、前記遠位側底部バネ90の近端部94と前記下方装填器本体2bの残り部分との間の接続部分から遠位側に延出している。他の実施例において、前記遠位側底部バネ90は、そのセグメントに曲げ力を集中させるより小さな厚みを有する材料のセグメントであるリビングヒンジによって、前記下方装填器本体2bの残り部分に接続することができる。そのようなリビングヒンジは、前記遠位側底部バネ90と前記下方装填器本体2bの前記残り部分との間の接続部分に位置させることができる。
【0027】
前記遠位側底部バネ90の下表面は、任意の適当な形状にすることができる。
図6を参照すると、前記遠位側底部バネ90の前記上表面96の少なくとも一部分は、前記遠位側底部バネ90の近端部94と前記下方装填器本体2bの残り部分との間の接続部から実質的に平坦にすることができる。前記上表面96のその平坦部分は、前記装填器2の長手方向中心線に対して実質的に平行とすることができる。他の実施例において、前記遠位側底部バネ90の前記上表面90の少なくとも一部分は、前記遠位側底部バネ90の前記近端部94と前記下方装填器本体2bの残り部分との間の接続部から遠位側に、湾曲又は、その他の形状に形成することができる。
【0028】
前記遠位側底部バネ90は、その遠端部にフィンガ98を備えることができる。このフィンガ98は、前記遠位側底部バネ90の残り部分から上方に延出し、かつ、当該遠位側底部バネ90の残り部分に対して角度を形成することができる。前記フィンガ98は、
図6に見られるように、前記遠位側底部バネ90の残り部分に対して遠位側に傾斜させることができる。前記フィンガ98の先端部100は、湾曲、丸め、又はその他の、平滑なものとすることができる。他の実施例において、前記フィンガ98の先端部100は、傾斜又平坦にすることができる。前記フィンガ98の前記先端部100は、後に詳述するように、最初、前記カートリッジ4の前記湾曲先端部10の一部分に係合する。
図1-6に図示されているように、前記遠位側底部バネ90は中立位置にある。この中立位置において、前記遠位側底部バネ90および/または前記下方装填器本体2bの残り部分とのその接続部は、遠位側底部バネ90の屈曲がもたらす位置エネルギを蓄えない。前記遠位側底部バネ90は、前記下方装填器本体2bの残り部分と同時に製造することができ、そのコンポーネントの製造後に、下方装填器本体2bに前記スロット92をカットすることによって、あるいは、その他の適当な方法によって、作ることができる。前記中立位置において、前記フィンガ98の先端部100は、前記カートリッジ4の前記湾曲先端部10に対して付勢されず、当該カートリッジ4の湾曲先端部10に対して当接してカートリッジ4を位置保持することを補助する。他の実施例において、前記装填器2がカートリッジ4を保持する時、前記遠位側底部バネ90は、中立位置から離間偏向することができ、これにより、遠位側底部バネ90がカートリッジ4に対して付勢されてこのカートリッジ4を確実に位置保持する。
【0029】
前記外表面110には、ユーザの指の間での装填器2の把持を容易にするために単数または複数の溝112を形成することができる。他の実施例において、前記溝112は省略することができる。前記装填器2の表面仕上げによって、ユーザが装填器2を把持して保持する能力が有利に促進される。他の実施例においては、ユーザは、鉗子またはその他の使用される器具によって装填器2を把持するので、装填器2の表面仕上げはその機能のためにそれほど重要ではなくなる。
【0030】
装填解除器
図9-11を参照すると、装填解除器120が図示されている。この装填解除器120は、湾曲先端カートリッジ4をステープラチャンネル50から取り外すための人間工学的で単純な方法を提供する。前記装填解除器120は、射出成形、積層造形(口語的に「3D印刷」と呼ばれる)、スタンピング、または任意の他の適切なプロセスによって単一のコンポーネントとして製造することができる。あるいは、二つ以上のコンポーネントを、別々に製造し、後に、適当な方法で組み付けて前記装填解除器120を形成してもよい。
【0031】
前記装填解除器120は、その近端部を貫通して形成されたアパーチャ122を備えることができる。このアパーチャ122は、装填解除器120の近位側本体124を貫通して延出している。前記装填解除器120の内部はキャビティ126とすることができる。前記装填解除器120の上表面128には、これを貫通して形成された開口部130を設けることができる。前記装填解除器120の上表面128は、ほぼ平坦にすることができる。あるいは、前記装填解除器120の上表面128は、任意の適当な形状のものとすることができる。前記開口部130のサイズと形状は、前記キャビティ126と装填解除器120の前記上表面128との交差によって決められる。いくつかの実施例において、前記開口部130は、実質的に矩形とすることができる。別の実施例において、前記開口部130は、任意のその他の形状および/または対称、あるいは、その構成において非対称とすることができる。
【0032】
前記アパーチャ122の周囲の少なくとも一部、および/または、前記キャビティ126の下表面132、の形状は、前記ステープラチャンネル50の形状とサイズとに対応するものとすることができる。下記に詳述するように、装填解除プロセスの一部として、前記ステープラチャンネル50を、前記アパーチャ122を通してスライドさせそれによって保持させ、それによって、前記アパーチャ122とステープラチャンネル50との形状が関連付けられる。一実施例において、前記アパーチャ122は、その各側方に、水平面134を有し、これら水平面134は、前記アパーチャ122の周囲の反対側で互いから側方に離間している。
図8も参照すると、各水平面134は、前記ステープラチャンネル50の対応の上方エッジ138に係合するように構成されている。この係合は、装填解除プロセス中に、前記ステープラチャンネル50を、装填解除器120に対して確実に保持するのを補助し、又、前記ステープラチャンネル50が前記装填解除器120に正しく挿入されることを保証するキー部材を提供する。前記アパーチャ122の底部エッジは、前記装填解除器120の前記キャビティ126の下表面132によって形成される。キャビティ126の下表面132は、ほぼ凹状に湾曲していてもよい。前記下表面132と前記水平面134とのサイズと形状は、前記ステープラチャンネル50が前記アパーチャ122を通ってスライドすることを許容するとともに、ステープラチャンネル50を装填解除器120に対して所望の位置で保持するべく、前記ステープラチャンネル50に対して公差を付けられたものとすることができる。
【0033】
図9-10を参照すると、二つの側方ランプ140が前記アパーチャ122から遠位側に離間するとともに、互いから側方に離間している。各側方ランプ140は、前記キャビティ126の下表面132から遠位方向に上方に延出している。前記側方ランプ140と前記アパーチャ122との間で長手方向に、前記下表面132の湾曲は実質的に一定である。前記側方ランプ140は、前記チャンネルボス52の幅に実質的に等しい距離だけ互いから側方に離間している。前記両側方ランプ140間の空間を、トラフ142と称する場合がある。当該トラフ142の遠端部には停止部144が設けられ、これは、前記チャンネルボス52の端部に接触し、それによって、前記ステープラチャンネル50と前記装填解除器120との間の長手方向の相対的移動を停止するように構成されている。前記停止部144は、制御を高め、そして、制御を高めてステープラチャンネル50がカートリッジ4を装填解除するために十分遠くまで移動したことをユーザにフィードバックするためのハードストップを提供する。前記停止部144は、前記キャビティ126の下表面132から上方に延出する縦壁として構成することができる。いくつかの実施例において、前記停止部144の高さは前記チャンネルボス52の高さと実質的に等しい。他の実施例においては、前記停止部144は、前記チャンネルボス50よりも高く又は短くすることができる。
【0034】
前記停止部144の頂部から遠位方向に上方に中央ランプ146が延出している。当該中央ランプ146は実質的に平坦なものとすることができる。他の実施例において、前記中央ランプ146は、湾曲、又はその他の適切な形状のものとすることができる。後に詳述するように、前記中央ランプ146は、前記装填解除器120とステープラチャンネル50とが互いに向けて相対移動する時に、前記湾曲先端カートリッジ4に係合するように構成されている。
【0035】
前記外側表面150には、前記装填解除器120をユーザの指の間で把持することを容易にするべく、単数または複数の溝152を形成することができる。他の実施例においては、これらの溝152は省略することができる。前記装填解除器120の表面仕上げによって、ユーザが装填解除器120を把持して保持する能力が有利に促進される。他の実施例においては、ユーザは、鉗子またはその他の使用される器具によって装填解除器120を把持するので、装填解除器120の表面仕上げはその機能のためにそれほど重要ではなくなる。
【0036】
操作-装填器
この説明の目的のために、先ず、新しい未使用のカートリッジ4が前記装填器2によって保持され、前記ステープラチャンネル50は、空であって、カートリッジを保持していない。
【0037】
ユーザは、新しいカートリッジ4を保持している前記装填器2を、その指、鉗子、把持具、ロボットエンドエフェクタ、又はその他の道具、によって把持する。ユーザは、医師、又は、前記装填器2および/またはカートリッジ4に対してテスト、例えば、製造中の品質管理テスト、を行う人でありうる。本文献での使用において、前記装填器2を「所持する/持つ(possessing)」という用語は、手によって直接的に、あるいは、介在する単数または複数の道具、を介して間接的に、前記装填器2を確実に(affirmatively)保持すること、を意味する。
【0038】
先ず、
図4及び6も参照すると、前記装填器2は、前記カートリッジ4をしっかりと保持している。前記近位側底部バネ70が、例えば、当該近位側底部バネ70の前記タブ78と、前記カートリッジ4の底部との間の接触を介して、カートリッジ4に対して上向きの力を加える。前記装填器2内にカートリッジ4が存在することによって、前記近位側底部バネ70が下方に偏向され、これによって、近位側底部バネ70がエネルギを蓄え、カートリッジ4に対して上向きに付勢される。いくつかの実施例により、前記カートリッジ4に対する前記近位側底部バネ70による上向きに加えられる前記力は、前記近位側上方バネ18によってカートリッジ4に下向きに加えられる力よりも大きい。更に、いくつかの実施例によれば、前記近位側底部バネ70とカートリッジ4との間の接触の位置は、前記近位側上方バネ18とカートリッジ4との間の接触の位置に対して遠位側である。その結果、前記近位側上方バネ18と近位側底部バネ70とは、カートリッジ4と、下方装填器本体2bの内面40との間に隙間を維持する。更に、前記近位側上方バネ18、近位側底部バネ70と、カートリッジ4との間の前記係合によって、近位側上方バネ18と近位側底部バネ70のカートリッジ4との接触の長手方向位置の前記差により、カートリッジ4の遠端部の上向きの配向が補助される。まず、いくつかの実施例において、装填の前に、前記湾曲先端部10の遠端部は前記上方装填器本体2aの内面16中の前記ピーク32に対して当接している。更に、前記遠位側底部バネ90の前記フィンガ98の先端部100を前記湾曲先端部10に対して上方に付勢することができる。
【0039】
次に、ユーザは、適当な方法によって、前記装填器2と前記ステープラチャンネル50との少なくとも一方を他方に向けて移動させる。この移動の結果、前記ステープラチャンネル50が装填器2に係合する。一実施例において、
図6-8も参照すると、前記ステープラチャンネル50の遠端部が前記舌42に係合して、この舌42を下方に偏向する。上述したように、前記ステープラチャンネル50は、オプションとして、その遠端部にチャンネルボス52を備えている。当該チャンネルボス52は、前記下方装填器本体2bの内面40に形成された二つのキー壁62間でスライドする。前記キー壁62と前記チャンネルボス52の側部64との間の係合によって、カートリッジ4とステープラチャンネル50との間の回転アライメントが提供され、これによって前記ステープラチャンネル50がカートリッジ4を正しく受け取ることが可能となる。あるいは、前記ステープラチャンネル50がチャンネルボス52を備えているか否かにかかわらず、装填器2とステープラチャンネル50とを互いに対してアライメントするために、単数または複数の他のキー構成を設けることも可能である。前記ステープラチャンネル50自身が装填器2に入ると、ステープラチャンネル50は、当該ステープラチャンネル50の形状に対応するとともに、ステープラチャンネル50の対応の寸法よりもわずかに大きなサイズとすることが可能な、前記下方装填器本体2bの内面40に形成された前記壁68によって受け取られる。これらの壁68は、前記ステープラチャンネル50を所望の回転アライメントで保持するための第2キー固定構造として作用する。
【0040】
前記装填器2とステープラチャンネル50とが共にスライドし続けると、チャンネルボス52が、下方装填器本体2bの内面40に形成されたランプ60に滑り上がる。スライドが続くと、前記チャンネルボス52が前記ランプ60の遠端部から滑り落ち、前記タブ78の上方タブ表面82と係合する。前記上方タブ表面82は、近位方向において下方に傾斜し、この上方タブ表面82の近端部は前記ランプ60に近接していてもよい。したがって、前記チャンネルボス52がランプ60の遠端部に対して遠位側にスライドすると、それは、タブ78の上方タブ表面82に沿ってスライドする。ステープラチャンネル50の残り部分によって後続される前記チャンネルボス52が、前記上方タブ表面82に対してスライドすると、前記チャンネルボス52、そしてその後、前記ステープラチャンネル50が前記タブ78を下方に付勢する。
【0041】
チャンネルボス52との接触、及びその後の前記ステープラチャンネル50との接触による前記タブ78の下方への移動によって、タブ78と前記近位側底部バネ70とが、カートリッジ4との係合状態から脱する。上述したように、前記近位側底部バネ70は、最初に、前記近位側上方バネ18によってカートリッジに加えられる下向きの力よりも大きな上向きの力をカートリッジ4に加える。前記近位側底部バネ70をカートリッジ4から係合解除することによって、前記チャンネルボス52が、又、その後、前記ステープラチャンネル50が、前記近位側底部バネ70によってカートリッジ4に加えられる前記上向きの力をカートリッジ4から取り除く。その結果、前記近位側上方バネ18によってカートリッジ4に加えられる前記下向きの力は、もはや、近位側底部バネ70によって打ち消されなくなり、近位側上方バネ18が、例えば、当該近位側上方バネ18の前記近位側フィン26とカートリッジ4の頂部との間の接触を介して、カートリッジ4をステープラチャンネル50内へと下方に押し込む。同時に、ステープラチャンネル50を近位側上方バネ70に対して上方に付勢する前記ランプ60とステープラチャンネル50との間の接触により、ステープラチャンネル50はカートリッジ4に対して上方に押される。
【0042】
カートリッジ4はステープラチャンネル50内に着座し始める。前記遠位側底部バネ90のフィンガ98の先端部100と、カートリッジ4の遠端部との間の接触により、カートリッジ4の遠端部は、カートリッジ4の近端部よりも高いままである。このようなカートリッジ4の配向によって、カートリッジ4の近端部は、当該カートリッジの遠端部に先立って、ステープラチャンネル50内に着座することが可能である。いくつかの実施例において、カートリッジ4の近端部と、ステープラチャンネル50の又はステープラチャンネル50に関連付けられた単数または複数の部材との間に形成することが可能な、ロック機構又はその他の構造的もしくは機械的相互接続のために、カートリッジ4の残り部分に先立って、カートリッジ4の近端部をステープラチャンネル50内に着座させることが有利であるかもしれない。あるいは、所望の場合、カートリッジ4の近端部を、先ず、ステープラチャンネル50内に着座させることは必ずしも必要ではない。
【0043】
装填器2とステープラチャンネル50とが共にスライドし続け、そしてカートリッジ4がステープラチャンネル50内に着座し始めると、装填器2とステープラチャンネル50との間の相対移動の直線成分によって、カートリッジ4が装填器2内で遠位側に押される。
図6も参照すると、そして、上述したように、先ず、カートリッジ4の湾曲先端部10の遠端部が上方装填器本体2aの内面16に形成された前記ビーク32に対して、又は、その近傍に当接する。カートリッジ4が装填器2内で遠位側に押されると、カートリッジ4の前記湾曲先端部10の遠端部が前記ピーク32から遠位側に離間して、このピーク32の遠位側の前記上方装填器本体2aの内面16に形成された前記着座ランプ34上へと押される。上述したように、前記着座ランプ34は、前記ビーク32から遠位方向に下方に延出している。カートリッジ4が装填器2内で遠位側に押されると、カートリッジ4の前記湾曲先端部10の遠端部が前記着座ランプ34に沿って乗る。カートリッジ4の湾曲先端部10の遠端部と前記着座ランプ34との間の相互作用によって、カートリッジ4の遠端部が下方に付勢される。カートリッジ4の湾曲先端部10の遠端部のこの下方移動によって、前記遠位側底部バネ90の前記フィンガ98が下方に押され、カートリッジ4の遠位側底部バネ90によって加えられる前記上向きの力は、カートリッジ4の湾曲先端部10の遠端部の前記下方移動によって加えられる前記下向きの力、よりも小さくなるように構成されている。
【0044】
前記カートリッジ4の遠位側への移動は、カートリッジ4の湾曲先端部10の遠端部が前記上方装填器本体2aの内面16に形成された前記壁36に出会うと、停止する。カートリッジ4の湾曲先端部10の遠端部と前記壁36との遭遇時、又は、遭遇前、カートリッジ4はステープラチャンネル50内に完全に着座する。好適には、この着座によって、カートリッジ4がステープラチャンネル50に対して確実に接続される。一実施例において、
図11も参照すると、カートリッジバンプ58が、例えば、圧着、を介して、ステープラチャンネル50のチャンネルボス52のチャンネルボス開口部56と係合する。オプションとして、この係合は音声的に確認可能である。例えば、前記カートリッジバンプ58はチャンネルボス開口部56にパチンと入って、ユーザが聞くことができる可聴スナップ音を提供して、カートリッジ4とステープラチャンネル50との間に確実な接続を音で確認する。具体的には、
図11は、前記装填解除器120内部でのカートリッジ4とステープラチャンネル50を図示しているが、但し、
図11に図示のカートリッジバンプ58とチャンネルボス開口部56との間の係合は、この段落に記載した装填器2の作動から生じるカートリッジバンプ58とチャンネルボス開口部56との間の係合と同じである。
【0045】
今や、カートリッジ4はステープラチャンネル50と係合している。次に、ユーザは、装填器2とステープラチャンネル50の少なくとも一方を、任意の方法で、他方から離間移動させる。ユーザは、その手、鉗子、把持具、ロボットエンドエフェクタ、又はその他の道具、によって、新しいカートリッジ4を保持している装填器2を把持し続ける。カートリッジ4はステープラチャンネル50と係合しているので、装填器2の前記コンポーネントは、もはや、ステープラチャンネル50に対するカートリッジ4の位置に影響を与えない。カートリッジ4とステープラチャンネル50とが装填器2から引き出されると、カートリッジ4とステープラチャンネル50とは前記遠位側底部バネ90のフィンガ98に対して近位側に移動し、その後、遠位側底部バネ90はその中立位置に向けて移動する。カートリッジ4が装填器2内で近位側に移動し続けると、カートリッジ4の前記湾曲先端部10が近位側上方バネ18の下側に接触する。カートリッジ4の湾曲先端部10と近位側上方バネ18の下側との間の接触によって、カートリッジ4が装填器2から引き出され時に、近位側上方バネを、カートリッジ4の経路から上方へ付勢する。カートリッジ4の前記湾曲先端部10が近位側上方バネ18に対して近位側に移動すると、カートリッジ4とステープラチャンネル50とが装填器20から自由になり、近位側上方バネ18はその中立位置に向けて下方に移動する。
【0046】
この時、カートリッジ4はステープラチャンネル50内に装填され、使用準備状態となる。
【0047】
次に、ユーザはカートリッジ4とステープラチャンネル50とを患者の治療対象組織の近傍に配置し、カートリッジ4をその組織に対してクランプ又はその他の方法で固定する。前記ステープラチャンネル50は、任意の構成とすることが可能な、外科用ステープラの一部である。当該外科用ステープラの操作は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7988026号明細書に記載されている操作、但しそれに限定されるものではない、適当な方法で行うことができる。前記外科用ステープラの操作によってカートリッジ4に単数または複数のステープルを治療対象組織内に配置させる。いくつかの実施例において、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7988026号明細書に記載されているように、外科用ステープラ内の少なくとも一つのウェッジと複数のステープルとの間の直接接触の結果として、複数のステープルが組織内に配置される。いくつかの実施例において、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7988026号明細書に記載されているように、組織内への配置中に、キャリアから複数のステープルが折り取られる。操作後、もしもステープラチャンネル50とカートリッジ4とが組織に対してクランプされていれば、それらを組織からクランプ解除する。
【0048】
操作-装填解除器
前記ステープラが操作され複数のステープルがカートリッジ4から組織内に配置された後、そのカートリッジ4は使用済みとなり、それ以上の発射のために使用不能となる。もしもユーザが追加のステープルを組織内に配置することを望むのであれば、ユーザはまず使用済みのカートリッジ4をステープラチャンネル50から取り除く。
【0049】
図9-12も参照すると、前記装填解除器120は、使用済みカートリッジ4をステープラチャンネル50から取り除くために使用することができる。これを行うには、ユーザは、装填解除器120と、カートリッジ4とステープラチャンネル50との前記組み合わせの少なくとも一方を、任意の適当な方法で、他方に向けて移動させる。前記装填解除器120の前記アパーチャ122の周部の少なくとも一部の形状は、ステープラチャンネル50内に着座したカートリッジ4の組み合わせの形状によって決めることができる。前記アパーチャ122は、好適には、一方においてはカートリッジ4とステープラチャンネル50との前記組み合わせと、他方においては、装填解除器120、との間の回転アライメントを提供するために、キー構成として作用する。これにより、前記装填解除器120は、カートリッジ4とステープラチャンネル50との前記組み合わせが前記アパーチャ122内に受け入れられた時に、一方においてはカートリッジ4とステープラチャンネル50との前記組み合わせと、他方においては、装填解除器120、との回転アライメントを制御する。
【0050】
前記アパーチャ122は、又、ステープラチャンネル50の前記移動を、装填解除器120の長手軸心に沿った、又は、それに対して平行な、実質的に直線状の移動に規制する。前記アパーチャ122の側部の前記水平面134は、好適には、カートリッジ4の側方で、ステープラチャンネル122の上表面(単数または複数)に係合するようにサイズ構成されて位置され、それによってステープラチャンネル50の動きを制限する。これにより、ステープラチャンネル50のアパーチャ122への挿入の前記直線方向に対して垂直な方向でのステープラチャンネル50の移動が実質的に規制される。
【0051】
装填解除器2と、カートリッジ4とステープラチャンネル50との前記組み合わせが共にスライドし続けると、ステープラボス52は前記側方ランプ140間の前記トラフ142内へと実質的に直線的にスライドする。前記側方ランプ140とトラフ142とは、前記アパーチャ122から離間しており、ステープラボス52は、カートリッジ4とステープラチャンネル50との前記組み合わせがアパーチャ122の遠位側平面を通ってスライドする時から離間した時にトラフ142内へとスライドする。ステープラボス52がトラフ142内にスライドすると、
図12も参照すると、カートリッジ4の遠端部10の下側がトラフ142の遠端部の、当該トラフ142の上方で前記中央ランプ146に係合する。
【0052】
装填解除器2と、カートリッジ4とステープラチャンネル50との前記組み合わせが共にスライドし続けると、カートリッジ4の遠端部10は側方ランプ140に係合することができる。これら側方ランプ140は遠位方向において上方に傾斜又はその他の方法で配向されているので、カートリッジ4の遠端部10の側方ランプ140に沿った移動によって、上向き成分を有する力が、カートリッジ4の遠端部10に加わり、これによってカートリッジ4の遠端部10を上向きに付勢する。カートリッジ4とステープラチャンネル50が装填解除器120に対して遠位側に移動すると、カートリッジ4の遠端部10の下側は、中央ランプ146に沿ってスライドする。他の実施例によれば、カートリッジ4の遠端部10は、それが側方ランプ140に係合する前、又は、実質的にその係合と同時に、中央ランプ146に係合することができる。前記中央ランプ146は遠位方向において上方に傾斜又はその他の方法で配向されているので、カートリッジ4の遠端部10の中央ランプ146に沿った移動によって、上向き成分を有する力が、カートリッジ4の遠端部10に加わり、これによってカートリッジ4の遠端部10を上向きに付勢する。同時に、上述したように、前記アパーチャ122の水平面134によって、ステープラチャンネル50はその上向きの移動が規制される。カートリッジ4と、前記側方ランプ140および/または前記中央ランプ146との間の係合により、カートリッジ4に対して、当該カートリッジ4をステープラチャンネル50から分離するべく、上方向において十分な力が加えられる。一実施例において、カートリッジバンプ58が、例えば圧着等によって、
図11に図示されているように、ステープラチャンネル50のチャンネルボス52のチャンネルボス開口部56とすでに係合しており、そしてカートリッジ4のステープラチャンネル50からの分離時に、チャンネルボス開口部56から係合解除される。オプションとして、この係合解除は、音によって確認可能である。例えば、前記カートリッジバンプ58がチャンネルボス開口部56からパチンと外し、これによって、ユーザが聞くことができる可聴スナップ音を提供し、カートリッジ4とステープラチャンネル50との間の係合解除を音声によって確認する。接続解除前または後、カートリッジ4の湾曲先端部10の遠端部は、当該湾曲先端部10の遠端部の規制されない上方移動を許容するために設けられている、前記アパーチャ130を通ってスライドすることができる。前記チャンネルボス52と前記停止部144との間の接触によって、ステープラチャンネル50と装填解除器120との間の長手方向相対移動がストップされ、これによって、制御を高めるとともに、ユーザに対して、ステープラチャンネル50がカートリッジ4を装填解除するために十分に遠くまで移動したことのフィードバックを提供する。
【0053】
次に、ユーザは、任意の適当な方法で、装填解除器120とステープラチャンネル50との少なくとも一方を、他方から離間移動させる。いくつかの実施例において、前記ステープラボス52は、前記カートリッジバンプ58の下でスライドするので、カートリッジ4を、ステープラチャンネル50の装填解除器120に対する前記近位側移動中に、誤って、ステープラチャンネル50に再接続することはできない。カートリッジ4の遠端部は既にステープラチャンネル50から分離しているので、ステープラチャンネル50の前記近位側移動によってカートリッジ4の近端部がステープラチャンネル50から分離される。これにより、使用済みカートリッジ4は、ステープラチャンネル50から接続解除され、装填解除器120によって保持される。ステープラチャンネル50は再び空になる。
【0054】
大半の状況において、ユーザは、ステープラチャンネル4に新たな未使用のカートリッジ4を再装填する目的で、使用済みカートリッジ4を装填解除する。ユーザは、上述した装填プロセスを反復し、そのカートリッジ4をステープラチャンネル50に取り付けるために、新しいカートリッジ4を保持している装填器2を利用することができる。
【0055】
いくつかの実施例によれば、単数または複数の装填器2および/または装填解除器120を、マガジンに固定しまたはマガジンの一部として製造することができる。そのようなマガジンは、互いに離間されるとともに、直線状又はその他任意の方法で配置された、複数の装填器2および/または装填解除器120を含むことができる。前記マガジンは、患者の近傍の殺菌領域、又は、手術室の他のどこかに配置することができる。前記マガジンは、ユーザが装填器2および/または装填解除器120を把持する必要無く利用可能できるように、装填器2および/または装填解除器120を確実に保持し、装填器2および/または装填解除器120は、マガジンの一部としてしっかりと保持される。前記マガジンは、患者の近くの構造物にクランプすることができ、あるいは重みをかけられてスタンドアローンとすることができ、あるいは、装填および/または装填解除中にユーザによって保持される必要のない、スタンドアローン装置として使用されるように構成することが可能である。前記マガジンは、ステープラチャンネル50がロボットエンドエフェクタの一部、又は、ロボットエンドエフェクタによって保持される、カリフォルニア州、SunnyvaleのIntuitive Surgical社のda Vinci外科ロボット、を利用するもの等の、ロボット外科手術において特に有用でありうる。前記装填器2および/または装填解除器120を患者の近傍のマガジン内に置くことにより、ユーザ(通常は、患者から離れたコントロールコンソールに座っている)は、ステープラチャンネル50を装填および/または装填解除するための人による追加的介入なしに、コントロールコンソールから前記ロボットのみを使用して、このステープラチャンネル50を装填および/または装填解除することができる。
【0056】
図14も参照すると、いくつかの実施例によれば、少なくとも一つの装填器2を少なくとも一つの装填解除器120に接続して、一体構造体を形成することができる。例えば、そのそれぞれの遠端部については上述したが、装填器2の遠端部を、装填解除器120の遠端部に接続することができる。そのような装填器/装填解除器の組み合わせは、互いに組み付けられる二つ以上のコンポーネントとして、あるいは、射出成型や3D印刷等によって単一のコンポーネントとして製造可能である。把持フィクスチャ220を、前記装填器2と装填解除器120との間の接続部等、前記装填器/装填解除器210の外面に設けることができる。他の実施例において、前記把持フィクスチャ220は、前記装填器/装填解除器210の外面上の任意のその他の適当な位置に設けることができる。前記把持フィクスチャ220は、前記装填器/装填解除器210から外側に延出するポスト又はその他の構造体とすることができる。前記把持フィクスチャ220の断面は、四角形、円形、三角形、又は、その他に適当な形状とすることができ、この把持フィクスチャ220断面は、当該把持フィクスチャ220に沿って実質的に一定とするか、あるいは、把持フィクスチャ220に沿って変化するものとすることができる。
【0057】
前記把持フィクスチャ220は、把持具、鉗子、ロボティクエンドエフェクタ又はその他のツール、によって係合可能である。把持フィクスチャ220を備えた前記装填器/装填解除器組み合わせ210は、最小侵襲性外科手術、特に、ロボット外科手術に有用でありうる。前記装填器/装填解除器組み合わせ210は、実質的に、上述したように、ここに記載のバリエーションで使用することができる。前記ステープラチャンネル50は、体外において装填され且つ第1トロカールを通して体に挿入され、前記装填器/装填解除器組み合わせ210は、第1トロカールを通したステープラチャンネル50の挿入の前、挿入の中、又は、挿入の後で、第2トロカールを通って体内に挿入される。組織内でのステープルの配置後、ステープラチャンネル50は、前記第1トロカールから引き抜く必要なない。その代わりに、ステープラチャンネル50は、患者の体腔内の前記装填器/装填解除器組み合わせ210の装填解除器コンポーネントに係合することができる。カートリッジ4を、上述したのと同じようにして、ステープラチャンネル50から装填解除する。その後、前記装填器/装填解除器組み合わせ210を、前記把持フィクスチャ220に係合するロボット把持具を回転させる等によって、前記把持フィクスチャ220によって形成される軸心回りでほぼ180度、回転させることができる。これにより、空のステープラチャンネル50は、再装填のために実質的に同じ場所に留まることが可能となり、プロセスが単純化される。その後、ステープラチャンネル50と、前記装填器/装填解除器組み合わせ210の装填器コンポーネントとを、互いに対して共に移動させ、新しいカートリッジ4を、上述したのと同様にして、ステープラチャンネル50に装填する。次に、前記装填器/装填解除器組み合わせ210を、前記第2トロカールを通して患者の体腔から取り除く。あるいは、前記装填器/装填解除器組み合わせ210を、前記装填器2と前記装填解除器120との作動に関して別々に記載したのと実質的に同じようにして、体内ではなく、体外で使用することができる。
【0058】
以上本発明について詳細に説明したが、本発明から逸脱することなく、様々な変更及び改造を行い均等物を使用することが可能であることが当業者にとって明白であろう。尚、本発明は、上記説明に記載された、あるいは、図面に図示された、構造の詳細、コンポーネントの配置、および/または、方法、に限定されるものではない、と理解される。本文書の要約書の記載および本文書の要約的な記載は、単に例示的なものに過ぎず、それらは、請求項の範囲として、それを限定するものとして解釈されるものではなく、また解釈することができないものである。更に、図面は単に例示的なものであって限定的なものではない。見出しは、読者の便宜のためのものに過ぎない。それらは、なんら実体的重要性、意味又は解釈を有するものは見なすべきではなく、また、見なすことのできないものであり、特定のトピックに関連する情報のすべてが特定の見出し又は副見出しの下に見られる、又はそれに限定されるものであることを示すものと見なされるべきではなく、また、見なすことのできないものである。したがって、本発明は、以下の請求項及びそれらの法的均等物による以外の制約又は限定を受けるものではない。