(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】カバー要素によって覆われたスキャンミラーを備えたライダースキャナ用の送信器
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20230224BHJP
G01S 7/481 20060101ALI20230224BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
G01S7/481 A
G02B26/08 E
(21)【出願番号】P 2020511243
(86)(22)【出願日】2018-08-02
(86)【国際出願番号】 DE2018100681
(87)【国際公開番号】W WO2019037809
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】202017105001.7
(32)【優先日】2017-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102017123875.1
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501325543
【氏名又は名称】イエーノプティーク オプティカル システムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】シャラー ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ラーベ クリスティアン
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-116151(JP,A)
【文献】特開昭58-192015(JP,A)
【文献】特開2003-021801(JP,A)
【文献】特開2010-060689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/08 - 26/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線軸(A
1、・・・、A
n)を有する少なくとも1つのレーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発する放射装置(1)、及び、その中心点(MP)の周りで揺動可能なスキャンミラー(2)であって透明なカバー要素(4)を備えるハウジング(3)内部に配設されたスキャンミラー(2)、を含む送信器にして、
少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)の前記光線軸(A
1、・・・、A
n)が以下のように前記カバー要素(4)へ向けられている、すなわち、前記光線軸(A
1、・・・、A
n)が少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記カバー要素(4)を通って通過した後入射領域(4.1)内で前記中心点(MP)に当たりまた少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記スキャンミラー(2)での反射の後出射領域(4.2)内で再度前記カバー要素(4)を通過するように、前記カバー要素(4)へ向けられている、
送信器であって、
前記カバー要素(4)が、少なくとも前記出射領域(4.2)にて曲率中心(K)を有する単一中心的な半球殻(HK)の一部分によって形成されており、また、前記曲率中心(K)及び前記スキャンミラー(2)の前記中心点(MP)が一致するように前記スキャンミラー(2)を覆って配設されており、それにより前記カバー要素(4)が、前記スキャンミラー(2)の前記中心点(MP)から前記出射領域(4.2)へ反射されるそれぞれのレーザー光線(S
1、・・・、S
n)に対して同一に作用すること、及び、
少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記カバー要素(4)を通過する前に、入射領域(4.1)内で、収束的に予めコリメートされており、また前記カバー要素(4)を再度通過した後、出射領域(4.2)内で完全にコリメートされており、少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、...、S
n)のコリメーションは、レーザー光線源(1.1)が前記半球殻(HK)の対象側の焦点(F
HK)の位置を通って伸びる結像面(BE)に結像されるという点で適合する送信機において、
前記カバー要素(4)に前記入射領域(4.1)内で1つの屈折要素(5)が配設又は形成されており、当該屈折要素(5)を介して少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記中心点(MP)へ導かれること、及び、
前記放射装置(1)が、互いに平行に指向された光線軸(A
1、・・・、A
n)を有する少なくとも2つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発し、前記屈折要素(5)が、前記単一中心的な半球殻(HK)の仮想の接線面(T)に又は仮想の接面接線面(T)に対して平行に、配設されている1つの平坦な入射面(5.1)、及び、前記放射装置(1)が複数の前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発するのと同数の互いに傾斜された平坦な出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)、を有しており、その結果、少なくとも2つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が、前記入射面(5.1)に対して垂直に指向されている場合、それぞれ出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)での屈折を介して、前記中心点(MP)へ導かれること、
を特徴とする送信器。
【請求項2】
光線軸(A
1、・・・、A
n)を有する少なくとも1つのレーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発する放射装置(1)、及び、その中心点(MP)の周りで揺動可能なスキャンミラー(2)であって透明なカバー要素(4)を備えるハウジング(3)内部に配設されたスキャンミラー(2)、を含む送信器にして、
少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)の前記光線軸(A
1、・・・、A
n)が以下のように前記カバー要素(4)へ向けられている、すなわち、前記光線軸(A
1、・・・、A
n)が少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記カバー要素(4)を通って通過した後入射領域(4.1)内で前記中心点(MP)に当たりまた少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記スキャンミラー(2)での反射の後出射領域(4.2)内で再度前記カバー要素(4)を通過するように、前記カバー要素(4)へ向けられている、
送信器であって、
前記カバー要素(4)が、少なくとも前記出射領域(4.2)にて曲率中心(K)を有する単一中心的な半球殻(HK)の一部分によって形成されており、また、前記曲率中心(K)及び前記スキャンミラー(2)の前記中心点(MP)が一致するように前記スキャンミラー(2)を覆って配設されており、それにより前記カバー要素(4)が、前記スキャンミラー(2)の前記中心点(MP)から前記出射領域(4.2)へ反射されるそれぞれのレーザー光線(S
1、・・・、S
n)に対して同一に作用すること、及び、
少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記カバー要素(4)を通過する前に、入射領域(4.1)内で、収束的に予めコリメートされており、また前記カバー要素(4)を再度通過した後、出射領域(4.2)内で完全にコリメートされており、少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、...、S
n)のコリメーションは、レーザー光線源(1.1)が前記半球殻(HK)の対象側の焦点(F
HK)の位置を通って伸びる結像面(BE)に結像されるという点で適合する送信機において、
前記カバー要素(4)に前記入射領域(4.1)内で1つの屈折要素(5)が配設又は形成されており、当該屈折要素(5)を介して少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記中心点(MP)へ導かれること、及び、
前記放射装置(1)が、互いに平行に指向された光線軸(A
1、・・・、A
n)を有する少なくとも2つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発し、また、前記屈折要素(5)が、前記単一中心的な半球殻(HK)の仮想の接線面(T)に又は仮想の接線面(T)に対して平行に、配設されている1つの平坦な出射面(5.2
3)を有していること、及び、
前記屈折要素(5)が、放射装置(1)が複数の前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発するのと同数の互いに傾斜された平坦な前記入射面(5.1
1、・・・、5.1
n)、を有しており、その結果、少なくとも2つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が、
前記出射面(5.2
3)に対して垂直に指向される場合、それぞれ入射面(5.1
1、・・・、5.1
n)及び出射面(5.2
3)での屈折を介して、前記中心点(MP)へ導かれること、
を特徴とする送信器。
【請求項3】
光線軸(A
1、・・・、A
n)を有する少なくとも1つのレーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発する放射装置(1)、及び、その中心点(MP)の周りで揺動可能なスキャンミラー(2)であって透明なカバー要素(4)を備えるハウジング(3)内部に配設されたスキャンミラー(2)、を含む送信器にして、
少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)の前記光線軸(A
1、・・・、A
n)が以下のように前記カバー要素(4)へ向けられている、すなわち、前記光線軸(A
1、・・・、A
n)が少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記カバー要素(4)を通って通過した後入射領域(4.1)内で前記中心点(MP)に当たりまた少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記スキャンミラー(2)での反射の後出射領域(4.2)内で再度前記カバー要素(4)を通過するように、前記カバー要素(4)へ向けられている、
送信器であって、
前記カバー要素(4)が、少なくとも前記出射領域(4.2)にて曲率中心(K)を有する単一中心的な半球殻(HK)の一部分によって形成されており、また、前記曲率中心(K)及び前記スキャンミラー(2)の前記中心点(MP)が一致するように前記スキャンミラー(2)を覆って配設されており、それにより前記カバー要素(4)が、前記スキャンミラー(2)の前記中心点(MP)から前記出射領域(4.2)へ反射されるそれぞれのレーザー光線(S
1、・・・、S
n)に対して同一に作用すること、及び、
少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記カバー要素(4)を通過する前に、入射領域(4.1)内で、収束的に予めコリメートされており、また前記カバー要素(4)を再度通過した後、出射領域(4.2)内で完全にコリメートされており、少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、...、S
n)のコリメーションは、レーザー光線源(1.1)が前記半球殻(HK)の対象側の焦点(F
HK)の位置を通って伸びる結像面(BE)に結像されるという点で適合する送信機において、
前記カバー要素(4)に前記入射領域(4.1)内で1つの屈折要素(5)が配設又は形成されており、当該屈折要素(5)を介して少なくとも1つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が前記中心点(MP)へ導かれること、及び、
前記放射装置(1)が、互いに平行に指向された光線軸(A
1、・・・、A
n)を有する少なくとも2つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発し、また、前記屈折要素(5)が、前記単一中心的な半球殻(HK)の仮想の接線平面(T)に対して垂直に配設されている1つの平坦な入射面(
5.1
3
)、1つの背面(5.3)、及び、前記放射装置(1)が複数の前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発するのと同数の互いに傾斜された平坦な出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)、を有しており、その結果、少なくとも2つの前記レーザー光線(S
1、・・・、S
n)が、前記入射面(5.1
3)に対して垂直に指向される場合、前記背面(5.3)によって反射され、また、それぞれ前記出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)での屈折を介して、前記中心点(MP)へ導かれること、
を特徴とする送信器。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の送信器において、
前記カバー要素(4)が、前記入射領域(4.1)内で、前記単一中心的な半球殻(HK)の第2の一部分によって又は別の単一中心的な半球殻の一部分によって形成されており、前記単一中心的な半球殻(HK)の曲率中心(K)及び前記別の単一中心的な半球殻の曲率中心が一致すること、
を特徴とする送信器。
【請求項5】
請求項1に記載の送信器において、
前記放射装置(1)が、奇数のレーザー光線(S
1、・・・、S
n)を発し、複数の前記出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)が一列に配置されており、複数の前記出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)のうち中央の出射面は前記入射面(5.1)に対して平行に配置されており、また、前記複数の前記出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)のうちその他の出射面は複数の前記出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)のうちの前記中央の出射面に対して対称に配置されており、その結果、前記複数の前記出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)のうちその他の2つの出射面がそれぞれ対称的に互いに向かい合っており、またそれぞれが前記複数の出射面(5.2
1、・・・、5.2
n)のうちの前記中央の出射面と同じ角度をなしていること、
を特徴とする送信器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の送信器において、
前記屈折要素(5)が一体的な前記カバー要素(4)内に形成されていること、
を特徴とする送信器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライダースキャナ(LIDARスキャナ(LIDAR:light detection and ranging))用の送信器にして、コリメートされたレーザー光線を用いて少なくとも1つのスキャン角度領域をスキャンする送信器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
個々のスキャン点がほぼ無限遠に結像される距離測定においては、個々のスキャン角度領域は、2次元的なスキャンフィールド(スキャン野)のスキャンによって3次元的な拡がり(拡張)を有する、又は、1次元的なスキャンライン(スキャン線)のスキャンによって2次元的な拡がりを有する。
【0003】
スキャンフィールド或いはスキャンラインの拡がりがスキャンミラーの最大の揺動角度により制限されている一方で、その深さは基本的に、一方では光線の強度が進行経路と共に指数関数的に減衰するというランベルト・ベールの法則によって決定されており、また他方では光線源の出力を制限する必要とされるレーザークラスによって制限されている。
【0004】
大きなスキャン角度領域は、例えば広い領域が空間内で空白なしに観察されるべきであるところで重要となる。これに関する使用分野は例えば、航空、船舶航行、軍事技術、又は、路上車両の自動走行(自律走行)であり得る。
【0005】
それを用いて大きなスキャン角度を網羅することが出来る回転性のミラーをスキャンミラーとして使用する場合、例えば内部でミラー軸が支持されている複数のホルダーといった、複数の更なる個別の構成要素(個別部品)が必要とされる。回転に伴い生じる摩擦は、摩耗及びそれにより生じる滑りを導く。複数の個別の構成部材からなる構成グループは、今日では通常、一体的に(単一部材的に)製造された構成グループよりも製造に関してより労力がかかり、また従ってより高価である。それらは小型化がより困難であり、また通常より高重量である。
【0006】
一体的に個体ジョイントを介して1つのフレームと接続されている複数のMEMSミラー(MEMS:Micro Electro Mechanic Systems)は、完全に消耗なしに機能し、その際、MEMSミラーの中心点の周りで互いに180°ずれて配設されている2つの個体ジョイントは機械的に見て1つの回転軸を形成している。以下のような商用(市販)のMEMSミラーも存在する、即ち、1つの回転軸の周りでのみ揺動され得る、互いに垂直な2つの回転軸の周りで揺動され得る、又は、個別のサスペンション部(マウント部)を形成する3つ以上のジョイントの周りで揺動され得る、商用(市販)のMEMSミラーも存在する。その際フレームに対するMEMSミラーの揺動角度(偏向角度)は、個体ジョイント接続に基づいて、その都度、揺動されていないゼロ位置の周りで±約10°に制限されている。摩擦のない駆動、高い値に到達可能なその駆動周波数、及び、昨今の比較的低い価格は、MEMSミラーを目下、動的且つ小型でまた堅牢な装置にとって非常に魅力的なものとしている。
【0007】
しかしながら送信器用のスキャンミラーとして複数のMEMSミラーを用いる場合はしかしながら、制限された小さい揺動角度が欠点である。MEMSミラーを介して反射されるレーザー光線にとっての最大のスキャン角度領域は、最大の揺動角度の4倍からもたらされ、従って最大で約40°の値を取る。個々のMEMSミラーの複数のスキャン角度領域から、1つの合成されたより大きな角度領域を獲得するために、又は、互いに遠く離れて存在する複数のスキャン角度領域をもたらすために、複数のMEMSミラーを用いることは自明であろう。しかしながらそれにより、一方では、装置のコンパクトさが損なわれる可能性があり、また他方では、複数のMEMSミラーをそれらの運動経過に関して同期させるために技術的な措置が取られなければならない可能性がある。その代わりに、複数のレーザー光線を異なる入射角度でMEMSミラーへ指向させること、そしてその結果、それらが、互いに隣り合う複数の個別のスキャン角度領域にして1つの大きなスキャン角度領域を組み立てるスキャン角度領域をスキャンすることは、MEMSミラーの上流のカバー要素にして従来技術に従えば平坦プレートの形態でのみ知られているカバー要素が個々のレーザー光線に異なる影響を与えることが欠点となる可能性がある。
【0008】
スキャンミラーがMEMSミラーであるかどうかとは無関係に、スキャンミラーがハウジング内に入れられており、またカバー要素によって覆われており、また従って保護されていることには、複数の理由があり得る。この場合知られている限りにおいて常に、カバー要素は、揺動されていないミラーに対して平行に又は傾斜して配設された透明な平坦プレートである。
【0009】
カバー要素へ入射する1つのレーザー光線は、これは場合によってはスキャンミラーへ指向される複数のレーザー光線及びスキャンミラーでの反射の後のそれぞれのレーザー光線に関係するものであるが、それ故、平坦プレートへの入射角に応じて、レーザー光線の強度を位置に応じて多少低減させる多少のフレネルロス(フレネル損失)を被る。更に、カバー要素での望まれない反射が起こり得る。
【0010】
特許文献1からは、送信ユニット(出射ユニット)を備えた光学的な対象物検知ユニットが知られており、当該対象物検知ユニットは、レーザー光線を発するための送信機、その中心点の周りで1つ又は2つの回動方向の周りで回動可能なマイクロミラー、及び、送信光線経路内でマイクロミラーの下流側にこれを覆うように配設されている送信レンズ、を含んでいる。メニスカスレンズとして設計されている送信レンズはこの場合、送信ユニットのハウジングのカバーとしても機能することが出来る。この場合の欠点は、レーザー光線がマイクロミラーに向かって送信レンズを介さずには案内され得ないのでマイクロミラーがそれ自体のみではハウジング内へ組み込まれ得ないこと、である。
【0011】
特許文献2からは、少なくとも2つの切り替え位置にて回動可能なMEMSミラーにして、屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)で覆われるMEMSミラーを有する照射装置(投影装置)が知られている。屈折率分布型レンズはそれぞれ、非常にポジティブに屈折的な平凸レンズ又は非常にポジティブに屈折的なメニスカスであり、その平坦面又は凹面はそれぞれ、MEMSミラーに向けられて配置されている。屈折率分布型レンズを介して入射するおそらくは平行なレーザー光線束は、MEMSミラー上へフォーカスされ、また、反射後に屈折率分布型レンズを新たに通過する際に場合によっては再度コリメートされる。一方では、MEMSミラーが、屈折率分布型レンズの平坦面によって制限されて、非常に小さい回動領域しか有していないことが欠点であり、また他方では、場合によっては異なる入射角度から来る複数のレーザー光線が屈折率分布型レンズの平坦面又は凹面のそれぞれでの屈折に基づいてMEMSミラー上で同一の点に当たらないことが欠点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】DE 10 2012 025 281 A1
【文献】DE 10 2011 006 159 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の課題は、カバー要素によって保護されているスキャンミラーを有するライダースキャナ(LIDARスキャナ)用の送信器にして、カバー要素にて可能な限り僅かなフレネルロスしか発生せず又望まれない反射が発生しない送信器、を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この課題は、請求項1~3の特徴を用いて解決される。有利な実施例は従属する下位請求項に記載されている。
【0015】
本発明は以下において、複数の実施例及び図面に基づいてより詳細に説明される予定である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】放射装置を備える送信器に対する第1の実施例を示しており、当該放射装置は予めコリメートされたレーザー光線を発する。
【
図2】放射装置を備える送信器に対する第2の実施例を示しており、当該放射装置は予めコリメートされた2本のレーザー光線であって、互いに1つの角度を取り囲むレーザー光線を発する。
【
図3】
図1及び
図2に従う送信器内での1本のレーザー光線の光線経路に対する簡略化された光学図を示す。
【
図4a】放射装置を備える送信器に対する第3の実施例を示しており、当該放射装置は予めコリメートされた互いに平行な2本のレーザー光線を発する。
【
図4b】
図4aに従う送信器の拡大された部分図を示している。
【
図5】放射装置を備える送信器に対する第4の実施例の拡大された部分図を示しており、当該放射装置は予めコリメートされた互いに平行な3本のレーザー光線を1つの列に沿って発する。
【
図6】放射装置を備える送信器に対する第5の実施例の拡大された部分図を示しており、当該放射装置は予めコリメートされた互いに平行な3本のレーザー光線を1つの列に沿って発する。
【
図7】放射装置を備える送信器に対する第6の実施例の拡大された部分図を示しており、当該放射装置は予めコリメートされた互いに平行な3本のレーザー光線を1つの列に沿って発する。
【
図8】放射装置を備える送信器に対する第7の実施例の拡大された部分図を示しており、当該放射装置は予めコリメートされた互いに平行な3本のレーザー光線を1つの列に沿って発する。
【
図9】
図4aから
図8に従う送信器内での1本のレーザー光線の光線経路に対する簡略化された光学図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に従う送信器は基本的に、
図1、
図2又は
図4に示されているように、光線軸A
1、・・・、A
nを有する少なくとも1つのレーザー光線S
1、・・・、S
nを放射(出射)する放射装置(出射装置)1、及び、その中心点MPの周りで揺動角度β分だけ揺動可能なスキャンミラー2、を含んでいる。スキャンミラー2は透明なカバー要素4を有するハウジング3内に配設されている。少なくとも1つのレーザー光線S
1、・・・、S
nの光線軸A
1、・・・、A
nは、以下のようにカバー要素4へ指向されている、すなわち、光線軸A
1、・・・、A
nは、少なくとも1つのレーザー光線S
1、・・・、S
nが入射領域4.1内でカバー要素4を通って入った後にスキャンミラー2の中心点MPに当たるように、指向されている。スキャンミラー2にて少なくとも1つのレーザー光線S
1、・・・、S
nが反射した後にこの光線は新たに出射領域4.2内でカバー要素4を通って出ていく。
【0018】
カバー要素4が、少なくとも出射領域4.2にて単一中心的な(単心的な、モノセントリックな)半球殻HK(以下単に半球殻HKと称する)の一部分によって形成されていること、及び、半球殻HKの曲率中心Kとスキャンミラー2の中心点MPが一致するようにスキャンミラー2を覆って配設されていること、が本発明にとって本質的である。単一中心的(モノセントリック)とは、半球殻HKの双方の表面の曲率中心が一致することを意味している。
【0019】
カバー要素4は、望まれない光学的効果を避けつつスキャンミラー2を保護する機能のみを有している。それは少なくとも放射領域において単一中心的な半球殻HKの一部分として設計されているので、それは、スキャンミラー2の中心点MPから出射領域へ反射されるそれぞれのレーザー光線S1、・・・、Snに対して同一に作用する。スキャンミラー2の中心点MPへ指向されるそれぞれのレーザー光線S1、・・・、Snのうちの主光線(中心光線)は、垂直方向で半球殻HKの双方の表面へ反射され、また、従って屈折されることなくカバー要素4を通過する。レーザー光線S1、・・・、Snのその他の全ての光線は(正確にはレーザー光線束について説明するべきであるかもしれないが)、半球殻HKは必然的にある程度の厚さを有しているので、避けられず境界面で屈折され、その際、半球殻HKは拡散レンズ(散光レンズ)として作用する。半球殻HKの避けることが出来ない光学的作用は、レーザー光線S1、・・・、Snが放射装置1によって既に予めコリメートされて(プレコリメートされて)カバー要素4へ指向されることで、補償される。この場合、予めコリメートされる、とはレーザー光線S1、・・・、Snが僅かな収束を有することを意味している。半球殻HKの拡散作用によってレーザー光線S1、・・・、Snは完全にコリメートされる。
【0020】
カバー要素4は完全な半球殻HKであってもよい(
図1参照)、またそれは入射領域4.1に屈折要素(偏向要素)5が統合されている或いは形成されている半球殻HKであってもよい(
図4参照a)、半球殻HKは出射領域を含む一部分まで減少されており、また入射領域では揺動されていないスキャンミラーに対して平行に或いは傾けられて配設された平坦プレートであるようなものまでがカバー要素4であり得る。基本的に、カバー要素4は入射領域4.1及び出射領域4.2においても、異なる半径を有する2つの半球殻の一部分によって形成され得て、その際、両方の半球殻の曲率中心はスキャンミラーの中心点MPに一致している。本発明の後続の説明に対しては、単純化して、入射領域4.1もまた同様に出射領域4.2も半球殻の一部分によって形成されるケースに対して、カバー要素自体が完全な半球殻であることを前提とする予定である。半球殻HKは負の屈折力(負屈折力)を有している。それは、幾何学的なベース円(底部円)によって定義されており、当該幾何学的なベース円は半球殻HKの底面の外周によって描かれ、また、面中心点を有している。面中心点は、半球殻HKのまたこの半球殻HKの全ての一部分の曲率中心Kである。すなわち、半球殻HKは一部分へ縮小され、この一部分にも、割り当てられた仮想の完全な半球殻HKのように、同じ曲率中心Kが割り当てられ得る。
【0021】
入射領域4.2の様々な設計の異なる作用は、実施例に基づいて後に説明される。
【0022】
カバー要素4は、必然的に幾何学的なベース円Gの面中心点がスキャンミラー2上でその中心点MPに存在するように、スキャンミラー2を覆って配設されている。これは、製造上及び組み立て上もたらされた公差、長期ドリフト並びに予期される通りに悪化するビームの質を許容する公差偏差を含んでも成り立つものである。
【0023】
少なくとも1つのレーザー光線S1、・・・、Snは、それがカバー要素4を入射領域4.1内で通過する前に、収束的に予めコリメートされ、そして、出射領域4.2内で新たにカバー要素4を通過した後で完全にコリメートされていることも、本発明にとって本質的である。
【0024】
専門的には、例えばレーザーダイオードといったレーザー源の放射特性についての知識に関して、レーザー源と共にレーザー光線用の放射装置1を形成するコリメーターは、カバー要素4の光学的なパラメータを用いる調整に関して、送信器によって放射されるレーザー光線S1、・・・、Snが完全にコリメートされているように計算される。放射装置1は、それがいくつのレーザー光線S1、・・・、Snを放射するかに応じて、複数のレーザー源1.1及び複数のコリメーターを有している。その際複数のレーザー源1.1.はそれぞれ関連するコリメーター1.2の対象側の焦点F1.2の近傍に存在するものの、まさにその位置には存在してはおらず、その結果、レーザー光線S1、・・・、Snは放射装置1から出る際にはまだ完全にはコリメートされてはいない。
【0025】
図1は、送信器に対する第1の実施例を図示している。放射装置1はこの場合、ちょうど1本のレーザー光線S
1を放射している。
図2に図示されている第2の実施例においては、放射装置1は2本のレーザー光線S
1、S
2を放射している。放射装置1は2本より多くのレーザー光線S
1、・・・、S
nを発することも可能であり、それらの光線軸A
1、・・・、A
nは、それぞれ入射領域4.1の表面に対して垂直に指向されておりまた互いに1つの角を取り囲んでいる。
【0026】
カバー要素4の設計は、両方の実施例に対して同一でありまた完全な半球殻HKである。その結果、カバー要素4の入射領域4.1及び出射領域4.2はそれぞれ、この単一中心的な半球殻HKの一部分を含んでいる。従ってカバー要素4は比較的簡潔に製造され得る。しかしながら、入射領域4.1及び出射領域4.2の外側では、カバー要素4は任意の形状的な形態を有することが可能である。
【0027】
揺動されていないスキャンミラー2の垂線Lに対して少なくとも1つのレーザー光線S1、・・・、Snがスキャンミラー2に当たる入射角度α1、・・・αnとは完全に無関係に、当該レーザー光線S1、・・・、Snの光線軸A1、・・・、Anは、カバー要素4が半球殻HKとして形成されている場合には或いは少なくとも入射領域4.1及び出射領域4.2において半球殻HKの一部分である場合には、スキャンミラー2での反射後に、その位置とは無関係に揺動中に常に垂直にカバー要素4へ当たる。それにより、通過するレーザー光線S1、・・・、Snの透過成分は、最大限であるだけでなく、スキャンミラー2が揺動する際も変化しない。
【0028】
有利には、半球殻HK(カバー要素4)は、例えば射出成形によって、丈夫な壁厚を有して作製される。従ってそれはその壁厚による著しくビーム整形的な作用(ビームフォーミングな作用)を有している。
【0029】
図3には、レーザー光線S
1、・・・、S
nの光線経路(光線の進行)に対しての簡略化され、展開された光学図を、送信器の第1及び第2の実施例にとってのレーザー光線S
3を用いて表している。展開されるとはこの場合、スキャンミラー2での反射による光線の偏向(方向転換)が考慮されないままであることを意味している。放射装置1から来る予めコリメートされたレーザー光線S
3は、負の屈折力F
HK、F`
HKを有する半球殻HKを2度通過することによって完全にコリメートされる。レーザー光線S
3に対する完全なコリメーションは、コリメーター1.2が以下のように設計されていることによって達成される、すなわち、レーザー光線源1.1がコリメーター1.2を介して、半球殻HKの対象側の焦点F
HKの位置を通って伸びる結像面BEへ結像されるように、コリメーター1.2が設計されていることによって、達成される。
【0030】
図4aには、送信器の第3の実施例に対する原理図が図示されている、
図4bでは当該実施例の拡大された一部分が、
屈折要素5を示している。
図5から
図8には、複数の別の実施例のためにそれぞれ異なって設計された
屈折要素5が示されている。これらの実施例は、先に挙げた2つの実施例とは、放射装置1が互いに平行に調整された光線軸A
1、・・・、A
nを有する少なくとも2つのレーザー光線S
1、・・・、S
nを発する点、及び、カバー要素4が、入射領域4.1に屈折要素5を含んでいるか、又は、以下のような要素として形成されている点、すなわちその要素を介して少なくとも2つのレーザー光線S
1、・・・、S
nが中心点MP上へと導かれるような要素として形成されている点、で異なっている。
【0031】
図4a及び
図4bに従う第3の実施例及び
図5に従う第4の実施例に従うと、屈折要素5は平坦な入射面5.1
3を有しており、当該入射面5.1
3は、半球殻HKの仮想の接線平面(接面)Tに又は仮想の接線平面Tに対して平行に、配設されおり、また、屈折要素5は、放射装置1が発する複数のレーザー光線S
1、・・・、S
nと同数の、互いに傾斜した平坦な複数の出射面5.2
1、・・・、5.2
nを有している。その結果、少なくとも2つの平行なレーザー光線S
1、・・・、S
nが、レーザー光線S
1、・・・、S
nのうちの1つを除いて、入射領域5.13へ向かって垂直に調整される場合、それぞれ、出射面5.2
1、・・・、5.2
nでの屈折を介して中心点MP上へ導かれる。
【0032】
有利には放射装置1は、
図5に図示されている第4の実施例のように、奇数本のレーザー光線を発し、また、出射面5.2
1、・・・、5.2
nは一列に配置されている。その際、出射面5.2
1、・・・、5.2
nのうち中央の出射面は、1つの入射面5.1
3と平行に配置されており、また、その他の出射面5.2
1、・・・、5.2
nは、出射面5.2
1、・・・、5.2
nのうち中央の出射面に対して対称に配置されている。その結果、その他の出射面(中央の出射面以外の出射面)5.2
1、・・・、5.2
nのうちの2つの出射面のそれぞれが互いに対称的に位置しており、また、それぞれが、出射面5.2
1、・・・、5.2
nのうち中央の出射面と同一の角度を取り囲んでいる。
【0033】
図6に図示されている第5の実施例は、以下の点で第3及び第4の実施例とは異なっている、すなわち、平坦な入射面5.1
3が半球殻HKの仮想の接線平面Tに対して垂直に配置されており、また、入射面5.1
3に対して45°分だけ傾斜されている反射面(背面)5.3を有しており、その結果、少なくとも2つのレーザー光線S
1、・・・、S
nが、その光線軸A
1、・・・、A
nが入射面5.1
3に対して垂直に調整されている場合、反射面5.3によって反射されまたそれぞれ出射面5.2
1、・・・、5.2
nでの屈折を介して中心点MPに導かれることによって、第3及び第4の実施例とは異なっている。
【0034】
1つの入射面5.13は、仮想の接線平面Tと0°から90°の間で異なる角度を取り囲んでいてもよく、その結果、放射装置1をスキャンミラー2に対するその相対位置に関して与えられた構成自由度に応じて配設することが可能である。
【0035】
図7に図示されている第6の実施例は、屈折要素5が放射装置1が発する複数のレーザー光線S
1、・・・、S
nと同数の入射面5.1
1、・・・、5.1
nを有していることによって、第3から第5の実施例とは異なっている。
【0036】
図8に図示されている第7の実施例は、カバー要素5が唯一つの出射面5.2
3を有していることによって、第6の実施例とは異なっている。
【0037】
屈折要素5に対する最後に挙げられた2つの実施は、レーザー光線S1、・・・、Snにとっての屈折を2つの面で分けることが出来るので、特に有利である。
【0038】
屈折要素5の上述の全ての実施は、個々のレーザー光線S1、・・・、Snのためにそれぞれ1つのくさび部を、割り当てられたそれぞれの入射面5.11、・・・、5.1n及び割り当てられたそれぞれの出射面5.21、・・・、5.2nが互いに傾斜して配置されていることによって、形成している。複数のレーザー光線S1、・・・、Snのうちの1つのレーザー光線S3のためには、屈折要素は、出射面5.23に対して平行な入射面5.11を有する平坦なプレートであってもよい。
【0039】
図9には、レーザー光線S
1、・・・、S
nの光線経路に対する簡略化され展開された光学図が、第3から第7の実施例のためのレーザー光線S
3を用いて図示されている。展開されるとはこの場合、スキャンミラー2での反射による、また、屈折要素5での屈折による或いはそこでの屈折及び反射による、光線の偏向(方向転換)が考慮されないままであるであることを意味している。放射装置1から来る予めコリメートされたレーザー光線S
1、・・・、S
nは、屈折要素5を通過する際のその光線軸A
1、・・・、A
nの傾きに依存して、異なって屈折されまた従って偏向される。代替的に、
図9にはレーザー光線S
3の光線経路が図示されており、当該レーザー光線S
3のために屈折要素5は単に平坦なプレートとして作用している。屈折要素5は結像的には作用せず、その結果、予めコリメートされたレーザー光線の完全なコリメーションは、半球殻HKを介した簡潔な結像によって行われる。
【0040】
レーザー光線S3に対する完全なコリメーションは更に、半球殻HKの対象側の焦点FHKの位置を通って伸びる結像面BEへレーザー光線源1.1がコリメーター1.2及び屈折要素5を介して結像されるように、コリメーター1.2が構成されているによって、達成される。
【0041】
屈折要素5は、個別的に製造された構成部材としてカバー要素4に組み込まれていてもよい、又は、有利には一体的にカバー要素4に形成されている。
【0042】
第1及び第2の実施例は、本発明に従う送信器の第1のタイプに属するものであり、当該第1のタイプにおいては、第2のタイプとは異なり、レーザー光線の総数とは無関係にまたそれらのレーザー光線が互いに形成する角度とは無関係に、同一のカバー要素4を用いることが可能である。
【0043】
第3、第4及び第5の実施例は本発明に従う送信器の第2のタイプに属している。第1のタイプとは異なり、この場合、放射装置1のために市販のレーザーダイオードアレイを用いることが可能であり、当該レーザーダイオードアレイにおいては全てのレーザーダイオード要素はレーザー光線を同一方向へ放射する。
【符号の説明】
【0044】
1 放射装置(照射装置)
1.1 レーザー光線源
1.2 コリメーター
2 スキャンミラー
3 ハウジング
4 カバー要素
4.1 (カバー要素4の)入射領域
4.2 (カバー要素4の)出射領域
5 屈折要素
5.11、・・・、5.1n (屈折要素5)の入射面
5.21、・・・、5.2n (屈折要素5)の出射面
5.3 (屈折要素5)の反射面
S1、・・・、Sn レーザー光線
A1、・・・、An (レーザー光線S1、・・・、Snの)光線軸
MP (スキャンミラー2の)中心点
T 仮想の接線平面
L 垂線
HK 単一中心的な半球殻
K (単一中心的な半球殻HK)の曲率中心
α1、・・・、αn 入射角度
β (スキャンミラー2の)揺動角度
F1.2 コリメーターの対象側の焦点
F`1.2 コリメーターの結像側の焦点
BE 結像面
FHK 半球殻の対象側の焦点
F`HK 半球殻の結像側の焦点