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特許7232820自動RF電力伝送および単一アンテナエネルギー収集のための方法、システム、および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】自動RF電力伝送および単一アンテナエネルギー収集のための方法、システム、および装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/80 20160101AFI20230224BHJP
   H02J 50/20 20160101ALI20230224BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/20
H04B5/02
【請求項の数】 34
(21)【出願番号】P 2020511992
(86)(22)【出願日】2018-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 US2018049392
(87)【国際公開番号】W WO2019046855
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】62/553,628
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507387125
【氏名又は名称】パワーキャスト コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】POWERCAST CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,チャールズ イー.
(72)【発明者】
【氏名】ビール,エリック ジェームズ
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-219845(JP,A)
【文献】特表2016-523501(JP,A)
【文献】特開2012-210008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/80
H02J 50/20
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモードおよび第2のモードを有する送信機であって、前記送信機が、前記第1のモードにおいて複数の個別の第1のワイヤレス信号を繰り返し送るように構成されており、前記第1のワイヤレス信号の各ワイヤレス信号が、ワイヤレスエネルギーと、前記送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を伝送し、前記送信機が、前記第2のモードにあるとき、ワイヤレスエネルギーと、前記送信機識別情報を伝送する第2のワイヤレス信号を送るように構成されている、送信機と、
受信機であって、前記受信機が前記第1のワイヤレス信号の前記ワイヤレス信号によって起動されるように、前記第1のワイヤレス信号のワイヤレス信号を受信するように構成されており、前記第1のワイヤレス信号の前記ワイヤレス信号の受信に応答して、前記送信機識別情報を伝送する第3のワイヤレス信号を前記送信機に送るように構成されている、受信機と、を備え、
前記送信機が、前記第3のワイヤレス信号を受信し、前記第3のワイヤレス信号が前記送信機に一意に関連付けられた前記送信機識別情報を含むことを判定することに応答して、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記第1のワイヤレス信号の各々が、第1の持続期間を有し、前記第2のワイヤレス信号が、前記第1の持続期間よりも長い第2の持続期間を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2のモードにあるとき、前記送信機が、前記送信機のタイムアウトタイマーの所定の持続時間が経過するまで前記第2のモードに留まり、前記タイムアウトタイマーは、前記送信機が前記第3のワイヤレス信号を受信したときに開始するように構成されており、
前記タイムアウトタイマーが、前記送信機の前記タイムアウトタイマーの前記所定の持続時間が経過する前に、前記送信機が前記送信機識別情報を伝送する第4のワイヤレス信号を受信するのに応答して、また最初から開始するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記送信機が、前記第2のモードから前記第1のモードに移行するとき、前記タイムアウトタイマーの前記所定の持続時間が経過し、前記送信機が前記所定の持続時間中に前記送信機識別情報を伝送する前記第4のワイヤレス信号を受信しなかった場合、前記送信機が、前記第2のワイヤレス信号の送信を中止する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のワイヤレス信号と前記第2のワイヤレス信号が、前記送信機によって第1の周波数で送られ、
前記第3のワイヤレス信号が、前記受信機によって前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で送られる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のワイヤレス信号と前記第2のワイヤレス信号が、前記送信機によって第1の周波数で送られ、
前記第3のワイヤレス信号が、前記受信機によって前記第1の周波数に対応する第2の周波数で送られる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記受信機が、前記第1のワイヤレス信号の受信信号強度を測定し、前記受信信号強度に基づいて、前記受信機と前記送信機の間のおおよその距離を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第3のワイヤレス信号が、前記第1のワイヤレス信号の受信信号強度を表す受信機信号強度指標を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第3のワイヤレス信号が、前記受信機に一意に関連付けられた受信機識別情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3のワイヤレス信号が、前記受信機に結合されたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギー貯蔵レベルを表すエネルギー貯蔵レベル情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記受信機が、第1の受信機であり、前記システムが、
第2の受信機をさらに備え、前記第4のワイヤレス信号が、前記第2の受信機によって送られる、請求項4に記載のシステム。
【請求項12】
前記受信機が、単一のアンテナを介して前記送信機から電力および前記送信機識別情報を受信する、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
電力の要求を含む第1のワイヤレス信号を送信機に送るように構成された受信機であって、送信機識別情報を含む第2の信号を受信すると、前記送信機識別情報を含む第3のワイヤレス信号を送るように構成されている、受信機と、
送信機と、を備えるシステムであって、前記送信機は、ワイヤレスエネルギーと記送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を伝送する第2のワイヤレス信号を前記送信機が送るように、前記第1のワイヤレス信号の受信に応答して起動するように構成されており、前記送信機が、前記送信機のタイムアウトタイマーの所定の持続時間が経過するまで前記第2のワイヤレス信号を送るように構成されており、前記タイムアウトタイマーが、前記送信機が前記第1のワイヤレス信号を受信するときに開始するように構成されており、前記タイムアウトタイマーが、前記送信機が前記送信機識別情報を伝送する前記第3のワイヤレス信号を受信すると、また最初から開始するように構成されている、システム。
【請求項14】
前記送信機が、前記送信機と前記受信機の間の距離を決定するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記送信機が、前記第1のワイヤレス信号の受信信号強度に基づいて、前記送信機と前記受信機との間の前記距離を決定するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記送信機が、前記送信機と前記受信機の間の前記距離が閾値距離を下回っている場合にのみ、前記第1のワイヤレス信号の受信に応答して起動するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
アンテナと、
前記アンテナに結合された送信機と、を備えた装置であって、前記送信機が、第1のワイヤレス信号の受信に応答して起動し、前記アンテナを介して第2のワイヤレス信号を送るように構成されており、前記第2のワイヤレス信号が、ワイヤレスエネルギーと、前記送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を伝送し、前記第1のワイヤレス信号が、電力の要求を含み、
前記送信機が、前記送信機のタイムアウトタイマーの所定の持続時間が経過するまで前記第2のワイヤレス信号を送るように構成されており、前記タイムアウトタイマーは、前記送信機が前記第1のワイヤレス信号を受信するときに、開始するように構成されており、
前記タイムアウトタイマーは、前記送信機が前記送信機識別情報を伝送する第3のワイヤレス信号を受信するのに応答して、また最初から開始するように構成されている、装置。
【請求項18】
前記送信機が、第1のモードと第2のモードを有し、前記第1のワイヤレス信号によって起動されると、前記送信機が前記第2のワイヤレス信号を送るように、前記送信機が、前記第1のモードから前記第2のモードに移行するように構成されており、
前記送信機は、前記第1のモードにあるとき、複数の個別の第4のワイヤレス信号を繰り返し送るように構成されており、前記第4のワイヤレス信号の各々が、ワイヤレスエネルギーと、前記送信機に一意に関連付けられた前記送信機識別情報を伝送する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記送信機が、前記送信機と受信機の間の距離を決定するように構成されている、請求項17に記載の装置
【請求項20】
前記送信機が、前記第1のワイヤレス信号の受信信号強度に基づいて、前記送信機と前記受信機の間の前記距離を決定するように構成されている、請求項19に記載の装置
【請求項21】
前記送信機が、前記送信機と前記受信機の間の前記距離が閾値距離を下回っている場合にのみ、前記第1のワイヤレス信号の受信に応答して起動するように構成されている、請求項20に記載の装置
【請求項22】
前記送信機が、前記アンテナを介して前記第1のワイヤレス信号と前記第3のワイヤレス信号を受信するように構成されている、請求項17に記載の装置
【請求項23】
前記アンテナが、第1のアンテナであり、前記装置が、
前記送信機に結合された第2のアンテナをさらに備え、前記送信機が、前記第2のアンテナを介して前記第1のワイヤレス信号および前記第3のワイヤレス信号を受信するように構成されている、請求項17に記載の装置
【請求項24】
アンテナと、
前記アンテナに結合された受信機と、を備え、前記受信機は、ワイヤレスエネルギーと送信機識別情報とを伝送し、前記受信機に起動エネルギーを供給する第1のワイヤレス信号の受信に応答して、電力の要求を含む第2のワイヤレス信号を、前記アンテナを介して送信機に送るように構成されており、
前記受信機が、前記送信機からの前記送信機識別情報を含む第のワイヤレス信号の受信に応答して、前記送信機識別情報を含む第のワイヤレス信号を、前記アンテナを介して送るように構成されている、装置。
【請求項25】
前記受信機が、前記受信機と前記送信機の間の距離を決定するように構成されている、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記受信機が、前記第のワイヤレス信号の受信信号強度に基づいて、前記受信機と前記送信機の間の前記距離を決定するように構成されている、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記受信機が、同じアンテナを介して前記送信機から電力と前記送信機識別情報を受信するように構成されている、請求項24に記載の装置。
【請求項28】
前記受信機が、前記アンテナを介して前記第のワイヤレス信号を受信するように構成されている、請求項24に記載の装置
【請求項29】
前記アンテナが、第1のアンテナであり、前記装置が、
前記受信機に結合された第2のアンテナをさらに備え、前記受信機が、前記第2のアンテナを介して前記第のワイヤレス信号を受信するように構成されている、請求項24に記載の装置
【請求項30】
一回目に、受信機によって電力の要求を含む第1のワイヤレス信号を送ることと、
送信機によって、前記第1のワイヤレス信号を受信することと、
前記一回目の後の二回目に、ワイヤレスエネルギーと、送信機識別情報を伝送する第2のワイヤレス信号を前記送信機によって送ることであって、前記送信機は、前記送信機のタイムアウトタイマーが所定の時間閾値に達するまで、前記第2のワイヤレス信号を送り続ける、送ることと、
前記受信機によって、前記第2のワイヤレス信号を受信することであって、前記受信機の少なくとも1つが、前記第2のワイヤレス信号によって給電され、または前記受信機に結合されたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギー貯蔵レベルが増加する、受信することと、
前記送信機からの前記第2のワイヤレス信号の受信に応答して、前記二回目の後の三回目に、前記送信機識別情報を含む第3のワイヤレス信号を前記受信機によって繰り返し送ることであって、前記送信機の前記タイムアウトタイマーが、前記第3のワイヤレス信号を受信するとリセットされる、送ることと、を含む、方法。
【請求項31】
前記受信機によって前記一回目に前記第1のワイヤレス信号を送る前に、ワイヤレスエネルギーと、前記送信機識別情報を伝送する第4のワイヤレス信号を前記送信機によって送ることをさらに含み、前記第1のワイヤレス信号が前記送信機識別情報を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記受信機と前記送信機の間の距離を前記受信機によって決定することをさらに含み、前記距離が閾値距離未満である場合、前記第3のワイヤレス信号が、前記受信機によってのみ送られる、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記受信機と前記送信機の間の距離を、前記送信機によって、決定することをさらに含み、前記距離が閾値距離未満である場合、前記第2のワイヤレス信号が、前記送信機によってのみ送られる、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記受信機が、第1の受信機であり、
第2の受信機によって、前記第2のワイヤレス信号を受信することであって、前記第2の受信機の少なくとも1つが、前記第2のワイヤレス信号によって給電され、または前記第2の受信機に結合されたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギー貯蔵レベルが増加する、受信することと、
前記送信機からの前記第2のワイヤレス信号の受信に応答して、前記送信機識別情報を含む第4のワイヤレス信号を前記第2受信機により繰り返し送ることであって、前記送信機の前記タイムアウトタイマーが、前記第4のワイヤレス信号を受信すると、ゼロにリセットされる、送ることと、を含む、請求項32に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2017年9月1日に提出された「自動RF電力伝送および単一アンテナエネルギー収集のための方法、システム、および装置」と題する米国仮出願第62/553,628号の優先権を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、概して、ワイヤレスで電力を送信するためのシステム、方法、および装置に関する。
【0003】
プロセッサの機能が拡大し、電力要件が減少するにつれて、ワイヤや電源コードと関係なく動作するデバイスの数が増加している。これらの「繋がっていない」デバイス(「ワイヤレスデバイス」とも呼ばれる)には、例えば、携帯電話、ワイヤレスヘッドフォン、ワイヤレスキーボード、スマートウォッチ、ビルセンサ、RFIDタグが含まれる。ただし、これらの繋がっていないデバイスは、多くの場合、ポータブル電源(例えば、バッテリーの寿命および/または容量)によって制限される。さらに、多くの繋がっていないデバイスのポータブル電源を再充電するには、多くの場合、ワイヤー(電源コードなど)を介して繋がっていないデバイスを壁コンセントなどの外部電源に一時的に接続することが必要である。したがって、再充電期間中、繋がっていないデバイスは、外部電源に関連して可動性が制限される。追加的に、繋がっていないデバイスのユーザーは、通常、繋がっていないデバイスの再充電プロセスを手動で開始および終了する必要があり、これは不便かもしれない。
【0004】
したがって、ワイヤレスデバイスの便利なワイヤレス給電を可能にするシステム、方法、および装置の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態では、システムは送信機と受信機を含む。送信機には、第1のモードと第2のモードがある。送信機は、第1のモードにおいて複数の個別の第1のワイヤレス信号を繰り返し送るように構成され、第1のワイヤレス信号の各ワイヤレス信号は、電力レベルを有し、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を伝送するように構成されている。送信機は、第2のモードにあるとき、電力レベルを有し、送信機識別情報を伝送する第2のワイヤレス信号を送るように構成されている。受信機は、第1のワイヤレス信号のワイヤレス信号を受信するように構成され、受信機は、第1のワイヤレス信号のワイヤレス信号によって起動される。受信機は、第1のワイヤレス信号のワイヤレス信号の受信に応答して、送信機識別情報を伝送する第3のワイヤレス信号を送信機に送るように構成されている。送信機は、第3のワイヤレス信号を受信し、第3のワイヤレス信号が送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むことを判定することに応答して、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図1B】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図1C】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図1D】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図1E】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図1F】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図1G】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図2A】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図2B】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図2C】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図2D】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図2E】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図2F】一実施形態による、動作の様々な段階で電力をワイヤレスで伝達するためのシステムの概略図である。
図3】一実施形態による、ワイヤレスで電力を伝達するためのシステムの概略図である。
図4】一実施形態による、ワイヤレスで電力を伝達するためのシステムの概略図である。
図5】一実施形態による、ワイヤレスで電力を伝達する方法のフローチャートである。
図6】一実施形態による、アンテナを含むシステムの概略図である。
図7】一実施形態による、アンテナを含むシステムの概略図である。
図8】一実施形態による、アンテナを含むシステムの概略図である。
図9】一実施形態による、アンテナを含むシステムの概略図である。
図10】一実施形態による、アンテナを含むシステムの概略図である。
図11】一実施形態による、アンテナを含むシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
いくつかの実施形態では、システムは送信機と受信機を含む。送信機には、第1のモードと第2のモードがある。送信機は、第1のモードにおいて複数の個別の第1のワイヤレス信号を繰り返し送るように構成され、第1のワイヤレス信号の各ワイヤレス信号は、電力レベルを有し、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を伝送するように構成されている。送信機は、第2のモードにあるとき、電力レベルを有し、送信機識別情報を伝送する第2のワイヤレス信号を送るように構成されている。受信機は、第1のワイヤレス信号のワイヤレス信号を受信するように構成され、受信機は、第1のワイヤレス信号のワイヤレス信号によって起動される。受信機は、第1のワイヤレス信号のワイヤレス信号の受信に応答して、送信機識別情報を伝送する第3のワイヤレス信号を送信機に送るように構成されている。送信機は、第3のワイヤレス信号を受信し、第3のワイヤレス信号が送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むことを判定することに応答して、第1のモードから第2のモードに移行するように構成されている。
【0008】
いくつかの実施形態では、システムには受信機と送信機が含まれる。受信機は、第1のワイヤレス信号を送信機に送るように構成されている。第1のワイヤレス信号は、電力の要求を含む。受信機は、送信機識別情報を含む第2の信号を受信すると、送信機識別情報を含む第3のワイヤレス信号を送るように構成されている。送信機は、第1のワイヤレス信号の受信に応答して、送信機が、電力レベルを有し送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を伝送する第2のワイヤレス信号を送るように、起動するよう構成されている。送信機は、送信機のタイムアウトタイマーの所定の持続時間が経過するまで第2のワイヤレス信号を送るように構成されている。タイムアウトタイマーは、送信機が第1のワイヤレス信号を受信するときに開始するように構成されている。タイムアウトタイマーは、送信機が送信機識別情報を伝送する第3のワイヤレス信号を受信するとまた最初から開始するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、装置はアンテナと送信機を含む。送信機は、アンテナに結合されている。送信機は、第1のワイヤレス信号の受信に応答して起動し、アンテナを介して第2のワイヤレス信号を送るように構成されている。第2のワイヤレス信号は、電力レベルを有し、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を伝送する。第1のワイヤレス信号は、電力の要求を含む。送信機は、送信機のタイムアウトタイマーの所定の持続時間が経過するまで第2のワイヤレス信号を送るように構成されている。タイムアウトタイマーは、送信機が、第1のワイヤレス信号を受信するときに開始するように構成されている。タイムアウトタイマーは、送信機が、送信機識別情報を伝送する第3のワイヤレス信号を受信するのに応答してまた最初から開始するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、装置はアンテナと受信機を含む。デバイスは、アンテナに結合され得る。受信機は、第1のワイヤレス信号を、アンテナを介して送信機に送るように構成されてもよい。第1のワイヤレス信号は、電力の要求を含んでもよい。受信機は、送信機からの送信機識別情報を含む第2のワイヤレス信号の受信に応答して、送信機識別情報を含む第3のワイヤレス信号を、アンテナを介して送るように構成されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、一回目に、受信機によって電力の要求を含む第1のワイヤレス信号を送ることを含む。第1のワイヤレス信号は、送信機によって受信される。一回目の後の二回目に、送信機は、電力レベルを有し、送信機識別情報を伝送する第2のワイヤレス信号を送る。送信機は、送信機のタイムアウトタイマーが所定の時間閾値に達するまで、第2のワイヤレス信号を送り続ける。第2のワイヤレス信号は、受信機によって受信され、そのため、受信機の少なくとも1つが、第2のワイヤレス信号によって給電され、または受信機に結合されたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギー貯蔵レベルが増加する。二回目の後の三回目に、受信機は、送信機からの第2のワイヤレス信号の受信に応答して、送信機識別情報を含む第3のワイヤレス信号を繰り返し送る。送信機のタイムアウトタイマーは、第3のワイヤレス信号を受信するとリセットされる。
【0012】
いくつかの実施形態では、システムには、送信機と1つ以上の受信機が含んでもよい。送信機は、1つ以上の受信機に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスが充電される(例えば、部分的または完全に再充電される)ように、1つ以上の受信機にワイヤレス電力を送るように構成され得る。いくつかの実施形態では、送信機は、特定の範囲または距離を越えてワイヤレス電力を送ることができる場合がある。したがって、送信機は、送信機がワイヤレス電力を送って、1つ以上の受信機に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスを充電するように構成される範囲または区域(例えば、三次元領域)を有し得る。範囲または区域は、受信機の位置と無関係であってよい。1つ以上の受信機の各々は、1つ以上の受信機が、ワイヤレス通報(例えば、ビーコン)を送るように構成され得る特定の範囲を有し得る。1つ以上の受信機がワイヤレス通報を送るように構成され得る範囲は、送信機がワイヤレス電力を送ることができる範囲よりも大きくてよい。したがって、いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の受信機の少なくとも1つが、送信機の区域または範囲内にあり、送信機からワイヤレス電力を受信でき、送信機が、受信機のエネルギー貯蔵デバイスを充電できるときにのみ、送信機がワイヤレス電力を送ることを開始するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、システムは、1つ以上の受信機の少なくとも1つが、送信機の区域または範囲内にあり、送信機からワイヤレス電力を受信でき、送信機が、受信機のエネルギー貯蔵デバイスを充電できるときにのみ、送信機がワイヤレス電力の送り続けるように構成されてもよい。さらに、システムは2つ以上の送信機を含んでもよい。送信機は、同じ部屋または同じ建物(例えば、家屋)の異なる部屋などの空間内に配置されてもよい。システムは、2つ以上の送信機が受信機から(例えば、ワイヤレス電力を要求する)ワイヤレス通報を受信した場合でも、受信機にワイヤレス電力を送信するために受信機に十分に近い送信機のみが、初期期間後に、起動し、および/または受信機へのワイヤレス電力を送り続ける。システムは、受信機が第1の送信機から離れて第2の送信機に向かって移動する場合、受信機は第2の送信機を起動し、第1の送信機からの給電エネルギー(例えば充電エネルギー)の受信を停止し、そのため、受信機が、ワイヤレス電力配信の中断なしで、または短時間だけ中断して、連続して給電エネルギーを受信し続けるように構成することもできる。
【0013】
いくつかの実施形態では、システムは送信機と受信機を含む。受信機は、ワイヤレス通報を介して(例えば、ビーコンを送ることを介して)送信される電力を要求するように構成されてもよい。送信機は、受信機から要求を受信し、要求の受信に応答して、送信機が信号を送っていない初期状態(すなわち、初期モード)から、送信機が受信機に電力とデータを送る第1の状態(すなわち、第1のモード)に移行することができる。データは、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報(例えば、送信機識別番号)を含み得る。送信機が第1の状態で受信機に電力とデータを送るとき、送信機は、第1のタイムアウトタイマーを開始し、送信機が、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報(例えば、電力の要求)を受信する必要があり、そうでなければ、送信機は初期状態に戻る、第1の持続時間(例えば、3~5秒)を設定する。したがって、送信機が、第1の持続時間内に(例えば、第1の持続時間が経過してタイムアウトタイマーがゼロになる前に)、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信しない場合、送信機は初期状態に戻る場合がある。送信機が、第1の持続時間内に、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信する場合、送信機は、受信機を充電するために、送信機が電力とデータを受信機に送る第2の状態(すなわち、第2のモード)に移行する場合がある。
【0014】
送信機が第2の状態で受信機に電力とデータを送るとき、送信機は、第2のタイムアウトタイマーを開始し、送信機が、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報(例えば、電力の要求)を受信する必要があり、そうでなければ送信機は初期状態に戻る、第1の持続時間よりも長い第2の持続時間(例えば、1分)を設定する。したがって、送信機が、第2の持続時間内に(例えば、第2の持続時間が経過してタイムアウトタイマーがゼロになる前に)、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含む電力の要求を受信しない場合、送信機は初期状態に戻ることがある。送信機が、第2の持続時間内に、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信する場合、第2のタイムアウトタイマーはリセットされ得る。送信機のタイムアウトタイマーは、送信機が、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信するたびにリセットするように構成され、そのため、送信機は、第2の持続時間よりもかなり長い一定時間(例えば、数時間)、電力とデータを受信機に送り続けることができる。さらに、送信機の第2のタイムアウトタイマーは、送信機識別情報を含むワイヤレス通報の発信源に関係なくリセットするように構成されてもよい。したがって、システムに複数の受信機が含まれる場合、いずれかの(つまり、すべての受信機よりも少ない)受信機からの、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報が、送信機の第2のタイムアウトタイマーをリセットすることがある。
【0015】
いくつかの実施形態では、システムは送信機と受信機を含む。送信機は、ワイヤレス電力およびデータの個別のピング(ping)を、送信機を囲む区域または領域に(例えば、第1のモードまたはピングモードで)送ることがある。ピングの持続期間は、例えば、約200ミリ秒~約3秒である。ピングは、例えば、5~30秒ごとに送ることができる。データは、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報(例えば、送信機識別番号)を含み得る。受信機が送信機を囲む区域または領域内にあり、そのため、受信機がワイヤレス電力を受信するのに十分なほど送信機に近い場合、受信機は、ワイヤレス電力と送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を受信し、送信機識別情報を含むワイヤレス通報(例えば、ビーコン)を送る。送信機が、(例えば、区域内に受信機がないか、区域内の受信機がワイヤレス電力を必要としないため)送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信しない場合、送信機は個別のピングを送り続ける場合がある。送信機が、(例えば、受信機が区域内にあるため)送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信する場合、送信機は、第2のモード(例えば、給電モードおよび/または充電モード)に移行することができ、ワイヤレス電力および送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を、送信機を囲む区域または領域に、個別のピンングの長さより長い一定時間送る。
【0016】
例えば、送信機はタイムアウトタイマーを含むことができ、そのため、送信機が電力とデータを含むワイヤレス信号を第2のモードで区域または領域に送るとき、送信機は、タイムアウトタイマーを開始し、送信機が、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報(例えば、電力の要求)を受信する必要があり、そうでなければ送信機はピングモードに戻る、持続時間(例えば、1分)を設定する。いくつかの実施形態では、ワイヤレス通報は、受信機が給電または充電エネルギーを受信した、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報のみを含む。したがって、送信機が、持続時間内(例えば、持続時間が経過してタイムアウトタイマーがゼロになる前)に、その送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含む電力の要求を受信しない場合、送信機は持続時間が経過した後に初期状態に戻ることがある。送信機が、その送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を、持続時間内に(例えば、区域内の受信機から)受信する場合、タイムアウトタイマーがリセットされることがある。送信機のタイムアウトタイマーは、送信機が、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信するたびに、リセットするように構成され、そのため、送信機は、持続時間よりもかなり長い一定時間(例えば、数時間)、電力とデータを受信機に送り続けることができる。さらに、送信機のタイムアウトタイマーは、ワイヤレス通報が送信機識別情報を含む限り、発信源に関係なくリセットするように構成されてもよい。したがって、システムに複数の受信機が含まれる場合、いずれかの(つまり、すべての受信機よりも少ない)受信機からの、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報により、送信機のタイムアウトタイマーをリセットすることがある。例えば、第1の受信機が、最初のワイヤレス通報を送信機に送り、そのため、送信機がその区域への電力とデータを送り始めて第1の受信機を充電し、その区域に配置された第2の受信機は、送信機のタイムアウトタイマーがリセットされるように、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含む後のワイヤレス通報を送ることができる。
【0017】
図1A~1Gは、動作の様々な段階におけるシステム100の概略図である。システム100は、本明細書に記載のシステムのいずれかと構造および/または機能が同一または類似であってもよい。図1Aに示すように、システム100は、送信機110と受信機120を含む。いくつかの実装形態では、送信機110は、第1のアンテナおよび第2のアンテナを含むか、それらに結合されてもよく、第1のアンテナは、ワイヤレス信号を介してワイヤレス電力およびデータを送るように構成され、第2のアンテナは、ワイヤレス信号を介してワイヤレス通報を受信するように構成されている。いくつかの実装形態では、送信機110の第1のアンテナおよび第2のアンテナは、同じ周波数または異なる周波数で順次および/または同時に動作するように構成され得る。いくつかの実装形態では、送信機110は、ワイヤレス信号を介してワイヤレス電力およびデータの両方を送り、ワイヤレス信号を介してワイヤレス通報を受信するように構成されたアンテナを含むか、またはそれに結合され得る。いくつかの実装形態では、受信機120は、第1のアンテナおよび第2のアンテナを含むか、それらに結合されてもよく、第1のアンテナは、ワイヤレス信号を介してワイヤレス電力およびデータを受信するように構成され、第2のアンテナは、ワイヤレス信号を介してワイヤレス通報を送信するように構成されている。いくつかの実装形態では、受信機120の第1のアンテナおよび第2のアンテナは、同じ周波数または異なる周波数で順次および/または同時に動作するように構成され得る。いくつかの実装形態では、受信機120は、ワイヤレス信号を介してワイヤレス電力およびデータの両方を受信し、ワイヤレス信号を介してワイヤレス通報を送るように構成されたアンテナを含むか、またはそれに結合され得る。いくつかの実装形態では、送信機110および/または受信機120によって送られたワイヤレス信号は、どちらも、どのような地理的位置データも含まない。
【0018】
送信機110は、パルス信号および/または連続信号を介してワイヤレス電力を送るように構成されてもよい。送信機110は、無線周波数(RF)エネルギーを含むワイヤレス信号を送るように構成されてもよい。送信機110は、遠距離場でワイヤレス電力を送信してもよい。電力伝送は、(上記のように)1つ以上のアンテナを介してもよく、電磁波に基づいてもよい。いくつかの実装形態では、送信機110は、送信機110のアンテナによって受信される、受信機120のアンテナからの後方散乱エネルギーを介して、受信機120からデータを受信し得る。
【0019】
送信機110は、任意の好適なコンポーネントを含み得る。例えば、送信機110は、プロセッサおよび/またはメモリを含み得る。送信機110は、電源回路、電子発振回路、変調回路、無線周波数増幅器、および/またはインピーダンス整合回路を含むことができる。いくつかの実装形態では、送信機110は、汎用交流(AC)電源(例えば、壁コンセント)から電力を(例えば、ケーブルを介して)受信するように構成され得る。
【0020】
送信機110は、別のデバイス(例えば、コンピュータおよび/またはサーバ)と通信するための任意の好適なコンポーネントを含み得る。例えば、いくつかの実装形態では、送信機110は、有線通信ポート(たとえばUSBポート)および/またはワイヤレス通信コンポーネント(複数可)(たとえばWi-Fi(登録商標))を含むことができる。いくつかの実装形態では、送信機110は、WiFi(登録商標)またはブルートゥース(登録商標)低エネルギー(BLE)などのプロトコルを使用する、例えば、スマートフォンやタブレットなどのワイヤレス通信デバイスからの、および/またはそれらの制御下にあるコマンドを受信することができる。したがって、送信機110は、ワイヤレス電力の伝送を有効化、無効化、またはスケジューリングするコマンドを受信することができる。
【0021】
送信機110によって(例えば、受信機120に)送信されたワイヤレス信号を介して、送信機110によって送られる電力は、任意の好適なタイプの電力であり得る。例えば、電力は、直接シーケンススペクトラム拡散(DSSS)伝送などのデジタルスペクトラム拡散伝送の形式にすることができる。送信機110によって送られるワイヤレス信号は、例えば、振幅シフトキーイング(ASK)、周波数シフトキーイング(FSK)、および/または位相シフトキーイング(PSK)などの任意の好適な振幅変調技術を使用するデータを含み得る。いくつかの実装形態では、電力は、たとえば868MHz、915MHz、2.4GHz、および/または5.8GHzなどの任意の好適な周波数で送信することができる。
【0022】
送信機と受信機の間で送られるワイヤレス信号(例えば、電力およびデータ)が同じ周波数で送られる実装形態では、電力は、例えば、周波数ホッピングスペクトラム拡散(FHSS)などのスペクトラム拡散方式で送られる。いくつかの実装形態では、送信機と受信機の違い(例えば、エレクトロニクス、温度などの違い)によって周波数がわずかに変化する可能性があるため、送信機と受信機の間で送られるワイヤレス信号は実質的に同じ周波数で送られる。データは、例えば、受信機から送信機への後方散乱など、電力伝送と同じ周波数で動作する任意の好適な方法で送ることができる。
【0023】
受信機120は、ワイヤレス電力を受信し、ワイヤレス通報を送るように構成された任意の好適な受信機デバイスであり得る。受信機120は、例えば、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー(BLE)などの任意の好適な低電力プロトコルを介して、ワイヤレス通報を送るように構成され得る。受信機120は、受信機120によって受信されるワイヤレス電力が、エネルギー貯蔵デバイスを充電するために使用され得るように、エネルギー貯蔵デバイスに関連付けられ得る(例えば、含み、および/または結合され得る)。エネルギー貯蔵デバイスは、任意の好適なタイプのエネルギー貯蔵デバイスであり得る。いくつかの実装形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、典型的な再充電可能な化学バッテリーを含んでもよい。いくつかの実装形態では、エネルギー貯蔵デバイスは、エネルギーを格納できるコンデンサを含んでもよい。いくつかの実装形態では、受信機120は、例えば、ビデオゲームコントローラまたはワイヤレスヘッドフォンなどのワイヤレスデバイスを含むか、またはそれに結合され得る。
【0024】
受信機120は、受信機120が、第1のワイヤレス信号のワイヤレス信号によって起動されるように、第1のワイヤレス信号のワイヤレス信号(例えば、図1Aに示す第1のワイヤレス信号121)を受信するように構成され得る。例えば、いくつかの実装形態では、受信機120はRF給電ワイヤレスデバイスを含み得る。いくつかの実装形態では、受信機120は無線周波数識別(RFID)タグを含み得る。したがって、いくつかの実装形態では、受信機120は、受信機120が、送信機110からのワイヤレス電力の受信に応答して動作可能であるように起動し得る。いくつかの実装形態では、受信機110は、(例えば、オンボードバッテリーなどのエネルギー貯蔵デバイスから電力を引き出して)動作可能であり得るが、送信機110によって送られたワイヤレス信号によって起動し、そのため、受信機120は、ワイヤレス通信動作(例えば、ワイヤレス信号の読み取りおよび/または応答ワイヤレス信号の送信)を開始し、または他の動作を行なう(例えば、送信機110によって送られたワイヤレス信号の受信に応答して動作を行なう)ことができる。
【0025】
いくつかの実装形態では、送信機110は、一回目に、1つ以上の受動RFIDタグを読み取ることができ、一方、一回目とは異なる二回目に、送信機110は、エネルギー貯蔵デバイスに関連付けられたRFIDタグ(例えば、能動RFIDタグ)を読み取ることができ、かつRFIDタグに関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスに電力を供給し得る。三回目に、送信機110は、1つ以上の能動RFIDタグを読み取り、電力を供給しながら1つ以上の受動RFIDタグを同時に読み取り得る。いくつかの実装形態では、送信機110は、RFIDタグのユーザーメモリを定期的に読み取ることができる。
【0026】
いくつかの実装形態では、送信機110は、例えば、超高周波(UHF)RFIDリーダーであってもよい。受信機120は、UHF RFIDチップを含むことができる。受信機120は、例えば、12CまたはSPIなどの通信ポートを通る他の電子デバイスへのインターフェースを含むこともできる。いくつかの実装形態では、UHF RFIDチップは、例えばEPCなどの一意の識別子を含むことができ、これにより、送信機は、受信機がワイヤレス電力(例えば、再充電エネルギー)を受け入れることができるデバイスであることを知ることができる。いくつかの実装形態では、RFIDチップにユーザーメモリを収容している場合がある。ユーザーメモリは、エネルギー貯蔵の充電状態および/またはワイヤレス充電の品質および/または量に関する情報を収容していてもよい。情報には、電圧レベル、および/またはエネルギー貯蔵に追加の充電が必要かどうかを含むことができる。
【0027】
いくつかの実装形態では、送信機110は、無線周波数識別(RFID)電子製品コード(EPC)およびタグ識別(TID)番号をサーバに送って、資産および備品(例えば、人および商品)を追跡するように構成され得る。
【0028】
図1Aに示すように、受信機120は、第1のワイヤレス信号121(例えば、ビーコンまたは他のワイヤレス通報)を送り得る。例えば、受信機120は、受信機120に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギーレベルが、閾値レベルを下回ったときに第1のワイヤレス信号121を送ることができる。第1のワイヤレス信号121は、ワイヤレス電力の要求を含み得る。第1のワイヤレス信号121は、エネルギー貯蔵デバイスに関する情報(例えば、エネルギー貯蔵デバイスの格納電力レベルまたは格納充電率を表す情報)を含み得る。図1Aに示すように、第1のワイヤレス信号121は、第1のワイヤレス信号121を受信する前に初期の非送信状態であり得る送信機110によって受信され得る。
【0029】
任意選択で、送信機110は、送信機110と受信機120との間のおおよその距離を決定(例えば、計算)してもよい。例えば、送信機110は、第1のワイヤレス信号121の受信信号強度の測定値(例えば、受信信号強度指標(RSSI))に少なくともある程度基づいて、送信機110と受信機120との間のおおよその距離を決定し得る。送信機110は、送信機110と受信機120との間のおおよその距離が閾値距離未満であるかどうかを決定することができ、おおよその距離が閾値距離未満の場合に、送信機110は、(例えば、図1Bを参照して以下に記載する第2のワイヤレス信号111を介して)、ワイヤレス電力を送るためにのみ起動することができる。閾値距離は、送信機110がワイヤレス電力を送信するように構成された範囲に対応する距離であってもよく、そのため、送信機110は、受信機120が、送信機110のワイヤレス電力を受信するには、送信機110から遠すぎる場合に、要求している受信機120にワイヤレス電力を送らないように構成されてもよい。
【0030】
図1Bに示すように、受信機120から第1のワイヤレス信号121を受信することに応答して、送信機110は第2のワイヤレス信号111を送ることができる。第2のワイヤレス信号111は、電力レベルを有してもよく、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報(例えば、送信機識別番号)を伝送してもよい。第2のワイヤレス信号111は、例えば時間データ(例えば、システム時間および/または現在の世界時間)などの他の好適な情報を含むことができる。したがって、第2のワイヤレス信号111は、受信機に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスが充電されるように、受信機にエネルギーを供給することができる場合がある。第2のワイヤレス信号111は、無線周波数(RF)エネルギーを含み得る。第2のワイヤレス信号111は、例えば200ミリ秒~3秒の範囲の持続期間などの任意の好適な持続期間を有してもよい。
【0031】
送信機110は、第1のタイムアウトタイマーを含むことができる。送信機110が第2のワイヤレス信号111を送るとき、第1のタイムアウトタイマーが開始され得る。第1のタイムアウトタイマーは、任意の好適な所定の持続時間を有し得る。例えば、いくつかの実装形態では、第1のタイムアウトタイマーは、例えば3~5秒の所定の持続時間を有し得る。いくつかの実装形態では、所定の持続時間は、第2のワイヤレス信号111の持続時間よりも長い任意の好適な持続時間であり得る。所定の持続時間は、送信機110が、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報(例えば、電力の要求)を受信する必要があり、そうでなければ送信機110は、初期の非送信状態に戻る一定時間である。したがって、送信機110が、第1の持続時間内に(例えば、第1の持続時間が経過して第1のタイムアウトタイマーがゼロになる前に)、送信機に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号を受信しない場合、送信機110は初期状態に戻る場合がある。送信機110が、第1の持続時間内に、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号を受信する場合、送信機110は、受信機120を充電するために、送信機110が電力およびデータを受信機120に送る第2の状態(すなわち、第2のモード)に移行する場合がある。
【0032】
いくつかの実装形態では、第1の持続時間が経過した後に送信機110が初期状態に戻り、送信機110が初期状態にある間に受信機が送信機識別情報を返す場合、送信機110は、送信機110が電力およびデータを(例えば、第4のワイヤレス信号113を介して)受信機120に送って、受信機120を充電できる(図1Dを参照して後述する)第2の状態に移行するように構成され得る。いくつかの実装形態では、第1の持続時間が経過した後に送信機110が初期状態に戻り、送信機110が初期状態にある間に受信機が送信機識別情報を返す場合、送信機110は、第2のワイヤレス信号111を再び送って、第1のタイムアウトタイマーをまた最初から開始し、第1の持続時間内に送信機識別情報を含む受信機120からの応答を待つように構成され得る。
【0033】
いくつかの実装形態では、第1のワイヤレス信号121は、送信機110の要求されたタイムアウトを含み得る。例えば、受信機120は、送信機110が、第1の持続時間内に、送信機識別情報を含むワイヤレス信号を受信するのに十分な頻度で、ワイヤレス信号(例えば、第3のワイヤレス信号123)を送るエネルギー貯蔵容量を有さない場合がある。したがって、第1のワイヤレス信号121は、送信機110の第1の時間タイマーが、送信機110のデフォルトの第1の持続時間よりも長い所定の持続時間を有するという要求を含むことができる。第1のワイヤレス信号121は、送信機110が、最初の非送信状態に戻る前に、受信機120が第2のワイヤレス信号111に応答するのに十分な時間待機するように、受信機120が、ワイヤレス信号(例えば、第3のワイヤレス信号123)を送ることができる頻度の少なくとも2倍または少なくとも3倍の長さである第1の持続時間に対する要求または命令を含み得る。例えば、いくつかの実装形態では、受信機120は、10秒ごとの頻度でワイヤレス信号(たとえば、第1のワイヤレス信号121および/または第2のワイヤレス信号123)を送るように構成され得る。第1のワイヤレス信号121は、第1の持続時間が例えば30秒であるという指示を含むことができる。図1Bに示すように、受信機120が、第2のワイヤレス信号111の範囲内(例えば、送信機110がワイヤレス電力を送信するように構成される区域または範囲内)にある場合、第2のワイヤレス信号111が、受信機120によって受信され得る。受信機120は、第2のワイヤレス信号111の受信に応答して、第2のワイヤレス信号111から送信機識別情報を識別(例えば、抽出)することができる。図1Cに示すように、第2のワイヤレス信号111の受信に応答して、受信機120は、送信機識別情報を含む第3のワイヤレス信号123(例えば、ビーコン)を送ることができる。また、第3のワイヤレス信号123は、例えば、エネルギー貯蔵デバイスの格納電力レベルまたは格納充電率を表す情報など、他の好適な通報および/またはデータを含んでもよい。
【0034】
送信機110が、第1のタイムアウトタイマーが経過し(例えばゼロに達し)ない第1の持続時間内に、第3のワイヤレス信号123を受信する場合、送信機110は第2の状態(すなわち第2のモード)に移行することができ、送信機110は、受信機120を充電するために、電力およびデータを受信機120に送ることができる。図1Dに示すように、送信機110は、第4のワイヤレス信号113を送ってもよい。第4のワイヤレス信号113は、電力レベルを有してもよく、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を伝送してもよい。したがって、第4のワイヤレス信号113は、受信機に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスが充電されるように、受信機にエネルギーを供給することができる場合がある。第4のワイヤレス信号113は、無線周波数(RF)エネルギーを含み得る。いくつかの実装形態では、第4のワイヤレス信号113は、第2のワイヤレス信号111よりも長い任意の好適な持続期間を有し得る。いくつかの実装形態では、第4のワイヤレス信号113の電力レベルは、第2のワイヤレス信号111の電力レベルより大きくてもよい。例えば、送信機110は、受信機120が送信機110のカバレッジ区域(すなわち、送信機110がワイヤレス電力を送信できる領域)内に配置されていることを、(例えば、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号の受信を介して)確認した後、第2のワイヤレス信号111よりも高い電力レベルで第4のワイヤレス信号113を送ってもよい。別の例として、送信機110は、受信機120からの電力または充電の必要性の(例えば、受信機120からのワイヤレス信号を介した)表示に少なくともある程度基づいて、第2のワイヤレス信号111よりも高い電力レベルで第4のワイヤレス信号113を送る。
【0035】
送信機110は、第2のタイムアウトタイマーを含むことができる。送信機110は、送信機110の第2のタイムアウトタイマーが経過するまで第4のワイヤレス信号113を送るように構成され得る。送信機110が第4のワイヤレス信号113を送るとき、第2のタイムアウトタイマーが開始され得る。第2のタイムアウトタイマーは、任意の好適な第2の所定の持続時間を有し得る。例えば、いくつかの実装形態では、第2のタイムアウトタイマーは、例えば約1分の第2の所定の持続時間を有し得る。いくつかの実装形態では、第2の所定の持続時間は、第2のワイヤレス信号111の持続時間よりも長い任意の好適な持続時間であり得る。第2の所定の持続時間は、送信機110が、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報(例えば、電力の要求)を受信する必要があり、そうでなければ送信機110は初期の非送信状態に戻る一定時間である。したがって、送信機110が、第2の所定の持続時間内に(例えば、第2の持続時間が経過して第2のタイムアウトタイマーがゼロになる前に)、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号を受信しない場合、送信機110は初期状態に戻る場合がある。送信機110が、第2の所定の持続時間内に、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号を受信する場合、送信機110の第2のタイムアウトタイマーはリセットされる場合がある。送信機110の第2のタイムアウトタイマーは、送信機110が、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信するたびに、リセットするように構成され、そのため、送信機110は、第2の所定の持続時間よりもかなり長い一定時間(例えば、数時間)、電力とデータを受信機120に送り続けることができる。さらに、送信機110の第2のタイムアウトタイマーは、送信機識別情報を含むワイヤレス通報の発信源に関係なくリセットするように構成されてもよい。したがって、システム100に複数の受信機が含まれる場合、いずれかの(つまり、すべての受信機よりも少ない)受信機からの、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報により、送信機110の第2のタイムアウトタイマーをリセットすることがある。
【0036】
図1Eに示すように、受信機120が第4のワイヤレス信号113を受信していることに応答して、第4のワイヤレス信号113が送信機110によって送られている間で第2のタイムアウトタイマーが経過する前に、受信機は第5のワイヤレス信号125を送ってもよい。第5のワイヤレス信号125は、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むことができる。第5のワイヤレス信号125は、他の任意の好適な通報および/またはデータも含み得る。例えば、第5のワイヤレス信号125は、電力の要求(例えば、受信機120に関連付けられたエネルギー貯蔵源の充電要求を表す情報)を含み得る。いくつかの実装形態では、第5のワイヤレス信号125は、第3のワイヤレス信号123と同一または類似であってもよい。いくつかの実装形態では、第5のワイヤレス信号125は、第3のワイヤレス信号123とは異なり得る。例えば、第5のワイヤレス信号125は、第3のワイヤレス信号123と比較して、受信機120に関連付けられたエネルギー貯蔵源の充電要求を表す、更新された情報を含むことができる。
【0037】
図1Fに示すように、第2のタイムアウトタイマーが経過する前に第5のワイヤレス信号125が送信機110によって受信される場合、送信機110は、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報(すなわち、第5のワイヤレス信号125)を受信したため、第2のタイムアウトタイマーがまた最初から開始し得る。したがって、送信機110は、送信機110が、第5のワイヤレス信号125、または送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含む別のワイヤレス通報を受信しなかった場合よりも長い期間、第4のワイヤレス信号113を送信し続けることができる。
【0038】
図示されていないが、送信機110は、送信機110が、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信し続ける限り、無期限に第4のワイヤレス信号113を送り続けることができる。例えば、システム100は、十分なワイヤレス電力が第4のワイヤレス信号113を介して受信機120に配信されて、受信機120に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスを、閾値エネルギー貯蔵レベルを超えて充電するまで、図1Eおよび1Fに関して記載したステップ間を繰り返し循環してもよい。いくつかの実装形態では、受信機120が第4のワイヤレス信号113を受信している間、受信機120は、受信機がまだ第4のワイヤレス信号113を受信していることを送信機110に確認しながら、周期的または変化する時間間隔で第5のワイヤレス信号125に類似または同じワイヤレス信号(例えば、ビーコン)を送ることができる。いくつかの実装形態では、受信機120が第4のワイヤレス信号113を受信している間に受信機120によって送られたワイヤレス信号は各々、例えば、受信機120に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギー貯蔵レベルなど、受信機120の現在のまたは更新された状態を反映してもよい。
【0039】
送信機110が、第2のタイムアウトタイマーの第2の所定の時間内に、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信しないとき、送信機110は、図1Gに示すように、第4のワイヤレス信号113を送ることを停止して、初期の非送信状態に戻ってもよい。例えば、受信機120は、受信機120が、第4のワイヤレス信号113を受信するには送信機110から離れすぎて、送信機110の範囲外に移動する場合があり、したがって、受信機120は、第2のタイムアウトタイマーをまた最初から開始させることが可能な、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号(例えば、第5のワイヤレス信号125)を送らず、第2のタイムアウトタイマーが経過する。別の例として、受信機120に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスは、受信機120が第4のワイヤレス信号113を介して送られる追加の電力を必要としないように十分に(例えば、閾値レベルを超えて)充電されて場合がある。したがって、受信機120は、第2のタイムアウトタイマーが経過するように、送信機110に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号(例えば、第5のワイヤレス信号125)を送ることを停止し得る。
【0040】
初期の非送信状態にあるとき、送信機110は、図1Aに示すように受信機120によって再び起動し、システムは図1A~1Gに関して示され記載されたステップを通って再び進行する。
【0041】
いくつかの実施形態では、システムは、ピングが1つ以上の受信機によって受信されるように、送信機が、送信機を囲む領域にピングを送るように構成された第1のモードと、送信機が、送信機を囲む領域内の1つ以上の受信機にワイヤレス電力を送るように構成された第2のモードとを有する送信機を含むことができる。例えば、図2A~2Fは、動作の様々な段階におけるシステム200の概略図である。システム200は、システム100などの本明細書に記載のシステムのいずれかと構造および/または機能が同一または類似であってもよい。例えば、システム200は送信機210と受信機220を含む。いくつかの実装形態では、送信機210は、第1のアンテナおよび第2のアンテナを含むか、それらに結合されてもよく、第1のアンテナは、ワイヤレス信号を介してワイヤレス電力およびデータを送るように構成され、第2のアンテナは、ワイヤレス信号を介してワイヤレス通報を受信するように構成されている。いくつかの実装形態では、送信機210の第1のアンテナおよび第2のアンテナは、同じ周波数または異なる周波数で順次および/または同時に動作するように構成され得る。いくつかの実装形態では、送信機210は、ワイヤレス信号を介してワイヤレス電力およびデータの両方を送り、ワイヤレス信号を介してワイヤレス通報を受信するように構成されたアンテナを含むか、またはそれに結合され得る。いくつかの実装形態では、受信機220は、第1のアンテナおよび第2のアンテナを含むか、それらに結合されてもよく、第1のアンテナは、ワイヤレス信号を介してワイヤレス電力およびデータを受信するように構成され、第2のアンテナは、ワイヤレス信号を介してワイヤレス通報を送るように構成されている。いくつかの実装形態では、受信機220の第1のアンテナおよび第2のアンテナは、同じ周波数または異なる周波数で順次および/または同時に動作するように構成され得る。いくつかの実装形態では、受信機220は、ワイヤレス信号を介してワイヤレス電力およびデータの両方を受信し、ワイヤレス信号を介してワイヤレス通報を送るように構成されたアンテナを含むか、またはそれに結合され得る。いくつかの実装形態では、送信機210および/または受信機220によって送られたワイヤレス信号は、どちらも、どのような地理的位置データも含まない。
【0042】
送信機210は、上記の送信機110などの、本明細書に記載の送信機のいずれかと構造および/または機能が同一または類似であってもよい。受信機220は、上記の受信機120などの、本明細書に記載の送信機のいずれかと構造および/または機能が同一または類似であってもよい。
【0043】
送信機210には、第1のモードと第2のモードがある。第1のモードにおいて、送信機210は、複数の個別の第1のワイヤレス信号211を繰り返し送る。第1のワイヤレス信号211(「ピング」とも呼ばれる)の各々は、電力レベルを有してもよく、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報(例えば、送信機識別番号)を伝送してもよい。第1のワイヤレス信号211は、周期的な時間間隔および/または変化する時間間隔で送信機210によって送られてもよい。第1のワイヤレス信号211は、例えば、5~30秒ごとに送ることができる。第2のモードでは、送信機210は、第2のワイヤレス信号213を送るように構成され得る。第2のワイヤレス信号213は、電力レベルを有してもよく、送信機識別情報を伝送してもよい。第2のワイヤレス信号213は、パルス信号でも連続信号でもよい。第1のワイヤレス信号211および第2のワイヤレス信号213の各々は、無線周波数(RF)エネルギーを含み得る。いくつかの実装形態では、第1のワイヤレス信号211の電力レベルは、第2のワイヤレス信号213の電力レベルより低くてもよい。例えば、送信機210は、受信機220が送信機210のカバレッジ区域(すなわち、送信機210がワイヤレス電力を送ることができる領域)内に配置されていることを、(例えば、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号の受信を介して)確認した後、第1のワイヤレス信号211よりも高い電力レベルで第2のワイヤレス信号213を送信してもよい。別の例として、送信機210は、受信機220からの電力または充電の必要性の(例えば、受信機220からのワイヤレス信号を介した)表示に少なくともある程度基づいて、第1のワイヤレス信号211よりも高い電力レベルで第2のワイヤレス信号213を送る。
【0044】
図2Aに示すように、送信機210は、第1のモードで第1のワイヤレス信号211を送ることができる。第1のワイヤレス信号211は、受信機220によって受信され得る。受信機210は、受信機210が、第1のワイヤレス信号211によって起動されるように、第1のワイヤレス信号211に対して構成されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、受信機210は、RF給電ワイヤレスデバイスを含み、またはRF給電ワイヤレスデバイスに結合され得る。いくつかの実装形態では、受信機210は無線周波数識別(RFID)タグを含むことができる。したがって、いくつかの実装形態では、受信機210は、受信機210が、第1のワイヤレス信号211からの電力の受信に応答して動作可能であるように起動され得る。いくつかの実装形態では、受信機210は、(例えば、オンボードバッテリーなどのエネルギー貯蔵デバイスから電力を引き出して)動作可能であり得るが、第1のワイヤレス信号211によって起動して、受信機210が、ワイヤレス通信動作(例えば、第1のワイヤレス信号211の読み取りおよび/または応答ワイヤレス信号223の送信)を開始し、または他の動作を行なう(例えば、第1のワイヤレス信号211の受信に応答して動作を行なう)ことができる。
【0045】
送信機210は、第1のタイムアウトタイマーを含むことができる。送信機210が第1のワイヤレス信号211を送るとき、第1のタイムアウトタイマーが開始され得る。第1のタイムアウトタイマーは、任意の好適な所定の持続時間を有し得る。例えば、いくつかの実装形態では、第1のタイムアウトタイマーは、例えば3~5秒の所定の持続時間を有し得る。いくつかの実装形態では、所定の持続時間は、第1のワイヤレス信号211の持続時間よりも長い任意の好適な持続時間であり得る。所定の持続時間は、送信機210が、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報(例えば、電力の要求)を、第2のモードに移行するために受信する必要があり、そうでなければ送信機210は、第1のモードのままであり、個別の第1のワイヤレス信号211を送り続ける一定時間である。したがって、送信機210が、第1の持続時間内(例えば、第1の持続時間が経過して第1のタイムアウトタイマーがゼロになる前)に、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号を受信しない場合、送信機210は第2のモードに移行しない。送信機210が、第1の持続時間内に、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号を受信する場合、送信機210は、受信機220を充電するために、送信機210が電力およびデータを受信機220に送る第2のモードに移行する場合がある。
【0046】
第1のワイヤレス信号211の受信に応答して、受信機220は、第1のワイヤレス信号211から送信機識別情報を識別(例えば、抽出)することができる。受信機210は、送信機識別情報を伝送する第3のワイヤレス信号223(例えば、ビーコンまたは他のワイヤレス通報)を送るように構成され得る。第3のワイヤレス信号は、任意の好適な情報も含み得る。例えば、第3のワイヤレス信号223は、受信機220に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギーレベルが閾値レベルを下回ったことを表す情報を含み得る。第3のワイヤレス信号223は、ワイヤレス電力の要求を含み得る。第3のワイヤレス信号223は、エネルギー貯蔵デバイスに関する情報(例えば、エネルギー貯蔵デバイスの格納電力レベルまたは格納充電率を表す情報)を含んでもよい。図2Bに示すように、第3のワイヤレス信号223は、送信機210によって受信され得る。
【0047】
いくつかの実装形態では、第3のワイヤレス信号223は、第1のワイヤレス信号211の受信信号強度、および/または送信機210と受信機220との間のおおよその距離を表すデータを含み得る。例えば、受信機220は、任意選択で、送信機210と受信機220との間のおおよその距離を決定(例えば、計算)することができる。例えば、受信機220は、第1のワイヤレス信号211の受信信号強度の測定値(例えば、受信信号強度指標(RSSI))に少なくともある程度基づいて、送信機210と受信機220との間のおおよその距離を決定し得る。受信機220は、送信機210と受信機220との間のおおよその似距離が、閾値距離未満であるかどうかを判定し、おおよその距離が閾値距離未満である場合にのみ受信機220が起動して、第3のワイヤレス信号223を送る。代替的または追加的に、送信機210は、第3のワイヤレス信号223に含まれるデータに基づいて、送信機210と受信機220の間のおおよその距離が、閾値距離未満であるかどうかを判定し、送信機210は、おおよその距離が閾値距離未満である場合にのみ、(例えば、図2Cを参照して以下に記載する第2のワイヤレス信号213を介して)ワイヤレス電力を送るために起動し得る。閾値距離は、送信機210がワイヤレス電力を送信するように構成されている範囲に対応する距離であり、したがって、送信機210は、受信機220が、送信機210のワイヤレス電力を受信するには送信機210から遠すぎる場合に、要求している受信機220にワイヤレス電力を送らないように構成され得る。
【0048】
送信機210が、第1のタイムアウトタイマーが経過し(例えばゼロに達し)ない第1の持続時間内に、送信機210に対応する送信機識別情報を含む第3のワイヤレス信号223を受信する場合、送信機210は、図2Cに示すように、送信機210が、第2のワイヤレス信号213を送り始めるように、第1のモードから第2のモードに移行してもよい。したがって、送信機210は、受信機に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスが充電されるように、受信機220にエネルギーを供給することができる場合がある。いくつかの実装形態では、第2のワイヤレス信号213は、第1のワイヤレス信号211よりも長い任意の好適な持続時間を有し得る。
【0049】
送信機210は、第2のタイムアウトタイマーを含むことができる。送信機210は、送信機210の第2のタイムアウトタイマーが経過するまで第2のワイヤレス信号213を送るように構成され得る。送信機210が第2のワイヤレス信号213を送るとき、第2のタイムアウトタイマーが開始され得る。第2のタイムアウトタイマーは、任意の好適な所定の持続時間を有し得る。例えば、いくつかの実装形態では、第2のタイムアウトタイマーは、例えば約1分の所定の持続時間を有し得る。いくつかの実装形態では、第2の所定の持続時間は、第1のワイヤレス信号211の持続時間よりも長い任意の好適な持続時間であり得る。所定の持続時間は、送信機210が、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報(例えば、電力の要求)を受信する必要があり、そうでなければ送信機210は第1のモードに戻る一定時間である。したがって、送信機210が、第2の持続時間内(例えば、第2の持続時間が経過して第2のタイムアウトタイマーがゼロになる前)に、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号を受信しない場合、送信機210は初期状態に戻る場合がある。送信機210が、第2の持続時間内に、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号を受信する場合、送信機210はリセットされる場合がある。送信機210の第2のタイムアウトタイマーは、送信機210が、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信するたびに、リセットするように構成され、そのため、送信機210は、第2の持続時間よりもかなり長い一定時間(例えば、数時間)、電力とデータを受信機220に送り続けることができる。さらに、送信機210の第2のタイムアウトタイマーは、送信機識別情報を含むワイヤレス通報の発信源に関係なくリセットするように構成されてもよい。したがって、システム200に複数の受信機が含まれる場合、いずれかの(つまり、すべての受信機よりも少ない)受信機からの、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報により、送信機210の第2のタイムアウトタイマーをリセットすることがある。
【0050】
図2Dに示すように、受信機220が第2のワイヤレス信号213を受信していることに応答して、第2のワイヤレス信号213が送信機210によって送られている間で第2のタイムアウトタイマーが経過する前に、受信機は第4のワイヤレス信号225を送ってもよい。第4のワイヤレス信号225は、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むことができる。第4のワイヤレス信号225は、他の任意の好適な通報および/またはデータも含み得る。例えば、第4のワイヤレス信号225は、電力の要求(例えば、受信機220に関連付けられたエネルギー貯蔵源の充電の必要性を表す情報)を含み得る。いくつかの実装形態では、第4のワイヤレス信号225は、第3のワイヤレス信号223と同一または類似であってもよい。いくつかの実装形態では、第4のワイヤレス信号225は、第3のワイヤレス信号223とは異なり得る。例えば、第4のワイヤレス信号225は、第3のワイヤレス信号223と比較して、受信機220に関連付けられたエネルギー貯蔵源の充電の必要性を表す更新された情報を含むことができる。別の例として、第4のワイヤレス信号225は、第2のワイヤレス信号213の更新された受信信号強度、および/または第3のワイヤレス信号223と比較して、送信機210と受信機220間のおおよその距離を含み得る。送信機210は、第2のワイヤレス信号213の受信信号強度が閾値受信信号強度未満である、および/または送信機210が送信機210と受信機220の間のおおよその距離が閾値を超えていると判定する(すなわち、受信機220が送信機210の範囲外にある)場合、第2のワイヤレス信号213の送信を中止してもよい。
【0051】
図2Eに示すように、第2のタイムアウトタイマーが経過する前に第4のワイヤレス信号225が送信機210によって受信される場合、送信機210は、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報(すなわち、第4のワイヤレス信号225)を受信したため、第2のタイムアウトタイマーがまた最初から開始し得る。したがって、送信機210は、送信機210が第4のワイヤレス信号225、または送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含む別のワイヤレス通報を受信しなかった場合よりも長い期間、第2のワイヤレス信号213を送信し続けることができる。
【0052】
図示されていないが、送信機210は、送信機210が、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信し続ける限り、無期限に第2のワイヤレス信号213を送り続けることができる。例えば、システム200は、十分なワイヤレス電力が第2のワイヤレス信号213を介して受信機220に配信されて、受信機220に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスを、閾値エネルギー貯蔵レベルを超えて充電するまで、図2Dおよび2Eに関して記載したステップ間を繰り返し循環してもよい。いくつかの実装形態では、受信機220が第2のワイヤレス信号213を受信している間、受信機220は、受信機がまだ第2のワイヤレス信号213を受信していることを送信機210に確認しながら、周期的または変化する時間間隔で第4のワイヤレス信号225に類似または同じワイヤレス信号(例えば、ビーコン)を送ることができる。いくつかの実装形態では、受信機220が第2のワイヤレス信号213を受信している間に受信機220によって送られたワイヤレス信号は各々、例えば、受信機220に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギー貯蔵レベルなど、受信機220の現在のまたは更新された状態を反映してもよい。
【0053】
送信機210が、第2のタイムアウトタイマーの第2の所定の時間内に、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス通報を受信しないとき、送信機210は、図2Fに示すように、第2のワイヤレス信号213の送りを停止して、第1のモードに戻ってもよい。例えば、受信機220は、受信機220が、第2のワイヤレス信号213を受信するには送信機210から離れすぎて、送信機210の範囲外に移動する場合があり、したがって、受信機220は、第2のタイムアウトタイマーを最初から開始させることが可能な、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号(例えば、第4のワイヤレス信号225)を送らず、第2のタイムアウトタイマーが経過する。別の例として、受信機220に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスは、受信機220が第2のワイヤレス信号213を介して送られる追加の電力を必要としないように十分に(例えば、閾値レベルを超えて)充電されている場合がある。したがって、受信機220は、第2のタイムアウトタイマーが経過するように、送信機210に一意に関連付けられた送信機識別情報を含むワイヤレス信号(例えば、第3のワイヤレス信号225)の送りを停止し得る。
【0054】
第1のモードにあるとき、送信機210は、図2Bに示すように受信機220によって再び起動し、送信機210は、再び第2のモードに移行し、システムは、図2A~2Fに関して示され記載されたステップを通って再び進行する。
【0055】
いくつかの実装形態では、第2のワイヤレス信号213の電力レベルは、送信機210と受信機220との間の距離に少なくともある程度基づいて(例えば、第1のワイヤレス信号211、第2のワイヤレス信号213、第3のワイヤレス信号223、および/または第4のワイヤレス信号225など、本明細書に記載の任意のワイヤレス信号の受信信号強度に少なくともある程度基づいて)もよい。例えば、送信機210によって受信されたワイヤレス信号の受信信号強度が閾値信号強度を下回る場合、送信機210は、送信機210によって受信されたワイヤレス信号の信号強度が閾値信号強度を下回っていた場合よりも高い電力レベルで第2のワイヤレス信号213を送り得る。いくつかの実装形態では、第2のワイヤレス信号213の電力レベルは、受信機220の特定の動作電力の必要性、または受信機220に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスの格納電力を増大させるための電力充電の必要性にある程度基づき得る。例えば、受信機220が動作するのに特定の量のエネルギーを必要とする場合、送信機210は、受信機220が動作するのに、より少ないエネルギー量を必要とするよりも高い電力レベルで第2のワイヤレス信号213を送る。別の例として、受信機220に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスの格納電力が格納電力レベルの閾値(例えば、電池レベル)を下回る場合、送信機210は、受信機220に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスの格納電力が、格納電力レベルの閾値を超えている場合よりも、高い電力レベルで第2のワイヤレス信号213を送ることができる。
【0056】
上述のように、いくつかの実施形態では、送信機および受信機の各々は、第1のアンテナおよび第2のアンテナを含み得る。例えば、図3はシステム300の概略図である。システム300は、本明細書に記載されたシステムのいずれかと構造および/または機能が同一または類似であってもよい。例えば、システム300は送信機310、第1の受信機320A、および第2の受信機320Bを含む。送信機310は、本明細書に記載の送信機のいずれかと構造および/または機能が同じまたは類似であってもよい。第1の受信機320Aおよび第2の受信機320Bは、本明細書に記載の受信機のいずれかと構造および/または機能が同じまたは類似であってもよい。
【0057】
示されるように、送信機310は、第1のアンテナ312および第2のアンテナ314を含み得る。第1のアンテナ312は、電力(例えば、給電エネルギーおよび/または充電エネルギー)およびデータを送信するように構成され得る。第2のアンテナ314は、データ(例えば、通信データ)を受信するように構成され得る。第1の受信機320Aは、第1のアンテナ330Aおよび第2のアンテナ324Aを含み得、第2の受信機320Bは、第1のアンテナ330Bおよび第2のアンテナ324Bを含み得る。第1のアンテナ(例えば、330Aおよび330B)のそれぞれは、電力(例えば、給電エネルギーおよび/または充電エネルギー)およびデータを受信するように構成され得る。第2のアンテナ(例えば、324Aおよび324B)の各々は、データ(例えば、通信データ)を送信するように構成され得る。
【0058】
示されるように、送信機310は、信号が、それぞれ、第1の受信機320Aおよび第2の受信機320Bの第1のアンテナ330Aおよび330Bによって受信されるように、第1の周波数で信号313Aおよび313Bを送信するように構成され得る。信号313Aおよび313Bはそれぞれ、信号313Aおよび313Bが、ワイヤレスエネルギーを第1の受信機320Aおよび第2の受信機320Bにそれぞれ送信できるように電力レベルを含むことができる。信号313Aおよび313Bはまた、送信機310に一意に関連付けられた送信機識別情報(例えば、送信機識別番号)を伝送することができる。
【0059】
受信機320Aの各々は、それぞれの信号313Aおよび313Bから送信機識別情報を抽出し、第2の周波数で送信機310にワイヤレス応答信号(例えば、送信機識別情報を含むワイヤレス応答信号)を送るように構成され得る。例えば、図3に示すように、第1の受信機320Aは、送信機310に一意に関連付けられた送信機識別情報を含み得るワイヤレス応答信号325を、送信機310の第2のアンテナ314に送り得る。第2の周波数は、第1の周波数とは異なる周波数であってもよい。
【0060】
図3に示すように、送信機310は、ワイヤレス電力を受信機320Aと受信機320Bの両方に同時に送信することができる。第1の受信機320Aが、送信機310にワイヤレス通報(例えば、ワイヤレス応答信号325)を送る唯一の受信機であっても、送信機310は、第1のモードから第2のモードに移行することができ、および/または送信機310のタイムアウトタイマーをリセットして、送信機310が第1の受信機320Aおよび範囲内の他の受信機(例えば、第2の受信機320B)にワイヤレス電力を送信できるようにする。
【0061】
図3は、2つの異なる周波数で電力およびワイヤレス通報を送信するシステムを示しているが、いくつかの実施形態では、システムは同じ周波数で電力およびワイヤレス通報を通信できる。例えば、図4はシステム400の概略図である。システム400は、本明細書に記載のシステムのいずれかと構造および/または機能が同一または類似であってもよい。例えば、システム400は、送信機410、第1の受信機420A、および第2の受信機420Bを含み得る。送信機410は、本明細書に記載の送信機のいずれかに構造および/または機能が類似していてもよい。第1の受信機420Aおよび第2の受信機420Bは、本明細書に記載の受信機のいずれかと構造および/または機能が類似していてもよい。
【0062】
示されるように、送信機410はアンテナ412を含むことができる。アンテナ412は、電力(例えば、給電エネルギーおよび/または充電エネルギー)およびデータを送信し、データ(例えば、通信データ)を受信するように構成され得る。第1の受信機420Aはアンテナ430Aを含むことができ、第2の受信機420Bはアンテナ430Bを含むことができる。受信機(例えば、430Aおよび430B)のアンテナの各々は、電力(例えば、給電エネルギーおよび/または充電エネルギー)およびデータを受信し、データ(例えば、通信データ)を送信するように構成され得る。
【0063】
示されるように、送信機410は、信号が、それぞれ、第1の受信機420Aおよび第2の受信機420Bのアンテナ430Aおよび430Bによって受信されるように、矢印415Aおよび415Bによって表される経路を越えて、第1の周波数で信号を送信するように構成され得る。信号はそれぞれ、ワイヤレスエネルギーをそれぞれ第1の受信機420Aおよび第2の受信機420Bに送信できるように電力レベルを含むことができる。信号は、送信機410に一意に関連付けられた送信機識別情報(例えば、送信機識別番号)伝送することもできる。
【0064】
受信機420Aの各々は、それぞれの信号から送信機識別情報を抽出し、第1の周波数でワイヤレス応答信号(例えば、送信機識別情報を含むワイヤレス応答信号)を送信機410に送るように構成され得る。例えば、図4に示すように、第1の受信機420Aは、送信機410に一意に関連付けられた送信機識別情報を含み得るワイヤレス応答信号を、矢印415Aおよび415Bによって表される経路を越えて送信機410のアンテナ412に送り得る。
【0065】
図4に示すように、送信機410は、ワイヤレス電力を第1の受信機420Aおよび第2の受信機420Bの両方に同時に送信してもよい。第1の受信機420Aが、送信機410にワイヤレス通報(例えば、経路415Aを越えたワイヤレス応答信号)を送る唯一の受信機であっても、送信機410は、第1のモードから第2のモードに移行することができ、および/または送信機410のタイムアウトタイマーをリセットして、送信機410が第1の受信機420Aおよび範囲内の他の受信機(例えば、第2の受信機420B)にワイヤレス電力を送信できるようにする。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の送信機のいずれかなどの送信機、および/または本明細書に記載の受信機のいずれかなどの受信機は、公開および/または秘密暗号キーを有し得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の送信機のいずれかのような送信機は、1つ以上のモーターを含むことができ、電力(例えば、RFエネルギー)を受信アンテナ(例えば、送信機を含むシステムの受信機の受信アンテナ)に対してより正確かつ/または直接に向けるように、送信機の1つ以上のアンテナの位置および/または偏波が、1つ以上のモーターによって調整され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される送信機のいずれかのような送信機は、複数の偏波を備えたアンテナを含み得る。本明細書に記載の受信機のいずれかのような受信機は、送信機によって送られる電力(例えば、RFエネルギー)の所望の偏波を(例えば、送信機識別情報も含み得るワイヤレス信号に所望の偏波を含めることを介して)示すことができ、送信機は対応する偏波にアンテナを励起し得る。例えば、受信機は、水平製品上に配置された水平偏波アンテナを含んでもよい。送信機は、デュアルポートパッチアンテナを含んでもよい。送信機が所望の偏波を含むワイヤレス信号を受信するとき、送信機はパッチアンテナの水平ポートに切り替えることができる(例えば、ピングは、受信機タグから水平偏波充電の必要性を示すデータを生成する)。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の送信機のいずれかと構造および/または機能が同じまたは類似の送信機は、受信機に結合されたエネルギー貯蔵デバイスの充電状態に少なくともある程度基づいて、送信機の伝送電力を動的に調整する能力を有することができ、受信機は、本明細書に記載の送信機のいずれかと構造および/または機能が同一または類似であってもよい。送信機は、エネルギー貯蔵デバイスが完全に充電されるとき、第1のモードまたはピングモードに戻る場合がある。
【0070】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の送信機のいずれかと構造および/または機能が同じまたは類似の送信機は、送信機のアンテナの放射パターンを形成するために動的に変更できるディレクターおよび/またはリフレクターを含めることができる。例えば、スイッチを使用して、ディレクターおよび/またはリフレクターを起動または停止し、エネルギー(例えば、RFエネルギー)を受信機に対して指し向けることができる。スイッチは、リレーまたは半導体スイッチであってもよい。いくつかの一部の実装形態では、各ディレクターまたはリフレクターは、RF接地に開いているか、接続されているスイッチに対応する。いくつかの実装形態では、送信機は、(例えば、区域または領域内に配置され得る受信機に給電および/または充電するため)、区域または領域に電力を送信するように構成され得る。ディレクターおよび/またはリフレクターを調整して、区域を回転および/またはシフトすることができる。例えば、区域を右にまたは時計回りに第1の構成から第2の構成に25度回転させることができ、そのため、区域が第1の構成にあるときに区域の外側に配置された複数の受信機(1、2、5、またはそれ以上の受信機)が、第2構成では区域内に配置され、送信機からワイヤレス電力を受信できる。いくつかの実装形態では、送信機はワイヤレス電力を特定の受信機に対して向けず、ワイヤレス電力をカバレッジ区域または領域に送信し、そのため、カバレッジ領域をシフトまたは回転すると、1つ以上の受信機がカバレッジ区域または領域に配置され、したがって、ワイヤレス電力を受信することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステムのいずれかのようなシステムは、複数の受信機を含むことができる。そのような実施形態では、複数の受信機のうちの第1の受信機が充電を完了した場合(例えば、受信機に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスが充電閾値レベル以上に充電された場合)、第1の受信機は、第1の受信機のアンテナのレーダー断面を調整して、システムの送信機の信号を介して受信されるエネルギーを、1つ以上の残りの受信機に集中させるのに役立てるす。例えば、レーダーの断面は、アンテナの端子に適切に負荷をかけて、受信機からエネルギーを反射することにより調整できる。
【0072】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の受信機のいずれかは、送信機から受信したワイヤレス信号に基づいて収集された電流を測定してもよい。本明細書に記載される送信機のいずれかであり得る送信機は、連続的な伝送を可能にするために必要な閾値電流を有し得る。したがって、受信機は、受信されたワイヤレス信号の電流を測定し、測定された電流を送信機に通信してもよい。次に、送信機は、ワイヤレス信号の電流を調整するか、ワイヤレス信号の送信を中止することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の受信機のいずれかは、例えば、送信機と受信機の間の距離、および/または受信機に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスの充電状態(例えば、バッテリーの充電レベル)の変化に起因して、受信機の動作点が変化するときに、最大電力点追従を確実にするため、受信機の同調網を調整してもよい。受信機は、例えば、測定された収集された電力または電流に基づいてその同調を調整してもよい。
【0074】
いくつかの実施形態では、システムは、複数のデバイス(例えば、受信機)からビーコンを受信するために別個のBLEチャネルを使用するように構成された送信機を含み得る。送信機は、本明細書に記載の送信機のいずれかと同一または類似であり得る。送信機は、送信機の電源がオンになるとき、定期的に8ビットの送信機識別番号(ID)を送る。例えば、送信機は、送信時に2~10ミリ秒のランダムな遅延でデータを送らない場合がある。次に、送信機は、1つのスタートビット、8つのデータビット、偶数パリティ、1つのストップビットを使用して、8ビットのトランスミッタIDを16,667ボーで送る。送信機がオンになっている限り、送信機はこのプロセスを繰り返す。送信機は、3つの異なるタイプのBLEビーコン(例えば、設定時間ビーコン、スケジュールビーコン、および/または電力要求ビーコン)を受信および処理してもよい。設定時間ビーコンは、送信機がスケジュールを使用できるように、送信機に時間を設定してもよい。スケジュールビーコンは、送信機の電力をオンにできない一定時間を設定できる。電力要求ビーコンは、ワイヤレス伝送のために送信機に電力をオンにするよう要求できる。
【0075】
(例えば、スケジュールビーコンによって送られたスケジュールの結果として)、送信機が電力を送信しないようにスケジュールされている場合に、電力要求ビーコンが送信機によって受信された場合、送信機は電力要求ビーコンを無視する。送信機が電力を送信しないようにスケジュールされておらず、電力要求ビーコンが送信機によって受信された場合、電力要求ビーコンに送信機の送信機ID(0x01-0xFFなど)が収容されている場合、送信機はワイヤレス電力を送信する。例えば、送信機は、電力要求ビーコンを受信した時点から1分間または追加の1分間、ワイヤレス電力を送信してもよい。いくつかの実施形態では、送信機は、送信者デバイスから特別なブロードキャスト送信機IDを受信するように構成されてもよい。次に、送信機は、少なくとも2秒間またはさらに2秒間ワイヤレス電力を送信できる。送信機IDの送信者デバイスが送信機の電力伝送範囲外にある場合、送信機は(送信機IDを含むワイヤレス通報ではなく)特別なブロードキャスト送信機IDの受信を続けてもよい。送信機は、送信機IDが不足している特別なブロードキャスト送信機IDをあまりにも多く(例えば、五回)受信すると、送信機は一定時間(例えば、10分)送信者デバイスをブロックする場合がある。その結果、ユーザーは、送信者デバイスが送信機の電力範囲内に収まるように、送信者デバイスを送信機に近づけることができる。いくつかの実施形態では、送信機は、ボタンまたは他の起動要素(またはアクチュエータ)を含み得る。ボタンが押される場合、送信機は、ビーコンを受信していなくても、一定時間(たとえば30分間)伝送電力をオンにすることができる。したがって、BLEビーコンを送るためにエネルギー貯蔵デバイスに関連する受信機に電力を供給するには貯蔵エネルギーが低すぎるエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリー)を充電することができる。ボタンを起動すると、スケジュールされているいずれの非送信時間も無視される場合がある。
【0076】
いくつかの実施形態では、システムは、受信機に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリー)を充電する必要があるときにBLE電力要求ビーコンを定期的に送るように構成された受信機を含むことができ、エネルギー貯蔵デバイスのエネルギー貯蔵レベル(例えば、バッテリーレベル)は、BLE電力要求ビーコンを送るのに低すぎるということはない。受信機は、本明細書に記載の送信機のいずれかと構造および/または機能が同一または類似であってもよい。上記のように、受信機のエネルギー貯蔵レベルが低すぎる場合、ユーザーは、送信機がワイヤレスエネルギーを送信して、受信機に関連付けられたエネルギー貯蔵デバイスを一定時間充電するように、例えば、ボタンを押すことを介して送信機(上記の送信機など)を起動することができる。受信機は、複数のBLE広告レートを含む場合がある。たとえば、ブロードキャスト送信機IDを使用する場合、広告レートは2秒になる場合がある。ゼロ以外のトランスミッタIDを使用する場合、広告レートは10秒になる場合がある。いくつかの実装形態では、受信機が電力を要求しているとき、受信機は、電力とともに送られる送信機IDデータを受信しようとする場合がある。受信機が送信機IDを受信すると、受信機は送信機IDをBLE電力要求ビーコンに含めることができる。送信機IDが受信されるまで、受信機はBLE電力要求ビーコンでブロードキャスト送信機IDを使用できる。いくつかの実装形態では、受信機が固有の送信機によって充電されなくなったことを受信機が認識する(例えば、検出する)場合、受信機は、固有の送信機の固有の送信機IDではなくブロードキャスト送信機IDを送り始める。受信機に関連付けられた電力貯蔵デバイスが完全に充電されると、デバイスはBLE電力要求ビーコンの送信を停止する。
【0077】
いくつかの実施形態では、受信機デバイスは、第1の受信機および第2の受信機を含み得る。第1の受信機および第2の受信機は、本明細書に記載の受信機のいずれかと構造および/または機能が同一または類似であってもよい。例えば、第1の受信機は、エネルギー貯蔵デバイスを含むか、それに結合されてもよく、ワイヤレス通報を送信するように構成されてもよい。第2の受信機は、エネルギー貯蔵デバイスを含まないか、またはそれに結合されていないが、指標コンポーネント(例えば、LEDなどの光コンポーネント)を含むか、またはそれに結合されている場合がある。第2の受信機はまた、第2の受信機がワイヤレスデータまたは他の通報を送らないように、ワイヤレス通信コンポーネントを含まなくてもよい。第2の受信機は、ユーザーが、第2の受信機はワイヤレス電力伝送範囲またはワイヤレス電力送信機の区域内にあることを確認できるように、ワイヤレス電力により指標コンポーネントを起動するようにワイヤレス電力を受信するように構成されてもよい。例えば、第2の受信機がワイヤレス電力を受信していることをユーザーが視覚的に確認できるように、光コンポーネントが点灯する場合がある。第1の受信機と第2の受信機は、互いに結合または互いに近くまたは隣接して配置され、第1の受信機および第2の受信機が送信機のワイヤレス電力伝送範囲内にあるとき、第2の受信機は、第1の受信機と第2の受信機の両方が送信機のワイヤレス電力伝送範囲内にあることをユーザーに示し、一方、第1の受信機は、本明細書に記載のシステムまたは方法のいずれかと同様に、送信機に(例えば、電力の要求および/または送信機識別情報を含む)ワイヤレス通報を送り得る。
【0078】
図5は、一実施形態による、ワイヤレス電力を送信する方法500を示すフローチャートである。方法500は、本明細書に記載されたシステムのいずれかによって行うことができる。図5に示されるように、本方法は、電力の要求を含む第1のワイヤレス信号を一回目に受信機により送ること(502)を含む。第1のワイヤレス信号は、送信機により受信され得る(504)。一回目の後の二回目に、送信機は、電力レベルを有し、送信機識別情報を伝送する第2のワイヤレス信号を送ることができる(506)。送信機は、送信機のタイムアウトタイマーが所定の時間閾値に達するまで、第2のワイヤレス信号の送り続けてもよい。
【0079】
第2のワイヤレス信号は、受信機によって受信され(508)、そのため、受信機の少なくとも1つが、第2のワイヤレス信号によって給電され、または受信機に結合されたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギー貯蔵レベルが増加する。二回目の後の三回目に、受信機は、送信機からの第2のワイヤレス信号の受信に応答して、送信機識別情報を含む第3のワイヤレス信号を繰り返し送る(510)。送信機のタイムアウトタイマーは、第3のワイヤレス信号を受信するとリセットされる。
【0080】
いくつかの実施形態では、受信機によって一回目に第1のワイヤレス信号を送る前に、送信機は、電力レベルを有し送信機識別情報を伝送する第4のワイヤレス信号を送る。第1のワイヤレス信号は、送信機識別情報を含み得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、受信機が、受信機と送信機との間の距離を決定してもよい。第3のワイヤレス信号は、距離が閾値距離を下回っている場合にのみ受信機によって送られる。いくつかの実施形態では、送信機が、受信機と送信機との間の距離を決定してもよい。第2のワイヤレス信号は、距離が閾値距離を下回っている場合にのみ送信機によって送られる。
【0082】
いくつかの実施形態では、受信機が第1の受信機であり、第2の受信機が第2のワイヤレス信号を受信して、第2の受信機の少なくとも1つが、第2のワイヤレス信号によって給電され、または第2の受信機に結合されたエネルギー貯蔵デバイスのエネルギー貯蔵レベルが増加する。第2の受信機は、送信機からの第2のワイヤレス信号の受信に応答して、送信機識別情報を含む第4のワイヤレス信号を繰り返し送る。送信機のタイムアウトタイマーは、第4のワイヤレス信号を受信するとゼロにリセットされる。
【0083】
いくつかの実施形態では、上記の様に、単一のアンテナが、電力収集と双方向データ通信のために受信機によって使用される場合がある。例えば、単一のアンテナを使用して、電力収集とRFID後方散乱の両方を同時に行なえる。したがって、いくつかの実施形態では、単一の標準値アンテナを使用して、RFIDタグとRFエネルギー収集回路の両方を同時に動作させることができる。
【0084】
従来、RFIDタグは、12-j199などのカスタム複素入力インピーダンスを用いて設計されていた。最大電力伝達定理により、対応するRFIDアンテナには12+j199の複素インピーダンスが必要になる。ただし、標準のRF機器は通常50オームの標準アンテナインピーダンスを想定しているため、このような複雑なインピーダンスは問題が多く、制限される場合がある。
【0085】
ただし、RFIDタグの入力インピーダンス(または任意の複素インピーダンス)は、電力収集およびデータ通信に好適な(例えば、本明細書に記載の受信機のいずれかで使用または含まれる)異なる値に変換される場合がある。このような変換により、RFIDタグを使用したテストシステムで標準アンテナインピーダンスと実験機器を使用できるようになる。また、このような変換により、RFエネルギー収集と標準的なRFID後方散乱通信を同時に使用できるようになる。
【0086】
いくつかの方法および/またはアンテナシステムを使用して、RFIDタグの動作を可能にすると同時にRFエネルギーを収集することができる。例えば、方向性結合器は、バランおよびインピーダンス整合ネットワークとともに使用できる。別の例として、電力分割器をバランおよびインピーダンス整合網と組み合わせて使用することができる。別の例として、バランとインピーダンス整合網のみを使用できる。別の例として、バランおよびインピーダンス整合網と組み合わせたスイッチングネットワークを使用することができる。別の例として、バランとインピーダンス整合網を収集回路と並列に配設することができる。
【0087】
したがって、RFIDチップの入力インピーダンスの複素インピーダンスを別の値に変換して、RFIDチップで多分より標準的なアンテナを使用することができる。ほとんどのRFアンテナシステムは、50オームのインピーダンスを有するように設計されているが、任意の非複素値または複素値のインピーダンスを有するように設計できる。
【0088】
例えば、図6はシステム602の概略図である。システム602は、本明細書に記載の受信機のいずれかに含まれるか、またはそれに結合され得る。システム602は、アンテナ630、バラン636、同調コンポーネント638、RFIDチップ634、および接地635を含み得る。同調コンポーネント638は、例えば、コンデンサ633およびインダクタ631を含み得る。バラン636は、M:Nの巻数比を有し得る。同調コンポーネント638およびバラン636は、RFIDチップ634のインピーダンスをバラン636の一次側に反映することにより、RFIDチップ634の複素インピーダンスをより標準的な値に変換するために集合的に使用され得る。図6のバラン636は、トランスタイプのバランとして表されているが、バランは、伝送線、構造、および/または個別部品で実装されてもよい。
【0089】
図7は、システム702の概略図である。システム702は、本明細書に記載の受信機のいずれかに含まれるか、またはそれに結合され得る。システム702は、アンテナ730、エネルギー収集回路732、バラン736、インピーダンス整合網738、RFIDチップ734、および接地735を含み得る。インピーダンス整合網738は、例えば、コンデンサ733およびインダクタ731を含み得る。バラン736は、M:Nの巻数比を有し得る。図7に示すように、エネルギー収集回路732は、バラン736、インピーダンス整合網738、およびRFIDチップ734と並列に置かれてもよい。システム702のアンテナ730は、標準の50オームに限定されなくてもよい。システム702は、RFIDチップ734に関連付けられた第2のインピーダンス整合網738に加えて、エネルギー収集回路732に関連付けられた第1のインピーダンス整合回路(図示せず)を含むことができる。エネルギー収集回路732は、RFIDチップ734の読み取りおよび/または書き込み感度を高めるためにRFIDチップ734に電力を供給し、RFIDチップの範囲を広げることができる。いくつかの実装形態では、アンテナ730は平衡アンテナであってもよく、バラン736はシステム702に含まれていなくてもよい。
【0090】
図8は、システム802の概略図である。システム802は、本明細書に記載の受信機のいずれかに含まれるか、またはそれに結合され得る。システム802は、アンテナ830、方向性結合器837、(例えば、RFエネルギーを収集する)エネルギー収集回路832、バラン836、インピーダンス整合網838、RFIDチップ834、および接地835を含み得る。インピーダンス整合網838は、例えば、コンデンサ833およびインダクタ831を含み得る。バラン836は、M:Nの巻数比を有することができる。図8に示すように、方向性結合器837は、入力(すなわち、入力ポート)、出力(すなわち、送信ポート)、および結合ポートを含み得る。方向性結合器837の出力は、エネルギー収集回路832に結合されてもよい。バラン836は、バラン836およびインピーダンス整合網838が方向性結合器837の結合ポートに結合されるように、方向性結合器837の結合ポートに結合されてもよい。アンテナ830から方向性結合器837の入力に電力が印加され、電力の一部が結合ポートを通ってバラン836およびRFID整合ネットワーク838に流れ、電力の残りが出力からエネルギー収集回路832に流れ得る。システム802はまた、標準の50オームアンテナを含み得る。システム802は、RFIDおよびRFエネルギー収集を同時に行ってもよい。エネルギー収集回路832は、エネルギー収集路832の範囲および感度を向上させるために、RFIDチップ834にバイアスをかけ、電力を供給してもよい。
【0091】
図9は、システム902の概略図である。システム902は、本明細書に記載の受信機のいずれかに含まれるか、またはそれに結合され得る。システム902は、アンテナ930、電力分割器939、(例えば、RFエネルギーを収集するための)エネルギー収集回路932、バラン936、インピーダンス整合網938、RFIDチップ934、および接地935を含み得る。インピーダンス整合網938は、例えば、コンデンサ933およびインダクタ931を含み得る。バラン936は、M:Nの巻数比を有することができる。図9に示すように、システム902がRFIDおよびRFエネルギー収集の両方を同時に行えるように、電力分割器939を使用することができる。電力分割器939は、入力、第1の出力、および第2の出力を有し得る。第1の出力は、エネルギー収集回路932に結合されてもよい。第2の出力は、バラン936およびインピーダンス整合網938に結合され得る。エネルギー収集回路932は、RFIDチップ934にバイアスをかけて電力を供給し、RFIDチップの範囲および感度を向上させることができる。いくつかの実装形態では、電力分割器939は、アンテナ930からの電力の半分がエネルギー収集回路932に提供され、アンテナ930からの電力の半分がバラン936およびインピーダンス整合網938(したがって、RFIDチップ934)に提供されるように電力を分割することができる。いくつかの実装形態では、電力分割器939は、より多くのエネルギー(例えば、75%)がエネルギー収集回路932に提供され、残り(例えば、25%)がバラン936およびインピーダンス整合網938(したがって、RFIDチップ934)に提供されるように、アンテナ930からの電力を分割し得る。いくつかの実装形態では、エネルギー収集回路932は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,868,482号に開示されているRF-DCコンバータのいずれかと同じまたは同様であってもよい。いくつかの実装形態では、電力分割器939は、単純な抵抗タップを含み得る。
【0092】
図10は、システム1002の概略図である。システム1002は、本明細書に記載の受信機のいずれかに含まれるか、またはそれに結合され得る。システム1002は、アンテナ1030、電力スイッチ1040(例えば、RF電力スイッチ)、(例えば、RFエネルギーを収穫するための)エネルギー収集回路1032、バラン1036、インピーダンス整合網1038、RFIDチップ1034をおよびグラウンド1035含み得る。インピーダンス整合網1038は、例えば、コンデンサ1033およびインダクタ1031を含み得る。バラン1036は、M:Nの巻数比を有し得る。図10に示すように、システム1002は、電力スイッチ1040およびアンテナ1030を使用して、エネルギー収集とRFIDとを切り替えてもよい。アンテナ1030は、50オームのアンテナであり得る。電力スイッチ1040は、入力、第1の出力、および第2の出力を含み得る。第1の出力は、エネルギー収集回路1032に結合されてもよい。第2の出力は、バラン(アンテナ1030が不平衡であるために必要な場合)およびインピーダンス整合網1038に結合され得る。電力スイッチ1040は、エネルギー収集ネットワーク1032により収集されているエネルギーによって、または例えばバッテリーまたはコンデンサなどの他の何らかの電源によってバイアスされてもよい。いくつかの実装形態では、エネルギー収集回路1032は、図9に関して上記で参照した米国特許第7,868,482号に開示されているRF-DCコンバータのいずれかと同じまたは同様であってもよい。電力スイッチ1040は、普通は閉じられていてもよい。いくつかの実装形態では、エネルギー収集回路1032は、電力スイッチ1040が普通閉構成にあるときにアンテナ1030から電力を受信することができる。
【0093】
図11は、システム1102の概略図である。システム1102は、本明細書に記載の受信機のいずれかに含まれるか、またはそれに結合され得る。システム1102は、アンテナ1130、スイッチ1142、(例えば、RFエネルギーを収穫するための)エネルギー収集回路1132、バラン1136、インピーダンス整合網1138、RFIDチップ1134、および接地1135を含むことができる。インピーダンス整合網1138は、例えば、コンデンサ1133およびインダクタ1131を含み得る。バラン1136は、M:Nの巻数比を有し得る。スイッチ1142は、DC短絡を生成してエネルギー収集回路1132を無効にし、アンテナ1130からのRFエネルギーがバラン1136およびインピーダンス整合網1138(したがって、RFIDチップ1134)に送られるように構成されたMOSFETデバイスまたは他のスイッチを含み得る。いくつかの実装形態では、スイッチ1142の前にRFチョークを配置し、RFエネルギーが、RFチョークを通過してスイッチ1142に到達できないようにすることができる。エネルギー収集回路1132によって収集された電力は、スイッチ1142をバイアスすることができ、またはスイッチ1142は他の何らかの外部源によってバイアスされることができる。スイッチ1142は、図11の他のコンポーネントに対する位置にあるとして示されているが、バラン1136がRFチョークとして使用されるように、バラン1136と接地1135との間にスイッチ1142を配設することができる。スイッチ1142を使用して、DC動作点を変更することにより、エネルギー収集回路1132のインピーダンスを改変し、これにより、エネルギー収集回路1132を高インピーダンスにし、RFエネルギーをRFIDチップにほぼ完全に通過させることができる。いくつかの実装形態では、RFIDチップは、アンテナ1130によって受信されたRF電力の一部を常に受信し、RFIDが常に読み取り可能であるようにする。エネルギー収集回路1132は、スイッチ1142をバイアスし、RFIDチップ1134に電力を供給してRFIDチップ1134の感度を高めるために使用されてもよい。
【0094】
いくつかの実装形態では、バラン1136(または本明細書で説明するバランのいずれか)は、トランス、または個別もしくはプリントのインダクタおよびコンデンサ網で実装されてもよい。いくつかの実装形態では、バラン1136(または本明細書に記載のバランのいずれか)はまた、システム1102(または本明細書に記載のシステムのいずれか)に含まれなくてもよく、そのようなRFエネルギーはアンテナ1130からインピーダンス整合網1138に直接流れることができる。アンテナ1130(または本明細書に記載のアンテナのいずれか)は、例えば、銅、スズ、および/またはアルミニウムなどの様々な金属を含むことができる。アンテナ1130(または本明細書に記載のアンテナのいずれか)は、印刷またはエッチングされてもよい。アンテナ1130(または本明細書に記載のアンテナのいずれか)は、任意の構成またはタイプのものであり得、平衡または不平衡であり得る。図6図11に関して図示および記載したシステムは、例えば、FR4、370HR、および/またはフレックスPCBなどの任意の材料またはサイズの任意のプリント回路基板(PCB)で利用することができる。
【0095】
本発明の様々な実施形態が上記されたが、それらは例としてのみ提示されており、限定ではないことを理解されたい。上記の方法が一定の順序で発生する一定のイベントを示す場合、一定のイベントの順序は変更される場合がある。追加的に、可能であれば、一定のイベントを並列プロセスで同時に実行することも、上記のように順次行うこともできる。
【0096】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のシステム(またはそのコンポーネントのいずれか)は、様々なコンピュータ実装動作を行なうための命令またはコンピュータコードを有する、非一時的コンピュータ可読媒体(非一時的プロセッサ可読媒体とも呼ばれる)を含むことができる。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、それ自体一時的な伝播信号(例えば、空間やケーブルなどの伝送媒体上で情報を伝送する伝播電磁波)を含まないという意味で非一時的である。媒体およびコンピュータコード(コードとも呼ばれ得る)は、固有の目的のために設計および構築されたものである。非一時的なコンピュータ読み取り可能媒体の例には、これらに限定されないが、ハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープなどの磁気記憶媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、およびホログラフィックデバイスなどの光学記憶媒体、光ディスクなどの光磁気記憶媒体、搬送波信号処理モジュール、ならびにアプリケーション固有の集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイスなど、プログラムコードを格納および実行するように特別に構成されているハードウェアデバイスが含まれる。
【0097】
コンピュータコードの例には、これらに限定されないが、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラによって作成されるような機械命令、ウェブサービスを作成するために使用されるコード、およびインタプリタを使用するコンピュータによって実行されるより高いレベルの命令を収容するファイルが含まれる。例えば、実施形態は、命令型プログラミング言語(例えば、C、フォートランなど)、関数型プログラミング言語(Haskell、Erlangなど)、論理プログラミング言語(例えば、Prolog)、オブジェクト指向プログラミング言語(例えば、Java、C++など)またはその他の好適なプログラミング言語や開発ツールを使用して実装され得る。コンピュータコードのその他の例には、これらに限定されないが、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードが含まれる。
【0098】
様々な実施形態が特定の特徴および/またはコンポーネントの組み合わせを有するとして記載されたが、適切な場合、実施形態のいずれかからの特徴および/またはコンポーネントの組み合わせを有する他の実施形態が可能である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11