(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】静電容量結合方式タッチパネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20230224BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230224BHJP
【FI】
G06F3/041 660
G06F3/041 490
G06F3/044 124
(21)【出願番号】P 2021197155
(22)【出願日】2021-12-03
(62)【分割の表示】P 2021009398の分割
【原出願日】2008-04-22
【審査請求日】2021-12-03
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(73)【特許権者】
【識別番号】506087819
【氏名又は名称】パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺本 雅博
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-166437(JP,A)
【文献】特開昭54-103694(JP,A)
【文献】登録実用新案第3134925(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0242054(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と
前記基板上に配置された複数の第1電極と、前記第1電極より面積が小さく隣接する前記第1電極を接続する第1接続電極と、を備えた第1センサ電極と、
前記基板上に前記第1電極の各辺に平行に間隔を置いて配置された複数の第2電極と、前記第2電極より面積が小さく隣接する前記第2電極を接続する第2接続電極と、を備えた第2センサ電極と、
前記基板上の前記第1接続電極、前記第1電極、および前記第2電極を覆う絶縁膜と、を備え、
前記第2接続電極は、前記第2電極の端部および前記隣接する第2電極の端部と前記絶縁膜に設けられるコンタクトホールを介して接続し、
前記第1センサ電極は第1方向に延在し、前記第2センサ電極は前記第1方向と交差する第2方向に延在する静電容量結合方式タッチパネルの製造方法であって、
前記基板上に、第1の導電膜を形成する工程と、
前記第1の導電膜上にポジ型レジストからなるエッチングマスクを形成する工程と、
前記第1の導電膜をエッチングして前記第1電極と、前記第1接続電極と、前記第2電極とを形成する工程と、
前記第1の導電膜上のエッチングマスクを除去する工程と、
前記基板上の前記第1電極と、前記第1接続電極と、前記第2電極との上にネガ型レジストからなる前記絶縁膜を形成する工程と、
前記第2電極上の前記ネガ型レジストにコンタクト部を形成する工程と、
前記絶縁膜上に第2の導電膜を形成する工程と、
前記第2の導電膜上にエッチングマスクを形成する工程と、
前記第2の導電膜をエッチングして前記第2接続電極を形成する工程と、
前記第2の導電膜上のエッチングマスクを除去する工程と、からなることを特徴とする静電容量結合方式タッチパネルの製造方法。
【請求項2】
前記第2接続電極及び前記絶縁膜上に保護膜を形成する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電容量結合方式タッチパネルの製造方法。
【請求項3】
前記第1の導電膜は、透明導電膜を前記基板上に形成したものであることを特徴とする請求項2に記載の静電容量結合方式タッチパネルの製造方法。
【請求項4】
前記第2の導電膜は、透明導電膜を前記絶縁膜上に形成したものであることを特徴とする請求項3に記載の静電容量結合方式タッチパネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル付き表示装置に係り、特に、静電容量結合方式のタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルの主な方式として、光の変化を検出する方式と、電気的な特性の変化を検出する方式とが知られている。また、電気的な特性の変化を検出する方式として、静電容量結合方式が知られている。(下記、特許文献1、特許文献2参照)
【0003】
図9乃至
図11は従来の静電容量結合方式のタッチパネルに係る図であり、
図9は電極パターンを示す平面図、
図10は
図9のF-F’線に沿った断面構造を示す断面図、
図11は
図9のG-G’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【0004】
従来の静電容量結合方式のタッチパネルは、
図9乃至
図11に示すように、第1の方向(例えばX方向)に延在し、前記第1の方向と交差する第2の方向(例えばY方向)に併設される複数の電極1Xと、この電極1Xと交差して前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に併設される複数の電極2Yとを有している。複数の電極1Xは、基板11上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。複数の電極2Yは、絶縁膜12上に配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。電極1X及び2Yは、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-65748号公報
【文献】特願2007-175050号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、
図9乃至
図11に示すように、複数の電極1Xと複数の電極2Yとが絶縁膜12を介してそれぞれ異なる導電層(下層と上層)に形成されている。このような電極構造の場合、絶縁膜12及び上層の電極1X上に形成される保護膜13は、上層の電極1Xにより膜に歪みが生じるため、加えて、反射光に対しては、下層と上層とで光路長が異なるため、下層の電極1Xと上層の電極2Yに色差が生じ、電極1X及び電極2Yの電極パターンが顕在化する。このような電極パターンの顕在化は、光学特性の悪化を招き、タッチパネルを組み込んだ表示装置の特性低下を引き起こす要因となるため、対策が必要である。
【0007】
本発明の目的は、タッチパネルの特性低下を抑制することが可能な技術を提供することにある。
【0008】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0010】
(1)タッチパネル付き表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの観察者側の面上に配置される静電容量結合方式のタッチパネルとを備え、前記タッチパネルは、基板上に、第1の方向に延在し、前記第1の方向と交差する第2の方向に併設される複数の第1の電極と、前記第1の電極と交差して前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に併設される複数の第2の電極とを有し、前記複数の第1の電極の各々は、前記第2の電極とは異なる層に形成され、前記第2の電極と交差する第1の部分と、前記第2の電極とは分離して同層に形成される第2の部分とを有し、前記第1の部分は、前記第1の部分と前記第2の電極との間の絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して前記第2の部分に接続されている。
【0011】
(2)上記(1)において、前記第1の電極の前記第1の部分は、前記第2の電極よりも上層に形成されている。
【0012】
(3)上記(1)において、前記第1の電極の前記第1の部分は、前記第2の電極よりも下層に形成されている。
【0013】
(4)上記(1)乃至(3)の何れかにおいて、前記第2の電極は、前記第1の電極間に前記第1の電極と交差する部分の幅よりも広い幅の部分を有し、前記第1の電極は、前記第2の電極間に前記第2の電極と交差する部分の幅よりも広い幅の部分を有する。
【0014】
(5)上記(1)乃至(4)の何れかにおいて、前記第1及び第2の電極は、透明導電性材料からなる。
【0015】
(6)上記(1)乃至(5)の何れかにおいて、前記基板上に前記第1及び第2の電極を覆うようにして形成される保護膜を有する。
【発明の効果】
【0016】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0017】
本発明によれば、タッチパネルの特性低下を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施例1のタッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図である。
【
図3】
図1のA-A’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【
図4】
図1のB-B’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【
図5】本発明の実施例1のタッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施例2のタッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図である。
【
図7】
図6のD-D’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【
図8】
図6のE-E’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【
図9】従来の静電容量結合方式のタッチパネルの電極パターンを示す平面図である。
【
図10】
図9のF-F’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【
図11】
図9のG-G’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。なお、発明の実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】
[実施例1]
本実施例1では、表示パネルの一例として例えば液晶表示パネル上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置に本発明を適用した例について説明する。
【0021】
図1乃至
図5は本発明の実施例1のタッチパネル付き表示装置に係る図であり、
図1はタッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図、
図2は
図1の一部を拡大した平面図、
図3は
図1のA-A’線に沿った断面構造を示す断面図、
図4は
図1のB-B’線に沿った断面構造を示す断面図、
図5はタッチパネル付き表示装置の概略構成を示すブロック図である。なお、
図5において、タッチパネル20は、
図1のC-C’線に沿った断面構造を示している。
【0022】
本実施例1のタッチパネル付き表示装置は、
図5に示すように、液晶表示パネル30と、液晶液示パネル30の観察者側の面上に配置された静電容量結合方式のタッチパネル20と、液晶表示パネル30の観察者側とは反対側の面下に配置されたバックライト40とを備えている。液晶表示パネル30としては、例えばIPS方式、TN方式、VA方式等の液晶表示パネルが用いられている。
【0023】
タッチパネル20は、
図1乃至
図4に示すように、第1の方向(例えばX方向)に延在し、前記第1の方向と交差する第2の方向(例えばY方向)に所定の配列ピッチで併設される複数の電極1Xと、この電極1Xと交差して前記第2の方向に延在し、前記第1の方向に所定の配列ピッチで併設される複数の電極2Yとを有している。
【0024】
複数の電極2Yの各々は、第1の部分2aと、この第1の部分2aの幅よりも広い幅の第2の部分2bとが前記第2の方向に交互に複数配置された電極パターンで形成されている。複数の電極2Yの各々は、基板11の観察者側の面上に配置され、その上層に形成された絶縁膜12で覆われている。基板11としては、例えばガラス等の透明な絶縁性基板が用いられている。
【0025】
複数の電極1Xの各々は、第1の部分1aと、この第1の部分1aの幅よりも広い幅の第2の部分1bとが前記第1の方向に交互に複数配置された電極パターンで形成されている。複数の電極1Xの各々の第1の部分1aは、電極2Yとは異なる導電層に形成され、電極2Yの第1の部分2aと平面的に交差している。複数の電極1Xの各々の第2の部分1bは、電極2Yと同層の導電層に電極2Yとは分離して形成されている。本実施例において、電極1Xの第1の部分1aは、電極2Yよりも上層に形成されている。
【0026】
複数の電極1Xの各々の第2の部分1bは、電極2Yと同様に絶縁膜12で覆われている。複数の電極1Xの各々の第1の部分1aは、絶縁膜12上に配置され、その上層に形成された保護膜13で覆われている。
【0027】
電極1Xの第1の部分1aは、電極2Yの第1の部分2aと平面的に交差し、この第1の部分2aを挟んで隣り合う2つの第2の部分1bに、電極1Xの第1の部分1aと電極2Yとの間の層間絶縁膜である絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介してそれぞれ電気的にかつ機械的に接続されている。
【0028】
即ち、複数の電極1Xの各々は、電極2Yとは異なる導電層に形成され、電極2Yと交差する第1の部分1aと、電極2Yとは分離して電極2Yと同層の導電層に形成される第2の部分1bとを有し、電極1Xの第1の部分1aは、この第1の部分1aと電極2Yとの間の絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介して電極1Xの第2の部分1bに接続されている。
【0029】
電極2Yの第2の部分2bは、隣り合う2つの電極1Xにおいて、平面的に見たとき、各々の第1の部分1aの間に配置されている。電極1Xの第2の部分1bは、隣り合う2つの電極2Yにおいて、平面的に見たとき、各々の第1の部分2aの間に配置されている。
【0030】
即ち、電極2Yは、電極1X間に電極1Xと交差する部分の幅よりも広い幅の部分を有し、電極1Xは、電極2Y間に電極2Yと交差する部分の幅よりも広い幅の部分を有している。
【0031】
なお、電極1X及び電極2Yは、高い透過性を有する材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透明性導電材料で形成されている。
【0032】
なお、
図5では、観察者の指50と電極1Xとの間にC1,C3の容量が、観察者の指50と電極2Yとの間にC2の容量が形成されていることを模式的に示している。本実施例のタッチパネル20は、電極1Xと電極2Yとの結合容量の容量差を検出して、観察者の指50がタッチした、タッチパネル20のタッチ面内におけるタッチ位置座標を検出する。
【0033】
次に、本実施例のタッチパネル20の製造方法について、
図1乃至
図4を参照して説明する。
【0034】
まず、基板11の観察者側の面上に、透明性導電材料(例えばITO)からなる第1の導電膜を形成する。
【0035】
次に、例えばポジ型レジストを用いて前記第1の導電膜上に電極パターンの第1のマスクを形成し、その後、前記第1のマスクをエッチングマスクとして使用し、前記第1の導電膜をエッチングすることにより、基板11上に電極2Y及び電極1Xの第2の部分1bを形成する。
【0036】
次に、前記第1のマスクを除去し、その後、電極2Y及び電極1Xの第2の部分1b上を含む基板11上に、例えばネガ型レジストからなる絶縁膜12を形成する。この工程において、電極2Y及び電極1Xの第2の部分1bは絶縁膜12で覆われる。
【0037】
次に、絶縁膜12の必要な部分にコンタクトホール12aを形成し、その後、コンタクトホール12a内を含む絶縁膜12上に、透明性導電材料(例えばITO)からなる第2の導電膜を形成する。
【0038】
次に、例えばポジ型レジストを用いて前記第2の導電膜上に電極パターンの第2のマスクを形成し、その後、前記第2のマスクをエッチングマスクとして使用し、前記第2の導電膜をエッチングすることにより、絶縁膜12上に電極1Xの第1の部分1aを形成する。この工程において、上層の第1の部分1aは、コンタクトホール12aを介して下層の第2の部分1bと電気的にかつ機械的に接続される。また、上層の第1の部分1aは、下層の電極2Yの第1の部分1aと交差する。
【0039】
次に、前記第2のマスクを除去し、その後、電極1Xの第1の部分1a上を含む絶縁膜12上に、例えばネガ型レジストからなる保護膜13を形成することにより、
図1乃至
図4に示す構造となる。この工程において、電極1Xの第1の部分1aは保護膜13で覆われる。
【0040】
なお、周辺の配線パターンの形成は、上記の各工程間の適切な場所に挿入することができる。
【0041】
ところで、従来の静電容量結合方式のタッチパネルでは、
図9乃至
図11に示すように、複数の電極1Xと複数の電極2Yとが絶縁膜12を介してそれぞれ異なる導電層(下層と上層)に形成されている。このような電極構造の場合、絶縁膜12及び上層の電極1X上に形成される保護膜13は、上層の電極1Xにより膜に歪みが生じるため、加えて、反射光に対しては、下層と上層とで光路長が異なるため、下層の電極2Yと上層の電極1Xに色差が生じ、電極1X及び電極2Yの電極パターンが顕在化する。
【0042】
これに対し、本実施例の静電容量結合方式のタッチパネル20では、
図1乃至
図4に示すように、電極1Xは、電極2Yとは異なる層に電極2Yと交差するようにして形成される第1の部分1aと、電極2Yと同層に電極2Yとは分離して形成される第2の部分1bとを有し、第1の部分1aは、第1の部分1aと電極2Yとの間の絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介して第2の部分1bに接続されている。
【0043】
このような電極構造の場合、保護膜13に対して均一な成膜面を持たせることができるため、保護膜13に生じる歪みを抑制でき、保護膜13の歪みによる色差から生じる電極パターンの顕在化を抑えることができる。この結果、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制できるため、タッチパネル20を組み込んだ表示装置の特性低下を抑制することができる。
【0044】
また、色差の生じる部分を最小、即ち電極1Xの第1の部分1aのみとすることができるため、光路差による色差から生じる電極パターンの顕在化も抑えることができる。この結果、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制できるため、タッチパネル20を組み込んだ表示装置の特性低下を抑制することができる。
【0045】
また、上層に形成する第1の部分1a(架橋部分)に欠陥が生じた場合、第1の部分1aを形成する工程を再着工することでリペアが可能であり、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制して加工性の向上を図ることができる。
【0046】
[実施例2]
図6乃至
図8は本発明の実施例2のタッチパネル付き表示装置に係る図であり、
図6はタッチパネル付き表示装置に組み込まれるタッチパネルの電極パターンを示す平面図、
図7は
図6のD-D’線に沿った断面構造を示す断面図、
図8は
図6のE-E’線に沿った断面構造を示す断面図である。
【0047】
本実施例2のタッチパネル付き表示装置は、基本的に前述の実施例1と同様の構成になっており、以下の構成が異なっている。
【0048】
即ち、前述の実施例1では、
図1乃至
図4に示すように、下層の導電層に電極2Y及び電極1Xの第2の部分1bが形成され、これよりも上層の導電層に電極1Xの第1の部分1aが形成された例について説明したが、本実施例2では、
図6乃至
図8に示すように、下層の導電層に電極1Xの第1の部分1aが形成され、これよりも上層の導電層に電極2Y及び電極1Xの第2の部分1bが形成されている。
【0049】
電極1Xの第1の部分1a(本実施例では下層)は、電極2Yの第1の部分2aと平面的に交差し、この第1の部分2aを挟んで隣り合う2つの第2の部分1b(本実施例では上層)に、電極1Xの第1の部分1aと電極2Yとの間の層間絶縁膜である絶縁膜12に形成されたコンタクトホール12aを介してそれぞれ電気的にかつ機械的に接続されている。
【0050】
本実施例2においても、保護膜13の歪みによる色差から生じる電極パターンの顕在化、及び光路差による色差から生じる電極パターンの顕在化も抑えることができるため、電極パターンの顕在化による光学特性の悪化を抑制でき、タッチパネル20を組み込んだ表示装置の特性低下を抑制することができる。
【0051】
なお、前述の実施例では表示パネルの一例として液晶表示パネル上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、有機EL表示パネルや無機EL表示パネル等の他の表示パネル上にタッチパネルを備えたタッチパネル付き表示装置に適用することができる。
【0052】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0053】
1X 電極
1a 第1の部分
1b 第2の部分
2Y 電極
2a 第1の部分
2b 第2の部分
11 基板
12 絶縁膜
12a コンタクトホール
13 保護膜
20 タッチパネル
30 液晶表示パネル
40 バックライト