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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】活動検証のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20230224BHJP
【FI】
G06Q50/02
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021526466
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 US2019062258
(87)【国際公開番号】W WO2020106747
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】16/688,332
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/769,422
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521207092
【氏名又は名称】コーチェック アイエヌシー
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】フリッケ, ルカス, ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】プランゲ, ジェリー
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/141521(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0102089(US,A1)
【文献】特開2006-158280(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0147962(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0106539(US,A1)
【文献】Bringing blockchain to livestock production,Farm Progress. [online],2018年04月06日,[令和4年6月27日検索]、インターネット<URL:https://www.farmprogress.com/livestcok/bringing-blockchain-livestock-production>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ユーザに関連付けられるユーザ機器であって、雑用リストの中の1つ又は複数の雑用の完了を示す1つ又は複数の雑用完了入力を受信するように構成されるユーザ機器と、
畜舎ノードと前記ユーザ機器との間のインタラクションであって、物理的触覚インタラクション又は通信信号インタラクションを含むインタラクションを識別するように構成される前記畜舎ノードと、
前記畜舎ノードに通信可能に結合される畜舎ハブと、
前記畜舎ハブに通信可能に結合されるサーバと、を含み、
前記畜舎ハブは、前記ユーザ機器が前記畜舎ハブの選択された距離内に入ったとき、又は選択されたジオフェンス領域に入ったとき、前記畜舎ハブと前記ユーザ機器との間の空間的関係を識別し、前記畜舎ノードから、識別されたインタラクションに関連付けられる、識別されたインタラクションデータを受信し、且つ、前記1つ又は複数の雑用完了入力を受信するように構成され、
前記サーバは、メモリに記憶される1組のプログラム命令を実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサを含み、
前記1組のプログラム命令は、
前記1つ又は複数の雑用完了入力と、識別されたインタラクションデータと、識別された空間的関係に関連付けられる、識別された空間的関係データとを含む1つ又は複数の信号を前記畜舎ハブから受信することと、
前記雑用完了入力と、識別されたインタラクションデータと、前記空間的関係データとを含むトランザクションログを前記メモリに記憶することと、
前記1つ又は複数の雑用完了入力と、識別されたインタラクションデータと、識別された空間的関係データとのうちの少なくとも1つに基づき、前記雑用リストの中の1つ又は複数の未完了の雑用を識別することと、
を前記1つ又は複数のプロセッサに実行させるように構成され
前記インタラクションが識別されたときは、前記空間的関係が識別されたときよりも、前記ユーザ機器の位置を前記畜舎ノードの近傍に特定可能である、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記1つ又は複数のプロセッサは、さらに、
前記雑用完了入力、識別されたインタラクションデータ、及び識別された空間的関係データのうちの少なくとも1つに基づき、前記雑用リストの中の1つ又は複数の完成した雑用を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記雑用リストの中の1つ又は複数の完成した雑用を識別することは、
前記ユーザ機器が前記空間的関係の時間間隔中に前記1つ又は複数の雑用完了入力を受信したことを特定することを含む、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記雑用リストの中の1つ又は複数の未完了の雑用を識別することは、
前記ユーザ機器が前記空間的関係の時間間隔中に前記1つ又は複数の雑用完了入力を受信していないことを特定することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つ又は複数のプロセッサは、さらに、
前記雑用リストの中のそれぞれの雑用が完了したと識別されたとき、ポジティブなトランザクションとして識別し、且つ、
前記雑用リストの中の少なくとも1つの雑用が未完了であると識別されたとき、ネガティブなトランザクションとして識別するように構成される、ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記畜舎ノードは、QRコードスキャナ、静電容量式タッチセンサ、抵抗式タッチセンサ、生体測定センサ又は機械装置のうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ又は複数のプロセッサは、さらに、
識別された空間的関係データ又は識別されたインタラクションデータのうちの少なくとも1つに基づき、前記ユーザと1つ又は複数の動物グループとの1回又は複数回の遭遇を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
コントローラに通信可能に結合されるユーザインターフェースをさらに含み、
前記1つ又は複数のプロセッサは、さらに、
1つ又は複数の信号を前記コントローラに送信し、前記1つ又は複数の信号は、前記コントローラに、1つ又は複数の識別された未完了の雑用を示す1つ又は複数のアラートを表示させるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ユーザ機器は、さらに、
前記ユーザから1つ又は複数の死亡率入力を受信するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ又は複数のプロセッサは、さらに、
前記1つ又は複数の死亡率入力に基づき、1つ又は複数の病気の発生を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ又は複数のプロセッサは、さらに、
前記1つ又は複数の死亡率入力に基づき、1つ又は複数の個体を病気の蔓延の潜在的な媒介者として識別するように構成される、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ又は複数のプロセッサは、さらに、
前記1つ又は複数の死亡率入力に基づき、病気の発生のリスクにある1つ又は複数の動物グループを識別するように構成される、ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記畜舎ノードは、センサ読み取り値を取得するように構成される1つ又は複数のセンサを含み、前記1つ又は複数のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、組成センサ又は光検出および測距(LIDAR)センサのうちの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記畜舎ハブは、前記畜舎ノードからセンサ読み取り値を受信し、前記センサ読み取り値を前記サーバに送信するように構成され、前記サーバは、前記センサ読み取り値をメモリに記憶するように構成される、ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ又は複数のプロセッサは、さらに、
前記畜舎ノードの1つ又は複数の結像機器によって取得された1つ又は複数の画像を前記畜舎ハブから受信し、また、
前記1つ又は複数の画像に基づき、動物グループの1つ又は複数の特徴を識別するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
動物グループの前記1つ又は複数の特徴を識別することは、
機械学習分類器を生成し、また、
前記機械学習分類器を用いて前記動物グループの前記1つ又は複数の特徴を識別することを含む、ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ又は複数のプロセッサは、さらに、
前記トランザクションログをブロックチェーンに記憶するように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
システムであって、
雑用リストの中の1つ又は複数の雑用の完了を示す1つ又は複数の雑用完了入力を受信するように構成されるユーザ機器と、
畜舎ハブと、
前記畜舎ハブに通信可能に結合されるサーバと、を含み、
前記畜舎ハブは、
前記ユーザ機器が前記畜舎ハブの選択された距離内に入ったとき、又は選択されたジオフェンス領域に入ったとき、前記畜舎ハブと前記ユーザ機器との間の空間的関係を識別し、
畜舎ノードと前記ユーザ機器との間の識別されたインタラクションであって物理的触覚インタラクション又は通信信号インタラクションを含むインタラクションに関連付けられる、識別されたインタラクションデータを受信し、且つ、
前記1つ又は複数の雑用完了入力を受信するように構成され、
前記サーバは、メモリに記憶される1組のプログラム命令を実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサを含み、
前記1組のプログラム命令は、
前記雑用完了入力と、識別されたインタラクションデータと、識別された空間的関係に関連付けられる、識別された空間的関係データとを含む1つ又は複数の信号を前記畜舎ノードから受信することと、
前記1つ又は複数の雑用完了入力と、識別されたインタラクションデータと、識別された空間的関係データとのうちの少なくとも1つに基づき、前記雑用リストの中の1つ又は複数の未完了の雑用を識別することと、
前記1つ又は複数の雑用完了入力と、識別されたインタラクションデータと、識別された空間的関係データとのうちの少なくとも1つに基づき、前記雑用リストの中の1つ又は複数の完了の雑用を識別することと、
を前記1つ又は複数のプロセッサに実行させるように構成され
前記インタラクションが識別されたときは、前記空間的関係が識別されたときよりも、前記ユーザ機器の位置を前記畜舎ノードの近傍に特定可能である、ことを特徴とするシステム。
【請求項19】
動物個体群の活動を検証するための方法であって、
畜舎ハブが、ユーザ機器が前記畜舎ハブの選択された距離内に入ったとき、又は選択されたジオフェンス領域に入ったとき、前記畜舎ハブと前記ユーザ機器との間の空間的関係を識別することと、
畜舎ノードが前記畜舎ノードと前記ユーザ機器との間のインタラクションであって物理的触覚インタラクション又は通信信号インタラクションを含むインタラクションを識別することと、
前記ユーザ機器が、識別された空間的関係に関連付けられる雑用リストの中の1つ又は複数の雑用の完了を示す1つ又は複数の雑用完了入力をユーザから受信することと、
サーバが、前記1つ又は複数の雑用完了入力と、識別されたインタラクションに関連付けられる、識別されたインタラクションデータと、識別された空間的関係に関連付けられる、識別された空間的関係データとのうちの少なくとも1つに基づき、前記雑用リストの中の1つ又は複数の未完了の雑用を識別することと、を含み、
前記インタラクションが識別されたときは、前記空間的関係が識別されたときよりも、前記ユーザ機器の位置を前記畜舎ノードの近傍に特定可能である、ことを特徴とする動物個体群の活動を検証するための方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(関連出願)
本願は、発明者Lucas J. Frickeが2018年11月19日に出願した発明名称が「活動検証のためのシステム及び方法(SYSTEM AND METHOD FOR ACTIVITY VALIDATION)」である第62/769,422号米国仮出願、及び発明者Lucas J. Frickeが2019年9月25日に出願した発明名称が「活動検証のためのシステム及び方法(SYSTEM AND METHOD FOR ACTIVITY VALIDATION)」である第62/905,552号米国仮出願の優先権を主張し、それらの出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本願は、また発明者Lucas J. FrickeとJerry Prangeが2019年11月19日に出願した発明名称が「活動検証のためのシステム及び方法(SYSTEM AND METHOD FOR ACTIVITY VALIDATION)」である第16/688,332号米国出願の優先権を主張し、当該出願も参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、全体的に、活動及び雑用の検証に関し、またより具体的に、農業産業で雑用を検証するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
正確で効率的なデータ収集および配布は、農業、食品生産産業(例えば豚肉、牛肉、家禽)などを含む各業界の重要な側面である。また、消費者は、通常、購入する製品の性質及び品質を確認するために、購入の前後に製品に関するデータを取得できることを望んでいる。農業環境では、消費者は、購入する動物製品がその主張した産地からのものであること、動物が人道的に扱われていること、そして動物が適切に管理されていること(例えば、ワクチンの投与、定期的な給餌など)を知りたいと考えている。しかし、従来のシステム及び方法は、例えば豚肉業界のPQA+が、主に紙ベースのシステムである。従って、従来のシステム及び方法の欠点は、データの収集、共有及び維持が困難なことにある。なお、データを変更及び/又は改ざんすることは、多くの場合、生産者と消費者との間の透明性の欠如につながる。従って、上述した方法の1つ又は複数の問題点を解決するシステム及び方法が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
動物個体群の活動検証のためのシステムが開示されている。実施例では、当該システムは、ユーザに関連付けられるユーザ機器を含み、ユーザ機器は、雑用リストの中の1つ又は複数の雑用の完了を示す1つ又は複数の雑用完了入力を受信するように構成される。当該システムは、さらに、畜舎ノードとユーザ機器との間のインタラクションを識別するように構成される畜舎ノードと、畜舎ノードに通信可能に結合される畜舎ハブとを含むことができる。実施例では、畜舎ハブは、畜舎ハブとユーザ機器との間の空間的関係を識別し、畜舎ノードから、識別されたインタラクションに関連付けられる、識別されたインタラクションデータを受信し、そして1つ又は複数の雑用完了入力を受信するように構成される。実施例では、当該システムは、さらに、畜舎ハブに通信可能に結合されるサーバを含むことができ、サーバは、メモリに記憶される1組のプログラム命令を実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサを含み、1組のプログラム命令は、複数の雑用完了入力と、識別されたインタラクションデータと、識別された空間的関係に関連付けられる識別された空間的関係データとを含む1つ又は複数の信号を畜舎ハブから受信することと、雑用完了入力と、識別されたインタラクションデータと、空間的関係データとを含むトランザクションログをメモリに記憶することと、1つ又は複数の雑用完了入力と、識別されたインタラクションデータと、識別された空間的関係データとのうちの少なくとも1つに基づき、雑用リストの中の1つ又は複数の未完了の雑用を識別することとを1つ又は複数のプロセッサに実行させるように構成される。
【0005】
システムが開示されている。実施例では、当該システムは、雑用リストの中の1つ又は複数の雑用の完了を示す1つ又は複数の雑用完了入力を受信するように構成されるユーザ機器を含む。当該システムは、さらに、畜舎ハブとユーザ機器との間の空間的関係を識別し、畜舎ノードとユーザ機器との間の識別されたインタラクションに関連付けられる識別されたインタラクションデータを受信し、1つ又は複数の雑用完了入力を受信するように構成される畜舎ハブを含むことができる。当該システムは、さらに、畜舎ハブに通信可能に結合されるサーバを含むことができ、サーバは、メモリに記憶される1組のプログラム命令を実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサを含み、1組のプログラム命令は、1つ又は複数のプロセッサに、畜舎ノードから1つ又は複数の信号を受信し、1つ又は複数の信号が、雑用完了入力、識別されたインタラクションデータ、及び識別された空間的関係に関連付けられる識別された空間的関係データを含み、1つ又は複数の雑用完了入力、識別されたインタラクションデータ、及び識別された空間的関係データのうちの少なくとも1つに基づき、雑用リストの中の1つ又は複数の未完了の雑用を識別し、そして、1つ又は複数の雑用完了入力、識別されたインタラクションデータ、及び識別された空間的関係データのうちの少なくとも1つに基づき、雑用リストの中の1つ又は複数の完了した雑用を識別することを実行させるように構成される。
【0006】
動物個体群の活動を検証するための方法が開示されている。実施例では、当該方法は、畜舎ハブとユーザ機器との間の空間的関係を識別することと、畜舎ノードとユーザ機器との間のインタラクションを識別することと、識別された空間的関係に関連付けられる雑用リストの中の1つ又は複数の雑用の完了を示す1つ又は複数の雑用完了入力をユーザから受信することと、1つ又は複数の雑用完了入力と、識別されたインタラクションに関連付けられる、識別されたインタラクションデータと、識別された空間的関係に関連付けられる、識別された空間的関係データとのうちの少なくとも1つに基づき、雑用リストの中の1つ又は複数の未完了の雑用を識別することとを含む。
【0007】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、保護を求める本発明を限定するものではないと理解されるべきである。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施例を示し、一般的な説明とともに、本発明の原理を説明するために用いられる。
【0008】
本開示の多くの利点は、以下の添付の図を参照することにより、当業者によってよりよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の1つ又は複数の実施例による、動物個体群の活動検証のためのシステムの簡略化されたブロック図を示す。
図2A】本開示の1つ又は複数の実施例による、動物個体群の活動検証のためのシステムを備える畜舎の簡略化された平面図を示す。
図2B】本開示の1つ又は複数の実施例による、動物個体群の活動検証のためのシステムを備える畜舎の簡略化された平面図を示す。
図3A】本開示の1つ又は複数の実施例による、アプリケーションのログインページを描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図3B】本開示の1つ又は複数の実施例による、アプリケーションのログインページを描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図3C】本開示の1つ又は複数の実施例による、アプリケーションの選択可能なオプションを描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図3D】本開示の1つ又は複数の実施例による、活動/雑用チェックリストを描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図3E】本開示の1つ又は複数の実施例による、選択された活動の詳細を描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図3F】本開示の1つ又は複数の実施例による、実行される活動/雑用を描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図3G】本開示の1つ又は複数の実施例による、動物死亡率ログを描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図3H】本開示の1つ又は複数の実施例による、訪問者ログを描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図3I】本開示の1つ又は複数の実施例による、会社情報を描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図3J】本開示の1つ又は複数の実施例による、通知および連絡先を描写するユーザ機器の表示ページを示す。
図4】本開示の1つ又は複数の実施例による、動物個体群の活動を検証するための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、添付の図面に示されている、開示された主題を詳細に参照する。
【0011】
一般的に、図1乃至図4を参照し、本開示の1つ又は複数の実施例によれば、動物個体群の活動検証のためのシステム及び方法を示して説明する。
【0012】
動物集団に関連する活動を追跡するための従来のシステム及び方法は、主に紙ベースである。従って、種々の農場活動の記録を保存するには、非常に時間がかかる場合がある。記載及び記録する必要がある可能性のある動物個体群の活動には、動物の給餌、注射、ワクチンの投与、死亡、病気の発生などを含むが、これらに限定されない。なお、物理的な紙の記録は、紛失しやすく、コピー及び/又は配布が難しい場合がある。なお、手動の記録は、変更及び/又は改ざんされやすい。上記をまとめると、これらの欠点は、動物生産プロセスにおける消費者と生産者との間に透明性とトレーサビリティの欠如をもたらす。
【0013】
従って、本開示の実施例は、上述した方法の1つ又は複数の問題点を解決するシステム及び方法に関する。本開示の実施例は、農場及び牧場のハードウェアおよびソフトウェアの使用に関し、動物集団の状況及び活動に関する情報を収集するために用いることができる。本開示の付加的実施例は、農場及び牧場のハードウェアの使用に関し、当該ハードウェアは、動物集団において又は動物集団に対して実行される農場活動を検証するために、農場スタッフの活動を収集、入力及び保存するために用いることができる。本開示の付加的実施例は、ブロックチェーン技術を用いて農場活動を記憶及び検証することに関する。本明細書の予期の通り、ブロックチェーン技術の使用は、本開示のシステム及び方法がより効率的かつ正確に農場活動を収集及び記憶することを可能とする。これは、動物産業における生産者と消費者との間の透明性及びトレーサビリティを図ることに役立つことが可能である。
【0014】
今の消費者は、彼らの食物がどこからきているか、そして彼らの食物が何にさらされているかを知りたいという願望を示している。動物製品は、特にその通りである。しかし、消費者は、動物製品の詳細を概説する報告(例えば、場所、ワクチンの投与記録、給餌記録など)が与えられたとしても、消費者は、これらの記録が完全であり、正確であり、なんら不正な記録がないと知ることができない。この点において、本開示の実施例は、動物生産プロセスの全体において消費者と生産者との間の透明性を促進するために、農場ハードウェア及びブロックチェーン技術の使用に関する。
【0015】
本開示の多くは、農業産業に関連して記載されているが、これは、本明細書で別段の記載がない限り、本開示の制限とはみなされない。この点において、本明細書は、本開示の実施例(例えば、活動/雑用の検証、透明性を促進するブロックチェーンなど)は、代替的及び/又は追加的業界、例えば製造、建築、造園、食品供給などに適用できるが、これらに限定されない。
【0016】
図1は、本開示の1つ又は複数の実施例による、動物個体群の活動検証のためのシステム100の簡略化されたブロック図を示す。システム100は、1つ又は複数のユーザ機器102、1つ又は複数の畜舎ハブ104及び1つ又は複数の畜舎ノード106を含む1つ又は複数の畜舎103、ネットワーク108、サーバ110及びコントローラ116を含み得るが、これらに限定されない。
【0017】
一実施例では、1つ又は複数のユーザ機器102a、102bは、農場でのユーザ101に対応し、及び/又は関連する。例えば、システム100が実装される農場では、第1農場スタッフ(例えば、第1ユーザ101a)は、第1ユーザ機器102aに関連付けることができ、第2農場スタッフ(例えば、第2ユーザ101b)は、第2ユーザ機器102bに関連付けることができる。本明細書の通り、雑用を頻繁に行い、又は他の形態で農場での動物及び/又は機器とインタラクションする各所有者、従業員又は他の個人は、ユーザ機器102に対応し、及び/又は関連することが可能である。
【0018】
ユーザ機器102a、102bは、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチなどを含むが、これらに限定されない当該分野で公知の任意のユーザ機器を含むことができる。一実施例では、特定のユーザ101aは、ユーザ機器102aのIPアドレス又は他の識別特徴に基づき、特定のユーザ機器102aに関連付けることができる。この点において、ユーザ機器102をシステム100内のユーザ101に関連付けるデータベースを作成することができる。ユーザ101とユーザ機器102とが関連付けられるデータベースは、メモリ114、120に記憶されることが可能であり、これについては、本明細書では、さらに詳しく説明する。データベースにおけるユーザ機器102に関連付けられるユーザ101は、「登録された」ユーザと見なされ、データベースにおけるユーザ機器102に関連付けられていないユーザ101は、「未登録」ユーザと見なされてもよい。
【0019】
別の実施例では、ユーザ機器102は、コントローラ、ユーザインターフェース、ディスプレイ及び通信回路を含むことができるが、これらに限定されない。ユーザ機器102のコントローラは、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含むことができ、1つ又は複数のプロセッサは、メモリに記憶される1組のプログラム命令を実行するように構成され、当該1組のプログラム命令は、1つ又は複数のプロセッサに、本開示の1つ又は複数のステップを実行させるように構成される。本明細書では、ユーザ機器102は、ユーザ101(例えば農場スタッフ等)がシステム100の1つ又は複数の特徴を閲覧、調整又は変更することを可能とするアプリケーション(例えば、「app」)を実行するように構成されることが可能であると想定される。
【0020】
本明細書でさらに詳細に説明するように、1つ又は複数のユーザ機器102は、ユーザから1つ又は複数の入力及び/又は制御命令を受信するように構成されることが可能である。例えば、ユーザ機器102は、ユーザ101に雑用リストを表示するように構成されることが可能であり、また、ユーザ101は、雑用リストの中の1つ又は複数の表示された雑用が完了したと示す1つ又は複数の雑用完了入力を入力することができる。別の例示として、ユーザ機器102は、ユーザ101から死亡率入力、画像、メモ等を含むが、これらに限定されない他の入力を受信することができる。
【0021】
別の実施例では、システム100は、1つ又は複数の畜舎ハブ104を含むことができる。畜舎ハブ104は、1つ又は複数のプロセッサ及びメモリを含むコントローラ、ユーザインターフェース、ディスプレイ及び通信回路を含むことができるが、これらに限定されない。一実施例では、1つ又は複数のユーザ機器102は、1つ又は複数の畜舎ハブ104に通信可能に結合されることが可能である。1つ又は複数のユーザ機器102は、当該分野で公知の任意の通信メカニズム又はプロトコルを使用して畜舎ハブ104に通信可能に結合されることが可能である。
【0022】
例えば、畜舎ハブ104は、当該分野で公知の任意の有線通信プロトコル(例えば、DSLによる相互接続、ケーブルによる相互接続、T9による相互接続など)又は無線通信プロトコル(例えば、GSM、GPRS、CDMA、EV-DO、EDGE、WiMAX、3G、4G、4GLTE、5G、WiFiプロトコル、RF、LoRa、ブルートゥース等)を用いて1つ又は複数のユーザ機器102を識別するように構成されることが可能である。別の例示として、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、近距離無線通信(NFC)プロトコル、光検出および測距(LIDAR)リモートセンシングプロトコル、無線周波数識別(RFID)プロトコル、オープンソース無線周波数等を含むが、これらに限定されない通信プロトコルにより、1つ又は複数のユーザ機器102を識別し、及び/又は、1つ又は複数のユーザ機器102に通信可能に結合されることが可能である。従って、ユーザ101(例えば、ユーザ機器102)と1つ又は複数の畜舎ハブ104との間のインタラクションは、ユーザ機器102のセルラー署名、IPアドレス、MACアドレス、ブルートゥース署名、無線周波数識別(RFID)タグ等を含むが、これらに限定されない1つ又は複数の特徴に基づき、特定することができる。
【0023】
実施例では、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、1つ又は複数の畜舎ハブ104と1つ又は複数のユーザ機器102との間の空間的関係を識別するように構成される。ユーザ機器102が畜舎ハブ104から選択された距離内に入ったとき、ユーザ機器102が予め定義されたジオフェンス領域に入ったとき等、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の空間的関係を識別することができる。
【0024】
例えば、RFIDのコンテキストでは、ユーザは、RFIDタグ(例えば、ユーザ機器102)に関連付けることが可能であり、RFIDタグは、ユーザ101に取り付けられ、又は他の形態で当該ユーザに関連付けられることが可能である。例えば、RFIDタグ(例えば、ユーザ機器102)は、ユーザ101の名札、IDカード又はユニフォームに貼り付けられても良い。別の例示として、ユーザ101の電話機は、RFIDタグとして使用されてもよい。RFIDタグは、識別情報(例えばシリアル番号)でエンコードすることができ、当該識別情報は、遠隔に配置されたRFIDリーダ/スキャナによって読み取ることが可能である。当該例示では、畜舎ハブ104は、RFIDスキャナとして使用することができ、当該RFIDスキャナは、ユーザ101に関連付けられるRFIDタグ(ユーザ機器102)を識別することにより、1つ又は複数のユーザ101を識別するように構成される。いくつかの実施例では、RFIDタグ(例えば、ユーザ機器102)は、「受動」モードで作動することができ、この場合、RFIDタグは、RFIDスキャナ(例えば、畜舎ハブ104)から受信した質問信号に応答して識別情報を含む信号を送信する。追加的及び/又は代替的実施例では、RFIDタグ(例えば、ユーザ機器102)は、「能動」モードで作動することができ、この場合、RFIDタグ(例えば、畜舎ハブ104)は、最初に質問信号を受信することなく、識別情報を含む信号をRFIDスキャナ(例えば、畜舎ハブ104)を送信する。
【0025】
一実施例では、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、1つ又は複数のユーザ機器102を検索して識別するように構成される。この点において、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、当該分野で公知の任意の送信機又はトランシーバを含むことができる。一実施例では、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、予め定義されたあるジオフェンス領域(例えば畜舎103)内のユーザ機器102を識別するように構成される。例えば、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、畜舎ハブ104の100ヤード内に入ったユーザ機器102のIPアドレスを「スニッフィングアウト(sniff out)」するように構成されることが可能である。予め定義されたジオフェンス領域内でユーザ機器102を識別した畜舎ハブ104は、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の「空間的関係」を識別したとみなすことができる。畜舎ハブ104は、IPアドレス、MACアドレス、セルラー署名、ブルートゥース署名、無線周波数識別(RFID)タグ等を含むが、これらに限定されないユーザ機器102の任意の識別情報を用いてユーザ機器102を能動的に識別するように構成されることが可能である。本明細書では、畜舎ハブ104は、相対受信信号強度(RSSI)、信号三角測定等を含むが、これらに限定されない当該分野で公知の任意の技術を用いて1つ又は複数のユーザ機器102を識別するように構成されることが可能であると想定される。
【0026】
一実施例では、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、識別された空間的関係(例えば、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の空間的関係)に関連付けられる「識別された空間的関係データ」を収集し、及びメモリに記憶するように構成される。例えば、ユーザ機器102が畜舎ハブ104に対して所定の半径/距離及び/又はジオフェンス領域内にあると識別したとき(例えば、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の空間的関係を識別したとき)、畜舎ハブ104は、空間的関係に関連付けられる、識別された空間的関係データをメモリに記憶する。識別された空間的関係データは、ユーザ機器102のIPアドレス、ユーザ機器102に関連付けられるユーザ101の名前、空間的関係が識別/入力された時刻、空間的関係の継続時間、空間的関係が終了した時刻等を含むことができるが、これらに限定されない。別の実施例では、畜舎ハブ104が、既知のユーザ101に関連付けられていないユーザ機器102を識別したとき、畜舎ハブ104は、空間的関係を未登録ユーザとしてタグ付け、及び/又は記憶することができる。
【0027】
本明細書では、システム100が実装された農場は、各畜舎103又は農場に位置する他の構造のための畜舎ハブ104を含むことができると想定される。例えば、3つの畜舎103を有する農場は、システム100を実装しようとすると、当該農場は、第1畜舎103a上/内に位置する第1畜舎ハブ104a、第2畜舎103b上/内に位置する第2畜舎ハブ104b、及び第三畜舎103c上/内に位置する第三畜舎ハブ104cを含むことができる。
【0028】
本明細書の通り、システム100によって収集及び記憶された全てのデータは、タイムスタンプを付けることができる。この点において、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の空間的関係を識別することにより、システム100が特定のユーザ101が特定の時間に特定の場所に存在すると特定することを可能とする(例えば、特定のジオフェンス領域内に存在する)。従って、システム100は、一定の時間にわたって、農場スタッフ及び従業員(例えば、ユーザ101)の農場全体で動きを追跡するように構成されることが可能である。別の実施例では、タイムスタンプ付きの空間的関係情報は、ユーザ機器102及び/又は畜舎ハブ104のメモリに記憶されることが可能である。
【0029】
例えば、第1畜舎103aは、第1畜舎ハブ104aを備えてもよく、第2畜舎103bは、第2畜舎ハブ104bを備えても良い。第1畜舎ハブ104aは、第1時間帯で、ユーザ101a(例えば、農場スタッフ)に関連付けられるユーザ機器102a(例えば、スマートフォン)の第1空間的関係を識別することができる。第1空間的関係は、ユーザ機器102a(例えば、ユーザ101a)が第1時間帯にわたって第1畜舎103a内に存在することを示すことができる。続いて、第2畜舎ハブ104bは、第2時間帯でユーザ機器102aとの空間的関係を識別することができ、第2空間的関係は、ユーザ機器102a(例えば、ユーザ101a)が第2時間帯にわたって第2畜舎103b内に存在することを示すことができる。当該例示では、システム100は、ユーザ101の経時的な位置及び移動をモニタリング及び/又は「追跡」するように構成されることが可能である。
【0030】
単にユーザ機器102と畜舎ハブ104との間の空間的関係を識別することは、ユーザ機器102に関連付けられるユーザ101が(例えば、接触した)特定の動物グループに遭遇したと特定するのに十分ではない可能性ある。例えば、豚の群を有する畜舎103は、畜舎ハブ104aを備えても良い。畜舎ハブ104aは、畜舎103の100フィート以内に入ったユーザ機器102を識別するように構成されることが可能である。当該例示では、単にユーザ機器102aが畜舎103の100フィート以内に入ったことを識別することは、システム100が、ユーザ機器102に関連付けられるユーザ101が畜舎103内で豚に遭遇したことを特定するのに、十分ではない可能性がある。例えば、ユーザ101は、単に畜舎103に非常に近づいたが、畜舎103に入っていない可能性がある。
【0031】
従って、いくつかの実施例では、システム100は、定義された時間内のインスタンスにおいてユーザ機器102の位置をより正確且つ確定的に識別するように構成される1つ又は複数の畜舎ノード106をさらに含むことができる。特に、1つ又は複数の畜舎ノード106は、システム100が、ユーザ101及び/又はユーザ機器102が特定の時間内のインスタンスにおいて特定の位置に存在し、及び/又は特定の動物グループに接触した(例えば、遭遇した)ことを検証することを可能とする。この点において、いくつかの実施例では、1つ又は複数の畜舎ノード106は、識別された空間的関係の間にユーザ機器102の位置を「詳細化」又は絞るために用いることができる。
【0032】
本開示の目的のために、用語「遭遇」は、ユーザ101と動物又は動物グループとの接触及び/又は潜在的な接触を説明するために用いることができる。本明細書では、ユーザ101と動物グループとの遭遇を識別する能力は、病気の発生にさらされた動物に潜在的に接触/遭遇したユーザ101を識別するのに価値がある可能性があることに留意されたい。なお、ユーザ101と動物との遭遇を識別することは、病気の潜在的な媒介者であり得るユーザ101を識別すること、及び、病気の発生の影響を受けやすい動物グループを識別することのために用いることができる。
【0033】
図1に示すように、システム100の1つ又は複数の畜舎103は、1つ又は複数の畜舎ハブ104に通信可能に結合される1つ又は複数の畜舎ノード106を含むことができる。1つ又は複数の畜舎ノード106は、コントローラ、ユーザインターフェース、ディスプレイ及び通信回路を含むことができるが、これらに限定されない。1つ又は複数の畜舎ノード106は、DSLによる相互接続、ケーブルによる相互接続、T9による相互接続、GSM、GPRS、CDMA、EV―DO、EDGE、WiMAX、3G、4G、4GLTE、5G、WiFiプロトコル、RF、LoRa、ブルートゥース等を含むが、これらに限定されない当該分野で公知の任意の有線又は無線技術を用いて、1つ又は複数の畜舎ハブ104に通信可能に結合されることが可能である。
【0034】
畜舎ハブ104とユーザ機器との間の空間的関係を識別する畜舎ハブ104と同様に、畜舎ノード106は、ユーザ101/ユーザ機器102と畜舎ノード106との間のインタラクションを識別するように構成されることが可能である。実施例では、ユーザ101及び/又はユーザ機器102の位置を特定することは、「2段階」検証プロセスを含むことができる。「2段階」検証プロセスでは、畜舎ハブ104は、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の空間的関係を識別することができ、また、その後、畜舎ノード106は、畜舎ノード106とユーザ機器102との間のインタラクションを識別することができる。
【0035】
ユーザ101及び/又はユーザ機器102の位置を識別するための2段階の検証プロセスは、ユーザ101及び/又はユーザ機器102の位置をより確実、且つ効率的に特定し、ユーザ101及び/又はユーザ機器102の特定された位置を詳細化するために用いることができる。第1段階では、ユーザ機器102と畜舎ハブ104との間の空間的関係により、ユーザ機器102の位置が一般領域内(例えば、選択された半径内、定義されたジオフェンス領域内)にあると特定することができる。続いて、第2段階では、ユーザ101及び/又はユーザ機器102間のインタラクションにより、ユーザ101/ユーザ機器102の特定された位置を、一般領域から畜舎ノード106の近傍(例えば、畜舎ノード106の3フィート以内)に位置することに詳細化することができる。本明細書では、さらに2段階の検証プロセスを詳しく説明する。
【0036】
1つ又は複数の畜舎ノード106は、当該分野で公知の畜舎ノード106とユーザ101及び/又はユーザ機器102との間のインタラクションを識別するための任意のハードウェア機器を含むことができる。例えば、1つ又は複数の畜舎ノード106は、QRコードスキャナ、静電容量式タッチセンサ、抵抗式タッチセンサ、機械装置(例えば機械的ボタン、機械的レバー)、IDスキャナ、網膜スキャナ、指紋スキャナ、音声認識センサ、顔認識センサ、他の生体測定センサ、車両スキャナ、車両認識センサ等を含むことができるが、これらに限定されない。同様に、畜舎ノード106とユーザ101及び/又はユーザ機器102との間のインタラクションは、近距離無線通信(NFC)プロトコル、光検出および測距(LIDAR)リモートセンシングプロトコル、無線周波数識別(RFID)プロトコル、GSM、GPRS、CDMA、EV-DO、EDGE、WiMAX、3G、4G、4GLTE、5G、WiFiプロトコル、無線周波数(RF)、LoRa、ブルートゥース等を含むが、これらに限定されない当該分野で既知の任意の技術又は通信プロトコルを用いて識別することができる。
【0037】
畜舎ノード106とユーザ101/ユーザ機器102との間のインタラクションは、物理的触覚インタラクション、通信信号インタラクション、QRコードの走査等を含むことができるが、これらに限定されない。この点において、ユーザ101(例えば、ユーザ機器102)と1つ又は複数の畜舎ノード106との間のインタラクションは、ユーザ機器102(例えば、QRコード、IDコード、RFIDタグ、セルラー署名、IPアドレス、ブルートゥース署名)、ユーザ101(例えば、指紋、網膜特徴、顔特徴、音声特徴、DNA)、車両(例えば、ナンバープレート、車両タイプ/型番)等の1つ又は複数の特徴に基づき、特定することができる。
【0038】
例えば、畜舎ノード106は、静電容量式タッチセンサを含むことができる。畜舎ノード106は、ユーザ101が静電容量式タッチセンサに触れると、ユーザ101と畜舎ノード106との間のインタラクションを識別するように構成されることが可能である。次に、当該インタラクションは、ユーザ101がインタラクションのとき、畜舎ノード106の近傍に位置すると特定するために用いることができる。別の例示として、畜舎ノード106は、QRコードスキャナを含むことができる。これにより、畜舎ノード106(QRコードスキャナ)は、ユーザ101が畜舎ノード106(QRコードスキャナ)でユーザ機器102におけるバーコードをスキャンする際、ユーザ機器102と畜舎ノード106との間のインタラクションを識別するように構成される。畜舎ノード106が既知の位置に固定されている実施例では、インタラクション(例えば、ユーザ機器102におけるQRコードをスキャンする)は、ユーザ101がインタラクションの時に畜舎ノード106の近傍に位置すると特定するために用いることができる。
【0039】
図2A~2Bを参照すると、ユーザ101/ユーザ機器102と畜舎ハブ104との間の空間的関係の識別、及びユーザ101/ユーザ機器102と畜舎ノード106との間のインタラクションの識別をさらに理解することができる。
【0040】
図2Aは、本開示の1つ又は複数の実施例による、動物個体群の活動検証のためのシステム100を備える畜舎103の簡略化された平面図を示す。特に、図2Aは、本開示のシステム100の1つの例示的な例を示す。
【0041】
図2Aに示す例示では、システム100が実装された農場に位置する畜舎103は、豚の群を格納する複数のペン105a-105jを含むことができる。畜舎103は、畜舎ハブ104及び畜舎ノード106を備えることができる。いくつかの実施例では、畜舎ハブ104は、畜舎103の外面(例えば、屋根の頂部、外壁)に位置することができ、畜舎ノード106は、畜舎103の内壁に設けることができる。本明細書で上述したように、畜舎ハブ104と畜舎ノード106は、無線及び/又は有線接続により通信可能に結合されることが可能である。
【0042】
図2Aに示すように、畜舎ノード106は、畜舎103の入口107に対向して畜舎103の内壁に設けることができる。畜舎ノード106は、QRコードスキャナ、静電容量式タッチセンサ等を含むことができるが、これらに限定されない。この点において、畜舎ノード106とのインタラクションを登録するユーザ101(例えば、農場スタッフ)は、入口107を介して畜舎103に入り、畜舎103の長さを横断して、畜舎ノード106とインタラクションしなければならない。
【0043】
2段階の位置検証の簡単な例示は、例示的であると証明することができる。農場スタッフ(例えば、ユーザ101)が畜舎103まで運転すると考えると、ユーザ101が畜舎103内で1つ又は複数の雑用/タスク(例えば、豚に餌をやること、ワクチンの投与)を実行するように指示されている。ユーザ101が運転して畜舎103に到達すると、畜舎ハブ104は、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の空間的関係を検索して識別するように構成されることが可能である。例えば、畜舎ハブ104は、ユーザ機器102が領域111内に入るとき、畜舎ハブ104とユーザ機器102(例えば、ユーザ101)との間の空間的関係を識別するように構成されることが可能である。領域111は、畜舎ハブ104からの選択された距離、定義されたジオフェンス領域等として定義されることが可能である。図2Aに示すように、領域111は、畜舎103及び/又は畜舎の外部に位置する場所を含むことができる。本明細書では、畜舎ハブ104が空間的関係を識別するように構成される領域111は、ユーザ101によって選択的に調整されることが可能である。特に、農場作業者は、ユーザインターフェース122を介して1つ又は複数の制御命令を入力して選択的に領域111を調整するようにされることが可能である。
【0044】
同一の例示を参照すると、ユーザ101が畜舎まで運転して領域111に入ったとき、畜舎ハブ104は、畜舎ハブ104とユーザ機器102(ユーザ101)との間の空間的関係を識別することができる。畜舎ハブ104は、識別された空間的関係データをメモリに記憶するように構成されることが可能であり、識別された空間的関係データは、ユーザ機器102(例えば、ユーザ101)が第1時間(t)に畜舎ハブ104との空間的関係に入ったことを示す初期タイムスタンプを含む。
【0045】
畜舎103の外にトラックを駐車した後、ユーザ101は、畜舎ノード106とのインタラクションのために、畜舎103に入り、畜舎103の反対側に横切ることができる。ユーザ101は、ユーザ機器102におけるQRコードをスキャンすること、静電容量式タッチセンサを触れること、それらの指紋をスキャンすること等により、畜舎ノード106とインタラクションすることができる。畜舎ノード106は、ユーザ101/ユーザ機器102と畜舎ノード106との間のインタラクションを識別し、畜舎ハブ104に1つ又は複数の信号を送信することができ、畜舎ノード106が第1時間(t)の後の第2時間(t)にユーザ101/ユーザ機器102とのインタラクションを識別したことを示す。識別されたインタラクションデータ(例えば、識別されたインタラクションに関連付けられるデータ)及び/又は識別された空間的関係データ(例えば、識別された空間的関係に関連付けられるデータ)は、ユーザ機器102、畜舎ハブ104及び/又は畜舎ノード106のメモリに記憶されることが可能である。識別されたインタラクションデータ及び/又は識別された空間的関係データは、1回目のインタラクションの時間(例えば、「チェックイン」の時間)、2回目のインタラクションの時間(例えば、「チェックアウト」の時間)、インタラクションの長さ(例えば、チェックアウトの時間からチェックインの時間を引いたもの)、インタラクションにおけるユーザ101のアイデンティティ等を含むことができるが、これらに限定されない。識別されたインタラクションに関連付けられるタイムスタンプ情報を参照することで、農場の所有者は、農場活動及び雑用の発生を検証することができる。
【0046】
当該例示では、ユーザ機器102が、畜舎ハブ104と空間的関係にあると識別された唯一のユーザ機器102であるため、畜舎ハブ104は、畜舎ノード106とインタラクションしたのは、必ずユーザ101であると特定するように構成されることが可能である。従って、システム100は、ユーザ101が第2時間(t)に畜舎103内に存在したと特定するように構成されることが可能である。なお、本明細書では、畜舎ノード106aを畜舎103の入口に対向する壁に配置することは、ユーザ101が畜舎103のペン105a-105j内に格納される豚の群を通り過ぎることを必要とすることに留意されたい。この点において、ユーザ101が畜舎ノード106に存在する場所を識別することにより、システム100は、ユーザ101が「遭遇」(例えば、接触し始めた)し、又は、少なくとも潜在的に畜舎103内に格納される豚の群に遭遇したと特定するように構成されることが可能である。
【0047】
当該例示に示すように、本開示のシステム100は、ユーザ101のより効果的な位置検証を可能にすることができる。農場スタッフ(例えば、ユーザ101)は、畜舎103に入るとき、接触、スキャン又は他の形態で畜舎ノード106とインタラクションし(例えば、畜舎ノード106と「チェックイン」する)、畜舎103内で彼らの雑用を実行し、そして、畜舎を出るとき、接触、スキャン又は他の形態で畜舎ノード106とインタラクションする(例えば、畜舎ノード106と「チェックアウト」する)ように指示されることが可能である。この点において、システム100は、識別されたインタラクション及び空間的関係に基づき、ユーザ101が特定時間帯内で特定の畜舎103内に存在すると特定するように構成されることが可能である。
【0048】
2段階の位置検証プロセスは、他の位置検証技術に関連する問題を解決することもできる。例えば、ユーザ101が、畜舎103内で雑用を実行するようにタスクを与えられた可能性がある。ユーザ101が、単に運転して領域111内の畜舎103を通り過ぎ、畜舎ハブ104との空間的関係を開始すると、畜舎ノード106とのインタラクションの欠如は、ユーザ101が実際に畜舎103に入って雑用しなかったことを示すことができる。別の例示として、ユーザ101は、畜舎ハブ104との空間的関係を入力し、畜舎103に入って畜舎ノード106とインタラクションするが、そして雑用を実行せず、すぐ去っていく場合がある。当該例示では、システム100は、ユーザ101が雑用を実行した後、「チェックアウト」しなかったこと、ユーザ101が雑用を正確に実行することのに、領域111内に十分な時間いなかったことを識別するように構成されることが可能である。本明細書でさらに詳細に説明されるように、識別された空間的関係データ、識別されたインタラクションデータ、及び識別された雑用完了入力を相互参照することは、ユーザ101が正確に雑用を完了したかどうかを識別するために用いることができる。
【0049】
図2Bは、本開示の1つ又は複数の実施例による、動物個体群の活動検証のためのシステム100を備える畜舎103の簡略化された平面図を示す。特に、図2Bは、本開示のシステム100の1つの例示的な使用例を示す。
【0050】
別の例示は、例示的であると証明されることが可能である。この例示では、図2Bに示すように、システム100が実装された農場に位置する畜舎103は、複数のペン105a-105jを含むことができ、各ペン105a-105jは、豚の群を格納するように構成される。畜舎103は、畜舎ハブ104及び複数の畜舎ノード106a-106jを備えても良い。畜舎ノード106は、それぞれの対応するペン105a-105j内に配置されることが可能である。いくつかの実施例では、畜舎ハブ104は、畜舎103の外面に配置されることが可能である(例えば、屋根の頂部、外壁)。本明細書で上述したように、畜舎ハブ104と畜舎ノード106は、無線及び/又は有線接続を介して通信可能に結合されることが可能である。
【0051】
当該例示では、複数の畜舎ノード106a-106jは、それぞれの対応するペン105a-105j内のそれぞれの対応する畜舎ノード106a-106jとのインタラクションを識別するように構成されることが可能である。この点において、それぞれの対応する畜舎ノード106a-106jでのユーザ101/ユーザ機器102間のインタラクションを識別することにより、ユーザ101が特定の時間に畜舎103のどの部屋/ペン105a-105jに存在するかを特定することができる。当該例示では、ユーザ101/ユーザ機器102と第1畜舎ノード106aとの間の第1の識別されたインタラクションは、ユーザ101が第1時間に第1ペン内に存在したと示すことができ、ユーザ101/ユーザ機器102と第2畜舎ノード106aとの間の第2の識別されたインタラクションは、ユーザ101が第2時間に第2ペン105b内に存在したこと等を示すことができる。
【0052】
農場スタッフ(ユーザ101)が、畜舎103のそれぞれのペン105a-105jで彼らの雑用を実行するとき、農場スタッフが接触、スキャン又は他の形態でそれぞれの畜舎ノード106a-106jとインタラクションするように指示することで、農場作業者は、農場スタッフがそれぞれの対応するペン105a-105jで実行した雑用(又は、少なくともその中に存在したこと)を検証することができる。
【0053】
畜舎ノード106とユーザ101/ユーザ機器102との間のインタラクションを識別することに加え、1つ又は複数の畜舎ノード106は、データを収集するように構成されることが可能である。この点において、1つ又は複数の畜舎ノード106は、周囲の温度、周囲の圧力、周囲の湿度、騒音レベル、一酸化炭素(CO)濃度、二酸化炭素(CO)濃度等を含むが、これらに限定されない様々な特徴のセンサ読み取り値を収集する1つ又は複数のセンサを含むことができる。従って、畜舎ノード106の1つ又は複数のセンサは、温度センサ、圧力センサ、湿度センサ、組成センサ、超音波センサ、LIDARセンサ、運動センサ、LIDARセンサ等を含むことができるが、これらに限定されない。別の例示として、1つ又は複数の畜舎ノード106は、1つ又は複数の機械又は農業機器に結合することができる。この点において、1つ又は複数の畜舎ノード106は、給餌速度、給水速度等に関するデータを収集するように構成されることが可能である。畜舎ノード106によって収集されたデータ(例えば、センサ読み取り値)は、タイムスタンプがつけられ、畜舎ノード106及び/又は畜舎ハブ104のメモリに記憶されることが可能である。
【0054】
追加的及び/又は代替的実施例では、1つ又は複数の畜舎ノード106は、カメラ、ビデオカメラ、熱結像機器等を含むが、これらに限定されない1つ又は複数の結像機器を含むことができる。本明細書では、結像機器が、機器、ユーザ101、農場施設(例えば、畜舎)及び動物の映像及び/又は画像を収集するために用いることができ、それらは、システム100によって処理されて、所有者/ユーザに価値のある情報を提供することができる。例えば、1つ又は複数の結像機器は、畜舎内の生産領域内に滞留した時間を特定し、システム100が実装された農場の特定の領域内に存在するユーザ101及び/又は車両のアイデンティティ及び時間を識別及び検証することができる。
【0055】
別の例示として、結像機器を含む畜舎ノード106は、動物グループ及び/又はユーザの画像を収集するために用いることができる。そして、取得された画像は、サーバ110及び/又はコントローラ116に送信されて、1つ又は複数のプロセッサ112、118によって実行される顔認識ソフトウエア/アルゴリズムにより処理される。1つ又は複数のプロセッサ112、118は、1つ又は複数の機械学習アルゴリズムにより顔認識を行うことで、個々の動物及び/又はユーザを識別し、ある時点で個々の動物及び/又はユーザの位置等を検証する。
【0056】
別の例示として、1つ又は複数の結像源は、大きさ、行動特徴、健康等を含むが、これらに限定されない動物の特定の特徴をモニタリングするために、動物の画像/映像を収集するために用いることができる。動物の画像/映像は、1つ又は複数のプロセッサ112、118によって処理され得るように、畜舎ノード106から畜舎ハブ104、サーバ110及び/又はコントローラ116に送信されることが可能である。1つ又は複数のプロセッサ112、118は、取得された画像に基づき、動物グループの1つ又は複数の特徴を識別するように構成されることが可能である。例えば、1つ又は複数の動物の画像/映像は、1つ又は複数の動物の行動パターンが処理及び/又は学習され得るように、畜舎ノード106からサーバ110及び/又はコントローラ116に送信されることが可能である。別の例示として、病気又は健康状況の悪化を示す異常な行動特徴を示している動物を識別、及びフラグを付けるように、取得した1つ又は複数の動物の画像/映像を処理することができる。
【0057】
本明細書では、機械学習技術を用いてユーザ101、動物、動物グループ及び/又は畜舎103aの特徴を特定することができる。例えば、取得した動物グループの画像は、機械学習分類器を生成するために用いることができる。その後、機械学習分類器は、取得した動物グループの画像を受信し、当該動物グループの1つ又は複数の特徴を識別するように構成されることが可能である。機械学習分類器は、教師あり及び/又は教師なし技術によりトレーニングすることが可能である。なお、機械学習分類器は、条件付き敵対的生成ネットワーク(CGAN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)(例えば、GoogleNet、AlexNet等)、アンサンブル学習分類器、ランダムフォレスト分類器、人工ニューラルネットワーク(ANN)等を含むが、これらに限定されない当該分野で公知の任意の機械学習分類器を含むことができる。機械学習技術により特定可能な動物特徴は、行動特徴、健康状況、動物アイデンティティ等を含むことができるが、これらに限定されない。
【0058】
別の実施例では、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、ネットワーク108を介してサーバ110及びコントローラ116に直接又は間接に結合することができる。この点において、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、ネットワークインターフェース回路を含むことができる。なお、畜舎ハブ104のネットワークインターフェース回路(未図示)は、ネットワーク108とのインターフェースに適した任意のネットワークインターフェース機器を含むことができる。例えば、ネットワークインターフェース回路は、有線によるインターフェース機器(例えば、DSLによる相互接続、ケーブルによる相互接続、T9による相互接続等)を含むことできる。別の実施例では、ネットワークインターフェース回路は、無線によるインターフェース機器を含むことができ、当該インターフェース機器は、GSM、GPRS、CDMA、EV-DO、EDGE、WiMAX、3G、4G、4GLTE、5G、WiFiプロトコル、RF、LoRa等が用いられている。ネットワーク108は、1つ又は複数の畜舎ハブ104からデータを受信するように構成されることが可能であり、当該分野で既知の任意の無線及び/又は有線ネットワークプロトコルを含むことができる。例えば、ネットワーク108は、インターネット又はイントラネット(例えば、LAN、WLAN等)を含むことができるが、これらに限定されない。
【0059】
別の実施例では、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、ネットワーク108を介してサーバ110及びコントローラ116に信号を送信するように構成されることが可能であり、信号は、1つ又は複数の畜舎ハブ104、畜舎ノード106又はユーザ機器102のメモリに記憶されるデータを含む。例えば、サーバ110及び/又はコントローラ116に送信されたデータは、受信した雑用完了入力、識別された空間的関係データ、識別されたインタラクションデータ、収集したセンサ読み取り値、取得した画像等を含むことができる。例えば、サーバ110とコントローラ116は、1つ又は複数の信号を受信するように構成されることが可能であり、1つ又は複数の信号は、登録されたユーザ101の情報(例えば、ユーザ機器102に関連付けられるユーザ101のデータベース)、タイムスタンプ付き空間的関係情報、タイムスタンプ付きインタラクション情報、畜舎ノード106のセンサによって収集された情報、畜舎ノード106によって収集された画像等を含む。
【0060】
本明細書で上述したように、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、ネットワーク108に直接又は間接に通信可能に結合されることが可能である。この点において、1つ又は複数の畜舎ハブ104は、1つ又は複数の機器に通信可能に結合されることが可能であり、それらの機器は、ネットワーク108に直接又は間接に通信可能に結合されることが可能である。例えば、農場は、第1畜舎ハブ104a、第2畜舎ハブ104b及び第三畜舎ハブ104cを含むことができる。第1畜舎ハブ104a、第2畜舎ハブ104b及び第三畜舎ハブ104cは、中間機器に通信可能に結合されることが可能であり、中間機器は、ネットワーク108に通信可能に結合されている。当該例示では、中間機器は、第1畜舎ハブ104a、第2畜舎ハブ104b及び第三畜舎ハブ104cからデータ/情報を受信し、受信したデータをネットワーク108に送信するように構成されることが可能である。別の例示として、複数の畜舎ハブ104は、互いに通信可能に結合されることが可能であり、このように、データは、複数の畜舎ハブ104間に送信可能であり、複数の畜舎ハブ104のうちの1つ又は複数の畜舎ハブ104を介してネットワーク108に送信されることが可能である。
【0061】
別の実施例では、システム100は、サーバ110を含み、当該サーバは、1つ又は複数のプロセッサ112とメモリ114を含む。別の実施例では、サーバ110は、ネットワーク108を介して1つ又は複数の畜舎ハブ104に通信可能に結合されている。この点において、サーバ110は、ネットワーク108とのインターフェースに適したネットワークインターフェース機器(未図示)を含むことができる。ネットワークインターフェース機器は、当該分野で既知の任意のネットワークインターフェース機器を含むことができる。例えば、ネットワークインターフェース機器は、有線によるインターフェース機器(例えば、DSLによる相互接続、ケーブルによる相互接続、T9による相互接続等)を含むことができる。別の実施例では、ネットワークインターフェース機器は、無線によるインターフェース機器を含むことができ、当該インターフェース機器は、GSM、GPRS、CDMA、EV-DO、EDGE、WiMAX、3G、4G、4GLTE、5G、WiFiプロトコル等が用いられている。
【0062】
別の例示として、サーバ110は、クラウドベースのアーキテクチャを含むことができる。例えば、本明細書では、サーバ110は、アマゾンネットワークサービス(例えば、アマゾンEC2等)を含むが、これらに限定されないホスティングサーバ及び/又はクラウドコンピューティングプラットフォームを含むことができる。この点において、システム100は、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)構成を含むことができ、本開示の様々な機能又はステップは、リモートサーバによって実行される。
【0063】
別の実施例では、システム100は、コントローラ116を含むことができる。コントローラ116は、1つ又は複数のプロセッサ118とメモリ120を含むことができる。別の実施例では、コントローラ116は、ユーザインターフェース122に通信可能に結合されることが可能である。一実施例では、ユーザインターフェース122は、ユーザにシステム100のデータを表示するためのディスプレイを含む。ユーザインターフェース122のディスプレイは、当該分野で既知の任意のディスプレイを含むことができる。例えば、ディスプレイは、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ等を含むことができるが、これらに限定されない。当業者は、ユーザインターフェース122と統合できる任意の表示機器がいずれも本開示で実現されることに適すると認識すべきである。別の実施例では、ユーザは、ユーザインターフェース122を介してユーザに表示されたデータに応答して、選択及び/又は命令を入力することができる。
【0064】
別の実施例では、コントローラ116は、1つ又は複数のデスクトップ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ等を含むことができるが、これらに限定されない。一実施例では、ユーザは、ユーザインターフェース122を用いてコントローラ116のメモリ120に記憶される、識別された空間的関係データ、識別されたインタラクションデータ、雑用完了入力、及びシステム100によって生成/受信された他の情報を閲覧することができる。例えば、農場の所有者は、農場の全ての雑用が前日に完了したことを確認したい場合がある。農場の所有者は、コンピュータまたはスマートフォン(例えば、ユーザインターフェース122)を用いて、メモリ114に記憶される全てのデータを閲覧して、記憶されたトランザクションが、全ての雑用が完了したと示すと確定することができる。この点において、農場の所有者又は管理者は、ユーザインターフェース122を用いてシステム100によって生成及び記憶されたデータを閲覧し、システム100の1つ又は複数の特徴を変更することができると想定される。
【0065】
本明細書では、単一の電子機器(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ等)は、ユーザ機器102として用いられても良いし、コントローラ116として用いられても良い。例えば、農場の所有者はスマートフォンを有することが可能であり、当該スマートフォンは、システム100でユーザ機器102とされる。なお、スマートフォンは、コントローラ116として用いられてもよく、農場の所有者は、それを用いてシステム100によって生成/記憶されたデータを閲覧することができる。
【0066】
一実施例では、サーバ110の1つ又は複数のプロセッサ112は、メモリ114に記憶される1組のプログラム命令を実行するように構成される。一実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、本開示の1つ又は複数のステップを実行するように構成される。例えば、1つ又は複数のプロセッサ112は、以下のように構成されることが可能であり、畜舎ハブ104から1つ又は複数の信号を受信し、1つ又は複数の信号が1つ又は複数の雑用完了入力、識別されたインタラクションデータ、及び識別された空間的関係に関連付けられる、識別された空間的関係データを含み、雑用リストをメモリ114に記憶し、メモリ114にトランザクションログを記憶し、トランザクションログが、雑用完了入力、識別されたインタラクションデータ及び空間的関係データを含み、1つ又は複数の雑用完了入力、前記識別されたインタラクションデータ、及び前記識別された空間的関係データのうちの少なくとも1つに基づき、前記雑用リストの中の1つ又は複数の未完了の雑用を識別する。これらのステップ/機能は、順次に行われる。
【0067】
一実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、サーバ110に1つ又は複数の畜舎ハブ104からデータを受信させるように構成される。例えば、サーバ110は、畜舎ハブ104から1つ又は複数の信号を受信するように構成されることが可能であり、1つ又は複数の信号は、ユーザ機器102によって受信された雑用完了入力、識別された空間的関係データ、及び識別されたインタラクションデータを含む。この点において、1つ又は複数の畜舎ハブ104から受信されたデータは、識別された空間的関係(例えば、初期の空間的関係時間、空間的関係の終了した時間、空間的関係の継続時間)及び/又は識別されたインタラクション(例えば、識別されたインタラクションの時間、「チェックイン」と「チェックアウト」のインタラクションの間の時間)に関するタイムスタンプデータを含むことができる。1つ又は複数の畜舎ハブ104から受信されたデータは、ユーザ機器102のIPアドレス、ユーザ機器102のMACアドレス、ユーザ101の名前等を含むが、これらに限定されない識別された空間的関係及び/又は識別されたインタラクションに関連付けられる1つ又は複数のユーザ101及び/又はユーザ機器102の識別特徴を含むこともできる。1つ又は複数の畜舎ハブ104から受信されたデータは、温度データ、圧力データ、給餌速度センサデータ、給水速度センサデータ、取得された画像等を含むが、これらに限定されない1つ又は複数の畜舎ノード106によって収集されたタイムスタンプデータをさらに含むこともできる。サーバ110によって受信された全てのデータは、メモリ114に記憶され、タイムスタンプが付けられることが可能である。
【0068】
サーバ110及び/又はコントローラ116は、雑用リストをメモリ114、120に記憶するように構成されることが可能である。雑用リストは、完了すべき1つ又は複数の雑用を含むことができる。雑用リストは、それぞれの雑用の場所に従って整理することができる。例えば、サーバ110は、畜舎#1(畜舎103a)で完了すべき雑用リストを記憶するように構成されることが可能であり、このように、雑用リストは、畜舎103aを含む空間的関係に関連付けられることが可能である。本明細書では、雑用リストは、ユーザがユーザインターフェース122を介して生成及び/又は編集することが可能である。これは、図3A~3Dを参照してさらに理解され得る。
【0069】
図3A~3Jは、本開示の1つ又は複数の実施例による、ユーザ機器102の表示ページを示す。本明細書で上述したように、ユーザ機器102は、アプリケーション(「app」)を含み、及び/又は実行することができ、当該アプリケーションは、ユーザ101がシステム100の1つ又は複数の特徴を閲覧、変更及び調整することを可能とする。従って、図3A~3Jに示す表示ページは、ユーザ機器102にあるアプリケーションに関連付けられる表示画面を描写することができる。
【0070】
図3A~3Bは、本開示の1つ又は複数の実施例による、ログインページを描写するユーザ機器102の表示ページ302、304を示す。図3Aに示すように、当該appは、ユーザ101がユーザ名及びパスワードを入力することでサインインするように促すログインページを開くことができる。
【0071】
図3Cは、本開示の1つ又は複数の実施例による、アプリケーションの選択可能なオプションを描写するユーザ機器102の表示ページ306を示す。一実施例では、ユーザ101が、畜舎ハブ104を備える畜舎に近づき、及び/又は入ったとき、畜舎ハブ104は、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の空間的関係を識別して、ユーザ101が畜舎の近傍/内部に存在すると特定することができる。例えば、図3Cに示すように、システム100は、ユーザ101が「北西の畜舎5」内に存在すると識別して、表示ページ306の頂部に当該場所を表示することができる。
【0072】
表示ページ306に示すように、システム100は、ユーザ機器102と畜舎ハブ104との間の空間的関係を識別した後、ユーザ機器102の位置が既知であるようにし、表示ページ306は、ユーザ101の位置に関連するオプション(例えば、北西の畜舎5)を表示することができる。例えば、「ChorCheklist」ボタンを選択すると、ユーザ機器102は、現在の位置(例えば、北西の畜舎5)で実行されるようにスケジュールされる活動リスト(例えば、雑用リスト)を表示することができる。この点において、ユーザ機器102は、識別された空間的関係に関連付けられる雑用リストを表示するように構成されることが可能である。別の例示として、「死亡率」ボタンを選択することにより、ユーザ機器102は、ユーザ101が死亡率入力を入力し、また、発見された死亡動物の位置、動物ID、時間、日付け、体重、観察等を含むが、これらに限定されない死亡率入力に関連するデータを記録することを可能とする表示画面を表示することができる。本明細書では、これらの実施例について、さらに詳しく説明する。
【0073】
図3Dは、本開示の1つ又は複数の実施例による、活動/雑用リストを描写するユーザ機器102の表示ページ308を示す。図3Dに示すように、ユーザ101が、表示ページ306に表示された「ChorCheklist」ボタンを選択した後、ユーザ機器102は、表示ページ308を表示することができる。表示ページ308は、ユーザ機器102の現在の位置(例えば、ユーザ101の現在の位置)で実行される雑用又は活動のリストを表示することができる。表示される雑用リストは、ユーザ101と畜舎ノード106との間の特定の空間的関係及び/又はインタラクションに関連付けられる雑用リストであってもよい。例えば、ユーザ101と北西の畜舎5に位置する畜舎ノード106との間にインタラクションが識別されると、雑用リストは、北西の畜舎5で完了すべき雑用を含むことができる。例えば、表示ページ308に示すように、北西の畜舎5内で実行される活動/雑用リストは、屋根を見、電気フェンスを閉じ、豚をチェックし、飼料を測定すること等を含むことができる。本開示の目的のために、用語「活動」及び「雑用」は、本明細書で別段の記載がない限り、交換可能に使用され得る。
【0074】
一実施例では、図3Dに示すように、ユーザ101は、ユーザ機器102を介して1つ又は複数の雑用完了入力を入力して表示ページ308に表示された雑用を選択及び/又は「照合」することが可能であり、それにより、ユーザ101が対応する雑用を実行/完了したことを示す。この点において、1つ又は複数のユーザ機器102は、ユーザ101から雑用完了入力を受信するように構成されることが可能である。雑用完了入力は、雑用が完了したと示すことができる。一実施例では、ユーザ101(及び対応するユーザ機器102)が雑用が実行される位置に近づいていない限り、ユーザ101は、「照合」又は他の形態で雑用完了入力を入力できない場合がある。例えば、豚の群が北西の畜舎5内にある場合、ユーザ101(及びユーザ機器102)が北西の畜舎5内に存在していない限り、「豚を検査する」という雑用は、「照合」されない場合がある(例えば、雑用完了入力が提出されない場合がある)。この点において、本明細書では、システム100は、農場の従業員(例えば、ユーザ101)間のある程度の責任及び/又は検証を促進できると想定される。
【0075】
サーバ110及び/又はコントローラ116は、さらに、トランザクションログをメモリ114、120に記憶するように構成されることが可能であり、トランザクションログは、1つ又は複数の畜舎ハブ104によって受信されたデータを含む。例えば、サーバ110は、畜舎ハブ104から1つ又は複数の雑用完了入力、識別された空間的関係データ、及び識別されたインタラクションデータを受信し、当該データをトランザクションログに記憶するように構成されることが可能である。追加的及び/又は代替的実施例では、サーバ110は、ブロックチェーンにトランザクションログを記憶するように構成されることが可能である。
【0076】
別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、農場活動/雑用を検証するように構成されることが可能である。この点において、サーバ110及び/又はコントローラ116は、1つ又は複数の未完了の雑用及び/又は完了した1つ又は複数の雑用を識別するように構成されることが可能である。サーバ110は、受信された雑用完了入力、識別された空間的関係データ、及び識別されたインタラクションデータに基づき、未完了の雑用及び/又は完了した雑用を識別するように構成されることが可能である。
【0077】
本明細書では、本開示の目的のために、用語「未完了の雑用」及び「完了した雑用」は、実際に完了した雑用、又は完了しなかった雑用を指す必要がない。むしろ、用語「未完了の雑用」及び「完了した雑用」は、システム100によって収集されたデータに基づき、完了したか、又は完了しなかったと識別又はフラグ付けることが可能な雑用を指すために用いることができる。この点において、用語「未完了の雑用」及び「完了した雑用」は、システム100が、システム100によって収集されたデータに基づき、雑用が完了可能であるかどうかを特定することを含むことができる。従って、本明細書では、本開示の「未完了の雑用」和「完了した雑用」の指定は、実際には完全ではないかもしれないが、それらは、農業/牧場環境における透明性及びトレーサビリティを促進し、農場の所有者に、必要な雑用が正確に完了される可能性を示すデータを提供することができる。
【0078】
本明細書では、サーバ110は、トランザクションログにおけるデータ(例えば、雑用完了入力、識別された空間的関係データ、識別されたインタラクションデータ)を相互参照することにより、完了した雑用及び/又は未完了の雑用を識別することができる。例えば、サーバ110は、関連する空間的関係の時間間隔にユーザ機器102が1つ又は複数の雑用完了入力を受信したことを特定することにより、完了した1つ又は複数の雑用を識別するように構成されることが可能である。例えば、ユーザ機器102が畜舎103aの畜舎ハブ104と空間的関係にあるとき、ユーザ機器102は、畜舎#1(畜舎103a)内の雑用の1つ又は複数の雑用完了入力を受信すると、サーバ110は、雑用を完了した雑用として識別するように構成されることが可能である。逆に、サーバ110は、関連する空間的関係の時間間隔にユーザ機器102が1つ又は複数の雑用完了入力を受信しなかったことを特定することにより、1つ又は複数の未完了の雑用を識別するように構成されることが可能である。例えば、ユーザ機器102が畜舎103aの畜舎ハブ104と空間的関係にないとき、ユーザ機器102は、畜舎#1(畜舎103a)内の雑用の1つ又は複数の雑用完了入力を受信すると、サーバ110は、雑用を未完了の雑用として識別するように構成されることが可能である。
【0079】
別の例示として、サーバ110は、雑用完了入力の欠失に基づき、識別された空間的関係の欠失に基づき、及び/又は識別されたインタラクションの欠失に基づき、1つ又は複数の未完了の雑用を識別するように構成されることが可能である。別の例示として、サーバ110は、識別された空間的関係データ及び/又は識別されたインタラクションデータを、メモリ114、120に記憶されるデータと比較することにより、1つ又は複数の未完了の雑用を識別するように構成されることが可能である。例えば、それぞれの対応する雑用を完了するのに必要な平均継続時間は、雑用リストの中のそれぞれの雑用とともに、メモリ114、120に記憶されることが可能である。識別された空間的関係及び/又は識別されたインタラクションの継続時間を、対応する雑用の平均継続時間と比較することにより、サーバ110は、識別された空間的関係データによって示されるように、「完了」とフラグ付けられた雑用は、識別された時間内で正確に完了できないと特定するように構成されることが可能である。
【0080】
例えば、畜舎103a内の雑用リストの合計平均継続時間は、約2時間であってもよい。当該例示では、識別された空間的関係データが、ユーザ機器102が畜舎103aの畜舎ハブ104との空間的関係内に10分間だけあると示す場合、サーバ110は、畜舎103a内で完了すべき雑用リストの中のそれぞれの雑用を未完了の雑用として識別するように構成されることが可能である。
【0081】
別の実施例では、サーバ110は、畜舎ハブ104を介してユーザ機器102から雑用及び/又は空間的関係に関連する付加的なデータを受信するように構成されることが可能である。ユーザ機器102/畜舎ハブ104によって受信された付加的なデータは、メモリ114、120に記憶されることが可能である。これは、図3E~3Fを参照することで、さらに理解され得る。
【0082】
本開示の1つ又は複数の実施例によれば、図3E、3Fは、選択された雑用の詳細を描写するユーザ機器102の表示ページ310、312を示す。表示ページ310、312に示すように、表示ページ308に表示された雑用リストの中の雑用を選択した後、ユーザ101は、特定の選択された雑用に関連するデータを閲覧、選択、変更及び/又は追加することができる。例えば、「全てのペンが安全であると確認する」という雑用を選択すると、ユーザ101は、雑用に関連する説明及び/又は命令を読んだり、コメントを追加したり、画像を追加したり、ファイルを追加したりすることなどができる。別の例示として、ユーザ101は、活動の優先順位を設定し、雑用を未完了とフラグ付け、又は雑用を別のユーザ101が完了するようにフラグ付けることができる。その後、ユーザが、雑用に対する変更を保存又はキャンセルするように要求することができる。
【0083】
別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、雑用の完了したリストを単一の「ポジティブなトランザクション」として識別するように構成されることが可能である。例えば、図3Dは、北西の畜舎5で完了すべき雑用リストを示す。従業員は、毎日(又は他の時間範囲内)図3Dに示すリストの中のそれぞれの雑用を完了する必要がある場合がある。従って、雑用リストの全体は、完了すべきであり、また、毎日完了する必要がある場合がある。重複するデータエントリを減らすために、これらのエントリは、それぞれの別個の雑用が完了したことを示す可能性があり、完了した1つの雑用リストは、1つの「ポジティブなトランザクション」として記憶することができる。例えば、プロセッサ112は、図3Dに描写される雑用リストの中のそれぞれの雑用が完了したと示す雑用完了入力を受信することができる。それぞれの別個の雑用を別個のデータエントリ(例えば、「雑用1:完了、雑用2:完了、雑用3:完了等)として記憶せず、これによって、重複するデータが発生する可能性があり、その代わりに、1つ又は複数のプロセッサ112は、完了した雑用リスト全体を単一の「ポジティブなトランザクション」として識別してメモリ114に記憶するように構成されることが可能である。
【0084】
逆に、別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、個々の未完了の雑用を個々の「ネガティブなトランザクション」として識別するように構成されることが可能である。例えば、プロセッサ112は、図3Dに描写される雑用リストにリストされた雑用の中の1つが完了しなかったことを示すデータを受信することができる。例えば、雑用リストが5つの雑用を含み、ユーザ101がユーザ機器102を介して5つの雑用のうちの4つの雑用だけについて雑用完了入力を入力する場合、1つ又は複数のプロセッサ112は、雑用リストの中の1つの雑用が完了していないと特定するように構成されることが可能である。それぞれの雑用を別個のデータエントリ(例えば、「雑用1:完了、雑用2:未完了、雑用3:完了等)として記憶するのではなく、1つ又は複数のプロセッサ112は、別個の雑用が完了しなかったと示す単一の「ネガティブなトランザクション」を識別してメモリ114に記憶するように構成されることが可能である。
【0085】
この点において、完了した雑用リストは、単一のポジティブなトランザクションとして記憶されることが可能であり、別個の未完了の雑用は、単一のネガティブなトランザクションとして記憶されることが可能である。別の例示として、1つ又は複数のプロセッサ112は、第1未完了雑用を第1ネガティブなトランザクションとして記憶し、第2未完了雑用を第2ネガティブなトランザクションとして記憶するように構成されることが可能である。逆に、1つ又は複数のプロセッサ112は、完了した雑用リストを単一のポジティブなトランザクションとして記憶するように構成されることが可能である。本明細書では、完了した雑用リスト及び別個の未完了雑用を別個のトランザクションとして記憶することにより、システム100が記憶されたデータを削減できる一方で、ユーザが重要なデータをより効果的、且つ効率的に検索できるようにする(例えば、全ての雑用が完了したか、又は雑用が逃された)。
【0086】
一般的に言えば、本明細書で使用される用語「ポジティブなトランザクション」及び「ネガティブなトランザクション」は、トランザクションログを編成及びグループ化する異なる方法を構成することができる。この点において、用語「トランザクションログ」は、本開示のシステム100によって識別及び保存されたトランザクションのリスト又は他のデータベースを指すとみなすことができる。例えば、トランザクションログは、システム100内で完了すべき各雑用リストを含むことができる。トランザクションログは、識別された空間的関係データ、識別されたインタラクションデータ、及び雑用が完了したかどうか、雑用の完了した時間(雑用完了入力)、雑用を完了したユーザ101のアイデンティティ等を含むが、これらに限定されないそれぞれの雑用/活動に関連付けられる情報をさらに含むことができる。
【0087】
追加的及び/又は代替的実施例では、サーバ110の1つ又は複数のプロセッサ112は、動物の生涯の過程を通じて農場/牧場内及び/又は農場/牧場間の動物又は動物グループを「追跡」するように構成されることが可能である。この点において、システム100は、動物又は動物グループを、生まれてから動物が処理されるまで、追跡するために用いることができる。例えば、豚の群は、システム100が実装された第1个農場で生まれる場合がある。それぞれの豚には、一意の識別子が割り当てられ、ペン105aに格納されることが可能である。それぞれの豚に関連付けられる一意の識別子及び豚の群(ペン105a)の位置は、メモリ114、120に記憶されることが可能である。豚の群を飼育している間に、ペン105a及び豚の群に関連付けられる雑用完了入力、識別された空間的関係データ、及び識別されたインタラクションデータは、メモリ114、120に記憶されることが可能である。この点において、ワクチンの投与記録、注射記録、給餌/給水記録等は、豚の群に関連付けられてメモリ114、120に記憶されることが可能である。さらに、豚の群に関連付けられるデータは、ブロックチェーンに記憶されることが可能である。
【0088】
同一の例示を続けると、豚の群は、第1農場からシステム100が実装された第2農場に輸送される場合がある。ユーザ101は、ユーザインターフェース122を介してペン105aの中の豚の群がトラックで第2農場にあるペン105bに移送されたことを入力することができる。この点において、サーバ110は、豚の群のライフサイクルを通じて豚の群の位置を追跡してメモリに記憶するように構成されることが可能である。この点において、サーバ110は、農業/牧場環境における透明性及びトレーサビリティを促進するように構成されることが可能である。特に、ブロックチェーンに豚の群の位置及び飼育記録を記憶し、エンドユーザは、製品の過去の位置、給餌記録及び注射記録を知ることができる。
【0089】
別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、識別された空間的関係データ及び/又は識別されたインタラクションデータに基づき、ユーザ101と1つ又は複数の動物グループとの遭遇を識別するように構成されることが可能である。特に、システム100全体にわたって、ユーザ101の移動を追跡することは、特定の動物集団とインタラクションし、又は特定の動物集団に接触したユーザ101を識別するために用いることができる。例えば、本明細書で図2Aについて説明したように、ユーザ101が動物グループを通り過ぎて畜舎103の内壁に設けられる畜舎ノード106とインタラクションしなければならない場合、サーバ110の1つ又は複数のプロセッサ112は、ユーザ101が畜舎103内の動物グループに接触し、又は遭遇したかもしれないと特定するように構成されることが可能である。別の例示として、サーバ110は、ユーザ101が動物グループに関連する1つ又は複数の雑用を完了したと識別した場合、サーバ110は、ユーザ101が当該動物グループに遭遇したと特定するように構成されることが可能である。
【0090】
別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、畜舎ハブ104を介してユーザ機器102により入力された1つ又は複数の死亡率入力を受信するように構成されることが可能である。例えば、図3Cに示すように、ユーザ101は、表示ページ306に示される「死亡率」ボタンを選択することができる。図3Cにおける「死亡率」ボタンを選択することで、ユーザ機器102に図3Gに示される表示ページ314を表示させることができる。特に、図3Gは、本開示の1つ又は複数の実施例による、動物死亡率ログを描写するユーザ機器102の表示ページ314を示す。
【0091】
一実施例では、ユーザ101は、発見された死亡動物を表示ページ314に記載及び記録することができる。この点において、1つ又は複数のユーザ機器102は、ユーザ101から1つ又は複数の死亡動物を示す1つ又は複数の死亡率入力を受信するように構成されることが可能である。表示ページ314は、これまで特定の位置で死亡した動物の数を描写することができる。発見された死亡動物を記載する際、表示ページ314は、ユーザがコメントを追加したり、図面を追加したり、ファイルを追加したりすることなどを可能にすることができる。表示ページ314は、ユーザ101が、動物の体重、死亡の詳細、死亡位置、動物ID番号等を含むが、これらに限定されない死亡率入力に関連する他の情報を入力することを可能にすることができる。なお、本明細書では、表示ページ414が、利用可能な、及び/又は好ましい配置/安楽死方法、及び選択された配置/安楽死方法を実行するための命令を表示することができると想定される。受信した死亡率入力及び受信した死亡率入力に関する情報は、トランザクションログに追加され、メモリ114、120に記憶されることが可能である。
【0092】
別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、受信された死亡率入力に基づき、潜在的な病気の発生を識別するように構成されることが可能である。例えば、単一の畜舎103から2つ又は複数の死亡率入力を受信すると、1つ又は複数のプロセッサ112は、畜舎103における潜在的な病気の発生を識別するように構成されることが可能である。
【0093】
別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、1つ又は複数のユーザ101を識別するように構成されることが可能であり、当該1つ又は複数のユーザは、病気の蔓延の媒介者であり得る。例えば、1つ又は複数のプロセッサ112は、どのユーザ101が潜在的な発生の影響を受けやすい動物に接触したかを識別し、1つ又は複数のユーザ101を病気/発生の拡大の潜在的な媒介者として識別するように構成されることが可能である。別の例示として、1つ又は複数のプロセッサ112は、畜舎ハブ104から受信された、識別された空間的関係データ、及び識別されたインタラクションデータに基づき、ユーザ101がどこにいたか、どの動物(又は動物グループ)に接触したか(例えば、遭遇した)などを特定するように構成されることが可能である。この情報は、口蹄疫(FMD)などの病気の蔓延を追跡及び/又は予防する上で、非常に有益であることが証明されている。
【0094】
例えば、1日の間に、ユーザ101aは、それぞれ畜舎#1(畜舎103a)、畜舎#3(畜舎103c)及び畜舎#5(畜舎103e)で活動を実行する場合がある。それぞれの畜舎103における畜舎ノード106とユーザ101aとの間のインタラクションは、それぞれの畜舎103におけるユーザ101の存在を確認するために識別されている可能性がある。識別されたインタラクションに基づき、1つ又は複数のプロセッサ112は、ユーザ101と畜舎#1(畜舎103a)の中の動物グループとの1回目の遭遇、ユーザ101と畜舎#3(畜舎103c)の中の動物グループとの2回目の遭遇、及びユーザ101と畜舎#5(畜舎103e)の中の動物グループとの3回目の遭遇を識別するように構成されることが可能である。その後、畜舎#3(畜舎103c)で病気の発生を識別した場合、1つ又は複数のプロセッサ112は、ユーザ101aを病気の蔓延の潜在的な媒介者として識別するように構成されることが可能である。
【0095】
別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、病気の発生のリスクがある可能性がある1つ又は複数の動物グループを識別するように構成されることが可能である。例えば、上記例示を続けると、識別された遭遇に基づき、ユーザ101を病気の潜在的な媒介者として識別すると、1つ又は複数のプロセッサ112は、さらに、病気が畜舎#3(例えば、発生の位置)から畜舎#5に移動したユーザ101によって畜舎#5に広がった可能性があると識別するように構成されることが可能である。従って、1つ又は複数のプロセッサ112は、畜舎#5(畜舎103e)における動物を病気にかかるリスクがあると識別するように構成されることが可能である。これは、ユーザ101が、病気の発生を受けた畜舎#3(畜舎103c)の中の動物に遭遇した後、畜舎#5に移動したからである。
【0096】
システム100は、ユーザ101を潜在的な病気の媒介者として識別することができることに加え、さらに、訪問者を潜在的な病気の媒介者として識別することができる。これは、図3Hを参照してさらに理解することができる。
【0097】
図3Hは、本開示の1つ又は複数の実施例による、訪問者ログを描写するユーザ機器102の表示ページ316を示す。
【0098】
一実施例では、表示ページ306上の「訪問者ログ」ボタンを選択すると、ユーザ機器102は、表示ページ316を表示することができる。別の実施例では、表示ページ316に示すように、ユーザ101が訪問者の名前及び事業、並びに訪問の理由を入力するように促すことができる。1つ又は複数のプロセッサ112は、当該情報を受信してメモリ114に記憶するように構成されることが可能である。本明細書では、システム100に訪問者を記録することにより、1つ又は複数のプロセッサ112が潜在的に訪問者(及びユーザ101)を病気の蔓延の媒介者として識別することを可能とする。
【0099】
例えば、1つのシーンを考えると、複数のファーマーが彼らの農場にシステム100を実装することで、第1農場は、システム100aが実装され、第2農場は、システム100bが実装され、第3農場は、システム100cが実装されている。当該例示では、1つ又は複数のプロセッサ112は、第1システム100a、第2システム100b及び第三システム100cから受信されたデータを受信及び分析するように構成されることが可能である。
【0100】
同一の例示を続けると、訪問者(例えば、販売員、ゲストなど)は、システム100aを用いて第1農場を訪問することができる。訪問者のユーザ機器102(例えば、電話、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ)は、訪問者を、農場を訪問したものとして識別することができる。次に、訪問者は、第2農場(例えば、システム100b)及び第3農場(例えば、システム100c)に進むことができ、ユーザ機器102は、訪問者を識別するために用いられる。当該例示では、1つ又は複数のプロセッサ112は、訪問者を病気の蔓延の潜在的な媒介者として識別するように構成されることが可能である。同様に、第1農場(例えば、システム100a)で発生が識別される場合、1つ又は複数のプロセッサ112は、第2農場(例えば、システム100b)及び第3農場(例えば、システム100c)の動物グループを、発生のリスクがある可能性がある動物グループとして識別するように構成されることが可能である。
【0101】
別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112は、コントローラ116に1つ又は複数のアラートを送信するように構成されることが可能である。コントローラ116は、ユーザインターフェース122を介してユーザにアラートを表示するように構成されることが可能である。アラートは、テキストメッセージ、自動電話コール、電子メール、バナー、アプリケーション(「App」)を介してメッセージ等を含むことができるが、これらに限定されない。想定できるように、1つ又は複数のプロセッサ112、118は、変更があった場合、ユーザインターフェース122にアラートを送信するように構成されることが可能である。例えば、1つ又は複数のプロセッサ112は、ユーザインターフェース122に、動物グループが特定の病気の発生のリスクにあると識別されたことのアラートを表示させるように構成されることが可能である。別の例示として、1つ又は複数のプロセッサ112は、ユーザインターフェース122に、ユーザ101が病気の蔓延の潜在的な媒介者として識別されたことのアラートを表示させるように構成されることが可能である。別の例示として、1つ又は複数のプロセッサ112は、ユーザインターフェース122に特定の雑用の未完了のアラートを表示させるように構成されることが可能である。
【0102】
別の実施例では、1つ又は複数のプロセッサは、システム100によって生成及び/又は送信されたデータをブロックチェーンに追加するように構成されることが可能である。特に、サーバ110は、生成されたトランザクションログをブロックチェーンに共有するように構成されることが可能であり、トランザクションログは、雑用完了入力、識別された空間的関係データ、識別されたインタラクションデータ、死亡率入力等を含むが、これらに限定されない。本明細書では、情報の配布が便利になること、及びデータの整合性のために、1つ又は複数のプロセッサ112によって受信された情報は、ブロックチェーン又は他の分散台帳に送信及び保存されることが可能である。例えば、1つ又は複数のプロセッサ112は、Hyperledgerバージョン1.2を用いてデータを送信及び保存するように構成されることができる。この点において、サーバ110は、暗号処理ネットワーク(CBN)の分散処理ノードとみなすことができる。
【0103】
一実施例では、システム100のデータは、ブロックチェーンのプライベートブロックに記憶されることが可能であり、これにより、個人間で情報を表示及び/又は共有するために、暗号鍵が必要となり、個人は、農場の所有者(例えば、生産者)、消費者等を含むが、これらに限定されない。例えば、システム100が実装された豚を飼育する農家は、システム100のデータをブロックチェーンのプライベートブロックに記憶することができる。ブロックチェーンに記憶されるデータは、完了/未完了の雑用に関するトランザクション(例えば、ポジティブなトランザクションとネガティブなトランザクション)を含むができるが、これらに限定されない。ポジティブなトランザクション/ネガティブなトランザクションに関するデータは、給餌/給水の規則性、検査の規則性、接種/注射の規則性等を含む豚が受けた治療の状況を描写することができる。豚を買い手(例えば、消費者又は食品生産プロセスにおける他の生産者)に販売すると、買い手は、ブロックチェーンに格納されるシステム100によって収集された当該情報及び付加的な情報を閲覧したい場合がある。ブロックチェーンに格納されたシステム100のデータにアクセスするために、ファーマーと買い手は、いずれも暗号鍵を提供することが要求される。正確な暗号鍵が認証されると、ファーマーは、ブロックチェーンにおける情報を買い手と共有することができる。
【0104】
本明細書では、システム100の1つ又は複数の構成要素は、当該分野で既知の任意の形態でシステム100の様々な他の構成要素に通信可能に結合されることが可能である。例えば、ユーザ機器102、畜舎ハブ104、畜舎ノード106、サーバ110及びコントローラ116は、有線接続(例えば、銅線、光ファイバケーブルなど)又は無線接続(例えば、RF結合、IR結合、データネットワーク通信(例えば、WiFi、WiMax、ブルートゥース、3G、4G、4GLTE、5G等)を介して互いに通信可能に結合され、他の構成要素に通信可能に結合されることが可能である。
【0105】
一実施例では、1つ又は複数のプロセッサ112、118は、当該分野で既知の任意の1つ又は複数の処理要素を含むことができる。この意味で、1つ又は複数のプロセッサ112、118は、ソフトウエア算法及び/又は命令を実行するように構成される任意のマイクロプロセッサタイプの機器を含むことができる。一実施例では、本開示を通して説明されるように、1つ又は複数のプロセッサ112、118は、デスクトップ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサ、又はシステム100を動作させるように構成されるプログラムを実行するように構成される他のコンピュータシステム(例えば、ネットワーク化されたコンピュータ)からなり得る。本開示を通して説明されるステップは、単一のコンピュータシステム、又は代替的に複数のコンピュータシステムによって実行されることが可能であると認識されたい。なお、本開示を通して説明されるステップは、1つ又は複数のプロセッサ112、118のうちのいずれか1つ又は複数に実行されることが可能であると認識されたい。一般的に、用語「プロセッサ」は、1つ又は複数の処理要素を有する任意の機器を含むように広義的に定義されることが可能であり、これらの処理要素は、メモリ114、120からのプログラム命令を実行する。なお、システム100の異なるサブシステム(例えば、ユーザ機器102、畜舎ハブ104、畜舎ノード106、サーバ110、コントローラ116)は、本開示を通して説明される少なくとも一部のステップを実行することに適するプロセッサ又はロジック素子を含むことができる。従って、上記の説明は、本開示の制限として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0106】
メモリ114、120は、関連する1つ又は複数のプロセッサ112、118によって実行可能なプログラム命令及びシステム100によって生成されたデータを記憶するのに適した当該分野で既知の任意の記憶媒体を含むことができる。例えば、メモリ114、120は、非一時的な記憶媒体を含むことができる。例えば、メモリ114、120は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気または光メモリデバイス(例えば、磁気ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ等を含むが、これらに限定されない。別の実施例では、メモリ114、120は、雑用完了入力、識別された空間的関係データ、識別されたインタラクションデータ、トランザクションログ等を含むが、これらに限定されないデータを記憶するように構成される。なお、メモリ114、120は、1つ又は複数のプロセッサ112、118とともに、共通のコントローラハウジングに収容されることが可能である。代替的な実施例では、メモリ114、120は、プロセッサ112、118、サーバ110、コントローラ116等の物理的位置に対して遠隔に配置されることが可能である。別の実施例では、メモリ114、120は、1つ又は複数のプロセッサ112、118に、本開示を通して説明される様々なステップを実行させるためのプログラム命令を維持する。
【0107】
一実施例では、ユーザインターフェース122は、コントローラ116に通信可能に結合されている。一実施例では、ユーザインターフェース122は、1つ又は複数のデスクトップ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、スマートウォッチ等を含むが、これらに限定されない。別の実施例では、ユーザインターフェース122は、ユーザにシステム100のデータを表示するためのディスプレイを含む。ユーザインターフェース122のディスプレイは、当該分野で既知の任意のディスプレイを含むことができる。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)によるディスプレイ又はCRTディスプレイを含むことができるが、これらに限定されない。当業者は、ユーザインターフェース122と統合可能な任意のディスプレイデバイスが本開示における実装に適すると認識すべきである。別の実施例では、ユーザは、ユーザインターフェース119を介してユーザに表示されるデータに応答して、選択及び/又は命令を入力することができる。
【0108】
なお、システム100の様々な構成要素(例えば、ユーザ機器102、畜舎ハブ104、サーバ110、コントローラ116)は、ネットワーク108とのインターフェースに適した任意のネットワークインターフェース回路又はネットワークインターフェース機器を含むことができる。例えば、ネットワークインターフェース回路は、有線によるインターフェース機器(例えば、DSLによる相互接続、ケーブルによる相互接続、T9による相互接続等)を含むことができる。別の実施例では、ネットワークインターフェース回路は、無線によるインターフェース機器を含むことができ、当該インターフェース機器は、GSM、GPRS、CDMA、EV-DO、EDGE、WiMAX、3G、4G、4GLTE、5G、WiFiプロトコル、RF、LoRa等が用いられている。
【0109】
図4は、本開示の1つ又は複数の実施例による、動物個体群の活動を検証するための方法400のフローチャートを示す。本明細書では、方法400のステップは、システム100によって全て又は部分的に実行されることが可能である。しかし、方法400は、システム100に限定されないと認識されたい。これは、追加的又は代替的システムレベルの実施例は、方法400の全て又は一部のステップを実行可能であるからである。
【0110】
ステップ402では、畜舎ハブとユーザ機器との間の空間的関係を識別する。ユーザ機器102が畜舎ハブ104から選択された距離内に入るとき、ユーザ機器102が予め定義されたジオフェンス領域に入るときなど、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の空間的関係を識別することができる。例えば、図2Aに示すように、畜舎ハブ104は、ユーザ機器102が領域111に入ると、畜舎ハブ104とユーザ機器102との間の空間的関係を識別するように構成されることが可能である。
【0111】
ステップ404では、畜舎ノードとユーザ機器との間のインタラクションを識別する。畜舎ノード106とユーザ101/ユーザ機器102との間のインタラクションは、物理的触覚インタラクション、通信信号インタラクション、QRコードの走査等を含むことができるが、これらに限定されない。この点において、ユーザ101(例えば、ユーザ機器102)と1つ又は複数の畜舎ノード106との間のインタラクションは、ユーザ機器102(例えば、QRコード、IDコード、RFIDタグ、セルラー署名、IPアドレス、ブルートゥース署名)及び/又はユーザ101(例えば、指紋、網膜特徴、顔特徴、音声特徴、DNA)の1つ又は複数の特徴に基づき、特定することができる。
【0112】
ステップ406では、ユーザから1つ又は複数の雑用完了入力を受信する。1つ又は複数の雑用完了入力は、識別された空間的関係に関連付けられる雑用リストの中の1つ又は複数の雑用の完了を示すことができる。例えば、図3Dに示すように、ユーザ機器102は、「北西の畜舎5」と空間的関係にあり、ユーザ機器102は、空間的関係に関連する雑用リスト(例えば、北西の畜舎5内要完成的雑用リスト)を表示するように構成されることが可能である。当該例示では、ユーザ101は、ユーザ機器102を介して1つ又は複数の表示された雑用が完了したと示す1つ又は複数の雑用完了入力を入力することができる。
【0113】
ステップ408では、雑用リストの中の1つ又は複数の未完了の雑用を識別する。サーバ110の1つ又は複数のプロセッサ112は、雑用完了入力、識別されたインタラクションデータ及び/又は識別された空間的関係データのうちの少なくとも1つに基づき、1つ又は複数の未完了の雑用を識別するように構成されることが可能である。サーバ110は、トランザクションログにおけるデータ(例えば、雑用完了入力、識別された空間的関係データ、識別されたインタラクションデータ)を相互参照することにより、完了した、及び/又は未完了の雑用を識別するように構成されることが可能である。例えば、サーバ110は、関連する空間的関係の時間間隔にユーザ機器102が1つ又は複数の雑用完了入力を受信しなかったことを特定することにより、1つ又は複数の未完了の雑用を識別するように構成されることが可能である。例えば、ユーザ機器102が畜舎103aの畜舎ハブ104と空間的関係にないとき、ユーザ機器102は畜舎#1(畜舎103a)内の雑用の1つ又は複数の雑用完了入力を受信すると、サーバ110は、雑用を未完了の雑用として識別するように構成されることが可能である。
【0114】
当業者は、本明細書に記載の構成要素(例えば、操作)、デバイス、オブジェクト、およびそれらに付随する議論が、概念を明確にするための例として使用され、様々な構成の変更が想定されることを認識するであろう。従って、本明細書で使用されるように、説明された具体的な例示及び付随する議論は、それらのより一般的なカテゴリを代表することを意図している。一般的に、任意の特定の例示の使用は、そのカテゴリを表すことを目的としており、特定のコンポーネント(例えば、操作)、デバイス、およびオブジェクトが含まれていないことは、限定するとみなされるべきではない。
【0115】
本明細書に記載の主題は、他の構成要素に含まれ、または他の構成要素に接続される異なる構成要素を示すことがある。そのような描写されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際、同じ機能を達成する他の多くのアーキテクチャを実装できることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を実現するためのコンポーネントの任意の配置は、所望の機能が実現されるように、効果的に「関連付け」られる。従って、本明細書で特定の機能を達成するために組み合わせた任意に2つのコンポーネントは、アーキテクチャまたは中間コンポーネントに関係なく、所望の機能が達成されるように、互いに「関連付け」られるとみなすことができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能が達成されるように、互いに「接続」または「結合」されるとみなすこともでき、また、そのように関連付けられた任意の2つのコンポーネントは、所望の機能が達成されるように、互いに「結合可能」であるとみなすこともできる。結合可能な具体的な例示は、物理的に結合可能及び/又は物理的にインタラクションするコンポーネント及び/又は無線的にインタラクションすること及び/又は無線的にインタラクションするコンポーネント及び/又は倫理的にインタラクションすること及び/又は倫理的にインタラクションするコンポーネントを含むが、これらに限定されない。
【0116】
なお、本発明は、添付の特許請求の範囲によって限定されると理解すべきである。当業者は、一般的に、本明細書で使用される用語、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)で使用される用語は、通常「開放的な」用語であると理解するであろう(例えば、用語「含む」は、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有する」は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、用語「含める」「含めるが、これに限定されない」と解釈されるべきであるなど)。当業者は、さらに、特定の数の導入された請求項の記載が意図されている場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないと理解するであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の列挙を紹介するための紹介的なフレーズ「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」の使用法を含み得る。ただし、そのようなフレーズの使用は、用語「一」または「1つ」から請求項の記載を導入することは、このような導入を含む請求項で述べた任意の特定の請求項を、このような記載を1つのみ含む発明に限定すると示唆すると解釈されるべきではなく、同じ請求項には、導入フレーズ「1つ又は複数」または「少なくとも1つ」及び用語例えば「一」または「1つ」(例えば、「一」及び/又は「1つ」は、通常「少なくとも1つ」または「1つ又は複数」と意味すると解釈されるべきである)を含む場合も同様であり、これは、同様に請求項の記載を紹介するための「前記」の使用に適する。なお、紹介される請求項の記載の具体的な数を明確に説明しても、当業者は、このような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであると認識するであろう(例えば、他の修飾語のない「2つの記載」の簡単な記載は、通常、少なくとも2つの記載、または2つあるいはより多い記載と意味する)。なお、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する規則が使用される場合、一般的に、そのような構成は、当業者がその規則を理解するという意味である(例えば、「A、B、Cのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AがBと一緒に、AがCと一緒に、BがCと一緒に、及び/又はA、B及びCなどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。なお、「A、BまたはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似する規則が使用される場合、一般的に、そのような構成は、当業者がその規則を理解するという意味である(例えば、「A、BまたはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AがBと一緒に、AがCと一緒に、BがCと一緒に、及び/又はA、B及びCなどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。当業者は、さらに、明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、2つ以上の代替用語を提示する事実上すべての選言的単語および/またはフレーズは、用語のうちの1つ、いずれかの用語または2つの用語の可能性を考慮すると理解されると理解するであろう。例えば、フレーズ「AまたはB」は、「A」または「B」または「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0117】
本開示およびその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されると考えられ、開示された主題から逸脱することなく、またはその全ての実質的な利点を犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、および配置に様々な変更を加えることができることは明らかである。記載されている形態は、単に説明的なものであり、以下の請求項は、これらの変更を含み、または包含すると意図している。なお、本発明は、添付の特許請求の範囲によって限定されると理解すべきである。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4