(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-22
(45)【発行日】2023-03-03
(54)【発明の名称】排尿検出装置
(51)【国際特許分類】
A61F 13/42 20060101AFI20230224BHJP
【FI】
A61F13/42 F
A61F13/42 A
A61F13/42 Z
(21)【出願番号】P 2022552615
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 JP2022012293
(87)【国際公開番号】W WO2022196765
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2021046617
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山城 高久
(72)【発明者】
【氏名】福田 優子
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0110061(US,A1)
【文献】特開2020-201053(JP,A)
【文献】特表2014-515305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度センサー及び湿度センサーを内蔵し、おむつの外面に取り付けられる本体装置を備え、
前記本体装置内又は該本体装置と通信可能な補助装置に、
前記本体装置を前記おむつの外面に取り付けた状態下に前記おむつの外面の湿度の変化を記録し、該湿度の変化に基づいて同一おむつに対する2回目以降の排尿があったことを検出可能な排尿判定部を備え
、
前記排尿判定部は、前記おむつの外面の温度の変化も記録し、前記おむつの外面の相対湿度が75%以上であり且つ該外面の温度に所定の変化が計測されたときに、2回目以降の排尿があったと判定する、排尿検出装置。
【請求項2】
前記温度における前記所定の変化は、上昇速度が0.25℃/1分以上5℃/1分以下の温度上昇である、請求項
1に記載の排尿検出装置。
【請求項3】
温度データの取得間隔が2分以下であり、前の取得時の温度との差分から前記温度の上昇速度を算出する、請求項
1又は2に記載の排尿検出装置。
【請求項4】
温度センサー及び湿度センサーを内蔵し、おむつの外面に取り付けられる本体装置を備え、
前記本体装置内又は該本体装置と通信可能な補助装置に、
前記本体装置を前記おむつの外面に取り付けた状態下に前記おむつの外面の温度及び湿度の変化を記録し、該温度及び該湿度の変化に基づいて同一おむつに対する2回目以降の排尿があったことを検出可能な排尿判定部を備え、
排尿回数又は総吸収量が増加するに連れて、排尿時における温度の上昇速度が低下することを利用し、相対湿度が所定値以上であり、且つ前記温度の上昇速度が所定値以下となったときに、おむつの交換を促す警告手段を備える、排尿検出装置。
【請求項5】
前記本体装置は、前記湿度センサーが少なくとも内部に配された収容体を有し、該収容体に、おむつの外面から排出された湿気を取り込む湿気導入部、及び該収容体内で、前記湿度センサーと接触した後の湿気を外部に排出させる湿気排出部が形成されている、請求項1~
4のいずれか1項に記載の排尿検出装置。
【請求項6】
前記収容体は、おむつの外面と接触させる側の面を形成する内側壁体と、おむつの外面と接触させる側とは反対側を覆う外側カバーを有し、前記内側壁体に前記湿気導入部が形成され、前記外側カバーに前記湿気排出部が形成されている、請求項
5に記載の排尿検出装置。
【請求項7】
前記湿気導入部及び前記湿気排出部が、前記収容体に形成された貫通孔であり、前記外側カバーに形成された貫通孔の開口面積率が、前記内側壁体に形成された貫通孔の開口面積率以下である、請求項
6に記載の排尿検出装置。
【請求項8】
前記湿気導入部及び前記湿気排出部のうちの一方又は双方が、透湿性の素材が配された通気部である、請求項5
又は6に記載の排尿検出装置。
【請求項9】
前記湿気導入部及び前記湿気排出部それぞれが、透湿性の素材が配された通気部であり、
前記湿気導入部の方が、前記湿気排出部よりも透湿性が高い、請求項
8に記載の排尿検出装置。
【請求項10】
おむつの排尿部位におけるおむつの外面の湿度及び温度を計測し、該湿度及び該温度の上昇速度が共にそれぞれ
に設定した条件を満たしたときに排尿があったと判定する、排尿検出方法
であって、
前記湿度及び前記温度の計測に排尿検出装置を用い、
前記排尿検出装置は、
温度センサー及び湿度センサーを内蔵し、おむつの外面に取り付けられる本体装置を備え、
前記本体装置内又は該本体装置と通信可能な補助装置に、
前記本体装置を前記おむつの外面に取り付けた状態下に前記おむつの外面の湿度の変化を記録し、該湿度の変化に基づいて同一おむつに対する2回目以降の排尿があったことを検出可能な排尿判定部を備えており、
前記排尿判定部は、前記おむつの外面の温度の変化も記録し、前記おむつの外面の相対湿度が75%以上であり且つ該外面の温度に所定の変化が計測されたときに、2回目以降の排尿があったと判定する、排尿検出方法。
【請求項11】
おむつの排尿部位におけるおむつの外面の湿度及び温度を計測し、該湿度及び該温度の上昇速度が共にそれぞれ
に設定した条件を満たしたときに排尿があったと判定する、排尿検出方法
であって、
前記湿度及び前記温度の計測に排尿検出装置を用い、
前記排尿検出装置は、
温度センサー及び湿度センサーを内蔵し、おむつの外面に取り付けられる本体装置を備え、
前記本体装置内又は該本体装置と通信可能な補助装置に、
前記本体装置を前記おむつの外面に取り付けた状態下に前記おむつの外面の温度及び湿度の変化を記録し、該温度及び該湿度の変化に基づいて同一おむつに対する2回目以降の排尿があったことを検出可能な排尿判定部を備え、且つ
前記排尿検出装置は、排尿回数又は総吸収量が増加するに連れて、排尿時における温度の上昇速度が低下することを利用し、相対湿度が所定値以上であり、且つ前記温度の上昇速度が所定値以下となったときに、おむつの交換を促す警告を発する、排尿検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排尿検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
介護負担の軽減等を目的として、使い捨ておむつの着用者の排尿を排尿センサーにより検出して通知する技術が知られている。排尿の検出方法としては、排尿により上昇した温度又は湿度を検出する方法が知られている。
おむつの外側に湿度センサーを配置し、湿度の変化により排尿を検出する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-043389号公報
【文献】特開2019-146721号公報
【文献】特開2018-23777号公報
【発明の概要】
【0004】
本発明は、湿度センサーを内蔵し、おむつの外面に取り付けられる本体装置を備える排尿検出装置に関する。
前記排尿検出装置は、前記本体装置内又は該本体装置と通信可能な補助装置に、前記おむつの外面の湿度の変化を記録し、該湿度の変化に基づいて2回目以降の排尿があったことを検出可能な排尿判定部を備えることが好ましい。
【0005】
また本発明は、排尿検出方法に関する。
前記排尿検出方法は、おむつの排尿部位におけるおむつの外面の湿度及び温度を計測し、該湿度及び該温度の上昇速度が共にそれぞれの設定値を超えたときに排尿があったと判定することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る排尿検出装置の本体装置を示す図であり、(a)は(b)のI-I線断面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。
【
図2】
図2は、本体装置が取り付けられるおむつの一例であるパンツ型の使い捨ておむつを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、おむつの外面に取り付けた状態の本体装置及びその近傍を示す模式断面図である。
【
図4】
図4は、排尿によるおむつ外面の湿度及び温度の変化を調べる測定試験に用いた測定装置の説明図である。
【
図5】
図5は、おむつに、40mLの人工尿を複数回供給したときのおむつ外面の温度及び湿度の変化を示したグラフである。
【
図6】
図6は、
図5に示す3回目の注入前後の温度及び湿度の変化の詳細を示すグラフである。
【
図7】
図7は、温度及びータ及び湿度データのそれぞれについて、前のデータ取得時の値と次回のデータ取得時の値との差分を取得間隔で除した値を1分当たりの変化量として示したグラフである。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態における排尿判定部のブロックダイアグラムである。
【
図9】
図9は、通気部を設けた内側壁体又は外側カバーの他の例を示す模式図である。
【発明の詳細な説明】
【0007】
湿度センサーをおむつの外側に配した場合、外部環境の影響を受けやすく、排尿によらない湿度変化を排尿によるものとして排尿を誤検出しやすい欠点がある。
また特許文献2及び特許文献3には、使い捨ておむつの肌対向面側に温度センサー及び湿度センサーを配して排泄を検出する方法が記載されている。特許文献3においては、温度センサーと湿度センサーとの組み合わせにより排泄物の種類を判別する方法が記載されている。
しかしながら、肌対向面側にセンサーを配すると、センサーが排泄物に直接触れるため、センサーを再利用するには洗浄が必要であり、衛生上の課題がある。
【0008】
またおむつは、複数回の排尿に対応し得る吸収容量を有するものが多く、一つのおむつの着用中に複数回の排尿があることもある。湿度変化に基づく排尿の検知は、初回の排尿により上昇した湿度が排尿後も維持されやすく、初回の排尿時の変化に比して2回目以降の排尿時の変化が極端に小さいことに起因して、湿度センサーの配置位置に拘わらずに、2回目以降の排尿を誤検出なく正しく検出することは困難である。
【0009】
本発明は、上述した従来技術が有する解決課題を解消し得る排尿検出装置に関する。
【0010】
以下、本発明の排尿検出装置を、その好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の一実施形態である排尿検出装置1は、
図2に示されるように、おむつの外面S1に取り付けられる本体装置2を備えている。おむつ10は、好ましくは、使い捨ておむつである。
図2に示すおむつ10は、使い捨ておむつであり、液透過性の表面シート12、液不透過性又は撥水性の防漏シート13及び両シート12,13間に配置された液保持性の吸収体14を備えている。防漏シート13の非肌対向面側には、更に単層又は多層構造の不織布からなる外装シート15が配されている。また、おむつ10は、着用時に着用者の腹側に配される腹側部Aと、背側に配される背側部Bと、その間に位置する股下部Cとを有している。おむつ10は、パンツ型のおむつであり、腹側部Aの両側縁部と背側部Bの両側縁部とが互いに接合されており、それによって、一対のサイドシール部16,16、ウエスト開口部17及び一対のレッグ開口部18,18が形成されている。
【0011】
表面シート12、防漏シート13及び吸収体14としては、それぞれ、この種の物品に従来用いられている各種のものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート12としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができ、防漏シート13としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等との積層シート等を用いることができる。吸収体14としては、高吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成された吸収性コアをコアラップシートで被覆したもの等を用いることができる。防漏シート13は、透湿性のシートを用いることが好ましい。
【0012】
本体装置2は、おむつの外面S1に取り付けられて使用される装置である。おむつの内面は、おむつの着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、おむつの外面は、おむつの着用時に着用者の肌側とは反対側に向けられる面である。
本体装置2は、排尿による湿度変化の情報を的確に入手可能とする観点から、おむつの排尿部位のおけるおむつ外面に取り付けることが好ましい。おむつの排尿部位とは、内部に吸収体14が存する部位である。排尿のより確実な検出の観点から、本体装置2は、股下部Cにおける、内部に吸収体14が存する部位に取り付けることが好ましく、また股下部Cにおける幅方向中央部に取り付けることが好ましい。パンツ型のおむつ10において、股下部Cは、左右のレッグ開口部間に位置する領域であり、パンツ型以外のおむつにおいて、股下部Cは、平面状に拡げたおむつを、その縦方向の全長を5等分して5領域に分割したときの中央3領域である。
【0013】
本実施形態の排尿検出装置1は、
図1(a)に示すように、本体装置2内に温度センサー3及び湿度センサー4を内蔵している。また本体装置2内に、排尿判定部5を備えている。本体装置2は、湿度センサー4が少なくとも内部に配された収容体7を有しており、収容体7は、おむつ10の外面S1と接触させる側の面を形成する内側壁体71と、おむつ10の外面S1と接触させる側とは反対側を覆う外側カバー72とを有している。以下、おむつの外面S1をおむつ外面S1、おむつの内面S2をおむつ内面S2ともいう。
そして、内側壁体71と外側カバー72に囲まれた収容体7内の空間74内に、温度センサー3、湿度センサー4、及び排尿判定部5が配されている。
温度センサー3としては、熱電対、サーミスタ等が好ましく用いられる。湿度センサー4としては、各種公知のものを用いることができ、例えば、高分子抵抗式や高分子静電容量式の湿度センサー等を用いることができる。市販品を用いることもでき、例えばTDK社製の「湿度センサCHSタイプ」等を用いることもできる。以下、収容体7内の、湿度センサー4が配されている空間74を測定空間74ともいう。
【0014】
また内側壁体71には、貫通孔からなる通気部75が形成され、外側カバー72にも、貫通孔からなる通気部76が形成されている。内側壁体71に形成された通気部75は、おむつの外面と対向配置される面に形成されており、おむつの外面S1から排出された湿気を測定空間74内に取り込む湿気導入部として機能し、外側カバー72に形成された通気部76は、おむつの外面と対向配置される面以外の部位に形成されており、湿度センサー4と接触した後の湿気を外部に排出させる湿気排出部として機能する。
本実施形態の排尿検出装置1の本体装置2を、
図3に示すように、おむつの外面に取り付けた状態で、おむつに排尿があると、透湿性の防漏シート13を透過して外面S1から放出される湿気が、湿気導入部として機能する通気部75から測定空間74に導入されて、測定空間74内の湿度が上昇する。そして、排尿後には、湿度の上昇を生じさせた湿気が、湿気排出部として機能する通気部76から排出され、測定空間74内の湿度の低下が比較的早期に生じる。
【0015】
本実施形態によれば、測定空間74内の湿度を湿度センサー4により計測することで、排尿によりおむつの外面に生じる湿度変化を精度良く計測することができ、初回の排尿時のみならず、2回目以降の排尿も高精度に検出することが可能となる。
おむつの外面の湿度の計測は、おむつの外面から放出する湿気を取り込んだ測定空間74内の湿度の計測であってもよい。湿度センサー4により計測する湿度は、相対湿度でも絶対湿度でもよいが、好ましくは相対湿度である。温度が低下すると、測定空間74内の飽和水蒸気量が低下するため、相対湿度は上昇する。通気部(湿気排出部)76が存在すると、排尿後に増加した湿気が、湿気排出部76から排出されることによって、測定空間74内の温度低下に併せて相対湿度が低下し易くする。測定空間74内の温度と湿度が効率よく低下することで、2回目以降の排尿後に上昇した湿度を検知し易くなる。
【0016】
図4は、排尿によるおむつ外面の湿度及び温度の変化を調べる測定試験に用いた測定装置の説明図であり、
図5は、
図4に示す測定装置を用いて、おむつに、人工尿を複数回供給したときの、おむつ外面の温度及び湿度の変化を示したグラフである。
図5に示すグラフは、
図4に示すように、おむつ10を、サイドシール部を剥離して平面状に拡げて固定し、おむつ外面の温度及び湿度を、おむつ外面に取り付けた本体装置2における温度センサー及び湿度センサーによりモニターしつつ、おむつ内面側に人工尿を1時間間隔で3回供給して得たものである。平面状に拡げたおむつ10は、内部に吸収体14が配された吸収部位の周囲を、アクリル製の支持体82における垂下する枠状の支持部に固定した。また支持体82の上部に温水槽83を配して、おむつ内面側の温度を、肌温度を想定した36℃程度に維持した。人工尿は、生理食塩水を用い、各回とも、36℃に保温したものを送液ポンプ84により約10秒かけて供給した。
【0017】
図5に示すグラフに示すように、環境馴化開始から2時間後の初回の人工尿の注入時には、おむつ外面の温度は、注入直後に急激に上昇した後、元の温度付近又は元の温度以下まで低下し、2回目以降の注入時にも、急激に上昇した後、元の温度付近又は元の温度以下まで低下した。
他方、おむつ外面の湿度は、初回の人工尿の注入時には、注入直後に急激に上昇した後、元の湿度付近までは低下しないものの、ピーク時の湿度よりも低い湿度(相対湿度77%付近)まで低下し、その湿度付近に維持された。2回目以降の注入時には、急激に上昇した後、再度、上昇する前の湿度付近まで低下したが、初回の人工尿注入前の湿度付近までは低下することはなく、高い湿度の状態が維持された。
【0018】
図6は、
図5に示す3回目の注入時における注入後の温度及び湿度の変化の詳細を示すグラフである。
図6に示すように、3回目という2回目以降の注入でありながら、温度及び湿度のいずれについても、3回目の注入時点(4:05)から1分後くらいから急激に上昇し、ピークに達した後、前記注入時点から3分以内にピークアウトしている。
図5に示すように、2回目の注入時においても、温度及び湿度の変化は、3回目の注入時と同様の変化を示している。
湿度の変化は、初回の排尿時の変化に比して2回目以降の変化が極めて小さく、その変化に基づく排尿の検出は困難であったが、本実施形態における本体装置2のように、おむつの外面に対向配置される面に通気部75を設けるとともに、それ以外の部位に他の通気部76を設けて、おむつの外面側に配する等の工夫によって、2回目以降の排尿時にも湿度の上昇及び下降が明瞭に生じるようになり、湿度の変化に基づく2回目以降の排尿の検出が可能となる。
したがって、おむつ外面の湿度の変化を記録しておき、湿度に所定の基準を満たす変化が生じたとき、例えば湿度の上昇速度が設定値を超えたときに、排尿があったと判定することによって、2回目以降の排尿を検出することも可能である。なお、初回の排尿時には、温度及び湿度のいずれについても大きく変化するため、おむつ外面の湿度の変化を記録しておき、湿度に所定の基準を満たす変化が生じたとき、排尿があったと判定することによって、湿度の変化に基づき、初回の排尿を検出することは容易である。初回の排尿があったと判定する所定の基準としては、湿度の上昇速度が所定値を超えたか否かや、相対湿度が所定の値、例えば70%を超えたか否か等の多様な基準を採用し得る。
【0019】
外部環境の変化等に基づく排尿によらない変化を排尿によるものと検出する誤検出を抑制する観点、特に2回目以降の排尿の検出精度を向上させる観点から、湿度に基づく第1の判定基準及び温度に基づく第2の判定基準が同時に満たされたときに、排尿があったと判定することが好ましい。「同時に」は、第1の判定基準を満たす湿度変化と第2の判定基準を満たす温度変化とが2分以内に生じたことをいう。
第1の判定基準としては、例えば、温度の上昇速度が設定値を超えたか否かであり、当該設定値を超えたときに第1の判定基準が満たされたと判定する。第2の判定基準としては、例えば、湿度の上昇速度が設定値を超えたか否かであり、当該設定値を超えたときに第2の判定基準が満たされたと判定する。
【0020】
第1実施形態における排尿判定部5は、
図8に示すように、おむつ外面の温度及び湿度の変化を記録し、該湿度の上昇速度が設定値を超えるという第1の判定基準と、該温度の上昇速度が設定値を超えるという第2の判定基準とが同時に満たされたときに排尿があったと判定する機能を有する。
具体的には、排尿判定部5は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置、タイマー等を含んで構成されている。排尿判定部5は、温度センサー3及び湿度センサー4と電気的に接続されており、排尿判定部5が行う処理は、例えば、CPUがROMやRAMなどに格納されたプログラムをRAMに展開して実行することにより実現される。
排尿判定部5は、
図8に示すブロックダイアグラムに示されるように、機能的には、サンプリング時間発生部51、温度用のデータサンプリング部52、温度データ保持メモリ53、温度変化検出部54、湿度用のデータサンプリング部62、湿度データ保持メモリ63、湿度変化検出部64、変化検出設定メモリ55、排尿検出部56を備えている。
【0021】
サンプリング時間発生部51は、記憶装置に記憶されているデータ取得間隔情報に基づき、温度用のデータサンプリング部52に、温度センサー3による温度の計測を行うタイミング又は温度センサー3が計測した温度から排尿検出処理に使用する温度のデータを取得するタイミングに関するタイミング信号を出力する。タイミング信号が入力されたデータサンプリング部52は、タイミング信号が入力された時点の温度及び時刻のデータを温度データ保持メモリ53に格納する。
またサンプリング時間発生部51は、記憶装置に記憶されているデータ取得間隔情報に基づき、湿度用のデータサンプリング部62に、湿度センサー4による湿度の計測を行うタイミング又は湿度センサー4が計測した湿度から排尿検出処理に使用する湿度のデータを取得するタイミングに関するタイミング信号を出力する。タイミング信号が入力された湿度用のデータサンプリング部62は、タイミング信号が入力された時点の湿度及び時刻のデータを湿度データ保持メモリ63に格納する。データ取得間隔情報は、温度用と湿度用で共通であっても個別のものであってもよい。
【0022】
温度変化検出部54は、温度データ保持メモリ53に格納されている過去の温度及び時刻データ並びにデータサンプリング部52により新たに取得された温度及び時刻情報から、温度変化を示す指標として、所定時間当たりの温度変化量を算出する。
湿度変化検出部64は、湿度データ保持メモリ63に格納されている過去の湿度及び時刻データ又は湿度用のデータサンプリング部62により新たに取得された湿度及び時刻情報から、湿度変化を示す指標として、所定時間当たりの湿度変化量を算出する。
排尿検出部56は、湿度変化検出部64が算出した所定時間当たりの湿度変化量を、変化検出設定メモリ55に格納されている湿度についての排尿の判定基準と対比する。この排尿の判定基準は、所定時間当たりの湿度変化量が、上昇速度が所定値を超える湿度上昇に該当するか否かであり、設定値を越えている場合は、排尿の第1の判定基準を満たすと判定し、超えていない場合は、第1の判定基準を満たさないと判定する。
【0023】
また排尿検出部56は、温度変化検出部54が算出した所定時間当たりの温度変化量を、変化検出設定メモリ55に格納されている温度についての排尿の判定基準と対比する。この排尿の判定基準は、所定時間当たりの温度変化量が、上昇速度が所定値を超える温度上昇に該当するか否かであり、設定値を越えている場合は、排尿の第2の判定基準を満たすと判定し、超えていない場合は、第2の判定基準を満たさないと判定する。
排尿検出部56は、上述した第1の判定基準を満たすか否かという第1の判定及び第2の判定基準を満たすか否かという第2の判定を、任意の順序で順に行うか又は同時に行い、第1の判定基準及び第2の判定基準を共に満たす場合、排尿があったと判定する。
【0024】
本実施形態における排尿判定部5は、排尿表示手段58を備えている。また排尿の回数を記憶又は表示可能なように、排尿検出回数メモリ57を備えている。
排尿検出部56は、排尿があったと判定した場合は、排尿表示手段58に排尿検出情報を表出させ、また排尿検出回数メモリ57に格納されている排尿回数情報に対して排尿回数を1回増加させる更新を行う。排尿表示手段58に表出させる排尿検出情報は、排尿があったことを、液晶等からなる画面に文字や記号、色等で表示するものでもよいし、音や音声、振動等で排尿を知らせるものであってもよい。排尿検出情報としては、排尿があったことに加えて排尿回数を併せて表出させることが好ましい。
【0025】
排尿判定部5は、第1の判定において、相対湿度の上昇速度が1分当たり3%以上、すなわち相対湿度3%/1分以上の場合に、第1の判定基準を満たすと判定することが好ましい。上昇速度がこの程度に急激な湿度上昇を基準にして排尿を検出することにより、外部環境や接触するものによる湿度変化と排尿による湿度変化との区別が一層明確となり、排尿によらない湿度変化を排尿があったと誤検出することを一層確実に防止することができる。斯かる観点から、排尿があったと判定する第1の判定基準として用いる湿度の上昇速度は、1分当たりの相対湿度の上昇が、3%以上であることが好ましく、また4%以上50%以下であることがより好ましく、5%以上50%以下であることがさらに好ましい。相対湿度の上昇速度における「%」は、パーセントポイントを意味し、仮に、1分間で、相対湿度50%から相対湿度55%に変化した場合の上昇速度は5%/1分である。
【0026】
排尿判定部5は、第1の判定において、相対湿度の上昇速度の代わりに絶対湿度の上昇速度を指標とすることもできる。絶対湿度の上昇速度が1分当たり1.5g/m3以上、すなわち絶対湿度(1.5g/m3)/1分以上の場合に、第1の判定基準を満たすと判定することが好ましい。上昇速度がこの程度に急激な湿度上昇を基準にして排尿を検出することにより、外部環境や接触するものによる湿度変化と排尿による湿度変化との区別が一層明確となり、排尿によらない湿度変化を排尿があったと誤検出することを一層確実に防止することができる。斯かる観点から、排尿があったと判定する第1の判定基準として用いる湿度の上昇速度は、1分当たりの絶対湿度の上昇が、1.5g/m3以上であることが好ましく、また2.0g/m3以上25g/m3以下であることがより好ましく、2.5g/m3以上25g/m3以下であることがさらに好ましい。
【0027】
排尿判定部5は、第2の判定において、温度の上昇速度が1分当たり0.2℃以上、すなわち0.2℃/1分以上の場合に、第2の判定基準を満たすと判定することが好ましい。上昇速度がこの程度に急激な温度上昇を基準にして排尿を検出することにより、外気温や接触するものによる温度変化と排尿による温度変化との区別が一層明確となり、排尿によらない温度変化を排尿があったと誤検出することを一層確実に防止することができる。斯かる観点から、排尿があったと判定する第2の判定基準として用いる温度の上昇速度は0.2℃/1分以上であることが好ましく、0.25℃/1分以上であることがより好ましく、0.25℃/1分以上5℃/1分以下であることが更に好ましい。
【0028】
おむつが既に尿を吸収している場合には、既に吸収した尿によって、おむつ外面の相対湿度が高くなり、高い状態が維持されていることがある。このような場合には、相対湿度では、2回目以降の排尿を判定することが困難な場合がある。この時、尿は体の内部から排泄されるため体温と同じ温度を持って排泄され、温度と湿度が同時に上昇するために相対湿度では変化が見えにくい。おむつ外面の絶対湿度は相対湿度の上昇以上に大きく上昇していることから、絶対湿度の上昇速度で判定することもできる。
【0029】
表1は、
図5に示すグラフにおける、1回目から3回目の排尿時における温度の上昇速度を示したものである。表1に示すように、温度の上昇速度は、1回目が最も速く、排尿回数が増加するにつれて低下している。その理由は、排尿回数が増加するほど、おむつ外面への温度の伝わり方が緩慢になるためであり、温度の上昇速度が低下するほど、おむつの尿吸収余力が減少することを示している。
排尿回数が増加するにつれて、温度の上昇速度が低下することを利用し、2回目以降の排尿を検出するときの第2の判定基準は、温度の上昇速度が所定範囲となったか否かとすることもできる。例えば、表1に示す2回目及び3回目の排尿時の温度上昇速度は、0.64℃/分、0.27℃/分であるので、相対湿度が75%以上であり、且つ上昇温度が0.2℃/1分以上1.3℃/1分以下であるときに、2回目以降の排尿があったと判定することもできる。
第1の判定基準として、相対湿度を75%としている。このように一律の値を基準とするのには、相対湿度が適している。絶対湿度では、温度が変化すると高湿度であると判断する基準となる値は温度次第で変化してしまう。
他方、2回目以降の排尿、例えば2回目や3回目の排尿を湿度の上昇速度で検知する場合には、第1の判定基準に絶対湿度を用いる方が、湿度を精度よく検知することが出来るので好ましい。
【0030】
【0031】
排尿回数又は総吸収量が増加するにつれて、温度の上昇速度が低下することを利用し、温度の上昇速度が所定値以下となったときに、おむつの尿吸収余力が少なくなっていると捉えて、おむつ交換を推奨する警告を発するようにすることも好ましい。例えば、本発明の排尿検出装置は、排尿判定部の構成又は追加の構成として、相対湿度が所定値以上であり、且つ前記温度の上昇速度が所定値以下となったときに、おむつの交換を促す警告手段を備えることが好ましい。おむつの交換を促す警告手段は、例えば、相対湿度が75%以上であり、且つ上昇温度が0.2℃/1分以上1℃/1分以下であるときに、おむつの交換を促す警告を発することが好ましい。警告を発する条件は、相対湿度が75%以上であり、且つ上昇温度が0.2℃/1分以上0.5℃/1分以下などであってもよい。
前述した排尿表示手段58は、排尿回数を表出させたり、おむつの交換を促す内容を付加することで、おむつの交換を促す警告手段となり得る。おむつの交換を促す警告は、直接的に交換を促す内容に限られず、排尿回数や吸収した合計尿量の目安を表出させるだけものであってもよい。おむつの交換を促す警告は、画面に文字や記号、色等で表示するものでもよいし、音や音声、振動等で知らせるものであってもよい。
【0032】
湿度の上昇速度を求めるために使用する湿度データの取得間隔は、好ましくは2分以下、より好ましくは1分以下であり、また好ましくは1秒以上、より好ましくは10秒以上であり、また好ましくは1秒以上2分以下、より好ましくは1秒以上1分以下、更に好ましくは10秒以上1分以下である。
温度の上昇速度を求めるために使用する温度データの取得間隔は、好ましくは2分以下、より好ましくは1分以下であり、また好ましくは1秒以上、より好ましくは10秒以上であり、また好ましくは1秒以上2分以下、より好ましくは1秒以上1分以下、更に好ましくは10秒以上1分以下である。
湿度データの取得間隔と温度データの取得間隔とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0033】
図7は、温度データ及び湿度データのいずれについても、取得間隔を10秒とし、前のデータ取得時の値と次回のデータ取得時の値との差分を取得間隔で除した値を1分当たりの変化量(RH%又は℃)として示したグラフである。このように、データの取得間隔が短い方が、温度及び相対湿度のいずれについても、初回の排尿時のみならず2回目の排尿時にも、単位時間当たりの変化量が明瞭に上昇及び下降を示し、2回目以降の排尿の検出精度が向上する。
上述したデータの取得間隔は、好ましくは、温度又は湿度の上昇速度を求めるために利用する2つの温度又は湿度が観測された時点間の間隔であり、温度又は湿度を連続的にモニターした場合に得られる連続データから適宜の2時点の値をピックアップし、それらの2時点の値及び時間間隔から温度又は湿度の上昇速度を求める場合、当該2時点間の間隔であってもよい。
図7には、第1の判定基準を満たすか否かを判定するのに用いる設定値、及び第2の判定基準を満たすか否かを判定するのに用いる設定値を、設定値のグラフ縦方向の位置を一致させた形で示されている。両設定値は、非排尿時のベースラインの見られる変動を超える値に設定されており、温度及び湿度の上昇速度が共にその設定値を超えた場合に、排尿検出部56に排尿があったと検知させることで、初回の排尿時のみならず、
図7の右側に示す2回目の排尿時についても、誤検知なく高精度に排尿の検出が可能である。
【0034】
本実施形態の排尿検出装置1は、本体装置2内に、前述した排尿判定部5を構成する、サンプリング時間発生部51、温度及び湿度用のデータサンプリング部52、62、温度データ保持メモリ53、湿度データ保持メモリ63、温度変化検出部54、湿度変化検出部64、排尿検出部56を備えており、またこれらに必要な電力を供給する電力供給部(図示せず)も本体装置2内に備えている。おむつの外面に取り付けられる本体装置2内に、サンプリング時間発生部、データサンプリング部、データ保持メモリ、温度及び湿度の一方又は双方の変化検出部、排尿検出部及び電力供給部を備えることで、例えば本体装置2と電力供給部とを結ぶ電力供給コードが不要となり、本体装置2を取り付けたおむつの着用者の行動が制約されにくくなる。これにより、例えば、日常の生活環境に近い条件下において排尿に関するデータを取得することができ、例えば、おむつの交換時期等の予測や管理をより正確に行うことができる。
【0035】
本発明の前記本体装置は、おむつの外面に取り付けられる本体装置2内に、排尿判定部5を構成する、サンプリング時間発生部51、温度及び湿度用のデータサンプリング部52、62、温度データ保持メモリ53、湿度データ保持メモリ63、外部と通信可能な装置(図示せず)及びこれらに必要な電力を供給する電力供給部(図示せず)を備えることも好ましい。本体装置2内に、サンプリング時間発生部、データサンプリング部、データ保持メモリ、外部と無線通信可能な装置及び電力供給部を備え、無線により、本体装置2と通信可能な補助装置に、必要なデータを送信し、当該補助装置が備えるCPU,記憶装置等を、温度及び湿度の一方又は双方の変化検出部、排尿検出部、排尿表示手段58等として機能させることで、本体装置2を取り付けたおむつの着用者の行動が制約されるのを抑制することができる。
【0036】
排尿による湿度の変化に基づく排尿の検出を可能とする観点から、収容体7は、おむつの外面と接触させる側の面を形成する内側壁体71と、おむつの外面と接触させる側とは反対側に位置する外側カバー72のそれぞれに通気部75,76を有することが好ましい。通気部75,76を設けた収容体7内で、湿度センサー4による湿度の計測を行うことで、おむつ外面からの湿気を収容体7内に取り込み、外部環境の影響を排除しつつ湿度変化の計測が可能であるとともに、湿度上昇後の湿度低下が比較的早期に生じさせることができる。また収容体7内で結露が生じて湿度が測定困難となることも防止できる。
これにより、湿度変化、又は湿度変化及び温度変化に基づく2回目以降の排尿の検出が容易となる。収容体7の形成材料としては、プラスチック、金属、セラミック等が挙げられるが、プラスチック製であることが好ましい。
【0037】
通気部75,76を設けた収容体7内で、湿度センサー4による湿度の計測を行うことで、湿度センサー4のみによる2回目以降の排尿も可能である。例えば、
図7に示す例では、
図7に示す設定値の位置に、第1の判定基準に使用する設定値を設定することにより、湿度の変化速度が当該設定値を超えたときに、それのみをもって排尿があったと判定させた場合であっても、2回目以降の排尿を高精度に判定させることができる。
【0038】
湿度による第1の判定のみで排尿があったと判定させる場合、湿度による第1の判定及び温度による第2の判定が共に判定基準を満たしたときに排尿があったと判定させる場合のいずれについても、湿度による判定精度の向上の観点から、収容体7は、以下の(1)~(4)のいずれか1以上の構成を有することも好ましい。
【0039】
(1)外側カバー72に形成された湿気排出部76及び内側壁体71に形成された湿気導入部75が共に、貫通孔からなる通気部であり、外側カバー72に形成された貫通孔76の開口面積率が、内側壁体71に形成された貫通孔75の開口面積率以下である。こうすることで、収容体7内への湿気の取り込み性と、排尿による湿度上昇後の湿度低下の促進との両立が容易となり、排尿の検出精度が向上する。斯かる効果をより向上させる観点から、外側カバー72に形成された貫通孔76の開口面積率が、内側壁体71に形成された貫通孔75の開口面積率よりも低いことが好ましい。
前記の効果をより向上させる観点から、開口面積率は以下の範囲内であることが好ましい。
内側壁体71に形成された貫通孔75の開口面積率に対する外側カバー72に形成された貫通孔76の開口面積率の比率(外側カバー72/内側壁体71)は、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上であり、また好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下であり、また好ましくは10%以上100%以下、より好ましくは30%以上80%以下である。
内側壁体71に形成された貫通孔75の開口面積率は、好ましくは1%以上、より好ましくは3%以上であり、また好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下であり、また好ましくは1%以上50%以下、より好ましくは3%以上30%以下である。
外側カバー72に形成された貫通孔76の開口面積率は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは1%以上であり、また好ましくは30%以下、より好ましくは10%以下であり、また好ましくは0.1%以上30%以下、より好ましくは1%以上10%以下である。
開口面積率(%)は、外側カバー72及び内側壁体71のそれぞれについて、表面の全面積(通気部の面積を含む)に対する貫通孔(通気部)の合計面積の割合を百分率で示した値である。
【0040】
(2)収容体7は、その一部が、透湿性の素材で形成されている。例えば、
図1に示す収容体7における、貫通孔からなる通気部75,76が設けられている位置に、貫通孔からなる通気部に代えて、透湿性の素材(透湿性材料)で形成された通気部を設けることができる。透湿性の素材とは、湿気を通す素材であり、例えば、メッシュシート、不織布、微細な孔を有する撥水性シート、通気性シート等が挙げられる。前記「微細な孔」は、撥水性シートを構成する繊維間の空隙であり、切断装置等を用いた開孔加工によって該撥水性シートに形成された開孔は除外される。収容体7の一部に、透湿性の素材からなる通気部を形成することで、湿度の測定精度が向上するとともに、収容体7内に、外部から水分や異物が入ることも防止される。
透湿性の素材の湿気を通す程度は、例えば、JIS Z0208 カップ法に従って測定される透湿率が、好ましくは24g/m
2・24Hr以上、より好ましくは48g/m
2・24Hr以上であり、また好ましくは2400g/m
2・24Hr以下、より好ましくは1200g/m
2・24Hr以下であり、また好ましくは24g/m
2・24Hr以上2400g/m
2・24Hr以下、より好ましくは48g/m
2・24Hr以上1200g/m
2・24Hr以下である。
【0041】
(3)外側カバー72及び内側壁体71それぞれに、通気性の素材で形成された通気部が形成されており、内側壁体71の通気部の方が、外側カバー72の通気部よりも透湿性が高い。内側壁体71の通気部の透湿性を、外側カバー72の通気部より高くすることで、湿度の変化を検出する精度が高まる。透湿性の多寡は、JIS Z0208 カップ法に従って測定される透湿率によって判断できる。
斯かる観点から、内側壁体71の通気部の透湿率は、外側カバー72の通気部の透湿率の好ましくは2倍以上、より好ましくは3倍以上であり、また好ましくは100倍以下、より好ましくは10倍以下であり、また好ましくは2倍以上100倍以下、より好ましくは3倍以上10倍以下である。
【0042】
(4)収容体7の一部、好ましくは外側カバー72及び内側壁体71それぞれの一部に、防水性及び透湿性を有する素材で形成された通気部を有する。防水性及び透湿性を有する素材は、JIS Z0208カップ法により測定される透湿率が、24g/m2・24Hr以上である。防湿性及び透湿性の素材としては、防水性不織布、透湿性で且つ液不透過性のフィルム、例えば微多孔性フィルム等を用いることが好ましい。微多孔性フィルムは、例えば、疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は前記熱可塑性樹脂と相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる。防水性不織布としては、撥水性原綿による不織布や、緻密な表面凹凸により撥水化した不織布等が挙げられる。
【0043】
また本体装置2により、おむつの外面S1と対向させる面の温度を計測する場合、本体装置2は、おむつの外面S1の温度を温度センサー3に伝達する温度伝達部材(図示せず)を備えることが好ましい。例えば、内側壁体71に形成された貫通孔の中央を貫通させて、温度伝達部材を配し、温度伝達部材の一部を温度センサーと接触させ、本体装置2をおむつ外面S1に取り付けたときに、温度伝達部材の他の一部がおむつの外面S1と接触するようにすることができる。温度伝達部材は、熱伝導率の高い素材からなることが好ましく、例えば、ステンレス若しくは銅やアルミニウム等の比較的熱伝導率が高い金属製、アルミナ等のセラミックス製であることが好ましい。温度伝達部材の熱伝導率は、好ましくは20W/m・K以上、より好ましくは100W/m・K以上である。
温度伝達部材は、保冷剤等に用いられているゲル剤等であってもよい。ゲル剤としては、高分子吸収体に溶媒を含侵させたゲル剤を高分子膜で包んだもの等が挙げられる。
温度伝達部材を配して、おむつ外面の熱が温度センサーに伝達され易くすることで、おむつ外面S1の熱を検出し易くなり、また外部の温度変化による排尿の検出への影響を低減できる。
【0044】
また本体装置2は、
図1に示すように、おむつの外面と対向させる面に、該おむつの外面に止着させるための止着材73を備えていることが好ましい。止着材73としては、粘着剤を塗工して形成した粘着層や、機械的面ファスナーの雄部材等を挙げることができる。本体装置2をおむつの外面S1に取り付ける方法は、特に制限されるものではなく、テープで固定したり、伸縮性のネットで固定したり、胴の周囲に装着される伸縮性の筒状固定具により押し付ける方法等が挙げられる。おむつ外面に脱着自在に固定可能なものが好ましい。
【0045】
上述した実施形態の排尿検出装置1を用い、本体装置2を、おむつの排尿部位におけるおむつの外面に固定し、該外面の湿度、又は該外面の湿度及び温度を計測し、該湿度の上昇速度、又は湿度の上昇速度及び温度の上昇速度が、設定値を超えたときに排尿があったと判定する排尿の検出方法は、本発明の排尿検出方法の好ましい実施態様の一例であり、排尿検出装置1に関する上述した好ましい構成や説明は、本発明の排尿検出方法に適宜適用可能である。
【0046】
本発明の排尿検出装置における本体装置を取り付けるおむつ又は本発明の排尿検出方法におけるおむつは、吸収体14及び該吸収体14の外面側(非肌対向面側)に配された透湿性の防漏シートを備えていることが好ましい。そして、本体装置2は、おむつの外面S1における、透湿性の防漏シートと重なる部位に取り付けられることが、排尿時におむつの外面から湿気が放出されるようにして、排尿による湿度変化を検出し易くすること、及び次回の排尿までに該外面の湿度や温度を効率よく低下させ、それによって、次回の排尿、及び複数回の排尿の検出が容易となる観点から好ましい。
透湿性の防漏シートとしては、透湿性で且つ液不透過性のフィルム、例えば微多孔性フィルム等を用いることが好ましい。微多孔性フィルムは、例えば、疎水性の熱可塑性樹脂と、炭酸カルシウム等からなる微小な無機フィラー又は前記熱可塑性樹脂と相溶性のない有機高分子等とを溶融混練してフィルムを形成し、該フィルムを一軸又は二軸延伸して得られる。
本体装置2を取り付けるおむつには、本体装置2を取り付ける部位が、印刷や、止着材が止着されやすい部材の配置等により、表示されていることも好ましい。
【0047】
本発明の排尿検出装置は、好ましくは本体装置に、湿度、又は湿度及び湿度の変化に基づき排尿を検出する第1の排尿検出部に加えて、光学的排尿検知装置により排尿を検出する第2の排尿検出部を備えていてもよい。
光学的排尿検知装置としては、例えば、照明及び光学センサーを含み、照明から照射した光が、おむつの排尿部位の外面で反射し、その反射光が光学センサーに入力されるように構成され、排尿により排尿部位に生じる色等の変化を、光学的に検知して排尿を検出するものが挙げられる。第1の排尿検出部により排尿が検出され且つ光学的排尿検知装置によっても排尿が検出されたときに、排尿があったと検出することで、誤検出が一層抑制された高精度の排尿の検出が可能となる。排尿により排尿部位に色等の変化が生じるようにするには、吸収性物品に、尿と接触することにより色が変化するインジケータを配することも好ましい。
【0048】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。
例えば、排尿検出装置は、排尿判定部を備える本体装置のみからなるものであってもよいが、排尿判定部の機能を、本体装置と補助装置とに分けて備えていてもよい。例えば、第1及び第2実施形態の排尿検出装置においては、本体装置2内に、排尿判定部5及び電池等の電力供給部が配されていたが、排尿判定部5の機能の全体又は一部を、本体装置2と通信可能な補助装置に設けてもよい。その場合、本体装置2内に、補助装置と有線又はWi-Fi(登録商標)等の無線でデータの伝達可能な通信部を設け、温度センサー又は湿度センサーからの温度又は湿度のデータを、必要なアプリやプログラムがインストールされた補助装置に対して出力し、該補助装置に、排尿検出部56の判定及び判定結果の表示を行わせることもできる。また、排尿判定部5における排尿表示手段以外の機能を補助装置に行わせることもできる。補助装置は、例えばスマートフォン等の携帯端末や、デスクトップ又はラップトップのパソコン等である。電力供給部が備える電池は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の充電池(2次電池)であることが好ましいが、充電不可能な乾電池や水素電池等であってもよい。
【0049】
本体装置2の形状も適宜変更可能であり、例えば平面視形状は円形のものに代えて、楕円形、三角形、四角形等の多角形、トランプのハート形等とすることもできる。また本体装置2は、平面視したときの直径又は円相当径よりも高さTが小さい扁平な形状であることが好ましいが、非扁平な形状のものであってもよい。また外側カバーも、ドーム状に代えて、ドーム状の部分と該部分の周縁から外側に延出する扁平部分とからなる帽子形状や、平坦な天面を有する筒状体等とすることもできる。また内側壁体も、その平面視形状が、外側カバーの平面視形状と一致するものであってもよく、外側カバーの平面視形状と一致しないものであってもよい。後者の場合、例えば、本体装置2におけるおむつ10の外面S1と対向する面は、該外面S1と接触する内側壁体と、該内側壁体よりも該外面S1から離れて位置する段差面とによって形成される。
【0050】
貫通孔である通気部、透湿性の材料からなる通気部、防水性且つ透湿性の素材からなる通気部の形状や形成位置は、適宜に変更することができる。
図9に、これらの通気部の形状及び形成位置の他の例を示した。
図9(a)は、おむつ外面と接触させる側とは反対側を覆う外側カバー72に、貫通孔からなる通気部76を設けた例、
図9(b)は、外側カバー72に、透湿性の材料又は防水性且つ透湿性の材料からなる通気部76を設けた例、
図9(c)及び(d)は、おむつ外面と接触させる側の面を形成する内側壁体71に、通気部75を設けた例である。
また温度の変化及び湿度の変化が同時に生じたことをもって排尿があったと判定させると、排尿の検出の信頼性が向上するため、外側カバー72及び内側壁体71の両方に通気部を形成することは必須ではなく、例えば、外側カバー72及び内側壁体71のうちの内側壁体71のみに通気部75があってもよい。
【0051】
また上述した実施形態における温度変化検出及び湿度変化検出部は、温度の変化速度及び湿度の変化速度が所定の設定値を満たすか否かを基準に、排尿に伴う温度及び湿度変化を検出したが、例えば、湿度が所定の値、例えば相対湿度70%を超えたときに、排尿に伴う湿度の変化が生じたとする第1の判定を行ってもよい。また初回の排尿の検出と、2回目以降の検出とで手法を異ならせてもよい。排尿検出回数メモリ57に格納されている排尿回数情報に基づき、排尿回数に応じて、第1の判定基準又は第2の判定基準に用いる設定値を変化させることもできる。
【0052】
上述した本発明の実施形態に関し、さらに以下の排尿検出装置又は排尿検出方法を開示する。
<1>
湿度センサーを内蔵し、おむつの外面に取り付けられる本体装置を備え、
前記本体装置内又は該本体装置と通信可能な補助装置に、
前記本体装置を前記おむつの外面に取り付けた状態下に前記おむつの外面の湿度の変化を記録し、該湿度の変化に基づいて同一おむつに対する2回目以降の排尿があったことを検出可能な排尿判定部を備える、排尿検出装置。
<2>
前記本体装置は、前記湿度センサー及び温度センサーを内蔵しており、
前記排尿判定部は、前記おむつの外面の温度の変化も記録し、前記おむつの外面の湿度及び温度に、それぞれ所定の変化がともに計測されたときに、排尿があったと判定する、前記<1>に記載の排尿検出装置。
【0053】
<3>
前記本体装置は、前記湿度センサー及び温度センサーを内蔵しており、
前記排尿判定部は、前記おむつの外面の温度の変化も記録し、1回目の排尿を検出した後に、前記おむつの外面の湿度及び温度に、それぞれ所定の変化が共に計測されたときに、2回目以降の排尿があったと判定する、前記<1>又は<2>に記載の排尿検出装置。
<4>
前記本体装置は、前記湿度センサー及び温度センサーを内蔵しており、
前記排尿判定部は、前記おむつの外面の温度の変化も記録し、前記おむつの外面の相対湿度が75%以上であり且つ該外面の温度に所定の変化が計測されたときに、2回目以降の排尿があったと判定する、前記<1>又は<2>に記載の排尿検出装置。
<5>
前記本体装置は、前記湿度センサー及び温度センサーを内蔵しており、
前記排尿判定部は、前記おむつの外面の温度の変化も記録し、前記おむつの外面の絶対湿度と温度とが同時に上昇することが計測されたときに、2回目以降の排尿があったと判定する、前記<2>又は<3>に記載の排尿検出装置。
<6>
前記湿度における前記所定の変化は、上昇速度が3%/1分以上の相対湿度の上昇である、前記<2>~<5>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<7>
前記上昇速度が、4%/1分以上50%/1分以下の相対湿度の上昇である、前記<6>に記載の排尿検出装置。
【0054】
<8>
前記湿度における前記所定の変化は、上昇速度が(1.5g/m3)/1分以上の絶対湿度の上昇である、前記<2>~<7>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<9>
湿度データの取得間隔が2分以下であり、前の取得時の湿度との差分から前記湿度の上昇速度を算出する、前記<6>~<8>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<10>
前記湿度データの取得間隔が2分以下であり、また好ましくは1秒以上、より好ましくは10秒以上であり、また好ましくは1秒以上2分以下、より好ましくは1秒以上1分以下、更に好ましくは10秒以上1分以下である、前記<9>に記載の排尿検出装置。
<11>
前記温度における前記所定の変化は、上昇速度が0.2℃/1分以上の温度上昇である、前記<2>~<10>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<12>
前記上昇速度が、0.2℃/1分以上5℃/1分以下である、前記<11>に記載の排尿検出装置。
<13>
温度データの取得間隔が2分以下であり、前の取得時の温度との差分から前記温度の上昇速度を算出する、前記<11>又は<12>に記載の排尿検出装置。
<14>
前記温度データの取得間隔が1分以下であり、また好ましくは1秒以上、より好ましくは10秒以上であり、また好ましくは1秒以上2分以下、より好ましくは1秒以上1分以下、更に好ましくは10秒以上1分以下である、前記<13>に記載の排尿検出装置。
【0055】
<15>
排尿回数又は総吸収量が増加するに連れて、排尿時における温度の上昇速度が低下することを利用し、前記相対湿度が所定値以上であり、且つ前記温度の上昇速度が所定値以下となったとき、おむつの交換を促す警告手段を備えており、
警告を発する条件は、
前記相対湿度が75%以上であり、且つ前記温度の上昇速度が0.2℃/1分以上1℃/1分以下であるか、又は
前記相対湿度が75%以上であり、且つ前記温度の上昇速度が0.2℃/1分以上0.5℃/1分以下である、前記<1>~<14>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<16>
前記本体装置は、前記湿度センサーが少なくとも内部に配された収容体を有し、該収容体に、おむつの外面から排出された湿気を取り込む湿気導入部、及び該収容体内で、前記湿度センサーと接触した後の湿気を外部に排出させる湿気排出部が形成されている、前記<1>~<15>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<17>
前記収容体は、おむつの外面と接触させる側の面を形成する内側壁体と、おむつの外面と接触させる側とは反対側を覆う外側カバーを有し、前記内側壁体に前記湿気導入部が形成され、前記外側カバーに前記湿気排出部が形成されている、前記<16>に記載の排尿検出装置。
<18>
前記湿気導入部及び前記湿気排出部が、前記収容体に形成された貫通孔であり、前記外側カバーに形成された貫通孔の開口面積率が、前記内側壁体に形成された貫通孔の開口面積率以下である、前記<17>に記載の排尿検出装置。
【0056】
<19>
前記内側壁体に形成された前記貫通孔の開口面積率に対する前記外側カバーに形成された前記貫通孔の開口面積率の比率が、10%以上、好ましくは30%以上であり、また100%以下、好ましくは80%以下であり、また10%以上100%以下、好ましくは30%以上80%以下である、前記<18>に記載の排尿検出装置。
<20>
前記内側壁体に形成された前記貫通孔の開口面積率は、1%以上、好ましくは3%以上であり、また50%以下、好ましくは30%以下であり、また1%以上50%以下、好ましくは3%以上30%以下である、前記<18>に記載の排尿検出装置。
<21>
前記外側カバーに形成された前記貫通孔の開口面積率は、0.1%以上、好ましくは1%以上であり、また30%以下、好ましくは10%以下であり、また0.1%以上30%以下、好ましくは1%以上10%以下である、前記<18>に記載の排尿検出装置。
<22>
前記湿気導入部及び前記湿気排出部のうちの一方又は双方が、透湿性の素材が配された通気部である、前記<16>~<21>のいずれか1項に記載の排尿検出装置。
<23>
前記透湿性の素材は、JIS Z0208 カップ法に従って測定される透湿率が、24g/m2・24Hr以上、より好ましくは48g/m2・24Hr以上であり、また好ましくは2400g/m2・24Hr以下、より好ましくは1200g/m2・24Hr以下であり、また好ましくは24g/m2・24Hr以上2400g/m2・24Hr以下、より好ましくは48g/m2・24Hr以上1200g/m2・24Hr以下である、前記<22>に記載の排尿検出装置。
<24>
前記湿気導入部の方が、前記湿気排出部よりも透湿性が高い、前記<16>~<21>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<25>
前記湿気導入部は、JIS Z0208 カップ法に従って測定される透湿率が、前記湿気排出部の該透湿率の2倍以上、好ましくは3倍以上であり、また100倍以下、好ましくは10倍以下であり、また2倍以上100倍以下、好ましくは3倍以上10倍以下である、前記<24>に記載の排尿検出装置。
<26>
前記湿気導入部及び前記湿気排出部のうちの一方又は双方が、防水性及び透湿性を有する素材が配された通気部である、前記<16>~<21>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
【0057】
<27>
前記本体装置に、おむつの外面に止着させるための止着材が設けられている、前記<1>~<26>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<28>
光学的排尿検知装置を更に備える、前記<1>~<27>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<29>
前記本体装置内に、サンプリング時間発生部、データサンプリング部、データ保持メモリ、温度及び湿度の一方又は双方についての変化検出部、排尿検出部及び電力供給部を含む、前記<1>~<28>のいずれか1に記載の排尿検出装置。
<30>
前記本体装置内に、サンプリング時間発生部、温度及び湿度用のデータサンプリング部、温度データ保持メモリ、湿度データ保持メモリ、外部と通信可能な装置及びこれらに必要な電力を供給する電力供給部を含む、前記<1>~<29>ののいずれか1に記載の排尿検出装置。
<31>
おむつの排尿部位におけるおむつの外面の湿度及び温度を計測し、該湿度及び該温度の上昇速度が共にそれぞれの設定値を超えたときに排尿があったと判定する、排尿検出方法。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の排尿検出装置及び排尿検出方法によれば、高精度且つ衛生的に排尿の検出が可能であり、1回目はもとより、2回目以降の排尿の検出も可能である。