(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】制御装置、空調システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 5/00 20060101AFI20230227BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20230227BHJP
F24F 11/86 20180101ALI20230227BHJP
F24F 1/0043 20190101ALI20230227BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20230227BHJP
【FI】
F24F5/00 K
F24F11/74
F24F11/86
F24F1/0043
F24F110:10
(21)【出願番号】P 2018184271
(22)【出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】中村 隆則
(72)【発明者】
【氏名】坪野 正寛
(72)【発明者】
【氏名】中野 学
(72)【発明者】
【氏名】大村 峰正
(72)【発明者】
【氏名】平尾 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】角田 正
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-051448(JP,A)
【文献】特開2001-090991(JP,A)
【文献】特開2017-078556(JP,A)
【文献】特開2000-161685(JP,A)
【文献】特開2008-241063(JP,A)
【文献】特開2014-095544(JP,A)
【文献】特開2012-189302(JP,A)
【文献】特開平06-042780(JP,A)
【文献】特開平11-248232(JP,A)
【文献】米国特許第05542260(US,A)
【文献】国際公開第2017/203704(WO,A1)
【文献】特開2017-015267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 5/00
F24F 11/74
F24F 11/86
F24F 13/32
F24F 110/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、
前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度
の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記空気調和機が備える圧縮機および前記ファンを制御する、
制御装置。
【請求項2】
空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、
前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度
の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記空気調和機が備える圧縮機を制御する、
制御装置。
【請求項3】
空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、
前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度
の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記ファンを制御する、
制御装置。
【請求項4】
冷房運転時に、前記温度指標が所定の第1閾値より大きい場合、前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記温度指標が前記第1閾値より小さい場合、前記温度指標が前記第1閾値より小さい所定の第2閾値以上であれば、前記圧縮機の回転数を維持し、前記温度指標が前記第2閾値より小さければ、前記圧縮機の回転数を低下させる、
請求項1または請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
暖房運転時に、前記温度指標が所定の第3閾値より小さい場合、前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記温度指標が前記第3閾値
以上の場合、前記温度指標が前記第3閾値より
大きい所定の第4閾値以上であれば、前記圧縮機の回転数を
低下させ、前記温度指標が前記第4閾値より
小さければ、前記圧縮機の回転数を
維持させる、
請求項1、請求項2、請求項4の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
冷房運転時に、前記温度指標が所定の第5閾値より大きい場合、前記ファンの回転数を低下させ、前記温度指標が前記第5閾値より小さい場合、前記温度指標が前記第5閾値より小さい所定の第6閾値以上であれば、前記ファンの回転数を維持し、前記温度指標が前記第6閾値より小さければ、前記ファンの回転数を上昇させる、
請求項1、請求項3の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
暖房運転時に、前記温度指標が所定の第7閾値より小さい場合、前記ファンの回転数を低下させ、前記温度指標が前記第7閾値
以上の場合、前記温度指標が前記第7閾値より
大きい所定の第8閾値以上であれば、前記ファンの回転数を
上昇させ、前記温度指標が前記第8閾値より
小さければ、前記ファンの回転数を
維持させる、
請求項1、請求項3、請求項6の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
空調対象となる空間の空気を吸入して、前記空気の温度を制御する空気調和機と、
前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、
前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、
前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、
前記放射パネルモジュールの放射面の表面温度を計測するセンサと、
請求項1から請求項
7の何れか1項に記載の制御装置と、
を備える空調システム。
【請求項9】
空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、
前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度
の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記空気調和機が備える圧縮機および前記ファンを制御する、
制御方法。
【請求項10】
空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、
前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記空気調和機が備える圧縮機又は前記ファンを制御する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、空調システム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、空気調和機により温度制御された空調エアを床面に配置されたパネルボードに送り、パネルボードを冷却または加熱して、該パネルボードからの冷気または暖気を室内に放射する空気式放射空調システムが開示されている。この空気式放射空調システムでは、パネルボードを通過した空調エアをパネルボード端部のグリルより室内へ吹き出す。これにより、パネルボードからの熱放射だけでなく、空調エアによっても室内を冷暖房することができる。また、特許文献1には、室内へ吹き出した空調エアが、再び空気調和機に吸引され再利用されることが記載されている。特許文献1に記載の空気式放射空調システムでは、一般に室内温度と設定温度の温度差に基づいて圧縮機の制御を行うことが多い。
【0003】
また、特許文献2には、床暖房と室内機とを備える空気調和装置において、床面温度と室温の各々を快適な目標床面温度、目標室温に近づける制御を行うことが記載されている。特許文献2の空気調和機では、ヒートポンプが生成した温水を床暖房パネルと室内機へ循環させて、床暖房パネルからの放熱と、室内機にて温水によって温められた空気をファンによって室内へ送風することにより暖房を行っている。特許文献2に記載の制御では、温水の温度調節により床面温度を目標床面温度に近づけ、室内機ファンによる風量調節により室温を目標室温に近づけている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-232989号公報
【文献】特開2003-120945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空気式放射空調システムにおいて、空気調和機によって温度制御された空調エアは、放射パネルの温度制御と室内空気の温度制御の両方に用いられる。上記のように室内温度のみによって空調の制御を行う場合、放射パネルの温度制御が適切ではなくなり、室内温度と放射パネル温度を含む全体の空調環境は快適範囲から逸脱する可能性がある。また、特許文献2に記載の空気調和機では、床面温度と室温をそれぞれの目標温度に制御することができるが、空調エアの循環により室内温度と放射パネル温度の両方を制御する空気式放射空調システムには適用できない。これに対し、空気式放射空調システムにおいて、所望の室内温度および放射パネル温度を実現する制御が求められている。
【0006】
そこでこの発明は、上述の課題を解決することのできる制御装置、空調システム及び制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、制御装置は、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記空気調和機が備える圧縮機および前記ファンを制御する。
【0008】
本発明の一態様によれば、制御装置は、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記空気調和機が備える圧縮機を制御する。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記ファンを制御する。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、冷房運転時に、前記温度指標が所定の第1閾値より大きい場合、前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記温度指標が前記第1閾値より小さい場合、前記温度指標が前記第1閾値より小さい所定の第2閾値以上であれば、前記圧縮機の回転数を維持し、前記温度指標が前記第2閾値より小さければ、前記圧縮機の回転数を低下させる。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、暖房運転時に、前記温度指標が所定の第3閾値より小さい場合、前記圧縮機の回転数を上昇させ、前記温度指標が前記第3閾値以上の場合、前記温度指標が前記第3閾値より大きい所定の第4閾値以上であれば、前記圧縮機の回転数を低下させ、前記温度指標が前記第4閾値より小さければ、前記圧縮機の回転数を維持させる。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、冷房運転時に、前記温度指標が所定の第5閾値より大きい場合、前記ファンの回転数を低下させ、前記温度指標が前記第5閾値より小さい場合、前記温度指標が前記第5閾値より小さい所定の第6閾値以上であれば、前記ファンの回転数を維持し、前記温度指標が前記第6閾値より小さければ、前記ファンの回転数を上昇させる。
【0013】
本発明の一態様によれば、前記制御装置は、暖房運転時に、前記温度指標が所定の第7閾値より小さい場合、前記ファンの回転数を低下させ、前記温度指標が前記第7閾値以上の場合、前記温度指標が前記第7閾値より大きい所定の第8閾値以上であれば、前記ファンの回転数を上昇させ、前記温度指標が前記第8閾値より小さければ、前記ファンの回転数を維持させる。
【0014】
本発明の一態様によれば、空調システムは、空調対象となる空間の空気を吸入して、前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、前記放射パネルモジュールの放射面の表面温度を計測するセンサと、上記の何れかに記載の制御装置と、を備える。
【0015】
本発明の一態様によれば、制御方法は、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記空気調和機が備える圧縮機および前記ファンを制御する。
【0016】
本発明の一態様によれば、制御方法は、空調対象となる空間の空気を吸入して前記空気の温度を制御する空気調和機と、前記空間に接する面に配置された放射パネルモジュールと、前記空気調和機によって温度制御された前記空気を前記放射パネルモジュールへ送出するファンと、前記放射パネルモジュールを通過した前記空気を前記空間へ吹き出す吹出口と、を含む空調システムにおいて、前記空間の温度と前記放射パネルモジュールの放射面の温度の加重平均によって算出した温度指標に基づいて、前記空気調和機が備える圧縮機又は前記ファンを制御する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、空気式放射空調システムにおいて、室内温度と放射パネル温度を含む全体の空調環境を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態における空調システムの一例を示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態における放射パネルとその配置例を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態における冷媒回路の一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態における制御装置の一例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態における圧縮機とファンの回転数制御の一例を示す第1のフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態における圧縮機とファンの回転数制御の一例を示す第2のフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態における動作温度と圧縮機およびファンの制御方法の関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態>
以下、本実施形態の空調システムについて図を参照しつつ説明を行う。
図1は、本発明の一実施形態における空調システムの一例を示す概略図である。
空調システム100は、室内機10と、室外機20と、放射パネルモジュール40A,40Bと、ダクト13と、を備える。以下、放射パネルモジュール40A,40B等を総称して放射パネルモジュール40と記載する場合がある。
室内機10は、空調対象となる室内の空間W0の天井裏などに設置され、吸込口W1から空間W0の空気Wを吸入し、この空気Wを適切な温度に調節してダクト13へ送出する。空間W0の床、壁面、天井などには、少なくとも1つの放射パネルモジュール40が配置され、ダクト13へ送出された温度制御済みの空気Wは、放射パネルモジュール40へ供給される。放射パネルモジュール40は、ふく射熱を空間W0へ放射する放射パネルと、室内機10から供給される空気Wが通過する流路を備える。放射パネルは空間W0と接するように床、壁、天井などの表面にその放射面(放射パネル)が空間W0側を向くように配置され、放射パネルの裏面を通過する温度制御済みの空気Wが放射パネルを冷却または加熱する。放射パネルが冷却または加熱されることにより、放射パネルを介してふく射熱が空間W0へ伝達し、空間W0を冷房または暖房する。なお、放射パネルモジュール40A、放射パネルモジュール40Bは、配管等で接続されていて、放射パネルモジュール40Aを通過した空気Wは、放射パネルモジュール40Bへ供給される。室内機10から供給される空気Wは、放射パネルモジュール40A、放射パネルモジュール40Bを通過し、吹出口W2Aから空間W0へ吹き出され、空間W0を冷却または加熱する。このように空調システム100は、放射式および対流式の2方式による空調を行って空間W0の冷暖房を行う。
【0020】
空調システム100は、放射パネルモジュール40の放射面の温度を計測する温度センサ16を備える。放射面の温度を計測する温度センサ16とは、例えば、赤外線温度センサ14である。あるいは、温度センサ16は、放射パネルモジュール40A、40Bの放射面に設けられた熱電対15A,15Bでもよい。
図1の例のように放射パネルモジュール40を床面に配置する場合、温度センサ16は、床面温度を計測する。
【0021】
次に放射パネルモジュール40の構成および配置の一例について説明する。
図2は本発明の一実施形態における放射パネルモジュールとその配置例を示す図である。
図2に放射パネルモジュール40の平面図を示す。
図2に示す例では、空間W0の床面に4つの放射パネルモジュール40A,40B,40C,40Dが配置されている。放射パネルモジュール40Aを例に放射パネルモジュール40の構成を説明する。放射パネルモジュール40Aは、ダンパー42Aと、流路形成部材41A1,41A2,41A3,41A4,41A5,41A6と、ダンパー制御部43Aと、入口部44Aと、出口部45Aと、を備えている。また、放射パネルモジュール40Aの上側の面(空間W0の床面)は、図示しない放射パネルで形成されている。ダンパー制御部43Aは、制御装置30の指示に基づいてダンパー42Aの開閉動作を制御する。ダンパー42Aが実線で示す位置にあるとき(開状態とする)、入口部44Aから流入した空気Wは、実線矢印が示す方向にバイパス流路46Aを通過し、出口部45Aから送り出される。一方、ダンパー制御部43Aの制御によりダンパー42Aが破線で示す位置にあるとき(閉状態とする)、入口部44Aから流入した空気Wは、破線矢印が示す方向に熱交換流路47A1,47A2,47A3,47A4,47A5,47A6,47A7を通過し、出口部45Aから送り出される。
【0022】
空気Wが、熱交換流路47A1等を通過すると、放射パネルモジュール40Aからのふく射熱が増大し、暖房時には床(放射パネル)が暖かくなる。反対に空気Wがバイパス流路46Aを通過した場合には、放射パネルモジュール40Aが配置された領域の床の温度上昇は抑えられ、暖かい空気Wは対流式の空調で利用される。例えば、ユーザが、放射パネルモジュール40Aが配置された領域で過ごす場合、リモートコントローラ等によって、放射パネルモジュール40Aのダンパー42Aを切り替える指示を行い、空気Wが熱交換流路47A1等を通過するように制御することができる。あるいは、冷房運転時にユーザが、放射パネルモジュール40Aが配置された領域で過ごす場合、足元が冷えるのを抑えるためにリモートコントローラにより、ダンパー42Aを切り替える指示を行い、空気Wがバイパス流路46Aを通過するように制御することができる。放射パネルモジュール40B~40Dについても同様に構成されている。
【0023】
図示するように放射パネルモジュール40Aと放射パネルモジュール40Bは配管50Aで接続されている。同様に放射パネルモジュール40Cと放射パネルモジュール40Dは配管50Cで接続されている。ダクト13は2つに分岐して、入口部44A,44Cと接続している。室内機10からダクト13を介して温度制御済みの空気Wが放射パネルモジュール40Aの入口部44Aと放射パネルモジュール40Cの入口部44Cへ供給される。放射パネルモジュール40Aへ供給された空気Wは、バイパス流路46A又は熱交換流路47A1等を通過して出口部45Aから配管50Aを介して放射パネルモジュール40Bの入口部44Bへ供給される。同様に放射パネルモジュール40Cへ供給された空気Wは、放射パネルモジュール40Cの内部を通過して出口部45Cから配管50Cを介して放射パネルモジュール40Dの入口部44Dへ供給される。放射パネルモジュール40B,40Dについても同様である。放射パネルモジュール40B,40Dがそれぞれ出口部45B,45Dから送り出した空気Wは、吹き出し口W2A~W2Dから空間W0へ吹き出される。
【0024】
放射パネルモジュール40A~40Dのダンパー42A~42Dは、各々独立して制御することができるので、例えば、放射パネルモジュール40Aのみ空気Wが熱交換流路47A1等を流れるようにダンパー42Aを閉状態とし、放射パネルモジュール40B~40Dについては、それぞれダンパー42B~42Dを開状態に制御することができる。
【0025】
吹き出し口W2A~W2Dから空間W0へ吹き出された空気Wは、空間W0を冷房または暖房して、再び吸込口W1から室内機10へ吸入される。
図1、
図2に例示するように、天井の吸入口W1と吹出口W2A~W2Dとを離れた位置に設け、その間に複数の放射パネルモジュール40を並べて配置することができる。例えば、吸入口W1と吹出口W2A等とが、空調対象の部屋の両端に近い位置に設けられていれば、対流式の空調において部屋全体を偏りなく空調することができる。また、複数の放射パネルモジュール40を、配管50を介して任意の方向に接続することで2次元平面状に放射パネルを配置することができる。これにより、放射式の空調によっても部屋全体を空調することができる。
【0026】
なお、ダンパー42Aの切り替えは、完全な開状態と閉状態との間で切り替える制御に限定されない。例えば、ステッピングモータを用いて、開状態と閉状態との間を多段階に切り替えられるように制御してもよい。これにより、熱交換流路47A1等に流入する空気Wの流量とバイパス流路46Aに流入する空気Wの流量とを調整し、より細やかな温度制御を行うことができる。例えば、暖房中に床の温度が高いと感じた場合、ユーザの指示によりダンパー制御部43Aは、ダンパー42Aの位置を開状態と閉状態の中間の位置に制御してもよい。すると、閉状態に制御した場合よりは少ない量の空気Wが熱交換流路47A1等へ流入するため、床の温度上昇を抑えることができる。
【0027】
図1に戻り、吸込口W1から吸入された空気Wは、室内機10が備える室内熱交換器2との間で熱交換を行い、適切な温度に制御され、ファン9によって再びダクト13へ送出される。室内機10は、室内熱交換器2、ファン9、温度センサ11、湿度センサ12、制御装置30を備える。また、制御装置30は、温度センサ16と接続されている。温度センサ11は、吸込口W1から吸入された空気Wの温度を計測する。湿度センサ12は、吸込口W1から吸入された空気Wの湿度(相対湿度)を計測する。制御装置30は、温度センサ11および湿度センサ12の計測値に基づいて、ファン9の回転数を制御し、空気Wをダクト13へ送出する。室内機10は、室外機20と冷媒配管6、図示しない通信線等で接続される。室内機10と室外機20は、冷凍サイクルを構成しており、冷媒を冷凍サイクル内で循環させることによって冷媒の加熱・冷却を行い、室内熱交換器2を通じて空気Wを所望の温度に制御する。
【0028】
室内機10は、室外機20と冷媒配管6、図示しない通信線等で接続される。室内機10と室外機20は、冷凍サイクルを構成しており、冷媒を冷凍サイクル内で循環させることによって冷媒の加熱・冷却を行い、室内熱交換器2を通じて空気Wを所望の温度に制御する。特に本実施形態では、空間W0の温度と床面温度とを用いて算出した動作温度T0に基づいて冷凍サイクルの運転を行う。空間W0の温度だけではなく床面温度を含めた動作温度T0が示す空調負荷に応じた適切な能力で冷凍サイクルの運転を行うことにより、室内温度と放射パネル温度を含む全体の空調環境を適切な温度に制御することができる。また、過剰な能力での運転を防止し、消費電力を低減することができる。ここで、
図3を用いて、室内機10と室外機20による冷凍サイクルの運転について説明する。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態における冷媒回路の一例を示す図である。
図3に示すように室内機10は、室内熱交換器2、ファン9を備える。室外機20は、圧縮機1、膨張弁3、室外熱交換器4、四方弁5を備える。圧縮機1、室内熱交換器2、膨張弁3、室外熱交換器4、四方弁5は冷媒配管6で接続される。
圧縮機1は、冷媒を圧縮し、圧縮後の高温、高圧の冷媒を吐出する。暖房運転では、冷媒は矢印8の方向に循環する。つまり、圧縮機1が吐出した冷媒は、四方弁5を介して室内熱交換器2に供給される。冷媒は、室内熱交換器2にて、吸込口W1から吸入した空気Wへ放熱し、凝縮して液化する。凝縮した冷媒は、膨張弁3によって減圧され、低圧の冷媒となる。低圧の冷媒は、室外熱交換器4へ供給され、外気からの吸熱により気化する。気化した冷媒は、四方弁5を通過して圧縮機1へ吸入される。圧縮機1は低圧の冷媒を圧縮して高圧の冷媒を吐出する。
【0030】
また、冷房運転では、冷媒は矢印7の方向に循環する。つまり、圧縮機1が吐出した高圧の冷媒は、四方弁5を介して室外熱交換器4に供給され外気へ放熱し凝縮する。凝縮した冷媒は膨張弁3によって減圧される。低圧の冷媒は、室内熱交換器2へ供給され、空気Wから吸熱して空気Wを冷却し、気化する。気化した冷媒は、四方弁5を通過して圧縮機1へ吸入される。圧縮機1は低圧の冷媒を圧縮して高圧の冷媒を吐出する。なお、除湿運転についても冷媒が循環する方向は冷房運転と同様である。
【0031】
室外機20の制御装置21は、暖房と冷房に応じた四方弁5の切り替えや、圧縮機1を駆動する等して冷凍サイクルの運転を行う。冷凍サイクルの運転により冷却または加熱された冷媒は、室内熱交換器2で空気Wと熱交換する。制御装置30は、ファン9を駆動して、所望の温度に制御された空気Wをダクト13へ送出する。次に制御装置21と制御装置30について説明する。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態における制御装置の一例を示すブロック図である。
制御装置21,30は、例えばマイコン等のコンピュータ装置である。図示するように制御装置30は、センサ情報取得部31と、設定情報取得部32と、タイマ33と、記憶部34と、制御部35と、通信部36とを備えている。制御装置21は、通信部22と、制御部23と、記憶部24とを備えている。
【0033】
センサ情報取得部31は、温度センサ11から空間W0の温度の計測値、湿度センサ12から空気Wの湿度の計測値、温度センサ16から床面温度(放射面の表面温度)を取得する。
設定情報取得部32は、ユーザがリモートコントローラ等から入力した各種設定情報を取得する。例えば、設定情報取得部32は、運転の開始と停止の指示、冷房・暖房の設定、室温の設定、風量の設定、床のどのエリア(放射パネルモジュール40A~40Dの何れか)を温めるか(又は冷却するか)等の設定情報を取得する。
タイマ33は、時間を計測する。
記憶部34は、センサ情報取得部31が取得した温度や湿度の計測値、設定情報取得部32が取得した各種設定情報など種々の情報を記憶する。また、記憶部34は、制御部35の機能を実現する各種プログラムを記憶する。
【0034】
制御部35は、室内機10の制御を行う。例えば、設定情報取得部32が、冷房の運転開始指示、冷房時の設定温度を取得すると、通信部36を介して室外機20の制御装置21へ、それらの設定情報を通知する。また、例えば、冷房時にユーザが、放射パネルモジュール40Aのエリアをあまり冷やさないように設定した場合、制御部35は、ダンパー制御部43Aへ、ダンパー42Aを開状態とするよう指示する。また、例えば、設定情報取得部32が、所定の風量の設定情報を取得すると、制御部35は、ダクト13へ供給される空気Wの風量が所定の風量となるようファン9の回転数を制御する。例えば、風量が強、中、弱の3段階で設定できる場合、それらの設定ごとにファン9の回転数が定められていて、制御部35は、ユーザが指定した風量の設定に対応する回転数でファン9を駆動する。また、空調システム100に、本実施形態に係る動作温度T0に基づく制御(以下、動作温度制御と記載)を適用して運転する場合、制御部35は、空間W0の温度と床面温度に基づく所定の動作温度T0が、所定の範囲に整定するようにファン9の回転数を制御する。ここで、温度センサ11が計測する温度をTa、温度センサ16が計測する温度をTrとすると、動作温度T0は、例えば、T0=(Ta+Tr)÷2で定義することができる。より一般的には、αを重み付け係数とし、T0=(αTa+(1-α)Tr)÷2としてもよい。また、動作温度制御とは、空間W0の温度だけではなく、床面温度を含めた動作温度T0をパラメータとして動作温度T0の大きさに基づいて、空調システム100の運転を行う制御である。
【0035】
通信部36は、制御装置21との間の通信を行う。例えば、設定情報取得部32が、運転停止指示を取得すると、通信部36は、その運転停止指示を室外機20の制御装置21へ送信する。また、センサ情報取得部31が、温度センサ11,16の計測値を取得すると、通信部36は、それらの計測値を制御装置21へ送信する。また、通信部36は、ダンパー制御部43A等と通信を行う。例えば、制御部35が、ダンパー42Aを閉状態にするよう指示した場合、通信部36は、その指示情報を、ダンパー制御部43Aへ送信する。
【0036】
制御装置21では、通信部22が、ユーザが入力した設定情報や温度センサ11,16等の計測値を取得する。
制御部23は、温度センサ11が計測した空気Wの温度とユーザが指定した設定温度との温度差に応じた回転数で圧縮機1を駆動して、空間W0の温度が設定温度となるように冷凍サイクルの運転を行う。また、本実施形態に係る動作温度制御の場合、制御部23は、動作温度T0が所定の範囲に整定するように圧縮機1の回転数を変更する。動作温度制御時には、制御部23は、圧縮機1の制御により、空間W0の温度が設定温度となるとともに床面温度が適切な温度となるように冷凍サイクルの運転を行う。
記憶部24は、通信部22が取得した温度の計測値、各種設定情報など種々の情報を記憶する。また、記憶部24は、制御部23の機能を実現する各種プログラムを記憶する。
【0037】
次に動作温度制御における圧縮機1およびファン9の回転数制御について説明する。
図5は、本発明の一実施形態における圧縮機とファンの回転数制御の一例を示す第1のフローチャートである。
まず、設定情報取得部32が、ユーザが指定した設定温度や運転モード(冷房、暖房、除湿)等の設定情報を取得する(ステップS11)。設定情報取得部32は、取得した設定情報を記憶部34に記録する。また、通信部36が設定情報を室外機20の制御装置21へ送信する。制御装置21では、通信部22が設定情報を取得し、記憶部24へ記録する。
次にセンサ情報取得部31が、温度センサ11が計測した温度Ta、温度センサ16が計測した温度Trを取得する(ステップS12)。センサ情報取得部31は、温度Ta,Trを記憶部34に記録する。また、通信部36が、温度Ta,Trを制御装置21へ送信する。制御装置21では、通信部22が温度Ta,Trを取得し、記憶部24へ記録する。
次に制御部23および制御部35が、温度Ta,Trから式(1)により、動作温度T0を演算する(ステップS13)。
T0 = (Ta + Tr)÷ 2 ・・・(1)
次に制御部23は、運転モードが冷房または除湿であるか否かを判定する(ステップS14)。運転モードが暖房の場合(ステップS14;No)、後に
図6を用いて説明する処理に移る。
【0038】
(冷房、除湿運転)
運転モードが冷房または除湿の場合(ステップS14;Yes)、制御部23は、動作温度T0に基づいて圧縮機1の回転数を制御する。制御部35は、動作温度T0に基づいてファン9の回転数を制御する。
【0039】
ここで、
図7(a)を参照する。
図7は、本発明の一実施形態における動作温度と圧縮機およびファンの制御方法の関係の一例を示す図である。
図7(a)に動作温度制御における冷房・除湿運転時の圧縮機1およびファン9の制御方法を示す。
図7(a)には、冷房・除湿運転中の温度Taおよび温度Trと、動作温度T0と、空調負荷と、蓄熱負荷と、圧縮機及びファンの制御方法との関係の一例が設定されている。空調負荷とは、空間W0の温度制御のための負荷である。空調負荷は、設定温度と温度Taの温度差が大きい程、高負荷となる。蓄熱負荷とは、放射パネルの温度制御のための負荷である。蓄熱負荷は、温度Trと床面温度の目標値との温度差が大きい程、高負荷となる。床面温度の目標値は、人が快適と感じる範囲の温度であり、例えば、設定温度ごとに定められていてもよい。冷房運転や除湿運転時、放射パネルモジュール40の流路には、冷却された空気Wが通過する。そのために放射パネルの表面温度Trは比較的低下しやすい。その為、
図7(a)のTrの列には「中」又は「低」が設定されている(「高」にならない)。また、対応する蓄熱負荷の列にはTrの大きさに応じて「大」又は「小」が設定されている。一方、空間W0の温度Taは設定温度より高温となりがちである。その為、
図7(a)のTaの列には「高」又は「中」が設定されている。「高」と「中」は、設定温度との温度差に応じて温度差が所定の閾値より大きければ「高」、閾値以下ならば「中」が設定される。また、対応する空調負荷の列にはTaの大きさに応じて「大」又は「小」が設定されている。
【0040】
動作温度T0の列には、式(1)で演算される動作温度T0の大きさに応じて「高」>「中1」>「中2」>「低」が設定されている。また、圧縮機および風量の列には、動作温度T0が「高」、「中1」の場合には圧縮機1の回転数を上昇させ、動作温度T0が「中2」、「低」の場合には圧縮機1の回転数を低下させることが設定されている。また、動作温度T0が「高」、「中2」の場合にはファン9の回転数を低下させ、動作温度T0が「中1」、「低」の場合にはファン9の回転数を上昇させることが設定されている。
【0041】
圧縮機1の回転数を上昇させる場合、動作温度T0が「高」と「中1」の場合とで圧縮機1の回転数の上昇度合いを変更してもよい。例えば、圧縮機1の回転数を上昇させる場合の単位上昇回転数が定められているとすると、動作温度T0が「高」のときには、圧縮機1の回転数を2単位分上昇させ、動作温度T0が「中1」のときには、圧縮機1の回転数を1単位分だけ上昇させてもよい。
【0042】
同様に圧縮機1の回転数を低下させる場合、動作温度T0が「中2」と「低」の場合とで圧縮機1の回転数の低下度合いを変更してもよい。例えば、圧縮機1の回転数を低下させる場合の単位低下回転数が定められているとすると、動作温度T0が「中2」のときには、圧縮機1の回転数を1単位分低下させ、動作温度T0が「低」のときには、圧縮機1の回転数を2単位分低下させてもよい。
【0043】
上記の通り、温度Taの「高」や「中」の判定、温度Trの「中」や「低」の判定は、設定温度に基づく閾値を基準に判定することができる。具体的には、温度Taと設定温度との温度差によって温度Taの「高」や「中」の判定を行うことができ、設定温度に対応する床面温度と温度Trとの温度差により温度Trの「中」や「低」の判定を行うことができる。また、温度Taの「高」、「中」や温度Trの「中」、「低」は、それぞれ空調負荷と蓄熱負荷の「大」,「小」に対応するから、設定温度に基づく閾値によって、空調負荷と蓄熱負荷の「大」,「小」を判定することができる。これらの判定において、温度Taの判定に用いる閾値や温度Trの判定に用いる閾値は、設定温度によって変化する。
図5のフローチャートで用いる設定温度に基づく閾値Th1~Th4は、例えば、設定温度ごとに予め定められている。
以下、空調負荷と蓄熱負荷を含めた全負荷の大きさを判定するための閾値Th1~Th4と、温度Taおよび温度Trから演算される動作温度T0の比較によって、全負荷の大きさに応じた圧縮機1とファン9の回転数制御を行う例を示す。
【0044】
(圧縮機の制御)
図5に戻る。まず、制御部23は、動作温度T0が閾値Th1以上かどうか判定する(ステップS15)。冷房の場合、動作温度T0が高い程、空調負荷や蓄熱負荷が大きい、従って、動作温度T0が閾値Th1以上の場合(ステップS15;Yes)、制御部23は、圧縮機1の回転数を上昇させる(ステップS17)。例えば、制御部23は、所定の値だけ圧縮機1の回転数を上昇させてもよい。あるいは、温度Taと設定温度の温度差に応じて、温度差が大きい程、より高速に圧縮機1を駆動してもよい。閾値Th1は、動作温度T0が示す空調負荷と蓄熱負荷を含めた全負荷が高い状態かどうかを判定するための閾値である。動作温度T0≧閾値Th1が成立する場合には、
図7(a)の動作温度T0が「高」、または「高」および「中1」の場合を対応させてもよい。「高」および「中1」に対応させる場合、動作温度T0が「高」と「中1」によって、圧縮機1の回転数の上昇の程度を変えてもよい。
【0045】
動作温度T0が閾値Th1より小さい場合(ステップS15;No)、制御部23は、動作温度T0が閾値Th2より小さいかどうか判定する(ステップS16)。なお、閾値Th1>閾値Th2である。閾値Th2は、動作温度T0が示す空調負荷と蓄熱負荷を含めた全負荷が中程度か低い状態かを判定するための閾値である。動作温度T0が閾値Th2より小さい場合(ステップS16;Yes)、制御部23は、圧縮機1の回転数を低下させる(ステップS18)。例えば、制御部23は、圧縮機1の回転数を所定値まで低下させる。動作温度T0<閾値Th2が成立する場合には、
図7(a)の動作温度T0が、「小」、または「中2」および「小」の場合を対応させてもよい。「中2」および「小」に対応させる場合、動作温度T0が「中2」の場合と「小」の場合で、圧縮機1の回転数を低下させる程度を変えてもよい(例えば、「小」の場合、圧縮機1の回転数をより低下させる)。
【0046】
動作温度T0が閾値Th2以上の場合(ステップS16;No)、制御部23は、圧縮機1の回転数を維持する(ステップS19)。なお、
図7(a)に示す例では、動作温度T0が「中1」の場合に圧縮機1の回転数を上昇させ、動作温度T0が「中2」の場合に圧縮機1の回転数を低下させるよう設定されているが、動作温度T0≧閾値Th2が成立する場合に、
図7(a)の動作温度T0が「中1」や「中2」の場合を対応させて、これらの条件が成立する場合には、圧縮機1の回転数を維持するように制御してもよいし、
図7(a)に例示するように温度Taに応じて、圧縮機1の回転数を上昇させたり低下させたりしてもよい。
【0047】
次に制御部23は、運転を終了するかどうか否かを判定する(ステップS25)。例えば、ユーザが運転終了を指示すると、制御部23は、圧縮機1の運転を終了する。運転を終了しない場合(ステップS25;No)、ステップS11からの処理を繰り返す。つまり、上記で説明した圧縮機1の回転数制御や次に説明するファン9の回転数制御により変化する動作温度T0に基づいて、圧縮機1の回転数制御を継続して行う。これにより、冷房または除湿運転時に動作温度T0を所定の範囲内に収束させる(例えば、動作温度T0<閾値Th2となる)ことができる。つまり、空間W0の温度Taだけでなく床面の温度Trを適切な範囲の温度に制御することができる。
【0048】
(ファンの制御)
制御部23による圧縮機1の回転数制御と並行して、制御部35は、動作温度T0に基づいて、ファン9の回転数を制御する。まず、制御部35は、動作温度T0が閾値Th3以上かどうか判定する(ステップS20)。動作温度T0が閾値Th3以上の場合(ステップS20;Yes)、制御部35は、ファン9の回転数を低下させる(ステップS22)。例えば、制御部35は、ファン9の回転数を所定値まで低下させて運転する。なお、閾値Th3と圧縮機1の制御に用いる閾値Th1とは同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。例えば、風量を維持した方が、温度Taの低下に有効であれば、閾値Th3を閾値Th1より大きな値に設定して、より限られた範囲でファン9の回転数を低下させる制御を行うようにしてもよい。圧縮機1とファン9の制御が動作温度T0に及ぼす影響に応じて適切に閾値を設定することで、効率の良い運転が可能になる。また、閾値Th3は、動作温度T0が示す空調負荷と蓄熱負荷を含めた全負荷が高い状態かどうかを判定するための閾値である。例えば、動作温度T0≧閾値Th3が成立する場合には、
図7(a)の動作温度T0が、「高」の場合を対応させてもよい。
【0049】
動作温度T0が閾値Th3より小さい場合(ステップS20;No)、制御部35は、動作温度T0が閾値Th4より小さいかどうか判定する(ステップS21)。なお、閾値Th3>閾値Th4である。また、閾値Th4は、圧縮機1の制御に用いる閾値Th2と同一でも異なっていてもよい。閾値Th4は、動作温度T0が示す空調負荷と蓄熱負荷を含めた全負荷が中程度か低い状態かを判定するための閾値である。動作温度T0が閾値Th4より小さい場合(ステップS21;Yes)、制御部35は、ファン9の回転数を上昇させる(ステップS23)。例えば、制御部35は、ファン9の回転数を所定値まで上昇させる。なお、動作温度T0<閾値Th4が成立する場合には、
図7(a)の動作温度T0が「小」の場合を対応させてもよい。
【0050】
動作温度T0が閾値Th4以上の場合(ステップS21;No)、制御部35は、ファン9の回転数を維持する(ステップS24)。なお、動作温度T0≧閾値Th4が成立する場合に、
図7(a)の動作温度T0が「中1」、「中2」の範囲を対応させて、動作温度T0がこれらの範囲であればファン9の回転数を維持するように制御してもよい。あるいは、
図7(a)に例示するように、温度Trに応じて蓄熱負荷が「大」ならファン9の回転数を低下させ、蓄熱負荷が「小」ならファン9の回転数を上昇させるように制御してもよい。
【0051】
次に制御部35は、運転を終了するかどうか否かを判定する(ステップS25)。例えば、ユーザが運転終了を指示すると、制御部35は、ファン9の運転を終了する。運転を終了しない場合(ステップS25;No)、ステップS11からの処理を繰り返す。つまり、上記で説明した圧縮機1およびファン9の回転数制御を継続して行う。このようなファン9の制御により、冷房または除湿運転時に動作温度T0、つまり空間W0の温度Taと床面の温度Trを所定の範囲内に収束させることができる。
【0052】
なお、動作温度制御を実行する場合、圧縮機1とファン9の回転数制御を並行して行うことが好ましいが、圧縮機1またはファン9の回転数制御だけを行ってもよい。例えば、圧縮機1については
図5のステップS15~ステップS19の制御を適用し、ファン9は、ユーザが指定した風量となるように運転してもよい。反対にファン9については
図5のステップS20~ステップS24の制御を適用し、圧縮機1は、他の方法で制御してもよい。
【0053】
(暖房運転)
次に暖房運転における動作温度制御について説明する。
図6は、本発明の一実施形態における圧縮機とファンの回転数制御の一例を示す第2のフローチャートである。
ステップS11~ステップS14は、
図5で説明したとおりである。
図6のフローチャートでは、ステップS14の判定で運転モードが暖房と判定された場合の処理について説明する。運転モードが暖房の場合(ステップS14;No)、制御部23は、動作温度T0と、例えば
図7(b)の設定とに基づいて圧縮機1の回転数を制御する。同様に制御部35は、動作温度T0と、例えば
図7(b)の設定とに基づいてファン9の回転数を制御する。
【0054】
図7(b)に、動作温度制御における暖房運転時の圧縮機1およびファン9の制御方法を示す。
図7(b)には暖房運転中の温度Taおよび温度Trと、動作温度T0と、空調負荷と、蓄熱負荷と、圧縮機及びファンの制御方法との関係が設定されている。暖房運転時、放射パネルモジュール40の流路には、加熱された空気Wが通過する。そのために放射パネルの表面温度Trは比較的上昇しやすい。その為、
図7(b)のTrの列には「中」又は「高」が設定されている(「低」にならない)。また、対応する蓄熱負荷の列にはTrの大きさに応じて「大」又は「小」が設定されている。一方、温度Taは設定温度より低温となりがちである。その為、
図7(b)のTaの列には「低」又は「中」が設定されている。「低」と「中」は、設定温度との温度差に応じて温度差が所定の閾値より大きければ「中」、閾値以下ならば「低」が設定される。また、対応する空調負荷の列にはTaの大きさに応じて「大」又は「小」が設定されている。
【0055】
動作温度T0の列には、動作温度T0の大きさに応じて「低」<「中1」<「中2」<「高」が設定されている。また、圧縮機の列には、圧縮機1の回転数について、動作温度T0が「低」、「中1」の場合には上昇させ、動作温度T0が「中2」、「高」の場合には低下させることが設定されている。また、風量の列には、ファン9の回転数について、動作温度T0が「低」、「中2」の場合には低下させ、動作温度T0が「中1」、「高」の場合には上昇させることが設定されている。なお、
図5のフローチャートで例示したように、例えば、動作温度T0が「中1」や「中2」場合、圧縮機1およびファン9の回転数を維持するように設定されていてもよい。
図6のフローチャートは、設定温度に基づいて設定される空調負荷と蓄熱負荷を含めた全負荷の大きさを判定するための閾値Th1´~Th4´と、温度Taおよび温度Trから演算される動作温度T0の比較によって、全負荷の大きさに応じて圧縮機1とファン9の回転数制御を行う暖房運転時の制御例である。
【0056】
(圧縮機の制御)
図6に戻る。制御部23は、動作温度T0が閾値Th1´より小さいかどうか判定する(ステップS30)。暖房の場合、動作温度T0が低い程、空調負荷や蓄熱負荷が大きい、従って、動作温度T0が閾値Th1´より小さい場合(ステップS30;Yes)、制御部23は、圧縮機1の回転数を上昇させる(ステップS32)。例えば、制御部23は、圧縮機1の回転数を所定値まで上昇させる。なお、動作温度T0<閾値Th1´が成立する場合に
図7(b)の動作温度T0が「低」または、「低」および「中1」の場合を対応させてもよい。「低」および「中1」に対応させる場合、さらに動作温度T0が「低」と「中1」とで圧縮機1の回転数の上昇の程度を変更してもよい。
【0057】
動作温度T0が閾値Th1´以上の場合(ステップS30;No)、制御部23は、動作温度T0が閾値Th2´以上かどうか判定する(ステップS31)。なお、閾値Th1´<閾値Th2´である。動作温度T0が閾値Th2´以上の場合(ステップS31;Yes)、動作温度T0は設定温度や床面温度の目標値に近いと判断し、制御部23は、圧縮機1の回転数を低下させる(ステップS33)。例えば、制御部23は、圧縮機1の回転数を所定値まで低下させる。なお、動作温度T0≧閾値Th2´が成立する場合に、
図7(b)の動作温度T0が「高」または、「中2」および「高」の場合を対応させてもよい。動作温度T0が閾値Th2´より小さい場合(ステップS31;No)、制御部23は、圧縮機1の回転数を維持する(ステップS34)。なお、動作温度T0<閾値Th2´が成立する場合に、
図7(b)の動作温度T0が「中1」や「中2」の範囲を対応させて、動作温度T0がこの範囲の場合には、圧縮機1の回転数を維持するように制御してもよい。あるいは、
図7(b)に例示するように温度Taに応じて、圧縮機1の回転数を上昇させたり低下させたりしてもよい。
【0058】
次に制御部23は、運転の終了判定を行い(ステップS25)、終了しない場合(ステップS25;No)、ステップS11からの処理を繰り返す。つまり、上記で説明した圧縮機1の回転数制御や次に説明するファン9の回転数制御により変化する動作温度T0に基づいて、圧縮機1の回転数制御を継続して行う。このような圧縮機1の制御により、暖房運転時に動作温度T0を所定の範囲内に収束させる(例えば、動作温度T0≧閾値Th2´となる)ことができる。つまり、温度Taだけでなく温度Trを適切な範囲の温度に制御することができる。
【0059】
(ファンの制御)
制御部35は、動作温度T0に基づいて、ファン9の回転数を制御する。まず、制御部35は、動作温度T0が閾値Th3´より小さいかどうか判定する(ステップS35)。動作温度T0が閾値Th3´より小さい場合(ステップS35;Yes)、制御部35は、ファン9の回転数を低下させる(ステップS37)。例えば、制御部35は、ファン9の回転数を所定値まで低下させて運転する。閾値Th3´と閾値Th1´とは、同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。例えば、風量の維持が、温度Taの上昇に有効であれば、閾値Th3´を閾値Th1´より小さな値に設定して、より狭い範囲でファン9の回転数を低下させる制御を行うようにしてもよい。なお、動作温度T0<閾値Th3´が成立する場合に
図7(b)の動作温度T0が「低」の場合を対応させてもよい。
【0060】
動作温度T0が閾値Th3´以上の場合(ステップS35;No)、制御部35は、動作温度T0が閾値Th4´以上かどうか判定する(ステップS36)。なお、閾値Th3´<閾値Th4´である。また、閾値Th4´は、圧縮機1の制御に用いる閾値Th2´と同一でも異なっていてもよい。動作温度T0が閾値Th4´以上の場合(ステップS36;Yes)、制御部35は、ファン9の回転数を上昇させる(ステップS38)。例えば、制御部35は、ファン9の回転数を所定値まで上昇させる。なお、動作温度T0≧閾値Th4が成立する場合に
図7(b)の動作温度T0が「高」の場合を対応させてもよい。動作温度T0が閾値Th4´より小さい場合(ステップS36;No)、制御部35は、ファン9の回転数を維持して運転する(ステップS39)。なお、動作温度T0<閾値Th4´が成立する場合に
図7(b)の動作温度T0が「中1」や「中2」の範囲を対応させて、動作温度T0がこの範囲であれば、ファン9の回転数を維持するように制御してもよい。あるいは、
図7(b)に例示するように、温度Trに応じて蓄熱負荷が「大」ならファン9の回転数を低下させ、蓄熱負荷が「小」ならファン9の回転数を上昇させてもよい。
【0061】
次に制御部35は、運転の終了判定を行い(ステップS25)、判定結果に応じてステップS11からの処理を繰り返す。このようなファン9の制御により、暖房運転時に動作温度T0、つまり空間W0の温度Taと床面の温度Trを所定の範囲内に収束させる(例えば、例えば、動作温度T0≧閾値Th4´となる)ことができる。
【0062】
冷房運転の場合と同様に暖房運転においても、動作温度制御を実行する場合には、圧縮機1およびファン9の回転数制御を並行して行うことが好ましいが、圧縮機1またはファン9の回転数制御だけを行ってもよい。
【0063】
また、
図5、
図6のフローチャートでは、動作温度T0に対して、閾値Th1~Th4、閾値Th1´~Th4´を設定して圧縮機1およびファン9の回転数を変更する処理としたが、例えば、温度Taと温度Trに対して別々に閾値を設け、温度Taと温度Trの値によって、圧縮機1およびファン9の回転数を制御する処理としてもよい。例えば、
図5のステップS15の場合、閾値Th1に対応する温度Taの閾値A1(Ta=「高」を判定するための閾値)を設定し、閾値Th1に対応する温度Trの閾値A2(Ta=「中」を判定するための閾値)を設定し、温度Taが閾値A1以上で温度Trの閾値A2以上なら圧縮機1の回転数を2単位分上昇させ、温度Taが閾値A1以上で温度Trの閾値A2より小さければ圧縮機1の回転数を1単位分上昇させるといった処理であってもよい。
【0064】
従来、対流式と放射式を組み合わせた空気式放射空調システムでは、温度Taと設定温度の差に基づいて圧縮機1の回転数を制御している。このような制御では、温度Trを考慮することが無いため、例えば、空調負荷が高いと一様に圧縮機1を高速で駆動して効率の悪い運転となったり、空調負荷が低いときに温度Trに関係なく圧縮機1を低速で駆動してユーザの快適性を損なったりする可能性がある。本実施形態によれば、閾値Th1~Th4、閾値Th1´~Th4´を適切に設定することにより、例えば、空調負荷が高いときでも蓄熱負荷が低ければ、圧縮機1の回転数を過度に上昇させることなく、効率よく、且つ、ユーザの快適性を損なうことなく空調を行うことができる。これにより、従来制御に比べて消費電力の低減が期待できる。また、例えば、空調負荷が低いときでも蓄熱負荷が高ければ、圧縮機1の回転数を低下させることなく維持する等して床面温度を適温に制御し、快適な空調環境を提供することができる。
【0065】
本実施形態によれば、空調対象となる空間W0の空気Wを吸入して、空気Wの温度を制御する空気調和機(室内機10、室外機20)と、空間W0に接する面に配置された放射パネルモジュール40と、空気調和機によって温度制御された空気Wを放射パネルモジュール40へ送出するファン9と、放射パネルモジュール40を通過した空気Wを空間W0へ吹き出す吹出口W2A等とを備える空調システム100において、空間W0の温度と放射パネルモジュール40の放射面の温度に基づいて算出した温度指標(動作温度T0)に基づいて、空気調和機が備える圧縮機1およびファン9を制御する。
空間W0を設定温度とするための空調負荷の大きさと、放射パネルモジュール40の放射面の温度を快適な範囲に制御するための蓄熱負荷の大きさとを反映した動作温度T0に基づいて圧縮機1、ファン9を制御するため、正確な負荷に応じた運転が可能となる。これにより、消費電力の低減、効率の改善を図ることができる。また、空間W0の温度だけではなく、放射パネルの表面温度を適切な範囲に制御するのでユーザの快適性を確保することができる。
【0066】
なお、蓄熱負荷が「大」の場合(暖房時に床面温度が低い場合や冷房時に床面温度が高い場合)にファン9の回転数を低下させるのは以下の理由による。ファン9の回転数を低速にすると、室内熱交換器2を通過する風量が低下し、その分、室内熱交換器2にて空気Wに対する熱交換が多く行われる。その結果、暖房であれば、より高温の空気Wが放射パネルモジュール40へ送出される。同様に冷房であれば、より冷却された空気Wが送出される。これにより、暖房であれば床面温度はより温められ、冷房であれば床面温度はより冷却される。つまり、蓄熱負荷を低下させることができる。反対に蓄熱負荷が「小」の場合、風量を増大させることで、温調済みの空気Wを多く空間W0へ供給することができる。これにより空調負荷を低下することができる。
【0067】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、この発明の技術範囲は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施例では、放射パネルモジュール40等を床面に配置する例を挙げたが、天井や壁面に配置してもよい。
閾値Th1は第1閾値の一例、閾値Th2は第2閾値の一例、閾値Th1´は第3閾値の一例、閾値Th2´は第4閾値の一例である。閾値Th3は第5閾値の一例、閾値Th4は第6閾値の一例、閾値Th3´は第7閾値の一例、閾値Th4´は第8閾値の一例である。動作温度T0は、温度指標の一例である。
【符号の説明】
【0068】
1・・・圧縮機
2・・・室内熱交換器
3・・・膨張弁
4・・・室外熱交換器
5・・・四方弁
6・・・冷媒配管
9・・・ファン
10・・・室内機
11・・・温度センサ
12・・・湿度センサ
13・・・ダクト
14・・・赤外線温度センサ
15・・・熱電対
20・・・室外機
21・・・制御装置
22・・・通信部
23・・・制御部
24・・・記憶部
30・・・制御装置
31・・・センサ情報取得部
32・・・設定情報取得部
33・・・タイマ
34・・・記憶部
35・・・制御部
36・・・通信部
40A、40B、40C、40D・・・放射パネルモジュール
41A1,41A2,41A3,41A4,41A5,41A6・・・流路形成部材
42A・・・ダンパー
43A・・・ダンパー制御部
44A・・・入口部
45A・・・出口部
46A・・・バイパス流路
47A1,47A2,47A3,47A4,47A5,47A6,47A7・・・熱交換流路
50A、50C・・・配管
100・・・空調システム
W・・・空気
W0・・・空間
W1・・・吸込口
W2A、W2B、W2C、W2D・・・吹出口