(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】二重インバータ駆動装置の使用によるDCグリッドを介した電気車両の定電流高速充電
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20230227BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20230227BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20230227BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
H02J7/02 J
H02J7/02 B
H02M7/48 E
H01M10/44 P
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2019569430
(86)(22)【出願日】2018-06-15
(86)【国際出願番号】 CA2018050731
(87)【国際公開番号】W WO2018227307
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-06-10
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CA
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501318567
【氏名又は名称】ザ ガバニング カウンシル オブ ザ ユニバーシティ オブ トロント
(73)【特許権者】
【識別番号】519446089
【氏名又は名称】イーリープパワー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】リーン,ピーター ワルデマー
(72)【発明者】
【氏名】シ,ルオユン
(72)【発明者】
【氏名】スーング,セオドア
【審査官】坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05365153(US,A)
【文献】特開平06-014405(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0133552(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0062176(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0231152(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0033255(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/02
H02M 7/48
H01M 10/44
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DC電源から
の駆動機能と充電機能の両方を
有するように構成された装置であって:
電動モータ;
電気的に接続された第1のトラクションインバータおよび第1のバッテリを備える第1のインバータ回路であって、前記第1のインバータ回路は前記電動モータおよびDCフロントエンド回路に接続される、第1のインバータ回路;
電気的に接続された第2のトラクションインバータおよび第2のバッテリを備える第2のインバータ回路であって、前記第2のインバータ回路は、前記電動モータおよび前記DCフロントエンド回路に接続され、前記DCフロントエンド回路は前記DC電源および前記第1のインバータ回路および前記第2のインバータ回路に接続される、第2のインバータ回路;
前記第2のバッテリのマイナス端子と前記DCフロントエンド回路の間の第1の接続;
前記第1のバッテリのプラス端子と前記DCフロントエンド回路の間の第2の接続、
を備え、
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリは前記DC電源と電力交換をし、前記DCフロントエンド回路は、前記第1および第2のバッテリのうち少なくとも1つに提供している充電入力を制御するように構成された少なくとも1つのスイッチング装置を備え、前記少なくとも1つのスイッチング装置は前記第1のインバータ回路および前記第2のインバータ回路のうち少なくとも1つのスイッチと
連携して制御可能で
あり、前記少なくとも1つのスイッチング装置の動作をオンおよびオフの構成の間で制御することによって、前記充電入力が制御される、装置。
【請求項2】
前記DCフロントエンド回路は前記第1および第2のインバータ回路と組合わせて、前記DC電源の
入力電圧をアップコンバートまたはダウンコンバートして
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリに電力を供給するように動作される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記DCフロントエンド回路は:
キャパシタであって、前記キャパシタの前記プラス端子が前記DC電源のプラス端子と接続され、かつ前記キャパシタの前記マイナス端子が前記DC電源のマイナス端子と接続される、キャパシタ;
ダイオードであって、前記ダイオードはプラス端子およびマイナス端子を有し、前記ダイオードのプラス端子は前記スイッチング装置および前記第1のバッテリの前記プラス端子に接続され、前記ダイオードのマイナス端子は前記第2のバッテリの前記マイナス端子に接続される、ダイオード、
を備え、
前記スイッチング装置は前記ダイオードの前記プラス端子を前記キャパシタの前記プラス端子に接続するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記DCフロントエンド回路は:
キャパシタであって、前記キャパシタの前記プラス端子は前記DC電源のプラス端子に接続され、前記キャパシタの前記マイナス端子は前記DC電源のマイナス端子と接続される、キャパシタ;
能動的
動力用スイッチであって、前記能動的
動力用スイッチはプラス端子およびマイナス端子を有し、前記能動的
動力用スイッチのプラス端子は前記スイッチング装置および前記第1のバッテリの前記プラス端子と接続され、前記能動的
動力用スイッチのマイナス端子は前記第2のバッテリの前記マイナス端子と接続される、能動的
動力用スイッチ、
を備え、
前記スイッチング装置は前記能動的
動力用スイッチの前記プラス端子を前記キャパシタの前記プラス端子に接続するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記DCフロントエンド回路は、第1モードおよび第2モードにより操作するように構成され、前記第1モードは前記第1のバッテリの電圧と前記第2のバッテリの電圧の合計が前記DC電源の電圧以下となるモードであり、前記第2モードは前記第1のバッテリの電圧と前記第2のバッテリの電圧の前記合計が前記DC電源の電圧超となるモードであるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1モードの場合に、前記第1のインバータ回路のスイッチおよび前記第2のインバータ回路のスイッチが前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリ
を接続し、かつ前記DCフロントエンド回路が、前記DCフロントエンド回路の前記少なくとも1つのスイッチング装置を制御することによって前記電動モータの電流を制御するように構成され、前記少なくとも1つのスイッチング装置は、前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリのうち少なくとも1つに充電入力を提供するように制御される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2モードの場合に、前記少なくとも1つのスイッチング装置がオン状態に維持され、かつ前記第1のインバータ回路のスイッチおよび前記第2のインバータ回路のスイッチが
作動されて前記電動モータの電流を調節する、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のインバータ回路および前記第2のインバータ回路は双方向動作をするように構成され、それによって、前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリから前記DC電源へ、または前記DC電源から前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリへの交互の電力の伝達をするように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
DC電源から第1のインバータ回路または第2のインバータ回路への充電入力を制御するように構成されたDCフロントエンド回路であって、
(i)前記第1のインバータ回路は
電気的に接続された第1のトラクションインバータおよび
第1のバッテリを備え、電動モータと接続され、および前記DC電源から
の駆動機能および充電機能を
有するように構成され、
(ii)前記第2のインバータ回路は
電気的に接続された第2のトラクションインバータおよび
第2のバッテリを備え、前記電動モータおよび前記DCフロントエンド回路と接続され、
前記DCフロントエンド回路は:
前記第2のバッテリのマイナス端子と前記DCフロントエンド回路の間の第1の接続;
前記第1のバッテリのプラス端子と前記DCフロントエンド回路の間の第2の接続;
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリのうち少なくとも1つに提供する前記充電入力を制御するように構成された少なくとも1つのスイッチング装置であって、前記少なくとも1つのスイッチング装置は前記第1のインバータ回路および前記第2のインバータ回路のうち少なくとも1つのスイッチと
連携して制御可能で
あり、前記少なくとも1つのスイッチング装置の動作をオンおよびオフの構成の間で制御することによって、前記充電入力が制御される、スイッチング装置、
を備える、DCフロントエンド回路。
【請求項10】
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの電圧の合計が前記DC電源の入力電圧以下となる場合に、前記少なくとも1つのスイッチング装置は第1モードに動作することによって前記充電入力を制御するように構成され、
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの電圧の合計が前記DC電源の入力電圧超となる場合に、前記少なくとも1つのスイッチング装置は第2モードに動作することによって前記充電入力を制御するように構成される、請求項9に記載のDCフロントエンド回路。
【請求項11】
前記第1モードにおいて、前記少なくとも1つのスイッチング装置は前記第1および第2のインバータ回路のスイッチをON状態にスイッチしている間に、前記第1および第2のバッテリの充電を可能にするように制御される、請求項10に記載のDCフロントエンド回路。
【請求項12】
前記第1モードにおいて、前記第1および第2のインバータ回路のスイッチが前記第1および第2のバッテリを充電可能に制御される間、前記少なくとも1つのスイッチング装置はON状態に維持される、請求項10に記載のDCフロントエンド回路。
【請求項13】
前記第1モードにおいて、前記少なくとも1つのスイッチング装置は、デューティサイクルが前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの電圧の合計を前記DC電源の前記入力電圧で割った値以下となるように制御される、請求項10に記載のDCフロントエンド回路。
【請求項14】
前記第2モードにおいて、前記第1および第2のインバータ回路のスイッチが前記第1および第2のバッテリが充電可能に制御される間、前記少なくとも1つのスイッチング装置はON状態に維持される、請求項10に記載のDCフロントエンド回路。
【請求項15】
前記少なくとも1つのスイッチング装置は双方向の電流伝導および単方向性の電圧ブロック能力を有する、請求項9に記載のDCフロントエンド回路。
【請求項16】
前記DCフロントエンド回路は入力フィルタと、前記少なくとも1つのインバータ回路に並列な単方向性電流伝導および単極性の電圧遮断能力を有するダイオードを備え
、前記入力フィルタは前記DC電源の端子において接続され、前記ダイオードは前記第1の接続と前記第2の接続において接続される、請求項9に記載のDCフロントエンド回路。
【請求項17】
前記DCフロントエンド回路は前記少なくとも1つのインバータ回路のスイッチと
連携して前記少なくとも1つのスイッチング装置を制御するための信号を生成するように構成された制御器を備える、請求項9に記載のDCフロントエンド回路。
【請求項18】
前記DCフロントエンド回路は前記DC電源に
電気系統の欠陥ブロック回路を備え、前記DC電源に欠陥が生じた場合に前記第1または第2のバッテリのうち少なくともいずれか一方を保護するように構成される、請求項9に記載のDCフロントエンド回路。
【請求項19】
DC電源から
の駆動機能および充電機能の両方を
有するように構成された装置に接続されたDCフロントエンド回路を作動するための方法であって、前記装置は:
電動モータ;
電気的に接続された第1のトラクションインバータと、第1のバッテリを備える第1のインバータ回路であって、前記第1のインバータ回路は前記電動モータおよび前記DCフロントエンド回路に接続される、第1のインバータ回路;
電気的に接続された第2のトラクションインバータと、第2のバッテリを備える第2のインバータ回路であって、前記第2のインバータ回路は、前記電動モータおよび前記DCフロントエンド回路に接続され、前記DCフロントエンド回路は前記DC電源、前記第1のインバータ回路、および前記第2のインバータ回路に接続される、第2のインバータ回路、
を備え、前記方法は:
前記少なくとも1つのインバータ回路および前記DCフロントエンド回路の前記DC電源に直列に配置された少なくとも1つのスイッチング装置を介して、前記第1のインバータ回路と前記第2のインバータ回路のうち少なくとも1つのスイッチと
連携して、前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリのうち少なくとも一方に提供される充電入力を制御
し、前記少なくとも1つのスイッチング装置の動作をオンおよびオフの構成の間で制御することによって、前記充電入力が制御される工程を包含する、方法。
【請求項20】
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの電圧の合計が前記DC電源の入力電圧以下である場合に、
第1モードで前記スイッチング装置を作動させる工程a;
前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの電圧の合計が前記DC電源の入力電圧超である場合に、
第2モードで前記スイッチング装置を作動させる工程b、
を包含する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記工程aは、前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリを充電可能な前記第1および第2のインバータ回路のスイッチがON状態にあるとき、前記スイッチング装置を調整する工程を包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記工程aは、前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリを充電可能な前記第1および第2のインバータ回路のスイッチが制御されている間に前記スイッチング装置をON状態にする工程を包含する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
第1モードにおいて、デューティサイクルが前記第1のバッテリおよび前記第2のバッテリの電圧の合計を前記DC電源の前記入力電圧で割った値以下とするように前記スイッチング装置を制御する工程を含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年6月15日に出願された米国特許出願第62/519946号、2017年12月19日に出願された米国特許出願第62/607549号、および、2017年10月23日に出願されたカナダ特許出願第2983328号(これら3つの特許は「CONSTANT CURRENT FAST CHARGING OF ELECTRIC VEHICLES VIA DC GRID USING DUAL INVERTER DRIVE」を発明の名称とし、参照することにより本願に援用される)の仮出願ではなく、優先権を含む、これら3つの特許のすべての利益を主張する。
【0002】
本開示の実施形態は、全般的には電子的充電の分野に関し、いくつかの実施形態は、特に車両の電子的充電の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
電気車両は、地球規模全体のエネルギー消費の27%を締める輸送部門におけるエネルギー消費の低減化に対する潜在力を有する[1]。近い将来において電気車両が急速に広まるにつれて、消費者は、駆動範囲が大きくなること、および、充電速度が高速化されること、を期待するであろう。ACレベル1ならびに2、およびDCの充電は現時点で利用可能な充電方法である。電気車両を1時間以内で完全充電する潜在的能力を有するため、DC充電は、ACレベル1および2の充電によりも魅力的な選択肢である[2]。国際電気標準会議(IEC)は、ACまたはDC電源により供給され得る充電システムとインターフェース接続され得る標準化されたコネクタプロトコル(CHAdeMO、コンボ方式(Combined Charging System)、その他)を打ち立てた[3]。
【0004】
既存の高速充電器は、車両の物理的サイズおよび重量に制限があるため、電気自動車用充電器(EVSE)が非内蔵形式で設置されていることを要求する。EVSEは通常、整流器、LCフィルタ、高出力DC/DCコンバータからなる。ACレベル充電ユニット($200~$300/kW)とは異なり、出力レベルおよびシステムの複雑度が高いため、DC高速($400/kW)は、比較的に高価である[4]。より高いアンペア数に対して評判である構成要素はコスト増加に寄与する。したがって構成要素の個数および充電器の複雑度は低いほど好適である。
【発明の概要】
【0005】
既存の統合化された充電器は、単相または3相ACネットワークから充電するよう構成される。DCグリッドの急速な出現とともに、効率が高くかつコストが低い、DC電源出力に対して接続される統合化された充電器の開発における関心が高まりつつある。本願は、新規の統合化された充電器について記載し、係る充電器は、いくつかの実施形態では、台頭しつつあるDC分配ネットワークからの高速充電を、電気車両に提供する。DCグリッドが存在しない状況では、充電器は代替的に簡単な制御されない整流器から供給されてもよい。提案される充電器は、高速駆動用途のために以前に開発された二重インバータ・トポロジーを活用する。充電器の流入口をトラクションインバータの異なる端部に接続することにより、充電は、単一のトラクションドライブに基づく統合化された充電器を使用して従来は不可能であった広範囲のバッテリー電圧範囲に対して可能となる。11kWの実験的な設定は、定電流制御および二重貯蔵媒体のエネルギーバランシングを使用する高速充電を実演する。充電器がDC分配ネットワークに対して与える高調波の影響を最少化するために、相補的およびインターリーブされたスイッチング方法の組み合わせが実演される。
【0006】
一態様によれば、第1バッテリーに対応する第1インバータモジュールと、第2バッテリーに対応する第2インバータモジュールと、第1インバータモジュールの高出力側および第2インバータモジュールの低出力側から分岐するDC端子と、を含む、DC充電回路が提供される。
【0007】
他の態様によれば、DC電源から少なくとも1つのインバータ回路への充電入力を制御するための省略可能なフロントエンドスイッチング回路が提供される。なお各インバータ回路は少なくとも1つのそれぞれのバッテリーに対応する。省略可能なフロントエンドスイッチング回路は、高電圧DC入力にインターフェース接続するための付属品である。
【0008】
特に、フロントエンドスイッチング回路は、DC充電回路を高電圧DCネットワークに接続するために使用され得る。フロントエンドスイッチング回路は、少なくとも1つのインバータ回路およびDC電源に対して直列に配置されたときに少なくとも1つのそれぞれのバッテリーに提供される充電入力を制御し、かつ、少なくとも1つのそれぞれのバッテリーの少なくとも1つの電圧に基づいて少なくとも1つのインバータ回路におけるスイッチと併せて(組合わせて)制御可能である、スイッチング装置を含む。
【0009】
一態様では、第1バッテリーに対応する第1インバータモジュールと、第2バッテリーに対応する第2インバータモジュールと、第1インバータモジュールの高出力側および第2インバータモジュールの低出力側から分岐するDC端子と、を含むDC充電回路が提供される。
【0010】
他の態様では、第1インバータモジュールおよび第2インバータモジュールはそれぞれ、DC端子および第1バッテリーならびに第2バッテリーに対してカスケード状に接続された1組の3つのハーフブリッジスイッチネットワークを含む。
【0011】
他の態様では、この方法は、第1インバータモジュールと第2インバータモジュールとの間のスイッチの相補的なスイッチングを用いてスイッチネットワークを制御することを含む。
【0012】
他の態様では、この方法は、並列位相間のインターリーブされたスイッチングを用いてスイッチネットワークを制御することを含む。
【0013】
他の態様では、この方法は、バッテリーモジュール間でエネルギーのバランスを取るために第1インバータモジュールと第2インバータモジュールとの間の出力分布を制御することを含む。
【0014】
他の態様では、第1インバータモジュールおよび第2インバータモジュールは、車両に搭載された電動モータに連結されている。電動モータは、車両を移動させるための力を付与する駆動機能を電動モータが提供する第1モードと、電源に対して電気的に接続されたときに電動モータが充電機能を提供する第2モードと、を含むデュアルモードで動作するよう構成される。
【0015】
他の態様では、回路は、DC電源における欠陥を阻止する能力を提供するためのゲーティング信号制御器を含む。それにより、DC側に欠陥が発生した際に内蔵型バッテリーが保護される。
【0016】
他の態様では、DC端子は、第1インバータモジュールおよび第2インバータモジュールを含むトラクションシステムの差動接点において接続する。
【0017】
他の態様では、DC充電回路は、スタンドアロン型充電器を有さない第1バッテリーおよび第2バッテリーを高速充電するよう構成される。
【0018】
他の態様では、DC充電回路は、第1バッテリーおよび第2バッテリーのうちの少なくとも一方が低充電状態にあるときに第1バッテリーおよび第2バッテリーを充電するよう構成される。
【0019】
他の態様では、第1バッテリーおよび第2バッテリーは、n-ストリングからなるEVバッテリーパックである。
【0020】
他の態様では、第1バッテリーおよび第2バッテリーは均等に分割された対の2レベル電圧源インバータを含む。
【0021】
他の態様では、第1バッテリーおよび第2バッテリーは、1ストリングあたり同一個数の電池を有するバッテリーストリングを含む。それにより、第1バッテリーおよび第2バッテリーの組み合わせと同一の公称電圧が維持される。
【0022】
他の態様では、第1インバータモジュールおよび第2インバータモジュールの各インバータモジュールのAC端子は、機械漏れインダクタンスが第1インバータモジュールと第2インバータモジュールとの間で共有されるよう、電動モータの開放終端巻線に連結される。
【0023】
他の態様では、第1インバータモジュールおよび第2インバータモジュールの各インバータモジュールは少なくとも1組のハーフブリッジスイッチネットワークを含む。
【0024】
他の態様では、第1インバータモジュールおよび第2インバータモジュールの各インバータモジュールは1組の3つハーフブリッジスイッチネットワークを含む。
【0025】
他の態様では、各組の3個のハーフブリッジスイッチネットワークは、電圧不整合を相殺するために、カスケード状トポロジーでDC入力、および第1バッテリー、および第2バッテリーに連結される。
【0026】
他の態様では、第1インバータモジュールおよび第2インバータモジュールは、対応する上方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークと、対応する下方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークと、を含む。
【0027】
他の態様では、上方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークおよび下方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークは、180度の位相シフトを有する。
【0028】
他の態様では、上方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークおよび下方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークの信号の並列位相は、120度の位相シフトを有する。
【0029】
他の態様では、上方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークおよび下方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークは、180度の位相シフトを有し、上方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークおよび下方の1組のハーフブリッジスイッチネットワークの信号の並列位相は120度の位相シフトを有する。
【0030】
他の態様では、DC電源から少なくとも1つのインバータ回路への充電入力を制御するためのフロントエンドスイッチング回路が提供される。なお、各インバータ回路は少なくとも1つのそれぞれのバッテリーに対応する。このフロントエンドスイッチング回路は、少なくとも1つのインバータ回路およびDC電源に対して直列に配置されたときに少なくとも1つのそれぞれのバッテリーに提供される充電入力を制御するよう構成され、かつ、少なくとも1つのそれぞれのバッテリーの少なくとも1つの電圧に基づいて少なくとも1つのインバータ回路におけるスイッチと併せて(組合わせて)制御可能である、スイッチング装置を含む。
【0031】
他の態様では、この回路は、DC電源から、第1バッテリーに対応する第1インバータ回路および第2バッテリーに対応する第2インバータ回路への充電入力を制御するよう構成される。なお、第1バッテリーおよび第2バッテリーの電圧の合計がDC電源の入力電圧よりも小さい場合には、スイッチング装置は、第1モードで動作することにより充電入力を制御するよう構成され、第1バッテリーおよび第2バッテリーの電圧の合計がDC電源の入力電圧よりも大きい場合には、スイッチング装置は、第2モードで動作することにより充電入力を制御するよう構成される。
【0032】
他の態様では、第1モードにおいては、スイッチング装置は、第1バッテリーおよび第2バッテリーの充電を可能にする第1インバータ回路および第2インバータ回路におけるスイッチがon状態である間、調整される。
【0033】
他の態様では、第1モードにおいて、スイッチング装置は、第1バッテリーおよび第2バッテリーの充電を可能にする第1インバータ回路および第2インバータ回路におけるスイッチが調整される間、on状態である。
【0034】
他の態様では、第1モードにおいて、スイッチング装置は、デューティサイクルが第1バッテリーおよび第2バッテリーの電圧の合計をDC電源の入力電圧で割った値以下の値となるよう、調整される。
【0035】
他の態様では、第2モードにおいて、スイッチング装置は、第1バッテリーおよび第2バッテリーの充電を可能にする第1インバータ回路および第2インバータ回路におけるスイッチが調整される間、on状態である。
【0036】
他の態様では、スイッチング装置は双方向の電流伝導および単方向性の電圧ブロック能力を有する。
【0037】
他の態様では、フロントエンド回路は、入力フィルタと、少なくとも1つのインバータ回路に対して並列である、単方向性電流伝導および単方向性の電圧ブロック能力を有するダイオードのような装置と、を含む。
【0038】
他の態様では、制御器は、少なくとも1つのインバータ回路におけるスイッチと併せて(組合わせて)スイッチング装置を制御するための信号を生成するよう構成される。
【0039】
他の態様では、この回路は、DC電源における欠陥ブロック能力を含む。それにより、DC側に欠陥が生じた際に内蔵型バッテリーが保護される。
【0040】
他の態様では、DC電源から少なくとも1つのインバータ回路への充電入力を制御するための方法が提供される。なお、各インバータ回路は少なくとも1つのそれぞれのバッテリーに対応する。この方法は、少なくとも1つのそれぞれのバッテリーの少なくとも1つの電圧に基づいて、少なくとも1つのインバータ回路におけるスイッチと併せて(組合わせて)、少なくとも1つのインバータ回路およびDC電源に対して直列に配置されたスイッチング装置を、制御することを含む。
【0041】
他の態様では、スイッチング装置は、DC電源から、第1バッテリーに対応する第1インバータ回路および第2バッテリーに対応する第2インバータ回路への、充電入力を制御するために配置される。この方法は、第1バッテリーおよび第2バッテリーの電圧の合計がDC電源の入力電圧よりも小さい場合には、第1モードで動作するようスイッチング装置を制御し、第1バッテリーおよび第2バッテリーの電圧の合計がDC電源の入力電圧よりも大きい場合には、第2モードで動作するようスイッチング装置を制御することを含む。
【0042】
他の態様では、第1モードにおいて動作するようスイッチング装置を制御することは、第1バッテリーおよび第2バッテリーの充電を可能にする第1インバータ回路および第2インバータ回路におけるスイッチがon状態にあるときスイッチング装置を調整することを含む。
【0043】
他の態様では、第1モードにおいて動作するようスイッチング装置を制御することは、第1バッテリーおよび第2バッテリーの充電を可能にする第1インバータ回路および第2インバータ回路におけるスイッチが調整される間、スイッチング装置をon状態にすることを含む。
【0044】
他の態様では、デューティサイクルが第1バッテリーおよび第2バッテリーの電圧の合計をDC電源の入力電圧で割った値以下の値となるよう、スイッチング装置を調整することを第1モードにおいて含む。
【0045】
他の態様では、第1エネルギー貯蔵装置はバッテリーであり、第2エネルギー貯蔵装置はバッテリーである。
【0046】
他の態様では、第1エネルギー貯蔵装置はバッテリーであり、第2エネルギー貯蔵装置は異なる種類のエネルギー貯蔵装置である。
【0047】
他の態様では、第2エネルギー貯蔵装置はスーパーキャパシタである。
【0048】
本開示の実施形態を事例により示す図面について、ここで参照する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】5つの異なる充電器トポロジー(a)~(e)を示す図である。
【
図2】例示的な二重インバータ充電器を示す図である。
【
図3】上方モジュール(a)の例示的な回路モデルおよび二重インバータ統合化同等DC電源の平均モデルを示す図である。いくつかの実施形態ではスイッチ平均化は、6つのハーフブリッジのうちの各ハーフブリッジを理想的な電圧源としてモデル化が可能である。
【
図4】d=0.53に対する位相「a」電圧および電流波形を示す図である。
【
図5】正規化されたインダクタ電流リプルを示す図である。いくつかの実施形態では、インダクタ電流リプルのサイズは変換比とともに変動する。ただしV
o=V
1=V
2である。各バッテリーパックが入力DC電圧に近い公称電圧を有するとき、1:1電圧比付近の動作領域は最適なリプル低下を達成し得る。
【
図6】d=0.53で動作する内部スイッチに対する例示的な相補的およびインターリーブされたスイッチングシーケンスを示す図である。d
1iおよびd
2iはそれぞれ内部スイッチS
1iおよびS
2iに割り当てられる。最も顕著な高調波周波数が示されている。
【
図7】d=0.53におけるインターリーブされたスイッチングを有無におけるi1の比較を示す図である。インターリーブが適用されない場合、上部プロットにおける位相電流は重なり合う。インターリーブされたスイッチングはリプル周波数を増加させ、ピークトゥピーク・リプルを減少させる。
【
図8】電流を制御するための例示的な制御図である。
【
図9】22A~44Aへのi
srefステップを用いた定電流制御の例示的なシミュレーション結果を示す図である。i
out1とi
out2との間の差異は電圧バランス制御器が電圧不整合に対して作用することに起因するものである。
【
図10】電圧バランス制御の例示的なシミュレーション結果を示す図である。V1およびV2はt=0において7Vのずれを有する。
【
図11】最も顕著な高調波成分(単数または複数)の相殺を示す、i
s,abc、i
dc、i
1、およびi
2におけるスイッチング・リプルの例示的なシミュレーション結果を示す図である。
【
図12A】永久磁石ロータを模擬する突極ロータを有する11kW二重インバータ充電器の例示的な実験室試作品の回路図である。
【
図12B】永久磁石ロータを模擬する突極ロータを有する11kW二重インバータ充電器の例示的な実験室試作品の実験的設定を示す図である。
【
図13A】最初、入力電流はその定格値(45V)まで上昇され、次にt=1秒において50%だけ下降された、動作点V
1=V
2=175V、V
dc=230Vにおける定電流制御の例示的な実験結果を示す図である。
【
図13B】最初、入力電流はその定格値(45V)まで上昇され、次にt=1秒において50%だけ下降された、動作点V
1=V
2=245V、V
dc=230Vにおける定電流制御の例示的な実験結果を示す図である。
【
図14A】上記の例示的なスイッチング方法の使用によるi
dc、i
s,abc、i
1、i
2に対するスイッチング・リプルの例示的な実験結果の電流波形を示す図である。
【
図14B】上記の例示的なスイッチング方法の使用によるi
dc、i
s,abc、i
1、i
2に対するスイッチング・リプルの例示的な実験結果の電流リプルのフーリエスペクトルを示す図である。
【
図15】電圧バランス制御の例示的な実験結果を示す図である。スーパーキャパシタバンクは7Vのずれを用いて事前に充電され、制御器は、電圧バランスが達成されるようΔdを調節する。
【
図16】DC充電器に直接的に接続されるドライブトレインを示す図である。
【
図17】DC/DCコンバータを含むドライブトレインを示す図である。
【
図18】DCフロントエンドを含む例示的な回路の態様を示す図である。
【
図19】DCフロントエンドの例示的な構成要素を示す、二重インバータを有する例示的な回路の態様を示す図である。
【
図20】単一のインバータを有する例示的な回路の態様を示す図である。
【
図21】第1モードにおける動作時の例示的なスイッチ状態および結果的に生じる電流および電圧を示す図である。
【
図22】第2モードにおける動作時の例示的なスイッチ状態および結果的に生じる電流および電圧を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
充電器の複雑性に対処するために、過去10年間において、複合型トラクション・充電システムについて大規模な研究がなされてきた。その概念は、内蔵型トラクション構成要素を充電用に構成し、それによりバッテリー充電器の複雑性を解消するかまたは大幅に低減させることである。Suboticらは、9相トラクションシステムに基づく統合化された充電器を提案した[5]。
図1(a)に示されているように、機械のニュートラル点は3相AC入力に対して直接的に接続され得る。したがってACグリッドとトラクションシステムとの間には追加的なハードウェアは要求されない。このトポロジーは、充電過程において車両推力のための正味トルクも発生させない。統合化充電のための他の多相機械が[6]にまとめられている。単相ACシステムを介する統合化充電に関して、
図1(b)では、Pellegrinoらにより提案されるトポロジーが示されている。このトポロジーではPFCブーストコンバータとしてトラクションシステムが用いられており、PFCブーストコンバータは整流器を介して単相AC電源にインターフェース接続されている[7]。
図1(c)では、Tangらは、単相AC電源から充電するために1組の並列接続されたトラクションインバータおよび2つのモータを使用し、それにより整流器に対する必要性が解消された[8]。いずれのポロジーでも、充電器は追加的なdc/dcコンバータを要求せず、したがってEVSEの重量、体積、およびコスト上の問題点は解決される。しかし両方の場合において、最小許容バッテリー電圧はAC電源のピーク電圧を常に越えなければならない。
【0051】
以前に説明した統合化充電器は、特に単相または3相のACシステムのためのものである。再生可能エネルギー、グリッド接続貯蔵、およびDC供給負荷の急速な浸透のために、DCマイクログリッドを既存のACネットワーク内に組み込むことにおいて顕著な努力がなされている[9]。理想的には、将来のEV充電器は、既存のDC高速充電器およびDCマイクログリッドネットワークの両方からの充電に対応するであろう。
【0052】
本明細書で記載のいくつかの実施形態では、統合化充電器は、いくつかの状況では、台頭しつつあるDC分配ネットワークからの電気車両高速充電を提供する。本明細書で記載のいくつかの実施形態では、電圧範囲および高調波性能が改善されるという利点が付加された状態で、前述の統合化充電器として動作するよう、既存の二重インバータ駆動装置が活用される。二重インバータトラクションシステムは、いくつかの状況では、dc/dcパワーコンバータまたは追加的な磁性体を用いることなく、スピード範囲の向上およびバッテリーの統合化をもたらし、したがって、電気車両に対して魅力的である効率的かつ軽量な解決策を提供し得る。2つのインバータが要求されるが、コストにおける増加はわずかである。なぜなら、各インバータ段階が全処理パワーの半分と評価されるためである。二重インバータは、いくつかの状況では、2つの電圧源コンバータの差動接点を介して2つの分離されたDC電源とモータの開放終端巻線との間のパワー伝達を支援することが可能である。完全電気自動車のための二重インバータに関する以前に提案された応用から、エネルギー供給源は、分割バッテリーパックであるか、またはバッテリーおよび浮体式キャパシタブリッジである[11]、[12]。二重インバータ構成は、いくつかの状況では、高速動作、高速における改善された効率、モジュール式バッテリーの設置、および、ハイブリッド型エネルギー貯蔵統合化[10]-[15]が可能となるよう、2次インバータからの電圧ブーストを提供する。
【0053】
二重インバータ駆動装置に関連する課題は、2つの独立的なバッテリーを充電することが必要となることである。Hongらは、単一の充電器が両方のバッテリーを充電するために利用され得ることを示した[16]。
図1(d)において示されているように、1次バッテリーがスタンドアロン型充電器を使用して充電され、その一方で2次バッテリーはトラクションシステムを介して第1バッテリーから充電される。
【0054】
いくつかの実施形態では、本願は、DC電力ネットワークアクセスが利用可能である場合にいくつかの実施形態ではスタンドアロン型充電器を排除し得る手段について、説明する。このトポロジーは従来のDC高速充電インフラストラクチャに対して後方互換性を有し得る。本研究において提案される充電器が
図1(e)において示されている。前述した他の統合化充電器とは対照的に、トラクションシステムの差動接点にDC入力を配置することにより、スタンドアロン型充電器を用いることなぐ二重貯蔵媒体の高速充電が可能となり得る。このトポロジーは、2つのトラクションインバータの直列接続を使用し、それにより、バッテリーが低充電状態にあるときでさえも充電機能が提供されることにより、単一インバータ充電システムにおける制限される電圧範囲が対処される。以下で説明される実施形態では車両の充電に焦点が当てられているが、いくつかの実施形態では、このトポロジーは、外部のDC電力ネットワークとの双方向性エネルギー交換を実施する能力を有し得る。
【0055】
いくつかの状況では、本願の実施形態は、台頭しつつあるDCネットワークに対して好適である統合化充電器を提供し得る。この統合化充電器では、高速充電は、DC電源に対する直接的接続により、外部ハードウェアをまったく必要としない、二重インバータ・トポロジーの差動接続を使用する改善された入力電圧範囲により、および/または、単一インバータシステムと比較して高調波性能を改善するための相補的かつインターリーブされた位相シフトを利用するスイッチング方法により、有効化される。
【0056】
この新規のアーキテクチャは、台頭しつつあるDCグリッドからの高速EV充電を提供し得、トラクションシステムに充電機能を内蔵することにより、充電器のコスト、重量、および複雑度を減少させる潜在的な能力を有する。
【0057】
トポロジー
例示的なDC充電構成が
図2において示されている。本明細書の目的のために、スイッチ、電圧および電流の量は、上方モジュールおよび下方モジュールに対して、それぞれ「1」および「2」と標示される。上方モジュールおよび下方モジュールが図面において示されており、より多数の、より小数の、または代替的な電子的構成要素を含み得る。上方ならびに下方のモジュールおよびこれらの構成要素の態様は、連結されてもよく、取り付けられてもよく、直接的に接続されてもよく、または間接的に(例えば1つまたは複数の中間的構成要素を介して)接続されてもよい。モジュールおよび構成要素の態様は動作可能に接続されてもよい。n-ストリングからなるEVバッテリーパックは、1対の2レベル電圧源インバータ間で均等に分割される。各バッテリーストリングは1ストリングあたり同一個数の電池を有し、したがって組み合わされたバッテリーパックと同一の公称電圧が維持される。AC側は、機械漏れインダクタンスが2つのスイッチネットワーク間で共有されるよう、電動モータの開放終端巻線に接続される。
【0058】
従来利用されることがなかった例示的な二重インバータ駆動装置の特徴は、二重インバータ駆動装置がEV充電のために差動接続を活用する能力である。DC端子はモジュール1の高電圧側およびモジュール2の低電圧側から分岐する。電力は、dc/dc中間段階を用いることなく、DCマイクログリッドから直接的に供給される。3つのハーフブリッジスイッチネットワークの各組は、電圧不整合を相殺するために、カスケード様式でDC入力およびバッテリーに接続される。加えて、二重バッテリーパックはモータ電圧の倍増化を可能にする。
図1(b)における単一トラクションベースの統合化充電器とは異なり、二重バッテリーパックは、各バッテリーパックにおける電圧がDC入力電圧よりも小さい場合でさえも、充電を可能にする。これは、高速充電ステーションが車両導入口において1000Vまでをサポートすることが期待される大容量送電における将来の動向に対してきわめて重要となり得る[3]および[17]。
【0059】
2つのトラクションインバータの利用に関する他の潜在的な利点は、電流リプルの低下である。モータ漏れインダクタンスLsがEVモータの磁気により制限されるため、制御を介して潜在的に高いリプル成分を最少化することは有益である。したがって2種類のスイッチング方法が採用される。上方/下方電池間の180度の位相シフトと、並列位相間の120度インターリーブとの組み合わせは、その両方が、i
dc、i
s,abc、i
1、およびi
2におけるスイッチング・リプルを減少させる。相補的なスイッチングは
図1(b)における統合化充電器に対しては適さない。
【0060】
DC入力と各バッテリーユニットとの間の電力伝達はインダクタ電流を調節することにより達成される。動作に関するその原理は、[18]において開発された単一ストリング・マルチポートdc/dcコンバータに似ているが、しかし、本研究において開発されたコンバータは3相モータ駆動装置のために再構成されている。
【0061】
動作
いくつかの実施形態では、二重インバータは、トラクションモードにおけるdc/ac変換の実施とは対照的に、充電モードにおいて1組のdc/dcコンバータとして動作するよう構成されている。動作に関するその原理は
図3において示される平均モデルを介して分析される。このセクションでは、相補的かつインターリーブされたスイッチングが高調波性能に対して与える影響について強調する。
【0062】
A.平均モデル
二重インバータの平均モデルは、分割バッテリーバックの場合と同様に、同等なエネルギー貯蔵統合化のために開発された。バッテリーパックのバランシングについてはセクションIVにおいてさらに扱われるであろう。マルチレベルコンバータのためのハーフブリッジネットワークの動的モデルは[19]において開発されたが、平均スイッチモデルを表すためにも使用され得る。6個のハーフブリッジコンバータの各コンバータは、理想的な制御された電圧源としてモデル化される。電圧は、貯蔵ユニットが挿入される期間に依存する。バッテリー電流i1およびi2は出力バランスから誘導される。出力フローは双方向であり得るが、本研究では、Vdcは入力として、V1およびV2は出力として指定される。
【0063】
図3(a)において、各ハーフブリッジは、以下のようにモデル化される。
V
1i=d
1iV
1 (1)
V
2i=d
2iV
2 (2)
式中、3つのインターリーブされたdc/dc段階に対してi={a,b,c}である。
【0064】
V2iが上部の組のスイッチではなく底部の組のスイッチにおいて測定された平均電圧である点を除き2つのインバータが同等であるため、上方モジュールにおけるスイッチネットワークのみが示されている。(1)および(2)において示されているように、デューティサイクルは、各バッテリー電圧V1およびV2が挿入される持続時間を調節する。したがって、各組のスイッチにおける平均電圧は、関連付けられたバッテリー電圧の一部分である。単一のハーフブリッジに対するスイッチ平均化は[20]においても論じられた。
【0065】
上部および底部のハーフブリッジスイッチネットワークが同一であると仮定すると、次の関係式、すなわち
d1=d1i (3)
d2=d2i (4)
が、この分析に対して成り立つことに注意すべきである。
【0066】
任意の位相に対してKVLを適用する(損失を無視する)と、電圧変換比は、次のようになる。
V
dc=V
1d
1i+V
2d
2i (5)
理想化された対称的なシステムに対して、d
1i=d
2i=dを仮定すると、次の式が得られる。
V
dc=(V
1+V
2)d (6a)
【表1】
(V
1+V
2)/V
dc=1/d (6b)
【0067】
ブースト動作が可能とするためには、変換比がブースト型コンバータの変換比と類似し、V1+V2≧Vdcであることが示唆されていることに留意するべきである。このことは、EV充電に対する制限的要因ではない。なぜなら充電ステーションのDC出力電圧が60V~500Vであり[3]、EVバッテリーセルの各ストリングが300V~500Vの範囲である[21]ためである。1つのバッテリーストリングを各モジュールに割り当てることにより、最小出力電圧はつねに入力電圧を越える。さらに、バッテリー管理システムは、製造者により指定された最小電圧を下回るまで放電することを許可しないであろう。
【0068】
図3では、DC入力電流がインダクタ電流の合計であることが示されている。すなわち、
i
dc=i
sa+i
sb+i
sc (7)
出力電流i
1およびi
2は出力バランスから誘導される。すなわち、
V
1i
1=V
1d
i(i
sa+i
sb+i
sc) (8a)
i
1=i
dcd
1 (8b)
i
2=i
dcd
2 (8c)
式中、i1およびi2は各モジュールにおいてデューティサイクルにより設定されるDC入力電流の一部である。
【0069】
(8)を使用すると、各バッテリーパックに供給される平均出力は次の式で求められる。
P1=V1idcd1 (9a)
P2=V2idcd2 (9b)
したがってバッテリーへの平均電流は、組み合わされたステータ電流およびデューティサイクルの関数である。ハーフブリッジスイッチネットワークの適切なスイッチング動作により、提案される充電器は個々のバッテリーパック電流を効果的に制御することが可能である。
【0070】
B.スイッチングシーケンス
本明細書ではこれ以後、d
1iおよびd
2iはそれぞれ内部スイッチS
1iおよびS
2iに割り当てられる。例えば、
【数1】
【0071】
1)相補的スイッチング:相補的戦略が、上方モジュールと下方モジュールとの間のスイッチに適用される。したがって以下の分析では、位相「a」に対する相補的スイッチングの影響が検査される。内部スイッチV
sa、i
sa、i
1a、およびi
2aに対するゲーティング信号が
図4において示されている。バランスが取られた負荷条件下では、「内部」スイッチおよび「外部」スイッチの各ペアは、1つのスイッチング期間において同一パーセントのon時間を有する。しかし、2つのモジュール間のゲーティングパルスは[18]において示されるように180度位相シフトされ得る。ゲーティングパルスのこの戦略的重なりは、インダクタにおけるエネルギー変動を減少させ、その結果、例えばスイッチング周波数の2倍においてリプル電流の半分が発生する。
【0072】
V
1=V
2=V
o(理想化された対称的システム)に対するピークトゥピークインダクタ電流リプルは、次の式で求められる。
【数2】
【数3】
式中、第2の式は(6b)および(11a)を組み合わせることにより導かれる。
図5において(11b)をプロットすると、この式は、このトポロジーの重要な特徴のうちの1つを強調する。すなわち、インダクタ・エネルギー変動または電流リプルは電圧差V
dc-V
oに依存する。バッテリーパックがバランスされ、V
1=V
2=V
dcである場合に対しては、これはゼロであるインダクタ電流リプルをもたらすことに注意すべきである。供給ラインにおける歪みを最少化するために、理想的な動作範囲はV
o/V
dc=1を中心とする範囲である。
【0073】
i1iで表される、任意の位相からのi1およびi2の分岐電流は、スイッチネットワークの非連続的な伝導のために脈動する。
i1i=isiS1i’ (12)
i2i=isiS2i’ (13)
インダクタ・リプルもバッテリーに伝搬することに注意すべきである。インダクタ・リプルが、分岐電流を合計することにより生成される脈動電流と較べて無視可能であるため、相補的スイッチングはバッテリー電流に対して最小の効果を有する。したがってバッテリーにおいて電流高調波成分を最少化するために、並列位相間でインターリーブされたスイッチングが使用される。提案されるスイッチング方法は、DC入力におけるスイッチング・リプルも減少させる。
【0074】
2)インターリーブされたスイッチング:このスイッチング戦略は、二重インバータに基づく統合化された充電においては従来研究されなかった。
図6において示されているように、位相a、b、およびc間のゲーティングパルスは120度位相シフトされる。これはidcにおいて観察されるピーク・リプルをさらに減少させる。ステータ電流の位相シフトにより、ピークトゥピークi
dcは同相スイッチングを使用して生成されたリプルのおよそ1/3であり、最も顕著なスイッチング成分は第6の高調波にシフトされる。
【0075】
図7には、出力電流i
1およびi
2に対する位相インターリービングの影響が示されている。前述のように、すべてのスイッチにおける電流は、スイッチングパターンに関わらず「切り刻」まれる。フィルタ処理されないバッテリー電流は、内部スイッチにおける脈動電流の合計である。すなわち、
i
1=i
1a+i
1b+i
1c (14)
i
2=i
2a+i
2b+i
2c (15)
【0076】
不連続的な伝導に起因するスイッチング・リプルを最少化するために、インターリーブされたスイッチングは、1/3<d<1に対してi
1およびi
2の連続的導電を可能にする。バッテリー電流は3つの位相のうちの少なくとも1つを通して伝導する。
図7における第3のプロットでは、d=0.53においてインターリーブによりおよそのリプル成分が生じ、最も顕著な高調波成分は3f
swにシフトされることが示されている。i
1およびi
2における全高調波歪みに対するインダクタ電流リプルの寄与はこの動作点では無視可能である。
【0077】
要約すると、提案されるスイッチングシーケンスは、2fsw、6fsw、3fswにおいてそれぞれΔis,abc、Δidc、およびΔi1,2を生成する。このことは、低下されたTHDおよび半導体損失を効果的にもたらす。ピークトゥピーク出力電流リプルにおける低下は、バッテリー容量の衰弱およびインピーダンス劣化を防止することも支援する[22]。
【0078】
バランスが取られたエネルギー供給源を有する理想的で対称的なシステムが以前の部分で研究されたことを想起すべきである。このことは、制御器が上方モジュールおよび下方モジュールの両方に等しいデューティサイクルを設定することを可能にする。分離されたバッテリーパックが充電処理の間に異なる充電状態を有するシナリオに対処するために、デューティサイクルは、次の式で定義されるように、和項および差項に分解される。
【数4】
【0079】
いくつかの事例では、DC充電の目的は、1)和成分を使用してDCインダクタ電流を調節すること、および、2)差成分を使用して分割されたエネルギー供給源において貯蔵されたエネルギーを均一化すること、であり得る。2つの項間の結合が存在し得ることに注意すべきである。
【0080】
A.インダクタ電流制御
図8では、並列位相を定電流制御するための3つのPI制御器が実装されている。EVSEが通常、車両導入口におけるDC電流を調節するため、各インダクタ電流は、DCバス電流基準の1/3を追跡するであろう。
【0081】
システムの動力学に対する式は、平均モデルにKVLを適用することにより、開発された。すなわち、
【数5】
【数6】
式中、d
1iおよびd
2iは(16)にしたがってΣdおよびΔdにより置き換えられている。理想的には、バッテリー電圧がバランスされている場合、和項のみがDC電流を駆動する。しかし差項は電流制御器に接続されている。安定性の問題を回避するために、電圧バランス制御器は、電圧ダイナミクスに対して顕著に遅い応答を有するよう設計され得る。したがって(V
1-V
2)Δd
iは電流制御器の時間尺度におけるDCオフセットとしてみなされ得る。
【0082】
本研究で説明される例示的な制御器は、定電流充電のために開発されたものである。定電圧充電のための制御方式は将来の研究において調査され得る。
【0083】
B.エネルギーバランシング
図8では、電圧バランス制御器は電圧差を取得してΔdを出力し、次にΔdはd
1iから減算され、d
2iに加算される。したがって上方モジュールにおけるDC電源が下方モジュールと比較して過充電されている場合、下方モジュールは、より頻繁に挿入されるであろう。両方の供給源は同時に充電されるが、出力分布がシフトされるよう、オフセットが存在する状態で充電される。このオフセットがコンバータの動作限界を超過することがないことを保証するために、リミッタが電圧バランス制御器の出力において実装される。バランス制御器がDC電源内における全貯蔵エネルギーを推定するために電圧を使用することに注意すべきである。分割バッテリーパックの充電状態(クーロン数)の比較などの、他のパラメータもエネルギー管理のために使用され得る。
【0084】
シミュレーション結果
提案される統合化充電器のフルスイッチ・モデルが、PLECSツールボックスを用いてMATLAB/SIMULINKにおいて実装される。回路図が
図12(a)において示されており、シミュレーションパラメータが表2において列挙されている。
【表2】
【0085】
EVバッテリーの代わりに、2つのスーパーキャパシタバンクがこの状況研究では実験システムを反映させるために使用される。スーパーキャパシタ対バッテリーのより高速な充電/放電速度は、貯蔵エネルギーバランシング・アルゴリズムに関しての、時間の浪費度がより小さい研究を支援する。全電流量は矢印の示す方向において正である。この方向はDC入力からスーパーキャパシタへの出力伝達を示す。このシミュレーション研究では、次が示される。すなわち、
・電流制御および電圧バランシング機能
・以前に提案された統合化充電器の1つの制限である動作点V
1<V
dc、V
2<V
dcにおけるDC充電
・提案されるスイッチング方法の使用による電流リプル低減化
【表3】
【0086】
1)定電流制御:
図9には、t=0.1秒において電流ステップが加えられたときのシステム応答が示されている。インダクタ基準電流、i
sref、は22Aから44Aに上昇される。この上昇により、全入力パワー、DCバス電流、およびスーパーキャパシタに流れ込む電流は2倍になることが可能である。Σdは最初(17b)において導かれるように低下し、電流需要における増加に対して影響を及ぼし、次に、10ms後にその新しい値に安定する。遷移の後、充電器は定格状態(50kW)で動作する。この定格状態はCHAdeMOのEVSEに対して通常のシステム定格である[23]。
【0087】
2)電圧バランシング:
図10では、エネルギー分布に対する電圧バランス制御の影響が示されている。スーパーキャパシタバンクはt=0において7Vの差を有し、V1=V2のときにエネルギーバランスを達成する。Δ項、Δd、は、収束の速度を調節する。電圧バランス応答は
図9においても観察され得る。
図9では、i
out1およびi
out2は、P1=18kWおよびP2=32kWとなるよう調節される。スーパーキャパシタがバランスされるとΔd=0となり、25kWが各モジュールに送達される。
【0088】
3)高調波分析:
図11では、バランスされた電圧動作シナリオに対するis
,abc、i
dc,i
1、およびi
2に対する高調波分解が確認される。フィルタ処理以前のインダクタ、DCバス、およびスーパーキャパシタにおける最も顕著な高調波周波数は、それぞれ2f
sw、6f
sw、および3f
swである。i1およびi2に対して、i
dcからの第6高調波が出力に伝搬することを観察されたい。しかし、それは、DC電流がインダクタ・リプルよりも顕著に大きいため、出力ピークトゥピーク・リプルに対して無視可能な影響を有する。
【0089】
実験結果
このセクションでは、提案される充電器トポロジーに基づく11kW実験室試作品の実験的試験について論じる。最も広く採用されるDC高速充電器の1つ(CHAdeMO)は定格が50kWである。本研究では、システム定格は、二重インバータ・パワートレインを使用する基本的な充電機能を検証するために、縮小化される。実験結果では、広い動作領域における定電流制御、電圧バランス、およびスイッチング・リプル低下について示される。2つの動作点、すなわち、1)V1<Vdc、V2<Vdc、および2)V1>Vdc、V2>Vdcにおける充電について、確認される。いずれのケースにおいても、このシステムは、モータの定格出力の94%で動作する。
【0090】
実験室設定が
図12に、および、システムパラメータが表3に、示されている。Regatron社製の電源がDC入力において230Vを提供する。この図面では端子は車両の充電インレットを表す。0.5kWhスーパーキャパシタバンクが各2レベルVSCに接続される。各スーパーキャパシタバンクは1つの電池あたり3000Fを有する180の直列接続された電池からなる。したがって各ストリングは16.6Fの全静電容量を有する。永久磁石同期モータ(PMSM)および誘導モータはEVにおいて最も広く使用される電動モータである。したがって、この試作品における巻線型ロータSMはPMSMと同様に定常場で動作される。これは、ロータ磁束が確実に存在するよう、ロータ巻線を励磁することにより達成される。位相電流リプルに対するロータ突起物の影響については以下で説明する。
【0091】
図8における制御戦略は、統合化されたFPGAを有するリアルタイムlinuxPC制御器上で実装され得る。
【0092】
A.ケース#1:V1<Vdc、V2<Vdcにおける充電。
図13(a)では、各スーパーキャパシタ電圧が入力電圧より低い場合の定電流制御の実験結果が示されている。これは、低充電状態における高エネルギー、低電圧EVバッテリーパックまたはバッテリーの充電に類似する。この結果では、isrefが0から15Aに上げられた後にその定格電流の50%にまで下げられたときの制御器の機能が示される。入力電流は、相電流の合計まで示される。1つのスーパーキャパシタバンクあたり175Vを有する組み合わされたエネルギー貯蔵システムは、10.35kW定格出力において230VのDC供給源から充電する。したがって定格機械出力に相当する出力でバッテリーを充電する。シミュレーションにおいて提示されたケースと同様に、idcおよびis
,abcは新しい電流基準を追跡する。
【0093】
B.ケース#2:V1>Vdc、V2>Vdcにおける充電。
図13(b)では、各スーパーキャパシタ電圧が入力電圧より大きい場合の定電流制御の実験結果が示されている。この動作シナリオは、高電圧および高速動作のために設計されたEVバッテリーの充電に当てはまる。入力電圧は230Vに固定され、各スーパーキャパシタバンクは245Vで充電し、合計充電出力も10.35kWである。同一の電流ステップがこの動作点に適用された。
図14(a)において示されているように、相電流間のピークトゥピーク・リプルは同一ではない。突極ロータの使用は、ステータとロータとの間の非対称的な磁束漏れをもたらす。この磁束漏れは位相ごとの全インダクタンスにわずかな影響しか及ぼさない。
【0094】
C.電圧バランシング
図15では、電圧バランス制御の機能が示されている。充電前のスーパーキャパシタ電圧は154Vおよび147Vである。制御器が有効化されると、DCバス電流は0から10Aに上がり、DC電源から2.3kWを引き込む。d1とd2との間に適用されたオフセットのために、「充電不足」状態のスーパーキャパシタバンクは「過充電」状態のスーパーキャパシタバンクと比較して、より速い充電速度を有する。スーパーキャパシタ電圧はおよそ178Vにおいて収束する。これらの結果は、初期電圧偏移に応答するバランス制御器の動作を確認する。
【0095】
D.スイッチング・リプルおよびロータ突起物に関する説明
図14(a)には、ケース#1に対するものであるが、ここではより低い電流基準における、i
dc、i
s,abc、i
1、およびi
2のスイッチング・リプルが示されている。これは、ピークトゥピーク・リプルの大きさが平均充電電流に依存しないことを示すためのものである。
図13(a)からの電流基準ステップにおけるスイッチングノイズを無視すると、i
dc=15Aにおける充電とi
dc=45Aにおける充電との間のスイッチング・リプルは同等である。シミュレーションおよび実験研究のフーリエスペクトルを比較すると、スイッチング周波数(7.5kHz)におけるスイッチング・リプルは両方のシステムにおいて解消されている。シミュレーションと実験結果との間のいかなる齟齬も、動作点における差異およびロータ突起物に起因するものである。例えば、実験室結果から得られる出力電流i
1およびi
2は、第3高調波が優勢であるシミュレーション結果と比較して、第3高調波よりも高い第6高調波を有する。これは、シミュレーションモデルが定格状態で動作するという事実に起因するものである。実験研究では、低電流における充電は、より高い第6高調波リプルを導入する。
【0096】
図14におけるi
sbリプル成分が他の2つの位相よりも顕著に小さいことに注意すべきである。このことは、突極ロータの使用によるものである。ここでは位相インダクタンスはロータの電気的な位置に依存する[7]。この実験結果では、ロータは、
図14(a)において非対称的な相電流リプルを生成するために、任意の方向に向けられた。
図14では、相電流リプルにおける差異はi
dcにおける第2高調波成分を増加させる。しかし、第6高調波は、入力電流において主要なスイッチング成分であることが示されている。
【0097】
本願のいくつかの実施形態では、非内蔵型ハードウェアをまったく用いることなくDCグリッドからの直接的充電を提供し得る、新規の統合化充電器トポロジーが提示される。この概念は、車両充電入力を、二重トラクションシステムの異なる端部に接続することである。第2のコンバータが要求されるが、より高いモータ電圧およびより低い電流が利用され得、正味スイッチVA定格は不変のままである。
【0098】
いくつかの事例では、二重インバータに基づく提案される統合化充電器は、広範囲な電圧範囲上での充電が可能であることを示した。11kWの実験室試作品は、DC入力電圧より高いかまたは低いスーパーキャパシタ電圧V1およびV2に対するDC充電を検証する。さらに、結果には、実験の実行時間を短縮するためにバッテリーに代わって使用される2つのスーパーキャパシタバンクにおける効果的な電流制御およびエネルギーバランシングが示されている。提案されるスイッチング方法は、いくつかの事例では、顕著なスイッチング高調波成分を減衰させる。このことは、制限されたモータインダクタンスのインターフェースインダクタとしての使用を解決する上で不可欠である。定電圧充電のための制御方式は将来の研究において調査され得る。実際に、提案されるトポロジーの充電速度は、モータおよびトラクションのパワーエレクトロニクスの熱的制約により制限される。したがって、電気車両高速充電に対して理想的であるトラクションシステムの定格出力において充電するためのその能力が強調される。
【0099】
図16には、DC充電器により充電されるドライブトレインが示されている。DC電源はいくつかの出力インピーダンスを有する電圧源により表現される。このアーキテクチャでは、DC充電器は電気車両のバッテリーに対して直接的に接続される。
【0100】
図17には、DC充電器に接続可能である他の例示的なドライブトレインが示されている。充電器出力電圧はバッテリー電圧に限定されないが、別個のコンバータがバッテリーとDC充電器との間に挿入され得る。これは、充電するにあたりドライブトレインを利用しない。
【0101】
省略可能ないくつかの実施形態のDCフロントエンド
以下で提供されるDCフロントエンド回路は、好適な実施形態に係る構成要素である。
【0102】
図18には、DC電源とトラクションコンバータとの間に接続されたフロントエンド回路を含む例示的なシステムが示されている。いくつかの実施形態では、フロントエンド回路は内蔵型DC充電回路/装置の1部分である。他の実施形態では、フロントエンド回路の構成要素のうちの1つまたは複数はDC電源回路の1部分であり得る。いくつかの実施形態では、フロントエンド回路の構成要素のうちの1つまたは複数は、内蔵型充電回路と、DC充電回路に接続され得るDC充電回路装置と、の間に分割され得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、このシステムは、DCフロントエンド段階と、インバータ駆動装置(図示の実施形態では、2つのトラクションコンバータが開放ステータモータに接続されている)と、を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、フロントエンド回路および/または内蔵型充電回路は、電気車両を充電するために、1つまたは複数のDC電源(例えばDCマイクログリッドまたはDC充電器)に接続するよう構成される。
図19において示される例示的な実施形態では、内蔵型DC充電器は、二重インバータ駆動装置およびDCフロントエンド回路を含む。いくつかの事例では、DCフロントエンドは、電気車両(EV)の充電を可能にするために、二重インバータ駆動装置をDC電源またはネットワークに対してインターフェース接続するよう構成される。いくつかの実施形態では、DCフロントエンドおよび二重インバータ駆動装置は、システム内の組み合わせられた両方のバッテリーの電圧の上または下におけるDC充電を達成するために、連動する。
【0105】
DCフロントエンドは、二重インバータと併せて(組合わせて)バッテリーへの入力電圧のアップコンバートおよび/またはダウンコンバートを支援するために、1つまたは複数のスイッチング装置および/または受動素子からなる。
【0106】
いくつかの実施形態では、DCフロントエンド回路は、インバータ回路に対応する1つまたは複数のバッテリーの電圧に基づいて、1つまたは複数のインバータ回路内のスイッチと併せて(組合わせて)制御可能であるスイッチング装置を含む。
【0107】
いくつかの実施形態(例えば
図19における例示的な回路など)では、フロントエンドスイッチング回路は、DC電源から2つのインバータ回路(例えば、それぞれバッテリー1およびバッテリー2に対応する、トラクションコンバータ1およびトラクションコンバータ2)への充電入力を制御するよう構成される。
図19では、二重インバータ駆動装置は、開放終端モータに接続された2つの多相電圧源コンバータを含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、フロントエンド回路は、充電回路において1つまたは複数のインバータ(単数または複数)に対して並列であるキャパシタおよびダイオードを含む。
【0109】
いくつかの実施形態では、このシステムは(フロントエンド回路、インバータ回路、または他の箇所のいずれの部分であるかに関わらず)、インバータ回路(単数または複数)内のスイッチと併せて(組合わせて)フロントエンド回路内のスイッチング装置を制御するよう構成された1つまたは複数の制御器を含み得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、DCフロントエンドはスイッチング装置を含む。いくつかの実施形態では、スイッチング装置は能動的スイッチである。いくつかの実施形態では、スイッチング装置はMOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)またはIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)であり得る。他の好適なスイッチング装置の使用も可能である。
【0111】
異なる実施形態では、フロントエンド回路は、能動的スイッチング装置と直列に配置されたキャパシタおよび/またはインダクタの他の好適な組み合わせおよび/または配列も含み得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、フロントエンド回路は複数の能動的スイッチング装置を含み得る。
【0113】
図18のいくつかの実施形態に対して、二重インバータおよびDCフロントエンドは
図19において示されるようにIGBT、ダイオード、およびキャパシタを用いて具体化され得る。
【0114】
以下の説明は、
図19において示される実施形態を動作させる1つの方法である。動作は、次に示す2つの場合、すなわち、
ケース1:V
batt1+V
batt2≦V
dc
ケース2:V
batt1+V
batt2>V
dc
に分割され得る。
【0115】
ケース1では、いくつかの実施形態では、二重インバータ駆動装置は、Su1、Sv1、Sw1、Su2、Sv2、およびSw2がon状態となるよう、スイッチされる。これにより、バッテリー1およびバッテリー2は回路経路に挿入される。DCフロントエンドは、スイッチSinを調整することにより、モータの電流を調節するために使用される。これを行うことにより充電器は、両方のバッテリー電圧の合計よりも大きいdc電圧源から充電し得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、ケース1および/またはケース2は、回路が効果的に充電可能となる前にマージン電圧が克服されることを要求し得る。すなわち、
ケース1:Vbatt1+Vbatt2+Vmargin≦Vdc
ケース2:Vbatt1+Vbatt2+Vmargin>Vdc
【0117】
ケース2では、二重インバータ駆動装置はそのスイッチを調整することによりモータの電流を調節するために使用され、DCフロントエンドはSinをon状態にする。これを行うことにより充電器は、両方のバッテリー電圧の合計よりも小さいdc電圧源から充電し得る。
【0118】
他の実施形態では、代替的または追加的な動作モードは、時間のうちの数パーセントにわたりS
inがon状態にスイッチされている間にトラクションコンバータ1および2がモータの電流を、各位相において均等に、調節し得る(すなわち、適切なデューティサイクルで動作される。デューティサイクルは、
図19において示される実施形態のケースでは、(V
batt1+V
batt2)/V
dc以下でなければならない)。
【0119】
例えば、ケース1では、Sinがon状態である一方、他の全スイッチはスイッチされるかまたは調整される。ケース2では、Sinがoff状態である一方、他の全スイッチは調整されない。
【0120】
他の実施形態では、スイッチングまたは調整方式の任意の組み合わせが、入力電圧に対する異なるバッテリー電圧に基づいて充電することを可能にするために、適用され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、一方のトラクションインバータは常時inまたはout状態にスイッチされ、他方のトランザクションインバータは、Sinがon状態であるかまたは調整されるとともに、スイッチし得る。
【0122】
他の実施形態では、
図19のダイオードが能動的スイッチ(例えばMOSFTET/IGBT)と置きかえられた場合、双方向動作(すなわち、EVからDC電源またはネットワークへの出力伝達)が可能である。
【0123】
いくつかの状況では、このシステムは、車両に利用可能である最も速い速度の充電が可能となるよう、DC電源またはネットワークからの充電において柔軟性を提供し得る。比較のために、他のDC充電器はEVバッテリーに直接的に接続する。次にEVは充電器の最大出力電流を引き込むことが可能であるが、充電器の出力電圧はバッテリーにより固定されている。
【0124】
いくつかの状況では、フロントエンド回路を利用する回路を用いることにより、充電器の出力電圧はバッテリーに対して独立的となることが可能である。このことにより、EVはDC充電器の最大パワーで充電することが可能となり得る。
【0125】
電流規格によれば1000Vまでの充電が可能であるが、その一方で今日の大部分のシステムはおよそ400Vで充電する。これらの実施形態は、そのバッテリー電圧より上または下での充電に対応可能であるため、その両方に対して適合する。
【0126】
これらの実施形態の主要な利点は、次の通りである。
【0127】
いくつかの状況では、本明細書で記載のいくつかの例示的システムでは、車両が停止状態にあるときにドライブトレインの構成要素をDC高速充電の目的のために再利用することが可能であり得る。
【0128】
いくつかの状況では、本明細書で記載のいくつかの例示的システムでは、充電器をバッテリーから切り離すことにより、最も高い利用可能な充電速度での充電が可能であり得る。EVは、バッテリーの合計電圧より高いかまたは低い出力電圧で充電器に接続されることが可能である。
【0129】
いくつかの状況では、本明細書で記載のいくつかの例示的な内蔵型DC高速充電器は、充電のためにDCネットワーク(すなわちDCマイクログリッド)に直接的に接続されることが可能であるが、EV用DC高速充電器に対しても適合し得る。
【0130】
いくつかの状況では、内蔵型充電器により可能である充電速度は、通常はより高いパワー定格を有するドライブトレインに対応する。
【0131】
いくつかの状況では、双方向動作がDCネットワーク支持のために達成可能である。したがってEVは、バックアップ電源として、または太陽光発電のための一時的貯蔵として、機能することが可能である。
【0132】
いくつかの状況では、DC充電回路は、DC電源における欠陥ブロック能力を特徴として有する。それにより、DC側に欠陥が生じた際に第1バッテリーおよび第2バッテリーが保護される。このことは、欠陥の際に第1インバータモジュールおよび第2インバータモジュールに対するゲーティング信号を停止することにより達成される。これは、好適な実施形態の重要な特徴である。改善されたゲーティング信号制御器は、いくつかの実施形態では、第1インバータモジュールに対するゲーティング信号を停止するための制御信号を提供する。
【0133】
図20において示されているように、および本明細書または他の箇所で記載のように、いくつかの実施形態では、フロントエンド回路は単一のトラクションインバータにも適用可能である。再び、このシステムは、DCフロントエンドを有するドライブトレインに分割され得る。図示のモータは
図19におけるような開放終端ステータであるが、アクセス可能なニュートラル点を有するモータも使用され得る。
【0134】
図21では、Vdc>Vbatt1+Vbatt2である場合(例えばケース1)の動作モードでのスイッチSinのスイッチ状態が示されている。この事例、動作モードでは、スイッチSinはドライブトレイン電流を制御するよう調整されている。
【0135】
第1のグラフはスイッチSinのスイッチ状態が示されている。スイッチSinはドライブトレイン電流を制御するよう調整されている。
【0136】
第2のグラフでは、スイッチSu1、Sv1、およびSw1の全スイッチがon状態となるようゲート制御され、バッテリー1がシステムに完全に挿入されていることが示されている。これは、スイッチSu2、Sv2、およびSw2に対しても成り立つ。
【0137】
第3のグラフでは、
図19に示されたドライブトレイン電流idrが示されている。ドライブトレイ電流idrはSinを使用して調節される。この場合では300Aが調節される。モータが対称性を有するよう設計されているため、モータ内の電流はモータの3つの位相の全位相間で実質的に均等に分割される。
【0138】
第4のグラフではdc電源/ネットワークの電圧および電流が示されている。パワーはEVに伝達されている。
【0139】
第5のグラフはバッテリー1の電圧および電流を示し、パワーがバッテリー1に伝達されていることが示されている。
【0140】
第6のグラフはバッテリー2の電圧および電流を示し、パワーがバッテリー2に伝達されていることが示されている。
【0141】
図22では、Vdc≦Vbatt1+Vbatt2である場合(例えばケース2)の動作モードでのスイッチSinのスイッチ状態が示されている。この事例、動作モードでは、スイッチSinは、トラクションコンバータがドライブトレイン電流を制御するよう調整されている間、on状態にゲート制御されている。
【0142】
第1のグラフはスイッチSinのスイッチ状態が示されている。スイッチSinは常時on状態にゲート制御されている。
【0143】
第2のグラフでは、スイッチSu1、Sv1、およびSw1の全スイッチは、モータの各位相における電流を制御するために、ゲート制御されていることが示されている。これは、スイッチSu2、Sv2、およびSw2に対しても成り立つ。この図では、すべての位相は、ほぼ同時にスイッチされる。追加的なインターリーブされた調整技術が、idr上のリプル電流が減少し、しかも各位相の電流が依然として調節されるよう、スイッチング時間を推移させるために、使用され得る。第3のグラフでは、
図2に示されたドライブトレイン電流idrが示されている。ドライブトレイン電流idrは、Su1、Sv1、Sw1、Su2、Sv2、Sw2をゲート制御することによってトラクションコンバータ1および2を使用することにより調節される。この場合では300Aが調節される。
【0144】
第4のグラフではdc電源/ネットワークの電圧および電流が示されている。パワーはEVに伝達されている。
【0145】
第5のグラフはバッテリー1の電圧および電流を示し、パワーがバッテリー1に伝達されていることが示されている。
【0146】
第6のグラフはバッテリー2の電圧および電流を示し、パワーがバッテリー2に伝達されていることが示されている。
【0147】
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