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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】腹腔鏡手術用トロカールシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20230227BHJP
【FI】
A61B17/34
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021565862
(86)(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 KR2020015740
(87)【国際公開番号】W WO2021096207
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】10-2019-0144077
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516140834
【氏名又は名称】キム,キ ソン
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】キム,キ ソン
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2019-0017382(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0038793(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0163323(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内部の中央に第1貫通孔(111)が貫通形成された第1ボディ(110)であって、前記第1貫通孔(111)の内面の両側にそれぞれ第1、2ガイド部(112、113)が長手方向に長く傾斜するように突出形成され、前記第1、2ガイド部(112、113)の内部にそれぞれ第1、2縫合針案内孔(112a、113a)が長手方向に長く傾斜するように貫通形成され、トロカール(300)に取り外し可能に結合される第1ボディ(110)、及び
前記第1貫通孔(111)に挿入され、前記第1貫通孔(111)と繋がれる第2貫通孔(121)がその内部の中央に形成された第2ボディ(120)であって、前記第1貫通孔(111)の内面に対向する外面には、第1、2ガイド溝(122、123)にそれぞれ案内されながら前記第1、2ガイド部(112、113)がそれぞれ差し込まれる第1、2ガイド溝(122、123)が前記第2貫通孔(121)の両側にそれぞれ形成され、套管針(200)が取り外し可能に結合される第2ボディ(120)、を含む縫合針ガイド部材(100)と、
前記縫合針ガイド部材(100)の第2ボディ(120)に取り外し可能に結合されて前記第1、2貫通孔(111、121)を一部が貫通し、残りの一部が前記縫合針ガイド部材(100)の第1、2ボディ(110、120)に係止され、内部に空間(210)が形成され、前記第1、2貫通孔(111、121)を貫通する一部には、第1、2縫合針案内孔(112a、113a)にそれぞれ向かう第3、4縫合針案内孔(220、230)が空間(210)を斜め方向にそれぞれ貫通する形態で、空間(210)を中心に両側にそれぞれ複数個形成され、前記縫合針ガイド部材(100)の第1、2ボディ(110、120)に係止される残りの一部には、第1、2縫合針案内孔(112a、113a)にそれぞれ向かう第5、6縫合針案内孔(240、250)が空間(210)を中心に両側にそれぞれ貫通形成された套管針(200)と、
前記縫合針ガイド部材(100)の第1ボディ(110)が取り外し可能に結合され、前記縫合針ガイド部材(100)の第2ボディ(120)に結合された套管針(200)に貫通される第3貫通孔(310)がその内部の中央に貫通形成されたトロカール(300)であって、前記第1ボディ(110)の一部は第3貫通孔(310)に挿入され、第1ボディ(110)の残りの一部は前記トロカール(300)に掛かり、前記套管針(200)の第3,4縫合針案内孔(220,230)のうち、前記套管針(200)の、第1、2ボディ(110、120)に係止された一部から最も遠い位置に形成された第3,4縫合針案内孔(220,230)の近くには、第3、4縫合針案内孔(220、230)にそれぞれ向かう第7、8縫合針案内孔(320、330)が前記第3貫通孔(310)の両側にそれぞれ形成されたトロカール(300)と、
前記第1、3、5、7縫合針案内孔(112a、220、240、320)及び第2、4、6、8縫合針案内孔(113a、230、250、330)に案内される縫合糸(410)が具備された縫合針(400)と、を含む、ことを特徴とする、腹腔鏡手術用トロカールシステム。
【請求項2】
前記第1貫通孔(111)の内面には、前記第1貫通孔(111)に挿入される第2ボディ(120)が係止される係止段(114)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の腹腔鏡手術用トロカールシステム。
【請求項3】
前記トロカール(300)に掛かる前記第1ボディ(110)の一部には、前記第1貫通孔(111)と繋がれる嵌合孔(115)を少なくとも一つ形成し、
前記第1ボディ110の係止段(114)に係止される第2ボディ(120)の一部には、前記第2貫通孔(121)の周辺に第2ボディ(120)の一部を開放して第1、2ガイド溝(122、123)の間に空間(124)を形成し、
前記第2ボディ(120)における、前記第1貫通孔(111)の内面に対向する外面には、空間(124)の開放された入口の一部を切開して弾性部(125)を少なくとも一つ形成し、
前記弾性部(125)には、前記第1ボディ(110)の嵌合孔(115)にはめ込まれる嵌合突起(125a)を突出形成することを特徴とする、請求項2に記載の腹腔鏡手術用トロカールシステム。
【請求項4】
前記套管針(200)の一部が係止される第2ボディ(120)の一部には、前記第2貫通孔(121)の周辺に嵌合孔(126)を少なくとも一つ形成し、
前記套管針(200)における、前記第2ボディ(120)に係止される一部外面には、前記第2ボディ(120)の嵌合孔(126)にはめ込まれる嵌合突起(260)を突出形成することを特徴とする、請求項1に記載の腹腔鏡手術用トロカールシステム。
【請求項5】
前記第1ボディ(110)における、前記套管針(200)の一部が係止される外面には、第1、2縫合針案内孔(112a、113a)の周辺に嵌合孔(116a)を有する突出部(116)をそれぞれ突出形成し、
前記套管針(200)における、前記第1ボディ(110)の突出部(116)に対向する一部外面には、嵌合孔(116a)にはめ込まれる嵌合突起(270)を突出形成することを特徴とする、請求項1に記載の腹腔鏡手術用トロカールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腹腔鏡手術用トロカールシステムに関し、特に、腹腔鏡手術の完了後に腹膜の穴を縫合する時、縫合針の焦点がぶれてまともに縫合ができないことを防ぐ、腹腔鏡手術用トロカールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、腹腔鏡手術は、既存の開腹手術とは異なり、お腹の部位に0.5~1.2cm程度の4~6個の穴をあけた後、この中へ直径0.5~1.2cm、長さ15~16cmのトロカール(trocar)を入れた後、この穴へ光源とカメラを挿入して、他の穴へは各種手術道具を入れて外にあるモニターを見ながら、臓器を切って縫うことにより成形する手術方法である。
【0003】
そして、腹腔鏡手術をするためには、まず患者の腹部にトロカールを挿入した後、該トロカールを介して腹腔の内部へ炭酸ガスのような気体を注入して腹腔内の気腹を作って手術空間を確保した後、多数のトロカールを介して内視鏡及び手術器具を使用して手術部位を観察しながら患部を手術するものと公知されている。
【0004】
そして、手術が終わると、手術部位を縫合するための縫合器具が用いられるが、この縫合器具は、トロカールを介して腹腔の内部に挿入された固定用鉗子で針を掴んで手術部位を縫う方法により手術部位を縫合するようになり、手術部位を縫った後には糸が解けることを防止するために、糸の両端をトロカールを介して体外に取り出し、体外で結び目を作った後に結び目を結び目プッシャーで押して腹腔で結び目が形成されるようにしている。
【0005】
これに関連して、特許文献1は、腹腔鏡手術時に腹膜を貫通して装着される腹腔鏡手術用套管針において、内部にカメラまたは手術器具を腹腔内に案内するための空間が形成されている中空形状であり、腹膜を貫通する套管針ハウジングと、前記套管針ハウジングの上端両側の側面に形成され、縫合糸が繋がれた縫合針が挿入されるホール状の第1開口部と、前記套管針ハウジングの下端両側に形成され、套管針ハウジングの長手方向に沿って前記縫合針が貫通するスロット状の第2開口部;及び前記縫合針が挿入された状態で套管針ハウジングの内部の二酸化炭素が漏れることを防止するように第1開口部を遮断する弾性材質の密封部材を含み、套管針ハウジングの下端部の終端は対角線方向に切断された構造である腹腔鏡手術用套管針を提供した。
【0006】
しかし、特許文献1の場合には、ホール状の第1開口部に縫合針が広い面積に案内されて係止しなかったため、縫合針の焦点がぶれるおそれがあった。
【0007】
また、スロット状の長手方向に長さが長尺の第2開口部によって、縫合針の焦点がぶれるおそれがあった。
【0008】
すなわち、縫合針が腹膜の穴にあまりにも近く貫通してしまって、腹膜の穴が破れる恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国登録実用新案第20-0473904号公報(2014年7月31日登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明の目的は、腹腔鏡手術の完了後に腹膜の穴を縫合する時、縫合針の焦点がぶれてまともに縫合ができないことを防ぐ、腹腔鏡手術用トロカールシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明は、互いに繋がれた貫通孔が外面に形成され、貫通孔の周辺に外面の両側にそれぞれ第1、2縫合針案内孔が長手方向に長く傾斜するように形成された縫合針ガイド部材と、縫合針ガイド部材に取り外し可能に結合されて貫通孔を貫通し、内部に空間が形成されており、貫通孔を貫通する外面の片側には、第1、2縫合針案内孔にそれぞれ向かう第3、4縫合針案内孔が空間を貫通しながら形成されており、貫通孔を貫通しない外面の反対側の他側には、第1、2縫合針案内孔にそれぞれ向かう第5、6縫合針案内孔が形成された套管針と、縫合針ガイド部材が取り外し可能に結合され、縫合針ガイド部材に結合された套管針に貫通される貫通孔が外面に形成され、貫通孔を貫通した套管針の片側に近い外面の片側には、第3、4縫合針案内孔にそれぞれ向かう第7、8縫合針案内孔が形成されたトロカールと、第1、3、5、7縫合針案内孔及び第2、4、6、8縫合針案内孔に案内される縫合糸が具備された縫合針と、を含み、縫合針ガイド部材に結合された套管針と縫合針ガイド部材とが結合されたトロカールを、人体の腹腔内部へ挿入させて腹膜を貫通しつつ腹膜の穴を形成し、套管針が縫合針ガイド部材から取り外された状態で、貫通孔を介して人体の腹腔内部に挿入された内視鏡及び手術道具によって腹腔鏡手術が完了すれば、内視鏡及び手術道具を貫通孔から取り出した後、套管針を縫合針ガイド部材に結合させ、縫合針を第1、3、5、7縫合針案内孔及び第2、4、6、8縫合針案内孔に案内させて腹膜の穴を縫合糸で縫合することを特徴とする、腹腔鏡手術用トロカールシステムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、第1、2縫合針案内孔がガイド部の長手方向に長く傾斜するように形成されるので、縫合針が従来よりも広い面積で係止しつつ案内されるという効果がある。
【0013】
また、套管針の第3、4、5、6縫合針案内孔及びトロカールの第7、8縫合針案内孔に縫合針が従来よりも広い面積で係止しつつ案内されるという効果がある。
【0014】
すなわち、縫合針ガイド部材、套管針、及びトロカールに縫合針が安定に固定される効果がある。
【0015】
言い換えれば、縫合針の焦点がぶれることを従来よりも防止するとともに、縫合針が腹膜の穴にあまりにも近く貫通して腹膜の穴が破れることを防ぐという効果がある。
【0016】
本発明は、第1ボディの第1、2ガイド部が、第2ボディの第1、2ガイド溝に差し込まれるので、第1ボディにおいて第2ボディが揺れることを防止するという効果がある。
【0017】
すなわち、縫合針の焦点がぶれることを防ぐという効果がある。
【0018】
また、第1、2ボディを簡便に結合及び結合解除することができるという効果がある。
【0019】
本発明は、係止段によって第2ボディが第1ボディの貫通孔へあまり深く挿入されることを防ぐという効果がある。
【0020】
すなわち、第2ボディを第1ボディから取り外す際に抜けない現象を防止する効果がある。
【0021】
本発明は、第1ボディの嵌合孔に弾性部の嵌合突起がはめ込まれるので、第1ボディにおいて第2ボディが揺れることを一層防止するという効果がある。
【0022】
また、弾性部の弾性により嵌合突起及び嵌合孔を簡便に結合及び結合解除することができるという効果がある。
【0023】
本発明は第2ボディの嵌合孔に套管針の嵌合突起がはめ込まれるので、套管針が縫合針ガイド部材で揺れることを防ぐという効果がある。
【0024】
すなわち、縫合針の焦点がぶれることを防止する効果がある。
【0025】
本発明は、突出部の嵌合孔に套管針の嵌合突起がはめ込まれるので、套管針が縫合針ガイド部材で揺れることを防ぐ効果がある。
【0026】
すなわち、縫合針の焦点がぶれることを防止するという効果がある。
【0027】
また、第1ボディから突出部が突出形成されるから、突出部の嵌合孔と套管針の嵌合突起との結合を外部で確認することができるという効果がある。
【0028】
すなわち、套管針および縫合針ガイド部材が正しく結合されたことを確認することができるとともに、縫合針を安全に挿入させることができるように第1、3、5、7縫合針案内孔と第2、4、6、8縫合針案内孔との中心が一致していることを確認することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態による腹腔鏡手術用トロカールシステムの結合斜視図である。
図2】本発明の実施形態による腹腔鏡手術用トロカールシステムの分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態による腹腔鏡手術用トロカールシステムの断面図である。
図4】本発明の実施形態による腹腔鏡手術用トロカールシステムの詳細図である。
図5】同上。
図6】同上。
図7】同上。
図8】同上。
図9】同上。
図10】同上。
図11】同上。
図12】同上。
図13】本発明の実施形態による腹腔鏡手術用トロカールシステムの使用状態図である。
図14】同上。
図15】同上。
図16】同上。
図17】同上。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、上述した本発明の実施形態を添付の図面に基づいて詳しく説明する。
【0031】
図1図17に示したように、本発明の実施形態による腹腔鏡手術用トロカールシステム1000は、互いに繋がれた貫通孔111、121が外面に形成されており、前記貫通孔111、121の周辺に外面の両側にそれぞれ第1、2縫合針案内孔112a、113aが長手方向に長く傾斜するように形成された縫合針ガイド部材100を含む。
【0032】
そして、前記腹腔鏡手術用トロカールシステム1000は、縫合針ガイド部材100に取り外し可能に結合されて、貫通孔111、121を貫通し、内部に空間210が形成されており、前記貫通孔111、121を貫通する外面の片側には、第1、2縫合針案内孔112a、113aにそれぞれ向かう第3、4縫合針案内孔220、230が空間210を貫通しながら形成されており、前記貫通孔111、121を貫通しない外面の反対側の他側には、第1、2縫合針案内孔112a、113aにそれぞれ向かう第5、6縫合針案内孔240、250が形成された套管針200を含む。
【0033】
そして、前記腹腔鏡手術用トロカールシステム1000は、縫合針ガイド部材100が取り外し可能に結合され、前記縫合針ガイド部材100に結合された套管針200に貫通される貫通孔310が外面に形成されており、前記貫通孔310を貫通した套管針200の片側に近い外面の片側には、第3、4縫合針案内孔220、230にそれぞれ向かう第7、8縫合針案内孔320、330が形成されたトロカール300を含む。
【0034】
そして、前記腹腔鏡手術用トロカールシステム1000は、第1、3、5、7縫合針案内孔112a、220、240、320及び第2、4、6、8縫合針案内孔113a、230、250、330に案内される縫合糸410が具備された縫合針400を含む。
【0035】
ここで、前記縫合針400の一端には、縫合糸410を牽引及び牽引解除する牽引部が形成される。
【0036】
そして、前記縫合針ガイド部材100は、外面の中央に貫通孔111が形成されており、前記貫通孔111の内面の両側にそれぞれ第1、2ガイド部112、113が長手方向に長く傾斜するように突出形成されて、前記第1、2ガイド部112、113の外面に、第1、2縫合針案内孔112a、113aが長手方向に長く傾斜するように形成されており、トロカール300に取り外し可能に結合される第1ボディ110を含む。
【0037】
ここで、前記貫通孔111の内面には係止段114が形成される。
【0038】
また、前記第1ボディ110の外面には、貫通孔111と繋がれる嵌合孔115が少なくとも一つ形成される。
【0039】
ここで、前記嵌合孔115は、貫通孔111の両側にそれぞれ形成される。
【0040】
また、前記套管針200が係止される第1ボディ110の片面には、第1、2縫合針案内孔112a、113aの周辺に嵌合孔116aを有する突出部116が突出形成される。
【0041】
また、前記トロカール300の貫通孔310に挿入される第1ボディ110の外面の片側には、締結部117が少なくとも一つ突出形成される。
【0042】
そして、前記縫合針ガイド部材100は、貫通孔111に挿入され、前記貫通孔111と繋がれる貫通孔121が外面の中央に形成されており、前記第1、2ガイド部112、113に案内されながら前記第1、2ガイド部112、113が差し込まれる第1、2ガイド溝122、123が貫通孔121の両側へ外面にそれぞれ形成され、套管針200が取り外し可能に結合される第2ボディ120を含む。
【0043】
ここで、前記貫通孔121が形成された第2ボディ120の片面には、前記貫通孔121の周辺に第2ボディ120の片面を開放して第1、2ガイド溝122、123の間に空間124が形成される。
【0044】
また、前記第2ボディ120の外面には、空間124の開放された入口の一部が切開されて弾性部125が少なくとも一つ形成される。
【0045】
ここで、前記弾性部125は、貫通孔121の両側にそれぞれ形成される。
【0046】
また、前記弾性部125の外面には、嵌合孔115にはめ込まれる嵌合突起125aが突出形成される。
【0047】
ここで、前記弾性部125は、嵌合突起125aの両側に、空間124の開放された入口の一部が切開されつつ弾性を有するようになる。
【0048】
また、前記套管針200が係止される第2ボディ120の片面には、貫通孔121の周辺に嵌合孔126が少なくとも一つ形成される。
【0049】
ここで、前記嵌合孔126は、第1、2ガイド溝122、123の直交する方向に貫通孔121の両側に形成される。
【0050】
また、前記第2ボディ120は、貫通孔111に挿入されて係止段114に係止される。
【0051】
そして、前記套管針200の外面には、嵌合孔126にはめ込まれる嵌合突起260が突出形成されており、嵌合孔116aにはめ込まれる嵌合突起270が突出形成される。
【0052】
そして、前記套管針200は、空間210及び第3、4縫合針案内孔220、230が形成されており、腹膜1を貫通する貫通部201と、前記貫通部201の片側に形成され、外面に嵌合突起260、270が形成されており、内面に突起及び穴が形成されたハンドル部202とを含む。
【0053】
ここで、前記穴は、ハンドル部202に貫通形成される。
【0054】
そして、前記套管針200は、ハンドル部202の突起及び穴と嵌合される穴及び突起が外面に形成されたハンドルカバー203を含む。
【0055】
ここで、前記ハンドルカバー203の突起には、第5、6縫合針案内孔240、250が貫通形成される。
【0056】
そして、前記トロカール300は、貫通孔310及び第7、8縫合針案内孔320、330が形成され、腹膜1を貫通する貫通部301と、前記貫通部301の片側に形成され、貫通孔310が中央に形成されており、前記貫通孔310の周辺に突起及び穴が形成されたハンドル部302とを含む。
【0057】
そして、前記トロカール300は、貫通孔310が中央に形成されており、ハンドル部302の突起及び穴と嵌合結合される穴及び突起が、前記貫通孔310の周辺に外面に形成されているハンドルカバー30を含む。
【0058】
ここで、前記貫通孔310の内面には、第1ボディ110の締結部117と締結される締結部303aが突出形成される。
【0059】
また、前記締結部303aは、第1ボディ110の締結部117よりも円周方向に長く形成され、前記締結部117の締結時に最も先に当接する外面の片側には案内面303a’が形成されており、外面の反対側の他側には、前記案内面303a’に案内された締結部117がはめ込まれて固定される嵌合溝303a’’が形成される。
【0060】
そして、前記トロカール300は、ハンドル部302とハンドルカバー303との間に設けられ、腹腔内部のガスが貫通孔310を介して外部へ漏れることを防ぐ逆止弁340を含む。
【0061】
ここで、前記逆止弁340は、縫合針400に貫通される。
【0062】
そして、前記トロカール300は、ハンドル部302に設置され、腹腔内部へ医療用ガスを注入及び排出するバルブを備えたガス供給・排出部350が貫通孔310と繋がれるように形成される。
【0063】
次に、上述のように構成された本発明の作用について説明する。
【0064】
図1図17に示したように、本発明の実施形態による前記腹腔鏡手術用トロカールシステム1000は、縫合針ガイド部材100の第1、2ボディ110、120を結合する。
【0065】
より詳しく説明すれば、前記第1ボディ110の第1、2ガイド部112、113が第2ボディ120の第1、2ガイド溝122、123に案内されながら傾斜するように差し込まれる。
【0066】
ここで、前記第2ボディ120の弾性部125は、貫通孔111の内面に嵌合突起125aが係止しながら空間124に曲がって弾性変形されて、第1ボディ110の嵌合孔115に到逹した時に弾性によって原状に復帰し、前記嵌合突起125aは嵌合孔115にはめ込まれる。
【0067】
また、前記第2ボディ120は、第1ボディ110の係止段114に係止されながら貫通孔111に挿入される。
【0068】
そして、前記トロカール300に縫合針ガイド部材100を結合した後、前記縫合針ガイド部材100に套管針200を結合する。
【0069】
ここで、前記套管針200の嵌合突起260は、縫合針ガイド部材100の嵌合孔126にはめ込まれる。
【0070】
また、前記套管針200の嵌合突起270は、縫合針ガイド部材100の嵌合孔116aにはめ込まれる。
【0071】
また、前記第1、3、5、7縫合針案内孔112a、220、240、320は、斜め方向に中心が一致して、第2、4、6、8縫合針案内孔113a、230、250、330も前記斜め方向の反対である逆斜め方向に中心が一致する。
【0072】
すなわち、前記套管針200は、縫合針ガイド部材100によってトロカール300に安定に固定されて、前記縫合針ガイド部材100の貫通孔111、121及びトロカール300の貫通孔310を貫通するようになる。
【0073】
しかるのち、前記トロカール300と套管針200とを、人体の皮膚をあらかじめ切開した切開部位を介して、腹腔内部に挿入して腹膜1を貫通させる。
【0074】
ここで、前記腹膜1には腹膜の穴1aが形成される。
【0075】
そして、前記套管針200を縫合針ガイド部材100から取り外した後、前記縫合針ガイド部材100及びトロカール300の貫通孔111、121、310を介して内視鏡及び手術道具2を腹腔内部へ挿入して腹腔鏡手術を始める。
【0076】
ここで、前記腹腔の内部は、トロカール300のガス供給・排出部350を介して供給された医療用ガスによって、拡張されて手術空間が形成される。
【0077】
また、前記腹膜の穴1aに差し込まれたトロカール300は、前記腹膜の穴1aの形態を維持させる。
【0078】
そして、前記腹腔鏡手術の完了後、内視鏡及び手術道具2を腹腔内部から取り出す。
【0079】
次いで、前記套管針200を縫合針ガイド部材100に結合させる。
【0080】
すると、前記第1、3、5、7縫合針案内孔112a、220、240、320は、斜め方向に中心が一致して、第2、4、6、8縫合針案内孔113a、230、250、330も前記斜め方向の反対の逆斜め方向に中心が一致する。
【0081】
それから、前記トロカール300の第7、8縫合針案内孔320、330を腹膜の穴1aを縫合するための位置に移動させた後、縫合糸410が具備された縫合針400を第1、3、5、7縫合針案内孔112a、220、240、320に案内させて腹膜の穴1aの周辺を貫通させる。
【0082】
ここで、前記第1縫合針案内孔112aは、第1ガイド部112の長手方向に長く傾斜するように形成されるので、縫合針400は広い面積で係止しつつ案内される。
【0083】
また、前記縫合針400は、套管針200の第3、5縫合針案内孔220、240及びトロカール300の第7縫合針案内孔320に案内されるので、より広い面積で係止しつつ案内される。
【0084】
そして、前記腹腔の内部に位置した縫合針400の牽引部において、縫合糸410を他の補助トロカールシステムの鉗子で掴んで離脱させて牽引解除させた後、前記縫合糸410が元の位置から反対側の位置に前記縫合糸410を移動させるようになる。
【0085】
その後、前記縫合糸410が離脱した縫合針400を、第1、3、5、7縫合針案内孔112a、220、240、320から取り出す。
【0086】
ここで、前記縫合糸410は、第1、3、5、7縫合針案内孔112a、220、240、320に挿入された状態のままである。
【0087】
それから、前記縫合針400を第2、4、6、8縫合針案内孔113a、230、250、330に案内させて腹膜の穴1aの周辺を貫通させる。
【0088】
ここで、前記第2縫合針案内孔113aは、第2ガイド部113の長手方向に長く傾斜するように形成されるので、縫合針400は広い面積で係止しつつ案内される。
【0089】
また、前記縫合針400は、套管針200の第4、6縫合針案内孔230、250及びトロカール300の第8縫合針案内孔330に案内されるため、より広い面積で係止しつつ案内される。
【0090】
そして、前記縫合針400の牽引部により縫合糸410を固定させるとともに牽引して、第2、4、6、8縫合針案内孔113a、230、250、330を介して外部へ排出させる。
【0091】
ここで、前記縫合糸410は、第1、2、3、4、5、6、7、8縫合針案内孔112a、113a、220、230、240、250、320、330に挿入された状態のままである。
【0092】
次いで、前記トロカール300を腹膜の穴1aから取り出しながら縫合糸410を第1、2、3、4、5、6、7、8縫合針案内孔112a、113a、220、230、240、250、320、330から取り出した後、前記縫合糸410の結び目で腹膜1の腹膜の穴1aを縫合させる。
【0093】
ここで、前記腹腔の内部にあった医療用ガスは、トロカール300のガス供給・排出部350を介して排出される。
【0094】
一方、前記弾性部125を外力で弾性変形させて嵌合孔115及び嵌合突起125aの結合を解除した後、第1、2ガイド部112、113を第1、2ガイド溝122、123から取り出して第1、2ボディ110、120の結合を解除してもよい。
【0095】
以上、本発明を特定の望ましい実施例を挙げて図示及び説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内で当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変更及び修正が可能である。
【符号の説明】
【0096】
100 縫合針ガイド部材
110 第1ボディ
111 貫通孔
112 第1ガイド部
112a 第1縫合針案内孔
113 第2ガイド部
113a 第2縫合針案内孔
114 係止段
115 嵌合孔
116 突出部
116a 嵌合孔
120 第2ボディ
121 貫通孔
122 第1ガイド溝
123 第2ガイド溝
124 空間
125 弾性部
125a 嵌合突起
126 嵌合孔
200 套管針
210 空間
220 第3縫合針案内孔
230 第4縫合針案内孔
240 第5縫合針案内孔
250 第6縫合針案内孔
260 嵌合突起
270 嵌合突起
300 トロカール
310 貫通孔
320 第7縫合針案内孔
330 第8縫合針案内孔
400 縫合針
410 縫合糸
1000 腹腔鏡手術用のトロカールシステム
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