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特許7233296無線通信システムで共通時間基準提供方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】無線通信システムで共通時間基準提供方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20230227BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20230227BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20230227BHJP
【FI】
H04L7/00 930
H04W56/00 130
H04W92/18
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019088265
(22)【出願日】2019-05-08
(62)【分割の表示】P 2015555916の分割
【原出願日】2014-02-03
(65)【公開番号】P2019165479
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2019-05-08
【審判番号】
【審判請求日】2021-07-26
(31)【優先権主張番号】10-2013-0011883
(32)【優先日】2013-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】サンミン・ロ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンジュン・カク
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンジュ・ジ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨン・チョ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンスン・キム
(72)【発明者】
【氏名】スンフン・チェ
【合議体】
【審判長】土居 仁士
【審判官】猪瀬 隆広
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/002688(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/009363(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/009347(WO,A1)
【文献】特開平7-245581(JP,A)
【文献】Ericsson,ST-Ericsson,“Synchronization Procedures and Signals for D2D Discovery and Communication”,[online],3GPP TSG-RAN WG1 #74 R1-132911,pp.1-14
【文献】ETRI,“ProSe Communications for Outside Network Coverage”,[online],3GPP TSG-RAN WG1 #73 R1-132557,pp.1-3
【文献】Fujitsu,“D2D discovery and synchronization based on clusters”,[online],3GPP TSG-RAN WG1 #74 R1-133143,pp.1-6
【文献】Nokia,NSN,“D2D Synchronization - Out of network coverage/partial network coverage”,[online],3GPP TSG-RAN WG1 #74 R1-133496,pp.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
H04W 56/00
H04W 92/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムの端末における端末対端末(Device to Device,D2D)通信方法であって、
第1同期信号は、基地局から受信する同期信号を意味し、第2同期信号は、前記端末が送信する同期信号を意味し、
前記基地局から前記第1同期信号を受信したか判断する段階と、
前記基地局から前記第1同期信号が受信され、前記基地局から同期信号を送信するように設定された場合、前記第1同期信号に基づいて第2同期信号を送信する段階と、を含む、通信方法。
【請求項2】
前記第1同期信号が前記基地局から受信されない場合、他の端末から第3同期信号を受信することを試みる段階と、
前記第3同期信号が前記他の端末から受信されない場合、前記端末が送信する第2同期信号を送信する段階と、をさらに含み、
前記第3同期信号は、前記他の端末が送信する同期信号を意味することを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記第1同期信号が前記基地局から受信された場合、前記端末の基準時間は前記基地局に基づいて設定され、
前記第3同期信号が前記他の端末から受信された場合、前記端末の基準時間は前記他の端末に基づいて設定されることを特徴とする請求項2に記載の通信方法。
【請求項4】
前記端末が送信するための同期信号は、既に設定された条件に基づいて確認されるタイミングで、前記端末によって送信されることを特徴とする請求項2に記載の通信方法。
【請求項5】
無線通信システムにおける端末対端末(Device to Device,D2D)通信を行う端末であって、
第1同期信号は、基地局から受信する同期信号を意味し、第2同期信号は、前記端末が送信する同期信号を意味し、
信号を送受信する送受信部と、
前記送受信部を制御し、前記基地局から前記第1同期信号を受信したか判断し、前記基地局から前記第1同期信号が受信され、前記基地局から同期信号を送信するように設定された場合、前記第1同期信号に基づいて第2同期信号を送信する制御部と、を含む、端末。
【請求項6】
前記制御部は、
前記第1同期信号が前記基地局から受信されない場合、他の端末から第3同期信号を受信することを試み、前記第3同期信号が前記他の端末から受信されない場合、前記端末が送信する第2同期信号を送信し、
前記第3同期信号は、前記他の端末が送信する同期信号を意味することを特徴とする請求項5に記載の端末。
【請求項7】
前記第1同期信号が前記基地局から受信された場合、前記端末の基準時間は前記基地局に基づいて設定され、
前記第3同期信号が前記他の端末から受信された場合、前記端末の基準時間は前記他の端末に基づいて設定されることを特徴とする請求項6に記載の端末。
【請求項8】
前記端末が送信するための同期信号は、既に設定された条件に基づいて確認されるタイミングで、前記端末によって送信されることを特徴とする請求項6に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に無線通信端末の端末間の通信のための自発的共通時間基準提供手続、運用方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在使用される無線移動通信システムは、大部分有線網に基盤を置いて、端末と基地局間のリンクにのみ実際無線通信が適用される。したがって、各種災害発生時に前記無線移動通信システムの基盤となる有線網が損傷されれば、正常な無線通信サービスの提供が不可能になる。前述したような非常状況で、既存の有線網基盤の無線通信サービスに対するバックアップ(Back-up)無線通信サービスを提供する方法の1つとして、D2D(Device to Device)無線通信を使用することができる。
【0003】
また、非同期セルラ移動通信標準団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)が次世代移動通信システムであるLTE(Long Term Evolution)Release 12規格化を進行し、D2D通信を支援に対して論議している。特に3GPPは、LTE端末間のD2D通信が非常時に端末間のバックアップ通信サービスはもちろん、比較的遠い距離の端末間の通信に対する近接基盤アプリケーション及びサービス支援を目標として技術開発及び規格化を進行している。
【0004】
D2D通信が行われるためには、初期的に他の端末の存在を認識する過程が必要であるが、これをDiscovery過程と言う。各D2D端末は、自分の存在を他のD2D端末に通知するためにDiscovery信号を転送する。また、各D2D端末は、他のD2D端末から転送された前記Discovery信号を受信し、他のD2D端末の存在を認識する。前述した動作を効率的に行うためには、まず、同一の共通時間の基準下でD2D端末がDiscovery信号を送受信する特定時間区間を定めなければならない。そうではなければ、D2D端末は、いつ近くの他のD2D端末がDiscovery信号を転送するかを分からないので、常にDiscovery信号モニタリングを行わなければならないし、これは、端末の電力消耗を増加させる。したがって、D2D端末に共通時間基準を提供することができる方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、D2D通信のDiscovery過程が効率的に行われるためには、D2D端末に共通時間基準が提供されなければならない。セルラ網が正常に動作する場合には、前記共通時間基準を基地局から転送される同期信号から獲得することができる。
【0006】
しかし、自然災害などによってセルラ網が正常に動作することができないか、または端末がセルラ網のサービス範囲の外に位置する場合、各D2D端末は、基地局から共通時間同期を獲得することができないという問題点がある。したがって、基地局ではないD2D端末が共通時間基準を提供する方法を考慮する必要がある。
【0007】
したがって、D2D端末のために、共通時間基準を提供する方法が要求される。本発明の実施形態は、前述したような問題点を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、また、D2D端末の共通時間基準提供機能を支援するために必要な運用方法、動作手続及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明は、前述した問題と短所を解決するための少なくても1つの方法を提供し、以下で言及する長所を提供することができる。したがって、本願発明で提供しようとする動作方法、動作手続及び装置は、D2D端末に共通の基準時間情報を提供することによって、D2D機能を支援することを一側面にする。
【0009】
前述した問題を解決するために、本発明の実施形態による無線通信システムの端末において端末対端末(Device to Device,D2D)通信方法は、上向きリンク及び下向きリンクのうち少なくとも1つを介して同期情報を含む信号を受信したかを判断する段階と;前記同期情報を含む信号を受信しない場合、同期情報を含む信号を転送する段階と;を含む。
【0010】
本発明の他の実施形態による無線通信システムの無線通信システムにおいて端末対端末(Device to Device,D2D)通信を行う端末は、他の端末及び基地局と信号を送受信する送受信部と;前記送受信部を制御し、上向きリンク及び下向きリンクのうち少なくとも1つを介して同期情報を含む信号を受信したかを判断し、前記同期情報を含む信号を受信しない場合、同期情報を含む信号を転送する制御部とを含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態は、前述した解決手段を通じて、セルラ網から共通時間基準を獲得することができない場合、D2D端末が自発的にD2D同期信号を介して共通時間基準を獲得し、効率的なD2D通信を可能にする効果がある。また、D2D端末の自発的共通時間基準提供に対する優先権付与が可能なので、多数のD2D端末が各々共通時間基準を提供し、混乱を引き起こす状況を減少させる効果がある。また、共通時間基準を提供するD2D端末が正常動作するセルラ網を自発的に認識し、共通時間基準の提供を終了させた後、当該セルラ網から共通時間基準を獲得することができる。最後に、本発明は、前記効果を得るために必要なD2D端末の動作手続及び装置を提供する。
【0012】
本実施形態において、前記または他の側面、特徴及び長所は、以下の詳細な説明及び図面とともに説明されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、基地局が下向きリンクで転送する同期信号及び端末が下向きリンクで転送するD2D同期信号資源を例示する図である。
図2図2は、端末が上向きリンクで転送するD2D同期信号資源を例示する図である。
図3図3は、端末が上向きリンクで転送するD2D同期信号資源を例示する他の図である。
図4図4は、本発明の無線通信システムでD2D端末が自発的に共通時間基準を提供する端末動作手続を例示する図である。
図5図5は、本発明の無線通信システムでD2D端末が自発的に共通時間基準を提供する端末動作手続を例示する他の図である。
図6図6は、本発明の無線通信システムでD2D端末が自発的に共通時間基準提供を終了する端末動作手続を例示する図である。
図7図7は、本発明の無線通信システムで共通時間基準を提供されたD2D端末が共通時間基準を失った場合、端末動作手続を例示する図である。
図8図8は、本発明の無線通信システムでD2D端末が最も最近受信した基地局からの共通時間基準提供許可可否を通知するシグナリングを基盤として共通時間基準を提供する端末動作手続を例示する図である。
図9図9は、本発明の無線通信システムでD2D端末の送信機ブロック構成を示す図である。
図10図10は、本発明の無線通信システムでD2D端末の受信機ブロック構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付の図面を参照して説明する。そして、本発明の実施形態を説明するに際して、関連した公知の機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明にすることができると判断された場合、その詳細な説明を省略する。また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わることができる。したがって、その定義は、本明細書全般にわたる内容に基づいて行われなければならない。
【0015】
以下、本発明の実施形態では、無線通信システムでD2D支援可能端末(以下、D2D端末と称する)がD2D通信のために自発的に共通時間基準を提供する手続及び運用方法について説明する。
【0016】
まず、D2D端末が共通時間基準を提供する手段の例として、D2D同期信号を定義する。前記D2D同期信号は、セルラ網を活用することができない場合、基地局から転送された既存の同期信号と同じ機能を提供する。すなわち端末のD2D通信のための同期獲得を可能にし、共通時間基準を提供する主体のID関連情報を伝達する。実施形態においてセルラ網が正常に動作する場合は、D2D端末は、自分が属する基地局から前記共通時間基準を獲得して使用することができる。例えばLTEシステムの場合、端末は、基地局への接続時に、基地局転送同期信号であるPSS(Primary Synchronization Signal)とSSS(Secondary Synchronization Signal)を検出し、端末が属するセルに対する時間同期及びセルIDを獲得し、前記獲得した時間同期を共通時間基準として使用することができる。
【0017】
本発明の実施形態によるD2D端末の運用方法は、D2D端末が所定の時間区間または所定の試み回数または特定のタイマー満了内にセルラ網からの共通時間基準を獲得せず、その後に、さらに他の所定の時間区間または所定の試み回数または特定のタイマー満了内に他のD2D端末からの共通時間基準を獲得しない場合、D2D端末が自発的に共通時間基準を提供する過程を含む。
【0018】
実施形態において、D2D端末がセルラ網から提供される共通時間基準を獲得したか否かは、D2D端末が基地局からの同期信号及びシステム情報を成功的に検出したか、または同期信号を成功的に検出したか否かによって判断可能である。
【0019】
実施形態において、D2D端末が自発的に共通時間基準を提供する手段は、当該D2D端末から転送されるD2D同期信号である。また、D2D同期信号は、基地局が転送する同期信号と区分される信号である。
【0020】
実施形態において、他のD2D端末からの共通時間基準を獲得したか否かは、他のD2D端末が転送するD2D同期信号を成功的に検出したか否かによって判断可能である。
【0021】
本発明の他の実施形態によるD2D端末の運用方法は、D2D端末が所定の時間区間または所定の試み回数または特定のタイマー満了内にセルラ網からの共通時間基準と他のD2D端末からの共通時間基準をすべて獲得しない場合、D2D端末が自発的に共通時間基準を提供する過程を含む。
【0022】
本発明のさらに他の実施形態によるD2D端末の運用方法は、D2D端末が共通時間基準を提供し始めた後、所定の周期ごとに、または所定の時間、所定の共通時間基準提供回数、または特定のタイマー満了後に自発的にセルラ網からの共通時間基準獲得と他のD2D端末からの共通時間基準獲得をすべて試みる過程を含む。もし共通時間基準を獲得すれば、当該端末は、共通時間基準提供を中止し、前記獲得した共通時間基準に従う。
【0023】
実施形態において、最も最近基地局から常に共通時間基準を提供するように設定された端末は、前述したように、基地局や他のD2D端末から獲得した共通時間基準に従うと同時に、当該共通時間基準に合わせて端末も共通時間基準を提供することができる。これは、前記端末が基地局サービス領域内の陰影地域に位置し、基地局の共通時間基準を獲得することができない端末に遠回り経路で共通時間基準を提供することができるようにするためである。
【0024】
実施形態において、セルラ網からの共通時間基準獲得可否が他のD2D端末からの共通時間基準獲得可否に優先することができるが、これは、設定によって変わることができる。また、実施形態において、セルラ網の基地局を介して送受信されるLTEまたは3G信号を介してデータを送受信することを含むことができる。
【0025】
D2D端末の類型またはユーザなど多様な要素によってD2D端末の自発的な共通時間基準提供が可能になるまで必要な特定の時間区間長さにまたは特定の獲得試み回数を異なるように設定することによって、D2D端末の自発的共通時間基準提供に対する優先順位を付与する。
【0026】
本発明の実施形態は、D2D通信機能を支援する端末が自発的に共通時間基準を提供するための動作手続及び運用方法を含む。
【0027】
D2D端末が与えられた条件内にセルラ網からの共通時間基準を獲得せず、その後、与えられた条件内に他のD2D端末からの共通時間基準も獲得しない場合、D2D端末が自発的に共通時間基準を提供する。またはD2D端末が与えられた条件内にセルラ網からの共通時間基準と他のD2D端末からの共通時間基準獲得に成功しない場合、D2D端末が自発的に共通時間基準を提供する。D2D端末が自発的に共通時間基準を提供する手段は、当該D2D端末から転送されるD2D同期信号であり、これは、基地局が転送する既存の同期信号と区分される信号である。本発明は、効率的に前記D2D同期信号を下向きリンク及び上向きリンクで転送する方法を含む。
【0028】
また、本発明の実施形態は、共通時間基準を提供しているD2D端末が与えられた条件を満足するとき、自発的にセルラ網または他のD2D端末からの共通時間基準獲得を試み、これに成功する場合、共通時間基準提供を中断し、獲得した共通時間基準に従う。
【0029】
前述した過程でセルラ網からの共通時間基準獲得可否が、他のD2D端末からの共通時間基準獲得可否に優先することができる。また、D2D端末に自発的共通時間基準提供が可能になる条件を差別的に設定することによって、D2D端末間の自発的共通時間基準提供の優先順位を付与する。
【0030】
本発明の実施形態は、端末がセルラ網サービスを受けることができない状況で効率的に共通時間基準を獲得する方法を提供する。
【0031】
図1は、本発明の実施形態による無線通信システムにおいて基地局が下向きリンクで同期信号を転送し、D2D端末が、基地局と同一の下向きリンクでD2D同期信号を転送する例を示す。
【0032】
以下、前記無線通信システムをLTEと仮定して説明する。しかし、通常の技術者が適用することができる他のシステムも適用されることができることを明らかにする。
【0033】
図1を参照すれば、LTEシステムでは、多数個のシンボルの集合でスロット100という時間資源単位が構成される。また、スロット100より大きい時間資源単位でサブフレーム101が存在し、サブフレーム101は、2つのスロット100で構成される。また、データは、サブフレーム101の単位でスケジューリングされる。最後に、10個のサブフレーム101が集まってさらに大きい時間資源単位であるラジオフレーム102が構成される。また、LTE下向きリンクは、OFDM基盤転送方式を使用するので、周波数資源は、多数の副搬送波で構成されることができる。
【0034】
前述した時間資源設定の下で、基地局は、サブフレーム0と5で下向きリンクを介して既存のLTE同期信号を転送する。前記基地局転送同期信号は、2つの同期信号PSS(Primary Synchronization Signal)103とSSS(Secondary Synchronization Signal)104を含むことができる。
【0035】
前記同期信号PSS 103とSSS 104は、サブフレーム0と5の一番目のスロット内の最後の2つのシンボルにわたって転送され、周波数上では、チャネル帯域幅105の中央部に所定数の副搬送波資源を占める。また、PSS 103とSSS 104は、各々前記所定の副搬送波の数に対応する長さのシーケンスで構成され、当該シーケンスは、セルID関連情報を含むことができる。また、PSS 103とSSS 104のシーケンスは、互いに区別が可能になるように構成される。
【0036】
すなわち、SSS 104は、セルグループID,PSS 103は、1つのセルグループ内にN個の項目のうち1つとそれぞれ対応する。したがって、セルグループの数がMというとき、PSS 103とSSS 104からMXN個のセルIDのうち1つを抽出することができる。
【0037】
PSS 103は、サブフレーム0と5で同一に転送され、これを利用してサブフレームタイミング獲得が可能である。また、SSS 104は、2つの短いシーケンスがそれぞれ偶数と奇数の副搬送波にマッピングされる形態で構成され、サブフレーム0のSSS 104の転送時に前記2つの短いシーケンスのマッピングとサブフレーム1のSSS 104の転送時に前記2つの短いシーケンスのマッピングがスイッチされるので、SSS 104を利用したラジオフレームタイミングの獲得が可能である。
【0038】
前述したLTEシステムのように、基地局同期信号が既に存在する状況で、D2D端末が下向きリンクで転送するD2D同期信号を新しく導入するために、次のような方法を適用することができる。前記D2D同期信号は、Primary D2D同期信号106とSecondary D2D同期信号107を含むことができる。
【0039】
前記D2D同期信号は、基地局の同期信号と区分される資源に割り当てられる。例えば、サブフレーム0と5の最後の2つのシンボルにわたって転送される。周波数資源上では、チャネル帯域幅105の中央部に所定数の副搬送波資源を占める。前記所定数の副搬送波資源は、システムで支援可能な最小のチャネル帯域幅と対応するように設定されることができる。したがって、基地局システム情報を獲得しない状態でD2D通信を行う場合、前記最小チャネル帯域幅の仮定の下に、D2D同期信号の送受信及び以後D2D通信過程を行うことができる。また、前記D2D同期信号は、前記基地局の同期信号と異なるシーケンスで構成されることができる。
【0040】
また、端末が同期獲得時に基地局同期信号とD2D同期信号を区分することができるようにPrimary D2D同期信号 106とSecondary D2D同期信号107は、それぞれPSS 103とSSS 104と区別されるシーケンスで構成される。また、Primary D2D同期信号106とSecondary D2D同期信号107のシーケンスが、互いに区別が可能となるように構成される。また、Primary D2D同期信号106とSecondary D2D同期信号107は、D2D同期信号を転送する主体を区別することができるID関連情報、すなわちグループID及び1つのグループ内の項目数に対する情報を含む。
【0041】
また、Primary D2D同期信号106は、サブフレーム0と5で同一に転送され、これを利用してサブフレームタイミング獲得が可能である。また、Secondary D2D同期信号107は、2つの短いシーケンスがそれぞれ偶数と奇数の副搬送波にマッピングされる形態で構成され、サブフレーム0のSecondary D2D同期信号107の転送時に前記2つの短いシーケンスのマッピングとサブフレーム1のSecondary D2D同期信号107の転送時に前記2つの短いシーケンスのマッピングがスイッチされるので、Secondary D2D同期信号107を利用したラジオフレームタイミング獲得が可能である。
【0042】
実施形態において、D2D同期信号を基地局同期信号と同一のサブフレーム内に転送することによって、D2D同期信号の導入によってデータスケジューリングに及ぶ影響を最小化することができる。すなわち、前記サブフレーム0と5には、既に基地局同期信号転送に使用されるシンボルのチャネル帯域幅105の中央部に所定の副搬送波資源に対してスケジューリング制約が存在する状態である。特にサブフレーム単位データスケジューリングが行われる状況で、サブフレーム0と5の基地局同期信号が転送される周波数領域には、データを割り当てないようにスケージュラーが具現される可能性も存在する。したがって、既にスケジューリング制約が存在するサブフレームをD2D同期信号の転送に使用するものである。しかし、実施形態によって前記D2D同期信号を他のサブフレームに位置させることも可能であり、端末は、前記D2D同期信号を基盤として同期を獲得し、他の端末とDiscovery過程を容易に行うことができる。
【0043】
一実施形態によれば、もし基地局同期信号が転送されない他のサブフレームをD2D同期信号転送に使用すれば、当該サブフレームにも追加スケジューリング制約が発生することができる。
【0044】
図2は、本発明の実施形態による無線通信システムにおいてD2D端末が上向きリンクでD2D同期信号を転送する例を示す。
【0045】
以下、前記無線通信システムをLTEと仮定して説明する。時間及び周波数資源構成は、前述した図1と同一であり、基地局同期信号は、下向きリンクで転送されるので、図2の図面上で、上向きリンクの同期信号は、D2D同期信号だけが存在する。
【0046】
実施形態において、端末は、基地局からサウンディング転送が可能となるように設定されたサブフレーム内で最も最後のシンボル区間にサウンディング信号を転送する。実施形態において、前記端末は、前記サウンディング信号と対応する区間でD2D同期信号を送受信することができる。
【0047】
D2D同期信号は、図2に示されたように、サブフレーム0,1と5,6内の最後のシンボルのチャネル帯域幅200の中央部における所定の副搬送波領域を介して転送される。前記所定の副搬送波領域は、システムで支援可能な最小のチャネル帯域幅と対応するように設定されることができる。したがって、基地局システム情報を獲得しない状態でD2D通信を行う場合、前記最小チャネル帯域幅の仮定下にD2D同期信号送受信及び以後D2D通信過程を行うことができる。
【0048】
ここで、D2D同期信号を転送サブフレームの最後のシンボルに割り当てた理由は、既存のサウンディング転送に使用されるシンボルをD2D同期信号転送に活用するためである。サウンディング信号は、一般的に転送周期が長く、基地局の設定によって転送資源を調節することが容易であるという長所があるので、データや制御信号資源を活用する方法に比べて相対的にスケジューリング複雑度及び既存システムに及ぶ影響を低減しながら、D2D同期信号を導入することができる。
【0049】
もしD2D同期信号を転送する端末の一定距離内に基地局からサービスを受ける他の端末がサウンディング信号を転送していたら、前記サウンディング信号とD2D同期信号間の衝突が発生することができる。したがって、これを防止するために、前記基地局が自分のサービス半径内の端末にD2D同期信号が転送されるサブフレームには、サウンディング信号を転送しないように設定することができる。また、実施形態によって、前記基地局は、端末にD2D同期信号の転送可否及びサウンディング信号の転送可否を設定することができ、前記設定は、通信状況によって異なるように決定されることができる。
【0050】
前記4つのサブフレームの最後のシンボルに転送されるD2D同期信号には、Primary D2D同期信号201とSecondary D2D同期信号202が一緒に含まれることができる。実施形態において、前記2つの同期信号は、周波数上に区分される副搬送波領域に分けて転送されることができる。
【0051】
例えば、Primary D2D同期信号201は、チャネル帯域幅200の中央部におけるD2D同期信号転送に割り当てられた周波数領域内の偶数番目の副搬送波にマッピングされ、Secondary D2D同期信号202は、奇数番目の副搬送波にマッピングされる。前記区分される領域は、偶数/奇数副搬送波または上/下の副搬送波などに多様に設定されることができる。
【0052】
また、図2に示されたように、1つのラジオフレーム内でD2D同期信号が4回転送され、これら転送時点によって、Primary D2D同期信号201とSecondary D2D同期信号202がマッピングされる副搬送波領域が変動することができる。例えば、サブフレーム{0,1}と{5,6}で2つのD2D同期信号がそれぞれマッピングされる副搬送波領域が互いに変わるか、サブフレーム{0,5}と{1,6}で2つのD2D同期信号がそれぞれマッピングされる副搬送波領域が互いに変わることができる。前記転送時点によるマッピング変化を利用してラジオフレームタイミング獲得が可能である。
【0053】
また、Primary D2D同期信号201は、サブフレーム{0,1,5,6}で同一の1つのシーケンスで構成されて転送され、Secondary D2D同期信号202は、2つの短いシーケンスで構成され、1つの短いシーケンスは、サブフレーム{0,1}で、他の1つの短いシーケンスは、サブフレーム{5,6}でそれぞれ転送される。各シーケンスは、Primary D2D同期信号201及びSecondary D2D同期信号202がインターリビングされて構成されることができる。これを利用してサブフレームタイミング獲得が可能である。前述した方法は、D2D同期信号転送サブフレーム数と位置、各D2D同期信号転送時点に対する転送パターンについて多様な変形適用が可能である。
【0054】
前述した図1と比較して、1つのラジオフレーム内でD2D同期信号が転送される回数が2回から4回に増加した理由は、D2D同期信号の検出性能を保障するためのことである。すなわち、図1の場合は、D2D同期信号が割り当てられた周波数領域全体をPrimary/Secondary D2D同期信号が各々完全に使用したが、図2の場合は、同一の周波数領域内に2つのD2D同期信号が共存するので、転送時点当たりPrimary/Secondary D2D同期信号が各々使用する周波数領域のサイズは半分に減少する。したがって、これを補うために、4回に転送回数を二倍増加させたものである。しかし、実施形態によって、前記のように転送される前記D2D同期信号の回数は変わることができる。
【0055】
図3は、本発明の実施形態による無線通信システムにおいてD2D端末が上向きリンクでD2D同期信号を転送する他の例を示している。
【0056】
図3を参照すれば、以下、前記無線通信システムをLTE TDD(Time Division Duplex)環境と仮定して説明する。しかし、他の通信システムでも、図3で説明する実施形態が説明する方法が適用されることができることは自明である。
【0057】
時間及び周波数資源構成は、前述した図1と同一であり、基地局同期信号は、下向きリンクで転送されるので、上向きリンクの同期信号は、D2D同期信号だけが存在する。LTE TDDシステムでは、1つのラジオフレーム内のサブフレームを上向きリンクサブフレームと下向きリンクサブフレームとに区分して使用する。特に下向きリンク/上向きリンクサブフレームの個数及びラジオサブフレーム内の位置によって多数の下向きリンク/上向きリンク設定が定義されており、基地局は、このうち1つの下向きリンク/上向きリンク設定を選択して使用する。
【0058】
D2D同期信号は、図3に示したように、サブフレーム1と6内の最後の2つのシンボル区間のチャネル帯域300の中央部における所定の副搬送波領域を介してPrimary D2D同期信号301とSecondary D2D同期信号302が転送される。前記所定の副搬送波領域は、システムで支援可能な最小のチャネル帯域幅と対応するように設定されることができ、実施形態によってその位置が変わることができる。したがって、基地局システム情報を獲得しない状態でD2D通信を行う場合、前記最小チャネル帯域幅の仮定の下にD2D同期信号送受信及び以後D2D通信過程を行うことができる。特に前記D2D同期信号は、互いに異なるシンボル区間に転送される。ここで、サブフレーム1と6でD2D同期信号を転送する理由は、次の通りである。
【0059】
サブフレーム1と6は、下向きリンク/上向きリンクサブフレーム間の転換のための特別サブフレームに設定され得るサブフレームであり、これらサブフレーム内の最後の一部のシンボルは、サウンディング信号の転送に使用可能なので、前記シンボルをD2D同期信号の転送に活用するためである。この際、D2D同期信号を転送する端末の一定距離内にLTE TDDサービスを受ける端末がサウンディング信号を転送していたら、前記サウンディング信号とD2D同期信号との間に衝突が発生することができる。したがって、これを防止するために、基地局が自分のサービス半径内の端末にD2D同期信号が転送されるサブフレームには、サウンディング転送をしないように設定することができる。実施形態によって、基地局は、前記端末がD2D同期信号を転送するか否か、前記D2D同期信号の転送タイミング及び前記端末がサウンディング信号を転送するか否かを設定することができる。また、前記設定は、通信状態に対応して可変的に設定されることができる。
【0060】
実施形態の端末においてLTE TDDのすべての下向きリンク/上向きリンク設定においてサブフレーム1は、サウンディング転送に使用されることができ、サブフレーム1内で基地局の設定によって最後の1つまたは2つのシンボル区間にサウンディング信号を転送することができる。しかし、実施形態によって他のサブフレームでもサウンディング信号を転送することができる。
【0061】
図3に示した例は、基地局が最後の2つのシンボル区間にサウンディング信号の転送が可能となるように設定された場合、当該シンボル区間をD2D同期信号の転送に使用すると仮定したものである。一方、サブフレーム6は、下向きリンク/上向きリンク設定によって上向きリンクサウンディング転送が可能なサブフレームになるか、または下向きリンクサブフレームとして使用される。したがって、サブフレーム6でD2D同期信号転送が円滑に行われるためには、基地局は、サブフレーム6を下向きリンクサブフレームとして使用しない下向きリンク/上向きリンク設定を使用する必要がある。実施形態において、端末は、サブフレーム1とサブフレーム6でD2D同期信号を転送することができる。
【0062】
図4は、本発明による無線通信システムでD2D端末が自発的に共通時間基準を提供する端末動作手続の例を示す流れ図である。
【0063】
実施形態において、端末は、セルラ網からサービスを受けることができない状況で初期同期獲得段階を始めると仮定することができる。
【0064】
図4を参照すれば、端末は、400段階で、基地局から共通時間基準獲得を試みて、与えられた条件内に共通時間基準を獲得したかを判断する。ここで、与えられた条件というのは、所定長さの時間区間、所定回数の共通時間基準獲得試み及び特定のタイマーの満了中の1つ以上の条件を満たすものを含む。また、与えられた条件を端末の類型及びユーザによって異なるように設定すれば、共通時間基準を提供するのに優先権を付与することができる。実施形態において、前記優先権は、ユーザによって異なるように付与することができ、優先権の高い端末が優先的に同期を獲得することができる。
【0065】
前記設定は、端末製造時に固有の値として付与してもよく、基地局から設定してもよい。例えば、消防署員、警察、軍人など非常時状況を打開する責任があるユーザに、一般ユーザより前記与えられた条件にさらに短い時間区間を設定することによって、共通時間基準提供の優先権を付与することもできる。優先権が高い端末からまず共通時間基準が提供されれば、それより優先権の低い端末は、自発的に共通時間基準を提供せず、優先権が高い端末からの共通時間基準を獲得し、これに従うようになる。したがって、このような場合、優先権が高い端末の共通時間基準を基盤として前記優先権が高い端末の周辺の他の端末が同期を獲得することができる。
【0066】
また、共通時間基準を獲得するというのは、基地局からの同期信号及びシステム情報を成功的に検出すること、または同期信号を成功的に検出することを含む。
【0067】
もし400段階で、与えられた条件内に基地局から共通時間基準を獲得しなかったと判断されれば、401段階に進行し、他のD2D端末から受信される信号を基盤として共通時間基準獲得を試みて、与えられた条件内に共通時間基準を獲得したかを判断する。ここで、与えられた条件というのは、400段階で説明したものと同一である。但し、時間区間の長さ及び獲得試み回数値、またはタイマー時間は、400段階と異なるように設定されることができる。また、共通時間基準を獲得するというのは、他のD2D端末から同期信号を成功的に検出するとことを意味する。
【0068】
もし401段階で、与えられた条件内に他のD2D端末共通時間基準を獲得しなかったと判断されれば、402段階に進行し、端末が共通時間基準を提供する。実施形態によって、前記端末が提供する共通時間基準の転送方法は、端末が任意的、または既定の方法によって決定した時間及び周波数区間に同期信号を転送することを含むことができる。
【0069】
その後、端末は、本発明によるアルゴリズムを終了する。
【0070】
もし400段階で、前記端末が与えられた条件内に基地局から共通時間基準を獲得したと判断されるか、401段階で、前記端末が与えられた条件内に他のD2D端末共通時間基準を獲得したと判断されれば、403段階に進行し、前記基地局または他のD2D端末から獲得した共通時間基準に合わせて同期を獲得することができる。その後、端末は、本発明によるアルゴリズムを終了する。
【0071】
実施形態によって、以後の段階では、Discovery過程を進行することができる。
【0072】
図5は、本発明による無線通信システムにおいて、D2D端末が自発的に共通時間基準を提供する端末動作手続の他の例を示す流れ図である。
【0073】
実施形態において、端末は、セルラ網からサービスを受けることができない状況で、初期同期獲得段階を始めると仮定する。しかし、前記端末がセルラ網からサービスを受けることができる状況でも、前記のような動作は具現されることができる。
【0074】
図5を参照すれば、前記端末は、500段階で、基地局と他のD2D端末の両方に対して共通時間基準獲得を試みて、与えられた条件内に共通時間基準を獲得したかを判断する。実施形態の全般で、前記端末は、基地局及び他のD2D端末のうち少なくとも1つから共通時間基準獲得を試みることができる。
【0075】
ここで、与えられた条件というのは、所定長さの時間区間、所定回数の共通時間基準獲得試み及び特定のタイマーの満了中の1つ以上を含む条件を満足することを意味することができる。但し、時間区間の長さ及び獲得試み回数値、またはタイマー時間は、図4の例と異なるように設定されることができる。また、共通時間基準を獲得するというのは、基地局からの同期信号及びシステム情報を成功的に検出するということ、または同期信号を成功的に検出するということ、または他のD2D端末からのD2D同期信号を成功的に検出するということを含むことができる。
【0076】
500段階で、前記端末が基地局と他のD2D端末の両方から共通時間基準を獲得するのに失敗する場合、前記端末は、501段階に進行し、共通時間基準を提供する。その後、端末は、本発明によるアルゴリズムを終了する。
【0077】
もし500段階で、前記端末が基地局または他のD2D端末から共通時間基準を獲得するに成功したら、502段階に進行し、獲得した共通時間基準に合わせて同期を獲得する。この際、前記基地局と前記他のD2D端末の両方から共通時間基準を獲得した場合、前記端末は、前記基地局からの共通時間基準を優先して従うことができる。その後、端末は、本発明によるアルゴリズムを終了する。
【0078】
実施形態によって以後段階ではDiscovery過程を進行することができる。
【0079】
図6は、本発明による無線通信システムにおいてD2D端末が自発的に共通時間基準提供を終了する端末動作手続の例を示す流れ図である。
【0080】
図6を参照すれば、端末は、600段階で、前記端末が共通時間基準を提供しているかを判断し、もし現在共通時間基準を提供していたら、601段階に進行する。601段階で、前記端末は、基地局または他のD2D端末の共通時間基準獲得を試みる条件が満足されたかを判断する。ここで、共通時間基準獲得を試みる条件というのは、所定周期を有する共通時間基準獲得試み時間区間、または共通時間基準提供開始時点から所定の時間以後及び共通時間基準提供開始時点から特定のタイマー時間満了中の1つ以上を含む。
【0081】
実施形態において、もし601段階で、前記端末が前述した共通時間基準獲得試み条件が満足されたと判断されれば、602段階に進行し、前記端末は、前記基地局または他のD2D端末の共通時間基準獲得を試みることができる。その後、603段階で、前記端末は、与えられた条件内に前記基地局または前記他のD2D端末から共通基準時間を獲得したか否かを判断する。ここで与えられた条件というのは、特定周期、または所定長さの時間区間、所定回数の共通時間基準獲得試み及び特定のタイマーの満了中の1つ以上を含む。但し、時間区間の長さ及び獲得試み回数値、またはタイマー時間は、図4及び図5の例と異なるように設定されることができる。
【0082】
もし前記端末が共通時間基準が獲得されたら、604段階に進行し、共通時間基準提供を中止し、前記獲得された共通時間基準によって同期を獲得する。この際、前記基地局と前記他のD2D端末の両方から共通時間基準を獲得した場合は、基地局からの共通時間基準を優先して従うことができる。その後、端末は、本発明によるアルゴリズムを終了する。また、前記端末が基地局及び他の端末のうち少なくとも1つから共通時間基準を獲得した場合、前記獲得した共通時間基準による共通時間基準情報を含む信号を他の端末または基地局に転送することができる。実施形態によって、前記端末が前記基地局から共通時間基準を獲得した場合、前記端末が他の端末から共通時間基準を獲得した場合及び前記端末が自体的に共通時間基準を提供する場合に転送される共通時間基準情報を含む信号は、他の方法で転送されることができる。具体的には、図1図3で説明された信号転送方法を介してそれぞれ区別されるように転送されることができる。
【0083】
実施形態において、端末は、複数個の共通時間基準情報を獲得した場合、基地局で獲得した共通基準時間情報を基盤に転送された信号に含まれた共通時間基準情報を最も優先的に適用することができる。また、自体的に提供する共通時間基準情報を基盤として獲得した共通時間基準情報より他の端末を介して受信した共通時間基準を基盤に転送された信号に含まれた共通時間基準情報を優先的に適用することができる。
【0084】
もし600段階で、前記端末が現在共通時間基準を提供していなければ、605段階に進行し、前記基地局または前記他のD2D端末からの共通時間基準に従う。
【0085】
また、601段階で、前記端末が前述した共通時間基準獲得を試みる条件が満足されないか、603段階で与えられた条件内に前記基地局または前記他のD2D端末から共通時間基準を獲得しない場合、前記端末は、共通時間基準を続いて提供することができる。
【0086】
図7は、本発明による無線通信システムにおいて共通時間基準を提供されたD2D端末が共通時間基準を失うようになる場合、端末動作手続の例を示している。
【0087】
図7を参照すれば、700段階で、前記端末は、提供された共通時間基準が遺失されたか否かを判断する。ここで、共通時間基準遺失というのは、所定の時間区間の間にまたは特定のタイマーの満了まで共通時間基準獲得が不可能な状況を含む。もし共通時間基準が遺失されたら、端末は、701段階に進行し、基地局または他のD2D端末からの共通時間基準獲得を試みる。
【0088】
その後、702段階で、前記端末は、与えられた条件内に前記基地局または前記他のD2D端末からの共通時間基準を獲得したか否かを判別し、共通時間基準を獲得しなければ、703段階で、前記端末が共通時間基準を提供する。ここで、与えられた条件というのは、所定長さの時間区間、所定回数の共通時間基準獲得試み、及び特定のタイマーの満了中の1つ以上を含む。但し、時間区間の長さ及び獲得試み回数値、またはタイマー時間は、前述した図4図5図6の例と異なるように設定されることができる。その後、端末は、本発明によるアルゴリズムを終了する。
【0089】
もし共通時間基準が遺失されなければ、704段階に進行し、前記端末は、与えられた共通時間基準に合わせて続いて同期を維持する。もし702段階で、与えられた条件内に前記基地局または前記他のD2D端末からの共通時間基準を獲得したら、前記端末は、704段階に進行し、獲得した共通時間基準によって同期を維持する。この際、実施形態において、前記端末が基地局と他のD2D端末の両方から共通時間基準獲得に成功した場合、前記端末は、基地局からの共通時間基準を優先して従うことができる。その後、端末は、実施形態によるアルゴリズムを終了する。
【0090】
図8は、本発明による無線通信システムにおいてD2D端末が基地局から最も最近受信した共通時間基準提供許可可否に対するシグナリングを基盤として共通時間基準を提供する端末動作手続の例を示している。実施形態において、端末は、セルラ網からサービスを受けることができない状況で、初期同期獲得段階を始めると仮定する。しかし、図8で説明する実施形態は、他の実施形態において、前記端末が前記基地局から共通時間基準を受信し、前記基地局から設定された前記受信した共通時間基準提供許可の可否を受信した場合、同一に適用されることができる。また、前記端末は、共通時間基準提供許可の可否を受信しない場合にも、既定の条件によって前記受信した共通時間基準を提供するか否かを判断することができる。
【0091】
図8を参照すれば、800段階で、前記端末は、与えられた条件内に基地局または他のD2D端末から共通基準時間を獲得したか否かを判断する。ここで、与えられた条件というのは、所定長さの時間区間、所定回数の共通時間基準獲得試み及び特定のタイマーの満了中の1つ以上を含む。
【0092】
前記共通時間基準獲得に失敗した場合、前記端末は、801段階に進行し、前記基地局から最も最近受信した設定が共通時間基準提供可能になっているかを判断する。前記設定は、他のD2D端末からも受信されることができる。また、実施形態によって、前記設定は、前記基地局または前記他のD2D端末から受信した信号に指示子(indicator)形態で含まれることができ、前記指示子が指示する事項によって、前記端末は、共通時間基準を提供することができる。
【0093】
もし前記基地局から提供可能に設定されたら、前記端末は、802段階に進行し、共通時間基準を提供することができる。その後、端末は、本発明によるアルゴリズムを終了する。ここで、最も最近前記共通時間基準提供可能を設定された前記端末は、共通時間基準を提供している途中に、前記基地局や前記他のD2D端末から共通時間基準を獲得するようになっても、前記設定に変化がなければ、獲得した共通時間基準で獲得した同期に合わせて端末も共通時間基準を続いて提供することができる。実施形態によれば、前記端末が共通時間基準を提供する間に、前記端末が前記基地局や他のD2D端末から共通時間基準を獲得する場合を仮定することができる。この際、前記端末は、新たに受信した共通時間基準によって同期を合わせる動作及び前記新たに受信した共通時間基準を他のD2D端末に提供する動作中の1つ以上を行うことができる。
【0094】
800段階で、前記端末が与えられた条件内に共通時間基準を獲得したら、前記端末は、803段階に進行し、獲得した共通時間基準に従う。この際、前記基地局と前記他のD2D端末の両方から共通時間基準獲得に成功した場合に、前記端末は、前記基地局から獲得した共通時間基準を優先して従うことができる。その後、端末は、本発明によるアルゴリズムを終了する。
【0095】
801段階で、前記基地局から最も最近受信した設定が共通時間基準の提供不可能なら、前記端末は、共通時間基準を提供せず、さらに800段階に戻って、共通時間基準獲得を試みる。
【0096】
図9は、本発明による無線通信システムにおいてD2D端末のD2D同期信号送信機ブロック構成の例を示している。前記無線通信システムは、OFDM基盤転送技術を使用すると仮定する。しかし、実施形態によって、前記端末は、他の転送技術を使用する端末であることができる。
【0097】
図9を参照すれば、制御機900は、D2D端末が共通時間基準を提供するように決定された場合、共通時間基準の提供手段になるD2D同期信号を生成するように制御する。前記制御機900からD2D同期信号生成を命令されれば、D2D同期信号生成器901は、D2D同期信号であるPrimary/Secondary D2D同期信号をそれぞれ生成する。
【0098】
この際、前記2つの同期信号は、互いに異なるシーケンスで構成されることができる。生成されたD2D同期信号は、D2D同期信号資源割当器902に入力され、D2D同期信号は、前述した図1図2図3の例のように転送時間、周波数資源領域にマッピングされる。ここで、資源領域マッピングに制御機900が関与してD2D同期信号転送時点によって前述した図2の例のように他のマッピングパターンを適用することができる。資源割当されたD2D同期信号は、以後OFDM基盤信号生成器903を経てOFDMシンボル形態を備えた後、転送される。
【0099】
図10は、本発明による無線通信システムにおいてD2D端末のD2D同期信号受信機ブロック構成の例を示す。前記無線通信システムは、LTEを仮定したが、他のシステムでも前記端末が動作することができる。
【0100】
図10を参照すれば、受信されたD2D同期信号は、制御機1000の制御の下にD2D同期信号抽出器1001でD2D同期信号が転送されるとき、マッピングされた時間/周波数資源領域からD2D同期信号を抽出する。ここで、制御機1000は、前述したように、D2D同期信号転送時点によって異なるように適用されたマッピングパターンを考慮して、D2D同期信号を抽出するようにD2D同期信号抽出器1001を制御することができる。抽出されたD2D同期信号は、D2D同期信号検出器1002で最終検出される。受信端末は、検出されたD2D同期信号から同期及びD2D同期信号転送主体のIDを獲得することができる。
【0101】
本発明の実施が可能なD2D端末は、それらがセルラーネットワークで共通時間基準を獲得することができない場合に効率的にD2D通信を行うことができるように自律的にD2D同期信号を介して共通時間基準を獲得することができる。この自律的共通時間基準を提供する観点から、D2D端末の優先順位を付与することができるので、多数のD2D端子各共通時間基準を提供する状況による混同が減少することができる。また、正常に作動するセルラーネットワークと信号を送受信することができる端末の場合、D2D通信のための共通の時間基準を提供することを中止し、セルラーネットワークで対応する共通時間基準を獲得することができる。
【0102】
また、実施形態において、D2D端末は、基地局及び他のD2D端末のうち1つ以上とデータを送受信することができる送受信部と、前記送受信部の動作を制御し、前記送受信部を介して送受信されるデータを基盤として前記D2D端末の動作を制御することができる制御部とを含むことができる。
【0103】
また、実施形態において、基地局は、D2D端末及び他の基地局のうち1つ以上とデータを送受信することができる送受信部と、前記送受信部の動作を制御し、前記送受信部を介して送受信されるデータを基盤として前記D2D端末の動作を制御することができる制御部とを含むことができる。
【0104】
一方、本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない限度内でさまざまな変形が可能である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形に限って定められるべきものではなく、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきものである。
【符号の説明】
【0105】
900 制御機
901 D2D同期信号生成器
902 D2D同期信号資源割当器
903 ODFM基盤信号生成器
1000 制御機
1001 D2D同期信号抽出器
1002 D2D同期信号検出器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10