(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】袋束取出システム及び収容ユニット
(51)【国際特許分類】
B65B 61/00 20060101AFI20230227BHJP
【FI】
B65B61/00
(21)【出願番号】P 2019157763
(22)【出願日】2019-08-30
【審査請求日】2021-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】森野 学
(72)【発明者】
【氏名】福永 一生
(72)【発明者】
【氏名】梶原 将太
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 尚之
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-041122(JP,A)
【文献】実開昭50-102787(JP,U)
【文献】特開2019-094151(JP,A)
【文献】実開昭59-088033(JP,U)
【文献】実開昭54-118378(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の袋束が収容される収容ユニットと、
前記1以上の袋束を前記収容ユニットから取り出す取出ユニットと、を備え、
各袋束は、複数の袋を含み、局所的に厚みが大きい厚み部を有し、
前記収容ユニットは、袋束が載せられる1以上の支持部と、各支持部に袋束が載せられた場合に当該袋束の下方に位置する進入スペースと、を有し、
前記取出ユニットは、少なくとも一部が前記進入スペースに進入する保持部であって当該進入スペースの上方に位置する袋束を保持する保持部を有し、
各支持部は、載せられた袋束と接触する接触部を有し、
各支持部の前記接触部のうち最も高い位置にある接触頂部は、袋束のうちの前記厚み部以外の部分が載せられる袋束取出システム。
【請求項2】
各支持部は、厚み配置スペースを区画する厚み配置切り欠きを有し、
各支持部に載せられている袋束の前記厚み部の少なくとも一部は、各支持部の前記厚み配置スペースに位置する請求項1に記載の袋束取出システム。
【請求項3】
各支持部は、前記進入スペースを区画する進入形成切り欠きを有する請求項1又は2に記載の袋束取出システム。
【請求項4】
各支持部は、前記進入スペースを区画する進入形成切り欠きを有し、
各支持部の前記接触頂部は、水平方向に関して前記厚み配置切り欠きと前記進入形成切り欠きとの間に位置する請求項2に記載の袋束取出システム。
【請求項5】
前記収容ユニットが有するスペースを第1水平方向に関して2以上の収容スペースに分割する第1区画部を備え、
前記2以上の収容スペースの各々に前記支持部及び前記進入スペースが設けられ、
前記第1区画部は、前記第1水平方向に関して互いに隣り合って位置する収容スペース同士をつなぐ連絡スペースを有し、
前記保持部の少なくとも一部は、前記連絡スペースを通って、前記第1水平方向に関して互いに隣り合って位置する収容スペース間を移動する請求項1~4のいずれか一項に記載の袋束取出システム。
【請求項6】
各支持部は、高さ方向に延在する複数の板状部材であって水平方向にお互いから離れて位置する複数の板状部材を含み、
前記接触部は、前記複数の板状部材の上端面によって構成される請求項1~5のいずれか一項に記載の袋束取出システム。
【請求項7】
前記収容ユニットが有するスペースを第2水平方向に関して2以上の収容スペースに分割する第2区画部を備え、
前記2以上の収容スペースの各々に前記支持部及び前記進入スペースが設けられ、
前記複数の板状部材の各々は、前記第2区画部を前記第2水平方向に貫いており、前記第2水平方向に関して互いに隣り合って位置する収容スペースにわたって延在する請求項6に記載の袋束取出システム。
【請求項8】
1以上の袋束が収容される収容ユニットであって、
袋束が載せられる1以上の支持部と、
各支持部に袋束が載せられた場合に当該袋束の下方に位置する進入スペースと、を備え、
各袋束は、複数の袋を含み、局所的に厚みが大きい厚み部を有し、
各支持部は、載せられた袋束と接触する接触部を有し、
各支持部の前記接触部のうち最も高い位置にある接触頂部は、袋束のうちの前記厚み部以外の部分が載せられる収容ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋束が収容される収容ユニット及び収容ユニットから袋束を取り出す袋束取出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
収容ユニットに収容されている袋束を持ち上げる際、把持爪などの保持部によって、袋束の上面及び下面が挟まれて保持されることがある。特に、柔軟な複数の袋から成る袋束を側方から安定的に保持することは難しく、安定的保持の観点からは、袋束を下方保持部に載せて下方から保持することが好ましい。
【0003】
袋束の下面の全体が収容ユニットに接している場合、袋束の下面と収容ユニットとの間に保持部を進入させることは簡単ではない。袋束の下面と収容ユニットとの間に保持部を強引に進入させると、袋束に含まれる袋(特に下方に配置される袋)は保持部により押されて折り目がつけられたり、破れたりする懸念がある。
【0004】
そのような袋の折り目形成や破損を回避するため、収容ユニットの載置面に凹状スペースを形成し、袋束の下面の一部が凹状スペースと向かい合うように袋束を載置面に載せ、凹状スペースに進入させた保持部によって袋束の下面を保持することが有効である。例えば特許文献1が開示する装置では、ホルダの底面に形成された切欠に爪が挿入され、当該爪によってプラスチック袋が下方から保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
各袋が全体にわたってほぼ均一の厚みを持つ平袋の場合、袋束も全体にわたってほぼ均一の厚みを有する。一方、スパウト付き袋や自立袋のように局所的に厚みの異なる部分を含む袋(特に局所的に厚みが大きい部分を有する袋)の場合、袋束も局所的に厚みが大きい部分(以下「厚み部」とも称する)を有することがある。特に、袋束に含まれる袋の姿勢及び方向性がお互いに揃えられ、袋の厚みが大きい部分同士が重ね合わせられる場合、袋束の厚み部の厚さは累積的に大きくなる。
【0007】
厚み部を有する袋束を平坦な載置面に載せた場合、厚み部は他の部分よりも高く延在することになる。袋束の姿勢の崩れを防ぐため、収容ユニットは、適切に厚み部を支持することが求められる。そのような収容ユニットの支持構造は、厚み部と同等若しくはそれ以上の高さを必要とし、高さ方向に大きなスペースを占めることになる。特に、保持部を袋束の下方に進入させるための凹状スペースを載置面が有する場合、収容ユニットは、袋束の厚み部を支持する構造のための高さ方向スペースに加え、凹状スペースのための高さ方向スペースを必要とする。
【0008】
また厚み部を有する袋束を平坦な載置面に載せた場合、下方に位置する袋は、平坦状態に近い状態で保持されるため、また自重の影響を比較的強く受けるため、安定した状態で収容ユニットに収容可能である。一方、上方に位置する袋は、厚み部において上方に曲げられた状態で保持され、また自重の影響が比較的弱いため、姿勢が崩れやすく安定した状態で収容ユニットに収容されることが難しい。
【0009】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、収容ユニットの高さ方向に関する占有スペースの増大を抑えつつ、局所的に厚みが大きい部分を有する袋束を収容ユニットにおいて安定した状態で保持することを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、1以上の袋束が収容される収容ユニットと、1以上の袋束を収容ユニットから取り出す取出ユニットと、を備え、各袋束は、複数の袋を含み、局所的に厚みが大きい厚み部を有し、収容ユニットは、袋束が載せられる1以上の支持部と、各支持部に袋束が載せられた場合に当該袋束の下方に位置する進入スペースと、を有し、取出ユニットは、少なくとも一部が進入スペースに進入する保持部であって当該進入スペースの上方に位置する袋束を保持する保持部を有し、各支持部は、載せられた袋束と接触する接触部を有し、各支持部の接触部のうち最も高い位置にある接触頂部は、袋束のうちの厚み部以外の部分が載せられる袋束取出システムに関する。
【0011】
各支持部は、厚み配置スペースを区画する厚み配置切り欠きを有し、各支持部に載せられている袋束の厚み部の少なくとも一部は、各支持部の厚み配置スペースに位置してもよい。
【0012】
各支持部は、進入スペースを区画する進入形成切り欠きを有してもよい。
【0013】
各支持部は、進入スペースを区画する進入形成切り欠きを有し、各支持部の接触頂部は、水平方向に関して厚み配置切り欠きと進入形成切り欠きとの間に位置してもよい。
【0014】
袋束取出システムは、収容ユニットが有するスペースを第1水平方向に関して2以上の収容スペースに分割する第1区画部を備え、2以上の収容スペースの各々に支持部及び進入スペースが設けられ、第1区画部は、第1水平方向に関して互いに隣り合って位置する収容スペース同士をつなぐ連絡スペースを有し、保持部の少なくとも一部は、連絡スペースを通って、第1水平方向に関して互いに隣り合って位置する収容スペース間を移動してもよい。
【0015】
各支持部は、高さ方向に延在する複数の板状部材であって水平方向にお互いから離れて位置する複数の板状部材を含み、接触部は、複数の板状部材の上端面によって構成されてもよい。
【0016】
袋束取出システムは、収容ユニットが有するスペースを第2水平方向に関して2以上の収容スペースに分割する第2区画部を備え、2以上の収容スペースの各々に支持部及び進入スペースが設けられ、複数の板状部材の各々は、第2区画部を第2水平方向に貫いており、第2水平方向に関して互いに隣り合って位置する収容スペースにわたって延在してもよい。
【0017】
本発明の他の態様は、1以上の袋束が収容される収容ユニットであって、袋束が載せられる1以上の支持部と、各支持部に袋束が載せられた場合に当該袋束の下方に位置する進入スペースと、を備え、各袋束は、複数の袋を含み、局所的に厚みが大きい厚み部を有し、各支持部は、載せられた袋束と接触する接触部を有し、各支持部の接触部のうち最も高い位置にある接触頂部は、袋束のうちの厚み部以外の部分が載せられる収容ユニットに関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、収容ユニットの高さ方向に関する占有スペースの増大を抑えつつ、局所的に厚みが大きい部分を有する袋束を収容ユニットにおいて安定した状態で保持することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、袋束取出システムの基本構成を例示するブロック図である。
【
図2】
図2は、収容ユニットの一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示す断面線IV-IVに沿った袋の断面図である。
【
図5】
図5は、袋束取出システムの動作状態を例示する断面図である。
【
図6】
図6は、袋束が保持部によって保持されている状態を示す側方図である。
【
図8】
図8は、第2土台ユニットを下方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0021】
以下の説明において、特にことわりがない限り、高さ方向は、重力が作用する鉛直方向と平行な方向を意味し、上下方向は高さ方向を基準としている。水平方向は、高さ方向と直角を成す方向である。
【0022】
図1は、袋束取出システム10の基本構成を例示するブロック図である。
【0023】
袋束取出システム10は、1以上の袋束が収容される収容ユニット11と、1以上の袋束を収容ユニット11から取り出す取出ユニット12と、収容ユニット11を搬送する搬送ユニット13と、取出ユニット12及び搬送ユニット13を制御する制御ユニット14と、制御ユニット14に検出結果を送信するセンサユニット15と、を備える。
【0024】
制御ユニット14は、取出ユニット12及び搬送ユニット13を制御する。図示の制御ユニット14は、センサユニット15の検出結果に基づいて取出ユニット12及び搬送ユニット13を制御するが、センサユニット15の検出結果によらずに取出ユニット12及び搬送ユニット13を制御してもよい。例えば、制御ユニット14は、予め定められたシーケンスに従って、取出ユニット12及び搬送ユニット13を制御してもよい。
【0025】
センサユニット15は、1又は複数のセンサを含み、各種情報を検出する。センサユニット15に含まれるセンサは限定されない。典型的には、収容ユニット11における袋束の有無を検出するセンサ(例えば光学センサ)、搬送ユニット13によって搬送されている収容ユニット11の位置を検出するセンサ、及び許可されていない人間及び/又は物体が立ち入り禁止区域において存在するか否かを検出するセンサが、センサユニット15に含まれうる。センサユニット15に含まれる1又は複数のセンサが取り付けられる位置は限定されない。収容ユニット11、搬送ユニット13及び取出ユニット12のうちの少なくともいずれかにセンサが取り付けられていてもよいし、他の場所にセンサが取り付けられていてもよい。センサユニット15は設けられなくてもよい。
【0026】
搬送ユニット13の構成は限定されない。例えば収容ユニット11が載せられるベルトを具備するベルトコンベア(図示省略)を使って、搬送ユニット13が構成されていてもよい。収容ユニット11を搬送する必要がない場合、搬送ユニット13は設けられなくてもよい。例えば人手によって、収容ユニット11を所定の取出箇所に運んでもよい。
【0027】
図2は、収容ユニット11の一例を示す斜視図である。
図3は、袋束80に含まれる袋81の平面図である。
図4は、
図3に示す断面線IV-IVに沿った袋81の断面図である。
図5は、袋束取出システム10の動作状態を例示する断面図である。
図6は、袋束80が保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)によって保持されている状態を示す側方図である。
図7は、土台アセンブリ40の斜視図である。
図8は、第2土台ユニット42を下方から見た図である。
【0028】
本実施形態では、複数の袋束80が収容ユニット11に収容される。
図2には、収容ユニット11の構成を説明するために、袋束80が1つのみ図示されており、他の袋束80の図示は省略されている。また
図2には収容ユニット11の一段分の構成のみが示されているが、本実施形態の収容ユニット11は複数段構成(具体的には2段構成)を有する(
図7参照)。
【0029】
各袋束80は、複数の袋81を含み、局所的に厚みが大きい厚み部(すなわち第1厚み部91及び第2厚み部92(
図5及び
図6参照))を有する。各袋束80に含まれる袋81の数は限定されず、例えば50~100枚程度の袋81が各袋束80に含まれていてもよい。
【0030】
図示の袋81は、
図3及び
図4に示すように、口部81aの近傍に設けられたチャック部82と、底部81bに形成された自立部83と、チャック部82と自立部83との間で延在する薄層部84とを有する。チャック部82は、例えば袋本体とは別の部材(例えばファスナー等)によって構成され、袋81の内側を密閉したり、口部81aを介して袋81の内側を外部に開放したりする。自立部83は、袋本体が多重的に重なり合っている折り畳み構造を有し、水平方向に展開されることによって袋81を自立させるための支持部として機能することができる。薄層部84は、袋本体によって構成され、袋の表側壁部及び裏側壁部が層状に重なり合って構成されている。袋81の内側の容積がほぼゼロ(0)の状態又はゼロに近い状態において、袋81は全体としては薄く広がる形状を有するが、チャック部82及び自立部83は薄層部84よりも厚みが大きく、チャック部82は自立部83よりも厚みが大きい。
【0031】
各袋束80に含まれる全ての袋81は、同じ向き及び同じ姿勢を有する状態で、お互いに積み重ねられている。したがって各袋束80は、
図5及び
図6に示すように、各袋81のチャック部82に対応する位置において第1厚み部91を有し、各袋81の自立部83に対応する位置において第2厚み部92を有し、各袋81の薄層部84に対応する位置において薄層構成部93を有する。第1厚み部91及び第2厚み部92は薄層構成部93よりも厚みが大きく、第1厚み部91は第2厚み部92よりも厚みが大きい。
【0032】
収容ユニット11は、袋束80が載せられる1以上の支持部21(本実施形態は複数の支持部21)と、各支持部21に袋束80が載せられた場合に当該袋束80の下方に位置する進入スペースS1(
図5参照)と、を有する。
【0033】
各支持部21は、載せられた袋束80を下方から支持する。本実施形態の各支持部21は、水平方向にお互いから離れて位置する複数の板状部材22を含む。各板状部材22は、高さ方向(Z方向)に延在するとともに、水平方向に延在する。図示の各支持部21は、第1水平方向(X方向)にお互いから離れて位置する2つの板状部材22を含み、各板状部材22は、第1水平方向と直角を成す第2水平方向(Y方向)に延在する。
【0034】
各支持部21の各板状部材22は、厚み配置スペース(第1厚み配置スペースS2及び第2厚み配置スペースS3(
図5参照))を区画する厚み配置切り欠き30を有する。図示の板状部材22は第1厚み配置切り欠き30a及び第2厚み配置切り欠き30bを有する。第1厚み配置切り欠き30aは、袋束80の第1厚み部91を配置するための第1厚み配置スペースS2を区画する。第2厚み配置切り欠き30bは、袋束80の第2厚み部92を配置するための第2厚み配置スペースS3を区画する。支持部21に載せられた袋束80の厚み部(第1厚み部91及び第2厚み部92)の一部は、厚み配置スペース(第1厚み配置スペースS2及び第2厚み配置スペースS3)に位置する。
【0035】
各支持部21の各板状部材22は、進入スペースS1を区画する進入形成切り欠き31を有する(
図5参照)。取出ユニット12が有する保持部(特に下方保持部70b)の少なくとも一部は、袋束80を保持する際に、進入スペースS1に進入する。
【0036】
保持部は、進入スペースS1の上方に位置する袋束80を保持する。本実施形態の保持部は、
図5及び
図6に示すように、上方保持部70a及び下方保持部70bを有する。袋束80の上方に位置する上方保持部70aと袋束80の下方に位置する下方保持部70bとによって当該袋束80を挟むことで、袋束80は持ち上げ可能に保持される。
【0037】
上方保持部70a及び下方保持部70bは、一体的に高さ方向及び水平方向に関して移動可能に設けられている。また上方保持部70a及び下方保持部70bは、高さ方向に関してお互いに異なる挙動を示すことができるように移動可能に設けられており、例えば高さ方向に関して対称的な挙動を示すように設けられていてもよい。取出ユニット12は、制御ユニット14の制御下で駆動する駆動機構(図示省略)を有し、当該駆動機構を介して伝達される動力によって上方保持部70a及び下方保持部70bは動作する。そのような駆動機構は、当業者であれば既知の機構を利用して簡単に構成可能であり、駆動機構の具体例の説明は省略する。
【0038】
各支持部21は、載せられた袋束80と接触する接触部28を有する。図示の例において、接触部28は、各板状部材22の上端面(すなわち上方向に向けられた端面)によって構成される。
【0039】
各支持部21の接触部28のうち最も高い位置にある接触頂部29は、水平方向に関して厚み配置切り欠き30と進入形成切り欠き31との間に位置し、袋束80のうちの厚み部以外の部分が載せられる。図示の接触頂部29は、第2水平方向(Y方向)に関して第1厚み配置切り欠き30aと進入形成切り欠き31との間(言い換えれば、第1厚み配置スペースS2と進入スペースS1との間)に位置し、袋束80の薄層構成部93が載せられる(
図5参照)
【0040】
収容ユニット11の内側のスペースは複数の収容スペースS0に分割されており、各収容スペースS0に1つの支持部21が配置されている。
図2に示す例では、複数(5つ)の板状の側方パーティション23と、複数(3つ)の板状の前後パーティション24とによって、複数(8つ)の収容スペースS0が区画されている。側方パーティション23は第1水平方向(X方向)に関してお互いに等間隔に設けられ、前後パーティション24は第2水平方向(Y方向)に関してお互いに等間隔に設けられ、各収容スペースS0は長方形の平面形状を有する。
【0041】
各側方パーティション23及び各前後パーティション24は、お互いに嵌め合わされて固定されている。各側方パーティション23は、各前後パーティション24を貫通するように延在する。各前後パーティション24は、各側方パーティション23を貫通するように延在する。各側方パーティション23及び各前後パーティション24の具体的な嵌め合わせ構造は限定されない。典型的には、各側方パーティション23及び各前後パーティション24に切欠部(図示省略)を形成し、切欠部同士を嵌め合わせることによって、各側方パーティション23及び各前後パーティション24をお互いに対して固定的に連結することができる。
【0042】
最も外側に位置する2つの側方パーティション23及び最も外側に位置する2つの前後パーティション24は、収容ユニット11の内側スペースを定める。最も外側の2つの側方パーティション23間に位置する3つの側方パーティション23は、収容ユニット11の内側のスペースを第1水平方向(X方向)に関して2以上の収容スペースS0(図示の例では4つの収容スペースS0)に分割する第1区画部25として機能する。最も外側の2つの前後パーティション24間に設けられる1つの前後パーティション24は、収容ユニット11の内側のスペースを第2水平方向(Y方向)に関して2以上の収容スペース(図示の例では2つの収容スペースS0)に分割する第2区画部26として機能する。
【0043】
各板状部材22は、各前後パーティション24(第2区画部26を含む)を第2水平方向(Y方向)に貫いており、第2水平方向に関して互いに隣り合って位置する収容スペースS0にわたって延在する。各板状部材22及び各前後パーティション24は、お互いに嵌め合わされて固定されている。典型的には、各板状部材22の切欠部(図示省略)と各前後パーティション24の切欠部(図示省略)とをお互いに嵌め合わせることによって、各板状部材22及び各前後パーティション24をお互いに対して固定的に連結することができる。このようにして各収容スペースS0には支持部21及び進入スペースS1が設けられ、それぞれの収容スペースS0に袋束80が1つずつ収容される。
【0044】
収容スペースS0の平面形状及びサイズは、袋束80の平面形状及びサイズに応じて決められる。収容スペースS0に対して袋束80をスムーズに出し入れする観点からは、収容スペースS0の平面サイズは、袋束80よりも大きいことが好ましい。一方、収容スペースS0の平面サイズが袋束80よりも大き過ぎる場合、袋束80が支持部21から落下する懸念がある。したがって各側方パーティション23及び各前後パーティション24を袋束80の移動を制限するストッパーとして機能させることができる程度に、収容スペースS0の平面サイズを袋束80の平面サイズよりもわずかに大きくしてもよい。例えば、支持部21に載せられている袋束80と、隣接する側方パーティション23及び前後パーティション24の各々との間のマージン(間隔)を、1~2mm程度としてもよい。
【0045】
各側方パーティション23(第1区画部25を含む)は連絡スペースS4を有する。各連絡スペースS4は、隣り合う収容スペースS0内の進入スペースS1と、第1水平方向(X方向)に向かい合う。図示の例では、各側方パーティション23が第2水平方向(Y方向)に並ぶ複数(2つ)の収容スペースS0にわたって設けられているので、各側方パーティション23は2つの連絡スペースS4を有する。各連絡スペースS4は、第1水平方向(X方向)に関して互いに隣り合って位置する収容スペースS0同士をつなぐ。保持部の少なくとも一部(特に下方保持部70b)は、連絡スペースS4を通って、第1水平方向(X方向)に関して互いに隣り合って位置する収容スペースS0間を移動する。
【0046】
各板状部材22、各側方パーティション23及び各前後パーティション24は、土台アセンブリ40の土台ユニットによって支持される。図示の土台アセンブリ40は、
図7に示すように、第1土台ユニット41と、第1土台ユニット41上に取り付けられた第2土台ユニット42とを有する。以下、主として第1土台ユニット41について説明するが、第2土台ユニット42も基本的に第1土台ユニット41と同じ構造を有する。
【0047】
第1土台ユニット41は、第1水平方向(X方向)に延在する2つの第1土台フレーム43と、第2水平方向(Y方向)に延在する2つの第2土台フレーム44と、第1水平方向に延在する第3土台フレーム45とを有する。一方の第1土台フレーム43の両端部のそれぞれが2つの第2土台フレーム44の一方の端部に固定され、他方の第1土台フレーム43の両端部のそれぞれが2つの第2土台フレーム44の他方の端部に固定されている。第3土台フレーム45は第1土台フレーム43間に位置し、第3土台フレーム45の両端部のそれぞれが2つの第2土台フレーム44の中心位置に対応する部分に固定されている。
【0048】
各第1土台フレーム43には、上方に延在する2つの係合支持部47が固定されており、これらの2つの係合支持部47の上方端部には、第1水平方向(X方向)に延在するフレーム係合部46が固定されている。
【0049】
各第1土台フレーム43の下面には、
図8に示すように、第2水平方向(Y方向)に延在する2つの第1フレーム脚部48と、第1フレーム脚部48間において第1水平方向(X方向)に延在する第2フレーム脚部49とが取り付けられている。各第1土台フレーム43の下方には、2つの第1フレーム脚部48及び1つの第2フレーム脚部49によって区画される係合スペースS5が形成される。係合スペースS5は、対応の第2フレーム脚部49よりも外側に位置し、フレーム係合部46を嵌め込み可能な形状及びサイズを有する。係合スペースS5にフレーム係合部46が嵌め込まれた場合、フレーム係合部46の第1水平方向(X方向)への移動が第1フレーム脚部48によって制限され、フレーム係合部46の第2水平方向(Y方向)への移動が第2フレーム脚部49によって制限される。これにより、フレーム係合部46が係合スペースS5から意図せずに外れてしまうことを防ぐことができる。
【0050】
本実施形態では、
図7に示すように、第1土台ユニット41上に第2土台ユニット42が載せられる。すなわち第1土台ユニット41のそれぞれのフレーム係合部46が、第2土台ユニット42の対応の係合スペースS5(
図8参照)に配置され、第2土台ユニット42は、水平方向への移動が制限された状態で、第1土台ユニット41に据え付けられる。
【0051】
図7及び
図8では、側方パーティション23、前後パーティション24及び板状部材22の図示が省略されている。実際には
図2に示すように、第1土台ユニット41及び第2土台ユニット42の各々に対し、複数の側方パーティション23、複数の前後パーティション24及び複数の板状部材22が直立状態で取り付けられている。図示の例では、各側方パーティション23のうち水平方向に関する両端部の下方部分が切欠部を構成し、これらの切欠部のそれぞれが2つの第1土台フレーム43に嵌め合わされ且つ載せられている。また各前後パーティション24のうち水平方向に関する両端部の下方部分が切欠部を構成し、これらの切欠部のそれぞれが2つの第2土台フレーム44に嵌め合わされ且つ載せられている。また各板状部材22のうち水平方向に関する両端部の下方部分が切欠部を構成し、これらの切欠部のそれぞれが2つの第1土台フレーム43に嵌め合わされ且つ載せられている。なお第3土台フレーム45上には、前後パーティション24(特に第2区画部26として働く前後パーティション24)が位置する。
【0052】
次に、袋束取出システム10の作動例について説明する。
【0053】
まず収容ユニット11の各支持部21に袋束80が載せられ、各収容スペースS0に袋束80が収容される。本実施形態では、第1土台ユニット41に設けられた各支持部21に袋束80が載せられ、第2土台ユニット42に設けられた各支持部21に袋束80が載せられ、第1土台ユニット41の上に第2土台ユニット42が載せられる。収容ユニット11に袋束80を収容する作業及び第1土台ユニット41の上に第2土台ユニット42を載せる作業は、人手によって行われてもよいし機械によって行われてもよい。
【0054】
各収容スペースS0に配置されている袋束80は、側方パーティション23によって第1水平方向(X方向)への移動が規制され、前後パーティション24によって第2水平方向(Y方向)への移動が規制される。各袋束80の第1厚み部91の一部が第1厚み配置スペースS2に配置され、各袋束80の第2厚み部92の一部が第2厚み配置スペースS3に配置される。各支持部21の接触頂部29には、袋束80の薄層構成部93が載せられる(
図5参照)。したがって各袋束80は、第1厚み部91及び第2厚み部92が下方に垂れ下がった状態で、対応の支持部21によって支持される。これにより、収容スペースS0において袋束80の第1厚み部91及び第2厚み部92が上方に向かって延在する量を低減することができる。
【0055】
支持部21に支持されている袋束80の第1厚み部91及び第2厚み部92の垂れ下がり量は限定されない。収容ユニット11(特に板状部材22、側方パーティション23及び前後パーティション24)の上方向への必要スペースを低減する観点からは、薄層構成部93の上面位置よりも上方に第1厚み部91及び第2厚み部92が突出しない状態で、袋束80が収容スペースS0において支持部21により支持されることが好ましい。また収容ユニット11(特に板状部材22、側方パーティション23及び前後パーティション24)の下方向への必要スペースを低減する観点からは、第1厚み配置スペースS2及び第2厚み配置スペースS3の各々の最も下方の位置は、進入スペースS1の最も下方の位置と同じ高さ又は進入スペースS1の最も下方の位置よりも上方であることが好ましい。特に、取り出しの際における袋束80の姿勢の崩れを防ぐ観点からは、支持部21によって支持されている袋束80の姿勢が、保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)により持ち上げ保持されている袋束80の姿勢に近い方が好ましい。袋束80を取り出す際に当該袋束80の姿勢が大きく変化すると、当該姿勢の変化に伴う意図しない力が袋束80において生じることがあり、場合によっては保持部から袋束80が脱落する懸念がある。
【0056】
収容スペースS0において支持部21により袋束80を支持した状態で、「薄層構成部93の上面位置よりも上方に第1厚み部91及び第2厚み部92を突出させない」こと及び「第1厚み配置スペースS2及び第2厚み配置スペースS3の最も下方の位置を、進入スペースS1の最も下方の位置と同じ高さ又は進入スペースS1の最も下方の位置よりも上方にする」ことを両立させることができない場合もある。例えば
図5に示すように、第1厚み部91の厚さが、薄層構成部93の厚さサイズ及び進入スペースS1の高さ方向(Z方向)のサイズの合計よりも大きい場合がある。本ケースにおいて、「薄層構成部93の上面位置よりも上方に第1厚み部91及び第2厚み部92を突出させない」ことを満たす場合、「第1厚み配置スペースS2の最も下方の位置を、進入スペースS1の最も下方の位置と同じ高さ又は進入スペースS1の最も下方の位置よりも上方にする」ことを満たすことができない。このような場合、取り出しの際における袋束80の姿勢の崩れを防ぐ観点からは、保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)によって持ち上げ保持されている袋束80の姿勢に近い状態で、袋束80が支持部21により支持されることが好ましい。したがって図示の例では、薄層構成部93の上面位置よりも上方に第1厚み部91及び第2厚み部92を突出させないが、第1厚み配置スペースS2の最も下方の位置が進入スペースS1の最も下方の位置よりも下方にある状態で、袋束80が支持部21によって支持される。
【0057】
袋束80を安定的に支持する観点からは、支持部21によって支持される袋束80の範囲は広い方が好ましく、例えば袋束80の下面の全体(ただし進入スペースS1に露出する領域を除く)が支持部21に接触して下方から支持されることが好ましい。ただし、袋束80の下面の全体(ただし進入スペースS1に露出する領域を除く)が支持部21に接触している必要はなく、例えば第1厚み部91及び/又は第2厚み部92の少なくとも一部が支持部21から離れている状態で、袋束80が支持部21に載せられていてもよい。
【0058】
収容ユニット11への袋束80の収容作業が完了した後、収容ユニット11は、搬送ユニット13によって取出箇所に送られる。収容ユニット11を搬送ユニット13に載せる作業は、人手によって行われてもよいし機械によって行われてもよい。また収容ユニット11を搬送ユニット13によって搬送する必要がない場合、搬送ユニット13は設けられていなくてもよい。例えば、取出箇所に収容ユニット11が配置された状態で当該収容ユニット11に袋束80を収容する作業を行う場合、或いは収容ユニット11が人手によって取出箇所に運ばれる場合、搬送ユニット13は設けられていなくてもよい。
【0059】
収容ユニット11が取出箇所に配置されている状態で、取出ユニット12の保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)によって、袋束80が収容ユニット11から取り出されて後段に送られる。
【0060】
上方保持部70aは、連絡スペースS4を通って第1水平方向(X方向)へ移動させられ、取出対象の袋束80の上方に配置される(
図5参照)。下方保持部70bは、連絡スペースS4及び進入スペースS1を通って第1水平方向(X方向)へ移動させられ、取出対象の袋束80の下方に配置される(
図5参照)。その後、上方保持部70a及び下方保持部70bの高さ方向(Z方向)に関する間隔が狭められ、袋束80の薄層構成部93が上方保持部70a及び下方保持部70bにより挟まれて保持される。その後、上方保持部70a及び下方保持部70bは、袋束80を保持した状態を維持しつつ高さ方向及び水平方向に移動し、収容ユニット11の外側において袋束80を解放する。
【0061】
これらの一連の動作を繰り返し行うことによって、複数の袋束80が順次収容ユニット11から取り出されて後段に送られる。
【0062】
図示の例では、第1水平方向(X方向)に並ぶ複数(4つ)の収容スペースS0のグループ(以下「第1グルーブ」とも称する)から、順々に袋束80が取り出される。その後、第1グループに対して第2水平方向(Y方向)に隣り合った位置において第1水平方向(X方向)に並ぶ複数(4つ)の収容スペースS0のグループ(以下「第2グルーブ」とも称する)から、順々に袋束80が取り出される。各グループの収容スペースS0から連続的に袋束80を取り出す際、保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)は、収容ユニット11の外部から第1水平方向(X方向)に移動することで取出対象の袋束80の対応位置に配置されてもよいし、取出対象の袋束80の近傍(例えば取出対象の袋束80が配置されている収容スペースS0に隣接する空の収容スペースS0)から第1水平方向(X方向)に移動することで取出対象の袋束80の対応位置に配置されてもよい。
【0063】
収容ユニット11から全ての袋束80が取り出し終わるまで、取出ユニット12は上述の動作を繰り返し行う。上述のように本実施形態の土台アセンブリ40は第1土台ユニット41及び第2土台ユニット42を含む。そのため取出ユニット12は、まず第2土台ユニット42から袋束80を取り出した後、第2土台ユニット42を上方に持ち上げて第1土台ユニット41から取り外し、排出箇所(図示省略)に移動させる。取出ユニット12は、排出箇所で第2土台ユニット42を解放し、その後、第1土台ユニット41から袋束80を取り出す作業を行う。取出ユニット12は、保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)を使って第2土台ユニット42を第1土台ユニット41から取り外してもよいし、他の手段によって第2土台ユニット42を第1土台ユニット41から取り外してもよい。
【0064】
全ての袋束80が取り出されて空になった収容ユニット11は、人手又は機械によって、取出箇所から移動させられる。そして袋束80を収容している別の収容ユニット11が取出箇所に配置され、同様にして、袋束80が当該別の収容ユニット11から取り出される。
【0065】
以上説明したように本実施形態の袋束取出システム10及び収容ユニット11によれば、各支持部21の接触頂部29には袋束80のうちの厚み部(第1厚み部91及び第2厚み部92)以外の部分が載せられる。そのため、収容ユニット11の高さ方向(Z方向)の占有スペースの増大を抑えつつ、局所的に厚みが大きい部分を有する袋束80を収容ユニット11において安定した状態で保持することができる。
【0066】
特に、袋束80の厚み部(第1厚み部91及び第2厚み部92)を収容するための厚み配置スペース(第1厚み配置スペースS2及び第2厚み配置スペースS3)は、袋束80に対して進入スペースS1と同じ側に設けられている。この場合、進入スペースS1の形成に必要な高さ方向の領域を有効に活用して厚み配置スペースを設けることができ、厚み配置スペースの形成に伴う収容ユニット11の占有スペースの高さ方向への増大を効果的に抑えることができる。
【0067】
また各支持部21に厚み配置切り欠き30及び進入形成切り欠き31を形成することによって、進入スペースS1、第1厚み配置スペースS2及び第2厚み配置スペースS3を所望の相対位置において所望のサイズに精度良く設けることができる。
【0068】
また分離可能な板状部材22、側方パーティション23及び前後パーティション24を用いることによって、各板状部材22、各側方パーティション23及び各前後パーティション24を必要に応じて取り外すことができ、メンテナンスを簡単に行うことができる。
【0069】
また接触頂部29を厚み配置切り欠き30と進入形成切り欠き31との間に設けることによって、各支持部21によって袋束80を安定的に支持させることができる。特に、接触頂部29は、袋束80のうち袋束80の保持の際に保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)が接触する部分又は当該部分に近い部分を、支持することが好ましい。この場合、保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)によって持ち上げ保持されている袋束80の姿勢に近い状態で、支持部21は袋束80を支持することが可能である。
【0070】
また各側方パーティション23に連絡スペースS4を形成することによって、取出対象の袋束80への保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)の移動をスムーズ且つ迅速に行うことができる。
【0071】
また各支持部21を複数の板状部材22で構成することによって、支持部21の支持性能の低下を防ぎつつ、軽量化することができる。
【0072】
また各板状部材22が、前後パーティション24(特に第2区画部26)を第2水平方向(Y方向)に貫いて第2水平方向に関して互いに隣り合って位置する収容スペースS0にわたって延在することによって、収容ユニット11の構造を簡素化することができる。
【0073】
[変形例]
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また上述の実施形態及び変形例の構成が、全体的に又は部分的に組み合わせられてもよい。
【0074】
例えば、上述の実施形態において各袋束80は、両端部において厚み部(すなわち第1厚み部91及び第2厚み部92)を有するが、1つの厚み部のみ(例えば第1厚み部91のみ)を有していてもよい。この場合、各収容スペースS0には、1つの厚み配置スペースのみ(例えば第1厚み配置スペースS2)が設けられていてもよい。各袋束80が1つの厚み部のみを有する場合であっても、各支持部21(例えば各板状部材22)は、各袋束80の第2水平方向(Y方向)に関する両端部に対応する位置において切り欠かれていてもよい。この場合、保持部(上方保持部70a及び下方保持部70b)によって持ち上げ保持されている袋束80の姿勢に近い状態で、各支持部21は袋束80を支持することができ、袋束80の取り出し作業を安定化させることができる。
【0075】
また上述の実施形態では、分離可能な板状部材22、側方パーティション23及び前後パーティション24が、お互いに嵌め合わされることでお互いに固定されているが、これらの要素のうちの2以上要素が、分離不可能なように結合されていてもよい。また板状部材22、側方パーティション23及び前後パーティション24が、土台ユニット(第1土台ユニット41及び第2土台ユニット42)に対し、分離不可能なように結合されていてもよい。
【0076】
また各支持部21は、板状部材22の代わりにブロック体(図示省略)によって構成されていてもよい。
【0077】
また保持部は、上述の実施形態では袋束80を挟むことで保持しているが、他の保持手法を採用してもよい。例えば、保持部は、上方保持部70aを含まず、袋束80を下方保持部70bに載せることで保持してもよい。
【0078】
また上述の実施形態の収容ユニット11は複数の袋束80を収容可能に構成されているが、収容ユニット11は1つの袋束80のみを収容可能であってもよい。この場合、収容ユニット11は、1つの支持部21のみを備えていてもよい。
【0079】
また上述の実施形態の土台アセンブリ40は2つの土台ユニット(第1土台ユニット41及び第2土台ユニット42)を含むが、土台アセンブリ40は、1つの土台ユニットのみを含む一段構成であってもよいし、3以上の土台ユニットを含む3段以上の構成を有していてもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 袋束取出システム、11 収容ユニット、12 取出ユニット、13 搬送ユニット、14 制御ユニット、15 センサユニット、21 支持部、22 板状部材、23 側方パーティション、24 前後パーティション、25 第1区画部、26 第2区画部、28 接触部、29 接触頂部、30 厚み配置切り欠き、30a 第1厚み配置切り欠き、30b 第2厚み配置切り欠き、31 進入形成切り欠き、40 土台アセンブリ、41 第1土台ユニット、42 第2土台ユニット、43 第1土台フレーム、44 第2土台フレーム、45 第3土台フレーム、46 フレーム係合部、47 係合支持部、48 第1フレーム脚部、49 第2フレーム脚部、70a 上方保持部、70b 下方保持部、80 袋束、81 袋、81a 口部、81b 底部、82 チャック部、83 自立部、84 薄層部、91 第1厚み部、92 第2厚み部、93 薄層構成部、S0 収容スペース、S1 進入スペース、S2 第1厚み配置スペース、S3 第2厚み配置スペース、S4 連絡スペース、S5 係合スペース