(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】電気インプラントと給電線及びドレイン線構造体との間のインプラント可能な電気接続構造体
(51)【国際特許分類】
A61N 1/05 20060101AFI20230227BHJP
H01R 4/02 20060101ALI20230227BHJP
【FI】
A61N1/05
H01R4/02 Z
(21)【出願番号】P 2019567529
(86)(22)【出願日】2018-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2018063864
(87)【国際公開番号】W WO2018224341
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-04-21
(31)【優先権主張番号】102017209773.6
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517119556
【氏名又は名称】ニューロループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】プラフタ,デニス
(72)【発明者】
【氏名】キミッヒ,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】ボレティウス,ティム
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05324322(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0060857(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0151635(US,A1)
【文献】国際公開第2016/030823(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3171499(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/05
H01R 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導電体を有する電気インプラントと
、給電線及びドレイン線構造体との間のインプラント可能な電気接続構造体であって、前記複数に対応する数の電気ケーブルを備える電気接続構造体であって、
前記給電線及びドレイン線構造体の前記電気ケーブルは、それぞれ、導電性の平坦片が支持されていない状態で取り付けられるケーブル端部を有し、
前記導電性の平坦片のそれぞれにおいて、1つの前記導電体が
前記電気ケーブルと電気的に接続する電気接点を形成し、且つ、前記電気
接点は、前記電気ケーブルが互いに空間的に独立して配置され得るよう、互いに空間的に離間するよう構成される、インプラント可能な電気接続構造体。
【請求項2】
請求項1に記載のインプラント可能な電気接続構造体であって、
前記平坦片は、機械的な支持構造物無しで前記ケーブル端部に取り付けられるインプラント可能な電気接続構造体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のインプラント可能な電気接続構造体であって、
前記平坦片は、前記電気ケーブルとは別個のコンポーネントの形態で前記ケーブル端部に取り付けられるインプラント可能な電気接続構造体。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちの1項に記載のインプラント可能な電気接続構造体であって、
前記平坦片は、金属製プレートの形態で設計されているインプラント可能な電気接続構造体。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちの1項に記載のインプラント可能な電気接続構造体であって、
前記平坦片と前記少なくとも1つのインプラント側導電体との間の接続部は、溶接接続、接着接合接続、ワイヤーボンディング接続、ボールボンディング接続、又ははんだ付け接続であるインプラント可能な電気接続構造体。
【請求項6】
請求項1に記載のインプラント可能な電気接続構造体であって、
前記平坦片は、前記電気ケーブルに一体的に接続されている前記ケーブル端部において、ケーブル材料の材料変形により得られるインプラント可能な電気接続構造体。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちの1項に記載のインプラント可能な電気接続構造体であって、
前記少なくとも1つのインプラント側導電体は、フレキシブルで、フィルム状の非導電性の表面部材に一体化され、前記電気インプラントに電気的に接続され、
前記少なくとも1つの導電体は、ケーブルの前記平坦片に電気的に接続されている、自由にアクセス可能な導体端部を有するインプラント可能な電気接続構造体。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちの1項に記載のインプラント可能な電気接続構造体であって、
前記導電体は、前記平坦片に直接接続されるインプラント可能な電気接続構造体。
【請求項9】
複数の導電体を有する電気インプラントと給電線及びドレイン線構造体との間のインプラント可能な電気接続構造体であって、前記複数に対応する数の電気ケーブルを備える電気接続構造体を製造するための方法であって、
支持されていない導電性の平坦片、すなわち、支持構造を有しない導電性の平坦片が取り付けられているケーブル端部を有する、前記給電線及びドレイン線構造体に属する電気ケーブルを設け、
前記導電体を導電性の平坦片に接続する方法であって、
前記導電性の平坦片のそれぞれにおいて、1つの前記導電体が
前記電気ケーブルと電気的に接続する電気接点を形成し、且つ、前記電気
接点は、前記電気ケーブルが互いに空間的に独立して配置され得るよう、互いに空間的に離間するよう構成される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記平坦片は、接続部によって前記電気ケーブルのケーブル端部に取り付けられる方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、
前記平坦片は、前記ケーブル端部において前記ケーブルの一体的材料変形により製造される方法。
【請求項12】
請求項9乃至11のうちの1項に記載の方法であって、
フレキシブルで、フィルム状の非導電性の表面部材に一体化され、前記電気インプラントに電気的に接続される前記少なくとも1つの導電体は、前記平坦片に接続される前記電気ケーブルが前記表面部材に対して変形可能であ
る導体端部を有して、前記平坦片に直接接続される方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記電気ケーブルは、前記平坦片に接続され
る前記導体端部と共に、電気絶縁ポッティング化合物、又は電気絶縁保護被覆で覆われる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの導電体を有する電気インプラントと給電線及びドレイン線構造体との間のインプラント可能な電気接続構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
体内での永続的な、又は、少なくとも長期間の保持に適する電子インプラントは、通例、臓器の機能に治療的影響を及ぼすために利用される。公知技術の例には、心臓又は脳のペースメーカがある。治療対象の適用目的と複雑さによって、通例のインプラントは、当該インプラントに電力と共に電気制御と調節信号を供給する、多数の給電線とドレイン線を有する。電子的に複雑なインプラントのための給電線とドレイン線の数には、フレキシブルケーブルに組み込まれる20本以上の電線が含まれる場合があり、それによって、そのインプラントは、通例、電源と組み合わされた制御ユニットに接続される。その制御ユニットと電源の体内での位置決めは、移動により引き起こされる外部と内部のストレスがその人にとってできるだけ小さく、又、外科的アクセスが容易にできる、胸部、又は、鎖骨付近等の身体の一部の皮下で通例行われる。
【0003】
通例、そのインプラントと制御ユニット及び/又は電源との間の給電線とドレイン線は、一体的に設計されていないが、体内プラグ接続の形態、あるいは、脱着可能又は脱着不能の電気接続、例えば、ボンディング接続又ははんだ付け接続の形態の少なくとも1つのインターフェースを介して実装される。一方では、これにより、そのインターフェースに必要な実装スペースに関連する問題が引き起こされ、又、他方では、湿った体内環境のために、そのインターフェース領域を耐湿性にすることが必要となる。
【0004】
多極給電線及びドレイン線構造体を介して提供されるインプラント可能なカフ電極配置の例を用いた場合における、それ自体公知のインプラント可能な電気的多極接続構造体に関する、現在まで存在する問題について、
図2a乃至
図2cで示す図を参照して詳細に説明する。
【0005】
図2aは、神経線維束2を囲むように巻回電極体として設計されているカフ電極配置1の形態の電気インプラントを示す。神経線維束2を治療的に刺激する目的のために、カフ電極配置1には、電力と制御信号が互いに別々に供給される、多数の個別の電極表面が設けられている。当該目的のために、多数の個別の給電線及びドレイン線3が、ポリマーフィルムとして形成されている、フレキシブルで、平面形状のサポート基板4の内部を走っている。多数の給電線及びドレイン線3は、末端が、
図2bに詳細に示される、並んで配置された端面接続構造体の形、いわゆる導電性マイクロフレックス構造部5の形となり、それには個別の電気接点を構成しなければならない。
【0006】
マイクロフレックス構造部5に電気接点を構成する目的に関して、セラミックアダプタープレート6が、それ自体公知な方法で用いられる。マイクロフレックス構造部5の数と配置に従い、セラミックアダプタープレート6上に、いわゆるマイクロフレックス接点又はマイクロフレックスパッド7が取り付けられる。これらのマイクロフレックス接点又はマイクロフレックスパッド7は、マイクロフレックス構造部5と接触し、いずれの場合も、セラミックアダプタープレート6の表面に実装された電極表面8に電気的に導通して個別に接続される。給電線及びドレイン線構造体11の個別の電線10は、はんだ付け接続部又はボンディング接続部9を介して、はんだパッドとして設計された個別の電極表面8に接続される。
【0007】
図2cは、
図2bに図示するセラミックアダプタープレート6の概略縦断面図を示し、そのセラミックアダプタープレート6上には、一方のインプラント側電線3と、他方の給電線及びドレイン線構造体11の中につながる電線10との間の電気接続部V1、V2が詳細に示されている。電線10は、はんだ付け接続部又はボンディング接続部9によって、セラミックアダプタープレート6上に設けられている電極表面8に対して電気的に接触している。次に、電極表面8は、セラミックアダプタープレート6上に実装されている導電体構造部12に個別に接続され、導電体構造部12は、プラチナ又は金の導体路の形で好適に設計されている。いわゆるマイクロフレックス接点13は、インプラント側の各給電線及びドレイン線3の、セラミックアダプタープレート6上に実装されている電気接続構造部12への電気接続部V2の目的のために使用される。その目的のために、個別の給電線及びドレイン線3が埋め込まれている、ポリマーフィルムとして形成されているサポート基板4は、いずれの場合にも、サポート基板4及びそれぞれの給電線及びドレイン線3も貫通する開口部14を有している。その開口部14の中に、好適には金から成る、いわゆるボールボンド15が充填されている。
【0008】
給電線及びドレイン線3と前記セラミックアダプタープレート上に実装されている導電体構造部12との間の電気的接触及び機械的接触を向上させるために、2、3、又は複数のそのようなマイクロフレックス接点13を、それ自体公知の方法で、サポート基板4の内部を走る給電線及びドレイン線3に沿って、並んで設けることができる。
【0009】
言うまでもなく、
図2b及び
図2cに示す電気接続配置の全体は、可能な限り不浸透な状態で、生体適合性プラスチックによって覆われている。
【0010】
インプラントされるユニットの複雑さと多極性が増大するに伴って、公知技術の電気接続構造体に必要な実装スペースが増大することは明らかであり、その結果、患者に対する負荷と炎症も同様に増大する。
【0011】
特許文献1において、インプラント可能な薄膜電極配置が開示されている。そのインプラント可能な薄膜電極配置は、均一な薄膜表面基板を有し、そして、巻回電極に変形可能な第1の部分と、給電線及ドレイン線構造体と電気接触をさせるための第2の部分と、その2つの部分を互いに接続する第3の部分を有する。当該公報において、その給電線及ドレイン線構造体の接触端の構成に関しては何も提示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、公知技術の通例の接続構造体と比較して、患者への負荷が大幅に低減されるように、少なくとも1つの導電体を有する電気インプラントと給電線及びドレイン線構造体との間のインプラント可能な電気接続構造体を開発するという目的に基づいている。特に、耐久性のある電気接続に関して高い信頼性を確保するために、可能な限りフレキシブルな接続構造体を創出するものとする。
【0014】
本発明の根底にある目的の解決手段は、請求項1に明示されている。請求項9の主題は、前記接続構造体の製作のための解決手段の方法に関連する。本発明の概念を有利に発展させる特徴は、従属請求項の主題であり、以下の説明において、特に実施形態の例を参照しても理解することができよう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
少なくとも1つの導電体を有する電気インプラントと給電線及びドレイン線構造体の間の解決手段のインプラント可能な電気接続構造体は、前記給電線及びドレイン線構造体が、導電性の平坦片が支持されていない状態で取り付けられるケーブル端部を有する少なくとも1つの電気ケーブルを備え、前記少なくとも1つのインプラント側導電体が前記平坦片と直接接続されることを特徴とする。
【0016】
解決手段の接続構造体は、こうして、堅くて平らなセラミックアダプタープレートを省き、それにより、小型化可能な設計で接続され、インプラント可能な電気接続構造体を柔軟性の高い構成にする可能性を切り開く。それによって、移植に伴う患者特有の負荷を大幅に低減することができる。
【0017】
本発明は、インプラント側導電体を、給電線及びドレイン線構造体の一部であり、そして、例えば、電力及び/又は制御モジュールに接続されているケーブルのケーブル端部に、直接電気的に導通させる方法で、直接接続するという考えに基づいている。ここで、前記電気接続は、ロバストで機械的負荷が可能な設計であるので、前記接続部直近の前記ケーブル部分、又は、前記インプラント側導電体の弾性又は塑性変形が引き起こすことがある圧縮力及び引張り力に耐えることができる。高いフレキシビリティを達成するために、前記ケーブル端部に取り付けられる前記平坦片は、いかなる種類の機械的支持も無くて支持されていないが、インプラント側導電体とケーブルの間の電気的及び機械的接続領域を画定する。
【0018】
前記平坦片は、好適に前記ケーブル自体と同じ金属から成り、接続部、例えば、はんだ付け、溶接、接着剤、又は機械的締め付けによって、前記ケーブル端部に永続的に取り付けられる別個のコンポーネントの形態であってもよい。
【0019】
好適には金属製小板として設計される前記平坦片の大きさと形状は、専ら、前記給電線及びドレイン線構造体の1つのケーブル端部と1つのインプラント側導電体との間の機械的に強固かつ電気的に導通する接続の目的のために、可能な限り小型化することができ、そして、面積がわずか数μm2の範囲である前記インプラント可能な電気接続構造体の設計のために選択されている。
【0020】
それと共に、前記平坦片が各ケーブルに一体的に接続されるように、前記ケーブル端部において前記ケーブル材料を形成する材料によって前記平坦片を形成することが適切である。
【0021】
フレキシブルな、フィルム状の非通電性表面部材から成るサポート基板は、フィルム状の表面部材に埋め込まれている多数の導電体に対して、画定される互いの相対的配置と、同時に、全体としての取り扱いのための機械的保持の両方を与える。特に好適な実施形態において、前記フィルム状のサポート基板は、縁端側フィルム領域の個別の導電体と電気的に接触させるためのフィンガー状のフィルム端部を有し、前記フィンガー状のフィルム端部のそれぞれに沿って少なくとも1つの導電体が埋め込まれている。前記フィンガー状のフィルム端部のそれぞれには、少なくとも1つの導電体と前記フィルムを貫通する少なくとも1つの開口部が設けられ、その内部で、前記導電体は、溶接接続、接着接合接続、ワイヤーボンディング接続、ボールボンディング接続、又ははんだ付け接続によって、ケーブルの平坦片に電気的及び機械的に堅固に接続される、自由にアクセス可能な導体表面を有する。
【0022】
1つのケーブル端部に取り付けられている平坦片をフィンガー状のフィルム端部の露出された導電体端部に接続するためには、相互の空間的な重なりと、好適には、局所的なマイクロフレックス接点を形成することによる接続とのみが必要となる。導電体と平坦片との間の電気的及び機械的接触を向上させるために、1つの導体端部に沿って複数のマイクロフレックス接点を設けてもよい。
【0023】
前記ケーブルと前記導電体との間の電気的接触が空間的に分離された構成、すなわち、好適に、1つのケーブル線のみ各フィンガー状のフィルム端部に通じることにより、前記ケーブルは、例えば、前記ケーブルをまとめて可能な限り最も細いケーブル束を形成するために、空間的に互いに独立して配置することができる。また、前記フィンガー状フィルム端部は、可能な限り最もコンパクトかつ省スペースのフィルム形状に形成するために、フィルムのフレキシビリティに則して、緊密に巻く又は丸めることも可能である。
【0024】
前記解決手段のインプラント可能な電気接続構造体は、特に有利な方法で政策することができる。次のように、まず第1に、前記ケーブル端部に取り付けられた導電性の平坦片を有する、前記給電線及びドレイン線構造体に属する少なくとも1つのケーブルを設ける必要がある。そのような予め組み立てられたケーブルは、個別の金属製平坦片をケーブル端部に接続するか、又は、ケーブル端部を機械的に変形させて前記ケーブル端部に一体的に接続される平坦片を形成するかいずれかによって設けることができる。
【0025】
これに加えて、前記ケーブル端部に取り付けられた前記平坦片は、インプラント側導電体の自由にアクセス可能な端部に接続される。溶接技法、接着剤接合技法、ワイヤーボンディング技法、ボールボンディング技法、又ははんだ付け技法が好適に用いられる、接続プロセス中の前記ケーブルと前記導電体の取り扱いは、ベース上に固定して位置決めされる、フレキシブルで、フィルム状の非導電性の表面部材内部の前記少なくとも1つの導電体を機械的に安定させて接続することによって容易になる。従って、前記ケーブル側の平坦片を前記露出した導体端部の位置に、好適には、前記サポートと前記平坦片との間で位置決めするだけでよい。例えば、導電体端部を貫通する開口部とフィンガー状のフィルム端部との領域に金のボールボンドを適用することによって、安定したマイクロフレックス接点が形成される。
【0026】
以下の図面は、前記解決手段に従い考案されたインプラント可能な電気接続構造体の好適な実施形態を示す。最後に、前記電気接続部を身体の水性環境から保護するために、高分子の封止材料が前記電気接続構造体の周りに好適に塗布される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
一般的な発明概念を限定することなく、図面を参照し、実施形態の例による例示的な方法で、本発明を以下に説明する。
【
図1a】解決手段のインプラント可能な電気接続構造体の図を示す。
【
図1b】マイクロフレックス接点の縦断面図を示す。
【
図2a】公知技術に従い、それ自体公知なインプラント可能な接続構造体を示す。
【
図2b】公知技術に従い、それ自体公知なインプラント可能な接続構造体を示す。
【
図2c】公知技術に従い、それ自体公知なインプラント可能な接続構造体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1aは、インプラントIにつながる多くの導電体3と対応する数の給電ケーブル10との間の解決手段のインプラント可能な電気接続体を示し、インプラント可能な電気接続体は、組み合わされて給電線及びドレイン線構造体11を形成し、又、例えば、電力・制御モジュールに接続されている。
【0029】
インプラント側に設けられている導電体3は、通例、フレキシブルで、フィルム状の非導電性の表面部材4の形態の、好適には、生体適合性ポリマーフィルムの形態のサポート基板4に一体化されている。図示の実施形態の例において、各個別の電気ケーブル3は、フィンガー状フィルム端部4aに沿って走っている。個別のフィルム端部4aの数は、インプラントIにつながる個別の電線3の数と一致する。
【0030】
電線3と給電ケーブル10との間で接触させる目的のために、各ケーブル10には、金属製の小板状の平坦片16が設けられている。平坦片16は、接続部17を介して、例えば、溶接接続部、接着接合接続部、ワイヤーボンディング接続部、又ははんだ付け接続部によって、ケーブル10の端部に接続されるか、又は、材料変形によってケーブル端部から一体的に形成されるかのいずれかである。2つのマイクロフレックス接点13を有するフィルム端部4aに関して、
図1bの縦断面図も参照のこと。
【0031】
フィンガー型フィルム端部4aのそれぞれは、2つの開口部14を有して2つのマイクロフレックス接点13を形成し、開口部14は、フィルム端部4aと導電体3の両方を局所的に貫通する。各個別のフィルム端部4aは、平坦片16の表面の片側に直接置かれ、その厚さは約10μmから約100μmに及ぶ場合がある。電気的及び機械的に安定した接続部を設けるために、各個別のフィルム端部4a内部の2つの開口部14は、ボールボンド15、好適には金のボンドで充填される。
【0032】
必要に応じて、接続構造が耐えなければならない予期される負荷状態に応じて、1つのマイクロフレックス接点13のみ、又は多くのマイクロフレックス接点13を導電体3に沿って設けることができる。
【0033】
個別の平坦片16の形状と表面の大きさは、各個別の電気接続構造体の設計を可能な限り小型かつコンパクトにする視点から選択しなければならず、又、主として、インプラント側フィルム端部4aの形状と大きさが目標となる。
【0034】
多数の導電体3とそれらに接続されるケーブル10があっても、フィンガー状フィルム端部4aを、例えば、フィルム端部4aの長手方向伸長部に向く軸の周りに巻くことによって、小型の円筒形状に変えることが可能であり、ケーブル10は、それによって、互いに近接した状態で、給電線及びドレイン線構造体11の中につながる。インプラント可能な電気接続構造体の解決手段の設計の当該変形能が、まさに特別の利点となり、それによって、構造体の小型化が可能になる。
【0035】
言うまでもなく、フィルム状サポート基板4aの接点領域の構成に対して、その他の形状と配置を考案することも可能である。摩擦溶接法、超音波溶接法、はんだ付け法、接着法、ボンディング法等の当業者によって公知で、当該特定の用途に対して適切なあらゆる接続技法は、個別の導電体3とケーブル10の平坦片16との間の電気的及び機械的接続部の構成に対しても、基本的に適切である。
【0036】
電導性の平坦片16が電気的短絡を起こすことを防ぐために、接続構造体の省スペース形成前に、電気的絶縁層材料又はポッティング化合物でそれを封止しなければならない。
【符号の説明】
【0037】
1…カフ電極配置
2…神経線維束
3…電線
4…生体適合性サポート基板、ポリマーフィルム
4a…フィルム端部
5…マイクロフレックス構造部
6…セラミックスアダプタープレート
7…マイクロフレックス接点、マイクロフレックスパッド
8…電極表面
9…はんだ付け接続部
10…ケーブル
11…ケーブルルーム、給電線及びドレイン線構造体
12…導電体構造部
13…マイクロフレックス接点
14…開口部
15…ボールボンド、金ボンド
16…平坦片
17…接続部