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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】自動車用のくすんだ見た目の発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/20 20180101AFI20230227BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20230227BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20230227BHJP
   F21V 31/03 20060101ALI20230227BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20230227BHJP
   F21W 103/15 20180101ALN20230227BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20230227BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/14
F21S45/47
F21V31/03
F21V5/00 610
F21V5/00 320
F21W103:15
F21W103:10
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020555493
(86)(22)【出願日】2019-04-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 FR2019050812
(87)【国際公開番号】W WO2019197761
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】1853140
(32)【優先日】2018-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512151230
【氏名又は名称】マレッリ・オートモーティブ・ライティング・フランス
【氏名又は名称原語表記】MARELLI AUTOMOTIVE LIGHTING FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー・ベルジュラ
(72)【発明者】
【氏名】フランク・アリヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・クシャック
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ビュイッソン
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4153928(US,A)
【文献】米国特許第3514589(US,A)
【文献】米国特許第3487206(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/20
F21S 43/14
F21S 45/47
F21V 31/03
F21V 5/00
F21W 103/15
F21W 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の点灯装置(2)であって、光ハウジング(4)を備え、前記光ハウジング(4)内に、光源(6A、6B)と、前記光源(6A、6B)によって放射された光線を前記光ハウジングの開口部(14)を通して向けるように配置された光反射器(16)とが存在し、前記開口部(14)は、前記光源(6A、6B)と前記光反射器(16)を悪天候から保護するために外部表示灯(18)によって閉じられている点灯装置(2)において、前記外部表示灯(18)が黒であるか、又は着色されること、及び、半透明スクリーン(26)が前記光反射器(16)と前記外部表示灯(18)との間に挿入され、前記半透明スクリーン(26)が前記外部表示灯(18)から離れており、前記外部表示灯が昼光の強度の80%~95%を吸収することを特徴とする点灯装置(2)。
【請求項2】
前記外部表示灯(18)が青、赤又は別の色であることを特徴とする、請求項1に記載の点灯装置(2)。
【請求項3】
前記半透明スクリーン(26)と前記外部表示灯(18)の間の距離が、1mm~10mm、好ましくは2mm~4mmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の点灯装置(2)。
【請求項4】
前記外部表示灯(18)が2mm~3.5mm、好ましくは約2.2mmの厚さを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の点灯装置(2)。
【請求項5】
前記半透明スクリーン(26)が、前記光反射器の内側で前記昼光の強度を30%~10%、好ましくは約15%制限するように前記昼光を拡散させることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の点灯装置(2)。
【請求項6】
垂直入射光線が、0°~41°、好ましくは0°~20°の反射角範囲で、前記半透明スクリーン(26)によって反射されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の点灯装置(2)。
【請求項7】
前記半透明スクリーン(26)が、前記光源(6A、6B)がオンのときに、前記外部表示灯(18)を通して見えるパターンを含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の点灯装置(2)。
【請求項8】
前記パターンがシルクスクリーン印刷され、及び/又は前記半透明スクリーン(26)に嵌め込まれることを特徴とする、請求項7に記載の点灯装置(2)。
【請求項9】
前記光源(6A、6B)と前記半透明スクリーン(26)との間に配置されたフレーム(20)を含み、前記フレーム(20)は、前記光源(6A、6B)によって放射された光線の少なくとも一部が通過することを可能にする少なくとも1つの開口部を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の点灯装置(2)。
【請求項10】
前記フレーム(20)が、前記光源(6A、6B)を含む前記光ハウジング(4)の一部を閉じることを特徴とする、請求項9に記載の点灯装置(2)。
【請求項11】
前記半透明スクリーン(26)が、前記外部表示灯(18)に対向する前記フレーム(20)の表面を少なくとも部分的にカバーし、好ましくは、前記半透明スクリーン(26)は、前記外部表示灯(18)に対向する前記フレーム(20)の表面全体をカバーすることを特徴とする、請求項9又は10に記載の点灯装置(2)。
【請求項12】
前記外部表示灯(18)に対向する前記フレーム(20)の表面が、前記外部表示灯(18)の色と同様の色を有することを特徴とする、請求項9~11のいずれか一項に記載の点灯装置(2)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の少なくとも1つの点灯装置(2)を含む自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点灯及び/又は光信号装置の技術分野に関する。より具体的には、本発明は、自動車用の点灯及び/又は信号装置に関する。
【背景技術】
【0002】
規制基準は、道路利用者に他の運転者の存在及び意図を警告するために、各々の自動車に点灯装置を装備することを課している。特に言及され得るのは、その位置を伝達するための、赤色で中程度の強度の、車両の後部にあるサイドマーカ灯、及び自動車の制動を警告するための、同じく赤色であるがより強い強度の制動灯である。
【0003】
これらの点灯装置は、光源によって放射された光ビームを外側にそして所望の方向に向けるための反射面を含む。反射係数が高いために、クロム又はアルミニウムなどの金属面が好ましい。昼光の下では、これらの金属面は明るい色調によって特徴付けられ、車体の色との望ましくないコントラストを生み出す可能性がある。これは特に、車体が暗い色調で塗装されている場合に当てはまり、昼光の下での車両の美的外観を局所的に、そして激しく変更する。
【0004】
本発明は、オフにされると昼光の下で暗く均一な外観を有する点灯装置を提案することによって、この問題を解決することを目的としている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術の前述の欠点を克服するために、本発明は、光源と光反射器とが存在する光ハウジングを含む自動車用の点灯装置を提案する。光反射器は、光源によって放射された光線を、光ハウジングの開口部を通して向けるように配置されている。光ハウジングの開口部は、光源と光反射器を悪天候から保護するために外部表示灯によって閉じられている。
【0006】
本発明は、外部表示灯が昼光下で暗いトーンの色を有すること、及び半透明スクリーンが光反射器と外部表示灯との間に挿入され、半透明スクリーンは外部表示灯から離れていることを特徴とする。
【0007】
点灯装置がオフにされて昼光にさらされたときに光ハウジングの内部を暗くするために、外部表示灯は暗いトーン又は薄暗いトーンの色を有する。好ましくは、外部表示灯は、昼光の下で均一な色によって特徴付けられる。有利なことに、半透明スクリーンが光反射器と外部表示灯との間に挿入されて、光ハウジング内に存在する様々な要素によって反射される昼光を均一化する。半透明スクリーンは、光ハウジングを構成する様々な要素によって反射される昼光の光強度コントラストを低減するために、外部表示灯から離れた場所に配置される。半透明スクリーンと外部表示灯との間に十分なスペースが維持され、半透明スクリーンと外部表示灯との間の水分のより良い散逸が促進される。
【0008】
ましい実施形態によれば、外部表示灯は黒色である。もちろん、外部表示灯の色は、点灯装置を取り付ける予定の自動車の車体の色に応じて異なり得る。したがって、外部表示灯の色は、青、赤、又は別の色にすることもできる。
【0009】
本発明の別の変形形態によれば、半透明スクリーンと外部表示灯との間の距離は、1mm~10mmの間、好ましくは2mm~4mmの間である。これらの値の範囲は、昼光下及びオフにされたときに非常に暗く見える点灯装置を得るのに有利である一方、前記装置の光源によって放射される光の伝搬方向においてその大きさを制限する。
【0010】
本発明の別の変形形態によれば、外部表示灯は2mm~3.5mmの間、好ましくは約2.2mmの厚さを有する。
【0011】
本発明の別の変形形態によれば、外部表示灯は、昼光の強度の80%~95%、好ましくは約90%を吸収する。
【0012】
本発明の別の変形形態によれば、半透明スクリーンは、光反射器の内側で昼光の強度を30%~10%、好ましくは約15%制限するように昼光を拡散させる。この変形形態によれば、光ハウジングは、好ましくは、昼光に対して不透明であり、その結果、昼光は外部表示灯を通してのみ光ハウジングに入る。
【0013】
本発明の別の変形形態によれば、垂直入射光線は、0°~41°の間、好ましくは0°~20°の間の拡散角範囲で、半透明スクリーンによって拡散される。
【0014】
本発明の別の変形形態によれば、半透明スクリーンは、光源がオンのときに、外部表示灯を通して見えるパターンを有する。好ましい実施形態によれば、パターンはシルクスクリーン印刷され、及び/又は半透明スクリーンに嵌め込まれる。
【0015】
本発明の別の変形形態によれば、点灯装置は、光源と半透明スクリーンとの間に配置されたフレームを含み、フレームは、光源によって放射された光線の少なくとも一部が通過することを可能にする少なくとも1つの開口部を含む。好ましくは、フレームは、前記フレームの内側によって反射された光のより大きな均一化を促進するために、前記ハウジングの内部の少なくとも一部を隠す。
【0016】
好ましい実施形態によれば、フレームは、光源を含む光ハウジングの一部を閉じる。
【0017】
別の変形形態によれば、半透明スクリーンは、外部表示灯に対向するフレームの表面を少なくとも部分的にカバーし、好ましくは、半透明スクリーンは、外部表示灯に対向するフレームの表面全体をカバーする。別の変形形態によれば、外部表示灯に対向するフレームの表面は、暗い又は薄暗いトーンの色、好ましくは外部表示灯の色又は黒に類似した色を有する。好ましくは、外部表示灯に対向するフレームの表面は、外部表示灯に平行又は実質的に平行であり、点灯装置がオフにされて昼光にさらされたときに外部表示灯の均一なトーンを促進する。
【0018】
もちろん、上記の様々な特徴、変形形態、及び実施形態は、それらに不適合性がない限り、又はそれらが相互に排他的でない限り、様々な組み合わせで互いに関連付けることができる。
【0019】
本発明はまた、前述の特許請求の範囲の1つによる少なくとも1つの点灯装置を含む自動車に関する。
【0020】
添付図面に関する以下の記載は、非限定的な例として与えられ、本発明が何で構成され、どのように実行できるかをよりよく理解することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による点灯装置の概略断面図を示す。
図2】昼光で照らされた図1に示す点灯装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
思い起こすために言うと、本発明は、オフにすると昼光の下で暗く均一な色の外観を有する点灯装置を提供する。
【0023】
図1及び2は、自動車による位置灯又はサイドマーカ灯としての使用を意図した、本発明による点灯装置2の非限定的な実施形態を示している。
【0024】
点灯装置2は、2つの光源6A及び6Bが存在する光ハウジング4を含む。第1の光源6Aは、車線変更又は方向転換するという運転者の意図を知らせるために、アンバー色の光線を放射するように構成される。第2の光源6Bは、自動車の位置及び/又はその制動を知らせるために赤色の光線を放射するように構成される。各光源は、プリント回路基板8の同じ前面に保持された1つ又は複数の発光ダイオードを含む。既知のように、基板8は、図に示されていない制御装置が光源6A及び6Bの動作を制御することを可能にする。
【0025】
使用中の光源の加熱を制限するために、光ハウジング4はまた、基板の背面に沿って延びるサーマルヒータ10を含む。サーマルヒータ10によって放出された熱は、通気孔12を通して光ハウジング4の外側に排出される。
【0026】
光源は、それらの光線が光ハウジング4の同じ開口部14を通過するように向けられている。開口部14は、光源6から25mm~80mm、好ましくは約50mmの距離をとって配置される。光ビームを開口部14を通して所望の方向に向けるために、各光源に光反射器16が関連付けられている。光反射器は、それらの内面で高い反射係数を有する表面によって特徴付けられる。
【0027】
光ハウジング4内に存在する要素を悪天候から保護するために、開口部14は、外部表示灯18によって閉じられる。もちろん、外部表示灯は、光源によって放射される光線に対して部分的に透明であり、その結果、点灯装置は他の運転者に見える光信号を発することができる。
【0028】
上記のように、外部表示灯は通常、昼光に対して透明又は半透明である。したがって、光ハウジング内に存在する要素は、外部表示灯を通して見ることができ、外部表示灯は昼光の下での自動車の車体の外観を局所的にそして大幅に変更する。
【0029】
この問題を解決するために、本発明は、通常使用される外部表示灯を、前記表示灯を通過する昼光の量を非常に大幅に制限するために、暗い又は薄暗いトーンの均一な色を特徴とする外部表示灯18に置き換えることを提案する。「昼光」という用語は、直接及び間接を問わず、太陽から来るあらゆる形態の光を意味する。外部表示灯は、3色座標が次の値の範囲:赤0.4~0.5;緑0.35~0.45;青0.1~0.2に含まれる色を有する。好ましくは、外部表示灯は、3色座標がおよそ赤0.441、緑0.408、青0.153である色を有する。外部表示灯18は、2mm~3.5mm、好ましくは約2.2mmの厚さを有する。外部表示灯18の厚さは、ここでは、光源6によって前記表示灯上に放射される光線の入射方向に沿って定義される。外部表示灯18は、80%~95%、好ましくは約90%の昼光の吸収を特徴とする。外部表示灯18は、以下の材料:ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はポリカーボネート(PC)の一方で作られる。
【0030】
昼光下での外部表示灯の均一なトーンの色を促進するために、光ハウジング4はまた、光ハウジング4の内壁にもたれかかるフレーム20を含む。フレーム20は、光源6及び光反射器16を含む前記ハウジングの一部を閉じる。フレームは外部表示灯18に平行又は実質的に平行な前面22を有する。前面22は、暗くて均一な色の背景を形成するために、昼光に対して不透明である。フレームはまた、光源が外部表示灯18を照らすことを可能にするために、光反射器を延ばす通路24を含む。
【0031】
フレーム20の前面22の表面全体は、半透明スクリーン26によって覆われている。半透明スクリーン26は、0.1mm~3mm、好ましくは約0.3mmの厚さによって特徴付けられる。ここで、半透明スクリーンの厚さは、光源6A及び6Bによって前記スクリーン上に放射される光線の入射方向に沿って定義される。半透明スクリーンは、各光反射器16内の昼光の強度を30%~10%、好ましくは約15%制限するように昼光を拡散させる。好ましくは、外部表示灯18に対向する半透明スクリーンの前面22は、0°~41°の間、好ましくは0°~20°の間の反射角範囲で、垂直入射光線の反射を促進する。このために、半透明スクリーン26の前面28は、成形技術によって形成されたレリーフパターンを含み得る。半透明スクリーンは、以下の材料:ポリメチルメタクリレート(PMMA)又はポリカーボネート(PC)の一方で作られる。
【0032】
フレーム20は、半透明スクリーン26を、外部表示灯18から、1mm~10mm、好ましくは2mm~4mm、より好ましくは約3mmの距離に維持する。これらの値の範囲では、結露現象を回避するために半透明スクリーン26と外部表示灯18との間の空気循環が促進され、同時に、昼光における前記表示灯のトーンの均一化が促進される。潜在的に、光ハウジング4は、フレーム20と外部表示灯18との間の空気の流れを促進するために、図示されていない通気孔を含み得る。
【0033】
もちろん、上記の光源6A及び6Bは、施行されている規格に準拠して外部表示灯18を通して光信号を発することができるように選択される。非限定的な例として、第1の光源6Aは、所望の機能に応じて光強度が5lm~200lmの間である光線を放射するように構成される。第2の光源6Bは、所望の機能に応じて光強度が5lm~200lmの間である光線を放射するように構成される。
【0034】
結論として、本発明による点灯装置2は、暗い色の外部表示灯18、フレーム20、及び半透明スクリーン26の間の特定の配置によって特徴付けられる。図2に示されるように、この配置は、有利には、昼光30の光強度の大部分を吸収することを可能にし、その結果、光源6A及び6B並びにそれらの光反射器16は、点灯装置2の外側から見えない。そのように、点灯装置はオフにされると、昼光の下で非常に暗くそして非常に均一な色に見える。したがって、本発明による点灯装置は、暗い色の自動車の車体との色のコントラストを回避するか、又は少なくとも低減することを可能にする。
図1
図2