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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】紙材料ログ製造用巻き返し機
(51)【国際特許分類】
   B65H 23/198 20060101AFI20230227BHJP
【FI】
B65H23/198
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020563683
(86)(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 IT2019050120
(87)【国際公開番号】W WO2020003328
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】102018000006604
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】506180062
【氏名又は名称】フューチュラ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーニ、ジョヴァッキーノ
(72)【発明者】
【氏名】ベッティ、ガブリエレ
(72)【発明者】
【氏名】タマニーニ、マノロ
(72)【発明者】
【氏名】パレンティ、シモーネ
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-281248(JP,A)
【文献】特表2014-501211(JP,A)
【文献】特開2001-322755(JP,A)
【文献】特表2006-502931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 23/198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1巻き取りローラ(R1)及び第2巻き取りローラ(R2)によって紙を巻くための巻き取りステーション(W)と、第3巻き取りローラ(R3)と、を含む、紙材料のログを製造するための巻き返し機であって、
前記第1及び第2巻き取りローラ(R1,R2)は、1つ又は複数の紙プライからなる紙ウェブ(3)がその間を通って供給されそしてログ(L)を形成するように当該ステーション(W)において巻き取られるように作用するニップ(N)の範囲を、それぞれの外面において、定めるように適合されており、
前記第3巻き取りローラ(R3)は、前記ウェブ(3)が供給される方向(F3)に対して、前記第1及び第2巻き取りローラ(R1,R2)の下流に配置され、
前記第2巻き取りローラ(R2)は、前記第1巻き取りローラ(R1)よりも低い位置に配置され、
前記第1巻き取りローラ(R1)、第2巻き取りローラ(R2)及び第3巻き取りローラ(R3)の回転軸は水平で且つ互いに平行であり、即ち、それらはウェブ(3)が供給される方向(F3)に対して横方向に配向されており、
前記第3巻き取りローラ(R3)はアクチュエータ(A3)に接続され、当該アクチュエータは、前記ウェブ(3)がニップ(N)に対して周期的に接近離間運動して移動することを可能にし、その結果、前記ログの製造中に第3巻き取りローラ(R3)の位置が他の2つの巻き取りローラ(R1,R2)に対して変動し、
そして前記巻き取りローラ(R1,R2,R3)の各々は、対応する電気モータ(M1,M2,M3)に接続されたそれ自体の軸の周りを回転し、
当該巻き返し機は、一連の予め設定された検出時間で前記巻き取りステーション(W)において形成されるログ(L)による上記時間において仮定された一連の直径値(DE)を検出可能な光学手段(5,50)を有する検出システムと、前記電気モータ(M1,M2,M3)並びに前記光学手段(5,50)に接続されたプログラム可能な電子ユニット(UE)と、をさらに含み、
前記ユニット(UE)は、前記光学手段(5,50)によって測定された直径値(DE)を一連の対応する予め設定された直径値(DT)と比較し且つこれらの値(DE,DT)間の一連の差(e1,e2,...,en)を計算するようにプログラムされており、
前記プログラム可能な電子ユニット(UE)は、前記一連の差を形成する前記値(e1,e2,...,en)の経時的な傾向に関連するパラメータ(a)を決定し、そして
前記ユニット(UE)は、前記パラメータ(a)の値に応じて前記第1及び第2巻き取りローラ(R1,R2)の相対スピードを変化させることを特徴とする巻き返し機。
【請求項2】
前記パラメータ(a)が、時間に対する前記一連の差の値(e1,e2,...,en)を相関させるための線(r)の勾配であることを特徴とする請求項1記載の巻き返し機。
【請求項3】
前記処理ユニット(UE)が、前記勾配の値が所定の値の範囲外にあるときに、前記第1及び第2巻き取りローラ(R1,R2)の相対速度を修正し、その範囲内にゼロ値が含まれることを特徴とする請求項2記載の巻き返し機。
【請求項4】
前記光学手段(5,50)によって検出された一連の直径値のそれぞれの直径値(DE)が、前記一連の検出時点において前記光学手段(5,50)によって検出されたログ(L)の一端の縁(EL)の一連の画像の3つの点(H)の検出時に前記光学手段(5,50)によって決定されることを特徴とする請求項1記載の巻き返し機。
【請求項5】
前記処理ユニット(UE)が、ディスプレイ手段を備えており、当該ディスプレイ手段は、次の項目、即ち、実際に測定された直径の値、理論的基準値に対する誤差の値、経時的な誤差の傾向、及び上側のローラと比較された下側のローラの速度において決定されるあらゆる変動、のうちの1つ以上の項目を表示することを特徴とする請求項1記載の巻き返し機。
【請求項6】
ログを形成するためのコア(4)を供給するための装置(7)と、コア(4)を前記ニップ(N)に連続的に導入するための装置(7)と、を備えることを特徴とする請求項1記載の巻き返し機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙材料のログを製造するための巻き返し機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トイレットペーパーのロール又はキッチンペーパーのロールが得られる紙材料ログの製造は1つ以上の重ねられた紙プライによって形成された紙ウェブを、それに沿って種々の操作が行われてからログの形成に進む所定の通路上に供給することを含み、これには、それを分離可能なシートに分割するプレ切断線を形成するためのウェブの横方向のプレ切り込みが含まれることが知られている。
【0003】
ログの形成は通常「コア」と呼ばれる厚紙チューブの使用を伴い、その表面上に所定量の接着剤が分配されて、一般に「巻き返し機」と呼ばれるログを製造する装置に漸次導入されるコア上の紙ウェブの結合を可能にし、そこにはコア上のウェブの巻き取りを決定する巻き取りローラが配置される。コアがその凹状構造のために、一般に「クレードル」と呼ばれる末端部分を含む対応する通路に沿って通過するときに、接着剤はコア上に分配される。
【0004】
さらに、ログの形成はそれぞれのコアの長手方向軸の周りの回転を引き起こす巻き取りローラの使用を意味し、それにより、同じコア上のウェブの巻き取りを決定する。当該作業は所定数のシートがコア上に巻かれたときに終了し、最後のシートのフラップを、そのように形成されたロールの下にある1つに接着する(いわゆる「フラップ接着」操作)。当該コアに巻かれる所定枚数のシートに到達すると、完成されているログの最後のシートは、例えば、対応するプレ切断線に向けられた圧縮エアの噴流の手段によって、次のログの最初のシートから分離される。この時点で、ログは巻き返し機から取り外される。
【0005】
特許文献1は、上述の作業方式に従って作業する巻き返し機を開示している。
次いで、このようにして製造されたログは、バッファマガジンに搬送され、バッファマガジンは1つ以上の切断機に供給し、当該切断機によって、ログの横方向切断が行われて、所望の長さのロールが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】EP1700805
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、特に、巻き返し機内のログの直径を検査することに関し、そして、例えば、巻き取りローラの表面摩耗及び/又は前記巻き取りローラの表面上の破片の存在及び/又は紙の表面特性に起因するあらゆる起こり得る誤差を補正するために、ログの実際の直径に従って前記巻き取りローラのスピードを自動的に調節するための制御装置を提供することを意図している。言い換えれば、本発明は、ログの実測直径と対応する所定値との対比に基づいて、形成中のログの伸びを決定する2つの巻き取りローラ間の速度差を示すパラメータである、所謂、「戻り」を自動的に調整することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記効果は、請求項1に示される特徴を有する巻き返し機を提供することによって達成される。本発明のその他の特徴は従属クレームの目的である。
【発明の効果】
【0009】
本発明による利点については、例えば、次のことが挙げられる:
巻き返し機の制御が経時的に一定であり且つ機械を運転する担当者の経験に依存しない;
市販の光学装置を使用することができる;
制御装置の費用が提供される利点との関係で非常に安価である。
【0010】
本発明のこれら及びさらなる利点及び特徴は、例示として提供される以下の記載及び添付の図面に基づいて当業界の全ての技術者によってよりよく理解されるであろうが、これらの例示は限定的な意味で考慮されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】形成されているログ(L)を有する紙材料のログを製造するための巻き返し機の概略側面図である。
図2図1の細部を示す図面である。
図3A】異なる巻き取り段階の終端から見た形成中のログを概略的に表す図面である。
図3B】異なる巻き取り段階の終端から見た形成中のログを概略的に表す別の図面である。
図3C】異なる巻き取り段階の終端から見た形成中のログを概略的に表す更なる別の図面である。
図4】プログラム可能な電子ユニット(UE)に関する簡略化されたブロックダイアグラムである。
図5】本発明に係る巻き返し機において実行される可能な制御に関する図面である。
図6】本発明による直径の測定を示す図面である。
図7A】本発明による直径の測定を示す別の図面である。
図7B】本発明による直径の測定を示す更なる別の図面である。
図7C】本発明による直径の測定を示す他の図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る制御装置は、例えば、図1及び図2に示す形式の巻き返し機(RW)の動作を制御するために適用可能である。巻き返し機は、それぞれの外面で、ニップ(N)を画定することができる第1巻き取りローラ(R1)及び第2巻き取りローラ(R2)を備えた紙巻き取りステーション(W)を有し、当該ニップ(N)を通して、1つまたは複数の紙プライによって形成された紙ウェブ(3)が供給され、そしてログ(L)を形成するために管状コア(4)の周りに巻き取られるようになっている。ウェブ(3)には、一連の横方向の切り込みが設けられており、この切込によりウェブ自体が連続した個々のシートに分割され且つ個々のシートの分離が容易になる。
【0013】
各紙ログ(L)は、コア(4)に巻き付けられる所定数のシートからなる。ログの形成中、ログの直径は、ウェブ(3)の所定の長さに対応する最大値まで、または所定の枚数のシートまで増加する。前記巻き取りステーション(W)には、ウェブ(3)が通過する方向に対して、第1及び第2巻き取りローラ(Rl,R2)の下流に第3巻き取りローラ(R3)が設けられている。さらに、第2巻き取りローラ(R2)は、第1巻き取りローラ(Rl)よりも低い位置に配置されている。
【0014】
添付図面に示す例によれば、第1ローラ(R1)、第2ローラ(R2)及び第3ローラ(R3)の回転軸は水平であり、かつ互いに平行であり、即ち、テープ(3)の始まりの方向に対して横方向に配向されている。第3ローラ(R3)は第2ローラ(R2)に対して接離自在に移動することができるアクチュエータ(A3)に連結されており、即ち、第3ローラを前述のニップ(N)に対して接離自在に移動させることができるようになっている。前記ローラ(R1,R2,R3)の各々はそれ自身の軸を中心に回転し、当該軸はそれぞれのモータ(M1,M2,M3)に連結されている。
【0015】
前記コア(4)はコンベアによってニップ(N)内に連続的に導入され、当該コンベアは、図1に図示された実施形態に示されるように、電動ベルト(7)と協働する固定プレート(40)の下に配置された当該電動ベルト(7)を含み、当該電動ベルトがコア(4)を直線通路(45)に沿って回転させることによって移動させる。前記直線通路は、導入装置(RF)が配置されたコア供給部と、第1巻き取りローラ(R1)の下に配置されたクレードル(30)との間に設けられている。前記通路(45)に対応して、ノズル(6)は各コア(4)に塗布される接着剤を供給するように配置され、各新しいログの最初のシートがコア自体に接着し、最後のログシートを下にあるシートに接着することを可能にする。上述した形式の巻き返し機の動作は、それ自体公知である。
【0016】
本発明の目的のために、コア(4)を巻き取りステーション(W)に供給するための装置、並びにコア(4)上に接着剤を分配する方法及び手段は、任意の他の方法で実現できることが理解される。
【0017】
前記モータ(M1,M2,M3)及びアクチュエータ(A3)は、後述するプログラム可能な電子ユニット(UE)によって制御される。
【0018】
本発明によれば、例えば、形成される前記コアの一端部の画像を撮像するようにしたカメラ(5)からなる光ビジョンシステムが設けられている。従って、前記カメラ(5)によって検出される各ログ(L)の画像は、そのエッジがいわゆる「エッジ検出」アルゴリズムを使用する光度の不連続解析によって検出される2次元形状に対応する。
【0019】
これらのアルゴリズムは、画像のエッジが2つの異種領域間の境界とみなすことができ且つ本質的に物体の輪郭が光度のレベルの急激な変化に対応する原理に基づいている。実験試験は、OMRON FH L 550制御装置を備えたOMRON FHSM 02カメラを使用して、出願人によって行われた。前記カメラ(5)は、当該カメラで生成された信号を受信するプログラム可能な電子ユニット(UE)に接続されている。
【0020】
前記カメラはプログラム可能な電子ユニット(UE)に、前記座標系におけるログの直径を提供する。この例では、前記制御装置(50)が前述のように検出されたエッジ(EL)の3つの点(H)を通過する円周の方程式を計算し、そしてその直径を計算するようにプログラムされている。実際には、形成されるログの外周上に配置された3つの点(H)の識別が対応する直径の値の達成を決定する。
【0021】
前記カメラ(5)は形成されているログの直径についての対応する値を得るために、前記ユニット(UE)によって所定の時間間隔で所定回数操作される。言い換えれば、前記カメラ(5)は、前記ログ(L)の形成中に複数の検出を行い、これらの検出の分布は経時的に一定でなくてもよい。実際、最適な検出は前記ログの形成の初期段階においてかなりの部分の検出を実行することによって実現できることが確認されている。例えば、本発明者らは巻き取りサイクル全体の実質的に30%に対応する巻き取りの初期段階において約70%の検出を実行し、巻き取りサイクルの残りの70%において測定の残りの部分(約30%)を実行することがより効果的であると考えている。
【0022】
実際には、ログ(L)の形成中に、前記カメラ(5)は形成されるログの実際の直径(DE)の対応する一連の値を決定する一連の検出を実行する。PLC制御システム(図4のブロックPLで示されている)を含むことができる処理ユニット(UE)は、読み取りから得られた値(DE)を、前記ログが対応する巻き取り段階で示すはずの対応する予め設定された値(DT)と比較する。実際には、当該システムは、実際に測定された直径の値(DE)の連続を、対応する理論的基準直径(DT)の連続と比較する。
【0023】
これらのデータは、上述したいわゆる「戻り」の自動調整のために、すなわち、下側ローラ(R2)の速度を上側ローラ(R1)の速度に対してどのように変更しなければならないかを自動的に決定するために処理され、上記ローラ(R1,R2)の両方のモータ(M1,M2)は前記処理ユニット(UE)によって制御されている。
【0024】
実際には、前記ログ(L)の増大の段階、即ち、前記巻き取りステーション(W)の前記ローラの対応における前記ログの形成の間、前記カメラ(5)は予め設定された時間で一連の検出を行う。
【0025】
各写真について(すなわち、図面に示される3つの点Hの各検出について)、実際の直径の値(DE)が決定され、そして、この値は、各検出について、前記処理ユニット(UE)又は前記制御ユニット(PL)によって記憶される対応する基準値又は理論的直径(DT)と比較される。
【0026】
前記処理ユニット(UE)は、実際の直径(DE)と対応する理論的直径(DT)との間の比較に基づいて、各検出および各比較について、経時的な、すなわち前記ログの巻き取り中の直径に関する誤差を決定する。
【0027】
図6は、実際の値(DE)と所定の理論値(DT)に関して、経時的に可能な直径の傾向を定性的に示す2つの曲線を示す。この例では、巻き取りサイクル中に誤差が徐々に減少すると仮定されている。
【0028】
図3A-Cの図は、3つの異なる時間における誤差検出の可能な3つの状況を表す。図3Aにおいて、点の位置(H)に基づいて測定された直径は理論上の直径(点線の円周)よりも小さい。図3Bにおいて、検出された直径は理論上の直径よりも大きい。図3Cにおいて、検出された直径は理論上の直径と一致する。
【0029】
図面において、符号(CL)は前記ログの中心を示す。
【0030】
図5において、符号(ED)は、上記2つの直径(DT,DE)の間の差を表す。
【0031】
図7A、7B、及び7Cは一連の瞬時(t1,t2,...,tn)において検出される直径の誤差(e1,e2,...,en)の3つの可能な傾向を表し、そこでは、各検出時において、誤差は、検出された直径(DE)と理論的直径(DT)との間の差によって与えられ、そして直線(r)は直線であり、その式は例えば、最小二乗法を一連の値(e1,e2,...,en)に適用する前記ユニット(UE)によって決定される。
【0032】
いずれの場合も、前記誤差(e1,e2,...,en)の時間的経過を示すのに適した前記値(e1,e2,...,en)間の直線的相関が確立され、図7A,7B及び7Cに概略的に示されるように、前記誤差が経時的に減少するか、増加するか、または一定のままであるかを確立することを可能にする。
【0033】
測定が行われる時間は図面を単純化するために、図7A、7B及び7Cのグラフにおいて等間隔で示されているが、前述のように、大部分の検出は好ましくは巻き取りの初期段階において行われる。
【0034】
上記傾向は、前記時間軸に対する前記直線(r)の傾き(a)で表される。
【0035】
実際には、前記誤差(e1,e2,...,en)が減少する傾向がある場合、図7Aに概略的に示すように、前記線(r)は負の勾配(a)を有する。
【0036】
前記誤差(e1,e2,...,en)が増加する傾向がある場合、前記線(r)は図7Bに概略的に示されるように、正の勾配(a)を有する。
【0037】
最後に、前記誤差(e1,e2,...,en)が実質的に一定の値である場合、前記線(r)は図7Cに概略的に示されるように、実質的にゼロの勾配(a)を有する。
【0038】
前記直線(r)の前記傾き(a)に応じて、前記処理ユニット(UE)は、戻りの対応する補正を決定することができる。
【0039】
例えば、(a)がゼロより小さい値(図7Aのように)に対しては、前記処理ユニット(UE)がいわゆる戻りの増加を行う。即ち、前記ローラ(R1)に対する前記ローラ(R2)の回転速度を減少させる。
【0040】
(a)の値がゼロより大きい場合(図7Bのように)に対しては、前記処理ユニット(UE)は戻りの減少を行う。即ち、前記ローラ(R1)に対する前記ローラ(R2)の回転速度を増加させる。
【0041】
(a)の値が実質的にゼロに等しい場合(図7Cのように)、例えば、-0.1と+0.1との間の値の場合、前記処理ユニット(UE)は、いかなる補正も実行しない。
【0042】
前述の値(a)は、より一般的な用語では、前記差の連続を形成する値(e1,e2,...,en)の経時的な傾向に関連するパラメータを表す。
【0043】
(a)が前記直線(r)の傾きである上記した例によれば、前記処理ユニット(UE)は、このパラメータがゼロ値を含む所定の範囲の値の外部にある場合、前記第1及び第2のローラ(R1,R2)の相対速度を修正する。可能な修正は、ログ巻き取りサイクルの完了後に行われ、従って、巻き返し機の巻き取りステーションにおいてその後に形成されるログに影響を及ぼす。
【0044】
前記処理ユニット(UE)は、例えば、検出された実際の直径の値、理論的基準値に対する誤差の値、経時的な誤差の傾向、及び上側ローラの速度に対する下側ローラ速度の可能な変動を表示するための表示手段を備えることができる。当該処理ユニット(UE)は、(a)の値が常に0に等しい場合にオペレータに警告するのに適した信号手段を備えることができる。
【0045】
実際には、実施の詳細が、いずれの場合であっても、採用された解決策の概念の範囲から逸脱することなく、記載され且つ図示された個々の要素及びそれらの相互の配置に関して均等な方法で変更することができ、従って、添付のクレームによる本特許によって与えられる保護範囲内に含まれるものである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C