(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及び処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230227BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20230227BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06Q30/02
(21)【出願番号】P 2021096002
(22)【出願日】2021-06-08
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】522470080
【氏名又は名称】株式会社NTTコノキュー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊允
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-054370(JP,A)
【文献】国際公開第2015/045235(WO,A1)
【文献】特開2019-070903(JP,A)
【文献】特開2015-179390(JP,A)
【文献】特開2019-109916(JP,A)
【文献】特開2019-160112(JP,A)
【文献】特開2014-085718(JP,A)
【文献】特開2019-050058(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0208619(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A63F 13/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を有する仮想ショッピングモールを仮想空間に構築し、前記ユーザが使用するユーザ端末に提供する構築部と、
仮想店舗の展示商品を実際に販売している実店舗を撮像した画像情報を取得し、前記画像情報を処理して前記実店舗の顧客の動作情報を取得する画像処理部と、
各ユーザ端末において、前記実店舗の顧客の動作情報を前記仮想店舗または前記仮想ショッピングモールに反映させる反映処理部と、
を有
し、
前記画像処理部は、前記動作情報として、前記実店舗の顧客による商品の閲覧動作及び前記実店舗の顧客による商品の試着動作を取得し、
前記反映処理部は、各ユーザ端末において、前記仮想店舗に配置された商品のうち、前記実店舗の顧客によって、所定回数以上、閲覧或いは試着された第1の商品に対し、前記商品が顧客によって閲覧または試着されていることを示す情報を表示させることを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記反映処理部は、前記第1の商品に対し、前記第1の商品が顧客によって閲覧または試着されていることを示すコメントを表示させる、前記第1の商品を強調表示させる、または、前記第1の商品の展示位置を前記ユーザの視線上に変更させることを特徴とする請求項
1に記載の処理装置。
【請求項3】
処理装置が実行する処理方法であって、
ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を有する仮想ショッピングモールを仮想空間に構築し、前記ユーザが使用するユーザ端末に提供する工程と、
仮想店舗の展示商品を実際に販売している実店舗を撮像した画像情報を取得し、前記画像情報を処理して前記実店舗の顧客の動作情報を取得する工程と、
各ユーザ端末において、前記実店舗の顧客の動作情報を前記仮想店舗または前記仮想ショッピングモールに反映させる工程と、
を含
み、
前記取得する工程は、前記動作情報として、前記実店舗の顧客による商品の閲覧動作及び前記実店舗の顧客による商品の試着動作を取得し、
前記反映させる工程は、各ユーザ端末において、前記仮想店舗に配置された商品のうち、前記実店舗の顧客によって、所定回数以上、閲覧或いは試着された第1の商品に対し、前記商品が顧客によって閲覧または試着されていることを示す情報を表示させることを特徴とする処理方法。
【請求項4】
ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を有する仮想ショッピングモールを仮想空間に構築し、前記ユーザが使用するユーザ端末に提供するステップと、
仮想店舗の展示商品を実際に販売している実店舗を撮像した画像情報を取得し、前記画像情報を処理して前記実店舗の顧客の動作情報を取得するステップと、
各ユーザ端末において、前記実店舗の顧客の動作情報を前記仮想店舗または前記仮想ショッピングモールに反映させるステップと、
をコンピュータに実行させ
、
前記取得するステップは、前記動作情報として、前記実店舗の顧客による商品の閲覧動作及び前記実店舗の顧客による商品の試着動作を取得し、
前記反映させるステップは、各ユーザ端末において、前記仮想店舗に配置された商品のうち、前記実店舗の顧客によって、所定回数以上、閲覧或いは試着された第1の商品に対し、前記商品が顧客によって閲覧または試着されていることを示す情報を表示させる処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及び処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネット上で商品を販売するWebサイト(ECサイト(Electronic Commerce site))を利用した商品の購入が一般化している。さらに、近年では、仮想空間上に店舗を再現し、ECサイトと連動することで、実店舗における商品の購買と同程度の購買体験をユーザに提供する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実店舗では、顧客は、他の顧客が手にした商品や、他の顧客が注目している商品に興味を持つ場合がある。このため、実際の実店舗では、顧客が手に取った数の多い商品や、顧客に注目された商品が、実際に購入されていることが多い。
【0005】
しかしながら、仮想空間に再現された仮想店舗は、商品が陳列された、ユーザのみに対して閉じられた空間であるため、実店舗での売れ筋商品など、実店舗での購買状況をユーザが認識することがなかった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、仮想空間に再現された仮想店舗または仮想ショッピングモールに、実店舗での顧客の動作情報を反映して、ユーザの購買意欲の向上を図る処理装置、処理方法及び処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の処理装置は、ユーザによる商品の閲覧及び購買が可能である仮想店舗を有する仮想ショッピングモールを仮想空間に構築し、ユーザが使用するユーザ端末に提供する構築部と、仮想店舗の展示商品を実際に販売している実店舗を撮像した画像情報を取得し、画像情報を処理して実店舗の顧客の動作情報を取得する画像処理部と、各ユーザ端末において、実店舗の顧客の動作情報を仮想店舗または仮想ショッピングモールに反映させる反映処理部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、仮想空間に再現された仮想店舗または仮想ショッピングモールに、実店舗での顧客の動作情報を反映して、ユーザの購買意欲の向上を図る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すサーバ装置の処理を説明する図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すサーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、ユーザ端末に表示されるVRストアの広告領域の表示例を示す図である。
【
図9】
図9は、ユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図11】
図11は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムが限定されるものではない。
【0011】
以下の実施の形態では、実施の形態に係る処理装置、処理方法及び処理プログラムの処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0012】
[実施の形態]
まず、実施の形態について説明する。実施の形態では、仮想空間でのショッピング環境をユーザに提供するための通信システムについて説明する。
【0013】
[通信システムの構成]
実施の形態に係る通信システムの構成を説明する。実施の形態における通信システムでは、ショッピング環境をユーザに提供するVR(Virtual Reality)ストア提供事業者側のサーバ装置において、仮想空間上にVRストア(仮想店舗)を構築し、閲覧及び購入が可能なようにVRストア内に商品を配置する。
図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、実施の形態に係る通信システムは、各ユーザが使用するユーザ端末20と、VRストア提供事業者のサーバ装置10(処理装置)と、を有する。また、サーバ装置10は、商品を販売する店舗の店舗サーバ装置30と接続する。なお、
図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。
【0015】
VRストア提供事業者のサーバ装置10は、VRストアの展示商品を実際に販売している実店舗の店舗サーバ装置30から、VRストアや広告に展示可能な商品の情報を受け、これらの商品を陳列したVRストアをユーザに提供する。VRストアでは、ユーザが、商品を選択することによって、商品の種別、色、サイズ、価格等の商品情報を参照することができ、所定の処理を行うことによって、商品の購入処理まで進めることができる。なお、サーバ装置10は、仮想空間上に仮想の街を再現し、その街の中に、複数のVRストアや街頭広告を配置した仮想ショッピングモール(VRショッピングモール)を構築し、ユーザに提供することもできる。
【0016】
店舗サーバ装置30は、それぞれ保持する商品の在庫情報DB31を有する。店舗サーバ装置30は、保持する商品のうち、VRストアや広告に展示可能な商品の情報を、ネットワークN等を介して、サーバ装置10に送信する。店舗サーバ装置30は、商品の情報として、商品の識別情報、名称、サイズ、色、価格、在庫情報などを送信する。
【0017】
実店舗には、監視カメラ32が設置される。監視カメラ32は、実店舗を撮像する。店舗サーバ装置30は、監視カメラ32が撮像した実店舗の画像情報を保持する画像情報DB33を有する。店舗サーバ装置30は、画像情報DB33が保持する画像情報を、ネットワークN等を介して、サーバ装置10に送信する。
【0018】
ユーザ端末20は、ノートPC(Personal Computer)やデスクトップPC等の情報処理装置電子や、タブレット、スマートフォン等のスマートデバイスである。ユーザ端末20は、ネットワークNを介して、サーバ装置10に接続し、VRストアの提供を受ける。ユーザ端末20のユーザは、ユーザ端末20を操作することによって、提供されたVRストア内で、商品及び広告の閲覧や商品の購入を行う。
【0019】
図2は、
図1に示すサーバ装置10の処理を説明する図である。
図2に示すように、サーバ装置10は、実店舗に設置された監視カメラ32が撮像した実店舗の画像情報を取得し、実店舗を撮像した画像情報を処理して実店舗の顧客の動作情報を取得する。そして、サーバ装置10は、各ユーザ端末20において、
図2の矢印Y1,Y2のように、実店舗の顧客の動作情報をVRストアに反映させる。例えば、サーバ装置10は、画面V1に示すように、VRストア内の商品や広告領域D1に実店舗の顧客の動作情報をVRストアに反映させる(矢印Y1,Y2参照)。また、サーバ装置10は、各ユーザ端末20において、実店舗の顧客の動作情報を、VRショッピングモールに反映させてもよい。
【0020】
これにより、実店舗の顧客の動作情報をVRストア及びVRショッピングモールに反映することで、例えば、実際の実店舗における顧客の動作から、どの商品に顧客の注目が集まっているかをユーザが認識することができ、ユーザの購買意欲の向上を図ることができる。続いて、
図1に示すサーバ装置10について説明する。
【0021】
[サーバ装置]
図3は、
図1に示すサーバ装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、このサーバ装置10は、各種情報に関する通信を制御する通信部11、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する記憶部12、及び、種々の処理を実行する制御部13を有する。以下にサーバ装置10が有する各部の処理を説明する。
【0022】
通信部11は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。通信部11は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置と制御部13(後述)との間の通信を行う。例えば、通信部11は、ネットワークを介して、店舗サーバ装置30から、展示可能な商品の情報を受信する。また、通信部11は、ネットワークNを介して、ユーザ端末20から、VRストアへの入店要求、商品の閲覧要求や購入要求、VRストアに対する各ユーザの操作情報を受信する。通信部11は、商品の購入手続き、商品購入後の在庫更新に関する情報を店舗サーバ装置30に送信する。
【0023】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、サーバ装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部12は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。記憶部12は、構築用情報121、ユーザ情報122、店舗及び商品情報123、画像情報124及び反映方法情報125を記憶する。
【0024】
構築用情報121は、VRストア及びVRショッピングモールを仮想空間上で構築するために要する情報である。構築用情報121は、VRストア及びVRショッピングモールを仮想空間上で構築するための、画像処理条件や画像処理プログラムを含む。また、構築用情報121は、例えば、VRストア及びVRショッピングモールが、店舗内観、商品、街並み、店舗外観を、定点或いは360°で撮影した写真、或いは、これらの写真を画像処理して構築したVRストア及びVRショッピングモールの画像を含む。構築用情報121は、例えば、VRストア及びVRショッピングモールが、CG(Computer Graphics)で構築されている場合には、店舗内観、商品、街並み及び店舗外観を再現した画像である。
【0025】
ユーザ情報122は、VRストア及びVRショッピングモールの入場者として登録されている各ユーザに関する情報である。ユーザ情報122は、例えば、ユーザのIDと、各ユーザIDに対応付けられた購入履歴、閲覧履歴を含む。例えば、購入履歴は、購入時間、商品を購入した店舗の名称、商品ID、商品名、サイズ、色、個数を項目として有する。例えば、閲覧履歴は、閲覧時間、商品を閲覧した店舗の名称、商品ID、商品名、サイズ、色、個数を項目として有する。
【0026】
店舗及び商品情報123は、VRショッピングモールに配置される店舗及びVRストア内に展示される商品に関する情報である。店舗及び商品情報123は、店舗ID、店舗種別、各店舗が保持する商品のうちVRストアや広告に展示可能である商品の商品ID,商品名、サイズ、色、個数を項目として有する。例えば、店舗Pは、雑貨販売であり、展示可能である商品とカトラリーやカップが、これらの商品のサイズ、色等の特徴、在庫の個数とともに示されている。
【0027】
画像情報124は、監視カメラ32が撮像した実店舗の画像情報である。画像情報124は、ネットワークN等を介して、店舗サーバ装置30から送信される。
【0028】
反映方法情報125は、実店舗の顧客の動作情報をVRストアまたはVRショッピングモールに反映させる各種方法を示す情報である。反映方法情報125は、反映方法として、商品が顧客によって閲覧または試着されていることを示す情報を表示させる方法、混雑度を表示させる方法、実店舗の動画情報を表示させる方法、VRショッピングモールの各VRストアを実店舗の混雑度に応じて強調表示させる方法を含む。なお、試着されていることを示す情報は、タグ情報等を用いて取得することも可能である。例えば、RFIDタグ等が商品に付されている場合、試着室の読み取り装置にタグ情報を読み取らせることによって、試着されていることを示す情報を動作情報として取得する。
【0029】
制御部13は、サーバ装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。制御部13は、受付部131、構築部132、画像処理部133及び反映処理部134を有する。
【0030】
受付部131は、ユーザによる、VRショッピングモールへの入場、VRショッピングモール内のVRストアへの入店、商品の閲覧、商品の購入を受け付ける。
【0031】
構築部132は、画像或いはCGを用いて、VRストアやVRショッピングモールを仮想空間上に構築する。構築部132は、ユーザのVRストアへの入店を受け付けると、VRストアを仮想空間上に構築する。そして、構築部132は、構築したVRストアを、ユーザが使用するユーザ端末20に提供する。
【0032】
VRストアでは、実店舗に基づいて内観が構築され、実店舗が保持する商品のうち展示可能である商品が実際の店舗内での展示方法(陳列棚に一列に配置する等)で展示されるように表示される。そして、展示された商品については、商品情報(種別、色、形、サイズ、価格、在庫状況)が閲覧可能なように提供される。展示された商品については、購入も可能である。また、VRストアでは、店舗内の任意の領域に、該店舗において展示される商品等の広告の表示も可能である。VRストアでは、ユーザは、実際の店舗内を歩くように、ユーザのアバターを移動させることができる。
【0033】
そして、構築部132は、ユーザのVRショッピングモールへの入場を受け付けると、構築用情報121を取得して、VRショッピングモールを仮想空間上に構築してもよい。VRショッピングモールでは、実際の街並み、実際にあるショッピングモール、或いは、実際にある百貨店のフロアガイド、フロアマップに基づいて、各店舗の配置、各店舗の外観、道路、街頭広告が構築される。VRショッピングモールでは、ユーザは、実際の街並みを歩くように、ユーザのアバターを移動させることができる。そして、VRショッピングモールでは、例えば、ユーザは、店舗外観に表示される店舗名や店舗の入り口をクリックまたはタップすることで、選択したVRストアに入店することができる。
【0034】
なお、構築部132は、ユーザのVRショッピングモールへの入場を受け付けた際に、VRショッピングモールとともに、VRショッピングモールに配置される各VRストアも構築してもよい。また、構築部132は、シーズンごとに、VRショッピングモールの街並みの風景、VRストアに展示する商品、及び、広告に表示する商品を変更してもよい。
【0035】
画像処理部133は、VRストアの展示商品を実際に販売している実店舗を撮像した画像情報を取得し、画像情報を処理して実店舗の顧客の動作情報を取得する。
【0036】
反映処理部134は、各ユーザ端末20において、実店舗の顧客の動作情報をVRストアまたはVRショッピングモールに反映させる。反映処理部134は、VRストアまたはVRショッピングモールに反映させる方法を、反映方法情報125から選択する。反映処理部134は、ユーザ端末20のユーザの指示により、或いは、所定の選択ルールを基に、VRストアまたはVRショッピングモールに反映させる方法を選択する。
【0037】
以降、
図4~9を参照して、画像処理部133及び反映処理部134の具体的な処理を説明する。
図4~
図7及び
図9は、ユーザ端末20に表示される画面の一例を示す図である。
図8は、ユーザ端末20に表示されるVRストアの広告領域の表示例を示す図である。
【0038】
[反映例1]
画像処理部133は、実店舗の顧客の動作情報として、実店舗の顧客による商品の閲覧動作及び実店舗の顧客による商品の試着動作を取得する。例えば、画像情報から、画像処理部133は、顧客が商品を手に取る動作、顧客が試着をする動作を取得する。そして、反映処理部134は、各ユーザ端末20において、VRストアに配置される商品のうち、実店舗の顧客によって、所定回数以上、閲覧(例えば、手に取る)或いは試着された第1の商品に対し、この商品が顧客によって閲覧または試着されていることを示す情報をVRストア上で表示させる。
【0039】
具体的には、反映処理部134は、
図4の画面V11に示すように、VRストアに配置される商品のうち、実店舗において顧客に所定回数以上閲覧または試着された商品については、この商品を指し示すコメントC1を表示させる。コメントC1には、例えば、「A店舗でよく手に取られています」、「A店舗でよく試着されています」等のコメントが表示される。反映処理部134は、この店舗の購入履歴や在庫情報を基に、「A店舗でよく売れています」というコメントを表示してもよい。なお、コメントは、A店舗等、店舗を特定した内容でもよいし、複数店舗を合算して判定した内容でもよい。また、店舗ごとに商品の販売数をカウントして複数店舗で商品の販売数が一定数を超えている場合は、他のコメント、例えば、店舗名を並べたコメント(「A店舗、B店舗でよく売れています」)や、「3店舗でよく売れています」というコメントでもよい。そして、販売数が一定数を超えた店舗があるエリアが集中しているのであれば、「関東エリアでよく売れています」というコメントでもよい。また、ユーザの利用しやすい店舗(例えば、A店舗)を選択して、「A店舗でよく売れています」というコメントでもよい。
【0040】
また、反映処理部134は、
図5の画面V12に示すように、VRストアに配置される商品のうち、実店舗において顧客に所定回数以上閲覧または試着された商品を枠C2で囲う等で強調表示させてもよい。また、反映処理部134は、
図6の画面V13の矢印Y13に示すように、VRストアに配置される商品のうち、実店舗において顧客に所定回数以上閲覧または試着された商品の展示位置を、画面奥の位置C3から、ユーザの視線上の位置C3´(例えば、画面中央)に変更させてもよい。ユーザの視線情報は、VRゴーグルを介したユーザの視線の角度情報によって取得可能である。
【0041】
この結果、ユーザは、VRストアの商品のうち、実店舗では、どの商品が顧客によってよく閲覧または試着等をされているかを容易に認識することができ、商品の購入の判断材料とすることができる。
【0042】
[反映例2]
また、画像処理部133は、画像情報を処理することで、実店舗の顧客の動作情報として、実店舗の顧客の混雑度を取得してもよい。この場合、反映処理部134は、
図7の画面V14に示すように、各ユーザ端末20において、VRストアに、混雑度に応じた数の人影画像F4を表示させてもよい。そして、反映処理部134は、実店舗において顧客が実際に集まっている商品を枠C4等で囲うことで強調表示させてもよい。なお、反映処理部134は、VRストア上で商品が見やすいように人影画像F4の配置を調整する。
【0043】
この結果、ユーザは、VRストアの商品のうち、実店舗では、どの商品に顧客が集まっているかを容易に認識することができ、商品の購入の判断材料とすることができる。また、ユーザは、実店舗の混雑度を判別できるため、この店舗の人気度合いも知ることができ、商品の購入の判断材料とすることができる。
【0044】
[反映例3]
また、画像処理部133は、店舗の顧客の動作情報として、実店舗の動画情報を取得すてもよい。画像処理部133は、実店舗の動画情報のうち、顧客が集まっている領域のみを切り出す。なお、動画情報は、リアルタイムでなくてもよい。例えば、動画情報は、現在の動画情報のほか、所定時間(例えば、14時等)の情報、前日の動画情報、週末の動画情報などを装置側で選択する。また、ユーザが動画情報を選択することも可能である。
【0045】
そして、反映処理部134は、各ユーザ端末20において、VRストアに配置される広告領域(例えば、
図8の広告領域D1)に、画像処理部133が処理した動画情報を、店舗情報(例えば「A店舗」)とともに表示させる。なお、反映処理部134は、動画画像に映る人物が特定できないように動画画像を加工する。また、反映処理部134は、VRストア上で商品が見やすいように、人が集まっているシーンと、商品G1が写っているシーンとを複合した動画画像を、VRストアの広告領域に表示させてもよい。
【0046】
これによって、ユーザは、VRストアの商品のうち、実店舗では、どの商品に顧客が集まっているかを容易に認識することができ、商品の購入の判断材料とすることができる。
【0047】
[反映例4]
また、画像処理部133は、実店舗の顧客の動作情報として、VRショッピングモールに出店された各VRストアにそれぞれ対応する各実店舗の顧客の混雑度を取得する。そして、反映処理部134は、各ユーザ端末20において、VRショッピングモールの各VRストアを、それぞれ対応する各実店舗の混雑度に応じて強調表示させる。
【0048】
例えば、反映処理部134は、
図9の画面V21に示すように、店舗P1,P2のうち混雑度がより高い店舗P2を枠C22で囲うことで強調表示させる。また、反映処理部134は、各VRストアをヒートマップ表示することで、混雑度を表示してもよい。また、反映処理部134は、VRショッピングモールの広告D22に、混雑度が高い店舗P2の商品を表示させてよい。この際、反映処理部134は、広告D22に、画像処理部133の処理結果を基に、店舗P2の商品のうち、実店舗において顧客によく閲覧等されている商品を表示させてもよい。
【0049】
これによって、ユーザは、VRショッピングモールにおいて、実際に実店舗に顧客が集まっているVRストアを容易に認識することができ、入店の判断材料とすることができる。
【0050】
[通信処理の処理手順]
図10は、実施の形態に係る通信システムにおける通信処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0051】
図10に示すように、サーバ装置10は、店舗サーバ装置30から商品情報及び在庫情報を受けると(ステップS1)、店舗及び商品情報123を更新する(ステップS2)。
【0052】
サーバ装置10では、受付部131が、ユーザ端末20からVRストアへの入店申し込みを受け付けると(ステップS3,S4)、構築部132が、構築用情報121と店舗及び商品情報123とを取得して(ステップS5)、VRストアを仮想空間上に構築する(ステップS6)。そして、構築部132は、ユーザ端末20にVRストアを提供する(ステップS7)。なお、構築部132は、VRショッピングモールを仮想空間上に構築して、ユーザ端末20に提供してもよい。
【0053】
店舗サーバ装置30は、実店舗に設けられた監視カメラ32から、実店舗を撮像した画像情報を取得し(ステップS8)、サーバ装置10に送信する(ステップS9)。サーバ装置10では、画像処理部133が、実店舗を撮像した画像情報を処理して実店舗の顧客の動作情報を取得する画像処理を行う(ステップS10)。
【0054】
サーバ装置10では、反映処理部134が、各ユーザ端末20において、実店舗の顧客の動作情報をVRストアまたはVRショッピングモールに反映させる反映処理を行い(ステップS11)、画面に表示されたVRストアへの反映表示指示をユーザ端末20に送信する(ステップS12)。ユーザ端末20は、サーバ装置10による反映表示指示を基に、画面に、実店舗の顧客の動作情報を反映する情報を表示する(ステップS13)。
【0055】
[実施の形態の効果]
このように、実施の形態に係るサーバ装置10は、VRストアの展示商品を実際に販売している実店舗を撮像した画像情報を取得し、画像情報を処理して実店舗の顧客の動作情報を取得する。そして、サーバ装置10は、各ユーザ端末20において、実店舗の顧客の動作情報をVRストアまたはVRショッピングモールに反映させる。
【0056】
これによって、ユーザは、VRストアの商品のうち、実店舗では、どの商品を顧客がよく閲覧または試着等をしているか、どの商品に顧客が集まっているかを容易に認識でき、商品の購入の判断材料とすることができる。また、ユーザは、VRショッピングモールにおいて、実際に実店舗に顧客が集まっているVRストアを容易に認識することができ、入店の判断材料とすることができる。したがって、本実施の形態によれば、仮想空間に再現されたVRストアまたはVRショッピングモールに実店舗での顧客の動作情報を反映することで、ユーザの購買意欲の向上を図ることができる。
【0057】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0058】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0059】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明したサーバ装置10及びが実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態におけるサーバ装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0060】
図11は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図11に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0061】
メモリ1010は、
図11に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図11に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0062】
ここで、
図11に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0063】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0064】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0065】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
10 サーバ装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 ユーザ端末
30 店舗サーバ装置
121 構築用情報
122 ユーザ情報
123 店舗及び商品情報
124 画像情報
125 反映方法情報
131 受付部
132 構築部
133 画像処理部
134 反映処理部