(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-02-24
(45)【発行日】2023-03-06
(54)【発明の名称】自動食器洗浄機用洗浄剤組成物および自動食器洗浄機による食器の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
C11D 1/68 20060101AFI20230227BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20230227BHJP
C11D 1/722 20060101ALI20230227BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20230227BHJP
C11D 3/04 20060101ALI20230227BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20230227BHJP
A47L 15/42 20060101ALN20230227BHJP
【FI】
C11D1/68
C11D1/72
C11D1/722
C11D1/75
C11D3/04
C11D3/37
A47L15/42 Z
(21)【出願番号】P 2022169292
(22)【出願日】2022-10-21
【審査請求日】2022-11-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591225132
【氏名又は名称】株式会社アルボース
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】三輪 真之
(72)【発明者】
【氏名】立岩 雅大
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 裕美
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-305176(JP,A)
【文献】特開2005-325281(JP,A)
【文献】特開2007-016132(JP,A)
【文献】特開2011-153232(JP,A)
【文献】特開2012-197335(JP,A)
【文献】特開2016-183242(JP,A)
【文献】特開2012-001663(JP,A)
【文献】特開2010-285492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00- 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)非イオン界面活性剤、(B)アミンオキシド
、(C)
へキシルグリコシド、およびアルカリ剤を含有する、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項2】
(A)非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物、リバーステトロニック型ブロックポリマー、およびテトロニック型ブロックポリマーからなる群より選択される少なくも1種である、請求項1に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項3】
さらに、高分子分散剤および/またはキレート剤を含有する、請求項1に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を用いて食器を洗浄する、自動食器洗浄機による食器の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物およびそれを用いた自動食器洗浄機による食器の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗浄機は、専用の洗浄剤を希釈した洗浄剤希釈液を、汚れの付着した洗浄すべき食器類の表面に高圧水流で噴射することで、食器類に付着した汚れを落としている。このとき、業務用の自動食器洗浄機では、噴射洗浄による食器類の汚れの除去を効果的なものとするために、通常、アルカリ金属水酸化物等のアルカリ剤を含有する自動食器洗浄機用洗浄剤が使用されており、アルカリ剤のもつタンパク質汚れ等に対する分解作用や可溶化作用により、スピーディで効率的な食器類の洗浄が可能になっている。アルカリ剤を主成分とする自動食器洗浄機用洗浄剤組成物として、例えば、特許文献1に、アルカリ剤、アミノカルボン酸型キレート剤、有機リン酸又はその塩を含有する洗浄剤組成物が開示されている。
【0003】
他方、油汚れに対する洗浄力をさらに向上させるために、自動食器洗浄機用洗浄剤に、非イオン界面活性剤を配合することが考えられる。しかしながら、非イオン界面活性剤は、水溶性が低く、高塩濃度下では容易に析出/分離してしまうという性質があることから、アルカリ金属水酸化物等の無機塩のアルカリ剤を多量に含有する自動食器洗浄機用洗浄剤にあっては、十分量の非イオン界面活性剤を安定的に配合することは困難であった。特に、自動食器洗浄機用洗浄剤では、スケール発生防止のため、スルホン酸塩、カルボン酸塩等の有機塩からなる高分子分散剤やキレート剤を配合することがあるが、この場合には、上記の配合安定性の問題はよりいっそう顕著なものとなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、高塩濃度下でも、非イオン界面活性剤を安定的に水に溶解することができる自動食器洗浄機用洗浄剤の配合を見出し、もって、配合安定性に優れ、かつ油汚れに対する洗浄力にも優れる自動食器洗浄機用洗浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、非イオン界面活性剤とともに、アミンオキシドおよびアルキルグリコシドを組み合わせて配合することで、より効果的に非イオン界面活性剤を水に溶解することができること、すなわち、非イオン性界面活性剤とともに、アミンオキシドおよびアルキルグリコシドを含有させた自動食器洗浄機用洗浄剤は、配合安定性に優れ、かつ油汚れに対する洗浄力にも優れることを見出して、本発明を完成させた。本発明の要旨は以下のとおりである。
【0007】
[1](A)非イオン界面活性剤、(B)アミンオキシド、および(C)アルキルグリコシドを含有する、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
[2](C)アルキルグリコシドが、へキシルグリコシドである、[1]に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
[3]さらに、アルカリ剤を含む、[1]に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
[4](A)非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物、リバーステトロニック型ブロックポリマー、およびテトロニック型ブロックポリマーからなる群より選択される少なくとも1種である、[1]に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
[5]さらに、高分子分散剤および/またはキレート剤を含有する、[1]に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
[6][1]に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を用いて食器を洗浄する、自動食器洗浄機による食器の洗浄方法。
【0008】
なお、前記[1]から[6]の各構成は、任意に2つ以上を選択して組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、配合安定性に優れ、かつ油汚れに対する洗浄力にも優れる自動食器洗浄機用洗浄剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書中で使用される用語は、特に言及しない限り、当該技術分野で通常用いられる意味で解釈される。
【0011】
<自動食器洗浄機用洗浄剤組成物>
本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物(以下、単に洗浄剤組成物ということがある)は、(A)非イオン界面活性剤、(B)アミンオキシドおよび(C)アルキルグリコシドを含有する。本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物は、(B)アミンオキシドおよび(C)アルキルグリコシドを組み合わせて含有することで、より効果的に非イオン界面活性剤を水に溶解することができる。このため、洗浄剤が高濃度の塩類を含有し、非イオン界面活性剤の析出/分離が問題となる場合であっても、非イオン界面活性剤を安定的に水に溶解することができる。そして、本発明の洗浄剤組成物は、適量、非イオン界面活性剤を含有していることから、油に対する洗浄力に優れる。
【0012】
また、本発明では、上記のとおり、(B)アミンオキシドおよび(C)アルキルグリコシドの組み合わせにより、より効果的に非イオン界面活性剤を水に溶解することができるのであるが、このために、洗浄剤組成物中に配合する(B)アミンオキシドおよび(C)アルキルグリコシドの含有量を少なくすることができる。このことは洗浄効果を妨げてしまう泡立ち成分を極力含有しないことが求められる自動食器洗浄機用洗浄剤としては有利となる。
【0013】
[(A)非イオン界面活性剤]
本発明において、(A)非イオン界面活性剤は、当該技術分野において公知のものを、特に制限なく、広く使用することができる。具体的には、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物、リバーステトロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルジアミン、ポリオキシアルキレンコレステリルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、アルキルアルカノールアミド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル等を使用できる。中でも、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物、リバーステトロニック型ブロックポリマー、およびテトロニック型ブロックポリマーを好適に使用でき、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、およびポリオキシアルキレンアルキルエーテルを特に好適に使用できる。なお、本発明の洗浄剤組成物において、非イオン界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0014】
ポリオキシアルキレンアルキルアミンとしては、例えば、下記の一般式で示されるポリオキシアルキレンアルキルアミンを挙げることができ、当該技術分野において一般的に使用されるポリオキシアルキレンアルキルアミンを適宜選択して使用できる。
【化1】
[式中、R
1は、炭素原子数1~22の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキルエーテル基であり、A
1OおよびA
2Oは、それぞれ炭素数2~4のオキシアルキレン基を示し、m、nはそれぞれA
1OおよびA
2Oの平均付加モル数であって1以上の数を示す。好ましくは、m、nは、それぞれ1000以下である。なお、mが2以上のとき、(A
1O)
mにおいて、それぞれのA
1Oは同一のオキシアルキレン基であってもよく、異なるオキシアルキレン基であってもよい。また、nが2以上のとき、(A
2O)
nにおいて、それぞれのA
2Oは同一のオキシアルキレン基であってもよく、異なるオキシアルキレン基であってもよい。]
【0015】
ここで、(A1O)mにおいて、異なるオキシアルキレン基が混在する場合、その2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。また、(A2O)nについても同様である。
【0016】
ポリオキシアルキレンアルキルアミンは、例えば、以下の市販品を使用することができる。三洋化成工業社のピュアミールシリーズの、ピュアミールEP-300S、ピュアミールCPE-100、ピュアミールPPE-103、ピュアミールCCS-80、ピュアミールCF-60など。ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社のリポノールシリーズの、リポノールC/18-18[ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンヤシアルキルアミン(EO8モル、PO8モル付加物)]、リポノールC/25[ポリオキシエチレンヤシアルキルアミン(EO15モル付加物)]など。
【0017】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、下記の一般式で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルを挙げることができ、当該技術分野において一般的に使用されるポリオキシアルキレンアルキルエーテルを適宜選択して使用できる。
【化2】
[式中、R
1は炭素数1~22の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基であり、A
1Oは炭素数2~4のオキシアルキレン基を示し、nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、1以上である。好ましくは、nは、1000以下である。なお、nが2以上のとき、[A
1O]
nにおいて、それぞれのA
1Oは同一のオキシアルキレン基であってもよく、異なるオキシアルキレン基であってもよい。]
【0018】
ここで、[A1O]nにおいて、異なるオキシアルキレン基が混在する場合、その2種類以上のオキシアルキレン基の付加は、ブロック状の付加であってもよく、ランダム状の付加であってもよい。
【0019】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、例えば、以下の市販品を使用することができる。BASF社のPlurafacシリーズの、Plurafac LF 901、Plurafac LF 401、Plurafac LF 221、Plurafac LF 223、Plurafac LF 600など。第一工業製薬社のノイゲンシリーズの、ノイゲンEA-017、ノイゲンEA-87、ノイゲンEA-127、ノイゲンSD-30、ノイゲンSD-60、ノイゲンXL-40、ノイゲンXL-50、ノイゲンLF-40X、ノイゲンLF-41Xなど。
【0020】
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物としては、例えば、下記の一般式で示されるポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物を挙げることができ、当該技術分野において一般的に使用されるポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物を適宜選択して使用できる。
【化3】
[式中、l、m、nはそれぞれ1以上の整数を示す。好ましい平均分子量は1000~30000であり、好ましいエチレンオキサイド(EO)含有量は総分子量の40%以下である。](なお、本明細書において、平均分子量は、重量平均分子量を意味する。)
【化4】
[式中、l、m、nはそれぞれ1以上の整数を示す。好ましい平均分子量は1000~30000であり、好ましいエチレンオキサイド(EO)含有量は総分子量の40%以下である。]
【0021】
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物は、例えば、以下の市販品を使用することができる。ADEKA社製の、アデカプルロニックL-31[分子量1100,EO比率10%]、アデカプルロニックL-61[分子量2000,EO比率10%]、アデカプルロニックL-62[分子量2500,EO比率20%]、アデカプルロニック25R-1[分子量2800,EO比率10%]、アデカプルロニック25R-2[分子量2800,EO比率20%]、アデカプルロニック17R-2[分子量2200,EO比率20%]など。BASF社のPluronicシリーズの、Pluronic PE3100[分子量1000,EO比率10%]、Pluronic PE6200[分子量2450,EO比率20%]、Pluronic PE8100[分子量2600,EO比率10%]、Pluronic PE10400[分子量5900,EO比率40%]など。
【0022】
リバーステトロニック型ブロックポリマーは、例えば、下記の一般式で示されるリバーステトロニック型ブロックポリマーを挙げることができ、当該技術分野において一般的に使用されるリバーステトロニック型ブロックポリマーを適宜選択して使用できる。
【化5】
[式中、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ1以上の整数を示している。好ましい平均分子量は1000~30000であり、好ましいエチレンオキサイド(EO)含有量は総分子量の40%以下である。]
【0023】
リバーステトロニック型ブロックポリマーは、例えば、以下の市販品を使用することができる。ADEKA社製のアデカプルロニックTR-913R[分子量6500,EO比率30%]など。
【0024】
テトロニック型ブロックポリマーは、例えば、下記の一般式で示されるテトロニック型ブロックポリマーを挙げることができ、当該技術分野において一般的に使用されるテトロニック型ブロックポリマーを適宜選択して使用できる。
【化6】
[式中、a、b、c、d、e、f、g、hはそれぞれ1以上の整数を示している。好ましい平均分子量は1000~30000であり、好ましいエチレンオキサイド(EO)含有量は総分子量の40%以下である。]
【0025】
テトロニック型ブロックポリマーは、例えば、以下の市販品を使用することができる。ADEKA社製の、アデカプルロニックTR-701[分子量2750,EO比率10%]、アデカプルロニックTR-702[分子量3500,EO比率20%]、アデカプルロニックTR-704[分子量5000,EO比率40%]など。
【0026】
本発明の洗浄剤組成物における(A)非イオン界面活性剤の含有量は、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限なく、適量配合できる。(A)非イオン界面活性剤の含有量の下限としては、洗浄力の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましく、4質量%以上が特に好ましい。また、(A)非イオン界面活性剤の含有量の上限としては、洗浄剤組成物の配合安定性の観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。(A)非イオン界面活性剤の含有量の数値範囲としては、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上15質量%以下であることが更に好ましく、4質量%以上15質量%以下であることが特に好ましい。
【0027】
[(B)アミンオキシド]
本発明において、(B)アミンオキシドは、当該技術分野において公知のものを、特に制限なく、広く使用することができる。例えば、下記の一般式で示されるアミンオキシドを挙げることができ、当該技術分野において一般的に使用されるアミンオキシドを適宜選択して使用できる。
【化7】
[式中、R
1は炭素数1~22の直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、アルキルエーテル基であり、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、炭素数1~4のポリオキシアルキレン基である。]
【0028】
より具体的な例として、例えば、アルキルアミンオキシドを好適に使用することができる。中でも、オクチルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシドを好適に使用でき、デシルジメチルアミンオキシド、オクチルジメチルアミンオキシドをより好適に使用でき、オクチルジメチルアミンオキシドを特に好適に使用できる。なお、本発明の洗浄剤組成物において、アミンオキシドは、1種単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0029】
アミンオキシドは、例えば、以下の市販品を使用することができる。グローバル・アミンズ社製の、GENAMINOX OC[オクチルジメチルアミンオキシド]、GENAMINOX K-10[デシルジメチルアミンオキシド]、GENAMINOX K-12[ラウリルジメチルアミンオキシド]など、日油社製のユニセーフ A-LE[ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド]など、EVONIK社製のTOMAMINE AO-728[アルキルオキシプロピルアミンオキシド]など。
【0030】
本発明の洗浄剤組成物における(B)アミンオキシドの含有量は、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限なく、適量配合できる。(B)アミンオキシドの含有量の下限としては、配合安定性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。また、(B)アミンオキシドの含有量の上限としては、洗浄剤組成物の洗浄時の泡立ちの観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。(B)アミンオキシドの含有量の数値範囲としては、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが更に好ましい。
【0031】
[(C)アルキルグリコシド]
本発明において、(C)アルキルグリコシドは、当該技術分野において公知のものを、特に制限なく、広く使用することができる。例えば、下記の一般式で示されるアルキルグリコシドを挙げることができ、当該技術分野において一般的に使用されるアルキルグリコシドを適宜選択して使用できる。
【化8】
[式中、R
1は炭素数1~22の直鎖または分岐アルキル基であり、nは1以上である。好ましくは、nは、1000以下である。]
【0032】
より具体的な例として、例えば、ブチルグリコシド、ヘキシルグリコシド、オクチルグリコシド、2-エチルヘキシルグリコシド、デシルグリコシド、ラウリルグリコシドを好適に使用でき、2-エチルヘキシルグリコシド、およびへキシルグリコシドを特に好適に使用できる。中でも、へキシルグリコシドは、アミンオキシドとの組み合わせにおいて、より少ない量で効果的に非イオン界面活性剤を安定的に水に溶解できることから特に好ましい。なお、本発明の洗浄剤組成物において、アルキルグリコシドは、1種単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。なお、本発明における「アルキルグリコシド」には、アルキルモノグリコシド、アルキルポリグリコシド、およびこれらの混合物が含まれ、明細書中、へキシルグリコシドという場合、炭素数6の直鎖または分岐の(好ましくは直鎖の)アルキルモノグリコシド、アルキルポリグリコシド、およびこれらの混合物を意味する。
【0033】
アルキルグリコシドは、例えば、以下の市販品を使用することができる。ヌーリオン社製の、AG6206[ヘキシルグリコシド(R1=C6の直鎖アルキル、n=1~3)]、AG6202[2-エチルヘキシルグリコシド(R1=C8の分岐アルキル、n=不明)]など、花王社製の、マイドール10[デシルグリコシド(R1=C10の直鎖アルキル、n=不明)]、マイドール12[ラウリルグリコシド(R1=C12の直鎖アルキル、n=不明)]など、BASF社製のGlucopon 425 N/NH[アルキルポリグリコシド(R1=C8~14の直鎖アルキル、n=1~5)]など。
【0034】
本発明の洗浄剤組成物における(C)アルキルグリコシドの含有量は、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限なく、適量配合できる。(C)アルキルグリコシドの含有量の下限としては、配合安定性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、1質量%以上が特に好ましい。また、(C)アルキルグリコシドの含有量の上限としては、洗浄剤組成物の洗浄時の泡立ちの観点から、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下であることが特に好ましい。(C)アルキルグリコシドの含有量の数値範囲としては、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上15質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上10質量%以下であることが特に好ましい。
【0035】
本発明の洗浄剤組成物における(B)アミンオキシドおよび(C)アルキルグリコシドの合計含有量は、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限なく、適量配合できる。例えば、0.2質量%以上40質量%以下であることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。
【0036】
本発明の洗浄剤組成物中の(B)アミンオキシドと(C)アルキルグリコシドとの質量比[(B)/(C)]は、特に制限されず、配合されるアミンオキシドおよびアルキルグリコシドの種類によって適宜調整することができるが、例えば、0.005~200であることが好ましく、0.01~100であることがより好ましく、0.05~10であることが更に好ましく、0.1~5であることが特に好ましい。
【0037】
本発明の洗浄剤組成物中の(A)非イオン界面活性剤と(B)アミンオキシドおよび(C)アルキルグリコシドの合計含有量との質量比[(A)/{(B)+(C)}]は、特に制限されず、配合される非イオン界面活性剤、アミンオキシドおよびアルキルグリコシドの種類によって適宜調整することができるが、例えば、0.001~150であることが好ましく、0.01~100であることがより好ましく、0.1~10であることが更に好ましく、0.2~5であることが特に好ましい。
【0038】
[アルカリ剤]
本発明の洗浄剤組成物は、アルカリ剤を好ましく含有することができ、高い洗浄力が要求される自動食器洗浄機用洗浄剤用途に使用することができる。アルカリ剤は、当該技術分野において公知のものを、特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸水素塩;珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の珪酸塩;あるいは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等のアルカノールアミン等を使用することができる。中でも、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを好適に使用できる。ここで、本発明では、高塩濃度においても、非イオン界面活性剤の水への溶解性に優れることから、塩類であるアルカリ剤を好適に使用できる。なお、本発明の洗浄剤組成物において、アルカリ剤は、1種単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0039】
本発明の洗浄剤組成物におけるアルカリ剤の含有量は、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限なく、適量配合できる。アルカリ剤の含有量の下限としては、洗浄力の観点から、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましい。また、アルカリ剤の含有量の上限としては、洗浄剤組成物の配合安定性の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。アルカリ剤の含有量の数値範囲としては、0.1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、1質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。なお、アルカリ剤として、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを使用する場合、劇物扱いとなることを回避するために、それぞれの含有量は、5質量%以下であることが好ましい。
【0040】
本発明の洗浄剤組成物には、上記成分の他、高分子分散剤および/またはキレート剤を含有させることができる。
【0041】
[高分子分散剤]
本発明の洗浄剤組成物において、高分子分散剤は、例えば、スケール発生防止、スケール付着防止等の観点から含有させることができる。高分子分散剤は、当該技術分野において公知のものを、特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、アクリル酸/スルホン酸系モノマー共重合体、オレフィン/マレイン酸共重合体、無水マレイン酸/スチレン共重合体、無水マレイン酸/エチレン共重合体、無水マレイン酸/酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸/アクリル酸エステル共重合体、糖類/アクリル酸共重合体、リグニンスルホン酸、ポリアスパラギン酸、ポリエチレンイミン、アルコキシル化ポリエチレンイミンおよびこれらの塩等を使用することができる。中でも、ポリアクリル酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体、アクリル酸/スルホン酸系モノマー共重合体、およびこれらの塩を好適に使用でき、ポリアクリル酸、アクリル酸/スルホン酸系モノマー共重合体、およびこれらの塩を特に好適に使用できる。これらの平均分子量は、当該技術分野において一般的に使用される範囲であればよく、例えば、1000~100000である。ここで、本発明では、高塩濃度においても、非イオン界面活性剤の水へ溶解性に優れることから、塩類である高分子分散剤を好適に使用できる。なお、本発明の洗浄剤組成物において、高分子分散剤は、1種単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0042】
本発明の洗浄剤組成物における高分子分散剤の含有量は、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限なく、適量配合できる。高分子分散剤の含有量の下限としては、スケール付着防止の観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.1質量%以上が更に好ましく、4質量%以上が特に好ましい。また、高分子分散剤の含有量の上限としては、洗浄剤組成物の配合安定性の観点から、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。高分子分散剤の含有量の数値範囲としては、0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上20質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上15質量%以下であることが更に好ましく、4質量%以上15質量%以下であることが特に好ましい。
【0043】
[キレート剤]
本発明の洗浄剤組成物において、キレート剤は、例えば、洗浄力の向上、スケール発生防止等の観点から含有させることができる。キレート剤は、当該技術分野において公知のものを、特に制限なく使用できる。具体的には、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、1,3-プロパンジアミン四酢酸(PDTA)、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢酸(DPTA-OH)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、3-ヒドロキシ-2,2-イミノジコハク酸(HIDS)、アラニン二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、エチレンジアミンジコハク酸(EDDS)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、トリポリリン酸、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、ジエチルグルタル酸、フィチン酸およびこれらの塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)等を使用することができる。中でも、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、およびこれらの塩を好適に使用でき、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩を特に好適に使用できる。ここで、本発明では、高塩濃度においても、非イオン界面活性剤の水への溶解性に優れることから、塩類であるキレート剤を好適に使用できる。なお、本発明の洗浄剤組成物において、キレート剤は、1種単独で使用してもよいし、複数種を組み合わせて使用してもよい。
【0044】
本発明の洗浄剤組成物におけるキレート剤の含有量は、本発明の効果が奏される範囲であれば特に制限なく、適量配合できる。キレート剤の含有量の下限としては、洗浄力の観点から、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましい。また、キレート剤の含有量の上限としては、洗浄剤組成物の配合安定性の観点から、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。キレート剤の含有量の数値範囲としては、0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、1質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上30質量%以下であることが更に好ましい。
【0045】
本発明の洗浄剤組成物には、上記成分の他、必要に応じて水、酵素、色素、殺菌剤、水溶性溶剤、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤、酸化防止剤、香料、金属腐食防止剤、防腐剤等を含有させることができる。また、本発明の洗浄剤組成物は、非イオン界面活性剤以外の任意の界面活性剤(例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)を含有してもよい。
【0046】
本発明の洗浄剤組成物が含有する水としては、特に限定されず、例えば水道水、イオン交換水、精製水、蒸留水、純水、軟水、硬水等が挙げられる。
【0047】
本発明の洗浄剤組成物は、上述の各成分を常法により混合することで製造することができる。
【0048】
なお、本発明では、前述のとおり、洗浄剤が高濃度の塩類を含有し、非イオン界面活性剤の析出/分離が問題となる場合であっても、非イオン界面活性剤を安定的に水に溶解することができる。そこで、本発明の洗浄剤組成物は、塩類を、例えば、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上、特に好ましくは18質量%以上含有できる。また、塩類の含有量の上限としては、洗浄剤組成物の配合安定性の観点から、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下であることが更に好ましい。塩類の含有量の数値範囲としては、1質量%以上60質量%以下であることが好ましく、3質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上40質量%以下であることが更に好ましく、18質量%以上40質量%以下であることが特に好ましい。ここで、上記の塩類には、無機塩および有機塩のいずれも含まれる。
【0049】
[自動食器洗浄機用用途]
本発明の洗浄剤組成物は、自動食器洗浄機にて用いられる。典型的には、各種自動食器洗浄機に一体的に内蔵もしくは付設される洗浄剤供給装置を介して所定濃度に希釈され、その洗浄剤希釈液が、自動食器洗浄機において、被洗浄物を洗浄するのに用いられる。ここで、本発明の洗浄剤組成物を使用することができる自動食器洗浄機に、特に制限はなく、例えば、ドアタイプ、アンダーカウンタータイプ、ラックコンベアタイプ、フライトコンベアタイプ、フィルアンドダンプタイプ等、一般的に流通している家庭用または業務用各種自動食器洗浄機において使用することができる。
【0050】
上記被洗浄物としては、自動食器洗浄機により洗浄され得るものであれば、特に制限はないが、例えば、飲食器、調理器具、トレイ、瓶、缶等が挙げられる。
【0051】
なお、本発明の洗浄剤組成物は、曝気洗浄、超音波洗浄、浸漬洗浄、減圧沸騰式洗浄等にも使用できる。
【0052】
<自動食器洗浄機による食器の洗浄方法>
本発明の自動食器洗浄機による食器の洗浄方法(以下、単に洗浄方法ということがある)は、本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を用いることを特徴とし、その他の工程、条件等は制限されない。なお、この洗浄方法の説明には、前述の本発明の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物の記載が援用できる。
【0053】
本発明の洗浄方法は、例えば、本発明の洗浄剤組成物の希釈液を、自動食器洗浄機庫内に収容された食器に対し噴射する、噴射洗浄工程を含む。
【0054】
本発明の洗浄方法において、本発明の洗浄剤組成物は、通常、水で希釈されて、洗浄剤希釈液として使用される。このときの希釈倍率は、例えば、2~100000倍である。また、洗浄剤希釈液中の本発明の洗浄剤組成物の濃度は、例えば、0.001質量%以上50質量%以下である。
【0055】
本発明の洗浄方法において、噴射洗浄時の温度は、適宜設定可能であるが、例えば、1~100℃である。
【0056】
本発明の洗浄方法において、噴射洗浄による洗浄時間は、適宜設定可能であるが、例えば、1秒~24時間である。
【実施例】
【0057】
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0058】
下記表1に示す組成の洗浄剤組成物を調製し、以下の試験を行った。配合に用いた各成分を以下に示す。なお、以下において「%」は特に記載がない限り質量%を表す。また、表1における括弧内の数値は純分換算値である。
【0059】
[配合成分]
・水酸化ナトリウム:東ソー社製
・48% 水酸化カリウム水溶液:東亞合成社製
ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン縮合物:商品名「Pluronic PE6200」、BASF社製
・ポリオキシアルキレンアルキルアミン:商品名「リポノールC/18-18」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル:商品名「Plurafac LF-901」、BASF社製
・テトロニック型ブロックポリマー:商品名「アデカプルロニックTR-702」、ADEKA社製
・65% 2-エチルヘキシルグリコシド液:商品名「AG6202」、ヌーリオン社製
・75% ヘキシルグリコシド液:商品名「AG6206」、ヌーリオン社製
・30% オクチルジメチルアミンオキシド液:商品名「GENAMINOX OC」、グローバル・アミンズ社製
・50% アクリル酸/スルホン酸系モノマー共重合体ナトリウム塩液:商品名「アクアリックGL-366」(分子量6000)、日本触媒社製
・45% ポリアクリル酸ナトリウム塩液:商品名「Sokalan CP10」(分子量3500)、BASF社製
・エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水塩(EDTA・4Na・4H2O):商品名「キレスト2D」、キレスト社製
【0060】
[配合安定性試験]
各洗浄剤組成物を、前述のとおり調製した後、液温を25℃にした。外観を目視で観察し、配合安定性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:透明である。
×:白濁、分離等がおきている。
【0061】
[油に対する洗浄試験]
<汚れ付着食器>
モデル汚れは、牛脂と大豆油とを1:1で混合した油を使用した。この油を15gずつ、PEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂製食器に均一に塗布し、汚れ付着食器を準備した。
【0062】
<洗浄方法>
業務用自動食器洗浄機(ホシザキ株式会社製、機種:JW-300TUD)を用いて、上記汚れ付着食器を洗浄した。具体的には、以下の手順で洗浄した。
1)洗浄槽に水道水を15L投入し、60℃まで昇温した。
2)自動食器洗浄機に洗浄剤組成物15g(洗浄槽の水15Lに対して)を投入した。
3)自動食器洗浄機庫内に汚れ付着食器をセットし、洗浄30秒、濯ぎ1分の条件で洗浄を行った。
【0063】
<評価方法>
洗浄後、汚れ残りを目視及び直接手で触ることで確認し、下記の評価基準に基づいて油に対する洗浄力を評価した。なお、「-」は、試験を実施しなかったことを示す。
◎:汚れ、ぬるつきが確認できない。
○:明らかな汚れはないものの、若干のぬるつきが観察される。
×:明らかな汚れ、ぬるつきが観察される。
【0064】
【0065】
配合安定性試験および油に対する洗浄試験の結果を表1に示す。表1に示されるとおり、非イオン界面活性剤にくわえ、アミンオキシドおよびアルキルグリコシドを含有する実施例1~10の洗浄剤組成物は、高分子分散剤やキレート剤を含有している場合であっても、いずれも白濁、分離等が生じず透明であり、配合安定性に優れていた。これに対し、非イオン界面活性剤の他、アミンオキシドまたはアルキルグリコシドの一方のみを含有する洗浄剤組成物、アミンオキシドおよびアルキルグリコシドのいずれも含有しない洗浄剤組成物は、高分子分散剤を含有しない場合であれば、白濁、分離等は生じないものの(比較例6)、高分子分散剤を含有する場合には、白濁、分離等が生じてしまった(比較例1~3)。これらの結果より、アミンオキシドおよびアルキルグリコシドの組み合わせは、高分子分散剤やキレート剤などが存在する場合であっても、非イオン界面活性剤を安定的に水に溶解することができることがわかった。特に、アルキルグリコシドとして、へキシルグリコシドを含有する場合には、より少ない量で非イオン界面活性剤を安定的に水に溶解できることがわかった。
【0066】
ここで、実施例1~10の洗浄剤組成物は、非イオン界面活性剤を含有しており、非イオン界面活性剤を含有しない洗浄剤組成物(比較例4および5)と比較して、油に対する洗浄力に優れていた。中でも、非イオン界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルアミンやポリオキシアルキレンアルキルエーテルを用いた場合には、油汚れを特に効果的に洗浄できることがわかった。
【0067】
以上のとおり、本発明の洗浄剤組成物は、非イオン界面活性剤を安定的に水に溶解することができて配合安定性に優れ、かつ油に対する洗浄力にも優れることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明によれば、配合安定性に優れ、かつ油汚れに対する洗浄力にも優れる自動食器洗浄機用洗浄剤を提供することができる。
【要約】
【課題】本発明は、配合安定性に優れ、かつ油汚れに対する洗浄力にも優れる自動食器用洗浄機用洗浄剤を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、(A)非イオン界面活性剤、(B)アミンオキシド、および(C)アルキルグリコシドを含有する、自動食器洗浄機用洗浄剤組成物である。
【選択図】なし